JPH10130423A - 機能部品ゴム配合用カーボンブラックおよびそれを含む機能部品用ゴム組成物 - Google Patents
機能部品ゴム配合用カーボンブラックおよびそれを含む機能部品用ゴム組成物Info
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- JPH10130423A JPH10130423A JP29976496A JP29976496A JPH10130423A JP H10130423 A JPH10130423 A JP H10130423A JP 29976496 A JP29976496 A JP 29976496A JP 29976496 A JP29976496 A JP 29976496A JP H10130423 A JPH10130423 A JP H10130423A
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Abstract
び耐屈曲性において優れた性能を示すとともに、各種ゴ
ム補強材料への接着性にも良好な新規な機能部品ゴム配
合用カーボンブラックとそれを含む機能部品用ゴム組成
物。 【解決手段】 窒素吸着比表面積(N2SA)が130
m2/gを越え160m2/g以下、ジブチルフタレート
(DBP)吸油量(DBPA)が60〜100ml/1
00gのハード系カーボンブラックにおいて、 1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比が1.10
以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲート特性が、 a. アグリケートの最多頻度値(Dst)と式(1)
で算出される計算アグリゲート径(Da)との比が1.
25以上 b. Dstと、Dstより大きくかつDstの1/2
の頻度を有するDL 50から式s=0.84932×lo
g(DL 50/Dst)で算出されるアグリゲートサイズ
分布指数sが0.17以上である。
Description
高圧ホース、ゴムロールなどに用いられる、高度の耐摩
耗性、耐亀裂性、耐屈曲性に優れるとともに、各種材料
への接着性にも優れた機能部品のゴム部材に好適なゴム
補強性カーボンブラックおよびこれを含む機能部品用ゴ
ム組成物に関するものである。より詳細には、SAF級
以上のいわゆるハード系カーボンブラックにおいて、同
等の比表面積を有する従来のカーボンブラックに比較し
て、その配合ゴム組成物の耐摩耗性、硬度、耐亀裂性な
どの特性を同等以上に維持しながら、布やスチールコー
ドなどへの接着性を向上させることのできる機能部品ゴ
ム配合用カーボンブラックおよびこれを含む機能部品用
ゴム組成物に係るものである。
などで使用される各種工業用ゴム製品に用いられるゴム
部材においては、過酷な使用条件下において優れた耐亀
裂発生性、耐疲労性が要求されるとともに、各種の繊
維、ワイヤなどの構造補強材との接着性にも優れたゴム
組成物が望まれている。
性等を向上させる補強性を有しているためにゴム補強剤
として広く用いられているが、カーボンブラックの特性
が配合ゴム組成物の要求性能に大きな影響を与える主要
な因子となるために種々の特性を有するグレードがあ
り、用途に合わせた品種が適宜使用されている。
されるゴム部材用には比較的粒子径が大きく、ストラク
チャーの小さいカーボンブラックが有効であるとされて
いる。また、骨格部材に使用されるゴム組成物において
耐疲労破壊特性を向上させるためには、粒子径が小さ
く、ストラクチャーの低いカーボンブラック(N326
など)を多量に配合されることが推奨されている。
関する特開昭62−57438号公報(出願人:株式会
社ブリヂストン)においては、電子顕微鏡による算術平
均径(Dn):22mμ≦Dn≦38mμ、凝集体径
(Dst):60mμ≦Dst≦130mμ、算術平均
粒径分布の標準偏差S(mμ):〔S〕≦0.333×
〔DA〕+0.0800、凝集体分布の半値幅ΔD
50(mμ):〔ΔD50〕≦0.333×〔Dst〕+4
5.0、凝集体強度:ΔDBP=DBP−24M4DB
P(ml/100g)≦10ml/100g、N2SA
(m2/g)/IA(m2/g)≧1.08のコロイダル
特性をもつカーボンブラックをゴム成分に対して20〜
100重量部配合したゴム組成物が耐疲労性能と耐発熱
性能が要求されるゴム部材に適したゴム組成物を与える
と記載されている。
グレードは、算術平均径の範囲からHAF〜ISAF級
に属するものと推定され、これよりもさらに高級なグレ
ード、すなわち算術平均粒径が22mμよりも小さくな
ると耐疲労破壊性能は向上するが、配合ゴムの発熱性が
大きくなり、発熱耐久性が低下するという欠点を有する
