JP2001138038A - アルミニウム部材と銅又はステンレス部材とのろう付け方法 - Google Patents

アルミニウム部材と銅又はステンレス部材とのろう付け方法

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JP2001138038A
JP2001138038A JP32746699A JP32746699A JP2001138038A JP 2001138038 A JP2001138038 A JP 2001138038A JP 32746699 A JP32746699 A JP 32746699A JP 32746699 A JP32746699 A JP 32746699A JP 2001138038 A JP2001138038 A JP 2001138038A
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Yuichiro Asano
祐一郎 浅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害ガスが発生したり後処理が必要になった
りせずに、アルミニウム部材と銅部材又はステンレス部
材との接合部が良好な伸び、靱性及び機械的強度を有す
るように低温ろう付けする方法を提供する。 【解決手段】 Zn-Al 合金系又はAl-Si-Zn合金系のろう
材を用いて、アルミニウム部材と銅又はステンレスから
なる部材とをろう付けする方法であって、ろう材と、Cs
F系の非腐食性フラックスとを接合面に配置し、加熱す
る工程を有する。Zn-Al 合金ろう材としては55〜95重量
%のZn及び45〜5重量%のAlを含有する合金が好まし
く、Al-Si-Zn合金系ろう材としては20〜60重量%のZn、
1〜10重量%のSi及び30〜79重量%のAlを含有するもの
が好ましい。またフラックスとしては、CsF-AlF 3 系フ
ラックスが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム部材
と銅部材又はステンレス部材とを強固にろう付けする方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】金属部
材の接合にろう付け方法が広く利用されている。ろう付
け方法は一般に、接合すべき金属部材の接合面にろう材
及びフラックスを配置し、ヒーターやガストーチ等によ
り加熱することからなる。ろう付けする金属としてはア
ルミニウム、銅、鉄等種々のものがあるが、通常は同種
の金属同士でろう付けしている。中でもアルミニウムは
良好な加工性、熱伝導性及び耐腐食性を有するために、
電子デバイス等のヒートシンクや熱交換器等のフィンや
管等に広く使用されている。
【0003】ヒートシンクは電子デバイス内の発熱源か
ら放出された熱を放散させる部材で、電子デバイスに接
触する基板とそれに接合されたフィンとからなる。電子
デバイスの小型化及び集積化に加えて、高速化及び高周
波数化が進み、ますます発熱量が多くなってきているの
で、ヒートシンクの熱放散効率の向上が望まれている。
従来から広く使用されているヒートシンクの構造は、ア
ルミニウム基板とアルミニウムフィンとの一体型である
が、熱伝導性を向上させるために、より熱伝導度が高い
銅基板とアルミニウムフィンとを組合せた構造のヒート
シンクが望まれている。銅基板/アルミニウムフィンの
構造とすると、アルミニウム基板/アルミニウムフィ
ンの従来品と比較して20〜30%の熱放散効率の向上が達
成され、電子デバイスの高温(最高200 ℃位)に耐え
ることができる。
【0004】しかしアルミニウムと銅とはろう付け性が
劣るので、現在市販されているろう材及びフラックスで
は良好なろう付けを行うことができない。その上、アル
ミニウムと銅とは熱膨張率が異なるので、両者の接合材
が著しい加熱・冷却を受けると大きな熱応力が発生す
る。そのため、接合部を形成するろう材は熱応力を吸収
し得るのに十分な伸び、靱性及び機械的強度を有する必
要があるが、かかる要求を満たすことができるろう材と
