JP2003251770A - オレフィン複合シートおよび強化複合不織布 - Google Patents

オレフィン複合シートおよび強化複合不織布

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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃化に好適で、廃棄処理が容易であり、製造
コストの安いオレフィン複合シート及びこれに好適な強
化複合不織布を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン樹脂を含むメッシュシート
(1)の少なくとも片面に、ポリオレフィン繊維を含む繊
維ウェブ(2,3)が積層されメッシュシート(1)と一体化さ
れて複合不織布を形成しており、前記複合不織布の少な
くとも片面に、オレフィン系樹脂層(4)が積層されてい
る。前記ポリオレフィン繊維および前記オレフィン系樹
脂層を構成するオレフィン系樹脂は、トリアジン骨格を
有する特定のヒンダードアミン誘導体を難燃効果剤とし
て含み、さらに熱安定剤であるリン系酸化防止剤のアリ
ールフォスファイトを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン複合シ
ートおよびこれに好適な強化複合不織布に関する。さら
に好適には、難燃性が高く、かつ焼却などの廃棄処分が
無害にでき、リサイクル可能で、強力などの性能が従来
並みで製品の使い勝手が従来通りできる、複合シートに
関し、インテリア資材、家電筐体、または自動車の内装
材などに使用でき、従来の塩化ビニール樹脂製レザー代
替のオレフィン人造レザーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の塩化ビニル樹脂製レザーは、ポリ
エステルニット(編み物)に軟質塩化ビニルを固着させ
て作られている。ニットが基布となり適度な柔軟性を持
った商品であり、軟質塩化ビニルとニット基布の抗張力
が適度なため、軟質塩化ビニルが破断しビニル層にクラ
ックを生じるほどの引っ張り力は使用上生じないので、
塩化ビニルレザーが多用されている。
【0003】図2A−Bを用いて従来の塩化ビニル樹脂
フィルムを用いた人造レザーの構造を説明する。図2A
は断面切り欠き図、図2Bは断面図である。織編物11
の一方の表面に塩化ビニル樹脂フィルム12を貼り合
せ、人造レザー13を形成している。
【0004】また、ポリエステルなどの織物に、軟質塩
化ビニルを固着させて作られている幌やテント地などの
防水シート、そしてインテリア資材としての壁紙や仕切
りカーテンとして、織物を軟質塩化ビニルで被覆加工し
たシートも多用されている。塩化ビニルで被覆加工した
シートは、各種のカバー、壁紙やピータイルなどのイン
テリア資材、冷蔵庫、テレビやAVなどの家電製品の筐
体、そして、自動車の内装材など、従来から製品に難燃
性が求められている分野では、塩化ビニル製品やハロゲ
ン化合物の難燃剤を用いた製品が多用されてきたが、使
用後に焼却して廃棄処分するとダイオキシンなどの有害
物の発生の可能性があり、火災時にハロゲン化水素など
の有害物や煤が発生し、いずれも危険で問題視されてい
る。また、最近は、リサイクル性などが強く要求され
て、ポリエチレンテレフタレートよりリサイクルが容易
なポリオレフイン樹脂で上記資材を作ることが求められ
ている。
【0005】塩化ビニルで被覆加工したシートの代替と
して、リサイクル可能なポリオレフィン系樹脂のみでな
るシートの要望が強いが、従来のマルチフィラメントや
紡績糸の織編み物を使用していては、塩化ビニルに替わ
る柔軟フィルム素材の価格が高く、製造価格的に、顧客
の要望を満たすことができない。
【0006】また、リサイクル可能なポリオレフィン系
樹脂のみでなるシートが製造できても、ポリオレフイン
樹脂はラジカル重合で作られているため、難燃化が困難
であり、ハロゲン化合物の難燃剤が用いられてきた。し
かし、従来のハロゲン系難燃剤を用いての難燃性ポリオ
レフィンシートでは、本質的に、塩化ビニルシートと変
わりがない。
【0007】従来のポリオレフィン系の難燃性資材に
は、比重の重いハロゲンガスを、熱分解させて発生さ
せ、資材表面を覆って酸素を遮断することで難燃化する
ハロゲン系難燃剤、主に縮重合樹脂で効果を発揮する、
熱分解温度を下げ、脱水反応で水素を引抜いて炭化を促
進して難燃化するリン酸アンモニウム塩や赤燐などの燐
化合物、そして、不燃の無機物やさらには結晶水を加熱
すると放出する無機物を概ね過半量添加して、可燃性の
樹脂の量を減らすことで難燃化する水酸化マグネシュウ
ムなどの水酸化物などを使用しており、これらを検討し
たが、難燃性は従来の物より格段に優れたものはなかっ
た。
【0008】特に繊維を用いたシート製品は、電気コー
ドなどに比べて作りにくいので、少量で難燃化できる難
燃剤が不可欠で、良いものがなかった。
【0009】ハロゲン化水素などの有害物や煤を発生し
ない難燃性ポリオレフィン繊維として、例えば、WO9
9/00450や特開2001−254225号公報で
は、ヒンダードアミン・ラジカル捕集剤のイミノ基(>
N−H)の一部または全部がN−アルコキシ・イミノ基
(>N−O−R)に置換されているヒンダードアミン誘
導体を難燃効果剤としてポリオレフィン樹脂に添加した
繊維が提案されている。特開2001−348724号
公報、USP5393812、およびEP792911
では、リン酸エステル系難燃剤とNOR型ヒンダードア
ミン系安定剤とを含有するポリプロピレン繊維が提案さ
れている。
【0010】ポリオレフィンレザーとして、例えば、特
開平11−172582号公報では、ポリオレフィン混
合組成物からなる表皮層とポリエステルやポリプロピレ
ンなどからなる基布との間にポリオレフィンと無機難燃
剤とからなる難燃層に配置され、一体的に成形された難
燃性ポリオレフィンレザーが提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のとおり、塩化ビ
ニル樹脂で被覆加工したシートは、塩化ビニル樹脂を用
いているため難燃性に優れているが、その代替品にも、
当然難燃性の付与が求められている。
【0012】上記の製品に難燃性が求められている分野
では、従来、難燃効果の高いハロゲン化合物、例えば、
塩化ビニル樹脂やハロゲン系難燃剤がこの用途に多用さ
れてきたが、火災時にハロゲン化水素などの有害物や煤
を発生し、被災者にこれら有害物が強い被害を与え、ま
た、破損や劣化で使用に耐えなくなった時、焼却して廃
棄処分するとダイオキシンなどの有害物が発生するため
焼却できず、微生物などでの処分もできないため、これ
らの使用は廃棄処分に重大な問題があった。
【0013】また、これら製品を製造またはリサイクル
使用する時、ハロゲン化水素などの有害物が発生し、製
造環境の劣悪化と製造設備の劣化を招き問題が大きく、
塩化ビニル製品においては、使用によって柔軟剤が溶出
して再生が出来ない問題がある。
