JP2994157B2 - ハード系高ストラクチャーカーボンブラック - Google Patents

ハード系高ストラクチャーカーボンブラック

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JP2994157B2
JP2994157B2 JP4309518A JP30951892A JP2994157B2 JP 2994157 B2 JP2994157 B2 JP 2994157B2 JP 4309518 A JP4309518 A JP 4309518A JP 30951892 A JP30951892 A JP 30951892A JP 2994157 B2 JP2994157 B2 JP 2994157B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主にタイヤトレッド用
などに用いられる、高い耐摩耗性と低い転がり抵抗とい
う性能を同時に要求されるゴム部材に好適なカーボンブ
ラックに関するものである。より詳細には、HAF級以
上のいわゆるハード系カーボンブラックにおいて、同等
の比表面積を有する従来のカーボンブラックに比較し
て、その配合ゴム組成物の耐摩耗性を同等以上に維持し
ながら、転がり抵抗を高度に低下させることのできるカ
ーボンブラックに係るものであり、これと同時にゴム組
成物を軽量化できるカーボンブラックを提供するもので
ある。
【0002】
【従来技術】近年、地球環境の保全が叫ばれ、この一貫
として省エネルギー指向の要請が広がって、従来にも増
して転がり抵抗の低く、従ってエネルギー消費量の少な
いタイヤおよびこれに適合するゴム組成物が望まれるよ
うになってきた。転がり抵抗の低い、エネルギー消費量
の少ないタイヤおよびゴム組成物という要請に対して、
ゴム自体の改良も数多くおこなわれているが、ここに使
用されるゴム組成物への補強用充填剤であるカーボンブ
ラックの特性ならびにその配合量も重要な要素である。
すなわち、配合するカーボンブラックの比表面積を小さ
くするか、ないしはカーボンブラックの配合量を減らす
ことにより、その配合物の転がり抵抗を低下させること
ができるが、これと同時に耐摩耗性の著しい低下をもた
らす結果となる。低い転がり抵抗で、しかも充分な耐摩
耗性を保持したゴム組成物を得るために、カーボンブラ
ックからの改良としては、従来は、配合ゴムのアグリゲ
ート分布を大きくしたり(特開昭60−208369
号、特開昭61−34072号、特開昭62−5743
5号など)、アグリゲートの代表径(最多頻度値、また
は中心値)を大きくしたり(特開昭62−57434号
など)をすることで対応していた。しかし、現在求めら
れている省エネルギー型タイヤ用のゴム組成物を得るた
めには、これらの従来技術により転がり抵抗を低下させ
るにはまだ不十分であり、より大幅な改善が求められて
いる現状にある。一方、配合カーボンブラックのストラ
クチャーを高めてゴムへの配合量を減らし、耐摩耗性を
維持しながら転がり抵抗を減少させようという試み〔R.
A.Swor他、Elastomerics,Vol.123(No.3),18(1991)およ
び同(No.4),30(1991)〕がなされている。ここでは、通
常のゴム配合物よりも多くのオイルを配合した各種ゴム
組成物について検討されており、耐摩耗性を向上させな
がら発熱特性を改良できるという効果が得られたと述べ
ている。しかしながら、動的弾性率(E′)と耐摩耗性
の関係を見てみると、耐摩耗性の向上に連れて動的弾性
率は大きく低下しており、このゴム組成物をそのままタ
イヤに使用した場合にはその重要特性の一つである操縦
安定性に悪影響を及ぼすという欠陥がある。また、特開
昭52−85995号には、タイヤトレッドゴム化合物
において比較的オイル配合量が多い場合でも高いトレッ
ド摩耗抵抗を与えるカーボンブラックとして、ハード系
の高ストラクチャーカーボンブラックが開示されてい
る。しかしながら、当該公報では、オイル添加による軽
量化というメリットは認められるが、本発明の技術的課
題である転がり抵抗の減少については全く考慮されてい
ない。さらに、最近ハード系高ストラクチャーカーボン
ブラックとして特開平2−77445号および特開平2
−158668号(出願人はいずれも東海カーボン
(株))が公開されている。前者は、タイヤトレッド用
に有用な高度の耐摩耗性を与えるカーボンブラックに関
し、後者は路面状態に拘りなく高度の耐摩耗性を付与で
きるカーボンブラックに関するものである。しかしなが
ら、これら2つの発明のいずれにおいてもトレッドでの
高度の耐摩耗性については認識できるが、本発明におけ
る転がり抵抗の減少や動的粘弾性、損失正接の制御につ
いてはまったく考慮されておらず、またゴム組成物の軽
量化も配慮されていない。
