JP3312921B2 - アルミニウム材のフラックスガスろう付用連続式ろう付炉 - Google Patents

アルミニウム材のフラックスガスろう付用連続式ろう付炉

Info

Publication number
JP3312921B2
JP3312921B2 JP33041291A JP33041291A JP3312921B2 JP 3312921 B2 JP3312921 B2 JP 3312921B2 JP 33041291 A JP33041291 A JP 33041291A JP 33041291 A JP33041291 A JP 33041291A JP 3312921 B2 JP3312921 B2 JP 3312921B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brazing
flux
gas
furnace
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33041291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05185206A (ja
Inventor
秀一 室岡
康弘 納
智子 荒井
昭一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP33041291A priority Critical patent/JP3312921B2/ja
Publication of JPH05185206A publication Critical patent/JPH05185206A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3312921B2 publication Critical patent/JP3312921B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばろう付仕様に
よるアルミニウム製熱交換器の製造に好適に用いられる
アルミニウム材のろう付装置、特にフラックスガス雰囲
気下で連続的にろう付を行うフラックスガスろう付用連
続式ろう付炉に関する。
【0002】なおこの明細書において、アルミニウムの
語はその合金を含む意味で用いる。
【0003】
【従来の技術】例えば、自動車用ラジエータ、カークー
ラー用エバポレータ、コンデンサやその他電機、機械用
のアルミニウム製熱交換器をろう付する場合、真空ろう
付の場合を除き、フラックスを用いて熱交換器構成部材
をろう付接合する方法が多く用いられている。
【0004】従来、かかるフラックスろう付を行う場
合、まずフラックスを水または溶剤中に懸濁させたの
ち、この懸濁液を、接合すべきアルミニウム材の表面に
スプレー法、シャワー法、浸漬法等により塗布し、次い
でこれを予熱乾燥して水分を蒸発除去し、しかるのち非
酸化性雰囲気中で所定温度に加熱し、接合用ろう材を溶
融してろう付を行っていた。
【0005】しかし、この方法では懸濁液の塗布作業や
塗布後の乾燥作業が必要であり、生産性が良くなかっ
た。しかも、アルミニウム材へのフラックス付着量が概
して多いため、ろう付後のアルミニウム材の表面にフラ
ックスが残留して灰色ないし白色のシミを生じ、色調ム
ラを呈して外観体裁を損なうばかりか、その後の塗装処
理、耐食処理等の表面処理を妨げるという問題もあっ
た。しかも、この残留したフラックスはアルミニウム材
の表面に固着しており、その除去は甚だ困難であった。
【0006】そこで、近時、フラックスをガス化させた
雰囲気中でろう付する方法が提案されている(特開平2
−147164号)。かかるフラックスガス含有雰囲気
下でろう付を行なうと、ろう付後の表面が清浄となるも
のとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
フラックスガス含有雰囲気下でろう付を行った場合でさ
え、アルミニウム材の表面にフラックスが残留して白色
系のシミを生じ、外観品質の低下、表面処理性の低下を
来たすことがあった。
【0008】そこで、発明者は種々実験と研究を重ねた
結果、上記のようなフラックスガス含有雰囲気下でのろ
う付におけるアルミニウム材表面のフラックス残留が、
ろう付前にアルミニウム材表面に吸着している吸着水に
起因して生じていることを知見した。即ち、アルミニウ
ム材表面の吸着水が多いと、良好なろう付性を得るため
にフラックスガスの濃度を高くせざるを得ず、その結果
としてろう付品表面の付着フラックス量が増加し、余剰
フラックスがろう付品表面に残留することがわかった。
【0009】この発明は、かかる知見に基いてなされた
ものであって、フラックスガス含有雰囲気下でのろう付
において、アルミニウムろう付品表面のフラックス残留
をなくしえて、外観品質に優れかつ表面処理性にも優れ
たろう付を可能とすることを目的とし、このためのろう
付装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、図面の符号を参照して示すと、入口部