【0014】また、ハロゲン化水素などの有害物や煤を
発生しない難燃性ポリオレフィンとして提案されている
ものであっても、特開2001−254225号公報の
ように、単にN−アルコキシ・イミノ基(>N−O−
R)に置換されているヒンダードアミン誘導体を添加す
るだけであっては、十分な難燃効果が得られない場合が
ある。WO99/00450では、十分な難燃効果が得
られるように他の難燃剤との併用も提案している。
【0015】特開2001−348724号公報、US
P5393812、およびEP792911は、従来の
難燃性ポリプロピレン繊維と同様にリン系難燃剤を多量
に含有させる必要があり、難燃効果を有するNOR型ヒ
ンダードアミンを補助的に用いるのみであり、不経済で
ある。
【0016】ポリオレフィンレザーとして、特開平11
−172582号公報では、中間層のみで全体の難燃性
を持たせようするため、無機難燃剤を多量に必要とし、
不経済であるだけでなく、焼却処分する際に無機難燃剤
が多量の灰となって残存してしまう。また、基布も主と
して織物やフォームを用いており、不経済である。
【0017】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、適度な柔軟性と、寸法安定性および強度を有し、か
つ製造コストの安い、さらに難燃化に好適で、廃棄処理
が容易であるオレフィン複合シートおよびこれに好適な
強化複合不織布を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のオレフィン複合シートは、ポリオレフィン
樹脂を含むメッシュシートの少なくとも片面に、ポリオ
レフィン繊維を含む繊維ウェブが積層され前記メッシュ
シートと一体化されて複合不織布を形成しており、前記
複合不織布の少なくとも片面に、オレフィン系樹脂層が
積層されていることを特徴とする。
【0019】また本発明の強化複合不織布は、ポリオレ
フィン樹脂を含むメッシュシートの少なくとも片面に、
ポリオレフィン繊維を含む繊維ウェブが積層され前記メ
ッシュシートと水流交絡により一体化された複合不織布
からなり、前記複合不織布を構成する材料のうち、少な
くとも前記ポリオレフィン繊維を構成しているポリオレ
フィン樹脂に、トリアジン骨格と、過半のトリアジン骨
格がその近傍に位置する複数のピペリジン基を有する、
分子量が2000以上のラジカル捕集機能を有する高分
子量ヒンダードアミンが耐候性安定剤として0.02質
量%以上、1質量%以下の範囲で添加され、さらに、ト
リアジン骨格とこれの近傍に位置する複数のピペリジン
基のイミノ基>N−HがN−アルコキシ・イミノ基>N
−O−R(但し、RO−は炭素数1〜18のアルコキシ
(alkoxy)基、炭素数5〜12のシクロアルコキシ(cy
cloalkoxy)基、炭素数7〜25のアルアルコキシ(ara
lkoxy)基、炭素数6〜12のアリーロキシ(aryloxy)
基)に置換されている分子量が2000以上の高分子量
ヒンダードアミン誘導体が難燃効果剤として添加され、
リン系酸化防止剤のアリールフォスファイトが、熱安定
剤として添加され、前記難燃効果剤の添加濃度をa重量
%、前記熱安定剤の添加濃度をb重量%としたとき、 0.2<a<10 1<a/b<70 かつ0.02≦b の関係を充足し、前記複合不織布全体を100質量%と
したとき、前記難燃効果剤および前記熱安定剤を含有す
るオレフィン樹脂の存在割合が、30質量%以上であ
り、前記難燃効果剤が、0.3質量%以上の割合で含有
されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】塩化ビニルで被覆加工したシート
の代替品では、被ラミネートシート素材は、従来から織
編み物が公知であり、少なくとも、縦横の寸法安定性
と、適度な厚みが必要で、これらを満足する素材では、
従来から使用されている織編み物が好適であるが、価格
が高く、塩化ビニル被覆シートの価格に合わせることが
できないため、前記織編み物を物性的に代替でき、価格
的に有利な新たな素材が必要となった。
【0021】本発明は、前記新素材として、寸法安定と
縦横方向の強度を確保するために、メッシュ、スクリ
ム、粗い平織りなどの粗織物、あるいは粗編物などのメ
ッシュシートと、適度な厚みを確保するため、繊維ウェ
ブを用い、メッシュシートの少なくとも片面に繊維ウェ
ブを積層し、一体化した複合不織布を、前記した織編み
物の代わりとしている。
【0022】本発明において、前記メッシュシートのメ
ッシュの密度は、3〜60メッシュ(縦横1インチ当た
りに占める繊維(糸条)本数が3〜60本/インチ)程
度が好ましい。より好ましいメッシュ密度の下限は、5
メッシュ以上である。より好ましいメッシュ密度の上限
は、50メッシュ以下である。
【0023】前記メッシュシートの形態として、好まし
くは、2次元的に少なくとも縦横または斜め方向の2方
向に伸びる糸条が整然と配置されこれらの糸条が交差し
ており、前記糸条で囲まれた孔状空間を持つ網状物であ
って、具体的には、玉葱袋やコンウェッド社のコンウェ
ッドネットに代表される熱可塑性樹脂でなる一体化成形
された網状物、防虫網や寒冷紗の様に各糸条を予め作
り、織りまたは編みたてによって成形された網状物とこ
れらの糸条の交差した交点を熱接着もしくは樹脂接着し
た網状物、および粗く構成した織編み物などが挙げられ
る。
【0024】前記メッシュシートは、ポリオレフィン樹
脂を含む材料で構成されており、リサイクルや無公害焼
却のため、ポリオレフィン樹脂のみで構成することが好
ましく、さらにプロピレンのホモポリマーまたはこれら
を主成分とする共重合体で全て構成されていることが最
も好ましい。
【0025】前記メッシュシートを構成する糸条の太さ
は、一体成形物やモノフィラメントやマルチフィラメン
トでは、直径1mmφ未満、紡績糸として使用する場合
は、100dTex未満が好ましく、一体成形物やフィラメ
ントでは、直径0.5〜0.1mmφ、紡績糸ではカー
ド通過性から20〜1dTexが特に好ましい。
【0026】前記メッシュシートの目付は、2〜200
g/m2で良く、5〜50g/m2が、補強効果を考慮すると、
経済的に特に好ましい。
【0027】次に、前記メッシュシートの少なくとも片
面に積層されるポリオレフィン繊維を含む繊維ウェブと
しては、メッシュシートと一体化可能であれば特に限定
はされず、例えば、乾式不織布工程であるカード法、エ
アレイド法、および紙漉きなどの湿式不織布工程から選
ばれた少なくとも1工程を用いて開繊した開繊ウェブ、
あるいは接着処理や交絡処理などで結合された結合ウェ
ブなどを用いることができる。特に、後述する水流交絡
により一体化させる場合、カード法からなる繊維ウェブ
を用いることが好ましい。
【0028】前記繊維ウェブは、ポリオレフィン繊維を
含む材料で構成され、リサイクルや無公害焼却のため、
ポリオレフィン繊維のみで構成することが好ましく、さ
らにプロピレンのホモポリマーまたはこれらを主成分と
する共重合体で全て構成されていることが最も好まし
い。
