JP2001131852A - 耐炎性シート - Google Patents
耐炎性シートInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】接炎部分が延焼せず、融出、収縮や粉化飛散せ
ず、本来のシートの機能を確保すると共に燃焼部から発
生する燃焼ガスはダイオキシンを形成することがない耐
炎性シートを提供する。 【解決手段】炭化度が５０〜７０％の半焼成カーボン繊
維を用い、該繊維を１０ｇ／ｍ２以上と、別に非ハロゲ
ン熱溶融性有機合成繊維をウエブ重量に対し２０％以上
含み、他は非ハロゲン繊維を配合してウエブ重量が２０
〜２５０ｇ／ｍ２の繊維シートを作成し、これに非ハロ
ゲン系難燃加工剤及びバインダーを付着し、乾燥、熱処
理せしめる。
ず、本来のシートの機能を確保すると共に燃焼部から発
生する燃焼ガスはダイオキシンを形成することがない耐
炎性シートを提供する。 【解決手段】炭化度が５０〜７０％の半焼成カーボン繊
維を用い、該繊維を１０ｇ／ｍ２以上と、別に非ハロゲ
ン熱溶融性有機合成繊維をウエブ重量に対し２０％以上
含み、他は非ハロゲン繊維を配合してウエブ重量が２０
〜２５０ｇ／ｍ２の繊維シートを作成し、これに非ハロ
ゲン系難燃加工剤及びバインダーを付着し、乾燥、熱処
理せしめる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は耐炎性を有する繊維
シートに係り、詳しくはハロゲン等の有毒ガスを発生せ
ず、通常、耐炎性を必要とする用途、例えばインテリ
ア、フィルターその他、工業用、家庭用品への汎用化が
期待される上記耐炎性シートに関するものである。
シートに係り、詳しくはハロゲン等の有毒ガスを発生せ
ず、通常、耐炎性を必要とする用途、例えばインテリ
ア、フィルターその他、工業用、家庭用品への汎用化が
期待される上記耐炎性シートに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】耐炎性シートとして、従来、炭素繊維
又は有機繊維を部分焼成した炭素化繊維を成分としたも
の、あるいはこれら炭素化繊維を主成分として高い割合
で含有された不燃性の材料を始め、芳香族ポリアミ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドその他、
難燃性の改質合成繊維を主成分とした材料からなるもの
が知られている。また、一般繊維素材に難燃加工剤を
大量に加え、耐炎性を改良した材料も用いられており、
これらは何れも広範囲の水準をもつ多くの実用化商品と
して現在、実用に供されている。
又は有機繊維を部分焼成した炭素化繊維を成分としたも
の、あるいはこれら炭素化繊維を主成分として高い割合
で含有された不燃性の材料を始め、芳香族ポリアミ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドその他、
難燃性の改質合成繊維を主成分とした材料からなるもの
が知られている。また、一般繊維素材に難燃加工剤を
大量に加え、耐炎性を改良した材料も用いられており、
これらは何れも広範囲の水準をもつ多くの実用化商品と
して現在、実用に供されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のうち、
炭素化繊維を成分としたものは非常に耐炎性がすぐれ
ているが、素材価格が高く、経済性に難があり、また、
炭素化繊維のシート化加工工程又は使用段階で脆さや強
度あるいは粉体化による環境汚損などに難がある。
炭素化繊維を成分としたものは非常に耐炎性がすぐれ
ているが、素材価格が高く、経済性に難があり、また、
