JP2001129420A - 複数台のローラミルのエアブロー法 - Google Patents

複数台のローラミルのエアブロー法

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JP2001129420A
JP2001129420A JP31855799A JP31855799A JP2001129420A JP 2001129420 A JP2001129420 A JP 2001129420A JP 31855799 A JP31855799 A JP 31855799A JP 31855799 A JP31855799 A JP 31855799A JP 2001129420 A JP2001129420 A JP 2001129420A
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mill
air blow
air
coal
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Kazunori Sato
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Hiroyuki Kako
宏行 加来
Hideo Mitsui
秀雄 三井
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気特性に外乱を与えないように工夫を施し
た新規なエアブロー法を提供する。 【解決手段】 円周方向に粉砕レースが刻設された回転
テーブル2と、前記粉砕レースとの間で固体燃料を微粉
砕するタイヤ型の粉砕ローラ1とを備えた複数台のロー
ラミルに対してノズル18から気流を吹きつけ、前記粉
砕レースと粉砕ローラとにより生成された微粉3を前記
回転テーブル上から除去するエアブロー法において、複
数台のローラミルが同時に給炭量を変化させるに際し、
各ローラミルごとに、エアブローの開始及び/又は停止
のタイミングをずらす。また、他の方法として、複数台
のローラミルが同時に給炭量を変化させるに際し、エア
ブローを実施する給炭量の範囲を各ローラミルごとに変
化させて設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力発電用石炭焚
ボイラプラント内に複数台備わるローラミル(微粉炭
機)に係わり、特に振動を防止するために実施するロー
ラミル粉砕部へのエアブロー法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚の火力プラントでは、ボイラにお
いて低公害燃焼(低NOx、低灰中未燃分)や広域負荷
運用が行われ、それに伴って、火力プラント内に複数台
備えつけられている微粉炭機(ミル)にも高い粉砕性能
と信頼性、それに応答性が要求されている。
【0003】石炭、セメント原料あるいは新素材原料な
どの今塊状物を細かく微粉砕するミルのひとつのタイプ
として、最近では、回転するテーブルと複数個のタイヤ
型粉砕ローラで粉砕を行う竪型のローラミルが広く用い
られており、特に先進諸国や日本国内では代表機種とし
ての地位を固めている。
【0004】ここでは、図8に示すように、ローラミル
の一般的な構成を述べる。この種のミルは、円筒型をし
たハウジング6の下部にあってモータで駆動され減速機
を介して低速回転する略円台状の回転テーブル2とその
回転テーブル2の外周部の上面において円周方向へ等分
する位置へ油圧あるいはスプリング等で荷重を付与され
て回転する複数個の粉砕ローラ1を備えている。原料供
給管(センターシュート)5より、回転テーブル2の中
央へ供給された原料は、回転テーブル2上において遠心
力によりうず巻状の軌跡を描いて回転テーブル2の外周
へ移動し、回転テーブル2の粉砕レースと粉砕ローラ1
の間にかみ込まれて粉砕される。ハウジング6の下部に
は、ダクトを通して熱風(一次空気)8が導かれてお
り、この熱風(一次空気)8が回転テーブル2とハウジ
ング6の間にあるエアスロートのスロートベーン9の間
を通して吹き上っている。粉砕後の粉粒体は、エアスロ
ートから吹き上る熱風(一次空気)8によって、ハウジ
ング6内を上昇しながら乾燥させる。ハウジング6の上
方へ輸送された粉粒体は、粗いものから重力により落下
し(一次分級)、粉砕部で再粉砕される。この一次分級
部を貫通したやや細かな粉粒体は、ハウジング6の上部
