JPH05185212A - アルミニウム材のろう付方法 - Google Patents

アルミニウム材のろう付方法

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JPH05185212A
JPH05185212A JP31693091A JP31693091A JPH05185212A JP H05185212 A JPH05185212 A JP H05185212A JP 31693091 A JP31693091 A JP 31693091A JP 31693091 A JP31693091 A JP 31693091A JP H05185212 A JPH05185212 A JP H05185212A
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JP
Japan
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brazing
flux
atmosphere
concentration
ppm
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Pending
Application number
JP31693091A
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English (en)
Inventor
Shuichi Murooka
秀一 室岡
Yasuhiro Osame
康弘 納
Tomoko Arai
智子 荒井
Shoichi Sato
昭一 佐藤
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ろう付炉内をフラックスガスを含む雰囲気に調
整し、該雰囲気中でアルミニウム接合部材を所定温度に
加熱し、接合用ろう材を溶融してろう付を行うアルミニ
ウム材のろう付方法において、アルミニウムろう付品表
面のフラックス残留をなくしえて、外観品質に優れかつ
表面処理性にも優れたろう付方法を提供する。 【構成】雰囲気中の水分濃度が120ppm以下に、酸
素濃度が50ppm以下に、フラックスガス濃度が65
ppm以下に規定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はアルミニウム材のろう
付方法、例えばろう付仕様によるアルミニウム製熱交換
器の製造に好適に用いられるアルミニウム材のろう付方
法に関する。なおこの明細書において、アルミニウムの
語はその合金を含む意味で用いる。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用ラジエータ、カークー
ラー用エバポレータ、コンデンサやその他電機、機械用
のアルミニウム製熱交換器をろう付する場合、真空ろう
付の場合を除き、フラックスを用いて熱交換器構成部材
をろう付接合する方法が多く用いられている。
【0003】従来、かかるフラックスろう付を行う場
合、まずフラックスを水または溶剤中に懸濁させたの
ち、この懸濁液を、接合すべきアルミニウム材の表面に
スプレー法、シャワー法、浸漬法等により塗布し、次い
でこれを予熱乾燥して水分を蒸発除去し、しかるのち非
酸化性雰囲気中で所定温度に加熱し、接合用ろう材を溶
融してろう付を行っていた。
【0004】しかし、この方法では懸濁液の塗布作業や
塗布後の乾燥作業が必要であり、生産性が良くなかっ
た。しかも、アルミニウム材へのフラックス付着量が概
して多いため、ろう付後のアルミニウム材の表面にフラ
ックスが残留して灰色ないし白色のシミを生じ、色調ム
ラを呈して外観体裁を損なうばかりかその後の塗装処
理、耐食処理等の表面処理を妨げるという問題もあっ
た。しかも、この残留したフラックスはアルミニウム材
の表面に固着しており、その除去は甚だ困難であった。
【0005】そこで、近時、フラックスをガス化させた
雰囲気中でろう付する方法も提案されており、特に、フ
ラックスガスが存在する酸素分圧が0.04mmHg以
上1mmHg未満で、水蒸気分圧が0.1mmHg以上
3mmHg未満である非酸化性雰囲気中でろう付をする
方法が提案されている(特開平3−90276号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
フラックスガス含有雰囲気下でろう付を行った場合でさ
え、アルミニウム材の表面にフラックスが残留して白色
系のシミを生じ、外観品質の低下、表面処理性の低下を
来たすことがあった。
【0007】この発明は、かかる事情に鑑みてなされた