炭素化繊維のシート化加工工程又は使用段階で脆さや強
度あるいは粉体化による環境汚損などに難がある。
【０００４】またの難燃性合成繊維を主成分としたも
のも価格、経済性と、性能のバランスに欠ける難点を生
じる場合がある。更にの難燃加工剤を大量に加えて耐
炎性を改良したものあるいは火炎と接触した部分から延
焼したり、その部分が溶融変形したり、炭化部分が脆化
してボロボロと粉末化したりする外、これに加えて燃焼
ガスの量も多く、多種にわたる成分のガスを発生し、中
にはハロゲンを含み、ダイオキシンを発生して、環境汚
染の原因となるものがある。
のも価格、経済性と、性能のバランスに欠ける難点を生
じる場合がある。更にの難燃加工剤を大量に加えて耐
炎性を改良したものあるいは火炎と接触した部分から延
焼したり、その部分が溶融変形したり、炭化部分が脆化
してボロボロと粉末化したりする外、これに加えて燃焼
ガスの量も多く、多種にわたる成分のガスを発生し、中
にはハロゲンを含み、ダイオキシンを発生して、環境汚
染の原因となるものがある。
【０００５】本発明は上述の如き実状に対処し、特に半
焼成カーボン繊維の使用に着目し、種々の材料と組み合
わせ配合により接炎部分は可燃組成が燃焼又は炭化する
が、延焼せず、かつ融出、収縮や粉化飛散を起こさず、
シート本体の性能を確保すると共に組成中に一切のハロ
ゲンを含有せず、従って燃焼部から発生する燃焼ガスは
ダイオキシンを形成せず、環境に悪影響を及ぼすことが
ないのみならず、非ハロゲン系一般素材のみを成分とし
ている。また、経済性にもすぐれ、各設計上の自由度、
あるいは工業生産の難易度にも問題がない耐炎性シート
を提供することを目的とするものである。
焼成カーボン繊維の使用に着目し、種々の材料と組み合
わせ配合により接炎部分は可燃組成が燃焼又は炭化する
が、延焼せず、かつ融出、収縮や粉化飛散を起こさず、
シート本体の性能を確保すると共に組成中に一切のハロ
ゲンを含有せず、従って燃焼部から発生する燃焼ガスは
ダイオキシンを形成せず、環境に悪影響を及ぼすことが
ないのみならず、非ハロゲン系一般素材のみを成分とし
ている。また、経済性にもすぐれ、各設計上の自由度、
あるいは工業生産の難易度にも問題がない耐炎性シート
を提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明耐炎性シートの特徴は、炭化度が５０〜７０％
の半焼成カーボン繊維を１０ｇ／ｍ２以上と、非ハロゲ
ン熱溶融性有機合成繊維をウエブ重量の２０％以上含
み、他は非ハロゲン繊維よりなる、ウエブ重量が２０〜
２５０ｇ／ｍ２である繊維状シートに非ハロゲン系難燃
加工剤及びバインダーを付着し、乾燥、熱処理せしめた
点にある。
る本発明耐炎性シートの特徴は、炭化度が５０〜７０％
の半焼成カーボン繊維を１０ｇ／ｍ２以上と、非ハロゲ
ン熱溶融性有機合成繊維をウエブ重量の２０％以上含
み、他は非ハロゲン繊維よりなる、ウエブ重量が２０〜
２５０ｇ／ｍ２である繊維状シートに非ハロゲン系難燃
加工剤及びバインダーを付着し、乾燥、熱処理せしめた
点にある。
【０００７】ここで半焼成カーボン繊維としてはポリア
クリロニトリルの焼成により製造された炭化度５０〜７
０パーセントの繊維が好適であり、非ハロゲン熱溶融性
有機合成繊維としてはポリエステルであることが実用的
である。
クリロニトリルの焼成により製造された炭化度５０〜７
０パーセントの繊維が好適であり、非ハロゲン熱溶融性
有機合成繊維としてはポリエステルであることが実用的
である。
【０００８】又、非ハロゲン系難燃加工剤としては有機
又は無機の含リン化合物もしくは含リン窒素リン化合物