フラックスの組合せはなかった。
【0005】アルミニウム管と銅管との接合の場合、従
来から冷蔵庫用アルミニウム製熱交換器用に、フラッシ
ュバット法等が利用されてきた。しかしフラッシュバッ
ト法は接合しろが非常に小さいので制御が難しく、接合
部の信頼性に劣るという問題がある。そのため接合しろ
の大きなろう付け方法によりアルミニウム管と銅管とを
接合することが望まれている。その上、アルミニウム管
と銅管とのろう付けが容易かつ低コストになると、アル
ミニウム製熱交換器の管と外部冷媒銅管との直接接合が
可能となり、冷媒回路中の管接合箇所を低減することが
でき、熱交換器全体の低コスト化を達成できる。しかし
ながら、上記のようにアルミニウムと銅とはろう付け性
が劣るので、やはり現在の技術ではアルミニウム管と銅
管とのろう付けは困難であった。
【0006】フラックスについては、アルミニウムの融
点が低いので、それに見合った低温揮発性を有するもの
として、従来から塩素系フラックスが使用されている。
しかし塩素系フラックスは加熱により塩素ガスを発生
し、作業環境を悪化させるのみならず、地球環境にも有
害であるという問題がある。さらに塩素系フラックスは
腐食性であるので、ろう付け後に洗浄しなければならな
いことがある。そのため非塩素系フラックスの使用が望
まれている。
【0007】上記のように、アルミニウム部材と銅部材
とを、作業環境を悪化させることなく低温かつ低コスト
で良好な伸び、靱性及び機械的強度を有するようにろう
付けすることは現在まで困難であると考えられてきた。
これは、アルミニウム部材とステンレス部材とのろう付
けについても同様である。そのため、どうしてもアルミ
ニウム部材と銅部材とを接合しなければならない場合に
は、フラッシュバット法等の直接接合法以外では、半田
付け等の方法が採用されてきた。
【0008】従って、本発明の目的は、アルミニウム部
材が溶融又は熱変形しない程度の低温で、かつ有害ガス
が発生したり後処理が必要になったりせずに、アルミニ
ウム部材と銅部材又はステンレス部材との接合部が良好
な伸び、靱性及び機械的強度を有するようにろう付けす
る方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、ろう材としてZn-Al 合金系又
はAl-Si-Zn合金系を使用するとともに、フラックスと
してCsF系の非腐食性フラックスを使用すれば、アルミ
ニウム部材と銅部材又はステンレス部材とを低温でかつ
有害ガスを発生させることなく、接合部が良好な伸び、
靱性及び機械的強度を有するようにろう付けすることが
できることを発見し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、アルミニウム部材と銅又はステ
ンレスからなる部材とをろう付けする本発明の第一の方
法は、55〜95重量%のZn及び45〜5重量%のAlを含有す
るろう材と、CsF系の非腐食性フラックスとを接合面に
配置し、加熱することを特徴とする。
【0011】アルミニウム部材と銅又はステンレスから
なる部材とをろう付けする本発明の第二の方法は、20〜
60重量%のZn、1〜10重量%のSi及び30〜79重量%のAl
を含有するろう材と、CsF系の非腐食性フラックスとを
接合面に配置し、加熱することを特徴とする。
【0012】上記ろう付け方法において、ろう材の表面
に前記非腐食性フラックスを塗布したものを使用しても
良い。またろう材は薄板状、棒状、ワイヤ状又はリング
状とするのが好ましい。
【0013】
【発明の実施態様】
[1] ろう材 (1) 第一のろう材の組成 アルミニウム用ろう材としては従来からAl-Si 合金(融
点:約580 ℃)が多用されている。また低温用のろう材
としては、Zn-Al 合金、Al-Zn-Si合金、Al-Si-Cu-Zn 合
金等が使用されている。これらのうち本発明のろう付け
方法は第一のろう材として、Zn-Al 合金を使用する。こ
のZn-Al 合金は、55〜95重量%のZn、45〜5重量%のA
l、及び実質的に不可避的不純物を含有する。このZn-Al
合金の融点は380 〜560 ℃である。Znの含有量が55重