【0003】
【発明が解決しようとした課題】従来では困難であった
高い耐摩耗性と転がり抵抗の両立を、高ストラクチャー
を有するカーボンブラックを低配合部数で配合すること
によりある程度解決することができたが、耐摩耗性を向
上させるにしたがって動的弾性率低下するという欠点
があることから、本発明の目的は耐摩耗性を向上させて
も動的弾性率を大きく下げることなく、この結果損失正
接(tan δ)を低下させ、これにより転がり抵抗を
低下させることができる新規なカーボンブラックを提供
することにある。さらには、従来の高ストラクチャーカ
ーボンブラックよりも大幅な配合部数の低減が可能で、
より顕著に低下した転がり抵抗と、より軽量化されたゴ
ム組成物を与えることができるカーボンブラックの提供
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】大幅に動的弾性率を低下
させることなく低い転がり抵抗と高い摩耗抵抗を有する
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積(N
SA)が70m/gを越え120m/g以下、ジ
ブチルフタレート(DBP)吸油量が160〜220m
l/100gの基本特性を有するハード系高ストラクチ
ャーカーボンブラックにおいて、 1)NSAとよう素吸着量(IA)との比(NSA
/IA)が1.10以上、好ましくは1.15以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲートの最多頻度値(D
stモード径、nm)とNSAとの関係が、下記の関
係式(1)
【数2】 Dstモード径>43.3+5581×(NSA)−0.91 …(1) を満すカーボンブラックを配合することにより得られる
ものである。カーボンブラックの比表面積およびDBP
吸油量で示されるストラクチャーはカーボンブラックの
二大基本特性であり、いずれの特性も配合ゴム組成物の
耐摩耗性に対して大きな影響を与えることは周知の事実
である。自動車用タイヤの接地面(トレッド)に使用さ
れるゴム組成物には、必要な耐摩耗性を得るために、窒
素吸着比表面積がおおむね70m/g以上の、いわゆ
るハード系のカーボンブラックが使用され、そのストラ
クチャーの大きさは、DBP吸油量がおおむね130m
l/100g以下のものが使用されている。一方、転が
り抵抗に関する動的粘弾性特性の一つである損失正接
(tan δ)に対しては、配合カーボンブラックの比
表面積(NSA)およびアグリゲートのサイズ分布な
いしはその代表径(Dstモード径)が影響し、一般に
はストラクチャーは影響を与えないと考えられてきた
(カーボンブラックのアグリゲートとは、カーボンブラ
ックの一次粒子が複数個融合して形成されるゴムへの最
小分散単位であり、一次粒子の結合形式は、微細な黒鉛
結晶子を介した共有結合であると言われている)。
【0005】しかし、本発明者らは、ハード系の高スト
ラクチャーカーボンブラックについて広範囲な研究を行
った結果、DBP吸油量を160〜220ml/100
gという高ストラクチャーとし、かつ窒素吸着比表面積
(N2SA)とよう素吸着量(IA)との比(N2SA/
IA)をある一定値以上にするとともに、アグリゲート
の最多頻度値をN2SAをもとに算出した数値よりも
きくすることにより、通常のストラクチャーを有する、
および高ストラクチャーを有するカーボンブラックの場
合と比較して、前記二特性のほかに前記の二要件を満た
したハード系高ストラクチャーにおいては、予想された
程度を大きく越える転がり抵抗の低下効果のあることを
見いだして本発明を完成させたものである。すなわち、
従来の低発熱(低転がり抵抗)用カーボンブラックの場
合、アグリゲートサイズ分布を広げて有意な低発熱性を
得ようとすると、耐摩耗性を高度に維持することが困難
となって、両特性を同時に満足させることはできずに両
者ともある程度での妥協点で満足せざるを得ず、その結
果として充分な低発熱性が得られなかった。しかし、本
発明の場合には、比表面積が大きく、かつ高度に発達し
たストラクチャーを有するカーボンブラックにおいて、
2SA/IAの比をある一定値以上にするとともに、
アグリゲートの最多頻度値をN2SAの値から算出され
る計算値よりも大きくするという要件を具備させること
により、耐摩耗性と低発熱性をより高度なレベルで両立
させることができるのである。アグリゲートサイズ分布
を制御せず、高度に発達したストラクチャーを有するカ
ーボンブラックにおいても、同等の硬さ、または弾性率
となるように配合量を減少することができ、この配合量
の減少は、結果的に低発熱性をもたらす。しかしなが
ら、前述したようにカーボンブラックの配合量の減少
は、発熱性を顕著に低下させることができるが、これに