あるいは両者の混合物の使用が好適である。なお、非ハ
ロゲン系難燃加工剤の含リン化合物としてはリン酸エス
テル、亜リン酸エステルから選ばれた少なくとも１つで
あることが、また含窒素リン化合物としては尿素、グワ
ニジン、グワニール尿素、メラミンのリン付加化合物か
ら選ばれた少なくとも１つであることが好ましく、特に
沸点が１４０℃以上である上記各化合物は効果的であ
る。
又は無機の含リン化合物もしくは含リン窒素リン化合物
あるいは両者の混合物の使用が好適である。なお、非ハ
ロゲン系難燃加工剤の含リン化合物としてはリン酸エス
テル、亜リン酸エステルから選ばれた少なくとも１つで
あることが、また含窒素リン化合物としては尿素、グワ
ニジン、グワニール尿素、メラミンのリン付加化合物か
ら選ばれた少なくとも１つであることが好ましく、特に
沸点が１４０℃以上である上記各化合物は効果的であ
る。
【０００９】また、上記本発明に用いられる難燃加工剤
は、繊維ウエブ中の繊維の接合を目的とする非ハロゲン
熱可塑性樹脂と混合されてバインダー組成の一部として
付与されるが、この場合、難燃加工剤及び難燃剤を含む
繊維中の難燃剤が総和において、繊維ウエブ及びバイン
ダーの総重量に対してリン量が１．０重量％以上、窒素
を含む場合には窒素量が少なくともリン量０．７重量％
に対し少なくとも１．０倍以上となるように付加するこ
とが有利である。
は、繊維ウエブ中の繊維の接合を目的とする非ハロゲン
熱可塑性樹脂と混合されてバインダー組成の一部として
付与されるが、この場合、難燃加工剤及び難燃剤を含む
繊維中の難燃剤が総和において、繊維ウエブ及びバイン
ダーの総重量に対してリン量が１．０重量％以上、窒素
を含む場合には窒素量が少なくともリン量０．７重量％
に対し少なくとも１．０倍以上となるように付加するこ
とが有利である。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、更に本発明の具体的態様に
ついて説明する。
ついて説明する。
【００１１】本発明は上述の如く耐炎性シートの構成と
して、炭化度が５０〜７０パーセントの半焼成カーボン
繊維と、非ハロゲン熱溶融性有機繊維をウエブ重量の２
０％以上含み、他は非ハロゲン繊維を配合してウエブを
作成し、該ウエブ重量（目付）を２０〜２５０ｇ／ｍ２
の範囲の繊維状シートとして、これに非ハロゲン難燃加
工剤及びバインダーを付着し、乾燥、熱処理したもので
ある。
して、炭化度が５０〜７０パーセントの半焼成カーボン
繊維と、非ハロゲン熱溶融性有機繊維をウエブ重量の２
０％以上含み、他は非ハロゲン繊維を配合してウエブを
作成し、該ウエブ重量（目付）を２０〜２５０ｇ／ｍ２
の範囲の繊維状シートとして、これに非ハロゲン難燃加
工剤及びバインダーを付着し、乾燥、熱処理したもので
ある。
【００１２】ここで上記耐炎性シートの繊維素材におい
て、炭化度が５０〜７０％の、いわば半焼成カーボン繊
維を用いることは極めて重要な点であり、７０％を超え
る完全焼成又はこれに近い焼成は従来の炭素化繊維にみ
られるように高価であるに止まらず、加工段階又は使用
段階に粉末化して飛散し易くなるので好ましくない。
て、炭化度が５０〜７０％の、いわば半焼成カーボン繊
維を用いることは極めて重要な点であり、７０％を超え
る完全焼成又はこれに近い焼成は従来の炭素化繊維にみ
られるように高価であるに止まらず、加工段階又は使用
段階に粉末化して飛散し易くなるので好ましくない。
【００１３】また、炭化度５０％未満のものは市中で入
手できず、未検討である。そして、上記５０〜７０％の
半焼成では可燃組成が燃焼又は炭化するにしても延焼せ
ず、また、融出や収縮もなく、粉末化による飛散も生ぜ