【0029】また、前記ポリオレフィン繊維は、繊度が
0.5〜30dTexのものが都合良い。
【0030】次いで、前記メッシュシートの少なくとも
片面に前記繊維ウェブが積層されるが、メッシュシート
の両面に繊維ウェブを積層したほうが、厚み、平滑性、
あるいはメッシュシートとの交絡性などの点から好まし
い。
【0031】前記メッシュシートと繊維ウェブとは積層
され、一体化されて複合不織布となるが、一体化の手段
は接着手段、交絡手段、あるいはそれらの併用などいず
れであっても良く、特に、交絡手段として、水流交絡処
理が最も都合良く、ニードルパンチによっても良い。交
絡手段によれば、前記繊維ウェブの繊維同士を交絡せし
めると共にメッシュシートも前記繊維で交絡されて一体
化され、交絡繊維層化させることができ、好ましい。特
に、ポリプロピレン繊維をステープルとし、ローラーカ
ードを用いた繊維ウェブを水流交絡処理でメッシュシー
トと一体化させる手法が、経済的で最も好ましい。
【0032】前記複合不織布は、ポリオレフィン樹脂を
含む材料で構成され、リサイクルや無公害焼却のため、
全ての材料をポリオレフィン樹脂のみで構成することが
好ましく、さらにプロピレンのホモポリマーまたはこれ
らを主成分とする共重合体で全て構成されていることが
最も好ましい。
【0033】これらの素材と手段で製造した複合不織布
は、従来の、紡績糸やマルチフィラメントを使用した織
編み物より、製造価格を大幅に低減でき、目的を達成で
きる。さらに、ポリオレフィン樹脂を含むメッシュシー
トの少なくとも片面に、ポリオレフィン繊維を含む繊維
ウェブが積層され前記メッシュシートと水流交絡により
一体化された複合不織布が、適度な柔軟性と、寸法安定
性および強度を有し、かつ製造コストが安く本発明の強
化複合不織布として最適である。
【0034】用途によるが、複合不織布の目付は15〜
300g/m2が都合良く、適応商品と水流交絡処理の生産
性を考慮すると、経済的には40〜120g/m2が特に都
合良い。
【0035】次に、前記複合不織布の少なくとも片面に
オレフィン系樹脂層が積層されて、本発明のオレフィン
複合シートとしている。前記複合不織布の少なくとも片
面にオレフィン系樹脂層を積層する方法としては、例え
ば、Tダイでオレフィン系樹脂を押し出しながら不織布
と貼り合わせる方法や、一旦フィルムや発泡シートを作
製しておいて、不織布と貼り合わせる方法など、公知の
方法を用いるとよい。
【0036】さらに、前記オレフィン系樹脂層が、エン
ボス加工、印刷加工および着色加工から選ばれる少なく
とも一つの加工がなされていると、意匠性を高める点で
好ましく、前記複合不織布の少なくとも片面にオレフィ
ン系樹脂層を積層した後、処理することが好ましい。
【0037】また、塩化ビニル被覆と同等の柔軟性と触
感は、プロピレンのホモポリマーまたはこれらを主成分
とする共重合体、およびオレフィン系エラストマーから
選ばれる少なくとも一つの軟質な樹脂による代替で、目
的を達成できる。
【0038】前記オレフィン系樹脂層の厚み(目付)
は、0.02〜3mm(約18〜2700g/m2)であるこ
とが好ましい。特に、オレフィン人造レザーとして用い
る場合、0.5〜1.5mm(約450〜1400g/m2
であることがより好ましい。
【0039】図1A−Bを用いて本発明の一実施形態に
おけるオレフィン複合シート(オレフィン人造レザー)
の構造を説明する。図1Aは断面切り欠き図、図1Bは
断面図である。メッシュシート1の少なくとも一方の面
に繊維ウェブ(2及び/又は3)を積層し、水流などを
用いて交絡一体化し、オレフィン系樹脂層(軟質フィル
ム)4を貼り合せ、オレフィン人造レザー6を形成して
いる。5はメッシュシート1を構成する縦糸と横糸の交
点の固定部である次いで、本発明の目的の一つは、塩化
ビニルで被覆加工したシートの代替であるから、当然、
難燃性の付与した複合不織布が求められる。さらには、
従来から多用されているハロゲン系難燃剤を用いると、
本質的に、塩化ビニル製品と変わりがない。
【0040】ポリオレフィン樹脂に難燃性を発現させる
には、 (1) 酸化剤である酸素の遮断 (2) 着火しない低温で熱分解させて耐熱性の炭化物で被
覆する (3) 可燃物である樹脂の含有量を減らし着火しても低発
熱とする手段が従来の難燃性付与方法であった。これら
を整理すると、(1)酸化剤の遮断、(2)燃焼時の可燃ガス
発生抑制、(3)炎の低温化となり、ポリオレフィン系の
難燃樹脂では、(1)の効果を持つハロゲン系難燃剤を主
体とし、(2)または(3)の添加剤を補助とした難燃剤構成
であった。しかし、製造上、使用上、火災発生時などで
大きな問題を抱えているため、前記従来の難燃剤の概念
を捨てて、最初から再検討した。
【0041】本発明は、ポリオレフィン樹脂の燃焼機構
が、まず、熱によって樹脂が熱分解を起こし、低分子量
のモノマーなどを放出して、これらが着火し、さらに熱
分解の連鎖を起こして燃焼する機構と仮定して検討を続
けた結果、ハルス系(HALS:Hindered Amine Light
Stabilizersの略でトリアジン骨格とピペリジン基が含
まれる耐候性安定剤の総称。)のラジカル捕集剤をポリ
オレフィンの安定剤としてでなく、難燃化剤としてもっ
と大量に添加することで、外部からの炎によって樹脂が
熱分解される時、アルキルラジカル(R・)がまず発生
するが、このラジカルを捕捉することで、熱分解連鎖を
遮断すれば、中分子量物から低分子量物の発生を抑制で
き、ポリオレフィン樹脂やその加工品を難燃化できるの
ではと考えた。
【0042】本発明者らは、イミノ基(>NH)を持つ
ハルス系のラジカル捕集剤の濃度アップによって、ポリ
オレフィン樹脂を難燃化できないか、種々検討したが、
期待する難燃効果は得られなかった。すなわち、燃焼に
よって生じたラジカル(R・)や(ROO・)をイミノ
基(>NH)ハルスは十分捕捉できず難燃効果を発揮し
ないことが判った。
【0043】ハルス系のラジカル捕集剤の作用機構は、
文献に記載があり、通説がほぼ確定している。例えば、
1998年日刊工業新聞社発行の高分子添加剤の新展開
があり、そのサイクルには、イミノ基(>NH)だけで
なく、ヒドロキシイミノ基(>NOH)やアルコキシイ
ミノ基(>NOR)、そして>NO・ラジカルが含ま
れ、燃焼によって発生したラジカル(R・)は、酸素分
子O2と非常に早く反応してROO・ラジカルになる
が、>NO・ラジカルもラジカル(R・)と前記と同じ
くらい早く反応してアルコキシイミノ基(>NO)とな
ってラジカル(R・)を消滅させる。したがって、>N
O・ラジカルを持つハルス系添加剤が期待できるが、ラ
ジカルのため不安定で添加剤としては入手できない。こ
の>NO・ラジカルを容易に発生するのがアルコキシイ
ミノ基(>NOR)であり、揮発し易いアルキルを放出
して>NO・ラジカルを発生させ、代わりにポリオレフ
ィン樹脂が分解して発生した中分子量物から低分子量物
を捕捉、安定させることで、可燃性物質の発生を量的に
抑制して難燃効果を発現できるのではと考えた。
