JPH0689266B2 - ソフト系カ−ボンブラツク - Google Patents

ソフト系カ−ボンブラツク

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JPH0689266B2 JP16943784A JP16943784A JPH0689266B2 JP H0689266 B2 JPH0689266 B2 JP H0689266B2 JP 16943784 A JP16943784 A JP 16943784A JP 16943784 A JP16943784 A JP 16943784A JP H0689266 B2 JPH0689266 B2 JP H0689266B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、分類で中補強性(SRF)ないし汎用性(GPF)
に属するカーボンブラツクに関するものであり、さらに
詳しくは、当該カーボンブラツクを配合したゴム組成物
を優れた反発弾性や低発熱性を維持しながら相対的に高
い補強性を付与することのできるSRFないしGPF級のカー
ボンブラツクに係るものである。
ゴム配合用のカーボンブラツクは、大別して主にタイヤ
のトレツド用として使用されるハード系カーボンブラツ
クとカーカス用として使用されるソフト系カーボンブラ
ックに分けられ、この中でさらに耐摩耗性、作業性、加
工性、発熱性、押出性などの様々のゴム配合特性を考慮
して最も適切なカーボンブラツクが選択されて使用され
ている。
前述のゴム特性の各項目はゴムに配合するカーボンブラ
ツクの物理化学特性によつて大きく影響を受けることは
よく知られている。その中でもカーボンブラックの基本
的物性として、粒子径(または表面積)および粒子同士
のつながり(ストラクチヤー)が代表的なものである。
表面積を評価する方法としては電子顕微鏡による直接観
察、BET法による窒素吸着比表面積(N2SA)、よう素吸
着量(IA)およびセチルトリメチルアンモニウムブロマ
イド(CTAB)等の巨大分子の吸着による比表面積などが
その測定目的により選択されており、粒子径が小さくな
るほど、表面積が大きくなるほどその補強特性が上昇
し、その一方で発熱性等のヒステリシス特性は低下す
る。またストラクチヤーは通常ジブチルフタレート吸収
量(DBPA)で評価され、押出し特性や引張り強度などに
大きな影響をもつことは周知である。
しかし、上記のカーボンブラツク特性はカーボンブラツ
クを一つの塊りとしてとらえたあくまでもマクロ的なも
のであり、これのみから配合ゴム組成物の特性を把握す
ることは困難である。
本発明者らは、カーボンブラツクをマクロ的にとらえる
のではなく、もつとミクロ的なコロイダル特性について
広く研究し、この特性と配合ゴム特性とを検討した結
果、その動的特性に対してアグリゲートサイズ分布が大
きな要因となつていることを見い出し、本発明を完成さ
せたものである。
カーボンブラックは、厳密に制御された高温の炉(ファ
ーネス)内に原料油を噴霧、導入し、数10ミリ秒の間の
熱分解されて104〜109個の炭素原子が結合して単位粒子
となり、更にこの単位粒子が互いに数10〜数100個融合
して形成されたものがエラストマー中への最小分散単位
であるアグリゲートである。
このアグリゲートは非常に微細なものであり、通常は数
100nm(1nm=10-9m)の大きさを有している。これを評
価するには電子顕微鏡による直接観察という方法もある
が、測定装置、測定時間、分析方法などで難しい点があ
り、通常は遠心沈降分析法により評価されている。
これは懸濁液中の物質では粒子が大きいものほど早く沈
降するという原理を使用し、さらに沈降しにくい物質に
対しては高速で回転運動を与えることで沈降速度を上げ
ることにより微細物質の大きさを測定するものである。
実際には、カーボンブラックの希釈液に超音波を照射し
て十分に分散させ、この液を高速回転している円盤上に
注加し、経過時間ごとにある一定点を通過するカーボン
ブラックの量を吸光度として連続的に測定することによ
り行われる。この測定曲線の一例を第1図に示す。
この測定曲線を用いて、カーボンブラックアグリゲート
のストークス相当径は次式により算出される。
ここでd:アグリゲートのストークス相当径(nm) K:測定条件により決定される定数 t:経過時間(分) カーボンブラックアグリゲートのストークス相当径dも
連続的に変化する時間の関数であり、時間tでのカーボ
ンブラックアグリゲートの濃度として吸光度をプロット
すばアグリゲート相当径とその径でのカーボンブラック
濃度の関係を示す滑らかな曲線が得られる。
このアグリゲート相当径の対数を横軸、吸光度(濃度ま
たは頻度)を縦軸としてプロットすると、カーボンブラ
ックにおいてはほぼ対数正規分布を示すことが確かめら