ず、耐炎性シートの本来の機能を確保することができ
る。
手できず、未検討である。そして、上記５０〜７０％の
半焼成では可燃組成が燃焼又は炭化するにしても延焼せ
ず、また、融出や収縮もなく、粉末化による飛散も生ぜ
ず、耐炎性シートの本来の機能を確保することができ
る。
【００１４】本発明で用いられる半焼成カーボン繊維は
ポリアクリロニトリル系繊維、レーヨン繊維、ピッチ系
繊維などの有機系繊維を酸化性雰囲気中で熱処理するこ
とにより得ることができるが、特にアクリロニトリルを
主原料とし、熱処理時の急激な発熱反応をコントロール
する目的で共重合成分が付加された特殊ポリマーを高濃
度の硝酸で溶解し、紡糸した特殊アクリル繊維を空気雰
囲気中で２００〜３００℃の温度で焼成することにより
得られた半焼成カーボン繊維は空気中で接炎しても燃え
ず、溶融、収縮することなく、原形を保持したまま炭化
するので好適である。
ポリアクリロニトリル系繊維、レーヨン繊維、ピッチ系
繊維などの有機系繊維を酸化性雰囲気中で熱処理するこ
とにより得ることができるが、特にアクリロニトリルを
主原料とし、熱処理時の急激な発熱反応をコントロール
する目的で共重合成分が付加された特殊ポリマーを高濃
度の硝酸で溶解し、紡糸した特殊アクリル繊維を空気雰
囲気中で２００〜３００℃の温度で焼成することにより
得られた半焼成カーボン繊維は空気中で接炎しても燃え
ず、溶融、収縮することなく、原形を保持したまま炭化
するので好適である。
【００１５】この半焼成カーボン繊維としてはラスタン
（旭化成製）、パイロメクス（東邦レーヨン製）、グラ
フィールＯ（コートールズ グラフィール社製）などと
して市販されており、多くは不燃であり、炭素化率５０
％以上、Ｌｏｉ値で５０％以上を示し、組成中は炭素の
外に水素、窒素及び酸素を含む。これらは約１０％以上
の破断伸度をもち、通常の繊維加工上、グラスファイバ
ーや１００％炭素化繊維に比し、取り扱いが容易である
ため、本発明に添う実用組成として使用される。
（旭化成製）、パイロメクス（東邦レーヨン製）、グラ
フィールＯ（コートールズ グラフィール社製）などと
して市販されており、多くは不燃であり、炭素化率５０
％以上、Ｌｏｉ値で５０％以上を示し、組成中は炭素の
外に水素、窒素及び酸素を含む。これらは約１０％以上
の破断伸度をもち、通常の繊維加工上、グラスファイバ
ーや１００％炭素化繊維に比し、取り扱いが容易である
ため、本発明に添う実用組成として使用される。
【００１６】また、本発明でウエブの２０％以上配合す
る熱溶融性有機合成繊維としては、ポリエステル繊維
（ＰＥＴ）、ポリエチレン繊維（ＰＥ）、ポリプロピレ
ン繊維（Ｐ・Ｐ）などが挙げられるが、ポリエステル繊
維は最も有効である。
る熱溶融性有機合成繊維としては、ポリエステル繊維
（ＰＥＴ）、ポリエチレン繊維（ＰＥ）、ポリプロピレ
ン繊維（Ｐ・Ｐ）などが挙げられるが、ポリエステル繊
維は最も有効である。
【００１７】上述した半焼成カーボン繊維及び熱溶融性
有機合成繊維に対し、更に必要な割合で他の繊維が配合
されるが、この繊維はハロゲンを含まない繊維であるこ
とが肝要でレーヨン繊維、ビニロン繊維、アクリロニト
リル繊維など、各種繊維が使用可能である。
有機合成繊維に対し、更に必要な割合で他の繊維が配合
されるが、この繊維はハロゲンを含まない繊維であるこ
とが肝要でレーヨン繊維、ビニロン繊維、アクリロニト
リル繊維など、各種繊維が使用可能である。
【００１８】なお、半焼成カーボン繊維が１０ｇ／ｍ２
以上で、かつ非ハロゲン熱溶融性有機合成繊維がウエブ
重量の２０％以上とする適性混用量において、半焼成カ
ーボン繊維は繊維シートが軽量である場合は混率が高