に設けた固定式分級機(サイクロンセパレータ)あるい
は回転式分級機(ロータリーセパレータ)7で再度分級
される。所定の粒径より小さな微粉は、気流により搬送
され、ボイラでは微粉炭バーナへと送られる。分級機を
貫通しなかった所定粒径以上の粗粉は、回転テーブル2
の上へ重力の作用で落下し、ミル内へ供給されたばかり
の原料といっしょに再度粉砕される。このようにして、
ミル内では粉砕が繰り返され、製品微粉が生成されてい
く。
【0005】ローラミルを低負荷で運用する場合や、負
荷減少あるいは停止操作をする際に問題となるのはミル
の振動である。この振動現象は、炭層とローラのすべり
に起因する一種の摩擦振動であり、振動のタイプとして
は自励振動である。一定負荷運用時の場合、普通の石炭
では、低負荷運用時(ミル内において石炭ホールドアッ
プの少ない条件)にこの振動が激しくなることが多い
が、石炭種によってはかなりの高負荷時にも発生するこ
とがある。
【0006】粉砕ローラを振り子運動が可能なように支
持するタイプのローラミルでは、ローラブラケットを介
して、ローラピポットを支軸として、粉砕ローラが振り
子運動可能なように支持される。この振り子運動の機能
は大変に重要であり、粉砕ローラが鉄片等粉砕されにく
い異物をかみ込んだ場合、粉砕ローラは振り子運動をす
ることによって衝撃を回避することができる。また粉砕
ローラや粉砕レースが摩耗変形したときには、適切な押
圧位置(粉砕ローラと粉砕レースの位置関係)を自動調
心的に見つけ出す作用もこの振り子運動にはある。
【0007】一般に、高負荷で定常な粉砕条件下では、
粉砕ローラはほとんど振り子運動をすることが無い。上
記したように、ミルの起動時あるいは負荷上昇時などに
おいて粉砕ローラが活発にかみ込む場合には、粉砕ロー
ラはゆっくりした速度で振り子運動をするものの、この
振り子運動は自励振動の発生には直接関与しない。
【0008】一方、激しい自励振動は、ボイラの出力低
下に伴うミルの減負荷(給炭量減少)時やミルの停止過
程において発生し易い。このように負荷を急減する過程
では、粉砕部における炭層が少なくまた細かくなり、粉
砕ローラの転動がきわめて不安定になり易い。図7は、
高負荷一定運用時からミル停止までの過程において、給
炭量が変化するときの発生パターンを模式的に描いたも
のである。まず、負荷下げ後、減負荷過程(a)におい
て自励振動が発生する。さらに、給炭機停止後の(b)
でも、自励振動が発生する。これら(a)と(b)の領
域で発生する振動は、ともに激しい自励振動である。
【0009】従来より、かかるローラミルの自励振動を
抑制する手段として、例えば特公平06−085880
号公報等に記載されているように、粉砕部の粉層に対し
て空気噴流を吹きつけるエアブロー法が提案されてい
る。この方法は、空気流の勢いにより、粉層中の微粉を
飛ばしたり、粉層を変形させる作用により、自励振動を
抑制するものである。しかしながら、ミルの負荷を減少
させる過程へは、エアブローを不用意に適用することは
できない。このような減負荷過程では、ミルに溜まった
多くの炭層がエアブローにより火炉内へ出炭するため、
蒸気の温度や圧力が変動する。したがって、全台のミル
に対して同時にエアブローを実施すれば、さらに出炭が
多くなるので、蒸気の圧力や温度特性に対する外乱が増
大し、好ましくない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】週末など電力供給負荷
の軽減により、ボイラの出力を低下させる際に、全台の
ミルに対し、振動を防止するため同時にエアブローを行
えば、ミルからの出炭が一度に急増し、ボイラの蒸気系
の特性に外乱が生じる。例えば、再熱蒸気の温度が過度
にオーバーシュートする状態になると、蒸気温度制御用
の減温スプレイ(蒸気中への水噴射)を実施することに
なる。
【0011】このようになると、ボイラの効率は低下す
るし、また減温機が装着する蒸気連絡管に水スプレイに
よる冷却のため過大な熱応力を発生させて、連絡管部材
の耐久性を損なうおそれがある。
【0012】本発明においては、このような問題を解決
し、蒸気特性に外乱を与えないように工夫を施した新規
なエアブロー法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、まず第1に、円周方向に粉砕レースが
刻設された回転テーブルと、前記粉砕レースとの間で固
体燃料を微粉砕するタイヤ型の粉砕ローラとを備えた複
数台のローラミルに対してノズルから気流を吹きつけ、
前記粉砕レースと粉砕ローラとにより生成された微粉を
前記回転テーブル上から除去するエアブロー法におい
て、複数台のローラミルが同時に給炭量を変化させるに
際し、各ローラミルごとに、エアブローの開始及び/又
は停止のタイミングをずらすという手段を採用する。
【0014】即ち、あるミルのエアブロー開始から、次
のミルのエアブロー開始までの遅れ時間は、ボイラの負
荷変化に応じて変化させる。ボイラの負荷変化速度が
0.5〜7.0%/分であれば、遅れ時間Δtは、負荷
変化率最大の場合に最短で約9秒、負荷変化率最低の場
合に最長で約120秒となる。エアブロー効果の応答性
のばらつきも考慮して、4秒≦Δt≦140秒の範囲か
ら遅れ時間を選定する。ボイラの負荷変化がかなりゆっ
くりとした場合、5台のミルがあるとすれば、およそ1
0分間のうちに全台のミルでエアブローが開始されるこ
とになる。
【0015】なお、通常の場合、エアブロー開始の時間
遅れΔtは、13秒≦Δt≦30秒の範囲から選定する
ことになる。
【0016】エアブローを行うと、回転テーブル上の炭
層が吹き上げられるため、一時的にミルからの出炭が増
加する。本発明では、全台のミルに対して、一台ずつ時
間遅れを設けてエアブローを行うために、火炉内への出
炭増加は緩やかであり、蒸気特性の偏差たとえば蒸気温
度の上昇も、時間に対する上昇速度としてみれば小さく
なる。そのため、蒸気制御系が追従しなくなるいわゆる
ハンチングという現象が生じることが無いので、ボイラ
の伝熱特性は安定した状態に保たれる。
【0017】複数台のミルのうち、最初の一台では先行
的にエアブローを行うために、粉砕ローラのかみ込み部
の炭層はあらかじめ自励振動が起きない状態になり、振
動の問題は生じない。最後にエアブローを行うミルで
は、設定した時間遅れがあるため、自励振動が起きかけ
る状態に近づく。しかしながら、エアブローを行うこと
によって、粉砕ローラのかみ込み部における微粉層は吹
き飛ばされるようにして崩され、自励振動発生の「芽」
は、自励振動発生「微候」の段階のうちに消滅し、ミル
は静定状態となる。
【0018】以上のように、本発明によれば、全台のミ
ルにエアブローを行うに際しても、ボイラの蒸気特性に
過大な外乱を決して与えることなく、また異常振動も発
生することなく、安定な運用を行うことができるように
なる。
【0019】また、第2に、円周方向に粉砕レースが刻
設された回転テーブルと、前記粉砕レースとの間で固体
燃料を微粉砕するタイヤ型の粉砕ローラとを備えた複数
台のローラミルに対してノズルから気流を吹きつけ、前
記粉砕レースと粉砕ローラとにより生成された微粉を前
記回転テーブル上から除去するエアブロー法において、
複数台のローラミルが同時に給炭量を変化させるに際
し、エアブローを実施する給炭量の範囲を各ローラミル
ごとに変化させて設定するという手段を採用する。この
ようにしても、上記の場合と同様の効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の説明に先立ち、本発明の
実施の対象となるローラミルの構成について説明する。
【0021】図1は、エアーブロー装置を備えるローラ
ミルの全体構造を、縦方向断面図として描いたものであ
る。粉砕原料4は、原料供給管(センターシュート)5
を通じて、ローラミルの上方から落下されるようにして
ミル内へ供給される。この粉砕原料4は、回転テーブル
2上に落下し、遠心力により外周側に運ばれ、粉砕ロー
ラ1と回転テーブル2の連動作用によって、粉砕ローラ
1によって圧縮粉砕される。粉砕ローラ1のシャフト
は、背後からローラブラケット20により支えられる。
ローラブラケット25の上部には、ピポット21が設け
られており、このピポット21を支点として、粉砕ロー
ラ1が振り子運動をできるようになっている。また、こ
のピポット21は粉砕荷重23の伝達点であり、粉砕荷
重23は、加圧フレーム22を通じて上方から押しつけ
られるようにして与えられる。このようにして粉砕され
て生成した粉粒体は、スロートベーン9を通じて導かれ
る熱風(1次空気)8によりミル内を上方へと吹き上げ
られ、ハウジング6の上部にある回転分級機(ロータリ
ーセパレータ)7で粗粒が分離された後に、微粉炭とな
ってミルから排出され、ボイラの微粉炭バーナへと送ら
れる。回転分級機(ロータリーセパレータ)7で分級さ
れた粗粉は、粉砕部において再度粉砕される。このよう
にして粉砕が繰り返され、粗い石炭粒子も微粉炭とな
り、微粉炭バーナへと送られる。
【0022】粉砕ローラ1のかみ込み部では、マニホー
ルド16に設けたノズル18に、ブロー用空気が導か
れ、ノズル18から空気噴流19となって噴出する。こ
の空気噴流19は、回転テーブル2上の原料粉層3に吹
きつけられる。
【0023】以下、本発明に係る複数台のローラミルの
エアブロー法について説明する。
【0024】図2は、各ミルにおけるエアブロー開始の
タイミングチャートを示すものである。最初(1台目)
のミルでエアブローが始まったあと、Δtの時間遅れで
2台目のミルでエアブローが始まる。以降、順次同じよ
うな時間遅れΔtで、エアブローを開始していく。
【0025】時間遅れΔtは、ボイラの負荷変化速度に
応じて設定する。Δtは、4秒≦Δt≦140秒の範囲
から選択するが、Δt=4秒の場合はボイラの負荷変化
速度がかなり大きな場合である。一方、Δt=140秒
は、ボイラの負荷がゆっくりしているケースである。
【0026】より望ましくは、時間遅れΔtは、13秒
≦Δt≦30秒の範囲から選ぶようにする。Δt=13
秒及びΔt=30秒は、ボイラの負荷変化速度が、それ
ぞれ、5%/分及び2%/分の場合である。これらは、
ボイラの通常の負荷変化において採用されている負荷変
化速度の条件である。
【0027】なお、上記の時間遅れΔtは、全台のミル
がエアブローしている場合、エアブローを停止していく
条件としても、ほぼそのまま適用することができる。
【0028】ローラミルが自励振動を起こしやすい条件
になっている時、粉砕部においては、図3に示すよう
に、粉砕ローラ1のかみ込み側先端に微粉層が盛り上が
る。この微粉層は、回転テーブル2上における粉層が細
かくなることにより生じるものであり、粉砕ローラ1が
安定にかみ込みきれずにかみ込み部の前面に盛り上がっ
てくる。また、この微粉層は、充てん率が低く脆弱であ
り、容易に崩壊するので、粉砕ローラ1はすべりを起こ
し、自励振動へと発達する。
【0029】エアーブロー法は、図4に示すように、か
み込み部に盛り上がる微粉層16を、ノズル17から噴
出する空気噴流19の衝突する勢いで、吹き飛ばそうと
するものである。粉層のうち、特に微小な粒子群は、吹
き飛ばされて飛散粒子20となり、一次空気である熱風
8(図1及び図8参照)によってミル内を上方へ運ばれ
て、ミルから出炭する。
【0030】図5に示すように、エアブローにより増加
した微粉炭は、ボイラ火炉内における燃焼量(ボイラへ
の入熱)の増加となり、蒸気温度を変動させる。本発明
においては、ミルごとにエアブローのタイミングを巧み
にずらしてあるので、火炉への入熱が一度に急増するこ
とは無い。したがって、蒸気温度の変化をできるだけ低
く抑えることができる。
【0031】図6、無対策時(全台のミルに対し同時に
エアブローを行う場合)と本発明実施例における蒸気温
度の時間変化特性を比較したものである。縦軸における
ΔTsは蒸気温度の基準からの偏差であり、一方ΔTs
Mは無対策時における蒸気温度オーバシュート時の最大
偏差はΔTs/ ΔTsM =1となる。無対策時におい
ては、図中で破線で示したように、制御系の影響によ
り、オーバシュート後には、ハンチングと呼ばれる変動
を繰り返すが、この時の偏差もやはり大きい。本発明に
おいては、蒸気温度の偏差ΔTsも、無対策時の1/4
まで低く抑えられていることが分かる。以上から、本発
明によれば、複数台のミルからの出炭増加を抑制してう
まく時間に対して平滑化しているので、ボイラの急速な
負荷変化においても、蒸気特性の外乱を小さくする効果
の生じることが確認された。
【0032】以上に述べた方法は、ボイラの負荷減少過
程を対象としたもので、全台のミルに対しエアブローを
行っている低負荷時からボイラが負荷を上昇させる過程
も、一台ずつ時間遅れを設けてエアブローを停止してい
けば、蒸気温度上昇の追従を良好にすることができる。
【0033】ここまでは、本考案になるエアブローの噴
射システムを、図1に構造を示すようなタイプのローラ
ミルを備えた火力プラントに適用する内容を、実施例と
して述べてきた。
【0034】すなわち、本考案の適用対象となったの
は、複数個の粉砕ローラを、ローラブラケットとローラ
ピポットを介して一体型の加圧フレームの下部に支持す