(2)と出口部(7)を有するろう付炉(1)と、該ろ
う付炉(1)の入口部(2)から出口部(7)へと複数
のアルミニウム接合部材(A)を順次にかつ連続的に搬
送する搬送装置(3)とを備え、さらに、前記ろう付炉
(1)には、入口側に近接して設けられ、炉内に搬入さ
れたアルミニウム接合部材(A)を予熱する予熱部
(4)と、予熱部(4)の出側に近接して設けられ、フ
ラックスガスをアルミニウム接合部材に供給するフラッ
クスガス供給部(5)と、前記予熱部(4)と前記出口
部(7)との間に設けられ、炉内を不活性ガス雰囲気と
する不活性ガス供給部(8)とが具備されてなり、前記
不活性ガス供給部(8)から不活性ガスが入口側および
出口側に向かって噴出供給されるものとなされているこ
とを特徴とするアルミニウム材のフラックスガスろう付
用連続式ろう付炉を要旨とする。
【0011】
【作用】搬送装置(3)に載せられて連続的に入口部
(2)からろう付炉に搬入されてきたアルミニウム接合
部材(A)は、予熱部(4)を通過する間に予熱され
て、表面吸着水が蒸発除去される。一方、フラックスガ
ス供給部(5)からはフラックスガスが供給され、その
一帯がフラックスガス含有雰囲気となる。この雰囲気中
に予熱部(4)を通過したアルミニウム接合部材(A)
が進入し、該アルミニウム接合部材(A)にフラックス
が供給される。
【0012】アルミニウム接合部材(A)の表面吸着水
は蒸発除去されているから、フラックス作用が妨げられ
ることがなく、少量のフラックスで良好なろう付が達成
される。
【0013】
【実施例】次にこの発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0014】図1(イ)はこの発明の第1実施例に係る
ろう付装置を示している。同図において、(1)はろう
付炉であり、このろう付炉の一端には入口部(2)が他
端には出口部(7)が設けられている。そして、入口部
(2)から、所定間隔でコンベア(3)に載せられた複
数のアルミニウム接合部材(A)が連続的に炉内に搬入
され、出口部(7)に向って移送されるものとなされて
いる。
【0015】ろう付炉(1)にはその入口側に所定範囲
にわたる予熱部(4)が設けられている。この予熱部
(4)は炉内に搬入されてきたアルミニウム接合部材
(A)を予熱してその表面吸着水を蒸発除去する役割を
果たすものである。さらに、炉(1)内には、予熱部
(4)に連続してフラックスガス供給部(5)が設けら
れ、このフラックスガス供給部(5)からフラックスガ
スがN2 ガスをキャリアーガスとしてろう付炉(1)内
に下向きに噴出供給されるものとなされている。そして
供給したフラックスガスを雰囲気中に均一に存在せしめ
るとともに、アルミニウム接合部材(A)が複雑な形状
のものであってもその細部までフラックスガスを回り込
ませるべく、フラックスガスの噴出口(5a)に近接して
ろう付炉の入口側の位置にプロペラ状の攪拌機(6)が
設けられている。
【0016】さらに、フラックスガス供給部(5)とろ
う付炉(1)の出口部(7)との間には不活性ガス供給
部としてのN2 ガス供給部(8)が設けられており、こ
のN2 ガス供給部(8)からN2 ガスがろう付炉(1)
内の入口側及び出口側に向かって噴出供給されるものと
なされている。そして、これにより炉内がN2 ガス雰囲
気に設定されるものとなされている。このように、N2
ガスを入口側及び出口側に向かって噴出させるのは、予
熱部(4)で蒸発した接合部材表面の水分を入口側へ向
かって噴出させたN2 ガスにより入口側に押しやって入
口側排気口(9)から排出する一方、出口側に向って噴
出させたN2 ガスにより出口部(7)からの水分侵入を
防止するためである。なお、出口側に向って噴出させた
N2 ガスは、出口側排気口(10)から排出するものとな
されている。また、N2 ガス流量は平均流速で1〜20
cm/secとなるように調整するのが良い。なお、N
2ガス供給部(8)は必ずしもフラックスガス供給部
(5)に対して出口側の位置に設けなければならないも
のではない。
【0017】図1(イ)に示したろう付炉において、コ
ンベア(3)に載せられて連続的に入口部(2)からろ
う付炉に搬入されてきたアルミニウム接合部材(A)
は、予熱部(4)を通過する間に予熱され、その温度が
徐々に上昇する。図1(ロ)に、ろう付炉(1)内を移
送されるアルミニウム接合部材(A)の表面温度の推移
を炉内の位置に対応して示す。アルミニウム接合部材
(A)は予熱される間にその表面吸着水が蒸発除去され
る。予熱時間は吸着水の効果的な除去を促進すべく5〜
20分程度に設定するのが良い。除去された水分は、N
2 ガス供給部(8)から入口側に向って噴出されたN2
ガス流に乗って入口側に押しやられ、入口側排気口
(9)から炉外へ排出される。一方、フラックスガス供
給部(5)からはN2 ガスをキャリアガスとしてフラッ
クスガスが供給され、攪拌機(6)で攪拌される結果、