【0044】なお、>NORのアルキル基は、当然揮発
し易く、少しでも酸化や分解しにくいアルキルが良く、
直鎖状より、環状のものが都合が良いと推定される。な
お、アルコキシイミノ基(>NOR)はラジカル捕集が
固相ではさらに有利であり、繊維やフィルムなどの成形
物の内部ではラジカル(R・)の捕捉も期待できる。ま
た、燃えるものが少ないか、無くなれば燃えないはずで
あり、炎が当たると速やかに溶融して、炎の部分から樹
脂を溶融張力で収縮させて、樹脂を遠ざける、すなわ
ち、簡単に溶けてより大きな穴を開けれる様な薄手の不
織布など、使う仕様も工夫すれば、結果として難燃効果
をさらに発現できるとも考え、発明に至ったのである。
【0045】本発明者らは、アルコキシイミノ基(>N
OR)型の高分子ハルスを練り込んだ樹脂を用い、ポリ
プロピレン(PP)繊維からなる不織布を試作して、評
価したところ、偶然にも良い難燃効果を示す結果を得
た。
【0046】そこで、種々のメーカーのポリオレフィン
樹脂に拡大して検討した。しかし、予想に反してほとん
どの樹脂で、期待する結果を得ることができなかった。
比較例で例示する様に、2質量%の添加でも全焼する結
果となり、特定のポリプロピレン(PP)樹脂でのみ、
難燃等級が最高の3級に、0.5質量%添加でも安定し
てなることしか判らなかった。
【0047】そこで、使用したポリオレフィン樹脂の安
定剤の相関を調査し、アリールフォスファイトである、
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフ
ァイト(安定剤T、または単にT剤という。)を添加し
た樹脂をマスターバッチのベース樹脂とした繊維が、難
燃効果もしくは難燃化傾向を持つことを知った。
【0048】そこで、本発明に用いるNOR型高分子ハ
ルスと安定剤Tを一緒に練り込んだマスターバッチ(M
B)と安定剤Tのみのマスターバッチを作り、検討した
ところ、以前に全焼した樹脂も、本発明に用いる難燃剤
が同じ2重量%添加で、安定剤Tを併用することで、難
燃等級が最高の3級の繊維とすることができ、本発明に
至ったのである。
【0049】なお、本発明に用いる、いわゆるリン系酸
化防止剤アリールフォスファイトは、溶融混合して作る
マスターバッチや、溶融して作る繊維やフィルムに用い
る場合、樹脂を溶融する200℃以上の温度で、劣化防
止に卓越した効果を発揮するため、前記リン系酸化防止
剤を添加すると、少なくとも、本発明に用いるNOR型
高分子ハルスの熱的変質を防止して、その難燃効果を発
揮させると推定される。また、燃焼時、繊維やフィルム
などの成形物の表面が溶融するため、何らかの良い相乗
効果を与えているとも推定される。いずれにしても、安
定剤Tは本発明のオレフィン複合シートおよび強化複合
不織布の難燃化には不可欠である。
【0050】さらに、ポリオレフィン樹脂、特にはポリ
プロピレン樹脂が本来基本的に保有することが不可欠な
耐候性を持たせるため、各種安定剤を添加することも不
可欠であり、前記MBを希釈するポリオレフィン樹脂で
の本発明に用いる難燃効果剤と安定剤間の相性を検討し
たところ、ハルス系安定剤以外では好ましい結果を得る
ことができなかった。具体的には、酸化防止剤、光安定
剤やラジカル捕集剤と前記した難燃効果剤であるNOR
型の高分子ハルスとの相性の問題があり、酸化防止剤の
代表例であるフェノール系酸化防止剤BHTとは相互に
反応してNOR型の高分子ハルスが変質化し、黄変また
は褐色変し、本発明に用いる難燃効果剤も余分に添加す
る必要があって、該BHTを添加しない方が良いため、
使用できず、イルガノックス1010も同様であった。
結局、難燃効果剤であるNOR型の高分子ハルスと化学
構造が近いハルス系のラジカル捕集剤が樹脂の耐候性と
難燃性の両立をさせるに最も都合が良いことが判明し
た。
【0051】特に、分子量が2000以上で、トリアジ
ン骨格と、過半のトリアジン骨格がその近傍に位置する
複数のピペリジン基を有する高分子量ヒンダードアミン
が、本発明に用いる難燃効果剤の難燃効果を生じる添加
量に影響を与えず、かつ、黄変などの着色も極めて低く
することができ、本発明に用いるポリオレフィン樹脂、
特にはポリプロピレン樹脂の耐候性安定剤として最適な
ことを知った。MBに使用するポリオレフィン樹脂にさ
らに適量のリン系酸化防止剤アリールフォスファイトを
追加するともっと都合が良いことも判明した。
【0052】以下、本発明のオレフィン複合シートおよ
び強化複合不織布を従来の難燃剤を用いずとも難燃化し
得る方法について、具体的に説明する。
【0053】本発明の好ましい例としては、前記オレフ
ィン複合シートにおける少なくともポリオレフィン繊維
およびオレフィン系樹脂層を構成するオレフィン系樹
脂、あるいは強化複合不織布を構成するポリオレフィン
繊維に、ヒンダードアミン・ラジカル捕集剤のイミノ基
(>N−H)がN−アルコキシ・イミノ基(>N−O−
R)(但し、RO−は炭素数1〜18のアルコキシ(al
koxy)基、炭素数5〜12のシクロアルコキシ(cycloa
lkoxy)基、炭素数7〜25のアルアルコキシ(aralkox
y)基、炭素数6〜12のアリーロキシ(aryloxy)基)
に置き換えられているヒンダードアミン誘導体が難燃効
果剤として、リン系酸化防止剤のアリールフォスファイ
トが、被添加樹脂が溶融状態時に前記難燃効果剤の変質
を防止する加工熱安定剤としてそれぞれ添加されてい
る。前記難燃剤の添加濃度をa重量%、前記加工熱安定
剤の添加濃度をb重量%とすると、0.2<a<10
で、1<a/b<30かつ0.02≦bであるよう添加
して、オレフィン樹脂に難燃性を付与することで難燃化
した繊維やフィルムなどの成形物を提供できる。使用す
る難燃効果剤は、従来の難燃剤でなくポリオレフィン樹
脂の安定剤である特定のヒンダードアミン系安定剤を用
いる。その結果、環境ホルモンも発生しない添加剤、す
なわちハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を用いずとも
(ノンハロゲン化、ノンリン化で)難燃化を達成するこ
とが可能であり、火災時にも有害ガスを発生せず、廃棄
処分でも有害物を排出しないので安全であり、リサイク
ルも容易であり、必要添加量も従来の難燃剤より少な
い。したがって、繊維やフィルムなどの成形物の性能の
低下もあまり生じない特徴を持ったポリオレフィン系の
複合不織布とすることができる。なお、前述したノンリ
ン化で難燃化とは、少量のリン系酸化防止剤は本発明に
不可欠であるため除外できないが、前記リン系酸化防止
剤より大量に添加するリン系難燃剤は使用しておらず、
繊維のリン含有量は、従来の難燃オレフィン繊維より遥
かに少ないことを示唆しているのである。
【0054】また、本発明のオレフィン複合シートおよ
び強化複合不織布にあっては、全てのオレフィン樹脂に
本発明に用いる難燃効果剤を添加する必要もなく、他の
樹脂も使用でき、前記オレフィン複合シート全体または
前記強化複合不織布全体を100質量%としたとき、前