ともなって耐摩耗性および動的弾性率の低下をもたらし
てしまう。したがって、直進走行性やハンドル応答性な
どの、タイヤの走行安定性に悪影響を与える動的弾性率
の低下は最小限に抑える必要がある。本発明によるカー
ボンブラックでは、配合量が減少しても動的弾性率の低
下程度は少なく、かつ耐摩耗性の低下以上に発熱性を減
少させることができ、加えてゴム組成物を軽量化するこ
とによる燃費向上という顕著な特徴を有している。
【0006】より詳しく説明すると、本発明は、窒素吸
着比表面積(NSA)が70m/gを越え120m
/g以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が1
60〜220ml/100gの基本特性を有するハード
系高ストラクチャーカーボンブラックにおいて、 1)NSAとよう素吸着量(IA)との比(NSA
/IA)が1.10以上、好ましくは1.15以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲートの最多頻度値(D
stモード径、nm)とNSAとの関係が、下記の関
係式(1)
【数3】Dstモード径>43.3+5581×(N
SA)−0.91 …(1)を満すことを特徴とする
ハード系高ストラクチャーカーボンブラックである。本
発明カーボンブラックの2基本特性は、HAF(Hig
h Abrasion Furnace−高耐摩耗性フ
ァーネスブラック)ないしIISAF(Interme
diate Intermediate Super
Abrasion Furnace−準々超耐摩耗性フ
ァーネス)の範囲にあり、本発明と同時に出願したより
高表面積側にあるハード系高ストラクチャーカーボンブ
ラックとはその対象表面積範囲が異なる近接した発明と
なっている。このように、同じハード系の高ストラクチ
ャーのカーボンブラックではあるが、特定要件での数値
で多少異なっているのは、両者共通の目的である配合ゴ
ム組成物での耐摩耗性を同等以上に維持しながら、転が
り抵抗に関連する動的粘弾性を改良しようとした場合
に、その表面積範囲の違いによりカーボンブラックの特
性値を調整する必要が生じたためである。これらの各要
件に加え、トルエン着色透過度が85%以下、より好ま
しくは20〜60%の範囲にあるものが、本発明として
一層望ましいカーボンブラックとなる。さらに、カーボ
ンブラックの表面積の測定値を比較した場合に、セチル
トリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比
表面積とNSAおよびIAとの大小関係が、
【数4】NSA>CTAB>IA を満たすカーボンブラックがさらに望ましい。DBP吸
油量の特性では、165ml/100gを越えたものが
望ましく、より好ましくは170ml/100gを上回
ったカーボンブラックである。また、NSA/IAの
値では、1.15以上のカーボンブラックが本発明にお
いては一層望ましいゴム特性を発揮させることができる
ので好ましい。
【0007】本発明において適用されるカーボンブラッ
クの物理化学特性は、次のようにして測定される。 (1)DBP吸油量 JIS K6221 6.1.2項A法に記載の方法で
測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収され
るジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。 (2)24M4DBP吸油量 ASTM D3493−91に記載の方法で測定され、
100g当たりに吸収されるDBPのmlで表わされ
る。 (3)窒素吸着比表面積(N2SA) ASTM D3037−84 B法に記載の方法で測定
され、単位重量当たりの比表面積m2/gで表示され
る。 (4)よう素吸着量 JIS K6221 6.1.1項に記載の方法で測定
され、カーボンブラック1g当たりに吸着されるよう素
のmgで表示される。 (5)CTAB比表面積比 ASTM D3765−89に記載の方法で測定され、
単位重量当たりの比表面積m2/gで表示される。 (6)トルエン着色透過度 JIS K6221 6.2.4項に記載の方法で測定
され、トルエン抽出溶液の透過率(%)で表示される。 (7)比着色力 JIS K6221 6.1.3項に記載された方法で
測定され、標準ブラックの着色力に対する指数で表示さ
れる。 (8)遠心沈降分析によるカーボンブラックアグリゲー
トサイズの分析法 測定機器 Disk Centrifuge Photosedimentmeter〔Joyc
e Loebl社製、4型機(MARK IV)〕 測定法…30V/V%メタノール水溶液50mlを三角
フラスコに入れ、0.1mlの界面活性剤のノニオライ
トPN−10(共栄社油脂化学工業製)を加える。0.