噴出口(5a)の直下を中心としてその近傍一帯がフラッ
クスガス含有N2 雰囲気となされている。
【0018】上記のフラックスガスの供給は、雰囲気中
のフラックスガス濃度が200ppm以下となるように行
うのが良い。フラックスガス濃度が200ppm を越える
と、フラックスの量が多すぎてろう付品表面のフラック
スの付着残留による白色化を来たす恐れがあり、200
ppm 以下の濃度に規定することによりフラックスの付着
残留を生じることなく且つ十分なろう付接合を実現でき
るからである。特に好ましいフラックスガス濃度は20
〜65ppm である。
【0019】ここに、フラックスガスとはフラックスの
気化したものをいう。フラックスの種類は特に限定され
ないが、非腐食性のフッ化物系フラックス、例えばKA
lF4 やその他フッ化アルミニウム(AlF3 )成
分とフッ化カリウム(KF)成分とを共晶組成ないしそ
れに近い組成範囲に含んで実質的に錯体化された錯体混
合物等をあげ得る。最も好ましくはフラックス作用の良
好性、ガス化容易性等の面からKAlF4 を用いるの
が良い。
【0020】フラックスとしてKAlF4 を用いる場
合、雰囲気中の水分とフラックスガスの濃度比は水分濃
度1に対してフラックスガス濃度を1を越えるものに設
定するのが良い。これは、雰囲気中の水分とKAlF4
とが次の化学式
【0021】
【化1】 で示されるように等量反応してKAlF4 が消失する
恐れがあることから、KAlF4 の量を水分量よりも
多く設定し、完全反応した場合であってもKAlF4
を雰囲気内に残存させるためである。特に好ましくは水
分とフラックスガスの濃度比はこれを1:1.1以上に
設定するのが良い。
【0022】ところで、雰囲気中にHFが含まれている
と、HFがアルミニウム材のAlと反応してAlF3
等の緻密な膜を形成しろうの濡れ性を阻害するため、ろ
う付雰囲気中のHF濃度は60ppm 以下に規制するのが
良い。
【0023】上記フラックスガスの供給時において、雰
囲気中の水分濃度はこれを60ppm以下に規定されてい
なければならない。水分濃度が60ppm を越えるとアル
ミニウム材の表面吸着水の除去にもかかわらずアルミニ
ウム材表面の酸化皮膜の成長が促進され、このため酸化
皮膜を十分に除去するにはやはり多量のフラックスを必
要とするからである。従って、フラックスガス供給時の
水分濃度を60ppm 以下に規制することで、酸化皮膜の
成長を抑制しつつアルミニウム材表面の吸着水を効果的
に除去することができる。特に好ましい水分濃度は30
ppm 以下である。
【0024】上記のようなフラックスガス含有雰囲気中
に予熱部(4)を通過したアルミニウム接合部材(A)
が進入するが、この実施例では、接合部材の温度が40
0〜570℃となったときに上記のフラックスガス雰囲
気に進入するように予熱部(4)の長さ、フラックスガ
ス供給部(5)の位置、コンベア(3)の速度等が設定
されている。このように、アルミニウム接合部材の温度
が400〜570℃のときにフラックスガスを供給する
のは、アルミニウム接合部材の温度が400℃に達する
までに、アルミニウム接合部材が予熱され、その表面の
吸着水がフラックス皮膜によって妨げられることなく効
果的に除去されるからである。
【0025】こうしてアルミニウム接合部材(A)に供
給された雰囲気中のフラックスは、ろう付温度より若干
低い温度の接合部材表面に効果的に付着するものと推測
されるが、供給されたフラックスガスの量を200pp
m以下とすることで、そのほとんどをアルミニウム接合
部材(A)に付着させることができるものと推測され
る。従って、フラックスガスが予熱部(4)方向に流出
して予熱部がフラックスガス雰囲気となるような不都合
はない。
【0026】その後コンベア(3)の進行とともに、ア
ルミニウム接合部材(A)の温度はさらに上昇し、ろう
材が溶融してろう付接合が達成される。
【0027】ろう付後、N2 ガス供給部(8)から出口
部(7)に至るまでに接合部材(A)は冷却され、出口
部(7)から炉外へと搬出される。
【0028】上記により炉内雰囲気を所定範囲のフラッ
クスガス濃度に調整したのち、この雰囲気中でアルミニ
ウム接合部材よりも融点の低いアルミニウム材を用い
て、従来と同様に590〜610℃×1〜15分程度に
加熱することによりろう材を溶融し、ろう付接合が達成
される。このろう付時において、炉内のフラックスガス
は効果的にフラックス作用を発揮し、フラックスの付着
残留を生じることなく良好なろう付接合が達成される。
【0029】ちなみに、図1(イ)に示したろう付装置
を用いて以下のようなろう付試験を実施した。
【0030】即ち、肉厚0.75mmのA1100押出
チューブ材と、A3003合金を心材としAl−10%
Si合金を皮材としたクラッド率9%、厚さ0.15m
mの両面ブレージングシートのフィン材とを用いてコル
ゲート型熱交換器を組立てた。
【0031】そして、上記組立物をコンベアに載せて図
1(イ)に示すN2 ガス雰囲気のろう付炉(1)に搬入