ものであって、フラックスガス含有雰囲気下でのろう付
において、アルミニウムろう付品表面のフラックス残留
をなくしえて、外観品質に優れかつ表面処理性にも優れ
たろう付方法の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者は種々実験と研究を重ねた結果、ろう付品表
面のフラックス残留がろう付雰囲気中の水分、酸素濃度
の高いことに起因して生じていることを知見した。即
ち、雰囲気中の水分、酸素濃度が高いと、良好なろう付
性を得るためにフラックスガスの濃度を高くせざるを得
ず、その結果としてろう付品表面の付着フラックス量が
増加し、余剰フラックスがろう付品表面に残留すること
がわかった。
【0009】この発明はかかる知見に基いてなされたも
のであって、雰囲気中の水分濃度、酸素濃度を低く抑制
するとともに、その雰囲気での好適なフラックスガス濃
度を規定したものである。より具体的には、ろう付炉内
をフラックスガスを含む雰囲気に調整し、該雰囲気中で
アルミニウム接合部材を所定温度に加熱し、接合用ろう
材を溶融してろう付を行うアルミニウム材のろう付方法
において、前記雰囲気中の水分濃度が120ppm以下
に、酸素濃度が50ppm以下に、フラックスガス濃度
が1〜65ppmにそれぞれ規定されていることを特徴
とするアルミニウム材のろう付方法を要旨とする。
【0010】ろう付雰囲気は一般的にはN2 ガス等の不
活性ガス雰囲気とするが、この雰囲気において水分濃度
が120ppm を越え、あるいは酸素濃度が50ppm を越
えるとアルミニウム材表面の酸化皮膜の成長が促進さ
れ、フラックスガスの酸化皮膜除去作用にもかかわらず
酸化皮膜が再生成される。このため、酸化皮膜を十分に
除去するにはいきおいフラックスガスの濃度を高くせざ
るを得ず、そうするとろう付後におけるアルミニウムろ
う付品の表面に白色のフラックスが付着残留して外観品
質の低下、後工程での表面処理性の低下を招来する。そ
こで、この発明ではろう付雰囲気中の水分濃度は120
ppm 以下に、酸素濃度は50ppm 以下に規定されなけれ
ばならない。水分濃度、酸素濃度は少なければ少ないほ
どフラックスガス量が少なくて済み、ろう付品表面への
フラックスの付着残留の危険度も低下する。特に好まし
くは雰囲気中の水分濃度は40ppm 以下、酸素濃度は2
0ppm 以下に規定するのが良い。なお、水分濃度は製品
の吸着水分の放出によって高くなるので、ろう付ゾーン
の前の予熱ゾーンで十分に水分除去することが必要であ
る。また、雰囲気ガスとしてのN2 ガスは水分、酸素を
含まないものが望ましい。
【0011】上記の水素濃度、酸素濃度規制下におい
て、雰囲気中のフラックス濃度は1〜65ppm に規定さ
れなければならない。フラックスガス濃度が65ppm を
越えるとフラックスの量が多すぎてろう付品表面のフラ
ックスの付着残留による白色化を来たす恐れがある。一
方、フラックスガス濃度が1ppm 未満ではフラックスが
少なすぎて十分なろう付接合を達成できない。従って、
フラックスガス濃度を1〜65ppm の範囲に規定するこ
とによりフラックスの付着残留を生じることなくかつ十
分なろう付接合を実現できる。特に好ましいフラックス
ガス濃度は20〜60ppmである。
【0012】ここに、フラックスガスとはフラックスの
気化したものをいう。フラックスの種類としては特に限
定されるものではないが、非腐食性のフッ化物系フラッ
クス、例えばKAlF4 やその他フッ化アルミニウム
(AlF3 )成分とフッ化カリウム(KF)成分とを共
晶組成ないしそれに近い組成範囲に含んで実質的に錯体
化された錯体混合物等をあげ得る。最も好ましくはフラ
ックス作用の良好性、ガス化容易性等の面からKAlF
4 を用いるのが良い。
【0013】フラックスとしてKAlF4 を用いる場
合、雰囲気中の水分とフラックスガスの濃度比は水分濃
度1に対してフラックスガス濃度を1を越えるものに設
定するのが良い。これは、雰囲気中の水分とKAlF4
とが次の化学式
【0014】
【化1】
【0015】で示されるように等量反応してKAlF4
が消失する恐れがあることから、KAlF4 の量を水分
量よりも多く設定し、完全反応した場合であってもKA
lF4 を雰囲気内に残存させるためである。特に好まし
くは水分とフラックスガスの濃度比はこれを1:1.1
以上に設定するのが良い。
【0016】ところで、雰囲気中にHFが含まれている
と、HFがアルミニウム材のAlと反応してAlF3
の緻密な膜を形成しろうの濡れ性を阻害するため、ろう
付雰囲気中のHF濃度は60ppm 以下に規制するのが良
い。
【0017】ろう付雰囲気等をフラックスガスを含む雰
囲気に調整するための手段は特に限定されることはな
く、フラックスを炉外でガス化して炉内に供給しても良
いし、フラックスを収容した容器を炉内に配置して炉内
で蒸発ガス化しても良い。ただし、フラックスガス濃度
の調整の容易性等の面からは炉外でガス化して、このガ
スを炉内に供給するのが最も好ましい。
【0018】上記により炉内雰囲気を所定範囲の水分濃
度、酸素濃度、フラックスガス濃度に調整したのち、こ
の雰囲気中でアルミニウム接合部材よりも融点の低いア
ルミニウム材を用いて、従来と同様に590〜610℃
×1〜15分程度に加熱することによりろう材を溶融
し、ろう付接合が達成される。このろう付時において、
炉内のフラックスガスは効果的にフラックス作用を発揮
し、フラックスの付着残留を生じることなく良好なろう
付接合が達成される。
【0019】
【実施例】
(実施例1)肉厚0.75mmのA1100押出チュー
ブ材と、A3003合金を心材としAl−10%Si合
金を皮材としたクラッド率9%、厚さ0.15mmの両
面ブレージングシートのフィン材とを用いてコルゲート
型熱交換器を組立てた。
【0020】そして、上記組立物を水分濃度40ppm 、
酸素濃度10ppm 、KAlF4 フラックスガス濃度50
ppm に調整したN2 雰囲気中で605℃×5分間加熱し
てろう付を行った。
【0021】(実施例2)実施例1と同じ熱交換器組立
物を、水分濃度10ppm 、酸素濃度3ppm 、KAlF4
フラックスガス濃度25ppm に調整したN2 雰囲気中で
605℃×3分間加熱してろう付を行った。
【0022】(比較例1)実施例1と同じ熱交換器組立
物を、水分濃度150ppm 、酸素濃度100ppm、KA
lF4 フラックスガス濃度210ppm に調整したN2
囲気中で605℃×5分間加熱してろう付を行った。
【0023】上記により得た各ろう付品につき、ろう付
性、外観状態を目視観察するとともに、表面処理性の評
価を行った。表面処理性は、各ろう付品をリン酸クロメ
ート処理後アクリル系樹脂を吹付け塗装したのち、塗膜
面に1mm角のマス目をけがいてテープ剥離試験を実施
し塗膜の残ったマス目の数で評価した(碁盤目試験)。
それらの結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果から、本発明によれば良好なろ
う付を行い得るとともに、ろう付後のアルミニウム材の
表面におけるフラックスの付着残留を解消し得て塗膜の
密着性が良く表面処理性をも向上し得ることを確認し得
た。
【0026】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、ろう付炉内を
フラックスガスを含む雰囲気に調整し、該雰囲気中でア
ルミニウム接合部材を所定温度に加熱し、接合用ろう材
を溶融してろう付を行うアルミニウム材のろう付方法に
おいて、前記雰囲気中の水分濃度が120ppm以下
に、酸素濃度が50ppm以下に、フラックスガス濃度
が1〜65ppmにそれぞれ規定されていることを特徴
とするものであるから、フラックス量を必要最少限に抑
制することができる。このため、十分なろう付性を確保
しつつ、フラックス使用量の減少によりろう付後のアル
ミニウム材表面におけるフラックスの付着残留をなくす
ことができ、外観品質に優れた商品価値の高いアルミニ
ウムろう付品を提供できる。のみならず、ろう付後に化
成処理、塗装等の表面処理を施す場合にも、皮膜、塗膜
の剥れのない密着性に優れたものとなすことができる。
【0027】しかもまた、フラックスガス濃度が低いた
め、ろう付炉の損傷も少なくメインテナンス頻度も少な
くて済み、経済上も極めて有利なものとなし得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昭一 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろう付炉内をフラックスガスを含む雰囲
    気に調整し、該雰囲気中でアルミニウム接合部材を所定
    温度に加熱し、接合用ろう材を溶融してろう付を行うア
    ルミニウム材のろう付方法において、 前記雰囲気中の水分濃度が120ppm以下に、酸素濃
    度が50ppm以下に、フラックスガス濃度が1〜65
    ppmにそれぞれ規定されていることを特徴とするアル
    ミニウム材のろう付方法。
JP31693091A 1991-11-29 1991-11-29 アルミニウム材のろう付方法 Pending JPH05185212A (ja)

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