03〜0.04重量%のカーボンブラックを加え、超音
波処理(400W、38KHz、5分)を施して完全に
分散させる。15V/V%グリセリン水溶液(スピン
液)20〜30mlを注加した回転ディスクの回転数を
8000rpmとし、上記分散液0.02〜0.03m
lを注加する。分散液の注加と同時に記録計を作動さ
せ、回転ディスクの外周近傍の一定点を沈降により通過
するカーボンブラックのアグリゲートの量を光学的に測
定し、その量を時間に対する連続曲線として記録する。
沈降時間を、下記のストークスの一般式によりストーク
ス相当径に換算し、アグリゲートのストークス相当径と
その頻度の対応曲線を得る。
【数5】 式(1)において、dは沈降開始t分後での回転ディス
クの光学測定点を通過するカーボンブラックアグリゲー
トのストークス相当径(nm)である。定数Kは、測定
時のスピン温度、粘度およびカーボンブラックとの密
度差(カーボンブラックの真密度は1.86g/cm3
とする)、さらに回転ディスクの回転数により決定され
る。本発明の測定で、スピン液として15V/V%グリ
セリン水溶液25mlを用い、測定温度24℃、ディス
ク回転数8000rpmとし、K値は448.9を用い
た。Dstモードの定義…前記の操作により得られたア
グリゲートのストークス相当径の測定曲線において、最
多頻度値(ピーク値であり、実際には光学的測定なので
最大吸光度に当たる)を与えるストークス相当径をDs
tモード径とする。
【0008】
【作用】本発明では、N2SAが70m2/gを越え12
0m2/g以下、DBP吸油量が160〜220ml/
100gという特性を有することが基本であるが、窒素
吸着比表面積が70m2/gを下回った場合にはゴム組
成物に十分な耐摩耗性を付与することが困難となり、1
20m2/gを上回った場合には本出願と同時に出願し
た、より高表面積のカーボンブラックの特性を適用す
る。もう一つの基本特性であるDBP吸油量では、16
0ml/100gを下回るとゴムに対する耐摩耗性、特
に低部配合時での特性が低下し、また220ml/10
0gを上回るストラクチャーのゴム用カーボンブラック
の製造は今のところ困難なため、DBP吸油量の範囲は
160〜220ml/100gとする。上記の基本特性
のほかに、本発明の必須要件であるN2SA/IAの比
およびアグリゲートのDstモード径については、N2
SA/IAの比が1.10を下回った場合には転がり抵
抗に関連の大きいゴムの動的弾性率E′が低下するので
この値以上にする必要があるが、より望ましくは1.1
5から1.40の範囲のカーボンブラックである。ま
た、Dstモード径がN2SAの値から算出される数値
よりも小さい場合には発熱特性において特性が低下す
る。このように、本発明においてはN2SAとDBP吸
油量でハード系の高ストラクチャーカーボンブラックに
属するものであるが、この特性に加えてN2SA/IA
の値を一定数値以上とし、アグリゲートの最多頻度値を
2SAの数値を用いて算出される値よりも大きくする
ことにより、良好な耐摩耗性を有しながら低発熱性並び
に動的弾性率の低下防止とを同時に満足させることので
きるゴム組成物を与えることができるが、N2SA/I
Aの条件はおもに動的弾性率の低下を妨げる効果を有
し、またアグリゲートの要件は低発熱性への効果が大き
いものと考えられる。これに加えて、トルエン着色透過
度が85%以下であり、表面積を評価する値である3つ
の測定値の大小が、
【数6】N2SA>CTAB>IA の関係を満たすカーボンブラックがさらに好ましいゴム
組成物を与える。
【0009】
【実施例】
製造例 カーボンブラックの製造 本発明にかかるハード系高ストラクチャーカーボンブラ
ックの製造は、本出願人が出願した特願平3−4582
4号明細書に記載されたと同様の装置を用いて行った。
図1、図2及び図3に示した製造装置を用い、各部の寸
法は次の通りとした。 可燃性流体導入室 2 内径 450mmφ 長さ 400mm 酸素含有ガス導入管 3 長辺 400mm 短辺 100mm 酸素含有ガス導入用円筒 4 内径 250mm 長さ 300mm 収れん室 8 上流端内径 370mm 下流端内径 80mm 長さ 1600mm 収れん角度 5.3゜ 燃料油導入装置 燃料油導入管72の内径 7mmφ 高圧・高音空気導入管73の内径 13mmφ 空気温度 300℃ 空気圧力 3kg/cm2 低圧・低温空気導入管74の内径 22mmφ 空気温度 60℃ 空気圧力 0.5kg/cm2 反応室 12 内径 140mmφ また、反応継続兼急速冷却室13内でのa〜hの冷却水