量%未満(Alの含有量が45重量%超)であるとろう材の
融点が高すぎ、またZnの含有量が95重量%超(Alの含有
量が5重量%未満)であるとろう材の融点が低すぎるだ
けでなく、凝固時に引け巣が発生する恐れがある。好ま
しくは、Znの含有量が65〜85重量%で、Alの含有量が35
〜15重量%であり、この組成範囲で融点は460 〜530 ℃
である。
【0014】(2) 第二のろう材の組成 第二のろう材は、20〜60重量%のZn及び1〜10重量%の
Siを含有し、残部が実質的にAl及び不可避的不純物から
なるAl-Zn-Si合金からなる。このAl-Zn-Si合金におい
て、ZnとSiはろう材の融点を下げる効果があり、Znの含
有量が20重量%未満又はSiの含有量が1重量%未満であ
ると、ろう材の融点は高すぎる。またZnの含有量が60重
量%超又はSiの含有量が10重量%超であると、ろう材の
融点が低すぎるのみならず、凝固時に引け巣が発生した
り、ろう材の加工性が低下する等の不都合が生じる。残
部は実質的にAlである。第二のろう材の好ましい配合比
は、Znが20〜40重量%、及びSiが5〜10重量%であり、
残部は実質的にAl及び不可避的不純物からなる。
【0015】なお第一及び第二のろう材において、ろう
付け性、接合強度及び耐食性の向上のために、通常用い
られる金属元素を添加しても良い。
【0016】(3) ろう材の形状 ろう材は、接合する金属部材の形状に応じて、薄板状、
棒状、ワイヤ状又はリング状にして使用する。例えば図
2に示すヒートシンクの場合、銅基板とアルミニウムフ
ィンとの接合部は平坦であるので、薄板状のろう材を使
用するのが好ましい。また図3に示すパイプの接合の場
合、リング状のろう材を使用するのが好ましい。
【0017】[2] フラックス 低温ろう付け用フラックスとして、塩素系及び非塩素系
があるが、ほとんどの場合低温用ろう材/塩素系フラッ
クスの組合せが使用されてきた(例えば、特開平9-2553
1 号を参照)。ところが塩素系フラックスは、アルミニ
ウム部材/銅部材(又はステンレス部材)のろう付けの
際に上記ろう材とともに使用すると、良好な伸び、靱性
及び機械的強度を有する接合部が得られないことが分か
った。その上、塩素系フラックスには有害ガスの発生
や、ろう付け後に洗浄する必要がある等の問題がある。
これに対して、上記ろう材とCsF系の非腐食性フラック
スを組合せると、無公害の低温ろう付けができるだけで
なく、得られたろう付け部が予想し得ない程の優れた伸
び、靱性及び機械的強度を有することが分かった。
【0018】この非腐食性フラックスはCsFとAlF3とを
含有し、両者は錯体化合物を形成しているのが好まし
い。フラックス組成を元素毎に表示すると、Alは5〜20
重量%であり、Csは75〜40重量%であり、Fは20〜40重
量%であるのが好ましい。より好ましくは、Alは10〜20
重量%であり、Csは60〜40重量%であり、Fは30〜40重
量%である。
【0019】CsF-AlF3の二成分系フラックスの場合、Cs
F/AlF3の重量比は30/70〜75/25程度の範囲であるの
が好ましく、この重量比に応じてフラックスの融点は約
450℃から約490 ℃まで変化する。
【0020】第三成分としてアルミナを含有しても良
い。CsF/AlF3/Al2O3 の三成分系フラックスの場合、
CsFは約55〜65重量%で、AlF3は約25〜35重量%で、Al
2O3 は約5〜10重量%であるのが好ましい。このCsF/
AlF3/Al2O3 系フラックスの融点は約420 〜470 ℃であ
る。
【0021】フラックスとろう材との重量比は5/95〜
30/70であるのが好ましい。フラックス/ろう材の重量
比が5/95未満では、金属部材表面の酸化物を除去する
とともにろう材との親和性を向上させる効果が不十分で
ある。一方30/70を超えても更なる効果は得られない。
フラックス/ろう材のより好ましい重量比は10/90〜20
/80である。
【0022】[3] プレコート型のろう材 ろう付け性を向上するために、ろう材にフラックスを予
