JP2001123168A - 蛍光体およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

蛍光体およびそれを用いた画像表示装置

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JP2001123168A
JP2001123168A JP30641899A JP30641899A JP2001123168A JP 2001123168 A JP2001123168 A JP 2001123168A JP 30641899 A JP30641899 A JP 30641899A JP 30641899 A JP30641899 A JP 30641899A JP 2001123168 A JP2001123168 A JP 2001123168A
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phosphor
luminance
cathode ray
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display device
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JP30641899A
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English (en)
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Shin Imamura
伸 今村
Hiromichi Yamada
敞道 山田
Masatoshi Shiiki
正敏 椎木
Masaaki Komatsu
正明 小松
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Hitachi Ltd
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色再現性がよく、輝度飽和、輝度劣化、および
残光特性の全てについて良好な特性の得られる緑色発光
蛍光膜およびそれを用いた画像表示装置を実現する。 【解決手段】一般式(Y1-x-yGdxTby3(Al1-z
Gaz512で表され、かつxが0<x<1,yが0<
y<1(ただしx+y<1),zが0<z<1の範囲の
値である緑色蛍光体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示に好適
で、発色がよく、劣化の少ない蛍光体に関する。また、
上記蛍光体を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー画像を表示する陰極線管等
を用いた画像表示装置は、高精細化、高輝度化が進んで
いる。このような画像表示装置は、電子線のスポット径
の縮小、スキャン速度の増大、励起強度の増大により、
輝度飽和、輝度劣化、残光が顕著になり、画質の低下が
問題となっている。同時に、色再現性のよい発光色も求
められている。このため、蛍光体には輝度飽和特性、輝
度劣化特性、残光特性および色の向上が求められてい
る。
【0003】以下、画像表示装置のうち、主に陰極線管
を採り上げて説明する。陰極線管では、輝度の強弱は励
起電子線の電流値により制御を行う。そのため、蛍光体
の輝度は電流値に対し直線的に大きくなることが必要で
ある。しかし、一般的に、蛍光体は、電子線による励起
強度が高くなると輝度飽和という現象が生じ、輝度の直
線性が失われる。また、強い励起強度で画像を表示する
と、蛍光体材料の劣化が激しくなり、使用しているうち
に輝度低下、および発色の劣化が生じる。
【0004】輝度飽和および劣化特性は、蛍光体材料の
種類、製法、添加物、組成等によって大きく異なる。従
来、上記の問題の改善のために、より特性のよい蛍光体
の選択、および組成や製法の改良が検討されてきた。し
かし、今のところ単独の蛍光体材料で、必要とされるす
べての特性を十分満たすものは得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】緑色発光蛍光体は、白
色画面上で70%の輝度を占めるため、改善が重要であ
る。現在までに陰極線管用の緑色蛍光体として用いられ
てきた材料は、Zn2SiO4:Mn系蛍光体、Gd22
S:Tb系蛍光体、ZnS:Cu、Al系蛍光体、Y2
SiO5:Tb系蛍光体、およびY3(Al,Ga)5
12:Tb系蛍光体等が例として挙げられる。
【0006】低電流域で発光効率のよいGd22S:T
b蛍光体は、高電流域で発光効率が悪く、強励起電子線
では用いることができない。Zn2SiO4:Mn系蛍光
体およびZnS:Cu,Al系蛍光体は、高電流域での
輝度飽和が大きく、使用した場合、陰極線管の輝度が低
くなる。また電子線による輝度劣化が激しく、陰極線管
の寿命が著しく短くなる。また、Y2SiO5:Tb蛍光
体は、高電流域で発光効率がよいが、低電流域では発光
効率が悪く輝度が低い。また、電子線による輝度劣化が
大きい。
【0007】これらの欠点を改善するもとして、劣化し
難く、輝度飽和の少ないY3(Al,Ga)512:Tb
系蛍光体を用いれば、輝度劣化と輝度飽和の問題はある
程度解決できる。しかし、この蛍光体は、発光色が黄色
味がかり、色再現が悪く単独で画像表示装置に用いるこ
とができない。そのため、例えば、特開昭59−492
79号公報に見られるように、発光色が良好なZn2
iO4:Mn系蛍光体を混合して用いている。
【0008】しかし、Zn2SiO4:Mn系蛍光体は、
前述のように輝度飽和が大きく劣化が激しいため、混合
蛍光体の輝度および劣化特性が悪くなる。また、Zn2
SiO4:Mn系蛍光体は、励起後の残光時間が長いた
め、混合蛍光体を用いると、画面上での残像が目立ち、
画質の劣化を招く。
【0009】本発明の目的は、上記課題を解決すること
にあり、電子線による強励起でも輝度飽和が少なく、色
調がよく、かつ劣化が少ない蛍光体を提供することにあ
る。また、上記蛍光体を用いた画質のよい画像表示装置
を提供することにある。
【0010】なお、ここで云う画像表示装置とは、電子
線照射や紫外線により蛍光体を励起し、発光させて画像
情報を表示する装置のことであり、例えば、陰極線管は
勿論のこと蛍光表示管(VFD)やフィールドエミッタ
ーディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネ
ル(PDP)等も含まれる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、Y3(Al,Ga)512:Tb系蛍光体の改良を行
った結果、本発明による化1に示す組成式の蛍光体にお
いて、輝度劣化、発光色、および残光を改善することが
できた。
【0012】
【化1】 (Y1-x-yGdxTby3(Al1-zGaz512 ここでxは0<x<1,yは0<y<1(ただしx+y
<1),zは0<z<1の範囲の値である。
【0013】本発明の蛍光体は、(Y1-xGdx3(A
1-zGaz512を母材とし、Tbを附活材として加
えることにより緑色の発光を得る。従来品の母材Y
3(Al1-zGaz512にTbを附活した場合、発光ス
ペクトルにおいて、緑色の発光である540nm付近の発
光以外に、490nm付近の発光が大きく、発光色を悪く
しているが、母材にGdを加えることにより、490nm
付近の発光が減少し、発光色がよくなった。
【0014】蛍光体の発光色は、一般的にx−yの色度
座標を用いて表される。緑色の蛍光体は、色度値xが同
等である場合、色度値yが大きいほど純粋な緑色に近
く、色再現性がよく、発光色がよい。したがって、以
下、発光色の良し悪しは、y色度値の比較によって表
す。画像表示装置においては、色度値yが0.001以
上大きくなれば、色再現性の向上が認識できる。本発明
による蛍光体は、従来品より、色度値yが0.002〜
0.003程度向上し、良好な発光色を示した。
【0015】さらに、輝度および輝度飽和は、従来品と
ほぼ同様であり、従来のY3(Al,Ga)512:Tb
系蛍光体の良好な特性を保持している。
【0016】また、輝度劣化に関しての評価は、加速試
験によって評価した。蛍光体試料の温度を350℃に上
昇させ、電子線を、通常実用で用いられる電流密度の数
十倍(1250μA/cm2)で照射し、30分保持した
後の、発光輝度の、初期輝度に対する比をとり、輝度維
持率と定義し、輝度劣化の評価基準として用いた。輝度
維持率の値は、従来品が0.70であるのに対し、本発
明品は0.85と向上した。
【0017】また、表示装置の画質を決定するうえで、
使用する蛍光体の残光時間は重要な要素である。蛍光体
を励起する電流照射を停止した後も、蛍光体の発光はす
ぐには完全に消えず、その蛍光体の固有の減衰率で発光
が消えてゆく。これを蛍光体の残光と呼ぶ。この残光が
消えるまでの時間が長いと、画面描画の際、前に描画し
た画像が残像として残り、見苦しい映像となる。
【0018】この特性の評価は、通常、電流照射を停止
した後、照射時の発光輝度の10分の1まで輝度が低下
する時間で残光の長さを、蛍光体の残光特性の目安と
し、残光時間τ10%と呼ぶ。その標準的な評価方法は、
EIAJ規格に示されており、陰極線管において、陰極
線を断続的に蛍光膜に照射し、陰極線停止時の輝度の減
衰を測定することで行う。画像表示装置においては、τ
10%が5.7ms以下の蛍光体であれば、残像が認めら
れ難くなり、良好な画質となる。従来品のY3(Al,
Ga)512:Tb系蛍光体では、τ10%が6ms前後で
あったが、本発明品は最短のもので4ms前後に減少
し、より望ましい特性となった。
【0019】上記のように、Gdを加えることにより、
本発明の蛍光体は良好な特性を得ることができる。前記
組成における本発明のさらに好適な組成として、xが
0.2≦x<1の範囲の値をとるようにGdの濃度を調
整すれば、発光色において色度値yが0.001以上大
きくなり、残光時間τ10%が5.7ms以下となり、発
光色、残光時間において良好な特性を得ることができ
る。また、輝度維持率においても、良好な特性を得るこ
とができる。
【0020】また、輝度については、附活材であるTb
の濃度が重要である。yが0.03≦y≦0.3の範囲
の値になるようにTbの濃度を調整すれば、輝度におい
て良好な特性を得ることができる。
【0021】また、GaをAlと同時に添加することに
より、高い発光輝度が得られる。zが0.2≦z≦0.
8の範囲の値をとるようにAlとGaの比率を調整すれ
ば、輝度において良好な特性を得ることができる。
【0022】本発明の蛍光体の形態は、特に限定され
ず、単結晶でも多結晶でもよい。また、形状は、焼結
体、粉体等いずれの形でもよい。ただし、陰極線管等の
電子励起による発光を行う場合、原料にフラックス等を
加えて高温で反応させた粉体がよく用いられる。この場
合、粉体の粒径は1μm〜20μm程度のものが用いられ
る。
【0023】また、本発明の蛍光体を含む蛍光膜を有す
る画像表示装置を用いることにより、画質のよい画像表
示装置を提供することができる。投射型TV用ブラウン
管(以下投射管と略)を例に説明すると、投射型TVは
RBG三色の三本の投射管によって構成される。このう
ち、緑色投射管のフェイスプレートに塗布する蛍光体と
して、本発明の蛍光体を単独で、もしくは本発明の蛍光
体を含む緑色蛍光体混合物を用いることによって、緑の
発色のよい、寿命特性のよい、残光が短く画質のよい画
像表示装置を作成することができる。
【0024】また、直視型ディスプレイ用ブラウン管
(以下直視管と略)においても、フェイスプレートに塗
布する三色の蛍光体のうち、緑色蛍光体として、本発明
の蛍光体を単独もしくは混合物で用いることによって、
緑の発色のよい、寿命特性のよい、残光が短く画質のよ
い画像表示装置を作成することができる。
【0025】また、本発明の蛍光体を含む蛍光膜を、蛍
光表示管(VFD)や、フィールドエミッターディスプ
レイ(FED)等の、陰極線を用いる画像表示装置に用
いることによって、緑の発色のよい、寿命特性のよい、
残光が短く画質のよい画像表示装置を作成することがで
きる。
【0026】また、本発明の蛍光体を含む蛍光膜を、プ
ラズマディスプレイパネル(PDP)等の、紫外線励起
による発光を行う画像表示装置に用いることによって、
緑の発色のよい、寿命特性のよい、残光が短く画質のよ
い画像表示装置を作成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】<実施例1>原料として、Y
23,Gd23,Tb47,Al23およびGa23
用いた。これらの材料の化学量論比率に従った所定量
に、焼成のための適当なフラックスを加え、乳鉢を用い
てよく混合した。この混合物をアルミナるつぼに入れ、
るつぼのふたをした後、1500℃で2時間焼成した。
焼成物を粉砕し、フラックス成分を除くため水洗、乾燥
の後、粒径8μm前後の蛍光体粉末を得た。
【0028】このような方法で、前記化1で表される組
成を持つ蛍光体を、組成を変化させて作製した。xの値
を0≦x≦1の範囲、yが0≦y≦1の範囲、zが0≦
z≦1の範囲の値で変化させ、それぞれの組成を持つ試
料を作製した。
【0029】陰極線による発光特性を測定するために、
これらの試料を、銅製の基板上に水沈降塗布し、5mg
/cm2前後の膜重量の蛍光膜を得た。この蛍光膜に、真
空度7×10-6Pa以上の真空中で、0.1〜1250
μA/cm2の範囲の電流密度の電子線を照射し、輝度、
輝度劣化、発光色および残光時間を測定した。
【0030】輝度は、膜面から20cm離れたSi製のフ
ォトトランジスタにより測定した。輝度劣化は、蛍光体
試料の温度を350℃に上昇させ、電子線を、通常実用
で用いられる電流密度の数十倍(1250μA/cm2
で照射し、30分保持した後の、発光輝度の、初期輝度
に対する比をとり、輝度維持率と定義し、輝度劣化の評
価基準として用いた。発光色は、膜面から30cm離れた
色度計により、色度y値を測定した。
【0031】本実施例における残光特性の測定方法は、
EIAJ規格に示された以下の方法を用いた。電子線に
偏向をかけない状態、すなわち陰極線が1点に照射され
る状態において、陰極線管の信号として、パルスを印加
し、蛍光膜に電子線を断続的に照射して励起を行った。
その際の蛍光膜の発光の時間的変化を測定し、電子線を
照射した後、照射を停止した時に輝度が減衰していく様
子を調べ、その輝度が電子線照射時の輝度の10分の1
になったときの時間を、残光時間τ10%として残光特性
をあらわす値として用いた。電子線の電流値は100μ
A、パルス幅は0.5μs、パルス間隔は100msと
した。
【0032】図1に、組成式において、y=0.07,
z=0.4において、Gd濃度xを0〜0.93まで変
化させたときの、電流密度10μA/cm2の電子線励起
で測定した、色度値yのグラフを示す。従来品は、x=
0のものである。xを増加させるにしたがい、色度値y
が大きくなり、良好な緑色を示すことがわかる。特にx
が0.2〜0.93の範囲で、色度値yが従来品より
0.001以上大きくなり、良好な発色を示すことがわ
かる。
【0033】図2に、上記と同じく、xを0〜0.93
まで変化させたときの、電流密度10μA/cm2の電子
線励起で測定した、従来品(x=0の場合)を1とする
相対輝度を示す。全てのxの範囲において、相対輝度
0.9以上の、現行品とほぼ同等の輝度となり、十分に
実用することができる。
【0034】図3に、上記と同じくxを0〜0.93ま
で変化させたときの、電流密度10μA/cm2の電子線
励起で測定した、輝度維持率を示す。xの増加ととも
に、輝度維持率が大きくなり、劣化特性が向上している
ことがわかる。特に、xが0.2〜0.93の範囲で劣
化特性がよいことがわかる。
【0035】図4に、上記と同じく、xを0〜0.93
まで変化させたときの、残光時間τ10%を示す。xの増
加とともに、残光時間が短くなり、残光特性が向上して
いることがわかる。特に、xが0.2〜0.93の範囲
で、残光時間τ10%が、5.7msより短くなり、良好
な特性が得られることがわかる。
【0036】図5に、組成式において、YとGd量を等
量とし、z=0.4において、Tb濃度yを0〜0.6
まで変化させたときの(従ってGd量xは(1−y)/
2となる)、電流密度10μA/cm2の電子線励起で測
定し、従来品(y=0.7の場合)を1とする相対輝度
を示した。この結果、yが0.03≦y≦0.3の範囲
で実用に用いられる程度に輝度が高く、y=0.07〜
0.15付近で特に好ましい輝度が得られていることが
わかる。
【0037】図6に、前記化1の組成式において、x=
0.465,y=0.07とし、Ga濃度zを0〜1ま
で変化させたときの、電流密度10μA/cm2の電子線
励起で測定した輝度を、従来品(z=0.4)を1とす
る相対輝度で示す。本実施例によると、zが0.2≦z
≦0.8の範囲、特にz=0.4付近で、実用に十分な
高輝度が得られることがわかる。
【0038】また、本発明では特にY濃度が0である場
合、色度値y及び残光時間τ10%が最も良い値を示す。
それゆえ、以下に特にY濃度が0である場合、すなわち
Gd濃度xがTb濃度yにより、x=1−yによって表
される場合の、輝度及び残光特性を示し、特性を検討し
た。
【0039】図9にz=0.4で、かつ、Y濃度が0、
Gd濃度xがx=1−yである場合に、Tb濃度yを0
〜0.5まで変化させた各組成での電流密度10μA/
cm2の電子線励起で測定し、従来品(x=0.465、
y=0.7の場合)を1とした相対輝度を示す。y=
0.05付近、yが0.03≦y≦0.3の範囲で、実
用で使用が可能な程度に輝度が高いことがわかる。
【0040】図10に、上記と同じ条件で、Tb濃度y
を、y=0.02〜0.11まで変化させた場合の、前
記方法により測定した残光時間τ10%を示す。全ての範
囲でτ10%が5.3msを下回り、良好な特性を示すこ
とがわかる。
【0041】図11に、上記と同じくY濃度を0とし
て、x=0.93、y=0.07である場合の、Ga濃
度zを0〜1まで変化させたときの、電流密度10μA
/cm2の電子線励起で測定した、従来品を1とする相対
輝度を示す。x=0.465の場合と同じく、zが0.
2≦z≦0.8の範囲で、実用に用いられる程度に輝度
が高いことがわかる。
【0042】以上より、本発明により、発光色がよく、
輝度が高く、輝度劣化の少ない、残光時間が短い蛍光体
を得ることができた。
【0043】<実施例2>画像表示を行う緑色蛍光膜と
して、本発明の蛍光体90%とZn2SiO4:Mn蛍光
体10%を混合した混合蛍光膜を有する、7インチ緑色
画像用投射型陰極線管を作製した。さらに、本発明の技
術を用いた該緑色画像用投射型陰極線管と、他の青色画
像用投射型陰極線管、および赤色画像用投射型陰極線と
を組み合わせて、投射型テレビ画像表示装置を作製し
た。
【0044】図7に、投射型陰極線管の断面の概念図を
示す。同図において、投射型陰極線管は、ネック端に電
子銃4を備え、フェースプレート1の内面に、蛍光膜2
およびメタルバック3を備えている。投射型陰極線管の
蛍光膜は単色膜で構成されている。本発明の手段を用
い、7インチバルブ中で水沈降により蛍光膜2を形成
し、フィルミング、アルミバック蒸着を行い、電子銃等
の部品を取り付け、排気、封止を行って陰極線管を完成
させた。
【0045】図8に、本発明による投射型テレビ画像表
示装置の模式図を示す。同図において、5は赤色画像用
陰極線管、6は本発明の緑色画像用陰極線管、7は青色
画像用陰極線管であり、これらに対向して一定距離はな
した位置に映写スクリーン8が配置されている。また、
前記各々の投射型陰極線管には、これらの中心軸と同一
線上に投射レンズ系9が配置され、前記各々の投射型陰
極線管のフェースプレートに再生された単色の画像が集
光拡大されて前記映写スクリーン8に投射され、3色が
重ね合い合成されたカラー画像が得られる。
【0046】実際には、投射型テレビ画像表示装置は、
上記に示す各画像用陰極線管、映写スクリーン、および
投射レンズ系の外に、テレビ用チューナー、陰極線管駆
動回路、画像信号処理回路等の画像表示用装置、また、
音響用スピーカー、アンプなどの音響装置、また、スイ
ッチやボリュームなどの操作用装置、また、全体を収め
る外装や、支えるフレームや台等によって構成されてい
る。
【0047】ここで、本実施例において、以下に示す各
方法で、発光特性を測定した。輝度は、30cm離れた位
置から輝度計を用いて計測し、従来用いられている現行
標準品の輝度を100として相対輝度で表した。
【0048】蛍光体の発光色は、30cm離れた位置から
色度計を用いて測定した。発光色の比較は、x−yの色
度座標の色度値yの比較により行った。
【0049】上記の特性の測定は、全て、102×76
mmの大きさで照射される、0.35mAの陰極線で励起
し測定した。
【0050】輝度劣化特性の測定は、102×76mmの
大きさで照射される、0.6mAの陰極線を2000時
間照射連続照射し、その前後での輝度比により比較し
た。
【0051】残光特性の測定方法は、EIAJ規格に示
された以下の方法を用いた。電子線に偏向をかけない状
態、すなわち陰極線が1点に照射される状態において、
陰極線管の信号として、パルスを印加し、蛍光膜に電子
線を断続的に照射して励起を行った。その際の発光の時
間的変化を測定し、照射を停止した時に輝度が減衰して
いく様子を調べ、残光輝度が電子線照射時の輝度の10
分の1になったときの時間を、残光時間τ10%と定義し
残光特性を表す値として用いた。
【0052】今回作製した投射型テレビ画像表示装置
は、緑色の色度値yで、従来品を0.002〜0.00
3上回る値を得た。また、劣化特性においても、従来品
を5%程度上回った。かつ、輝度特性においても、十分
な性能を得た。
【0053】また、緑色の残光時間は、Zn2SiO4
Mn蛍光体の混合により、本発明品および従来品ともに
残光時間が若干長くなるが、従来品のτ10%=7msよ
り0.5ms程度短くなり、良好な残光特性を示した。
すなわち、本発明により、緑色の発光色、輝度、劣化特
性、および残光特性のよい、全体として画質のよい画像
表示装置を得た。
【0054】以上より、本発明によれば、画質のよい陰
極線管および画像表示装置を提供することができる。
【0055】<実施例3>本発明の蛍光体を含む蛍光膜
を、蛍光表示管(VFD)に用いたところ、従来品より
緑の発色がよく、寿命特性がよく、残光が短い、画質の
よい蛍光表示管を作成することができた。
【0056】<実施例4>本発明の蛍光体を含む蛍光膜
を、フィールドエミッターディスプレイ(FED)に用
いたところ、従来品より緑の発色がよく、寿命特性がよ
く、残光が短い、画質のよいフィールドエミッターディ
スプレイを作成することができた。
【0057】<実施例5>本発明の蛍光体を含む蛍光膜
を、プラズマディスプレイパネル(PDP)に用いたと
ころ、従来品より緑の発色がよく、寿命特性がよく、残
光が短い、画質のよいプラズマディスプレイパネルを作
成することができた。
【0058】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により所期の
目的を達成することができた。すなわち、本発明によ
り、色再現性がよく、実用に供しうる十分な輝度を有
し、劣化耐性がよく、従来よりも残光時間が少ない、高
画質表示に適した蛍光体および高画質の画像表示装置を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の蛍光体のGd濃度と色度値
の関係を示す特性曲線。
【図2】本発明の一実施例の蛍光体のGd濃度と相対輝
度の関係を示す特性曲線。
【図3】本発明の一実施例の蛍光体のGd濃度と輝度維
持率の関係を示す特性曲線。
【図4】本発明の一実施例の蛍光体のGd濃度と残光時
間の関係を示す特性曲線。
【図5】本発明の一実施例の蛍光体のTb濃度と相対輝
度の関係を示す特性曲線。
【図6】本発明の一実施例の蛍光体のGa濃度と相対輝
度の関係を示す特性曲線。
【図7】本発明の一実施例の陰極線管の構造を模式的に
示した断面図。
【図8】本発明の一実施例の投射型テレビ画像表示装置
の構造を模式的に示した上面図。
【図9】本発明の一実施例の蛍光体のTb濃度yと相対
輝度の関係を示す特性曲線。
【図10】本発明の一実施例の蛍光体のTb濃度yと残
光時間の関係を示す特性曲線。
【図11】本本発明の一実施例の蛍光体のGa濃度zと
相対輝度の関係を示す特性曲線。
【符号の説明】
1…フェースプレート、2…蛍光膜、3…メタルバッ
ク、4…電子銃、5…赤色画像用陰極線管、6…緑色画
像用陰極線管、7…青色画像用陰極線管、8…映写スク
リーン、9…投射レンズ系。
フロントページの続き (72)発明者 山田 敞道 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 椎木 正敏 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小松 正明 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 4H001 CA04 CA06 XA08 XA13 XA31 XA39 XA64 XA65 YA65

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(Y1-x-yGdxTby3(Al1-z
    Gaz512で表され、かつxが0<x<1,yが0<
    y<1(ただしx+y<1),zが0<z<1の範囲の
    値である緑色蛍光体。
  2. 【請求項2】発光色のx−y色度座標における色度値y
    が、従来蛍光体((Y1-yTby3(Al1-zGaz5
    12(但しyおよびzは0から1までの範囲の数)の組成
    を持つ蛍光体の発光色の色度値yより、0.001以上
    大きいことを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  3. 【請求項3】励起を断続的に行った場合での励起を停止
    した後の残光の輝度が、電子線励起時の輝度の10分の
    1に減衰するまでに経過する時間が、5.7ms以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか記載の蛍光体
    であり、かつxが0.2≦x<1の範囲の値である蛍光
    体。
  5. 【請求項5】請求項1ないし3のいずれか記載の蛍光体
    であり、かつyが0.03≦y≦0.3の範囲の値であ
    る蛍光体。
  6. 【請求項6】請求項1ないし3のいずれか記載の蛍光体
    であり、かつzが0.2≦z≦0.8の範囲の値である
    蛍光体。
  7. 【請求項7】蛍光膜と、この蛍光膜を発光させる手段と
    を備えた画像表示装置であって、前記蛍光膜に請求項1
    ないし6のいずれか記載の蛍光体を含むことを特徴とす
    る画像表示装置。
  8. 【請求項8】フェイスプレート上の蛍光膜と、この蛍光
    膜に電子ビームを照射し、発光させる手段とを備えた陰
    極線管において、前記蛍光膜に請求項1ないし6のいず
    れ記載の蛍光体を含むことを特徴とする陰極線管。
  9. 【請求項9】フェイスプレート上の蛍光膜と、この蛍光
    膜に電子ビームを照射し発光させる手段とを備えた陰極
    線管を用いて構成された画像表示装置において、前記陰
    極線管に請求項8に記載した陰極線管を少なくとも1つ
    用いることを特徴とする画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005059949A1 (ja) * 2003-12-17 2005-06-30 Nihon University フィールドエミッション点光源ランプ
CN102051174A (zh) * 2009-10-27 2011-05-11 海洋王照明科技股份有限公司 窄带深紫外发光材料及其制备方法
CN105733580A (zh) * 2016-01-25 2016-07-06 中国科学院长春应用化学研究所 一种长余辉发光材料及其制备方法

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