噴霧装置は、実用新案登録第102863号(出願人:
旭カーボン株式会社)に開示されているのと同様構造の
装置をとりつけた。
【0010】原料油及び燃料油としては、表1に示した
性状組成を有するものを使用した。
【表1】 上述のカーボンブラック製造装置において、本発明に適
するカーボンブラックは、原料油の導入位置、導入総空
気量、原料油の導入量、導入空気の分割割合、原料油の
導入圧量および温度、反応停止用冷却水導入位置などの
諸条件を調整して製造した。
【0011】製造したハード系高ストラクチャーカーボ
ンブラックの製造条件を表2〜4に、その物理化学特性
を表5〜7に示した。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】 *Dstモード径計算値=43.3+5581×(N
SA)−0.91
【表6】 *Dstモード径計算値=43.3+5581×(N
SA)−0.91
【表7】 *Dstモード径計算値=43.3+5581×(N
SA)−0.91
【0012】ゴム配合性能試験 表5〜7に示したカーボンブラックの性能を評価するた
めに、表8に示した配合比によりゴム組成物を調整し、
その特性の試験を行った。その結果を表9〜11(カー
ボンブラック等量配合)に示す。
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】 旭#70:HAF級カーボンブラック(旭カーボン製)
【0013】さらに、表12には本発明のカーボンブラ
ックの特性をより明確にするために、表5〜7に掲げた
カーボンブラックの一部を用い、表8の配合表におい
て、カーボンブラックの配合量のみを変化させた場合の
ゴム特性を示した。なお、対照カーボンブラックとして
は、旭#70(HAF級カーボンブラック、旭カーボン
(株)製)を用いた。
【表12】
【0014】なお、各配合ゴム組成物のゴム特性の性能
評価は、次の試験条件により測定した。 ゴム特性試験条件 配合物の加硫条件:145℃、30分 耐摩耗性試験:ランボーン摩耗試験機を用い、スリッ
プ率25%および60%で測定し、耐摩耗指数は下式に
より算出する。
【数7】耐摩耗指数=(S/T)×100 ここで、S:HAF級カーボンブラック(旭#70:旭
カーボン製)試験片の25%および60%スリップ率で
の摩耗減量 T:供試試験片の25%および60%スリップ率での摩
耗減量 動的粘弾性:岩本製作所製 粘弾性スペクトロメータ
ー(型式VES−F−III)を用いて、下記の条件下で動
的粘弾性率E′および損失正接tanδを測定した。 周波数 :50Hz 動的歪率:±1% 測定温度:25±1℃ 初期荷重:160g重 その他のゴム特性:JIS K6300−1974お
よびK6301−1975の記載にしたがって測定し
た。 ゴム組成物の比重:縦25mm、横7mm、厚さ6m
mの加硫ゴム片を用い、この試料片の空気中の重量およ
び水中での重量から比重を算出した。
【0015】
【評価】表5〜7に示した物理化学的特性を有する実施
例および比較例のカーボンブラックをゴムに配合したゴ
ム組成物の結果(等量配合の表9〜11および変量配合
の表12の結果)から、本発明カーボンブラックの効果
を説明する。製造例1に示したカーボンブラックにおい
て、Run No.1〜5は本発明にかかるカーボンブ
ラックであり、Run No.6〜10は比較カーボン
ブラックである。比較例において、Run No.6
は、Run No.1とほぼ同じ2基本特性を有してい
るが、本発明の必須要件であるNSA/IAの特性が
外れたものであり、Run No.7はRun No.
4に対応しているがDstの特性が外れたものである。
Run No.8はRun No.5に対応する比較例
であり、上記のNSA/IAおよびDstの両特性で
本発明の範囲を外れている。Run No.9および1
0は、本発明カーボンブラックの基本特性を外れた例で
あり、Run No.9はNSAで、Run No.