れており、図1から算出したアグリゲート相当径と吸光
度の曲線は図2のようになる。
図1の測定曲線において、最大吸光度APにおける時間を
tP、1/2APにおける時間をtLおよびtS(tL<tS)とする
と、(1)式により換算されたアグリゲートのストーク
ス相当径は図2ではそれぞれDst、D50およびDS 50に対応
している。
ここで、カーボンブラックのアグリゲートサイズ分布指
数sは次の式で定義される。
s=0.84932×log(D50/Dst) (2) カーボンブラツクの平均アグリゲートサイズは(通常、
アグリゲートの最多頻度ストークス径で代表され、Dst
と呼ばれる)が大きければ、高反ぱつ弾性のゴム組成物
を与える一方で、比表面積の低下を伴い、従つて耐摩耗
性の低下を来たすという傾向にあり、動的特性と耐摩耗
性を兼備させることは、平均アグリゲートサイズ、すな
わち、Dstの大きさの制御のみでは殆ど不可能であつ
た。
試験的には、これを解決するために2品種またはそれ以
上のカーボンブラツクを混合して、所望の性能を発揮さ
せるべく研究も行われてはいるが、タイヤ製造の如き工
業的な大規模の使用に対応させるには、2種またはそれ
以上のカーボンブラツクを大量にかつ正確な配合比率で
混合する装置が見当らないばかりではなく、カーボンブ
ラツク特性による分散性の差異が生じるために、均一性
を有する製品も得られないと言う難点がある。
本発明者らは、単一製品のカーボンブラツクを配合した
ゴム組成物の動的特性に対するアグリゲートサイズの影
響に関し、最多頻度アグリゲートサイズよりも大なるア
グリゲートの多寡が上述した二律背反の条件を解決する
重要な要因となつており、最多頻度アグリゲートサイズ
値(Dst)と前記Dstよりも大きいアグリゲートサイズ側
であつてDstの1/2の頻度値を有するアグリゲートサイズ
値(DL 50)の2つの数値から計算されるアグリゲートサ
イズ分布指数sを、特定数値範囲、すなわち0.12ないし
0.15に保持せしめることにより、従来の同級品のカーボ
ンブラツクの反発弾性を維持しながらゴムに高い補強性
を付与することのできることを見出し、本発明に到達し
た。
このようなアグリゲートサイズ分布指数sを規定するこ
とは、次のような技術的な意味を有している。すなわ
ち、カーボンブラックの粒子が互いに結合して形成され
る最小分散単位であるアグリゲートを遠心沈降分析法で
評価した場合、従来ではアグリゲートの最多頻度値(Ds
t)とその分布(通常はΔD50=DL 50−DS 50で評価され
る、図2参照)との関係においてその一方が大きくなる
と他方の数値も大きくなるので、本来の意味で代表値
(本願発明ではDst)に対して分布がどのように変化し
たかを評価することは不可能だったのである。
そこで、前述したようにカーボンブラックアグリゲート
の対数値と吸光度(頻度)がほぼ正規分布を示すことを
利用し、DstとDL 50の数値を用いてその分布の標準偏差
と近似の意味合いを持つアグリゲートサイズ分布指数
(s)を定義することにより分布状態を評価するとい
う、まったく新しい概念を導入することが本願発明の基
礎となっているのであり、このsが導入されたことによ
り分布の形状がどのようになっているかを判断できる基
準がはじめて得られたのである。すなわち、このsとい
う評価基準を定義することにより、単にΔD50の値が大
きくなったとしてもDstとの関係であるsの値としては
逆に小さくなっているというなどの評価ができるのであ
る。
すなわち、本発明は、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜
40m2/g、ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が50〜100m
l/100gであり、かつアグリゲートサイズ分布指数sが0.
12〜0.15という特定の物性を有するカーボンブラツクを
提供するものである。
本発明者らが、多くの市販されているSRF級およびGPF級
カーボンブラツクのアグリゲートサイズ分布の測定を実
施したところ、アグリゲートサイズ分布指数sは大部分
が0.16〜0.17に集中しており、0.15を下回るものは皆無
であつた。これら市販カーボンブラツクでは反発弾性と
補強性の兼備という条件を満足することはできない。
本発明において、そのアグリゲート分布指数sを0.12〜
0.15という狭い側に保持させることにより、ほぼ同等の
N2SAおよびDBPA値を有するカーボンブラツクと比較し
て、反発弾性を同レベルに維持しながら補強性を大幅に
向上させるとことが可能である。
しかし、カーボンブラツクのsが0.15を上回るときには
反発弾性の上昇は認められるが、引張り強さ等の補強性
が同等のN2SAを有する従来カーボンブラツクのレベル以
上を維持できなくなるので好ましくない。また、sが0.