記難燃効果剤および前記熱安定剤を含有するオレフィン
樹脂の存在割合が、30質量%以上であることが好まし
い。事実、ポリオレフィン樹脂を含むメッシュシート
に、本発明に用いる難燃効果剤を添加していなくても、
構成するポリオレフィン繊維とオレフィン系樹脂層に前
記難燃効果剤が添加されていると、十分な難燃効果を発
揮できる場合もある。もちろんメッシュシートを構成す
るポリオレフィン樹脂が、前記難燃効果剤および前記熱
安定剤を含有していても良いことはいうまでもない。
【0055】また、前記オレフィン複合シートおよび強
化複合不織布全体を100質量%としたとき、前記難燃
効果剤が、0.3質量%以上の割合で含有されていれ
ば、難燃性の効果が生じる。
【0056】前記難燃効果剤としては、チバ・スペシャ
リティ・ケミカルズ社の商品名「チモソルブ944」な
どのように多数のイミノ基が側鎖として存在するタイプ
の分子量2000以上の高分子量タイプで、トリアジン
骨格とこれの近傍に位置する複数のピペリジン基のイミ
ノ基>N−HがN−アルコキシ・イミノ基>N−O−R
に置き換えられている高分子量ヒンダードアミン誘導体
がラジカル捕集によって3次元化するので、揮発物を抑
制でき、最も好ましい。そして、イミノ基の窒素の部分
が、Nーアルコキシ・イミノ基(>N−O−R)(但
し、RO−は炭素数1〜18のアルコキシ(alkoxy)
基、炭素数5〜12のシクロアルコキシ(cycloalkox
y)基、炭素数7〜25のアルアルコキシ(aralkoxy)
基、炭素数6〜12のアリーロキシ(aryloxy)基)で
あり、前記有機基は、アルキル−パーオキシラジカル
(RO2・)を捕捉して容易に>NO・ラジカルとなり
難燃効果を発揮する。なお具体的なNーアルコキシ・イ
ミノ基(>N−O−R)を持つNOR型の高分子ハルス
難燃効果剤は、トリアジン骨格とこれの近傍に位置する
複数のピペリジン基のイミノ基>N−HがN−アルコキ
シ・イミノ基>N−O−Rに置き換えられている、分子
量が2000を超える高分子量ヒンダードアミン誘導体
がブリードアウトの少ないなどの点からも都合良く、ア
ルコキシ基はシクロヘキサノールのアルコールの水素基
が欠落した基が最も都合が良い。その一例は、チバ・ス
ペシャリティ・ケミカルズ社のフレームスタブNOR1
16である。その化学構造を下記式(化1)に示す。
【0057】
【化1】
【0058】本発明に用いる難燃効果剤では、ポリオレ
フィン樹脂のうちポリエチレンは、ポリプロピレンに比
べ、難燃効果を付与しにくく、ポリブテン−1やポリメ
チルペンテン−1などの側鎖のあるαポリオレフィン樹
脂の難燃化に有効の様である。これは、第3級炭素によ
って、発生するラジカルの寿命が長くなる影響も考えら
れる。前記した理由からモノマーの炭素数が3以上のポ
リオレフィン樹脂を主体として用いることが望ましい
が、さらに、製造価格を考慮して、本発明では、用いる
ポリオレフィン樹脂は、プロピレンのホモポリマー、こ
れを主成分とする共重合体、およびオレフィン系エラス
トマーから選ばれる少なくとも1種を適用した。これら
を以下、ポリプロピレン系樹脂という。また、本発明で
いうポリプロピレン樹脂は、プロピレンのホモポリマー
またはこれを主成分とする共重合体を示す。前記プロピ
レンを主成分とする共重合体は、プロピレンリッチのエ
チレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン−1−
プロピレン共重合体やプロピレン−オクテン共重合体は
無論、無水マレイン酸やアクリル酸のグラフト共重合体
も含む。また、オレフィン系エラストマーは、水添スチ
レンーブタジエン、水添スチレンーブタジエン−スチレ
ンおよびこれらの未水添の共重合体、あるいはメタロセ
ン触媒を用いて重合したポリエチレンのハードエラスト
マーなどの軟質な樹脂をいう。
【0059】なお、前記ポリオレフィン樹脂は、着色剤
や、酸化チタンや炭酸カルシュームなどの充填剤などの
添加物が用途によって添加されていてもよい。
【0060】前記難燃効果剤のポリオレフィン樹脂への
添加量(a質量%)は、0.2<a<10が好ましい。
より好ましい添加量の下限は、0.5質量%以上であ
る。より好ましい添加量の上限は、5質量%以上であ
る。なお、0.2質量%未満では、難燃性が十分でな
く、10質量%を超えると、経済的に好ましくない。
【0061】また、前記オレフィン複合シート全体およ
び前記強化複合不織布全体を100質量%としたとき、
前記難燃効果剤が、0.3質量%以上の割合で含有され
ていないと、難燃特性が発揮できず好ましくない。
【0062】次に、本発明に用いる難燃効果剤は、マス
ターバッチ化、繊維化およびフィルム化などの熱加工時
に変質し易いため、リン系酸化防止剤を併用するのが不
可欠である。前記したリン系酸化防止剤としては、トリ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイ
ト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「IRGA
FOS168」(商品名))に代表される、アルキル置換
基を有するフェニル基を少なくとも1つ有するアリール
フォスファイトが都合良く、具体的には、旭電化工業社
製の「ADK STAB HP−10」、「PEP−2
4」や「PEP−36」(いずれも商品名)が他に挙げら
れる。
【0063】被添加樹脂が溶融状態時に前記難燃効果剤
の変質を防止する加工熱安定剤として併用するリン系酸
化防止剤のアリールフォスファイトの添加量(b質量
%)は、0.02≦bであり、かつ前記難燃効果剤の添
加量(a質量%)との間には1<a/b<70を満たす
ことが好ましい。より好ましいアリールフォスファイト
の添加量の下限は、0.1≦bである。より好ましいア
リールフォスファイトの添加量の上限はb≦1である。
さらに好ましいアリールフォスファイトの添加量の上限
はb<0.5である。より好ましいa/bの上限は、5
0である。さらに好ましいa/bの上限は、30であ
る。ポリオレフィン樹脂に対する添加量が0.02質量
%未満では変質防止効果が十分でなく、経済的には、難
燃剤との比率a/bが1未満では添加が過剰であり、7
0を超えるのは添加が過小となり好ましくない。なお、
前記リン系酸化防止剤は、少なくとも本発明に用いる難
燃効果剤が熱加工される場合には共存するのが特に好ま
しく、このマスターバッチを作成する場合は、少なくと
も0.3質量%の添加が好ましい。
【0064】また、前記オレフィン複合シート全体およ
び前記強化複合不織布全体を100質量%としたとき、
前記難燃効果剤および前記熱安定剤を含有するオレフィ
ン樹脂の存在割合が、30質量%以上でないと、シート
として難燃特性が発揮できず好ましくない。
【0065】次に、本発明に用いる高分子量ハルス系安
定剤は、トリアジン骨格と、過半のトリアジン骨格がそ
の近傍に位置する複数のピペリジン基を有する、分子量
が2000以上のラジカル捕集機能を有する高分子量ヒ
ンダードアミンが最適であり、具体的な例としては、チ
バ・スペシャリティ・ケミカルズ社のチモソルブ944
系、2020系および119系の高分子量ヒンダードア
ミンが挙げられる。
【0066】本発明に用いる高分子量ハルス系安定剤
は、前述したように、前記難燃効果剤に類似の化合物が
ポリオレフィン樹脂への分散性の上でも都合良く、互い
に干渉しなければ、ポリオレフィン樹脂に耐候性を付与
できる添加濃度であれば少なくとも都合が良い。具体的
な、本発明に用いるポリオレフィン樹脂の都合の良い耐
候性安定剤処方は、中和剤を別とすれば、前記した高分
子量ヒンダードアミンを耐候性安定剤として0.02〜
1質量%、アリールフォスファイトをリン系酸化防止剤
として0.02〜1質量%添加すると、耐候性も良好な
繊維とすることができる。なお、共に0.02質量%未
満の添加では耐候性に問題が生じ、1質量%を超える添
加では、過剰すぎて経済的に好ましくない。
【0067】なお、前記ポリオレフィン樹脂には、難燃
効果に影響がなく、他の物理物性を維持する範囲で他の
安定剤の通常量併用してもよい。
【0068】なお、本発明に用いるポリプロピレン系樹
脂は、本発明に用いる難燃効果剤と混合して熱溶融加工
されないアイテムについては、その安定剤を高分子量ヒ
ンダードアミンとリン系酸化防止剤のアリールフォスフ
ァイトの組合せに限定するものではない。多くの場合、
全てのアイテムを特定の安定剤の組合せ処方とすること
は、経済的に不可能なことが多く、現実には、本発明に
用いるメッシュシートが全く別の安定剤処方であって
も、全く難燃効果は変化しなかった。しかし、最も好ま
しくは、使用されているポリオレフィン樹脂の全てに、
高分子量ヒンダードアミンと、リン系酸化防止剤のアリ
ールフォスファイトとが添加されている場合が良く、こ
の場合は耐候性と難燃性が共に優れたオレフィン複合シ
ートおよび強化複合不織布とすることができる。
【0069】本発明のオレフィン複合シートは、塩化ビ
ニルを使用したシートや塩ビレザーの代替商品として開
発したものであって、適合市場は塩ビシート類と重な
る。従って、本発明のオレフィン複合シートは、壁紙や
仕切りカーテンや、家具や自動車のシートなどの上張り
材などのインテリア資材、塩化ビニルレザーで化粧され
ている各種部材(例えば、自動車の内張り材や、家電製
品の筐体、パソコンや携帯電話などの電子機器の筐体、
ビル空調や建物の部材、ラミ建設資材、および玩具や日
用雑貨などの、シート加工または応用商品を総称してい
る。特に、塩化ビニルレザーの代替商品であるオレフィ
ン人造レザーとして用いることが好ましい。
【0070】次に実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、本発明の実施の1形態であるオレフ
ィン複合シートと、オレフィン系樹脂層で覆っていない
強化複合不織布とで主に説明するが、他の形態のオレフ
ィン複合シートも実施例を参考にすれば同様に容易に作
ることができる。
【0071】
【実施例】以下の実施例において、単に%と表示してあ
るのは、質量%を意味する。
【0072】本発明の実施例と比較例の強化複合不織布
およびオレフィン複合シートは、表1に示すポリプロピ
レン繊維1〜9と、表2に示すメッシュシート(シート
1〜6)と、表3に示すオレフィン系樹脂層の各素材を
組み合わせて不織布およびシートを作成し、JIS・L
1091、A−1法で評価した。表中の温度は℃、密度
はg/cm3、燃焼試験の炭化面積はcm2、残炎およ
び残塵時間は秒であり、燃焼試験の1分は1分加熱、着
火後とは着火3秒後を意味する。 (繊維の製造)表1のポリプロピレン繊維は、表1の条
件に従って、繊維断面が円形の単一および複合繊維を溶
融紡糸し、熱延伸して、アルキル硫酸エステル塩からな
る易水溶性繊維処理剤を付与し、スターッファボックス
で捲縮を付与し、これをネットコンベァー式熱風貫通型
乾燥機で乾燥し、長さ51mmに切断して、ステープル
繊維とし、繊維の難燃性を目付100g/m2、厚み約1m
mの水流交絡不織布とし評価もした。また、繊維1、
5、および9を、その引取速度を著しく低下させて、太
さ約0.2mmのフイラメント(繊維1F、5F、およ
び9F)とし、表2に示すメッシュシート1および2の
縦糸と横糸に用いた。 (メッシュシートの製造)メッシュシートとしては、前
記した繊維1F、5F、および9Fの太フイラメントを
織ったもの、コンウェッド社製のポリプロピレンでな
り、溶融一体化成形されているコンウエッドネット、繊
維1と9を紡績糸化し、縦横糸の両方に用いてガーゼ状
に粗く織ったものなどが用いられるが、表2には本発明
の布帛の一部を例示する。すなわち、表2のメッシュシ
ートとして、太さ約0.2mmのフイラメントを縦糸及
び横糸として用い、シート番号1〜4に経糸を2mmピ
ッチで整然と並べ、交互に2mmピッチで横糸を使って
織物メッシュ構造体した。熱処理は145℃前後の温度
のスチール/スチール熱ロールで圧迫加工して、交差点
を熱接着して2mm□の網目のメッシュシート(メッシ
ュ密度26メッシュ)とした。シート番号5として、太
さ約0.2mmのフイラメントの網目4mm□のコンウ
ェッドネットON3650(メッシュ密度14メッシ
ュ)を用いた。シート番号6、7として繊維1と繊維9
を20番手の紡績糸とし、織機で織って網目1mm□の
ガーゼ状に粗く織ったメッシュシート(メッシュ密度5
0メッシュ)とした。得られたメッシュシートにおける
難燃性の評価結果を表2に示す。 (オレフィン系樹脂層の製造)表3に示すオレフィン系
樹脂層は、表1の溶融紡糸条件で混合してペレットと
し、Tダイを用いてダイ温度260℃で押出し、押出温
度と同じ温度もしくはそれ以下の温度に設定したホット
プレスで圧迫して50μm厚のフィルムを作製した。厚
みは圧迫する際、スペーサーを使用して調整した。得ら
れたフィルムにおける難燃性の評価結果を表3に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】表1〜5に示す略語は以下の通り。 (1)N剤(難燃効果剤):チバ・スペシャリティ・ケミ
カルズ社製、「FLAMESTAB−NOR−116」
(商品名) (2)T剤(リン系酸化防止剤):チバ・スペシャリティ
・ケミカルズ社製、「イルガホス168」(商品名) (3)H剤(高分子量HALS):チバ・スペシャリテ
ィ・ケミカルズ社製、「CHIMASSORB 944
FD」(商品名)(ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチ
ル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6-テ
トラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,
2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、分子量2
000〜3100) (4)PP:ポリプロピレン (5)EP:エチレン5質量%含むエチレン-プロピレ