し、まず予熱部(4)で予熱して表面の吸着水を蒸発除
去した。
【0032】次いで、フラックスガス供給部(5)へと
連続的に搬送してKAlF4 フラッスガスを熱交換器組
立物に供給した後、ろう付を行った。フラックスガスの
供給時点における熱交換器組立物の温度は460℃であ
った。また、フラックスガス雰囲気中の水分濃度は20
ppm であり、フラックスガス濃度は50ppm であった。
【0033】上記により得たろう付品につき、ろう付
性、外観状態を目視観察したところ、接合部に十分なフ
ィレットが形成されており、またフラックスの残留は目
視で確認できず外観は極めて清浄であった。また、各ろ
う付品をリン酸クロメート処理後アクリル系樹脂を吹付
け塗装したのち、塗膜面に1mm角のマス目をけがいて
テープ剥離試験を実施し、塗膜の残ったマス目の数で表
面処理性を評価したところ(碁盤目試験)、塗膜の剥離
は全く認められなかった。
【0034】図2(イ)は、この発明の第2実施例に係
るろう付装置を示している。なお、図2において図1
(イ)に示したろう付装置と同一名称部分については同
一符号を付す。
【0035】このろう付装置では、予熱部(4)が比較
的広範囲に設定されると共に、フラックスガス供給部
(5)からフラックスガスがN2 ガスをキャリアーガス
としてろう付炉(1)内に入口側に向かって噴出供給さ
れるものとなされている。しかもまた、N2 ガス供給部
(8)からN2 ガスがろう付炉(1)内の出口側に向か
って噴出供給されるものとなされており、噴出させたN
2 ガスにより出口部(7)からの水分侵入を防止するも
のとなされている。ためである。
【0036】図2(イ)に示したろう付炉においては、
コンベア(3)に載せられて連続的に入口部(2)から
ろう付炉に搬入されてきたアルミニウム接合部材(A)
は、予熱部(4)を通過する間に予熱され、その温度が
徐々に上昇する。図1(ロ)に、ろう付炉(1)内を移
送されるアルミニウム接合部材(A)の表面温度の推移
を炉内の位置に対応して示す。アルミニウム接合部材
(A)は予熱される間にその表面吸着水が蒸発除去され
る。一方、フラックスガス供給部(5)からはN2 ガス
をキャリアガスとしてフラックスガスが供給され、攪拌
機(6)で攪拌される結果、噴出口(5a)の下方一帯が
フラックスガス含有N2 雰囲気となされている。この雰
囲気中に予熱部(4)を通過したアルミニウム接合部材
(A)が進入するが、この実施例では、接合部材の温度
が570〜605℃となったときに上記のフラックスガ
ス雰囲気に進入するように予熱部(4)の長さ、フラッ
クスガス供給部(5)の位置、コンベア(3)の速度等
が設定されている。このように、アルミニウム接合部材
の温度が570〜605℃のときにフラックスガスを供
給するのは、アルミニウム接合部材の温度が570℃に
達するまでに、アルミニウム接合部材が予熱され、その
表面の吸着水がフラックス皮膜によって妨げられること
なく効果的に除去されるとゝもに、フラックスガスの量
が少なくて済むからである。即ち、570℃未満では未
だアルミニウム材の表面吸着水が十分に除去されていな
いか、あるいはアルミニウム接合部材がフラックスの付
着に対して十分に活性な状態ではなく、結果的にフラッ
クス使用量が多くなってしまう。一方、605℃を越え
る温度ではろう材が溶融するためフラックスの供給遅延
によるろう付不良を招く。
【0037】その後コンベア(3)の進行とともに、ア
ルミニウム接合部材(A)の温度は更に上昇し、ろう材
が溶融してろう付接合が達成される。
【0038】ろう付後、N2 ガス供給部(8)から出口
部(7)に至るまでに接合部材(A)は冷却され、出口
部(7)から炉外へと搬出される。
【0039】ちなみに、図1(イ)に示したろう付装置
を用いて以下のようなろう付試験を実施した。
【0040】即ち、肉厚0.75mmのA1100押出
チューブ材と、A3003合金を心材としAl−10%
Si合金を皮材としたクラッド率9%、厚さ0.15m
mの両面ブレージングシートのフィン材とを用いてコル
ゲート型熱交換器を組立てた。
【0041】そして、上記組立物をコンベアに載せて図
2(イ)に示すN2 ガス雰囲気のろう付炉(1)に搬入
し、まず予熱部(4)で予熱して表面の吸着水を蒸発除
去した。
【0042】次いで、フラックスガス供給部(5)へと
連続的に搬送してKAlF4 フラッスガスを熱交換器組
立物に供給した後、ろう付を行った。フラックスガスの
供給時点における熱交換器組立物の温度は590℃であ
った。また、フラックスガス雰囲気中の水分濃度は20
ppm であり、フラックスガス濃度は30ppm であった。
【0043】上記により得たろう付品につき、ろう付
性、外観状態を目視観察したところ、接合部に十分なフ
ィレットが形成されており、またフラックスの残留は目
視で確認できず外観は極めて清浄であった。また、碁盤
目試験により表面処理性を評価したところ、塗膜の剥離
は全く認められなかった。