く、重量が高い程、混率は低くなる。これは繊維シート
が燃焼する場合、その単位重量当たりの耐炎シートに対
する空気の供給量と関連している。即ち、薄地の場合は
空気の供給量は繊維重量に対し多くなるため、高比率の
半焼成カーボン繊維が必要であり、厚地又は重量の大き
い繊維シートは比較的少ない比率の半焼成カーボンの量
で効果が得られる。勿論、経済性を問わず、高度の耐炎
性を求める場合には半焼成カーボン繊維の比率の増大と
か、その他の繊維として全芳香族ポリアミド、全芳香族
ポリエステルやポリフェニレンサルファイド、ポリイミ
ド、ＰＢＩ、ＰＴＦＥ、ガラスファイバー等の高度な性
能をもつ難燃素材を併用すれば効果が強化される。
以上で、かつ非ハロゲン熱溶融性有機合成繊維がウエブ
重量の２０％以上とする適性混用量において、半焼成カ
ーボン繊維は繊維シートが軽量である場合は混率が高
く、重量が高い程、混率は低くなる。これは繊維シート
が燃焼する場合、その単位重量当たりの耐炎シートに対
する空気の供給量と関連している。即ち、薄地の場合は
空気の供給量は繊維重量に対し多くなるため、高比率の
半焼成カーボン繊維が必要であり、厚地又は重量の大き
い繊維シートは比較的少ない比率の半焼成カーボンの量
で効果が得られる。勿論、経済性を問わず、高度の耐炎
性を求める場合には半焼成カーボン繊維の比率の増大と
か、その他の繊維として全芳香族ポリアミド、全芳香族
ポリエステルやポリフェニレンサルファイド、ポリイミ
ド、ＰＢＩ、ＰＴＦＥ、ガラスファイバー等の高度な性
能をもつ難燃素材を併用すれば効果が強化される。
【００１９】次に本発明で用いられる難燃加工剤は非ハ
ロゲン系であり、具体的には有機又は無機の含リン、含
リン窒素系化合物の１種又は混合物が用いられる。これ
ら難燃加工剤の種類は特に限定されるものではないが、
具体例としては、含リン化合物ではリン酸エステル、亜
リン酸エステルなどが、また含窒素リン化合物としては
尿素、グワニジン、グワニール尿素、メラミンのリン付
加化合物から選ばれた少なくとも１つが挙げられ、これ
らは何れも沸点が１４０℃以上であることが好ましい。
ロゲン系であり、具体的には有機又は無機の含リン、含
リン窒素系化合物の１種又は混合物が用いられる。これ
ら難燃加工剤の種類は特に限定されるものではないが、
具体例としては、含リン化合物ではリン酸エステル、亜
リン酸エステルなどが、また含窒素リン化合物としては
尿素、グワニジン、グワニール尿素、メラミンのリン付
加化合物から選ばれた少なくとも１つが挙げられ、これ
らは何れも沸点が１４０℃以上であることが好ましい。
【００２０】一方、バインダーの成分として用いられる
熱可塑性樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系、ポリエステ
ル系、ポリアクリル酸エステル系、ポリディェン系、ポ
リエチレンビニルアルコール系、ポリウレタン系、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール及びそれら
の誘導体又はその混合物であるポリマーの水分散体等が
用いられ、何れもハロゲン元素を一切含まないものが選
択される。
熱可塑性樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系、ポリエステ
ル系、ポリアクリル酸エステル系、ポリディェン系、ポ
リエチレンビニルアルコール系、ポリウレタン系、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール及びそれら
の誘導体又はその混合物であるポリマーの水分散体等が