め塗布した状態で使用するのが好ましい。ろう材にフラ
ックスを塗着するにはフラックスに適量のバインダーを
混合する。バインダーはろう付け時に消失しなければな
らないので、低沸点又は低温分解性の有機バインダーが
好ましい。有機バインダーの具体例としては、ポリアク
リル酸ブチル、パラフィンワックス等が挙げられる。バ
インダーの使用量は、フラックスを100 重量%として、
10〜20重量%とするのが好ましい。
【0023】ポリアクリル酸ブチル等の熱可塑性樹脂を
バインダーとして用いる場合、樹脂を溶解する溶媒とし
て、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、
ペンタノール等の低級脂肪族アルコールを用いるのが好
ましい。熱可塑性バインダー樹脂とアルコールとの重量
比は1/1〜1/100 程度で良い。
【0024】プレコート型ろう材におけるフラックス/
ろう材の重量比は、5/95〜30/70であるのが好まし
く、10/90〜20/80であるのがより好ましい。
【0025】[4] ろう付け方法 上記ろう材及びフラックスを使用してアルミニウム部材
を銅部材又はステンレス部材にろう付けする場合、まず
両部材の接合面の一方又は両方にフラックスを塗布した
後で、両接合面間にろう材を設置する。両部材の接合面
が密着するように圧着しながら、全体を所定の温度に加
熱する。加熱は大気中、真空中又は不活性ガス雰囲気中
で行うことができる。大気中の場合、トーチ法又は高周
波法を利用するのが好ましい。またアルミニウム部材及
び銅部材の酸化を防止する必要がある場合には、真空、
もしくはアルゴン又は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気を
利用する必要があり、その場合には電気炉を使用するの
が好ましい。不活性ガス雰囲気の酸素濃度は100 ppm 以
下であるのが好ましく、またその露点は−30℃以下であ
るのが好ましい。ろう付け温度は一般に400 〜550 ℃程
度であれば良く、特に460 〜530 ℃程度が好ましい。ま
たろう付け時間は、ろう材が溶融して両部材の接合面間
に十分に進入するように設定する。例えばヒートシンク
のように平坦な接合面の場合には、5〜10分程度で良
い。
【0026】電気炉等の加熱炉を使用する場合、接合面
におけるろう材の健全なフィレットの形式及びろう材の
アルミニウムフィンへの浸食作用を最小限に抑制するた
めに、接合すべき部材の形状及び寸法に応じて、加熱温
度及び時間を厳密に制御する必要がある。炉温度の制御
方式としては、サイリスタによるPID 制御方式が好まし
い。
【0027】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
るが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0028】実施例1 厚さ0.3mm 及び幅15mmのアルミニウムシートを図1に示
すように屈曲させ、高さ10mmのアルミニウムフィン1を
作製した。一方、80mm×20mm×2mmの銅基板2の上に、
非腐食性フラックスとしてCsF-AlF3系フラックス(CsF
/AlF3の重量比=50/50)の水性スラリーを塗布した
後、厚さ0.3mm 及び幅3mmの2つのリボン状Zn-Al 合金
系ろう材(Zn:82.6重量%、Al:17.4重量%、融点:48
0 ℃)3,3を載置し、その上に上記アルミニウムフィ
ン1を載置した。フラックス/ろう材の重量比は15/85
であった。
【0029】加熱炉として、幅300mm 、高さ150mm 及び
長さ6000mmの有効寸法を有し、加熱ゾーンが2000mmで冷
却ゾーンが4000mmの連続式電気炉を使用した。炉内を走
行するコンベアの速度は400 mm/分であり、窒素ガスの
供給速度は4m3/ 分であった。加熱ゾーンの温度は520
℃に設定した。アルミニウムフィン1上に適当な重りを
置いた状態で、アルミニウムフィン/銅基板をコンベア
に載置し、窒素ガス雰囲気の連続式電気炉内に入れた。
コンベア上のアルミニウムフィン/銅基板は5分かけて