ン共重合体 (6)EG:ダウ社製ハードエラストマー「アイニテ
イ」(商品名) (7)SEBS:クレイトン・ポリマー社製水添スチレ
ンーブタジエンースチレン「クレイトンG」(商品名) (8)SEB:JSR社製水添スチレンーブタジエン
「ダイナロン」(商品名) MFRはメルトフローレートを意味し、測定温度が23
0℃のASTM−1238(L)による値で、単位はg
/10分。(ただし、EGのみ190℃で測定した。) (実施例1〜6、比較例1〜3)表1に示すポリプロピ
レン繊維を、ローラーカードを用いて開繊して、表4に
示す目付の半分量のカードウェブを2枚準備した。表2
に示すメッシュシートを2枚のカードウェブの間となる
ように積層し、繊維積層体とした。前記繊維積層体を、
2.9MPaの圧力水で水流交絡加工して予備交絡させ
た後、6.9MPaの圧力水を用いて裏表の両サイドか
ら水流交絡加工して繊維交絡させると共に、メッシュシ
ートも繊維を用いて絡めて繊維交絡によって一体化させ
て強化複合不織布とした。得られた強化複合不織布にお
ける難燃性の評価結果を表4に示す。
【0077】
【表4】
【0078】表4の組合せと条件に従って、表3のオレ
フィン系樹脂層を260℃前後の温度でTダイを用い
て、目付約45g/m2、厚さ約50μmのフィルムとし、
前記強化複合不織布上に流下させ、続いて押圧ロールを
用いて前記不織布に貼り合わせて、オレフィン複合シー
トを作製した。得られたオレフィン複合シートは、従来
の織編物を塩化ビニル樹脂で被覆加工したシートと遜色
のない適度な柔軟性と、寸法安定性および強度を有して
いた。さらに、JIS・L1091、A−1法で難燃性
を評価した。その結果を表5に示す。
【0079】
【表5】
【0080】表4および表5から明らかなとおり、本発
明の実施例は良好な難燃性が得られた。なお、比較例と
してH剤(高分子量HALS)を2質量%添加したが、
難燃性はなく、難燃効果剤ではなかった。
【0081】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の構成によ
れば、適度な柔軟性と、寸法安定性および強度を有し、
かつ製造コストの安い、さらに難燃化に好適で、廃棄処
理が容易であるオレフィン複合シートおよびこれに好適
な強化複合不織布を提供できる。
【0082】また、本発明のオレフィン複合シートおよ
び強化複合不織布において、特定の難燃効果剤、熱安定
剤、および耐候性安定剤をオレフィン樹脂に含有させる
ことにより、良好な難燃性を示し、火災時にも有害ガス
を発生させず、たとえ焼却によって廃棄処分を行っても
有毒物質の発生がなく、コストも安く製造することがで
きる。さらに、環境ホルモンも含まないため環境に優し
い難燃性のオレフィン複合シートおよび強化複合不織布
として適する。
【0083】さらに本発明の好ましい例によれば、オレ
フィン複合シートは、全てをポリプロピレン系樹脂で構
成されているため、リサイクルと無害な焼却処分がで
き、都合が良い。また、従来の織編み物を用いたものよ
り安価に供給が可能であるので、現行の塩化ビニルシー
トの代替品として適用でき、オレフィンレザーとして、
インテリア資材、家電筐体、または自動車の内装材など
の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Aは本発明の一実施形態における複合シート
の一部切り欠き図、Bは同、断面図。
【図2】 Aは従来例における複合シートの一部切り欠
き図、Bは同、断面図。
【符号の説明】
1 メッシュシート 2,3 繊維ウェブ 4 オレフィン系樹脂層(軟質オレフィン系樹脂フィル
ム) 5 メッシュシートを構成する縦糸と横糸の交点の固定
部 6 オレフィン人造レザー 11 織編物 12 塩化ビニル樹脂フィルム 13 塩化ビニル人造レザー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/46 D04H 1/46 A C E04F 13/00 E04F 13/00 B (72)発明者 高井 庸輔 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウポリテック株式会社播磨研究所内 (72)発明者 和気坂 弘二 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウポリテック株式会社播磨研究所内 Fターム(参考) 4F100 AH03B AH03C AH03D AH03E AK03A AK03B AK03C AK03D AK03E AK07B AK07C AK07D AK07E AL01D AL01E AL09D AL09E BA03 BA05 BA10B BA10D BA10E CA05B CA05C CA05D CA05E CA08B CA08C CA08D CA08E DC16A DG06B DG06C DG11A DG12A DG13A DG15B DG15C EC091 GB08 GB33 GB81 HB21D HB21E HB31D HB31E JJ07 JL10D JL10E 4H028 AA30 AA35 AA42 AA44 BA06 4L047 AA14 AA29 AB02 BA04 CA06 CA07 CB01 CB05 CB10 CC09 CC10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂を含むメッシュシー
    トの少なくとも片面に、ポリオレフィン繊維を含む繊維
    ウェブが積層され前記メッシュシートと一体化されて複
    合不織布を形成しており、前記複合不織布の少なくとも
    片面に、オレフィン系樹脂層が積層されているオレフィ
    ン複合シート。
  2. 【請求項2】 オレフィン複合シートを構成するオレフ
    ィン樹脂のうち、少なくとも前記ポリオレフィン繊維お
    よび前記オレフィン系樹脂層を構成するオレフィン系樹
    脂が、トリアジン骨格とその近傍に位置する複数のピペ
    リジン基のイミノ基(>N−H)の一部または全部がN
    −アルコキシ・イミノ基(>N−O−R)(但し、RO
    −は炭素数1〜18のアルコキシ(alkoxy)基、炭素数
    5〜12のシクロアルコキシ(cycloalkoxy)基、炭素
    数7〜25のアルアルコキシ(aralkoxy)基、炭素数6
    〜12のアリーロキシ(aryloxy)基)に置換されてい
    るヒンダードアミン誘導体を難燃効果剤として含み、さ
    らに熱安定剤であるリン系酸化防止剤のアリールフォス
    ファイトを含有する請求項1に記載のオレフィン複合シ
    ート。
  3. 【請求項3】 難燃効果剤が、N−アルコキシ・イミノ
    基(>N−O−R)(但し、RO−は炭素数1〜18の
    アルコキシ(alkoxy)基、炭素数5〜12のシクロアル
    コキシ(cycloalkoxy)基、炭素数7〜25のアルアル
    コキシ(aralkoxy)基、炭素数6〜12のアリーロキシ