と述べられている。
おいてはさらに高度の耐久性を有するゴム組成物の出現
が望まれ、特に配合ゴム組成物に対して大きな負荷が加
えられた場合に起こるゴム部材端部よりの亀裂発生、お
よびこの亀裂がさらに進行して生じる亀裂成長を効果的
に抑制するとともに、ゴム組成物中に存在する各種繊維
やワイヤなどの構造補強材との接着性にも優れたゴム組
成物を与える高度の補強性能をもつカーボンブラックが
熱望されていた。
を与えるに好適なコロイダル特性を有するカーボンブラ
ック、すなわち従来よりもさらに小さい算術平均径を有
する機能部品ゴム配合用カーボンブラックを提供すると
ともに、このカーボンブラックを配合した機能部品用ゴ
ム組成物を提供するものである。
面積およびDBP吸油量で示されるストラクチャーはカ
ーボンブラックの二大基本特性であり、配合ゴム組成物
の耐摩耗性に対して大きな影響を与えることは周知の事
実である。コンベアベルト、高圧ホース、ゴムロールな
どで使用される各種工業用ゴム製品用ゴム組成物には、
必要な耐疲労性を得るために、窒素吸着比表面積がおお
むね70m2/g以上の、より高い耐摩耗性が必要な場
合はこれよりも高いいわゆるハード系カーボンブラック
が使用され、一方、そのストラクチャーの大きさは、D
BP吸油量がおおむね105〜135ml/100gの
ものが使用されている。
来の工業ゴム製品用に使用されていたものよりも表面積
の大きい(粒子径が小さい)SAF級カーボンブラック
について広範囲な研究を行った結果、DBP吸油量で評
価されるストラクチャー特性を60〜100ml/10
0gという通常よりも低い側に設定し、かつ、窒素吸着
比表面積(N2SA)とよう素吸着量(IA)との比
(N2SA/IA)をある一定値以上にするとともに、
アグリゲートの最多頻度値を特定範囲に大きくし、加え
てアグリゲートの分布を従来よりも大きい範囲に規定し
た場合においては、予想された程度を大きく越えて発熱
耐久性が向上するとともに、構造補強材への接着性への
改良効果があることを見いだして本発明を完成させたも
のである。
(N2SA)が130m2/gを越え160m2/g以
下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量(DBPA)
が60〜100ml/100gの基本特性を有するハー
ド系カーボンブラックにおいて、 1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA/
IA)が1.10以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲート特性が、 a. アグリケートの最多頻度値(Dst)と式(1)
で算出される計算アグリゲート径(Da)との比Dst
/Daが1.25以上
の頻度を有するDL 50から式(2)で算出されるアグリ
ゲートサイズ分布指数sが0.17以上
ラックに関する。
が小さ過ぎてゴムマトリックス中への分散性が低下し、
このために本来発揮されるべき補強性能が発現されず、
このことがゴム組成物中にカーボンブラック凝集塊の発
生をもたらし、その結果として亀裂発生や亀裂成長にお
ける性能低下を招来することが機能部品配合用としての
利用を妨げたり、回避する結果となっていた。しかし、
本発明の場合には、比表面積が大きく、かつストラクチ
ャーを従来よりも低い範囲に設定し、N2SA/IAの
比をある一定値以上にするとともに、アグリゲートの最
多頻度値を従来よりも大きい値とし、かつ、その分布幅
を大きくするという要件を具備させることにより、ゴム
マトリックスへの分散性を向上させ、従来のSAF級カ
ーボンブラックが有していた耐疲労特性、特に亀裂発生
や亀裂成長という欠陥を効果的に抑制し、加えて構造補
強材への接着性も改良することができるカーボンブラッ
クとなるのである。
クの物理化学特性は、次のようにして測定される。 (1)DBP吸油量 JIS K6221 6.1.2項A法に記載の方法で
測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収され
るジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。 (2)窒素吸着比表面積(N2SA) ASTM D3037−84 B法に記載の方法で測定
され、単位重量当たりの比表面積m2/gで表示され
る。 (3)よう素吸着量 JIS K6221 6.1.1項に記載の方法で測定
され、カーボンブラック1g当たりに吸着されるよう素
のmgで表示される。 (4)遠心沈降分析によるカーボンブラックアグリゲー
トサイズの分析法 測定機器:Disk Centrifuge Phot
osedimentmeter〔Joyce Loeb
l社製、4型機(MARK IV)〕 測 定 法:50V/V%メタノール水溶液50mlを三
角フラスコに入れ、0.1mlの界面活性剤のノニオラ
イトPN−10(共栄社油脂化学工業製)を加える。
0.03〜0.04重量%のカーボンブラックを加え、
超音波処理(400W、38KHz、5分)を施して完
全に分散させる。蒸留水(スピン液)20〜30mlを
注加した回転ディスクの回転数を8000rpmとし、
前記分散液0.02〜0.03mlを注加する。分散液
の注加と同時に記録計を作動させ、回転ディスクの外周
近傍の一定点を沈降により通過するカーボンブラックの
アグリゲートの量を光学的に測定し、その量を時間に対
する連続曲線として記録する(図4)。沈降時間を、下
記のストークスの一般式によりストークス相当径に換算
し、アグリゲートのストークス相当径とその頻度の対応
曲線を得る(図5)。
クの光学測定点を通過するカーボンブラックアグリゲー
トのストークス相当径(nm)である。定数Kは、測定
時のスピン液温度、粘度およびカーボンブラックとの密
度差(カーボンブラックの真密度は1.86g/cm3
とする)、さらに回転ディスクの回転数により決定され
る。本発明の測定で、スピン液として蒸留水25mlを
用い、測定温度24℃、ディスク回転数8000rpm
とし、K値は260.25を用いた。
られたカーボンブラックアグリゲートのストークス相当
径の中で、最大吸光度を与えるまでの経過時間TPから
算出されるストークス相当径をDstと称し、そのカー
ボンブラックアグリゲート径を表わす代表値とする。
光度の1/2に相当する値を与える経過時間TL(TL<
TP)に対するストークス相当径DL 50(Dstより大き
く、かつDstの1/2の頻度を有するアグリケート
径)とすると、アグリケートサイズ分布指数sは、
アグリケートサイズ分布指数sは、数学的には遠心沈降
法で測定したカーボンブラックアグリケートのストーク
ス相当径が対数正規に従うと仮定した場合の分布曲線の
標準偏差とほぼ同じ意味合いを持つものであり、この数
値が大きいということはアグリケートの分布が広いこと
を意味している(図5)。図4は、前記遠心沈降法によ
る経過時間と吸光度の測定チャートの1例であり、図5
は、図4のチャートの経過時間から算出したアグリゲー
ト値の対数と吸光度の関係を示す図である。図4でのT
Sは最大吸光度の1/2に相当する値を与える経過時間
(TP<TS)であり、図5のDS 50はDstより小さ
く、かつDstの1/2の頻度を有するアグリゲート径
である。
30m2/gを越え160m2/g以下、DBPAが60
〜100ml/100gという特性を有することが基本
である。DBPAが本発明範囲を越えて低くなるとゴム
マトリックスへの分散性が低下し、マトリックス中の未
分散カーボン凝集塊が初期亀裂発生の開始点となるとと
もに、亀裂成長も進行しやすくなるので、下限は60m
l/100gとする。DBPAが高くなるにつれて前述
の欠点は望ましい方向となるが、この結果の影響率は徐
々に低下し、100ml/100gを越えるとこの効果
は本発明のカーボンブラックではほとんど飽和状態とな
り、影響率は極端に低下する。また発熱性の数値(損失
正接、tanδ)は少しずつ大きくなり、100ml/
100gを越えるとこの傾向は一層強くなって特性は低
下する。また、硬さの特性も上がりすぎる傾向にある。
/g以下という範囲は、機械的特性(引張り強さ)と耐
疲労特性(亀裂成長性、発熱性)の両特性のバランスを
維持するために重要であり、下限の130m2/gを下
回った場合には機械的特性が低下し、160m2/gを
上回った場合は発熱性が低下(60℃での損失正接の増
大)するとともに、カーボンブラックの分散不良の発現
による耐疲労特性、特に亀裂成長性が低下する。
着性に影響を与え、この値が1.1を下回った場合には
この特性を低下させる。
物の耐疲労特性と分散性に影響を与え、0.17を下回
った場合は発熱性〔損失正接(tanδ)〕の値を大き
くし、また分散性の低下をもたらすので0.17以上と
する必要がある。しかしながら、sが大きくなりすぎる
と機械的特性が低下する傾向があるので、0.17〜
0.23の値を有するカーボンブラックが望ましい。
/Daの値は機械的特性、耐疲労性、分散性などのバラ
ンスを良好に保つ、すなわちこれらの特性の多くは一方
が上がると他は低下するという背反関係にあるが、これ
を解消するために重要な因子であり、この値が1.25
を下回った場合には例えば機械的特性と発熱特性との背
反関係を解消することはできなくなる。しかし、Dst
/Daの値を大きくしても次第に改善効果が小さくなる
傾向があり、また機械的特性が低下する傾向もあるの
で、1.25〜2.0、より好ましくは1.35〜1.