【0044】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、入口部と出口
部を有するろう付炉と、該ろう付炉の入口部から出口部
へと複数のアルミニウム接合部材を順次にかつ連続的に
搬送する搬送装置とを備え、さらに、前記ろう付炉に
は、入口側に近接して設けられ、炉内に搬入されたアル
ミニウム接合部材を予熱する予熱部と、予熱部の出側に
近接して設けられ、フラックスガスをアルミニウム接合
部材に供給するフラックスガス供給部と、前記予熱部と
前記出口部との間に設けられ、炉内を不活性ガス雰囲気
とする不活性ガス供給部とが具備されてなることを特徴
とするものであるから、アルミニウム接合部材を予熱部
で予熱することができ、その表面吸着水を蒸発除去する
ことができる。そして、表面吸着水の除去後に、フラッ
クスガス供給部からフラックスガスをアルミニウム接合
部材に供給することができるから、フラックス作用の妨
げとなる表面吸着水の存在しない状態でろう付を行うこ
とができ、使用フラックス量を必要最少限に抑制するこ
とができる。しかも、不活性ガス供給部から不活性ガス
が入口側および出口側に向かって噴出供給されるものと
なされているから、予熱部で蒸発した接合部材表面の水
分を入口側へ向かって噴出させた不活性ガスにより入口
側に押しやる一方、出口側に向って噴出させた不活性ガ
スにより出口部からの水分侵入を防止することができ、
益々フラックス作用の妨げとなる表面吸着水の存在しな
い状態でろう付を行うことができる。従って、十分なろ
う付性を確保しつつ、フラックス使用量の減少によりろ
う付後のアルミニウム材表面におけるフラックスの付着
残留をなくすことができ、外観品質に優れた商品価値の
高いアルミニウムろう付品を提供できる。のみならず、
ろう付後に化性処理、塗装等の表面処理を施す場合に
も、皮膜、塗膜のはがれのない密着性に優れたろう付品
の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)はこの発明の第1実施例に係る連続式ろ
う付炉の概略構成図である。(ロ)は(イ)のろう付炉
内を移送されるアルミニウム接合部材の温度状態を示す
グラフである。
【図2】(イ)はこの発明の第2実施例に係る連続式ろ
う付炉の概略構成図である。(ロ)は(イ)のろう付炉
内を移送されるアルミニウム接合部材の温度状態を示す
グラフである。
【符号の説明】
A…アルミニウム接合部材 1…ろう付炉 2…入口部 3…搬送装置 4…予熱部 5…フラックスガス供給部 7…出口部 8…不活性ガス供給部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昭一 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和ア ルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−155464(JP,A) 特開 平3−275270(JP,A) 特開 平3−118965(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 1/008 B23K 1/19 B23K 31/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入口部(2)と出口部(7)を有するろ
    う付炉(1)と、 該ろう付炉(1)の入口部(2)から出口部(7)へと
    複数のアルミニウム接合部材(A)を順次にかつ連続的
    に搬送する搬送装置(3)とを備え、 さらに、前記ろう付炉(1)には、入口側に近接して設
    けられ、炉内に搬入されたアルミニウム接合部材(A)
    を予熱する予熱部(4)と、予熱部(4)の出側に近接
    して設けられ、フラックスガスをアルミニウム接合部材
    に供給するフラックスガス供給部(5)と、前記予熱部
    (4)と前記出口部(7)との間に設けられ、炉内を不
    活性ガス雰囲気とする不活性ガス供給部(8)とが具備
    されてなり、 前記不活性ガス供給部(8)から不活性ガスが入口側お
    よび出口側に向かって噴出供給されるものとなされてい
    ることを特徴とするアルミニウム材のフラックスガスろ
    う付用連続式ろう付炉。
JP33041291A 1991-12-13 1991-12-13 アルミニウム材のフラックスガスろう付用連続式ろう付炉 Expired - Fee Related JP3312921B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33041291A JP3312921B2 (ja) 1991-12-13 1991-12-13 アルミニウム材のフラックスガスろう付用連続式ろう付炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33041291A JP3312921B2 (ja) 1991-12-13 1991-12-13 アルミニウム材のフラックスガスろう付用連続式ろう付炉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05185206A JPH05185206A (ja) 1993-07-27
