JP2001123090A - タイヤトレッド配合用カーボンブラック - Google Patents
タイヤトレッド配合用カーボンブラックInfo
- Publication number
- JP2001123090A JP2001123090A JP30378399A JP30378399A JP2001123090A JP 2001123090 A JP2001123090 A JP 2001123090A JP 30378399 A JP30378399 A JP 30378399A JP 30378399 A JP30378399 A JP 30378399A JP 2001123090 A JP2001123090 A JP 2001123090A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon black
- dst
- properties
- ratio
- tire tread
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
もに、高苛酷条件下での耐摩耗性を向上させた高ストラ
クチャーのタイヤトレッド配合用カーボンブラックの提
供。 【解決手段】 窒素吸着比表面積(N2SA)が100
m2/gを越え180m 2/g未満、DBP吸油量(D
BP)が140ml/100gを越え200ml/10
0g未満という基本的特性を有するカーボンブラックで
あって、(l)N2SAとよう素吸着量(IA)の比
(N2SA/IA)の値が0.85〜0.98であり、
(2)遠心沈降分析により測定したアグリゲート特性
で、ストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(Ds
t)に対する分布曲線の半値幅(ΔD50)の比(ΔD
50/Dst)が1.30を越え2.50未満の条件を
満たすものであることを特徴とするタイヤトレッド配合
用カーボンブラック。
Description
ゴム組成物に配合されるカーボンブラックに関し、より
詳しくは配合ゴム組成物に対して耐摩耗性、ティアー性
(伸び特性)、加工性を低下させることなく、タイヤト
レッド配合用として有用な発熱特性を大幅に改良するこ
とのできるカーボンブラックを提供するものである。
件下のファーネス炉内で発生させた、および/または外
部で発生させて炉内に導入された、高温燃焼ガス中へ、
原料炭化水素を噴霧させ、この原料炭化水素の熱分解ま
たは不完全燃焼により生産される、産業上有用な原材料
であり、ゴム配合時の組成物に対して機械的性質、特に
引張り強さ、耐摩耗性などの特性を飛躍的に向上させる
ことができるという特異な性質を有することから、タイ
ヤをはじめとする各種ゴム製品の充填補強剤として広く
用いられるとともに、その色彩的特徴である黒色度を利
用して各種塗料、インキ用原材料としても利用されてい
る。
化学的特性、すなわちカーボンブラックを構成する単位
粒子径、単位重量当たりの表面積(比表面積)、粒子の
つながり度合(ストラクチャー)などにより配合ゴム組
成物の性能に大きな影響を与えるので、要求されるゴム
組成物によって各種特性の異なるカーボンブラックが選
択的に使用されている。
るゴム組成物においては、高速度で回転して道路面と接
触することによる摩損に対する耐性(耐摩耗性)に優れ
ていると同時に、接触で生じる繰り返し変形によるゴム
組成物のヒステリシス特性も重要な要素である。
摩耗性の向上は、タイヤ寿命、特に走行距離の増大をも
たらすので、タイヤの耐性にとって非常に大きなメリッ
トをもたらす。
積(小粒子径)化および高ストラクチャー化の方向でカ
ーボンブラックの開発が行われてきた。しかしながら、
耐摩耗性向上の要求は増大し、これに対応するためにカ
ーボンブラック表面の活性度向上(特開平1−2756
43号、特開昭61−207452号、特公平7−64
957号など)や遠心沈降分析により評価されるアグリ
ゲート分布の半値幅を小さくする(特開平6−9313
6号、特開昭63−264647号など)などの技術が
開示されている。
ブラックを用いて耐摩耗性を向上させる手段を採用した
場合、耐摩耗性向上の反面でゴム組成物の発熱性が大き
くなり、またティアー性(伸び特性)や加工性などの性
能が低下するという欠点を招来する。すなわち、耐摩耗
性と発熱性は互いに相反する特性として背反事項であ
り、これを解決するために種々の技術が提案されてい
る。
ブラックを用いた発明(特公平6−868号、特開昭6
4−74242号、特開昭63−199748号)、凝
集体空隙容積を特定した発明(特公平6−37582
号、特公平6−41540号、特公平7−755号)、
示差走査熱量計(DSC)により測定される粒子間のポ
ア分布モード径を特定した発明(特開平4−32553
5号、特開平4−370126号、特開平5−2555
42号)、希薄水分散物の可視光領域での吸光度の波長
依存性を特定した発明(特開平4−363344号、特
開平5−43740号、特開平5−170973号)な
どが、耐摩耗性と発熱性の性能を両立させる手段、方法
として開示されている。また、高ストラクチャー化によ
る対応も提案されている(特開平6−136289
号)。
項を両立(完全に両立させることは不可能で、ある程度
の点で妥協せざるを得ない)させる目的で前述のような
種々の手段が提唱されているが、未だ十分な性能を兼備
した配合ゴム組成物を与えることのできる特性を持つカ
ーボンブラックは見いだされていないのが現状であり、
本出願人はこれらの特性の両立を目指すとともに、これ
に加えてゴム組成物のティアー性(伸び特性)および加
工性を改良することを目的として特願平9−11183
9号(特開平10−287772号)発明を出願した。
この発明は、「窒素吸着比表面積(N2SA)が140
m2/gを越え200m2/g未満、DBP吸油量(D
BP)が110ml/100gを越え160ml/10
0g未満という基本的特性を有するカーボンブラックに
おいて、(1)N2SAとよう素吸着量(IA)の比
(N2SA/IA)の値が0.85〜0.98であり、
(2)遠心沈降分析により測定したアグリゲート特性で ストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(Dst)
が70〜90nmであり、 Dstに対する分布曲線の半値幅(ΔD50)の比
(ΔD50/Dst)が0.81を越え1.30未満 であるタイヤトレッド配合用カーボンブラックに係わる
ものであり、配合ゴム組成物に対して発熱特性を低下さ
せることなく、タイヤトレッド配合用として有用な、耐
摩耗性、ティアー性(伸び特性)および加工性を大幅に
改良するという優れた特性をゴム配合物に付与すること
のできるカーボンブラックを提供した。
トリックスとの相互作用(この結果として耐摩耗性、引
張り強さなどの機械的性質、ゴムの加工性、粘弾性特性
などに影響を及ぼす)、すなわち結合状態に着目すると
いう原点に戻り、これとカーボンブラックと物理化学特
性との関連性について研究を進め、その結果としてゴム
とカーボンブラックの結合における物理的結合と化学的
結合の割合を変化させることにより従来のカーボンブラ
ックがゴムマトリックスに及ぼす性能とはまったく異な
る性能を与えることができることを見いだして完成され
たものである。しかしながら、ストラクチャー特性(D
BP吸油量で評価)の上限が160ml/100gに限
定されていたために、ゴムマトリックスへの分散性、特
に表面積範囲で180m2/gを上回った場合のゴムへ
の分散性、発熱性およびヒステリシス特性において若干
の問題点を残していた。
よりも高いDBP吸油量の140ml/100gを越え
200ml/100g未満という高ストラクチャー側と
することで解決しようと試みたが、単にストラクチャー
のみを上げた場合、特に160ml/100gを上回っ
たカーボンブラックでは耐摩耗性において良好な特性を
示すが、発熱性やヒステリシス特性および加工性で特性
が低下することを見い出した。
るカーボンブラックの望ましいゴム配合特性・性能、す
なわち耐摩耗性を維持しながら、発熱性やヒステリシス
特性および加工性を低下させないで改良させるという課
題に鋭意取り組み、カーボンブラックアグリゲート特性
におけるストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(D
st)に対する分布曲線の半値幅(ΔD50)の比、Δ
D50/Dstを前出願の上限を上回る1.30を越え
2.50未満という従来よりも非常に大きい範囲に限定
することによりこの課題を解決し、本発明を完成したも
のである。
面積(N2SA)が100m2/gを越え180m2/
g未満、DBP吸油量(DBP)が140ml/100
gを越え200ml/100g未満という基本的特性を
有するカーボンブラックであって、(l)N2SAとよ
う素吸着量(IA)の比(N2SA/IA)の値が0.