るタイプのローラミルである。
【0035】しかしながら、本発明は、異なるタイプの
ローラミルを備える火力プラントへも適用することが可
能である。本発明は、図9に示すように、ロールタイヤ
10をローラアーム11の先端に片持ちばりのように支
持して、粉砕荷重13をテーブル14の上に加わる構造
のローラミルを複数台備える火力プラントのミルシステ
ムに対しても、直接適用することができる。
【0036】一方、エアブローを実施する給炭量の範囲
をミルごとにわずかにずらすことによっても、上記した
時間遅れによる規定と同様の効果を上げることができ
る。
【0037】図10も本発明の実施例であり、エアブロ
ーを実施する給炭負荷の範囲を、ミルごとにわずかにず
らす方法を示すものである。プランと内に、A〜Fの6
台のミル(停止している予備ミルを除く)がある。給炭
負荷を0〜100%と表現する。給炭機(コールフィー
ダー)は、給炭負荷15%を境に運用される。したがっ
て、給炭負荷0〜15%は、ミル内に石炭の供給が無
い。エアブローは、給炭負荷0%から入るため、給炭機
が起動する前あるいはミル停止過程で給炭機が停止した
後にも、全台のミルにおいてエアブローが行われる。一
方エアブローが実施される給炭負荷の上限は、A〜Fミ
ルにおいてミルごとに2%ずつ異ならせてある。Aミル
は、最も高い給炭負荷の領域までエアブローが実施され
る。一方、Fミルは、全ミル中最も低い給炭負荷の条件
にエアブロー実施の上限がある。全ミル(A〜F)とも
に、エアブローを実施する範囲は、自励振動が頻発する
条件(自励振動発生領域)からははずれており、振動対
策としては十分に安全側を見込んでエアブロー範囲が設
定されている。全ミルがいっせいに負荷減少に入ると、
最も早くエアブローが始まるのはAミルである。一方、
最も遅れてエアブローが始まるのはFミルである。ボイ
ラの負荷変化の速度(「レート」と呼ばれる)は、自動
運転で一定であるので、給炭量でエアブロー実施範囲を
規定しても、上記した時間遅れによる設定と実質的に同
等となる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
複数台のローラミルが同時に給炭量を変化させるに際
し、各ローラミルごとに、エアブローの開始及び/又は
停止のタイミングをずらすか、エアブローを実施する給
炭量の範囲を各ローラミルごとに変化させて設定すると
いう構成にしたので、ボイラの負荷減少過程において、
ミルからの異常出炭をなくすことができ、蒸気温度や圧
力の不安定な振動を抑制することができる。よって、再
熱器における減温用水スプレーを減らすことができ、ボ
イラの効率を高く保つことができると共に、再熱蒸気連
絡管などに過大な熱応力が発生しないことから、機器の
信頼性や耐久性を保持できる。また、ボイラの迅速な負
荷減少が可能になるので、ボイラの運用性向上に貢献で
きると共に、ミルからの過大な出炭増加が無くなるの
で、排ガス中の窒素酸化物(NOx)の突発的な上昇が
抑えられ、脱硝設備におけるアンモニア使用量を抑える
ことが可能になる。さらに、エアブローによって振動が
抑制され、静粛な運用が可能になることから、低負荷一
定あるいは高負荷一定の定常運用時において、及びミル
停止過程のどのような運用条件下においても、自励振動
を起こすことなく、ミルを安定に操業できる。また、分
級機の回転数や荷重油圧の減少といった粉砕能力を抑制
するような運用上の制限が撤廃されるので、ミルの粉砕
能力が向上し、ミル出口における微粉粒度が細かくなっ
て、エアスロートからの落下炭量を減少することができ
る。また、振動を起こし易い石炭でも静粛な運用が可能
になるし、燃料比が高く比較的難燃性の石炭については
微粉粒度を細かくできるので、使用炭種の幅を拡大する
ことができると共に、燃料性が向上することから、排ガ
ス中の窒素酸化物(NOx)や灰中未燃分を減少でき
る。また、自励振動を防止できることから、ミル自体や
周辺機器の信頼性を向上することができ、特に、ボイラ
停止に伴うミルの停止過程では、粉砕部にたまる残炭を
有効にパージできるので、ミル内石炭の自然発火や爆発
といったトラブルを確実に防げるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるローラミルの一例を示す断
面図である。
【図2】複数台のローラミルに対するエアブローのタイ
ミングを示すグラフ図である。