    (aryloxy)基)に置換されている分子量2000以上
    の高分子量ヒンダードアミン誘導体である請求項2に記
    載のオレフィン複合シート。
  4. 【請求項4】 難燃効果剤の添加量をa質量%、熱安定
    剤の添加量をb質量%としたとき、それぞれの添加量が
    下記の式を満たす請求項2または3に記載のオレフィン
    複合シート。 0.2<a<10 1<a/b<70 かつ0.02≦b
  5. 【請求項5】 オレフィン複合シートを構成するオレフ
    ィン樹脂のうち、少なくとも前記ポリオレフィン繊維お
    よび前記オレフィン系樹脂層を構成するオレフィン系樹
    脂が、前記難燃効果剤およびリン系酸化防止剤以外に、
    トリアジン骨格とその近傍に位置する複数のピペリジン
    基を有する分子量2000以上の高分子量ヒンダードア
    ミンを含有する請求項2〜4のいずれかに記載のオレフ
    ィン複合シート。
  6. 【請求項6】 高分子量ヒンダードアミンが0.02質
    量%以上、1質量%以下の範囲で添加されている請求項
    5に記載のオレフィン複合シート。
  7. 【請求項7】 前記オレフィン複合シート全体を100
    質量%としたとき、前記難燃効果剤および前記熱安定剤
    を含有するオレフィン樹脂の存在割合が、30質量%以
    上である請求項2〜6のいずれかに記載のオレフィン複
    合シート。
  8. 【請求項8】 前記オレフィン複合シート全体を100
    質量%としたとき、前記難燃効果剤が、0.3質量%以
    上の割合で含有されている請求項2〜7のいずれかに記
    載のオレフィン複合シート。
  9. 【請求項9】 メッシュシートが、2次元的に少なくと
    も2方向に伸びる糸条が整然と配置され、これらの糸条
    が交差して、前記糸条で囲まれた孔状空間を持つ網状物
    からなり、前記網状物がポリオレフィン樹脂で一体化成
    形された網状物、または織りまたは編みたてによって
    成形され糸条が交差した交点が結合した網状物である請
    求項1〜8のいずれかに記載のオレフィン複合シート。
  10. 【請求項10】 メッシュシートを構成するポリオレフ
    ィン樹脂が、前記難燃効果剤および前記熱安定剤を含有
    する請求項1〜9のいずれかに記載のオレフィン複合シ
    ート。
  11. 【請求項11】 メッシュシートと繊維ウェブとが、水
    流交絡により一体化されている請求項1〜10のいずれ
    かに記載のオレフィン複合シート。
  12. 【請求項12】 ポリオレフィン繊維がポリプロピレン
    繊維である請求項1〜11のいずれかに記載のオレフィ
    ン複合シート。
  13. 【請求項13】 オレフィン系樹脂層が、エンボス加
    工、印刷加工および着色加工から選ばれる少なくとも一
    つの加工がなされている請求項1〜12のいずれかに記
    載のオレフィン複合シート。
  14. 【請求項14】 オレフィン系樹脂層を構成するオレフ
    ィン系樹脂が、プロピレンのホモポリマー、プロピレン
    を主成分とする共重合体およびオレフィン系エラストマ
    ーから選ばれる少なくとも一つの樹脂である請求項1〜
    13のいずれかに記載のオレフィン複合シート。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載のオ
    レフィン複合シートからなるオレフィン人造レザー。
  16. 【請求項16】 ポリオレフィン樹脂を含むメッシュシ
    ートの少なくとも片面に、ポリオレフィン繊維を含む繊
    維ウェブが積層され前記メッシュシートと水流交絡によ
    り一体化された複合不織布からなり、 前記複合不織布を構成する材料のうち、少なくとも前記
    ポリオレフィン繊維を構成しているポリオレフィン樹脂
    に、トリアジン骨格とこれの近傍に位置する複数のピペ
    リジン基のイミノ基>N−HがN−アルコキシ・イミノ
    基>N−O−R(但し、RO−は炭素数1〜18のアル
    コキシ(alkoxy)基、炭素数5〜12のシクロアルコキ
    シ(cycloalkoxy)基、炭素数7〜25のアルアルコキ
    シ(aralkoxy)基、炭素数6〜12のアリーロキシ(ar
    yloxy)基)に置換されている分子量が2000以上の
    高分子量ヒンダードアミン誘導体が難燃効果剤として添
    加され、 リン系酸化防止剤のアリールフォスファイトが、熱安定
    剤として添加され、 さらに、トリアジン骨格と、過半のトリアジン骨格がそ
    の近傍に位置する複数のピペリジン基を有する、分子量
    が2000以上のラジカル捕集機能を有する高分子量ヒ
    ンダードアミンが0.02質量%以上、1質量%以下の
    範囲で添加され、 前記難燃効果剤の添加濃度をa重量%、前記熱安定剤の
    添加濃度をb重量%としたとき、 0.2<a<10 1<a/b<70 かつ0.02≦b の関係を充足し、前記複合不織布全体を100質量%と
    したとき、前記難燃効果剤および前記熱安定剤を含有す
    るオレフィン樹脂の存在割合が、30質量%以上であ
    り、前記難燃効果剤が、0.3質量%以上の割合で含有
    されている強化複合不織布。
  17. 【請求項17】 前記強化複合不織布を構成する材料
    が、全てポリプロピレン樹脂からなり、前記ポリプロピ
    レン樹脂には、トリアジン骨格とこれの近傍に位置する
    複数のピペリジン基のイミノ基>N−HがN−アルコキ
    シ・イミノ基>N−O−R(但し、RO−は炭素数1〜
    18のアルコキシ(alkoxy)基、炭素数5〜12のシク
    ロアルコキシ(cycloalkoxy)基、炭素数7〜25のア
    ルアルコキシ(aralkoxy)基、炭素数6〜12のアリー
    ロキシ(aryloxy)基)に置換されている分子量が20
    00以上の高分子量ヒンダードアミン誘導体が難燃効果
    剤として添加され、 リン系酸化防止剤のアリールフォスファイトが、熱安定
    剤として添加され、 さらに、トリアジン骨格と、過半のトリアジン骨格がそ
    の近傍に位置する複数のピペリジン基を有する、分子量
    が2000以上のラジカル捕集機能を有する高分子量ヒ
    ンダードアミンが0.02質量%以上、1質量%以下の
    範囲で添加され、 前記難燃効果剤の添加濃度をa重量%、前記熱安定剤の
    添加濃度をb重量%としたとき、 0.2<a<10 1<a/b<70 かつ0.02≦b の関係を充足し、前記強化複合不織布全体を100質量
    %としたとき、前記難燃効果剤が、0.3質量%以上の
    割合で含有されている請求項16に記載の強化複合不織
    布。
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