85〜0.98であり、(2)遠心沈降分析により測定
したアグリゲート特性で、ストークス相当径の分布曲線
の最多頻度値(Dst)に対する分布曲線の半値幅(Δ
D50)の比(ΔD50/Dst)が1.30を越え
2.50未満の条件を満たすものであることを特徴とす
るタイヤトレッド配合用カーボンブラックに関する。
BPが前述の特定範囲にあることは配合ゴム組成物に対
して高水準の耐摩耗性を保持するための基本的特性であ
る。
が互いに融合して形成されるブドウの房状の凝集体(ア
グリゲートとも呼ばれ、ゴムマトリックス中への最小分
散単位)の形態およびその分布が配合ゴム組成物の性能
に大きな影響を及ぼすことは既に公知であり、ゴム組成
物の特性を制御するために凝集体の形態特性を特定範囲
にするという前述したような発明が提唱されている。
えて、N2SA/IAの値を0.85〜0.98という
特定範囲とするとともに、従来のハード系カーボンブラ
ックでは達成されなかった遠心沈降分析により測定した
アグリゲート分布の最多頻度値(Dst)と分布曲線の
半値幅(ΔD50)の比、ΔD50/Dstが1.30
を越え2.50未満というずっと大きい側に制御するこ
とが必須要件となっている。
には配合ゴム組成物に十分な耐摩耗性を確保することが
困難となるので好ましくなく、逆に180m2/gを越
えた場合にはたとえアグリゲート特性が本発明の範囲を
満たして大きくなったとしてもゴムマトリックスへの分
散性が低下し、その結果として耐摩耗性は逆に低下する
傾向にあり、加えて配合ゴムの加工性が低下するので、
100m2/gを越え180m2/gの範囲とする。よ
り望ましいN2SAの範囲は130〜160m 2/gの
範囲である。
素吸着量(IA)〔よう素吸着量はN2SA値と同様に
カーボンブラックの表面積を評価する他の手段である〕
との比、N2SA/IAの値を通常のカーボンブラック
の場合よりも低位とすることが必要であり、この値を
0.85〜0.98の範囲とすることが本発明では必須
条件となる。
る0.85を下回った場合には補強性が著しく低下し、
とくにタイヤにおいて最重要特性の1つである耐摩耗性
で大きな低下がみられ、逆に0.98を上回った場合で
は加工性や伸び特性において低下が見られ、また耐摩耗
性も若干ながら低下する傾向があるので好ましくない。
より好適なN2SA/IAの範囲は0.88〜0.95
である。
であり、140ml/100gを下回った場合には十分
な耐摩耗性が維持できず、また200ml/100gを
上回った場合には通常のカーボンブラック配合量ではゴ
ム組成物の粘度が上昇し、加工性と伸び特性での低下が
見られるので好ましくない。DBPのより望ましい範囲
は150〜185m1/100gである。
を有するカーボンブラックにおいてN2SA/IAの比
を0.85〜0.98の特定範囲とするとともに、遠心
沈降分析により得られたカーボンブラック凝集体の分布
の最多頻度値(Dst)と分布曲線の半値幅(ΔD5
0)の比、ΔD50/Dstの値が1.30を越え2.