【図3】粉砕ローラのかみ込み部における挙動を模式的
に示す断面図である。
【図4】粉砕ローラのかみ込み部に対するエアブロー時
の現象を模式的に示す断面図である。
【図5】ローラミルからボイラ火炉への微粉炭の出炭径
路を示す概略図である。
【図6】ローラミルからの出炭量と蒸気温度特性のシミ
ュレーション結果を示すグラフ図である。
【図7】ローラミルの負荷減少過程における自励振動発
生の状況を示すグラフ図である。
【図8】ローラミルの一般的な全体構成を示す概略図で
ある。
【図9】本発明が適用可能な他のローラミルの構成を示
す断面図である。
【図10】本発明に係るエアブロー法の他の実施形態例
を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 粉砕ローラ 2 回転テーブル 3 原料粉層 4 粉砕原料 5 原料供給管 6 ハウジング 7 回転分級機 8 1次空気 9 スロートベーン 16 マニホールド 17 ブロー用空気 18 ノズル 19 空気噴流 20 ローラブラケット 21 ピボット 22 加圧フレーム 23 粉砕荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廻 信康 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 加来 宏行 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 4D063 EE03 EE12 GA08 GD01 GD11 GD24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周方向に粉砕レースが刻設された回転
    テーブルと、前記粉砕レースとの間で固体燃料を微粉砕
    するタイヤ型の粉砕ローラとを備えた複数台のローラミ
    ルに対してノズルから気流を吹きつけ、前記粉砕レース
    と粉砕ローラとにより生成された微粉を前記回転テーブ
    ル上から除去するエアブロー法において、複数台のロー
    ラミルが同時に給炭量を変化させるに際し、各ローラミ
    ルごとに、エアブローの開始及び/又は停止のタイミン
    グをずらすことを特徴とする複数台のローラミルのエア
    ブロー法。
  2. 【請求項2】 円周方向に粉砕レースが刻設された回転
    テーブルと、前記粉砕レースとの間で固体燃料を微粉砕
    するタイヤ型の粉砕ローラとを備えた複数台のローラミ
    ルに対してノズルから気流を吹きつけ、前記粉砕レース
    と粉砕ローラとにより生成された微粉を前記回転テーブ
    ル上から除去するエアブロー法において、複数台のロー
    ラミルが同時に給炭量を変化させるに際し、エアブロー
    を実施する給炭量の範囲を各ローラミルごとに変化させ
    て設定することを特徴とする複数台のローラミルのエア
    ブロー法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の発明において、あるミ
    ルのエアブロー開始あるいは停止から、次のミルのエア
    ブロー開始あるいは停止までの時間遅れΔtを、ボイラ
    における負荷変化速度つまり給炭量の変化速度に応じて
    設定することを特徴とする複数台のローラミルのエアブ
    ロー法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の発明において、
    前記時間遅れΔtを、4秒≦Δt≦140秒、より望ま
    しくは、13秒≦Δt≦30秒の範囲から選定すること
    を特徴とする複数台のローラミルのエアブロー法。
JP31855799A 1999-11-09 1999-11-09 複数台のローラミルのエアブロー法 Pending JP2001129420A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102012111217A1 (de) * 2012-11-21 2014-05-22 Thyssenkrupp Resource Technologies Gmbh Rollenmühle und Verfahren zum Zerkleinern von Mahlgut

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