12に達しない場合には補強性の向上は満足できるが反発
弾性の低下を招き、従つて補強性と反発弾性の両特性の
兼備性を考慮した場合には、sは0.12〜0.15の範囲に保
持する必要がある。
以上のように、N2SAが20m2/g如何になると要求される補
強性の維持が困難となり、40m2/gを越えると反発弾性が
低下するので好ましくない。また、DBPA値が95ml/100g
を越えるとムーニー粘度が上昇し、接着性の低下等の悪
影響を招来する恐れがあるので好ましくなく、50ml/100
gを下回る場合には粒子凝集等による分散不良の発生が
見られるので好ましくない。
さらに、mg/gで表示される沃素吸着量(IA)と、m2/gで
表示される窒素吸着比表面積(N2SA)との比、IA/N2SA
は、カーボンブラツクの表面化学活性と何らかの相関を
有するものと考えられるが、この比が1.0を下回る事に
より動的特性および補強性に対してより好ましい特性を
示す。しかし、IA/N2SAの比が0.75を下回る場合には、
カーボンブラツク表面のタール状未分解物質の残存量が
増加し、配合未加硫ゴムがスコーチを起こし易く、また
分散不良の原因ともなるので好ましくないという傾向が
ある。
本発明カーボンブラツクは、補強性と反発弾性の良性能
を兼備したものであり、SRF級ないしGPF級カーボンブラ
ツクのアグリゲートサイズ分布指数sを0.12〜0.15を保
持することによりカーボンブラツク配合ゴム組成物に対
して従来品と同等の反発弾性を維持しながら補強性の顕
著な改善を達成する事が可能である。
以下に本発明カーボンブラツクの製造例を示す。
製造例 第5図、第6図および第7図に示したカーボンブラック
製造炉を用いて、本願発明カーボンブラックおよび比較
カーボンブラックを製造した。
円筒形状の燃焼室1(内径450mmφ、長さ300mm)と、前
記燃焼室前半部分において設置された接線方向に中心軸
を有する2個の第1の空気導入口(2および3:内径100m
mφ)および前記第1の空気導入口とは独立した6個の
放射状の第2の天然ガス導入口(4,5,6,7,8および9:内
径25mmφ)と、前記燃焼室に連結した最狭内径250mm
φ、長さ255mmのベンチュリ部と、前記ベンチュリ部の
下流側にも設けられ、かつ第1導入口の旋回方向に対し
て順方向(正接)または逆方向(逆接)で導入できるよ
うに設けた同一断面の上下端を通る2組の第3の空気お
よび/または天然ガス導入口(No.1の11〜14およびNo.2
の15〜18:内径40mmφ)が設置され、第3の導入口の下
流側空間内に複数個の冷却水圧入噴霧装置(a〜g)を
設置した反応継続兼冷却室(18:内径500mmφ、長さ400m
m)とからなる、全体が耐火物で被覆されたカーボンブ
ラック製造炉を用い、原料油の導入位置、第1および第
2の導入口よりの空気および天然ガスの供給条件、第3
の導入口からの空気および/または天然ガスの供給条件
および旋回方向などを適宜調節して、比表面積(N2S
A)、ストラクチャー(DBPA)、アグリゲート最多頻度
値およびアグリゲートサイズ分布指数(s)の異なるSR
F級ないしGPF級カーボンブラックを製造した。
より詳しくは、表面積(N2SA)の制御は原料油導入量と
導入空気量の比率により調整を行ない、表面積が大きく
する場合には空気の導入量を増し、小さくする場合には
これを減らして制御した。
アグリゲートサイズ分布の制御は、主として反応室にお
ける流動状態により行なった。すなわち、反応室に導入
する空気量、特に正接から導入する空気量を多くするこ
とによりこの分布を狭く(sより小さく)し、逆接導入
量を増すことにより分布を広くしている。この流動変化
による効果は上流側、すなわち11〜14を使用した場合に
大きくなる。さらに、単に空気のみでなく、燃料を添加
することによりサイズ分布を小さく制御する有効な手段
となる。これに加え、原料油の導入位置も大きな制御因
子となっている。すなわち、ベンチュリ入口に近い個所
で原料油を導入した場合には、ベンチュリにより燃焼ガ
スの流動速度、密度が上がった状態に導入することとな
り、これによりサイズ分布指数は小さい側に移動し、逆
に上流側に移動した場合にはこの指数は大きくなる。
また、望ましい要件であるIA/N2SAの比率の制御は、反
応継続兼急冷却室に複数個設置された冷却水圧入噴霧装
置a〜gのいずれかを使用するかによって制御した。す
なわち、IA/N2SAの値の小さい側に制御する場合には上
流側にある装置を使用し、大きい場合には下流側の装置
を使用することにより調整した。
上述した制御条件を組み合わせることにより、本発明カ
ーボンブラックおよび比較カーボンブラックを製造し
た。なお、ストラクチャーの制御では主として原料油へ
のアルカリ金属添加量により調節した。
各種カーボンブラックの製造条件および製造されたカー
ボンブラックの物理化学特性を表‐1に示した。
なお、対照カーボンブラツクとしてSRF-LM(旭#35)、
SRF(旭#50)およびGPF(旭#55)のカーボンブラツク
の性状についても併記した。
原料油としては比重(15/4℃)1.130、動粘度16.8cSt
(50℃)、残留炭素9.5%、初留点202℃BMCI160の性状
を有する高芳香族炭化水素を用い、軸方向に噴霧導入し
た。
本発明によるカーボンブラツクの各特性は、次のように
して測定される。
DBP吸収量(DBPA):JIS K 6221-1982A法による。
沃素吸収量(IA):JIS K 6221-1982による。
比着色力 :JIS K 6221-1982A法による。
沈降分析によるカーボンブラツクアグリゲートサイズ分
析法 使用機器 Disk Centrifuge(Photo sedimentomenter)(DCF)
(英) Joyce Loebl社製 測定法 若干の界面活性剤を加えた30%メタノール水溶液中に、
0.05〜0.1%のカーボンブラツクを加え、超音波処理を
施して完全に分散せしめる。25v/v%グリセリン水溶液
の沈降液(スピン液)15〜30mlを注加した回転デイスク
(disk)の回転数を6000rpmとし、0.1〜0.5mlの純水を
注加して常法によりバツフアラインを形成せしめた後、
上記分散液0.2〜0.3mlを注加する。
分散液の注加と同時に記録計を動作せしめ、回転デイス
クの外周近傍の一定点を沈降によつて通過するカーボン
ブラツクアグリゲートの量を光学的に測定して、その量
を時間に対するヒストグラムとして記録する。
沈降時間を、下記の式(Stokesの式の一般型)により、
ストークス相当径に換算し、カーボンブラツクアグリゲ
ートのストークス相当径とその頻度のヒストグラムを得
る。
式(1)において、dは沈降開始後の時間tで回転デイ
スクの光学的測定点を通過するカーボンブラツクアグリ
ゲートのストークス相当径である。
定数Kは、測定時のスピン液の量、粘度、およびカーボ
ンブラツクとの密度差(カーボンブラツクの真密度を1.
86g/mlとする)、更に回転デイスクの回転数によつて決
定される定数である。例えば、スピン液として25v/v%
グリセリン水溶液25mlを用い、測定温度20℃でデイスク
回転数6000rpmとした場合のK値は792.0となり、dはn
m,tは分で表示される。
Dst及びsの定義 上記測定操作によつて得られるアグリゲートのストーク
ス相当径ヒストグラムにおいて、最多頻度(実際には、
光学的測定を行なつているので最大吸光度である)を与
えるストークス相当径をDst(mode)と称し、カーボン
ブラックアグリゲートの平均的大きさの目安とする。
また、当該ヒストグラムにおいて、Dst(mode)の示す
頻度(吸光度)の二分の一の頻度(吸光度)を示し、か
つDst(mode)よりも大なるストークス相当径をDL 50
したとき、アグリゲートサイズ分布指数sは、 s=0.84932×log(DL 50/Dst) で定義される。これは、比較的大きなアグリゲートサイ
ズの分布広さの目安となる。
性能評価試験 表−1に示したカーボンブラツクの性能評価をする為
に、表−2に示す配合比をもつてゴム組成物を調製し、
種々の試験に供した。
各ゴム組成物の性能評価は、次のゴム特性試験条件によ
り測定評価した。
ゴム特性試験条件 配合物の加硫条件:145℃,30分 押出試験:ASTM D2230-77 A法に準じて測定する。
耐摩耗試験:ランボーン摩耗試験機を用い、スリップ
率25%で測定し、耐摩耗性は下式で求める。
耐摩耗指数=(S/T)×100 (%) ここでS:IRBNo.5試験片の25%スリツプ率での容積損
失。
T:供試試験片の25%のスリツプ率での容積損失。
反発弾性試験:レジリエンステスター(東洋精機製作
所製)を用い、B.S(British Standard)903:Part A8 :
1963 発熱特性:ASTM D 623に準じて測定する。
その他のゴム特性:JIS K 6300-1974およびJIS K 6301
-1975に準じて測定する。
各カーボンブラツクにおけるゴム特性については、表−
3にとりまとめて示す。
表−3からの考案 1.補強性 補強性を示す値として引張り強さに着目すると、DBPAお
よびN2SAの近似するRun No.1と対照のSRF-LM(旭#35)
の比較において、sの値を小とすることにより引張り強
さが向上していることがわかる。同様に、Run No.2と対
照SRF(旭#50)、およびRun No.3,4および6とGPF(旭
#55)の比較においてもsの値の小さな本発明の法がす
ぐれた補強性を示している。
しかし、Run No.3では望ましい要件であるIA/N2SAが1.0
よりも大であるため、IA/N2SAが1.0より小であるRun N
o.4よりも補強性の若干の低下が見られるが、それで
も、sの値が0.15を越える対照GPF(旭#55)よりも大
きな補強性を示す。
2.動的特性 DBPAおよびN2SAが夫々近似している本発明ブラツクと対
照ブラツクの動的特性を比較すると、反発弾性、発熱特
性のいずれにおいても同等の値を示す。しかし、sの値
が0.12を下回るRun No.5においては、それよりもN2SAの
大きなRun No.8よりも動的特性が劣り、sの値は0.12を
下限することが理解される。
Run No.7において、N2SAが40m2/gに近接しているため
に、動的特性はRun No.8とほとんど同程度にまで低下し
ている。
3.その他の特性 Run No.6に見られるように、DBPAが95ml/100gに近づく
とムーニー粘度が上昇することが認められ、さらにムー
ニー粘度が高くなると加工性、作業性に障害をきたす恐
れがあるので、DBPAは95ml/100gを上限とする。以上の
ように、DBPA50〜95ml/100g、N2SA20〜40m2/g、かつア
グリゲートサイズ分布指数sが0.12〜0.15であつて、望
ましくはIA/N2SAが0.75〜1.0である本発明のカーボンブ
ラツクは、ゴム組成物の動的特性および加工性、作業性
を何ら低下させることなく、補強性の向上を達成できる
カーボンブラツクを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、遠心沈降分析によりカーボンブラックアグリ
ゲートを測定した場合の経過時間と吸光度との関係を示
す測定曲線の一例である。第2図は第1図に示した曲線
において、アグリゲートのストークス相当径の対数と頻
度値の関係をプロットしたものである。第3図は第2図
に示した頻度値vs時間の測定曲線から得られる2種の異
なるカーボンブラックのアグリゲート分布曲線を示した
ものである。 第4図はカーボンブラックのアグリゲート分布での従来
品との差異を模式的に示したものである。第5図は本願
発明カーボンブラックの製造に用いられる装置の一例を
示す縦断面図であり、第6図は第5図のA-A矢視におけ
る断面図、第7図はB-B矢視における断面図である。 1……燃焼室、2,3……空気導入口 4〜9……天然ガス導入口 10……ベンチュリ部 11〜17……空気、天然ガス導入口 18……反応継続冷却室 a〜g……冷却水圧入噴霧装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜40m2/g、
    ジブチルフタレート吸収量(DBPA)が50〜95ml/100gで
    あり、かつ下式で算出されるアグリゲートサイズ分布指
    数(s)が0.12〜0.15の範囲にあるカーボンブラツク。 s=0.84932×log(DL 50/Dst) ここで、s:アグリゲートサイズ分布指数 Dst:遠心沈降分析によつて得られる最多頻度のストクー
    ス相当径 DL 50:Dstより大で、Dstの1/2の頻度を有するストークス
    相当径
  2. 【請求項2】窒素吸着比表面積(N2SA)の測定値(m2/
    g)と沃素吸着量(IA)の測定値(mg/g)の比、IA/N2SA
    が0.75〜1.0の範囲にある、特許請求の範囲第1項記載
    のソフト径カーボンブラツク。
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