50未満という従来よりもずっと大きい側とするという
2つの条件を満たすことである。これらの条件を満足す
ることにより、前出願における2つの基本特性での数値
限定範囲を拡大したにもかかわらず耐摩耗性、ティアー
性(伸び特性)、加工性を低下させることなく、タイヤ
トレッド配合用として有用な発熱特性での大幅な改良に
寄与できるのである。
<10,000であることが好ましい。このような条件
を満たしてさえいれば、ΔD50/Dstが1.30を
上廻っていても配合ゴム特性における耐摩耗性が低下し
ないという大きな利益が得られる。
は、下記の方法により測定される。
法により測定され、単位重量当たりの比表面積m2/g
で表示される。
より測定され、単位重量当りのよう素吸着量mg/gで
表示される。
法で測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収
されるジブチルフタレート(DBP)のmlで表示され
る。
クアグリゲートサイズの分析法 測定装置:高速ディスク遠心法超微粒子粒度分析計(測
定装置名:BI−DCP、BROOKHAVEN IN
STRUMENTS CORPORATION社製) 測定方法:JIS K 6218 に基づいて乾燥した
カーボンブラック試料を少量の界面活性剤(ノニデット
P−40)を加えよく練ってペースト状にしたのち20
容量%エタノール水溶液と混合しカーボンブラック濃度
200mg/lの分散液を作成し、超音波ホモジナイザ
ーで十分に分散させ試料とする。前記装置の回転数を
8,000rpmに設定し、スピン液(純水、24℃)
を10.0ml加えたのち、1.0mlのバッファー液
(20容量%エタノール水溶液、24℃)を注入する。
次いで24℃のカーボンブラック分散液0.5mlを注
入し測定を開始する。カーボンブラック分散液を加えて
からの経過時間と吸光度の分布曲線より各時間tに対応
するストークス相当径を下記式(1)により算出する。
数、Δρはカーボンブラック粒子と溶媒の密度差、Ri
はカーボンブラック分散液注入点の半径、Rdは吸光度
測定点までの半径、tは時間(分)である。
値幅(ΔD50)ならびにΔD50/Dstの定義]分
布曲線における最多頻度値でのストークス相当径をDs
tモード径(nm)とし、最多頻度値の50%頻度に相
当する大小2点のストークス相当径の差(半値幅)をΔ
D50(nm)とする。
ら詳しく説明するが、これにより本発明の範囲が限定さ
れるものではないことはいうまでもない。
てRun No.1〜8のカーボンブラックを製造し
た。
さ400mm)2の内部に炉頭部外周から導入される酸
素含有ガスを整流する整流板5を有する酸素含有ガス導
入用円筒(内径250mmφ、長さ300mm)4とそ
の中心軸に燃料導入装置を備え、前記円筒の下流側は次
第に収れんする収れん室(上流端内径370mmφ、下
流端内径80mmφ、収れん角度5.3°)8となり、
かつ収れん室8の下流側には図2に10B平面で例示し
たような4つの原料油噴霧口(10B−1、10B−
2、10B−3、10B−4)を同一平面上に設置した
4つの別個の平面を形成する原料油噴霧口(10A〜l
0D)を含む原料油導入室11を有し、この下流側は反
応室12および反応停止用急冷水圧入噴霧装置(a〜
h)を備えた反応継続兼冷却室(内径140mmφ、長
さ2000mm)13からなる、全体が耐火物で覆われ
た製造炉1を用いた。
℃)のA重油を用い、原料油としては表1に示した性状
の重質油を使用した。
2〜3に示した操作条件によりISAF級からSAF級
のカーボンブラックを製造した。
ーボンブラックの製造条件>表2〜3に記載のカーボン
ブラック製造条件は、前述の製造装置を用いて実施例カ
ーボンブラックおよび比較例カーボンブラックを原料油
導入位置、導入総空気量、原料油導入量、原料油導入圧
力および温度、反応停止用冷却水導入位置、燃料導入量
などの条件を調整して製造した条件を示したものであ
る。
(N2SA)の調整は原料油導入量と総空気導入量との
比率を変化させることにより行うことができ、導入空気
量の割合を増加させることにより表面積は増大する。2
つの表面積指標の比であるN 2SA/IAの制御は、カ
ーボンブラック生成反応後の反応停止位置、すなわち原
料油が炉内に導入されてから冷却されるまでの時間によ
り行うことができ、より下流側(反応停止までの時間が
長い)で行うことによりこの値は小さくなる。また、ア
グリゲート特性、すなわち遠心沈降分析によるストーク
ス相当径の最多頻度値(Dst)に対する分布曲線の半
値幅(ΔD50)の比であるΔD50/Dstの値を従
来にはなかった大きな側に制御することが必須条件であ
るが、この制御は主に原料油の導入位置を組合せること
により行った。
よび比較例カーボンブラックの製造条件を表2〜3に、
製造された各カーボンブラックおよび対照カーボンブラ
ックの物理化学的特性を表4〜5に示した。
カーボンブラックの性能を評価するために、表6に示し
た配合比率でゴム組成物を調整し、これらカーボンブラ
ックの特性試験を行った。その結果を表7および表8に
示した。
の試験条件により測定した。 ゴム特性試験条件 1)配合ゴム組成物の加硫条件 145℃、30分 2)耐摩耗性試験 ランボーン摩耗試験機を用い、苛酷度の高いスリップ率
60%で摩耗試験を行い、下式で算出した対照サンプル