90のカーボンブラツクが望ましい。
本発明はこれにより限定されるものではない。
ックの製造は、本出願人が出願した特願平3−4582
4号明細書に記載されたと同様の装置を用いて行った。
い、各部の寸法は次の通りとした。 可燃性流体導入室 2 内径 450mmφ 長さ 400mm 酸素含有ガス導入管 3 長辺 400mm 短辺 100mm 酸素含有ガス導入用円筒 4 内径 250mm 長さ 300mm 収れん室 8 上流端内径 370mm 下流端内径 80mm 長さ 1600mm 収れん角度 5.3゜ 燃料油導入装置 燃料油導入管72の内径 7mmφ 高圧・高湿空気導入管73の内径 13mmφ 空気温度 300℃ 空気圧力 3kg/cm2 低圧・高湿空気導入管74の内径 22mmφ 空気温度 60℃ 空気圧力 0.5kg/cm2 反応室 12 内径 140mmφ
〜hの冷却水噴霧装置は、実用新案登録第102863
号(出願人:旭カーボン株式会社)に開示されているの
と同様構造の装置をとりつけた。
性状組成を有するものを使用した。
ンブラックの製造方法 表2〜5に記載のカーボンブラックは、前述のカーボン
ブラック製造装置において、原料油導入位置、原料油へ
のアルカリ金属(カリウム)の添加量、導入総空気量、
原料油導入量、原料油導入圧および温度、反応停止用冷
却水導入位置、燃料導入量などの条件を調整して製造し
た。
A)の調整は原料油導入量と総空気導入量との比率を変
化させることにより行うことができ、導入空気量の割合
を増加させることにより表面積は増大する。2つの表面
積指標の比、N2SA/IAの制御は、カーボンブラッ
ク生成反応後の反応停止位置により行うことができ、よ
り上流側(反応停止までの時間が短い)で行うことによ
りこの値は増大する。アグリゲート径の制御は原料油の
導入位置により行うことができ、上流側にすることによ
りアグリゲート径(Dst)は大きくなる。通常の場
合、アグリゲートの代表径(Dst)はストラクチャー
の低下とともに低下するが、原料油の噴霧位置を上流側
にすることによりこの低下の程度を減少することができ
る。アグリゲート分布の制御は導入する原料油の噴霧状
態と導入燃料量を調節することにより行うことができ、
分布を広くする(sを大きくする)場合には導入原料油
の温度および圧力を低下させ、噴霧状態を悪くすること
により分布を大きくすることができる。さらに、導入燃
料量を減少することにより分布を広げることができる。
なお、このたびの製造においては導入空気中の二次空気
量、空気温度、および原料噴霧ノズルの形状および数は
一定とした。本発明にかかるカーボンブラックおよび比
較用カーボンブラックの製造条件を表2〜5に、製造さ
れた各カーボンブラックの物理化学特性を表6〜9に示
した。
めに、表10に示した配合比によりゴム組成物を調整
し、その特性の試験を行った。その結果を表11〜13
(カーボンブラック等量配合)に示す。
評価は、次の試験条件により測定した。 ゴム特性試験条件 配合物の加硫条件 :145℃、30分 耐摩耗性試験 :ランーボン摩耗試験機を用い、スリップ率25%で摩 耗試験を行ない、耐摩耗指数は下式により算出した。 耐摩耗指数=(S/T)×100 ここでS:対照例(Run.No.14)配合試験片の摩耗 減量 T:供試試験片における摩耗減量 デマッチャ疲れ試験:デマッチャ屈曲試験機を用い、亀裂発生までの屈曲回 数および2mm亀裂を予め入れた試料を10000回 屈曲した時の亀裂成長を測定した。 動的粘弾性 :(株)岩本製作所粘弾性スペクトロメーター (損失正接) (型式VES−F−III)を用いて、下記の測定条件で 損失正接(tanδ)を測定し、対照カーボンブラック に対する指数で表示した。 周波数 :50Hz 動的歪み率 :±1% 測定温度 :25℃ 初期加重 :160g重 接着試験 表面真ちゅうめっきしたスチールコード(1×5×0.
23mm)を未加硫ゴムに埋設したスチールコード−ゴ
ム複合体を、150℃で20分間加硫した後、JIS
K 6301 7のはく離試験に準じて埋設スチールコ
ードとゴム層のはく離試験を行ないスチールコード上に
残留した付着ゴムの被覆割合により接着性を評価した。
はく離後のスチールコード表面のほとんどがゴム層で被
覆されている状態をA、所々にスチールコードの表面が
見える状態をB、スチールコード表面とゴム層の割合が
ほぼ等しい状態をC、スチールコード表面の割合がゴム
層よりも多い状態をD、ほとんどのスチールコード表面
が見える状態をEとして表示した。なお、接着試験にお
ける引張り速度は25mm/分で行なった。 分散性 1969年9月号のラバーワールド第160巻第6号第
63〜70頁(著者:H.E.レイスバックら)に記載
の方法に準じて、配合ゴム表面を32倍に拡大した写真
を用い、10〜1に区分された標準見本のどのランクに
該当するかを目視で判定した。なお、中間にあると判定
したサンプル、例えば7と8の間の場合には7.5と表
示した。 その他のゴム特性:JIS K6300−1974お
よびK6301−1975に記載の方法にしたがって測
定した。
および比較例のカーボンブラックをゴムに配合したゴム
組成物の測定結果(表11〜13)の結果から、本発明
カーボンブラツクの効果を説明する。Run No.1
〜5のカーボンブラツクは本発明に係るものであり、R
unNo.6〜13は本発明の特定要件の1つまたは2
つの要件を外れた比較例、Run No.14は対照カ
ーボンブラック(商品名 旭#80、ISAF級カーボ
ンブラック、旭カーボン株式会社製)である。Run
No.6はDBPAが本発明の上限を越えた例であり、
Run No.7は逆に下限を下回った比較例である。
Run No.8はRun No.2とほぼ同じ基本特
性を有しているが、アグリゲート特性の中のDst/D
aの値が本発明の範囲を下回り、Run No.9は表
面積範囲の上限を越えた比較例であり、Run No.
10は逆に表面積範囲の下限を下回った比較例である。
Run No.11はRun No.4とほぼ同じ基本
特性であるがアグリゲート分布指数sが本発明の範囲を
外れたものであり、Run No.12はRunNo.