用いられ、何れもハロゲン元素を一切含まないものが選
択される。
【００２１】上記熱可塑性樹脂バインダーは、官能基を
有するもの、あるいは自己架橋型のものも含まれるた
め、メラミン系、尿素系、又はエチレン尿素系などのメ
チロール化合物や変性マレイン酸誘導体等の官能性加工
剤、あるいは反応活性化触媒をバインダー系に含めて加
工することも有効である。
有するもの、あるいは自己架橋型のものも含まれるた
め、メラミン系、尿素系、又はエチレン尿素系などのメ
チロール化合物や変性マレイン酸誘導体等の官能性加工
剤、あるいは反応活性化触媒をバインダー系に含めて加
工することも有効である。
【００２２】バインダーの効果は本来、ウエブの構成繊
維を結合するものであるが、同時に難燃加工剤を組成と
して混合し、これら難燃加工剤の繊維への運搬並びに過
度の乾燥時のマイグレーションを防ぎ、かつ有効にウエ
ブにこれを固定化させる効果も有する。
維を結合するものであるが、同時に難燃加工剤を組成と
して混合し、これら難燃加工剤の繊維への運搬並びに過
度の乾燥時のマイグレーションを防ぎ、かつ有効にウエ
ブにこれを固定化させる効果も有する。
【００２３】更にこれらにはポリマー固着を強化し、風
合い、触感を与えるために各種の架橋剤、例えばメラミ
ン系、マレイン酸エステル系、グリシジルエーテル系あ
るいは各種のジメチロール化合物とそれらの反応促進触
媒を併用することができる。しかし、勿論、これらの触
媒中、塩素系その他の一切のハロゲン元素を除外するこ
とは論を待たない。
合い、触感を与えるために各種の架橋剤、例えばメラミ
ン系、マレイン酸エステル系、グリシジルエーテル系あ
るいは各種のジメチロール化合物とそれらの反応促進触
媒を併用することができる。しかし、勿論、これらの触
媒中、塩素系その他の一切のハロゲン元素を除外するこ
とは論を待たない。
【００２４】なお、難燃加工剤はハロゲンを含有しない
バインダーと共に上述のように繊維相互の結合に用いら
れるが、この場合、リン量として繊維ウエブ及びバイン
ダー樹脂の総重に対し１．０重量％以上が含まれるよう
条件を選ぶことが好ましい。また、含リン窒素系化合物
で窒素を含む場合には少なくとも０．７重量％のリン量
に対し少なくとも１．０倍以上の窒素量を含むことが好
ましい。
バインダーと共に上述のように繊維相互の結合に用いら
れるが、この場合、リン量として繊維ウエブ及びバイン
ダー樹脂の総重に対し１．０重量％以上が含まれるよう
条件を選ぶことが好ましい。また、含リン窒素系化合物
で窒素を含む場合には少なくとも０．７重量％のリン量
に対し少なくとも１．０倍以上の窒素量を含むことが好
ましい。
【００２５】（実施例）次に本発明の実施例を掲げ比較
例と対比する。
例と対比する。
【００２６】下記表１に示す各繊維を用いて表２に示す
各配合割合で通常の混綿及びクロスレーイング法により
実施例１〜４、比較１〜３の各ウエブを作成し、引き続
きスプレー法によってポリアクリル酸エステル、リン酸
グアニジン（加工剤の有効成分中にリン含有量１６％）
を含む樹脂浴を通し表２の樹脂目付とした乾燥付着量に
なるように付与して乾燥ならびに熱処理によって夫々仕
上げた。乾燥は１３５℃、熱処理は１５０℃で行った。
各配合割合で通常の混綿及びクロスレーイング法により
実施例１〜４、比較１〜３の各ウエブを作成し、引き続
きスプレー法によってポリアクリル酸エステル、リン酸
グアニジン（加工剤の有効成分中にリン含有量１６％）
を含む樹脂浴を通し表２の樹脂目付とした乾燥付着量に
なるように付与して乾燥ならびに熱処理によって夫々仕
上げた。乾燥は１３５℃、熱処理は１５０℃で行った。
【００２７】そして、上記実施例１〜４及び比較例１〜
３の夫々について水平に保った耐炎性シートに３ｃｍ長
のライターの炎を３秒間あて、接炎部の穴あき、収縮及
び燃焼後の強力の程度を観察し、表３の評価にもとづい
て各耐炎性シートの耐炎性の評価を行った。その結果を
表２に併せて示す。
３の夫々について水平に保った耐炎性シートに３ｃｍ長
のライターの炎を３秒間あて、接炎部の穴あき、収縮及
び燃焼後の強力の程度を観察し、表３の評価にもとづい
て各耐炎性シートの耐炎性の評価を行った。その結果を
表２に併せて示す。
【００２８】
【表１】
【００２９】
【表２】
【００３０】
【表３】
【００３１】上記表２における実施例に見られる如く本
発明に係る半焼成カーボン繊維を１０ｇ／ｍ２以上とＰ
ＥＴを２０％以上含むウエブよりなる加工不織布シート
は何れも本発明の狙いとする耐炎性を満足している。し
かし、耐炎繊維を含まない比較例１及びＰＥＴを含まな
い比較例２は夫々穴あき及び燃焼後の強力の低下が著し
く、又、耐炎繊維、及びＰＥＴを含む比較例３において
は前者の含有量が少ないため１０ｇ／ｍ２よりも燃焼時
の収縮が大きく、穴あき及び燃焼後の強力も劣ることが
分かる。
発明に係る半焼成カーボン繊維を１０ｇ／ｍ２以上とＰ
ＥＴを２０％以上含むウエブよりなる加工不織布シート
は何れも本発明の狙いとする耐炎性を満足している。し
かし、耐炎繊維を含まない比較例１及びＰＥＴを含まな
い比較例２は夫々穴あき及び燃焼後の強力の低下が著し
く、又、耐炎繊維、及びＰＥＴを含む比較例３において
は前者の含有量が少ないため１０ｇ／ｍ２よりも燃焼時
の収縮が大きく、穴あき及び燃焼後の強力も劣ることが
分かる。
【００３２】
【発明の効果】本発明は以上のように炭化度５０〜７０
％の半焼成カーボン繊維を用いてその１０ｇ／ｍ２と非
ハロゲン熱溶融性有機合成繊維をウエブ重量に対し２０
％以上含み、他はハロゲンを含まない繊維素材を配合し
て２０〜２５０ｇ／ｍ２の繊維状シートを作成し、これ
に非ハロゲン系難燃加工剤及びバインダーを付着、乾
燥、熱処理したことを基本構成とするものであり、半焼
成カーボン繊維の使用により低価格で経済性に有利であ
ると共に、従来の焼成繊維の如く炭化部分が脆化して飛
散することもなく、しかも本来のシートの機能を確保し
て炎に短時間近付けても穴が開きにくいのみならず、接
炎部の溶融滴下もなく、シート形状も崩れにくく、ま
た、前記繊維と繊維の結合にリン系、リンチッソ系など
非ハロゲン系難燃加工剤を含む非ハロゲンバインダーが
用いられているため燃焼時に発生する煙からは塩素の発
生もなく、ダイオキシン公害の如き環境に悪影響を及ぼ
すことがない顕著な効果を有する。
％の半焼成カーボン繊維を用いてその１０ｇ／ｍ２と非
ハロゲン熱溶融性有機合成繊維をウエブ重量に対し２０
％以上含み、他はハロゲンを含まない繊維素材を配合し
て２０〜２５０ｇ／ｍ２の繊維状シートを作成し、これ
に非ハロゲン系難燃加工剤及びバインダーを付着、乾
燥、熱処理したことを基本構成とするものであり、半焼
成カーボン繊維の使用により低価格で経済性に有利であ
ると共に、従来の焼成繊維の如く炭化部分が脆化して飛
散することもなく、しかも本来のシートの機能を確保し
て炎に短時間近付けても穴が開きにくいのみならず、接
炎部の溶融滴下もなく、シート形状も崩れにくく、ま
た、前記繊維と繊維の結合にリン系、リンチッソ系など
非ハロゲン系難燃加工剤を含む非ハロゲンバインダーが
用いられているため燃焼時に発生する煙からは塩素の発
生もなく、ダイオキシン公害の如き環境に悪影響を及ぼ
すことがない顕著な効果を有する。
【００３３】とりわけ、本発明の半焼成カーボン繊維は