旭#90に対する耐摩耗指数(ランボーン摩耗指数)で
表示した。 耐摩耗指数=(S/T)×100 S:対照例(旭#90)配合試験片の摩耗減量 T:供試試験片における摩耗減量 3)損失正接 (株)岩本製作所製粘弾性スペクトロメーター(型式V
ES−F−III)を用い、下記の測定条件で損失正接
(tanδ)を測定し、対照カーボンブラック(旭#9
0)に対する指数で表示した。 測定条件 周波数 : 50Hz 動的歪み率 :±1% 測定温度 :25℃ 初期荷重 :160g重 4)分散性 Rubber Worldの1969年9月号(第16
0巻第6号)第63−70頁(著者:H.E.Rail
sbachら)に記載の方法に準じて、配合ゴム表面を
32倍に拡大した顕微鏡写真を用い、10〜1に区分さ
れた標準見本のどのランクに該当するかを目視で判定し
た。なお、ランクの中間にあると判定したサンプル、例
えば7と8の中間の場合には7.5と表示した。 5)その他のゴム特性 JIS K6300−1974およびK6301−19
75に記載の方法に準じて測定した。
有する実施例および比較例のカーボンブラックをゴムに
配合した組成物の測定結果(表7〜8)の結果から、本
発明カーボンブラックの効果を説明する。Run N
o.1〜4のカーボンブラックは本発明にかかるもので
あり、Run No.5〜8のカーボンブラックは本発
明の特定要件のlつまたは2つの要件を外れた比較例、
Run No.9は対照カーボンブラック〔SAF級カ
ーボンブラック、商品名 旭♯90、旭カーボン(株)
製〕である。
つであるN2SAが特許請求の範囲の上限を上回った比
較例である。比較例のRun No.5、6、7は、ア
グリゲート特性ΔD50/Dstにおいて本発明範囲の
下限を下回った例であり、また、Run No.5、6
は、N2SA/IAの値が本発明範囲の上限を上回った
比較例である。これらの実施例および比較例カーボンブ
ラックの各特性項目ごとの評価は次の通りである。
びDBP吸油量の基本特性がほぼ同じであるが、N2S
A/IAの特性においてRun No.6は本発明の範
囲を大きい側に外れているためにムーニー粘度において
大きい値を示している。また、N2SAが本発明範囲の
上限を越えたRun No.8でも従来品よりも高い値
のムーニー粘度値の上昇が認められるので、N2SAの
上限は180m2/gとする。Run No.2と対照
例9は近似したN2SAを有しているが、ムーニー粘度
特性に影響を及ぼすもう一つの特性であるDBP吸油量
が対照例9よりもかなり大きくなっているにもかかわら
ずこの値は同等となっており、本発明効果が明らかであ
る。
特性について 耐摩耗性(ランボーン摩耗指数)と損失正接(tan
δ)の両特性を軸とし、実施例1〜4、比較例5〜8、
対照例9をプロットしたものが図5である。図5より実
施例のグループ(Run No.1〜4)と比較例、対
照例のグループは明らかに異なるシリーズとして区別す
ることができ実施例は耐摩耗性を低下させることなく、
損失正接の値を小さくできており、すなわち発熱性を大
きく改良していることが分かる。実施例、比較例をそれ
ぞれ見てみると、比較例5、6はアグリゲート特性、N
2SA/IA値が本発明範囲を外れているために対照例
9とほぼ同じ物性となってしまっている。また比較例7
はアグリゲート特性のΔD50/Dstが非常に小さい
ために、耐摩耗性は対照例以上だが、発熱性が大きく劣
っている。N2SA値が本発明範囲の上限を上回ったR
un No.8では分散が悪く耐摩耗性は改良されず発
熱性の悪化が大きくなってしまっているが、これはN2
SAが大きすぎたためにゴム中への分散が悪化してしま
ったために耐摩耗性が改良されなかったと考えられる。
その為にN2SAの上限は180m2/gとした。発熱
性(tanδ)に大きな影響を与えるカーボンブラック
特性であるN2SAを横軸としてプロットしたものが図
6である(図の下の方向が改良方向)。この図から同じ
N2SAでも本発明の実施例1〜4は比較例、対照例と
比較して発熱性のメリットは明確であることが分る。
No.8では分散性を示す数値が大きく低下してい
る。本発明の実施例は全て9以上であり、本発明カーボ
ンブラックの分散特性における優位性が明確に示されて
いる。
−11839号(特開平10−287772号)で開示
したカーボンブラックの特性をさらに改良したカーボン
ブラックである。すなわち、前出願では発熱特性を低下
させることなく、タイヤトレッド配合用として有用な、
耐摩耗性、ティアー性(伸び特性)および加工性を大幅
に改良することのできるカーボンブラックを開示、提供
した。この出願に係るカーボンブラックにより上記の各
ゴム特性においてほぼ満足すべき性能を配合ゴムに付与
することができたが、DBP吸油量の上限が160ml
/100gであり、またアグリゲート特性における要件
がモード径が大きいことのみであることから、若干なが
らゴムへの分散性、加工性で問題が残されていた。本発
明カーボンブラックは、これらの問題を解消するととも
に前出願の2つの基本特性の範囲を拡大しても、ΔD5
0/Dstで示されるアグリゲート特性を従来には全く
なかった1.30〜2.50という非常に大きい側にコ
ントロールするという特定のコロイダル特性とすること
により解決したものである。本発明で開示されたカーボ
ンブラック配合ゴム特性を掲載した表から明らかなよう
