JP4340395B2 - 竪型粉砕機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固気二相流中の粒子を粗粒子と微粒子とに分離可能な分級装置に係り、特に、石炭焚ボイラプラントの竪型粉砕機などに組み込んで好適な分級装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料として微粉炭を燃焼させる火力発電用の石炭焚ボイラプラントにおいて、燃料供給装置には、粉砕部や分級装置を備えた竪型粉砕機が使用されている。図9は、分級装置の一従来例を説明するための竪型粉砕機の構成図である。同図において、粉砕部5は粉砕テーブル2と粉砕ボール3(または粉砕ローラ)とからなり、この粉砕部5の上方に分級装置6が配置されている。分級装置6は、整流コーン(コーン部)11を有するサイクロン型の固定式分級機10と、この固定式分級機10の内側に設置された回転式分級機20とを備えている。
【0003】
図9に示す竪型粉砕機の動作について説明すると、給炭管(原料供給管)1より供給された被粉砕物である原炭は、矢印50で示すように、回転している粉砕テーブル2の中心部に落下した後、粉砕テーブル2の回転に伴う遠心力により該粉砕テーブル2上を渦巻き状の軌跡を描いて外周部へ移動して、粉砕テーブル2と粉砕ボール3との間に噛み込まれて粉砕される。粉砕された石炭は、粉砕テーブル2の周囲に設けられたスロート4から導入される熱風51によって、乾燥されながら固気二相流52として上方へ吹き上げられる。ただし、吹き上げられた石炭粉のうち粒度が大きいものは、固定式分級機10へ搬送される途中で重力により落下し、粉砕部5へ戻される(一次分級)。固定式分級機10へ到達した石炭粉は、固定フィン12により遠心力が与えられるので粗粉が除去され、除去された粗粉は旋回しながら整流コーン11の内壁に沿って落下し、再び粉砕部5にて粉砕される。固定式分級機10を通過した石炭粉は、回転式分級機20の回転フィン21を通過する際に所定粒度以上の粗粉が除去されて整流コーン11へ落下するので、回転式分級機20を通過する所定粒度以下の微粉炭が送炭管(製品微粉排出管)30を経て図示せぬボイラへと送られるようになっている。なお、回転式分級機20から送炭管30へ送られる微粉炭の粒径は、回転式分級機20の回転数を調節することによって制御できる。
【0004】
ところで、石炭焚ボイラに送給する微粉炭としては、燃焼性を考量して粒径分布がシャープで粗粉がほとんど混入しないものが要求される。例えば、200メッシュパスの微粉炭の重量比が70〜80%のとき、100メッシュオーバーの粗粉炭の混入割合が1%以下となるように、製品微粉の目標が設定されている。しかしながら、200メッシュパス70%程度の微粉炭を製造する場合、回転式分級機20で発生する遠心力が固定式分級機10で発生する遠心力とさほど変わらなくなることから、図9に示すような構成の竪型粉砕機では、回転フィン21で分離された粗粉が固定式分級機10から回転式分級機20へと向かう固気二相流に合流しやすく、それゆえ粗粉の混入割合が4%程度になってしまうという問題があった。
【0005】
これに対して、図10に示すように、円筒状の仕切り部材60を分級部上面板40から下向きに延在させ、この仕切り部材60を固定式分級機10の固定フィン12と回転式分級機20の回転フィン21との間に位置させることにより、分離された粗粉が回転式分級機20へ向かう固気二相流と合流しないように配慮した竪型粉砕機の分級装置が、特開平10−109045号公報において提案されている。図10において、下方より吹き上げられてくる粒子群53は慣性力により分級部上面板40付近まで上昇し、固定フィン12を通過して仕切り部材60に衝突した後、自重等により下降流となるが、粗粒子以外の粒子群55は仕切り部材60の下端近傍で、送炭管等の製品微粉排出管の負圧によって回転式分級機20へ向かう流れに変化する。しかし下降流中の粗粒子54は、重力と下向きの慣性力が大きいため、回転式分級機20へ向かう流れから分離されて、整流コーン11に沿って落下する。その結果、回転式分級機20には粗粒子をほとんど含まない粒子群55が到達することになるので、製品微粉の粗粒子混入割合が低減できる。
【0006】
また、分級部上面板の下面(天井面)から前記仕切り部材の下端までの長さ寸法Hを、回転式分級機の回転フィンの上下方向の長さ寸法HRFに対して、0.20≦H/HRF≦0.87なる条件を満たすように設定するという竪型粉砕機の分級装置が、特開2000−51723号公報において提案されている。かかる従来提案によれば、200メッシュパス70〜80%程度の微粉を製造する場合にも、100メッシュオーバーの粗粒子混入割合を大幅に低減させることが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電力供給設備としての火力発電プラントは、主として負荷調整用に運用されることが多いため、竪型粉砕機は起動停止を繰り返したり、竪型粉砕機への原料の供給量が大きく変動する負荷変動を繰り返す機会が多い。
【0008】
一般に竪型粉砕機では、出口側の粒子濃度を一定に保つため、原料供給量に合わせて空気流量を変化させるので、原料供給量が低下すると空気流量が低下して、粉砕部から分級装置へと上昇する空気の流速が低下する。それゆえ、前記仕切り部材を備えた従来の竪型粉砕機においては、該仕切り部材の上下方向の長さ寸法を定格負荷運転時に対応させた設定にすると、最低負荷運転時に該仕切り部材が本来の機能を果たさなくなってしまう。すなわち、原料供給量が最大となる定格負荷運転時に、仕切り部材の前後での圧力損失を不所望に増大させることなく、100メッシュオーバーの粗粒子混入割合が低い製品微粉が得られるように、該仕切り部材の長さ寸法を規定すると、供給量が最小となる最低負荷運転時には、粉砕部から分級装置へと上昇する空気の流速が低下して粒子群に付与される上向きの慣性力が小さくなるため、粒子群が該仕切り部材に衝突せずに下方を通過して回転式分級機に到達しやすくなる。その結果、仕切り部材による粗粒子分離効果がほとんど期待できなくなって、100メッシュオーバーの粗粒子混入割合が増大してしまう。これに対して、最低負荷運転時に100メッシュオーバーの粗粒子混入割合を目標値以下にするために、仕切り部材の長さ寸法を長く設定した場合には、空気流量が増大する定格負荷運転時に、仕切り部材の前後での圧力損失が不所望に増大してしまうという問題を生じる。
【0009】
また、前記仕切り部材を備えた従来の竪型粉砕機においては、製品微粉の排出量を素早く定格値に到達させたい起動時や、粉砕部内に滞留する粒子を素早く排出させたい停止時に、該仕切り部材が排出速度を遅らす要因となってしまうため、起動指令から製品微粉排出量が定格値に到達するまでの所要時間である一次遅れや、停止指令から粉砕部を停止させるまでに要する時間が長引いてしまい、運転効率が悪くなるという問題もあった。さらにまた、停止指令から粉砕部停止までの所要時間が長引くことにより、粉砕ボールあるいは粉砕ローラと粉砕テーブルとの間で粉体層(非粉砕物)が急激に薄くなり粉砕部が不安定な状態になったときに懸念される自励振動が発生しやすくなるので、竪型粉砕機の破損事故を招来する危険性が高まるという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、負荷が大きく変動しても所定の粒径以上の粗粒子が確実に分離できて圧力損失も低く抑えられ、かつ、起動時や停止時には分級した粒子を素早く排出できて運転効率を損なわない、実用的価値の高い竪型粉砕機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する解決手段として、本発明は、粉砕部と、その粉砕部の上方に配置された分級装置とを備え、
その分級装置が、前記粉砕部より吹き上げられてくる固気二相流を導入して、回転式分級機により前記固気二相流中の粒子を大きさにより分級する分級装置である竪型粉砕機において、
前記回転式分級機は回転フィンを有し、その回転フィンの径方向外側の空間に、該空間の天井部から下向きに延在し前記回転フィンと全周にわたって対向する筒状の仕切り部材を配設し、
その筒状の仕切り部材は、導入された固気二相流を仕切り部材に衝突させて下降流を形成し、粗粒子以外の粒子群は仕切り部材の下端近傍で前記回転式分級機へ向かう流れに変化させ、前記下降流中の粗粒子は回転式分級機へ向かう流れから分離する機能を有し、
その仕切り部材を上下方向に移動する上下移動機構を設け、
前記空間の天井部から前記仕切り部材の下端までの仕切り部材の上下方向の長さHを、前記回転フィンの上下方向の長さをHRFとしたとき、
当該竪型粉砕機の負荷に応じて前記仕切り部材の上下方向の長さHを前記上下移動機構で変えることにより、前記回転フィンの長さHRFに対する仕切り部材の長さHの比率H/HRFが調節でき、その比率H/H RF を、前記竪型粉砕機の低負荷運転時には定格負荷運転時よりも大きく設定する構成とした。
【0012】
例えば、前記天井部から前記円筒状部材の下端までの長さ寸法を、低負荷運転時には定格負荷運転時よりも長く設定しておくことにより、下方より吹き上げられてくる固気二相流中の粒子群に付与される上向きの慣性力が小さい低負荷運転時には、長めに設定した円筒状部材に粒子群を衝突させることによって粗粒子分離効果を保ち、かつ、固気二相流中の粒子群に付与される上向きの慣性力が大きい定格負荷運転時には、円筒状部材の長さを低負荷運転時よりも短く設定して圧力損失を低く抑えることができる。
【0013】
あるいは、前記天井部から前記円筒状部材の下端までの長さ寸法を、起動時および停止時には最短の長さに設定しておくことにより、起動時や停止時に分級した粒子を素早く排出させることができるので、起動停止が繰り返されても運転効率がさほど悪くはならない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図1〜図8を参照して説明する。ここで、図1は第1の実施形態例に係る分級装置の要部説明図、図2は第2の実施形態例に係る分級装置の要部説明図、図3は図2に示す可動式仕切り部材の外観図、図4は竪型粉砕機の定格負荷運転時における仕切り部材の長さと粗粒子分離効果との相関関係を示す特性図、図5は竪型粉砕機の最低負荷運転時における仕切り部材の長さと粗粒子分離効果との相関関係を示す特性図、図6は竪型粉砕機の原料供給量に応じた仕切り部材の長さの最適範囲を示す説明図、図7は竪型粉砕機の起動時のタイムチャート、図8は竪型粉砕機の停止時のタイムチャートである。
【0015】
まず、本発明の第1の実施形態例について説明する。本実施形態例に係る分級装置は、図1に示すように、回転式分級機20の回転フィン21と固定式分級機10の固定フィン12との間の空間に、この空間の天井部に位置する分級部上面板40から下向きに延在する円筒状の仕切り部材61を配設し、この仕切り部材61の上下方向の長さ寸法が、分級部上面板40上に設置した上下移動機構70を介して外部から随時変更できるようにしてある。つまり、分級部上面板40上には仕切り部材61の周方向に沿って複数箇所に上下移動機構70が設置してあり、これらの上下移動機構70が仕切り部材61と接続してあるので、上下移動機構70の駆動力によって円筒状の仕切り部材61を上昇させたり下降させることが可能である。ただし、仕切り部材61は分級部上面板40に対して摺接しながら昇降するので、その摺動部近傍から粒子が漏れないようにするため、エアシールなどのシール処理を施しておく必要がある。なお、図1中の符号1は原料供給管、11は固定式分級機10の整流コーン(コーン部)を示している。
【0016】
上下移動機構70を介して変更可能な仕切り部材61の長さ寸法は、この分級装置を組み込んだ竪型粉砕機の運用条件に応じて最適な値に設定する。例えば、天井面から仕切り部材61の下端までの長さ寸法をH、回転フィン21の上下方向の長さ寸法をHRFとしたとき、原料供給量が最大となる定格負荷運転時には図4に示すように、H/HRFを0.25以上とすることで100メッシュオーバーの粗粒子の混入割合が許容値以下に抑えられ、かつ、H/HRFを0.4以下とすることで圧力損失が許容値以下に抑えられることがわかる。したがって、仕切り部材61の長さ寸法Hは、0.25≦H/HRF≦0.4なる条件を満たすように設定しておけば良い。
【0017】
また、原料供給量が最小となる最低負荷運転時には、仕切り部材61を長くしないと粗粒子分離効果が低減するが、空気流量の減少に伴い圧力損失が小さくなるので、仕切り部材61をある程度長くしても圧力損失が不所望に増大することはない。すなわち、最低負荷運転時には図5に示すように、H/HRFを0.6以上とすることで100メッシュオーバーの粗粒子の混入割合が許容値以下に抑えられ、かつ、H/HRFを0.8以下とすることで圧力損失が許容値以下に抑えられることがわかる。したがって、仕切り部材61の長さ寸法Hは、0.6≦H/HRF≦0.8なる条件を満たすように設定しておけば良い。
【0018】
さらに、定格負荷と最低負荷の間の任意の負荷で運転した場合に良好と見なせるH/HRFの値を調べたところ、図6に示すような結果が得られた。すなわち、原料の供給量に応じて、H/HRFの値が図6に示す範囲内に収まるように、仕切り部材61の長さ寸法Hを調節するという制御を行えば、常に、100メッシュオーバーの粗粒子の混入割合を許容値以下に抑えることができ、かつ圧力損失を許容値以下に抑えることができる。
【0019】
次に、本発明の第2の実施形態例について説明する。本実施形態例に係る分級装置は、図2,3に示すように、回転式分級機20の回転フィン21と固定式分級機10の固定フィン12との間の空間に、複数本の支持棒63を有する可動式の仕切り部材61と、この仕切り部材61のガイド面となる固定式の仕切り部材62とが配設してある。固定式の仕切り部材62は分級部上面板40に固定されていて、この仕切り部材62の内側(または外側)に沿って可動式の仕切り部材61が昇降するようになっている。各支持棒63は分級部上面板40に穿設された孔を貫通して上方へ突出し、分級部上面板40上に設置された上下移動機構70に接続されているので、この上下移動機構70を介して仕切り部材61を外部から随時昇降させることができる。このような構成にしてあると、分級部上面板40に支持棒63を摺動させるための小さな孔を設けるだけで済むので、シール処理が簡単かつ確実に行える。
【0020】
図7は、可動式仕切り部材を備えた竪型粉砕機と、従来型の仕切り部材を備えた竪型粉砕機とについて、起動時の製品微粉の排出量がどのように変化するかを調べたタイムチャートである。同図に破線で示すように、起動指令が出力されてもしばらくの間は可動式仕切り部材を最短の長さに保っておき、その後、可動式仕切り部材の長さを定格運転対応時の長さまで徐々に増大させていくという制御を行うと、製品微粉の排出量を素早く定格値に到達させたい起動時に、可動式仕切り部材が排出速度を遅らす要因とならないため、仕切り部材の長さが一定の従来型に比べて、起動指令から製品微粉排出量が定格値に到達するまでの一次遅れを大幅に短縮させることができる。
【0021】
また、図8は、可動式仕切り部材を備えた竪型粉砕機と、従来型の仕切り部材を備えた竪型粉砕機とについて、停止時の製品微粉の排出量がどのように変化するかを調べたタイムチャートである。同図に破線で示すように、停止指令が出力されたら可動式仕切り部材の長さを徐々に減らしていって速やかに最短の長さにするという制御を行うと、粉砕部内に滞留する粒子を素早く排出させたい停止時に、可動式仕切り部材が排出速度を遅らす要因とならないため、仕切り部材の長さが一定の従来型に比べて、停止指令から粉砕部を停止させるまでに要する時間を大幅に短縮させることができる。その結果、停止指令から粉砕部停止までの所要時間が長引いた場合に懸念される自励振動が発生しにくくなるので、安全性も向上する。
【0022】
なお、上述した実施形態例では、回転式分級機20と固定式分級機10との間に可動式の仕切り部材61を配設した場合について説明しているが、固定式分級機やその整流コーンを省略した構成の分級装置であっても、仕切り部材61の長さを適宜調節することによりほぼ同様の効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0024】
回転式分級機の径方向外側の空間に、該空間の天井部から下向きに延在する円筒状部材(仕切り部材)を配設し、天井部から該円筒状部材の下端までの長さ寸法を運用条件に応じて変更できるようにした分級装置なので、例えば低負荷運転時には定格負荷運転時よりも円筒状部材を長く設定しておくことにより、負荷が大きく変動しても所定の粒径以上の粗粒子が確実に分離できて圧力損失も低く抑えることができる。それゆえ、負荷変動が大きい竪型粉砕機に本発明を適用すれば、高い実用的価値が期待できる。また、起動時および停止時には円筒状部材を最短の長さに設定しておくことにより、起動停止時に分級した粒子を素早く排出させることができる。それゆえ、起動停止が頻繁に繰り返される竪型粉砕機に本発明を適用すれば、運転効率を大幅に向上させることができると共に、停止時に懸念される自励振動も発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態例に係る分級装置の要部説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態例に係る分級装置の要部説明図である。
【図3】図2に示す可動式仕切り部材の外観図である。
【図4】竪型粉砕機の定格負荷運転時における仕切り部材の長さと粗粒子分離効果との相関関係を示す特性図である。
【図5】竪型粉砕機の最低負荷運転時における仕切り部材の長さと粗粒子分離効果との相関関係を示す特性図である。
【図6】竪型粉砕機の原料供給量に応じた仕切り部材の長さの最適範囲を示す説明図である。
【図7】竪型粉砕機の起動時のタイムチャートである。
【図8】竪型粉砕機の停止時のタイムチャートである。
【図9】分級装置の一従来例を説明するための竪型粉砕機の構成図である。
【図10】分級装置の他の従来例を示す要部説明図である。
【符号の説明】
1 原料供給管(給炭管)
2 粉砕テーブル
3 粉砕ボール
4 スロート
5 粉砕部
6 分級装置
10 固定式分級機
11 整流コーン(コーン部)
12 固定フィン
20 回転式分級機
21 回転フィン
30 製品微粉排出管(送炭管)
40 分級部上面板(天井部)
51 熱風
52 固気二相流
61 可動式の仕切り部材(円筒状部材)
62 固定式の仕切り部材
63 支持棒
70 上下移動機構

Claims (4)

  1. 粉砕部と、その粉砕部の上方に配置された分級装置とを備え、
    その分級装置が、前記粉砕部より吹き上げられてくる固気二相流を導入して、回転式分級機により前記固気二相流中の粒子を大きさにより分級する分級装置である竪型粉砕機において、
    前記回転式分級機は回転フィンを有し、その回転フィンの径方向外側の空間に、該空間の天井部から下向きに延在し前記回転フィンと全周にわたって対向する筒状の仕切り部材を配設し、
    その筒状の仕切り部材は、導入された固気二相流を仕切り部材に衝突させて下降流を形成し、粗粒子以外の粒子群は仕切り部材の下端近傍で前記回転式分級機へ向かう流れに変化させ、前記下降流中の粗粒子は回転式分級機へ向かう流れから分離する機能を有し、
    その仕切り部材を上下方向に移動する上下移動機構を設け、
    前記空間の天井部から前記仕切り部材の下端までの仕切り部材の上下方向の長さHを、前記回転フィンの上下方向の長さをHRFとしたとき、
    当該竪型粉砕機の負荷に応じて前記仕切り部材の上下方向の長さHを前記上下移動機構で変えることにより、前記回転フィンの長さHRFに対する仕切り部材の長さHの比率H/HRFが調節でき、その比率H/H RF を、前記竪型粉砕機の低負荷運転時には定格負荷運転時よりも大きく設定することを特徴とする竪型粉砕機。
  2. 請求項1に記載の竪型粉砕機において、前記仕切り部材は、前記空間の天井部を構成する上面板に固定された固定式の仕切り部材と、その固定式の仕切り部材に沿って昇降する可動式の仕切り部材によって構成され、前記上下移動機構により前記可動式の仕切り部材を前記固定式の仕切り部材に沿って昇降する構成になっていることを特徴とする竪型粉砕機。
  3. 請求項に記載の竪型粉砕機において、その竪型粉砕機の低負荷運転時には前記比率H/H RF が0.6〜0.8の範囲に規制され、定格負荷運転時には比率H/H RF が0.25〜0.4の範囲に規制されていることを特徴とする竪型粉砕機。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の竪型粉砕機において、その竪型粉砕機の起動時には前記比率H/H RF が最も小さく設定されて、定格負荷運転になるまでに前記比率H/H RF を徐々に増大させるように制御し、竪型粉砕機の停止指令が出力されると前記比率H/H RF を徐々に減少して、停止時には前記比率H/H RF が最も小さくなるように制御されることを特徴とする竪型粉砕機。
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