JP2001123014A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JP2001123014A JP30334899A JP30334899A JP2001123014A JP 2001123014 A JP2001123014 A JP 2001123014A JP 30334899 A JP30334899 A JP 30334899A JP 30334899 A JP30334899 A JP 30334899A JP 2001123014 A JP2001123014 A JP 2001123014A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性と低発熱性とを両立したゴム組成物
を提供する。 【解決手段】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ば
れた少なくとも1種からなるゴム成分と、ジブチルフタ
レート吸油量が140〜200ml/100g、凝集体
の重量平均径(Dw)と数平均径(Dn)との比(Dw
/Dn)が1.80〜2.40であり、かつ比着色力
(Tint)が、Tint≧0.100×窒素吸着比表
面積(N2SA)+93であるカーボンブラックとを含
有するゴム組成物である。カーボンブラックにおける、
2SAが100〜180m2/gでありN2SAとヨウ
素吸着量(IA)との比(N2SA/IA)が0.70
〜1.00、凝集体の半値幅(ΔD50)と最頻値(Ds
t)との比(ΔD50/Dst)が1.05〜2.50、
カーボンブラックをゴム成分100重量部に対し30〜
70重量部含有する態様等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに背反する特
性である耐摩耗性と低発熱性とを両立し、タイヤのトレ
ッド等をはじめとする各種分野において好適に使用する
ことができるゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム組成物は、タイヤのトレッド等をは
じめとする各種分野に好適に使用されている。タイヤの
トレッド等の用途の場合、ゴム組成物には、互いに背反
する特性である耐摩耗性と低発熱性とを両立させること
が望まれる。従来においては、ゴム組成物の耐摩耗性を
向上させる目的で、ジブチルフタレート(DBP)吸油
量の高いカーボンブラックを添加することが行われてき
たが、この場合、ジブチルフタレート(DBP)吸油量
が高すぎても耐摩耗性が悪化してしまうという問題があ
り、また、低発熱性を十分に向上させることができない
という問題があった。互いに背反する特性である耐摩耗
性と低発熱性とを両立し、これらをバランス良く向上さ
せたゴム組成物は、未だ提供されていないのが現状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、互いに背反する特性である
耐摩耗性と低発熱性とを両立し、これらをバランス良く
向上させ、タイヤのトレッド等をはじめとする各種分野
において好適に使用することができるゴム組成物を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】ゴム組成物の特性は、そ
の中に含まれるゴム成分とカーボンブラックとの物理的
結合、化学的結合等の相互作用により大きく影響を受け
る。このカーボンブラックは、ゴム組成物中において
は、凝集体(アグリゲート)として分散し、存在してい
る。本発明者は、ゴム組成物中において、カーボンブラ
ックのアグリゲート形態と表面活性とを制御することで
ゴムへの分散状態を改良することにより、互いに背反す
る耐摩耗性と低発熱性とを両立し、これらをバランス良
く向上させ得ることを見出した。本発明は、かかる知見
にに基くものであり、前記課題を解決するための手段
は、以下の通りである。
【0005】<1> 天然ゴム及びジエン系合成ゴムか
ら選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、ジブチ
ルフタレート(DBP)吸油量が140〜200ml/
100gであり、凝集体の重量平均径(Dw)と数平均
径(Dn)との比(Dw/Dn)が1.80〜2.40
であり、かつ比着色力(Tint)が、Tint≧0.
100×窒素吸着比表面積(N2SA)+93であるカ
ーボンブラックと、を含有することを特徴とするゴム組
成物である。 <2> カーボンブラックにおける、窒素吸着比表面積
(N2SA)が100〜180m2/gであり、窒素吸着
比表面積(N2SA)とヨウ素吸着量(IA)との比
(N2SA/IA)が0.70〜1.00である前記<
1>に記載のゴム組成物である。 <3> カーボンブラックの凝集体の半値幅(ΔD50
と最頻値(Dst)との比(ΔD50/Dst)が1.0
5〜2.50である前記<1>又は<2>に記載のゴム
組成物である。 <4> カーボンブラックにおける、ジブチルフタレー
ト(DBP)吸油量が140〜180ml/100gで
あり、窒素吸着比表面積(N2SA)が100〜170
2/gであり、窒素吸着比表面積(N2SA)とヨウ素
吸着量(IA)との比(N2SA/IA)が0.80〜
1.00である前記<1>から<3>のいずれかに記載
のゴム組成物である。 <5> カーボンブラックを、ゴム成分100重量部に
対し、30〜70重量部含有する前記<1>から<4>
のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物は、ゴム成分
とカーボンブラックとを含み、更に必要に応じて適宜選
択したその他の成分を含む。
【0007】(ゴム成分)前記ゴム成分は、天然ゴム及
びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種を含
み、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含
む。
【0008】前記ジエン系合成ゴムとしては、特に制限
はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択する
ことができ、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、ポリイソプレン、ポリ
ブタジエンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのジ
エン系合成ゴムの中でも、ガラス転移温度が低い点でシ
ス−1,4−ポリブタジエンが好ましく、シス含有率が
90%以上のものが特に好ましい。
【0009】本発明においては、前記ゴム成分の中で
も、低発熱性と耐摩耗性とを両立することができる点
で、天然ゴムとポリブタジエンゴムとを含有する混合物
が好ましい。
【0010】(カーボンブラック)本発明においては、
前記カーボンブラックとして、ジブチルフタレート(D
BP)吸油量、凝集体の重量平均径(Dw)と数平均径
(Dn)との比(Dw/Dn)、及び、比着色力(Ti
nt)が以下のものを使用する。
【0011】前記ジブチルフタレート(DBP)吸油量
(以下「DBP吸油量」と称することがある。)として
は、140〜200ml/100gであることが必要で
あり、140〜180ml/100gが好ましい。ま
た、本発明においては、前記DBP吸油量として、前記
数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の
実施例で採用した該DBP吸油量のいずれの値を下限と
し、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又
は後述の実施例で採用した該DBP吸油量のいずれの値
を上限とする数値範囲も好ましい。
【0012】前記DBP吸油量が、140ml/100
g未満であると、耐摩耗性が十分に確保できず、200
ml/100gを超えると、加工性や伸び特性に劣り、
ゴムとしての一般的性質が悪化することがあり、また、
低発熱性を十分に確保することができない。
【0013】なお、前記DBP吸油量は、JIS K6
221(1982)6.1.2.A法に従って測定した
値であり、カーボンブラック100g当たりに吸収され
るジブチルフタレートの量(ml)を意味する。
【0014】前記凝集体の重量平均径(Dw)と数平均
径(Dn)との比(Dw/Dn)としては、1.80〜
2.40であることが必要であり、1.80〜2.30
が好ましい。また、本発明においては、前記比(Dw/
Dn)として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しく
は上限値又は後述の実施例で採用した該比(Dw/D
n)のいずれの値を下限とし、前記数値範囲のいずれか
の下限値若しくは上限値又は後述の実施例で採用した該
比(Dw/Dn)のいずれの値を上限とする数値範囲も
好ましい。
【0015】前記比(Dw/Dn)が、1.80未満で
あると、低発熱性を十分に確保することができないこと
があり、2.40を超えると、耐摩耗性が悪化すること
がある。
【0016】なお、ここで「凝集体」は、ゴム組成物中
に分布する該カーボンブラックの二次粒子を意味する。
前記重量平均径(Dw)及び数平均径(Dn)は、公知
の測定装置、例えば、Disc Centrifuge
Photosedimentmeter(DCP)
(DCP Brook Haven社製、BI−DC
P)を使用して測定することができる。
【0017】前記比着色力(Tint)としては、Ti
nt≧0.100×窒素吸着比表面積(N2SA)+9
3であることが必要である。前記比着色力(Tint)
が、上記不等式を満たさないと補強性が低下してしま
い、一方、上記不等式を満たすと耐摩耗性の点で有利で
ある。なお、前記比着色力(Tint)は、JIS 6
221−1982 A法に準拠した方法により測定する
ことができる。
【0018】本発明において使用するカーボンブラック
は、前記DBP吸油量、前記比(Dw/Dn)及び前記
比着色力(Tint)が前記数値範囲内にあることの外
には、特に制限はないが、窒素吸着比表面積(N2
A)、窒素吸着比表面積(N2SA)とヨウ素吸着量
(IA)との比(N2SA/IA)、凝集体の半値幅
(ΔD5 0)と最頻値(Dst)との比(ΔD50/Ds
t)等が以下のものを好適に使用することができる。
【0019】前記窒素吸着比表面積(N2SA)として
は、100〜180m2/gが好ましく、100〜17
0m2/gがより好ましく、100〜150m2/gが特
に好ましい。前記窒素吸着比表面積(N2SA)が、1
00m2/g未満であると、ゴム組成物の耐摩耗性が十
分でないことがあり、180m2/gを超えても、カー
ボンブラックのゴム組成物中での分散性が低下し、逆に
ゴム組成物の耐摩耗性が低下することがあり、一方、前
記数値範囲内にあると、ゴム組成物の耐摩耗性を十分に
向上させることができる点で有利である。なお、前記窒
素吸着比表面積(N2SA)は、ASTM D3037
−88に規定されており、単位重量当たりの窒素吸着比
表面積(m2/g)を意味する。
【0020】前記窒素吸着比表面積(N2SA)とヨウ
素吸着量(IA)との比(N2SA/IA)としては、
0.70〜1.00が好ましく、0.80〜1.00が
より好ましい。前記比(N2SA/IA)が、0.70
未満であると、低発熱性を十分に確保することができな
いことがあり、1.00を超えると、耐摩耗性が悪化す
ることがあり、一方、前記数値範囲内であると、耐摩耗
性と低発熱性とを両立することができる点で有利であ
る。なお、前記ヨウ素吸着量(IA)は、JIS K6
221−1982に規定されており、単位重量当たりの
ヨウ素吸着量(mg/g)を意味する。
【0021】前記凝集体の半値幅(ΔD50)と最頻値
(Dst)との比(ΔD50/Dst)としては、1.0
5〜2.50が好ましく、1.10〜2.30がより好
ましい。前記比(ΔD50/Dst)が、1.05未満で
あると、低発熱性が十分でないことがあり、2.50を
超えると、耐摩耗性が悪化することがあり、一方、前記
数値範囲内にあると、ゴム組成物の低発熱性を低下させ
ることなく、耐摩耗性を向上させることができ、互いに
背反する耐摩耗性と低発熱性とを両立することができる
点で有利である。
【0022】なお、ここで、「凝集体」は、カーボンブ
ラックを遠心沈降分析する際の二次粒子を意味し、「最
頻値(Dst)」は、遠心沈降分析により測定したカー
ボンブラックの凝集体(アグリゲート)特性で、ストー
クス相当径の分布曲線のモード径、即ち最多頻度値(D
st)を意味し、「半値幅(ΔD50)」は、最多頻度値
(Dst)に対する分布曲線の半値幅(ΔD50)を意味
する。
【0023】これらは、例えば、Disc Centr
ifuge Photosedimentmeter
(DCP: Brook Haven社製、BI−DC
P)を使用して、以下のようにして測定することができ
る。即ち、若干の界面活性剤を加えた20容量%のエタ
ノール水溶液中に、50mg/lとなるようにカーボン
ブラックを加え、超音波処理を施して完全に分散させ
る。沈降液(スピン液)として蒸留水10ml、バッフ
ァー液(20容量%のエタノール水溶液)1mlを順次
注加した回転ディスクの回転数を8000rpmとし、
上記のカーブンブラック分散液0.5mlを注射器を用
いて注加して一斉に遠心沈降を開始させ、光電沈降法に
より、凝集体分布曲線を作成した。
【0024】以上の測定操作を加味して更に詳しく述べ
ると、「最頻値(Dst)」は、該測定操作によって得
られる凝集体(アグリゲート)のストークス相当径の曲
線において、最多頻度(実際には、光学的測定を行って
いるので最大吸光度である)を与えるストークス相当径
をモード径(Dst)と定義し、カーボンブラック凝集
体(アグリゲート)の平均的大きさの代表値とみなす。
また、「半値幅(ΔD50)」は、前記モード径(Ds
t)の50%頻度が得られる大小2つのストークス相当
径の差の絶対値を凝集体(アグリゲート)半値幅(ΔD
50)(nm)とするものである。即ち、前記モード径
(Dst)の1/2となる大小2点の差を(ΔD50
(nm)とするものである。
【0025】前記カーボンブラックとしては、上記諸条
件を満足するHAF級〜SAF級のものを好適に使用す
ることができる。前記カーボンブラックがHAF級以上
のものであると、ゴム組成物の耐摩耗性を十分に向上さ
せることができる点で有利である。
【0026】前記カーボンブラックとしては、例えば、
特開平4−264165号公報の図1に示されるような
カーボンブラック製造炉を用いて製造することができ
る。即ち、可燃性流体導入室(内径450mm、長さ4
00mm)に内部に炉頭部外周から導入される酸素含有
ガスを整流する整流板を有する酸素含有ガス導入用円筒
(内径250mm、長さ300mm)とその中心軸に燃
料導入装置を備え、前記円筒の加硫側は次第に収れんす
る収れん室(上流端内径370mm、下流端径80m
m、収れん角度5.3度)となり、かつ収れん室の下流
側には、4つの原料油噴霧器を同一平面上に備えた4つ
の別個の平面を形成する原料油噴霧集合装置が設置され
た原料湯導入室を有し、この下流側には反応室及び反応
停止用急冷水圧入噴霧装置を備えた反応継続兼冷却室
(内径140mm、長さ2000mm)からなる、全体
が耐火物で覆われた製造炉を用いて製造することができ
る。
【0027】前記カーボンブラックは、1種単独で使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】前記カーボンブラックのゴム組成物におけ
る含有量としては、前記ゴム成分100重量部に対し、
30〜70重量部が好ましい。また、本発明において
は、前記含有量として、前記数値範囲のいずれかの上限
値若しくは下限値又は後述の実施例において採用したい
ずれかの含有量の値を下限とし、前記数値範囲のいずれ
かの上限値若しくは下限値又は後述の実施例において採
用したいずれかの含有量の値を上限とする数値範囲も好
ましい。
【0029】前記カーボンブラックの含有量が、30重
量部未満であると、ゴム組成物の耐摩耗性が十分に確保
できず、また強度等の一般的特性も十分でないことがあ
り、70重量部を超えると、ゴム組成物が硬くなり過
ぎ、却って耐摩耗性が低下し、また低発熱性も十分でな
いことがある。
【0030】(その他の成分)前記その他の成分として
は、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し、使用
することができ、例えば、無機充填材、軟化剤、硫黄等
の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進
剤、加硫助剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾ
チアジル−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜
鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防
止剤、滑剤、酸化防止剤、軟化剤、カップリング剤、発
泡剤、発泡助剤等の添加剤などの他、通常ゴム業界で用
いる各種配合剤などが挙げられる。これらは、市販品を
好適に使用することができる。
【0031】−ゴム組成物の製造− 本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分と、前記カーボン
ブラックと、必要に応じて適宜選択した前記その他の成
分を混練り、熱入れ、押出、加硫等することにより製造
することができる。
【0032】前記混練りの条件としては、特に制限はな
く、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラ
ム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置の種類等
の諸条件について目的に応じて適宜選択することができ
る。前記混練り装置としては、例えば、通常ゴム組成物
の混練りに用いるバンバリーミキサー、インターミック
ス、ニーダー、等が挙げられる。
【0033】前記熱入れの条件としては、特に制限はな
く、熱入れ温度、熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件に
ついて目的に応じて適宜選択することができる。前記熱
入れ装置としては、例えば、通常ゴム組成物の熱入れに
用いるロール機等が挙げられる。
【0034】前記押出の条件としては、特に制限はな
く、押出時間、押出速度、押出装置、押出温度等の諸条
件について目的に応じて適宜選択することができる。前
記押出装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物
の押出に用いる押出機等が挙げられる。前記押出温度
は、適宜決定することができる。
【0035】前記押出の際、前記ゴム組成物の流動性を
コントロールする目的で、アロマ系オイル、ナフテン系
オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等の可
塑剤、液状ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエンゴ
ム等の液状ポリマーなどの加工性改良剤を前記ゴム組成
物に適宜添加することができる。この場合、該ゴム組成
物の加硫前の粘度を低下させ、その流動性を高めること
ができ、極めて良好に押出を行うことができる。
【0036】前記加硫を行う装置、方式、条件等につい
ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。前記加硫を行う装置としては、例えば、通常
タイヤ用ゴム組成物の加硫に用いる金型による成形加硫
機などが挙げられる。前記加硫の条件として、その温度
は、通常100〜190℃程度である。
【0037】本発明のゴム組成物は、各種分野において
好適に使用することができるが、耐摩耗性及び低発熱性
を両立することが特に要求される構造物に好適に使用す
ることができ、タイヤのトレッド等に特に好適に使用す
ることができる。また、更生タイヤの貼り替え用のトレ
ッド、中実タイヤ、氷雪路走行に用いるゴム製タイヤチ
ェーンの接地部分、雪上車のクローラー、等にも使用す
ることができる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明は、これの実施例に何ら限定されるものではない。
【0039】(実施例1〜7及び比較例1〜3)表1に
示す組成のゴム組成物を、加硫装置を使用して加硫(条
件:145℃で30分)した。なお、各ゴム組成物は、
更に、ステアリン酸2.0重量部、亜鉛華3.5重量
部、老化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−
N’−フェニル−p−フェニレンジアミン))2.0重
量部、加硫促進剤(N’−シクロヘキシル−2−ベンゾ
ジアゾチアジルスルフェンアミド)1.3重量部、及び
硫黄1.0重量部を含有している。
【0040】なお、各ゴム組成物に使用したカーボンブ
ラックの特性を表2に示した。表2において、「DB
P」は、前記ジブチルフタレート(DBP)吸油量を表
し、上述のようにして測定した。「Dw/Dn」は、前
記凝集体の重量平均径(Dw)と数平均径(Dn)との
比(Dw/Dn)を表し、「Dw」は、前記凝集体の重
量平均径(Dw)を表し、「Dn」は、前記凝集体の数
平均径(Dn)を表し、これらは、Disc Cent
rifuge Photosedimentmeter
(DCP: Brook Haven社製、BI−DC
P)を使用して求めた。「TINT」は、前記比着色力
(Tint)を表し、JIS K6221−1982
A法に準拠した方法により測定した。「N2SA/I
A」は、前記窒素吸着比表面積(N2SA)とヨウ素吸
着量(IA)との比(N2SA/IA)を表し、「N2
SA」は、前記窒素吸着比表面積(N2SA)を表し、
上述のようにして測定し、「IA」は、前記ヨウ素吸着
量(IA)を表し、上述のようにして測定した。「D5
0/Dst」は、前記凝集体の半値幅(ΔD50)と最頻
値(Dst)との比(ΔD50/Dst)を表し、「D5
0」は、前記凝集体の半値幅(ΔD50)を表し、上述の
ようにして測定し、「Dst」は、前記凝集体の最頻値
(Dst)を表し、上述のようにして測定した。
【0041】前記加硫後に得られたゴム組成物につい
て、耐摩耗性及び低発熱性を以下のようにして評価し
た。その結果を表1に示した。
【0042】<耐摩耗性>ランボーン摩耗試験機を用
い、摩耗損失量を測定し、下式により算出した。 耐摩耗指数={(比較例1のゴム組成物の試験片の容積
損失量)/(供試験片の容量損失)}×100 比較例1のゴム組成物を100として指数表示した。即
ち数値が大きい程、耐摩耗性が良好である。
【0043】<低発熱性>長さ20mm、幅4.7mm
及び厚み2mmのサンプルを用意し、該サンプルに対し
て、スペクトロメータを用いて加振周波数50Hzで、
2%の繰り返し歪みを加えて60℃のtanδを測定し
た。比較例1のゴム組成物を100として指数表示し
た。即ち数値が大きい程、低発熱性が良好である。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】なお、表1において、「天然ゴム」は、R
SS♯1であり、「ポリブタジエン」は、JSR社製、
BR01であり、「カーボンブラック」A〜Jは、試作
品である。
【0047】表1及び表2の結果から、以下のことが明
らかである。即ち、比較例1のように、前記DBP吸油
量が140ml/100g未満であると、耐摩耗性が十
分でなく、低発熱性の向上も観られない。また、前記比
(Dw/Dn)が1.80未満であると、低発熱性の向
上が観られない。これに対し、本発明の実施例の場合に
は、互いに背反する耐摩耗性及び低発熱性を両立し、こ
れらをバランス良く向上させることができる。なお、前
記比着色力(Tint)が、Tint≧0.100×窒
素吸着比表面積(N2SA)+93の不等式を満たさな
い実施例7では、耐摩耗性がやや低下する傾向が観られ
た。また、前記比(ΔD50/Dst)が1.05未満で
ある実施例6では、低発熱性がやや低下する傾向が観ら
れた。
【0048】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができ、互いに背反する特性である耐
摩耗性と低発熱性とを両立し、これらをバランス良く向
上させ、タイヤのトレッド等をはじめとする各種分野に
おいて好適に使用することができるゴム組成物を提供す
ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ば
    れた少なくとも1種からなるゴム成分と、ジブチルフタ
    レート(DBP)吸油量が140〜200ml/100
    gであり、凝集体の重量平均径(Dw)と数平均径(D
    n)との比(Dw/Dn)が1.80〜2.40であ
    り、かつ比着色力(Tint)が、Tint≧0.10
    0×窒素吸着比表面積(N2SA)+93であるカーボ
    ンブラックと、を含有することを特徴とするゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 カーボンブラックにおける、窒素吸着比
    表面積(N2SA)が100〜180m2/gであり、窒
    素吸着比表面積(N2SA)とヨウ素吸着量(IA)と
    の比(N2SA/IA)が0.70〜1.00である請
    求項1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 カーボンブラックの凝集体の半値幅(Δ
    50)と最頻値(Dst)との比(ΔD50/Dst)が
    1.05〜2.50である請求項1又は2に記載のゴム
    組成物。
  4. 【請求項4】 カーボンブラックにおける、ジブチルフ
    タレート(DBP)吸油量が140〜180ml/10
    0gであり、窒素吸着比表面積(N2SA)が100〜
    170m2/gであり、窒素吸着比表面積(N2SA)と
    ヨウ素吸着量(IA)との比(N2SA/IA)が0.
    80〜1.00である請求項1から3のいずれかに記載
    のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 カーボンブラックを、ゴム成分100重
    量部に対し、30〜70重量部含有する請求項1から4
    のいずれかに記載のゴム組成物。
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