10はDBPで外れたものである。 1)耐摩耗性 Run No.1とNo.6およびNo.5とNo.8
との比較では、表9〜11にみられるように比較例N
o.6およびNo.8はランボーン摩耗指数のいずれの
スリップ率においてもかなりの低下がみられ、NSA
/IA特性が耐摩耗性に大きな要素となっていることが
わかる。特に、両者の特性が外れたRunNo.8はN
o.5に比較してその低下が大きくなっている。しか
し、Dstが外れたRun No.7の場合での耐摩耗
特性の低下はわずかである。NSAが本発明範囲を外
れるRun No.9では、耐摩耗性、特にスリップ率
25%のランボーン耐摩耗指数が大きく低下している。
Run No.10においては、耐摩耗指数だけを考え
た場合には、本発明カーボンブラックと比較して拮抗す
る性能を示している。しかし、表12での変量配合のゴ
ム特性から明らかなように、本発明の目的の一つである
低配合部数での耐摩耗性能の維持という観点では満足せ
ず、特にDBP低下によるスリップ率60%の耐摩耗指
数の性能劣化が大きくなっている。また、Run N
o.8での変量配合では、低配合時においてランボーン
摩耗指数での低下がみられ、特にスリップ率25%での
低下が大きくなっている。 2)動的粘弾性 上記のいずれの対比においても、比較例では動的弾性率
の低下および損失正接の上昇が認められる。特に、Ru
n No.8での特性低下が大きくなっている。Run
No.9では、動的弾性率E′の低下が著しい。 3)その他の特性 Run No.10では、DBP低下による300%モ
ジュラス値の低下がみれる。ゴム組成物の比重では、本
発明カーボンブラックの35重量部配合時においても標
準のHAF級カーボンブラックと同等の耐摩耗性がえら
れるので真比重値の大きいカーボンブラックの配合量を
減らすことができ、約3.5%の減量が可能となる。こ
れに加え、低部配合により動的粘弾性特性が改良でき、
操縦性を損なうことなく燃料消費効率を改善する有効な
手段となる。
【0016】
【効果】以上に説明したとおり、本発明のカーボンブラ
ックを配合したゴム組成物は、耐摩耗性が優れているに
もかかわらず、低発熱性で、転がり抵抗も低く、かつよ
り軽量化されているという特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の装置の縦断正面説明図である。
【図2】図1のA−A矢視における断面図である。
【図3】図1の前頭部および燃料導入装置を示す部分拡
大図である。
【符号の説明】
1 カーボンブラック反応装置 2 可燃性流体導入室 3 酸素含有ガス導入管 4 酸素含有ガス導入用円筒 5 整流板 7 燃料油噴霧装置 8 収れん室 9 バーナータイル 10 原料油噴霧装置 11 原料油導入室 12 反応室 13 反応継続兼急冷室 71 燃料油噴霧チップ 72 燃料油導入管 73 酸素含有ガス導入管 74 酸素含有ガス導入管 75 酸素含有ガスの導管 76 酸素含有ガスの導管 a 急冷水圧入噴霧装置 b 急冷水圧入噴霧装置 c 急冷水圧入噴霧装置 d 急冷水圧入噴霧装置 e 急冷水圧入噴霧装置 f 急冷水圧入噴霧装置 g 急冷水圧入噴霧装置 h 急冷水圧入噴霧装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素吸着比表面積(NSA)が70m
    /gを越え120m/g以下、ジブチルフタレート
    (DBP)吸油量が160〜220ml/100gの基
    本特性を有するハード系高ストラクチャーカーボンブラ
    ックにおいて、 1)NSAとよう素吸着量(IA)との比(NSA
    /IA)が1.10以上 2)遠心沈降分析によるアグリゲートの最多頻度値(D
    stモード径、nm) が、下記の関係式(1) 【数1】 Dstモード径>43.3+5581×(NSA)−0.91 …(1) を満すものであることを特徴とするカーボンブラック。
  2. 【請求項2】 溶媒としてトルエンを用いたときのトル
    エン着色透過度の値が85%を下回る請求項1記載のカ
    ーボンブラック。
  3. 【請求項3】 セチルトリメチルアンモニウムブロマイ
    ド(CTAB)吸着比表面積の値が、NSAより小さ
    くかつIAよりも大きい請求項1記載のカーボンブラッ
    ク。
  4. 【請求項4】 NSA/IAが1.15以上である請
    求項1記載のカーボンブラック。
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