に、ゴム配合製品、特にタイヤトレッドに配合した場合
に望ましい性能を発揮することのできるものであり、産
業上有用なカーボンブラックである。
装置を示す部分拡大図であり、(b)は前記(a)にお
ける燃料油噴霧装置7の先端部分拡大図であり、(c)
は(b)のA−A断面図である。
る。
けるランボーン耐摩耗指数とN 2SAの関係を示すグラ
フである。
けるランボーン耐摩耗指数と損失正接の関係を示すグラ
フである。
Claims (3)
- 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が100
m2/gを越え180m2/g未満、DBP吸油量(D
BP)が140ml/100gを越え200ml/10
0g未満という基本的特性を有するカーボンブラックで
あって、(l)N2SAとよう素吸着量(IA)の比
(N2SA/IA)の値が0.85〜0.98であり、
(2)遠心沈降分析により測定したアグリゲート特性
で、ストークス相当径の分布曲線の最多頻度値(Ds
t)に対する分布曲線の半値幅(ΔD50)の比(ΔD
50/Dst)が1.30を越え2.50未満の条件を
満たすものであることを特徴とするタイヤトレッド配合
用カーボンブラック。 - 【請求項2】 (Dst×N2SA)<10,000で
ある請求項1記載のタイヤトレッド配合用カーボンブラ
ック。 - 【請求項3】 N2SAとよう素吸着量(IA)の比
(N2SA/IA)が0.88〜0.93である請求項
1または2記載のタイヤトレッド配合用カーボンブラッ
ク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30378399A JP5091371B2 (ja) | 1999-10-26 | 1999-10-26 | タイヤトレッド配合用カーボンブラック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30378399A JP5091371B2 (ja) | 1999-10-26 | 1999-10-26 | タイヤトレッド配合用カーボンブラック |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001123090A true JP2001123090A (ja) | 2001-05-08 |
JP5091371B2 JP5091371B2 (ja) | 2012-12-05 |
Family
ID=17925245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30378399A Expired - Fee Related JP5091371B2 (ja) | 1999-10-26 | 1999-10-26 | タイヤトレッド配合用カーボンブラック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5091371B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011126953A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-30 | Asahi Carbon Kk | ソフト系ファーネスカーボンブラック及びこれを配合したゴム組成物 |
JP2019026653A (ja) * | 2017-07-25 | 2019-02-21 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS644659A (en) * | 1987-06-26 | 1989-01-09 | Tokai Carbon Kk | Carbon black having wide agglomerate distribution |
JPH10287772A (ja) * | 1997-04-14 | 1998-10-27 | Asahi Carbon Kk | タイヤトレッド配合用カーボンブラック |
JPH10287771A (ja) * | 1997-04-14 | 1998-10-27 | Asahi Carbon Kk | タイヤトレッド配合用カーボンブラック |
JP2001123014A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-08 | Bridgestone Corp | ゴム組成物 |
JP2001123008A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-08 | Asahi Carbon Kk | タイヤトレッド用カーボンブラック |
-
1999
- 1999-10-26 JP JP30378399A patent/JP5091371B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS644659A (en) * | 1987-06-26 | 1989-01-09 | Tokai Carbon Kk | Carbon black having wide agglomerate distribution |
JPH10287772A (ja) * | 1997-04-14 | 1998-10-27 | Asahi Carbon Kk | タイヤトレッド配合用カーボンブラック |