加熱ゾーンを通過し、次いで10分かけて冷却ゾーンを通
過した。これによりリボン状ろう材3,3は完全に溶融
・固化し、アルミニウムフィン1は銅基板2に強固に固
着した。
【0030】アルミニウムフィン1がろう付けされた銅
基板2をフィン1と反対側に曲率半径が60mmになるまで
曲げる剥離試験を行ったところ、アルミニウムフィン1
の剥離は全く認められなかった。またアルミニウムフィ
ン1の一部を引っ張ることにより銅基板2からの剥離試
験を行ったところ、アルミニウムフィン1の部分で破断
が起こり、接合部での剥離はなかった。
【0031】実施例2 組成をZn:22.5重量%、Si:8.7 重量%及びAl:残部と
した以外は実施例1と同じ形状の二本のリボン状ろう材
(融点:500 ℃)3,3及び実施例1と同じCsF-AlF3
フラックスを使用し、図1に示すようにアルミニウムフ
ィン1を銅基板2に載置した。フラックス/ろう材の重
量比は15/85であった。
【0032】アルミニウムフィン1上に適当な重りを置
いた後、大気中でガストーチにより3分間加熱した。リ
ボン状ろう材3,3は完全に溶融・固化し、アルミニウ
ムフィン1は銅基板2に強固に固着した。得られたろう
付け接合体に対して実施例1と同じ剥離試験を行ったと
ころ、剥離は全く認められなかった。
【0033】実施例3 図2に示すように、幅15mm、長さ50mm及び厚さ0.2mm の
Zn-Al 合金系ろう材(Zn:82.6重量%、Al:17.4重量
%、融点:480 ℃)4の表面に、実施例1と同じCsF-Al
F3系フラックス85重量%とポリアクリル酸ブチル系バイ
ンダー15重量%とのブレンドを塗布したものを銅基板2
上に載置した。フラックス/ろう材の重量比は15/85で
あった。その上にアルミニウムフィン1を載置した後
で、実施例1と同じ連続電気炉により10分間加熱した。
ろう材4は完全に溶融・固化し、アルミニウムフィン1
は銅基板2に強固に固着した。得られたろう付け接合体
に対して実施例1と同じ剥離試験を行ったところ、剥離
は全く認められなかった。
【0034】実施例4 図3に示すように、外径8.0 mm及び肉厚0.6 mmの銅管5
の端部を僅かに拡径し、その拡径部51に外径8.0 mm及び
肉厚0.7 mmのアルミニウム管6の端部を挿入した。両管
の接合部に内径8.2mm 、幅2mm及び厚さ0.6mm のリング
状Zn-Al 合金系ろう材(Zn:82.6重量%、Al:17.4重量
%、融点:480 ℃)7及びCsF-AlF3系フラックス(CsF
/AlF3の重量比=50/50)を載置した。フラックス/ろ
う材の重量比は15/85であった。この状態でガストーチ
により3分間加熱した。これによりろう材7は完全に溶
融し、両管5,6の接合面間に進入・固化した。ろう付
けした接合管に10kgf/cm2 の圧力の空気を圧入し、接合
管全体を水中に浸漬したところ、漏洩は全く認められな
かった。
【0035】実施例5 実施例4と同じアルミニウム管及び銅管に対して、ろう
材としてAl合金系ろう材(Zn:22.5重量%、Si:8.7 重
量%及びAl:残部、融点:500 ℃)を使用した以外実施
例4と同じ条件でろう付けを行った。ろう付けした接合
管に10kgf/cm2の圧力の空気を圧入し、接合管全体を水
中に浸漬したところ、漏洩は全く認められなかった。
【0036】実施例6 図4に示すように、外径12.7 mm 及び肉厚0.6 mmのステ
ンレス管10の端部に、高さ1.0mm のカラー付きドーナツ
状アルミニウムフィン(外径:50mm、内径:12.9mm及び
厚さ:0.4mm )12を7mmのピッチで15個嵌めた。アルミ
ニウムフィン12とステンレス管10との間に、棒状のAl合
金系ろう材(Zn:22.5重量%、Si:8.7重量%及びAl:
残部)14及びCsF-AlF3系フラックス(CsF /AlF3の重量
比=50/50)を挿入した。フラックス/ろう材の重量比
は15/85であった。この状態で実施例1と同じ連続電気
炉により8分間加熱した。これによりろう材14は完全に
溶融し、フィン12とステンレス管10との間に進入・固化