2とほぼ同じ基本特性を有しているが、表面積の比、N
2SA/IAの値で本発明範囲を外れた例である。Ru
n No.13はRun No.5とほぼ同じ基本特性
であるが、N2SA/IA比およびsの両者の要件で本
発明範囲を外れた比較例である。
No.7においては、引張り強さの特性が大きく低下し
ている。 耐摩耗性についての評価 Run No.7のカーボンブラツクでのランボーン耐
摩耗性指数は、他のカーボンブラツクと比較して大きな
低下がみられるが、その他のカーボンブラック間では大
きな差異は認められない。しかし、表面積が本発明の範
囲を外れて大きな数値を有するRun No.9のカー
ボンブラックにおける指数は、その表面積から予想され
る特性値を大きく下回っている。 デマッチャ屈曲試験についての評価 DBP吸油量が本発明の範囲を外れて低くなったRun
No.7では分散性での低下がみられ、これにともな
って亀裂発生までの屈曲回数は減少し、また亀裂成長も
大きくなっている。この傾向はN2SA/IAが本発明
の範囲を越えて大きなRun No.9でも見られる。
また、アグリケートサイズ分布指数が本発明範囲を外れ
て小さいRun No.11においても分散性の低下と
屈曲亀裂特性の低下が認められる。 硬さについての評価 硬さは実施例、比較例とも大きな差異は見られないが、
DBP吸油量が本発明範囲を外れて高くなったRun
No.6ではこの数値が大きくなり、加工性で問題とな
る。 動的粘弾性についての評価 動的粘弾性(損失正接、tanδ)の特性でも大きな差
異はないが、DBP吸油量が本発明範囲を大きい側に外
れたRun No.6およびN2SAが大きい方向に外
れたRun No.8、またはアグリゲート分布指数s
が本発明範囲よりも小さい側のRun No.11およ
びRun No.13においてはこの値が大きい傾向に
あり、これは繰り返し変形が与えられた配合ゴム組成物
での蓄熱を招くことを意味し、結果としてゴム組成物を
補強する物質(スチール、各種樹脂など)とゴム組成物
とのセパレーションを起こす原因となるので好ましくな
い。 接着性についての評価 配合ゴム組成物と補強物質との接着性(本発明では真ち
ゅうめっきスチールで評価)は、カーボンブラックの表
面性状、特にN2SA/IAの値が本発明範囲である
1.10以上という要件で外れたRun No.12お
よびRun No.13において性能の低下が認められ
る。 分散性についての評価 分散性は、DBP吸油量が本発明範囲を下回ったRun
No.7、N2SAが本発明範囲を上回ったRun
No.9、アグリゲートサイズ分布指数sが本発明を下
回ったRun No.11およびRun No.13の
カーボンブラック配合物において低下していることが認
められる。
を配合したゴム組成物は、高度の耐摩耗性を有し、かつ
耐亀裂発生性、耐亀裂成長性および耐屈曲性において優
れた性能を示すとともに、各種ゴム補強材料への接着性
にも良好な特性を与えることができるので、特に機能部
品用ゴムとして有用である。
の装置の縦断正面説明図である。
大図である。
ートの一例である。
ゲート値の対数と吸光度の関係を示す図である。
ト径 DL 50 ストークス式で、T=TLのときのアグリゲート
径(1/2APで、DL 50>Dstを満たすアグリゲート
径)
Claims (3)
- 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が130
m2/gを越え160m2/g以下、ジブチルフタレート
(DBP)吸油量(DBPA)が60〜100ml/1
00gの基本特性を有するハード系カーボンブラックに
おいて、 1)N2SAとよう素吸着量(IA)との比(N2SA/
IA)が1.10以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲート特性が、 a. アグリケートの最多頻度値(Dst)と式(1)
で算出される計算アグリゲート径(Da)との比Dst
/Daが1.25以上 【数1】 b. Dstと、Dstより大きくかつDstの1/2
の頻度を有するDL 50から式(2)で算出されるアグリ
ゲートサイズ分布指数sが0.17以上 【数2】 s=0.84932×log(DL 50/Dst) (2) であることを特徴とする機能部品ゴム配合用カーボンブ
ラック。 - 【請求項2】 DBPAが70ml/100gを越え9
0ml/100g未満、Dst/Daが1.35〜1.
90である、請求項1記載の機能部品ゴム配合用カーボ
ンブラック。 - 【請求項3】 天然ゴムおよび/または合成ゴムからな
るゴム成分100重量部に対して請求項1または2記載
の機能部品ゴム配合用カーボンブラックを10〜150
重量部配合した機能部品用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29976496A JP3827256B2 (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 機能部品ゴム配合用カーボンブラックおよびそれを含む機能部品用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29976496A JP3827256B2 (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 機能部品ゴム配合用カーボンブラックおよびそれを含む機能部品用ゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10130423A true JPH10130423A (ja) | 1998-05-19 |
JP3827256B2 JP3827256B2 (ja) | 2006-09-27 |
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ID=17876695
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29976496A Expired - Lifetime JP3827256B2 (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | 機能部品ゴム配合用カーボンブラックおよびそれを含む機能部品用ゴム組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3827256B2 (ja) |
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