それ自体が不燃であり、繊維シート中に混合されて可燃
組成が燃焼又は炭化するとしても延焼せず、融出、収縮
や粉化飛散せず、不燃化構造組成として有効であり、ま
た、熱溶融性有機合成繊維は部分的に接炎燃焼した他素
材の炭化生成物内に溶透してこれらの粉化、飛散を防止
する一方、該繊維自体の流動化又は融出滴下を防止す
る。しかも、上記繊維よりなる繊維シートは更に難燃加
工剤に含浸し乾燥、熱処理されることにより、一層、難
燃化され、通常の状態よりも燃焼は抑制されて相乗効果
により耐炎性を大幅に向上することができる。本発明耐
炎性シートは特に２０〜２５０ｇ／ｍ２のウエブ素材に
おいて有効性を発揮する。
それ自体が不燃であり、繊維シート中に混合されて可燃
組成が燃焼又は炭化するとしても延焼せず、融出、収縮
や粉化飛散せず、不燃化構造組成として有効であり、ま
た、熱溶融性有機合成繊維は部分的に接炎燃焼した他素
材の炭化生成物内に溶透してこれらの粉化、飛散を防止
する一方、該繊維自体の流動化又は融出滴下を防止す
る。しかも、上記繊維よりなる繊維シートは更に難燃加
工剤に含浸し乾燥、熱処理されることにより、一層、難
燃化され、通常の状態よりも燃焼は抑制されて相乗効果
により耐炎性を大幅に向上することができる。本発明耐
炎性シートは特に２０〜２５０ｇ／ｍ２のウエブ素材に
おいて有効性を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｄ０６Ｍ 101:40 Ｄ０６Ｍ 101:40
Claims (5)
- 【請求項１】炭化度が５０〜７０％の半焼成カーボン繊
維を１０ｇ／ｍ２以上と、非ハロゲン熱溶融性有機合成
繊維をウエブ重量の２０％以上含み、他は非ハロゲン繊
維よりなる、ウエブ重量が２０〜２５０ｇ／ｍ２である
繊維状シートに非ハロゲン系難燃加工剤及びバインダー
を付着し、乾燥、熱処理せしめてなることを特徴とする
耐炎性シート。 - 【請求項２】半焼成カーボン繊維がポリアクリロニトリ
ルの焼成により製造された炭化度５０〜７０％の繊維で
あり、非ハロゲン熱溶融性有機合成繊維がポリエステル
である請求項１記載の耐炎性シート。 - 【請求項３】非ハロゲン系難燃加工剤が有機又は無機含
リン化合物あるいは含窒素リン化合物あるいは両者の混
合物である請求項１または２記載の耐炎性シート。 - 【請求項４】非ハロゲン系難燃加工剤の含リン化合物が
リン酸エステル、亜リン酸エステルから選ばれた少なく
とも１つであり、含窒素リン化合物が尿素、グワニジ
ン、グワニール尿素、メラミンのリン付加化合物から選
ばれた少なくとも１つであり、何れも沸点が１４０℃以
上である請求項１，２または３記載の耐炎性シート。 - 【請求項５】難燃加工剤が繊維ウエブ及びバインダーの
総重量に対してリン量が１．０重量％以上、または窒素
を含む場合はリン量がウエブ及びバインダー総量に対し
て０．７重量％以上で窒素量がリン量に対して少なくと
も１．０倍以上となるように付加されている請求項１，
２，３または４記載の耐炎性シート。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1999
- 1999-10-29 JP JP30794899A patent/JP4245753B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
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| JP4245753B2 (ja) | 2009-04-02 |
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