した。ステンレス管10にろう付けしたアルミニウムフィ
ン12の一部を10mmの幅を半径方向にカットして引っ張っ
たところ、アルミニウムフィン12の部分で破断が起こ
り、接合部での剥離はなかった。
【0037】実施例7 ステンレス管10の代わりに同径の銅管10を使用した以外
実施例6と同様にしてろう付けを行った。銅管10にろう
付けしたアルミニウムフィン12の一部を10mmの幅を半径
方向にカットして引っ張ったところ、アルミニウムフィ
ン12の部分で破断が起こり、接合部での剥離はなかっ
た。
【0038】
【発明の効果】上記の通り、所定の組成を有するろう材
と非腐食性のCsF系フラックスとを組合せて使用する本
発明のろう付け方法により、アルミニウム部材と銅部材
又はステンレス部材とを良好にろう付けすることができ
る。得られたろう付け接合部は、ろう材の優れた伸び、
靱性及び機械的強度により強固であり、接合体を折り曲
げたり著しい温度差による熱応力を受けても、剥離する
ことはない。
【0039】本発明のろう付け方法によりろう付けされ
たアルミニウム部材/銅部材(又はステンレス部材)の
接合体は、電子デバイス等のヒートシンク、熱交換器等
に広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のろう付け方法によりアルミニウムフ
ィンを銅基板にろう付けする例を示す斜視図である。
【図2】 本発明のろう付け方法によりアルミニウムフ
ィンを銅基板にろう付けする別の例を示す斜視図であ
る。
【図3】 本発明のろう付け方法によりアルミニウム管
を銅管にろう付けする例を示す断面図である。
【図4】 本発明のろう付け方法によりドーナツ状アル
ミニウムフィンをステンレス管にろう付けする例を示す
斜視図である。
【符号の簡単な説明】
1,12・・・アルミニウムフィン 2・・・銅基板 3・・・リボン状ろう材 4・・・薄板状ろう材 5・・・銅管 6・・・アルミニウム管 7・・・リング状ろう材 10・・・ステンレス管 14・・・棒状ろう材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 103:18 B23K 103:18 103:20 103:20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム部材と銅又はステンレスか
    らなる部材とをろう付けする方法において、55〜95重量
    %のZn及び45〜5重量%のAlを含有するろう材と、CsF
    系の非腐食性フラックスとを接合面に配置し、加熱する
    ことを特徴とするろう付け方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム部材と銅又はステンレスか
    らなる部材とをろう付けする方法において、20〜60重量
    %のZn、1〜10重量%のSi及び30〜79重量%のAlを含有
    するろう材と、CsF系の非腐食性フラックスとを接合面
    に配置し、加熱することを特徴とするろう付け方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のろう付け方法に
    おいて、前記ろう材の表面に前記非腐食性フラックスを
    塗布したものを前記接合面に載置することを特徴とする
    ろう付け方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のろう材
    において、前記ろう材を薄板状、棒状、ワイヤ状又はリ
    ング状とすることを特徴とするろう付け方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のろう材
    において、大気中でのトーチ法又は高周波法により、も
    しくは酸素濃度が100 ppm 以下で露点が−30℃以下のア
    ルゴン又は窒素ガス雰囲気での加熱炉法によりろう付け
    することを特徴とするろう付け方法。
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