JP3312921B2 true JP3312921B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=18232316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33041291A Expired - Fee Related JP3312921B2 (ja) 1991-12-13 1991-12-13 アルミニウム材のフラックスガスろう付用連続式ろう付炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3312921B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008047498A1 (de) * 2008-09-17 2010-04-15 Emitec Gesellschaft Für Emissionstechnologie Mbh Verfahren zum Löten eines metallischen Wabenkörpers und zur Abgasbehandlung
JP5185207B2 (ja) 2009-02-24 2013-04-17 浜松ホトニクス株式会社 フォトダイオードアレイ
JP5185205B2 (ja) 2009-02-24 2013-04-17 浜松ホトニクス株式会社 半導体光検出素子

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05185206A (ja) 1993-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5806752A (en) Manufacture of aluminum assemblies by open-air flame brazing
CZ290659B6 (cs) Způsob vytváření přilnavého povlaku z hliníkové pájky na podkladovém materiálu a způsob vzájemného spojování součástí
US6244497B1 (en) Method for soldering aluminum and soldering rod therefor
JP3312921B2 (ja) アルミニウム材のフラックスガスろう付用連続式ろう付炉
RU2164460C2 (ru) Способ пайки алюминия и материал для пайки алюминия
KR100315579B1 (ko) 알루미늄 용접용 플럭스의 제조방법
JPH05185214A (ja) アルミニウム材のろう付方法
EP0399050A1 (en) GASEOUS PHASE BRAZING METHOD OF Al OR Al ALLOY
RU2104841C1 (ru) Способ получения поверхности для удержания частиц на металлическом изделии и изделие на основе алюминия
JPH05305492A (ja) 溶射法によるろう材被覆アルミニウム材の製造方法
JPH05185215A (ja) アルミニウム材のろう付方法
JP2552696B2 (ja) アルミニウム材のろう付方法
JPH0569631B2 (ja)
JP2747343B2 (ja) アルミニウム材のろう付方法
JP3337417B2 (ja) アルミニウムのろう付け方法
JP2002144078A (ja) 線状アルミニウムろう材
JPH0751274B2 (ja) アルミニウム材のろう付方法
JPH05185213A (ja) アルミニウム材のろう付方法
JPH067928A (ja) Mg含有アルミニウム材のろう付方法
JPH09174277A (ja) アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法
JPH03146265A (ja) アルミニウム材のろう付方法
JPS6037293A (ja) アルミニウム及びその合金のろう付方法
JPH08112667A (ja) アルミニウム製熱交換器コアおよびそのろう付方法
JPH05185212A (ja) アルミニウム材のろう付方法
JPH067929A (ja) アルミニウムろう付品およびろう付方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110531

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees