JPH05185213A - アルミニウム材のろう付方法 - Google Patents

アルミニウム材のろう付方法

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JPH05185213A
JPH05185213A JP31693191A JP31693191A JPH05185213A JP H05185213 A JPH05185213 A JP H05185213A JP 31693191 A JP31693191 A JP 31693191A JP 31693191 A JP31693191 A JP 31693191A JP H05185213 A JPH05185213 A JP H05185213A
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brazing
flux
atmosphere
aluminum
concentration
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JP31693191A
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English (en)
Inventor
Shuichi Murooka
秀一 室岡
Yasuhiro Osame
康弘 納
Tomoko Arai
智子 荒井
Shoichi Sato
昭一 佐藤
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フラックスガスを含む雰囲気中でろう付を行う
アルミニウム材のろう付方法において、アルミニウムろ
う付品表面のフラックス残留をなくしえて、外観品質に
優れかつ表面処理性にも優れたろう付方法を提供する。 【構成】ろう付炉内を水分濃度60ppm以下の雰囲気
に調整し、この雰囲気中でアルミニウム接合部材を30
0〜570℃の温度で5〜30分間予熱してアルミニウ
ム接合部材の表面吸着水を除去する。次に、雰囲気中の
フラックスガス濃度が200ppm 以下となるように炉内
にフラックスガスを供給し、このフラックスガス含有雰
囲気中で接合用ろう材を溶融してろう付を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はアルミニウム材のろう
付方法、例えばろう付仕様によるアルミニウム製熱交換
器の製造に好適に用いられるアルミニウム材のろう付方
法に関する。なおこの明細書において、アルミニウムの
語はその合金を含む意味で用いる。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用ラジエータ、カークー
ラー用エバポレータ、コンデンサやその他電機、機械用
のアルミニウム製熱交換器をろう付する場合、真空ろう
付の場合を除き、フラックスを用いて熱交換器構成部材
をろう付接合する方法が多く用いられている。
【0003】従来、かかるフラックスろう付を行う場
合、まずフラックスを水または溶剤中に懸濁させたの
ち、この懸濁液を、接合すべきアルミニウム材の表面に
スプレー法、シャワー法、浸漬法等により塗布し、次い
でこれを予熱乾燥して水分を蒸発除去し、しかるのち非
酸化性雰囲気中で所定温度に加熱し、接合用ろう材を溶
融してろう付を行っていた。
【0004】しかし、この方法では懸濁液の塗布作業や
塗布後の乾燥作業が必要であり、生産性が良くなかっ
た。しかも、アルミニウム材へのフラックス付着量が概
して多いため、ろう付後のアルミニウム材の表面にフラ
ックスが残留して灰色ないし白色のシミを生じ、色調ム
ラを呈して外観体裁を損なうばかりかその後の塗装処
理、耐食処理等の表面処理を妨げるという問題もあっ
た。しかも、この残留したフラックスはアルミニウム材
の表面に固着しており、その除去は甚だ困難であった。
そこで、近時、フラックスをガス化させた雰囲気中で
ろう付する方法も提案されており、特に、フラックスガ
スが存在する酸素分圧が0.04mmHg以上1mmH
g未満で、水蒸気分圧が0.1mmHg以上3mmHg
未満である非酸化性雰囲気中でろう付をする方法が提案
されている(特開平3−90276号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
フラックスガス含有雰囲気下でろう付を行った場合でさ
え、アルミニウム材の表面にフラックスが残留して白色
系のシミを生じ、外観品質の低下、表面処理性の低下を
来たすことがあった。
【0006】この発明は、かかる事情に鑑みてなされた
ものであって、フラックスガス含有雰囲気下でのろう付
において、アルミニウムろう付品表面のフラックス残留
をなくしえて、外観品質に優れかつ表面処理性にも優れ
たろう付方法の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者は種々実験と研究を重ねた結果、アルミニウ
ム材表面のフラックス残留が、ろう付前にアルミニウム
材表面に吸着している吸着水に起因して生じていること
を知見した。即ち、アルミニウム材表面の吸着水が多い
と、良好なろう付性を得るためにフラックスガスの濃度
を高くせざるを得ず、その結果としてろう付品表面の付
着フラックス量が増加し、余剰フラックスがろう付品表
面に残留することがわかった。
【0008】この発明はかかる知見に基いてなされたも
のであって、ろう付炉内を水分濃度60ppm以下の雰
囲気に調整し、この雰囲気中でアルミニウム接合部材を
300〜570℃の温度で5〜30分間予熱したのち、
雰囲気中のフラックスガス濃度が200ppm 以下となる
ように炉内にフラックスガスを供給し、次いでこのフラ
ックスガス含有雰囲気中で接合用ろう材を溶融してろう
付を行うことを特徴とするアルミニウム材のろう付方法
を要旨とする。
【0009】上記のように、ろう付炉内でアルミニウム
接合部材を予熱するのは、ろう付に際してアルミニウム
接合部材表面の吸着水を除去するためである。即ち、ろ
う付前のアルミニウム接合部材の表面には不可避的に雰
囲気中の水分が吸着されているが、かかる吸着水分が多
量に存在するとフラックスによるアルミニウム材表面の
酸化皮膜除去作用の妨げとなる。このため酸化皮膜を十
分に除去するにはいきおいフラックスガスの濃度を高く
せざるを得ず、そうするとろう付後におけるアルミニウ
ムろう付品の表面に白色のフラックスが付着残留して外
観品質の低下、後工程での表面処理性の低下を招来す
る。そこで、この発明ではろう付前にろう付炉内でアル
ミニウム材を予熱してその表面吸着水を蒸発除去するも
のとする。ここに、予熱条件が300〜570℃×5〜
30分に規定されるのは、300℃未満の温度、5分未
満の時間ではアルミニウム材の表面吸着水の除去効果に
乏しいからである。一方、570℃を越える温度、30
分を越える時間の予熱を施しても表面吸着水の除去効果
が飽和するため無益であり、むしろエネルギーの無駄、
処理時間の増大による生産性の低下等を来す恐れがある
からである。特に好ましい予熱条件は300〜500℃
×10〜20分である。なお、予熱雰囲気はろう付雰囲
気と同じく一般的にはN2 ガス等の不活性ガス雰囲気と
すれば良い。
【0010】上記予熱時において、雰囲気中の水分濃度
はこれを60ppm 以下に規定されなければならない。水
分濃度が60ppm を越えるとアルミニウム材の表面吸着
水の除去にもかかわらずアルミニウム材表面の酸化皮膜
の成長が促進され、このため酸化皮膜を十分に除去する
にはやはり多量のフラックスを必要とするからである。
従って、予熱雰囲気中の水分濃度を60ppm 以下に規制
することで、酸化皮膜の成長を抑制しつつアルミニウム
材表面の吸着水を効果的に除去することができる。特に
好ましい水分濃度は30ppm 以下である。
【0011】アルミニウム材の予熱後、続いて雰囲気中
にフラックスガスを供給して炉内をフラックスガス含有
雰囲気とする。フラックスガスの供給は雰囲気中のフラ
ックスガス濃度が200ppm 以下となるように行う。フ
ラックスガス濃度が200ppm を越えると、フラックス
の量が多すぎてろう付品表面のフラックスの付着残留に
よる白色化を来たす恐れがあり、200ppm 以下の濃度
に規定することによりフラックスの付着残留を生じるこ
となく且つ十分なろう付接合を実現できる。特に好まし
いフラックスガス濃度は20〜60ppm である。
【0012】ここに、フラックスガスとはフラックスの
気化したものをいう。フラックスの種類としては特に限
定されるものではないが、非腐食性のフッ化物系フラッ
クス、例えばKAlF4 やその他フッ化アルミニウム
(AlF3 )成分とフッ化カリウム(KF)成分とを共
晶組成ないしそれに近い組成範囲に含んで実質的に錯体
化された錯体混合物等をあげ得る。最も好ましくはフラ
ックス作用の良好性、ガス化容易性等の面からKAlF
4 を用いるのが良い。
【0013】フラックスとしてKAlF4 を用いる場
合、雰囲気中の水分とフラックスガスの濃度比は水分濃
度1に対してフラックスガス濃度を1を越えるものに設
定するのが良い。これは、雰囲気中の水分とKAlF4
とが次の化学式
【0014】
【化1】
【0015】で示されるように等量反応してKAlF4
が消失する恐れがあることから、KAlF4 の量を水分
量よりも多く設定し、完全反応した場合であってもKA
lF4 を雰囲気内に残存させるためである。特に好まし
くは水分とフラックスガスの濃度比はこれを1:1.1
以上に設定するのが良い。
【0016】ところで、雰囲気中にHFが含まれている
と、HFがアルミニウム材のAlと反応してAlF3
の緻密な膜を形成しろうの濡れ性を阻害するため、ろう
付雰囲気中のHF濃度は60ppm 以下に規制するのが良
い。
【0017】上記により炉内雰囲気を所定範囲のフラッ
クスガス濃度に調整したのち、この雰囲気中でアルミニ
ウム接合部材よりも融点の低いアルミニウム材を用い
て、従来と同様に590〜610℃×1〜15分程度に
加熱することによりろう材を溶融し、ろう付接合が達成
される。このろう付時において、炉内のフラックスガス
は効果的にフラックス作用を発揮し、フラックスの付着
残留を生じることなく良好なろう付接合が達成される。
【0018】
【実施例】
(実施例1)肉厚0.75mmのA1100押出チュー
ブ材と、A3003合金を心材としAl−10%Si合
金を皮材としたクラッド率9%、厚さ0.15mmの両
面ブレージングシートのフィン材とを用いてコルゲート
型熱交換器を組立てた。
【0019】そして、上記組立物を水分濃度20ppm の
2 雰囲気中で400℃×10分間加熱して表面の吸着
水を除去した。
【0020】続いて雰囲気中のフラックスガス濃度が5
0ppm になるようにKAlF4 ガスを炉内に供給したの
ち、605℃×5分間加熱してろう付を行った。
【0021】(実施例2)実施例1と同じ熱交換器組立
物を、水分濃度10ppm のN2 雰囲気中で500℃×5
分間加熱して表面の吸着水を除去した。
【0022】続いて雰囲気中のフラックスガス濃度が4
0ppm になるようにKAlF4 ガスを炉内に供給したの
ち、605℃×3分間加熱してろう付を行った。
【0023】(比較例1)実施例1と同じ熱交換器組立
物を、予熱することなくただちに水分濃度150ppm 、
KAlF4 フラックスガス濃度210ppm に調整したN
2 雰囲気中で605℃×5分間加熱してろう付を行っ
た。
【0024】上記により得た各ろう付品につき、ろう付
性、外観状態を目視観察するとともに、表面処理性の評
価を行った。表面処理性は、各ろう付品をリン酸クロメ
ート処理後アクリル系樹脂を吹付け塗装したのち、塗膜
面に1mm角のマス目をけがいてテープ剥離試験を実施
し塗膜の残ったマス目の数で評価した(碁盤目試験)。
それらの結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果から、本発明によれば良好なろ
う付を行い得るとともに、ろう付後のアルミニウム材の
表面におけるフラックスの付着残留を解消し得て塗膜の
密着性が良く表面処理性をも向上し得ることを確認し得
た。
【0027】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、ろう付炉内を
水分濃度60ppm以下の雰囲気に調整し、この雰囲気
中でアルミニウム接合部材を300〜570℃の温度で
5〜30分間予熱したのち、雰囲気中のフラックスガス
濃度が200ppm 以下となるように炉内にフラックスガ
スを供給し、次いでこのフラックスガス含有雰囲気中で
接合用ろう材を溶融してろう付を行うことを特徴とする
ものであるから、前記予熱により、アルミニウム接合部
材表面の酸化皮膜の生成を抑制しつつフラックス作用を
妨げる表面吸着水を除去することができ、使用フラック
ス量を必要最少限に抑制することができる。従って、十
分なろう付性を確保しつつ、フラックス使用量の減少に
よりろう付後のアルミニウム材表面におけるフラックス
の付着残留をなくすことができ、外観品質に優れた商品
価値の高いアルミニウムろう付品を提供できる。のみな
らず、ろう付後に化成処理、塗装等の表面処理を施す場
合にも、皮膜、塗膜の剥れのない密着性に優れたものと
なすことができる。
【0028】しかもまた、フラックスガス濃度が低いた
め、ろう付炉の損傷も少なくメインテナンス頻度も少な
くて済み、経済上も極めて有利なものとなし得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昭一 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろう付炉内を水分濃度60ppm以下の
    雰囲気に調整し、この雰囲気中でアルミニウム接合部材
    を300〜570℃の温度で5〜30分間予熱したの
    ち、雰囲気中のフラックスガス濃度が200ppm 以下と
    なるように炉内にフラックスガスを供給し、次いでこの
    フラックスガス含有雰囲気中で接合用ろう材を溶融して
    ろう付を行うことを特徴とするアルミニウム材のろう付
    方法。
JP31693191A 1991-11-29 1991-11-29 アルミニウム材のろう付方法 Pending JPH05185213A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110210158A1 (en) * 2008-09-17 2011-09-01 Emitec Gesellschaft fur Emissionstechnologie mgH Method for brazing a metallic honeycomb body for exhaust gas treatment and apparatus for carrying out the method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110210158A1 (en) * 2008-09-17 2011-09-01 Emitec Gesellschaft fur Emissionstechnologie mgH Method for brazing a metallic honeycomb body for exhaust gas treatment and apparatus for carrying out the method
US8261962B2 (en) * 2008-09-17 2012-09-11 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Method for brazing a metallic honeycomb body for exhaust gas treatment and apparatus for carrying out the method

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