JPH10287771A (ja) * | 1997-04-14 | 1998-10-27 | Asahi Carbon Kk | タイヤトレッド配合用カーボンブラック |
JP2001123014A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-08 | Bridgestone Corp | ゴム組成物 |
JP2001123008A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-08 | Asahi Carbon Kk | タイヤトレッド用カーボンブラック |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011126953A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-30 | Asahi Carbon Kk | ソフト系ファーネスカーボンブラック及びこれを配合したゴム組成物 |
JP2019026653A (ja) * | 2017-07-25 | 2019-02-21 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5091371B2 (ja) | 2012-12-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3810098B2 (ja) | ゴム組成物 | |
US4500672A (en) | Rubber composition comprising furnace carbon black | |
KR100610593B1 (ko) | 하드계 하이스트럭쳐 카본 블랙 및 그 카본 블랙을 배합한 고무 조성물 | |
JP5981918B2 (ja) | カーボンブラック、ゴム組成物及び空気入りタイヤ | |
AU756346B2 (en) | Improved inversion carbon blacks and method for their manufacture | |
US5100637A (en) | Carbon black for compounding into tire tread rubber | |
JP3782200B2 (ja) | タイヤトレッド配合用カーボンブラック | |
JPH0689267B2 (ja) | ソフト系カ−ボンブラツク | |
US4973463A (en) | Carbon black for tire tread | |
JP2001181534A (ja) | タイヤトレッド配合用カーボンブラック | |
US20080095696A1 (en) | Carbon black for functional rubber component | |
JP3895210B2 (ja) | カーボンブラック及びそのゴム組成物 | |
JPH06867B2 (ja) | ゴム用高補強フア−ネスカ−ボンブラツク | |
JPH1053723A (ja) | 新規なカーボンブラック | |
JPH0689268B2 (ja) | ソフト系カ−ボンブラツク | |
JP2001123090A (ja) | タイヤトレッド配合用カーボンブラック | |
JPH0643522B2 (ja) | ゴム補強用フア−ネスカ−ボンブラツク | |
JP2994157B2 (ja) | ハード系高ストラクチャーカーボンブラック | |
JP4394219B2 (ja) | タイヤトレッド用カーボンブラック | |
JP3283942B2 (ja) | ゴム組成物 | |
JPH0689266B2 (ja) | ソフト系カ−ボンブラツク | |
JP2945220B2 (ja) | ハード系高ストラクチャーカーボンブラック | |
JPH0643523B2 (ja) | ゴム補強用フア−ネスカ−ボンブラツク | |
JP2729975B2 (ja) | ゴム組成物 | |
JPH06256578A (ja) | ゴム組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061017 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100312 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100316 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100517 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20100517 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100601 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120914 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5091371 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |