JP2001040239A - カーボンブラック及び該カーボンブラックを配合した高位のヒステリシスロス特性を備えたゴム組成物 - Google Patents

カーボンブラック及び該カーボンブラックを配合した高位のヒステリシスロス特性を備えたゴム組成物

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JP2001040239A
JP2001040239A JP11220918A JP22091899A JP2001040239A JP 2001040239 A JP2001040239 A JP 2001040239A JP 11220918 A JP11220918 A JP 11220918A JP 22091899 A JP22091899 A JP 22091899A JP 2001040239 A JP2001040239 A JP 2001040239A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムに配合して減衰性ならびにグリップ性能
に優れ、高位のヒステリシスロス特性を付与するカーボ
ンブラック、及び該カーボンブラックを配合したヒステ
リシスロスの高いゴム組成物を提供する。 【解決手段】 CTAB比表面積が85〜200m2/g、
DBP吸油量が85〜135ml/100g 、窒素吸着比表面
積(N2SA)とよう素吸着量(IA)との比N2 SA/IAが
1.00以下の範囲にあり、下記(1) 式で算出されるア
グリゲートのストークス径分布特性を示すP値が2.2
0以下であることを特徴とするカーボンブラック、及び
該カーボンブラックを配合した高位のヒステリシスロス
特性を備えたゴム組成物。 P=(D10L −Dst)/(Dst−D10S )…(1) 但し、Dst(nm)はディスクセントリフュージ(DCF) 法に
より測定されるカーボンブラックアグリゲートのストー
クス径の重量分布曲線における最高重量分率のストーク
ス相当径、D10L(nm) は最高重量分率の10%分率に相
当する大小2点のストークス相当径のうち大きい側のス
トークス相当径、D10S(nm) は小さい側のストークス相
当径を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムに配合して減
衰性ならびにグリップ性能に優れ、高いヒステリシスロ
ス特性を付与することのできるカーボンブラック、及び
このカーボンブラックを配合した高位のヒステリシスロ
ス特性を備えたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地震による災害例から建築、橋梁
支承用などの免震ゴムの減衰性能向上の重要性がクロー
ズアップされており、また自動車、鉄道、電化製品向け
などに使用される防振ゴムや制振ゴムにおいても一層の
減衰性能向上が要求されている。一方、競技用や市販高
性能自動車用ハイパフォーマンスタイヤには高速時のグ
リップ性能向上に対する普遍的要求がある。これら高減
衰性能及び高グリップ性能に共通して必要な特性とし
て、高位のヒステリシスロス特性がある。
【0003】これらのゴム特性を配合するカーボンブラ
ックにより改良する試みも盛んに行われており、例え
ば、高グリップ性能を備えたタイヤ用トレッドゴム組成
物として、特開平4−189848号公報にはCTAB比表面積が
155m2/g 以上、DBP 吸油量が130ml/100g以上、N2SA/IA
が0.95〜1.15、凝集体空隙平均径DmがDm≦391.2 −0.96
×CTABの関係を満足するカーボンブラックが、また特開
平6−93136 号公報にはCTABが140 〜200m2/g 、24M4DB
P が106 〜140ml/100g、凝集体ストークス相当径Dst と
凝集体分布の半値幅ΔDst との比ΔDst/Dst が0.65〜0.
85であるカーボンブラックが開示されている。
【0004】一方、振動に対する防振、制振などに対し
て有効な高減衰ゴム組成物として、特開平9−124843号
公報にはCTAB値が100m2/g 以上、DBP 吸油量が100 〜17
0ml/100g、24M4DBP 吸油量が110ml/100g以下、DBP −24
M4DBP が30ml/100g 以上で、N2SA値−CTAB値が15m2/g以
上であるカーボンブラックが、特開平10−330548号公報
にはCTABが125 m2/g以上、比着色力(Tint)が130 以上、
DBP 吸油量が120ml/100g以上、24M4DBP 吸油量が105ml/
100g以下で、DBP −24M4DBP が20ml/100g 以上のカーボ
ンブラックが開示されている。
【0005】また、本出願人もタイヤのグリップ性能向
上のためにゴムに高ヒステリシス特性を付与するカーボ
ンブラックの開発に注力し研究を重ね、良好な耐摩耗性
とグリップ性能を付与することのできるタイヤトレッド
ゴム用のカーボンブラックとして、窒素吸着比表面積(N
2SA)が120 〜165m2/g 、DBP 吸油量が120ml/100g以上の
ハード系領域に属し、下記 (1)、(2) 式の要件を満たす
カーボンブラック。 Dst≦(4.35 ×dn) −10.0…(1) (ΔDst /Dst )×(N
2SA/IA)≦O.58…(2) (特開平3−119043号公報)や125 ≦CTAB(m2/g)≦160
、115 ≦DBP(ml/100g)≦150 、1.20≦DBP/24M4DBP 、
ブラックネス≧0.53×CTAB+65.8の選択的特性を備える
カーボンブラック(特開平5−32826 号公報)などを開
発提案した。
【0006】一般に、ゴム組成物のヒステリシスロスの
高位化を図るために配合するカーボンブラックの特性に
より改良する方向性としては、比表面積が大きく(粒子
径が小さく)、着色力(Tint )が高く、アグリゲート
分布のシャープ化が有効とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゴムと
の練り加工性の問題から高比表面積化には限界があり、
更に一定比表面積当たりの高Tint 化は低DBP化を伴
うのが通常であって、それによるゴム特性のモジュラス
減退が著しい欠点がある。また、一定比表面積当たりの
アグリゲート分布のシャープ化にも限界がある。更にカ
ーボンブラックのアグリゲート分布は一般に正規分布で
なく大粒側にテーリングを生じる傾向があり、シャープ
な分布であっても大粒側テーリング部分の存在によりヒ
ステリシスロスの向上が抑制される難点がある。
【0008】そこで、本発明者はカーボンブラックのア
グリゲート分布の性状について研究を重ねた結果、その
シャープ化、特に大粒側分布におけるテーリング部分を
小さくし、その割合を特定の値以下とすることによりゴ
ム組成物の一定静的弾性率当たりにおけるヒステリシス
ロスの高位化を効果的に図ることができることを見出し
た。
【0009】すなわち、本発明は上記の知見に基づいて
開発したものであって、その目的は高減衰性を必要とす
る建築用、橋梁支承用などの免震ゴム、あるいは自動
車、鉄道、電化製品などの防振ゴムや制振ゴム用とし
て、ゴムに配合して一定静的弾性率当たりのヒステリシ
スロスが高く、減衰性能に優れ、更に高グリップ性能を
必要とするハイパフォーマンスタイヤ用のトレッドゴム
にも好適に使用することのできるカーボンブラック、及
びこのカーボンブラックを配合した高位のヒステリシス
ロス特性を備えたゴム組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の請求項1に係るカーボンブラックは、CTA
B比表面積が85〜200m2/g、DBP吸油量が85〜
135ml/100g 、窒素吸着比表面積(N2SA)とよう素吸着
量(IA)との比N2 SA/IAが1.00以下の範囲にあ
り、下記 (1)式で算出されるアグリゲートのストークス
径分布特性を示すP値が2.20以下であることを構成
上の特徴とする。 P=(D10L −Dst)/(Dst−D10S ) … (1) 但し、Dst(nm)はディスクセントリフュージ(DCF) 法に
より測定されるカーボンブラックアグリゲートのストー
クス径の重量分布曲線における最高重量分率のストーク
ス相当径、D10L(nm) は最高重量分率の10%分率に相
当する大小2点のストークス相当径のうち大きい側のス
トークス相当径、D10S(nm) は小さい側のスークス相当
径、を示す。
【0011】更に、本発明の請求項2に係るカーボンブ
ラックは、請求項1記載のカーボンブラックにおいて、
好ましくは、CTAB比表面積が85〜180m2/g、24
M4DBP吸油量が110 ml/100g以下、着色力(Tin
t )が110%以上、P値が1.75以下の値に設定し
たものである。
【0012】また、本発明の高位のヒステリシスロス特
性を備えたゴム組成物は、請求項1または2記載のカー
ボンブラックを、ゴム100重量部に対し30〜200
重量部の割合で配合してなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のカーボンブラックは、C
TAB比表面積が85〜200m2/g、DBP吸油量が8
5〜135ml/100g 、窒素吸着比表面積(N2SA)とよう素
吸着量(IA)との比N2 SA/IAが1.00以下の範囲
にあることが必要である。
【0014】CTAB比表面積が85〜200m2/gの特
性要件は、ゴム成分に配合する際の加工性と減衰性能と
のバランスを考慮して設定した粒子径レベルの前提的特
性要件である。この値が85m2/gを下回るとヒステリシ
スロスのレベルを高位にすることが困難となり、一方、
200m2/gを越えるとムーニー粘度が上昇して練り加工
性が低下し、ゴム中におけるカーボンブラックの分散性
が低下する。好ましくは、CTAB比表面積は85〜1
80m2/gの範囲に設定する。
【0015】DBP吸油量が85〜135ml/100g の特
性要件は、ゴム組成物に適切な静的弾性率と硬さを付与
するためのストラクチャーレベルの前提要件となるもの
で、85ml/100g 未満では静的弾性率の低下が著しく、
目標の静的弾性率を維持するためにカーボンブラック配
合量を増やすと練り加工性の劣化が著しくなる。また1
35ml/100g を越えるとゴム成分への分散性は良好とな
るが、一定配合量当たりの練り加工性が低下する。な
お、好ましくは24M4DBP吸油量の値を110ml/100
g 以下に設定する。
【0016】窒素吸着比表面積(N2SA)とよう素吸着量(I
A)との比N2 SA/IAは、カーボンブラックの表面活
性(官能基量)の指標となるもので、この値が大きくな
るほど表面活性が高い、すなわち表面官能基量が多いこ
とを示し、この値が1.00を越えるとカーボンブラッ
ク表面官能基の増加によるヒステリシスロスの低下が著
しくなる。更に、より高度のレベルのヒステリシスロス
を得るためには着色力(Tint )は110%以上である
ことが好ましい。
【0017】これらのカーボンブラック特性は、下記の
方法によって測定される。 CTAB比表面積;ASTM D3765−89 "Standar
d Test Method for Carbon Black-CTAB(CET-YLTRIMETHY
L AMMONIUM BROMIDE) Surface Area" による。この測定
方法によるIRB#6 のCTAB比表面積は77m2/gであ
る。 DBP吸油量;JIS K6221−82「ゴム用カーボン
ブラックの試験方法」6.1.2 項A法による。この測定方
法によるIRB#6 のDBP吸油量は99ml/100g である。 窒素吸着比表面積(N2 SA);ASTM D3037−
88 " Standard Test Method for Carbon Black-Surfac
eArea by Nitrogen Absorption " による。この測定方
法によるIRB#6 のN2 SAは76m2/gである。 よう素吸着量(IA);JIS K6221−82「ゴム用
カーボンブラックの試験方法」6.1.1 項による。この測
定方法によるIRB#6 のIAは80mg/gである。 24M4DBP吸油量;ASTM D3493−85a " Stan
dard Test Method for Carbon Black-DibutylPhthalate
Absorption Number of Compressed Sample" による。
この測定方法によるIRB#6 の24M4DBP吸油量は87
ml/100g である。 着色力(Tint );JIS K6221−82「ゴム用カー
ボンブラックの試験方法」6.1.3 項に従い、ITRB#3を基
準試料として測定する。
【0018】本発明のカーボンブラックは上記の前提的
特性要件に加えて、P=(D10L −Dst)/(Dst−D
10S )式で算出されるアグリゲートのストークス径分布
特性を示すP値が2.20以下であることを必須の構成
要件とする。但し、Dst(nm)はディスクセントリフュー
ジ(DCF) 法により測定されるカーボンブラックアグリゲ
ートのストークス径の重量分布曲線における最高重量分
率のストークス相当径、また、このストークス重量分布
曲線において、最高重量分率の10%分率に相当する大
小2点のストークス相当径のうち、大きい側のストーク
ス相当径をD10L(nm) 、小さい側のスークス相当径D10
S(nm) とする。
【0019】このアグリゲートのストークス相当径の重
量分布曲線における最高重量分率のストークス相当径D
st、最高重量分率の10%分率に相当する大きい側のス
トークス相当径D10L 及び小さい側のストークス相当径
D10S は下記の方法により測定した値が用いられる。
【0020】JIS K6221−82 5「乾燥試料の作り
方」に基づいて乾燥したカーボンブラック試料を少量の
界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合し
てカーボンブラック濃度50mg/lの分散液を作製し、こ
れを超音波で充分に分散させて試料とする。ディスク・
セントリフュージ装置(英国 Joyes Lobel社製)を80
00rpm の回転数に設定し、スピン液(温度25℃の2重
量%グリセリン水溶液)を10ml加えたのち、1mlのバ
ッファー液(温度25℃の20容量%エタノール水溶液)を
注入する。次いで温度25℃のカーボンブラック分散液
0.5mlを注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同時
に記録計を作動させて図1に示す分布曲線(横軸はカー
ボンブラック分散液を注射器で加えてからの経過時間、
縦軸はカーボンブラックの遠心沈降に伴い変化した特定
点での吸光度)を作成する。この分布曲線より各時間T
を読み取り、次式(数1)に代入して各時間に対応する
ストークス相当径を算出する。
【0021】
【数1】
【0022】数1において、ηはスピン液の粘度(0.935
cp) 、Nはディスク回転スピード(8000rpm)、r1 はカ
ーボンブラック分散液注入点の半径(4.56cm)、r2 吸光
度測定点までの半径(4.82cm)、ρCBはカーボンブラック
の密度(g/cm3) 、ρ1 はスピン液の密度(1.00178g/cm3)
である。
【0023】このようにして得られたストークス相当径
と吸光度の分布曲線から、吸光度を重量分率に変換して
ストークス相当径の重量分布曲線(図2)を作成し、最
高重量分率のストークス相当径をDst(nm)とする。そし
て、最高重量分率の10%分率が得られる大小2点のス
トークス相当径のうち、大きい側のストークス相当径を
D10L(nm) 、小さい側のストークス相当径をD10S(nm)
とする。この方法により測定したASTM D-24 Standard R
eference Black E-5(N660)のDstは187nm、D10L は
410nm、D10S は70nmであった。
【0024】本発明のカーボンブラックは、このように
して測定されたDst、D10L 及びD10S の値を基にし
て、アグリゲートの分布特性を示す新たなパラメータと
して、(D10L −Dst)/(Dst−D10S )式で算出さ
れるP値を創出し、このP値を2.20以下の値に設定
した点に最大の特徴がある。
【0025】この(D10L −Dst)/(Dst−D10S )
式で算出されるP値は、図2からも判るようにカーボン
ブラックアグリゲートのストークス径による重量分布曲
線における大粒側の分布の拡がり、すなわち大粒側分布
のテーリングの程度を表すパラメータとなるものであ
り、P値が大きくなるほど大粒側のテーリングの割合が
大きいことを示している。
【0026】したがって、P値が大きくなるほどヒステ
リシスロス特性の減退を招くこととなるため、本発明は
P値を2.20以下と設定することによりヒステリシス
ロス特性の高位化を図るものである。より好ましくは、
P値は1.75以下に設定される。
【0027】このように本発明のカーボンブラックは、
CTAB比表面積、DBP吸油量、N2 SA/IA比な
どを特定した前提的特性要件に加えて、アグリゲートの
ストークス径による重量分布曲線における大粒側分布の
テーリングの程度を示す新たなパラメータとして創出し
たP値を2.20以下、好ましくは1.75以下に設定
することにより、ゴムに配合して一定静的弾性率当たり
高位のヒステリシスロス特性を付与することが可能とな
る。
【0028】本発明のヒステリシスロスの高いゴム組成
物は、上記の特性を具備したカーボンブラックをゴム成
分に配合して構成されたものである。すなわち、本発明
のカーボンブラックを、常法に従って加硫剤、加硫促進
剤、加硫助剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤などの必要
成分とともにゴム成分に配合、混練、加硫処理して目的
とするゴム組成物が得られる。ゴム成分としては、天然
ゴムやスチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、
イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチル
ゴム、などの各種合成ゴムあるいはこれらを混合したブ
レンドゴムが用いられる。カーボンブラックの配合量は
ゴム成分100重量部に対して30〜200重量部、好
ましくは50〜120重量部の範囲に設定される。
【0029】本発明のカーボンブラックは、収斂、開拡
する鼓状反応域をもつ広径円筒反応炉を用い、燃料油を
第一燃焼域及び第二燃焼域で2段に導入し、予熱した空
気または酸素を含む適宜な酸化剤と混合燃焼して高温燃
焼ガスをつくり、引き続く狭径反応域において、燃焼ガ
ス流に対して垂直方向から原料油を霧化導入することに
よって製造することができる。
【0030】例えば、図3に例示するように炉頭部の接
線方向に燃焼用空気送入ダクト1と一次燃料油ノズル5
及び二次燃料油ノズル6からなる2重構造で水冷外套を
有し、炉軸方向に伸縮自在の燃焼バーナ3を備えた一次
燃焼域4、更に同軸的に連接された狭径化スロート状燃
焼域7と、これに引き続く原料油ノズル9を備えた狭径
反応域8を介して下流に向かって緩やかに開口し、後部
に位置変更し得る水冷クエンチ11を備えた後部反応域10
からなる構造の製造炉を用いて製造することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例及び参考例と
対比して説明する。
【0032】実施例1〜6、比較例1〜7、参考例1〜
4 (1)カーボンブラックの製造;炉頭部に接線方向の燃焼
用空気送入ダクト1を備えたウィンドボックス2と一次
燃料油ノズル5及び二次燃料油ノズル6からなる2重構
造で伸縮自在の燃焼バーナ3を炉頭から炉中心軸に沿っ
て装着した内径800mm、長さ500mmの一次燃焼域
4、一次燃焼域4の出口から同軸的に連接された入口部
内径300mm、出口部内径120mm、長さ800mmの狭
径化スロート状燃焼域7、これに引き続く周辺から6本
の原料油ノズル9を等間隔に貫設した直径120mm、長
さ200mmの狭径反応域8、下流に向かって緩やかに開
口し後部に位置変更し得る水冷クエンチ11を備えた入
口部内径120mm、出口部内径500mm、長さ3000
mmの後部反応域10からなる図3に例示した構造の製造
炉を用い、一次燃料油ノズル5の噴出孔を一次燃焼域4
の基部に、二次燃料油ノズル6の先端噴出孔をスロート
状燃焼域7の長さの1/2位置にセットした。なお、燃
料油及び原料油には表1に示す性状のものを使用した。
【0033】
【表1】
【0034】上記の製造炉、原料油及び燃料油を用い、
全空気供給量、燃料油供給量、全原料油供給量、二次空
気導入率、クエンチまでの炉内滞留時間等を変えて特性
の異なるカーボンブラックを製造した。カーボンブラッ
クの製造条件と得られたカーボンブラックの特性を表2
(実施例)、及び、表3(比較例)に示し、表4に参考
例として市販品のカーボンブラックの特性を示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】 (注)*1 参考例1; ASTM N339 級カーボンブラック 参考例2; ASTM N219 級カーボンブラック 参考例3; ASTM N220 級カーボンブラック 参考例4; ASTM N110 級カーボンブラック
【0038】(2)ゴム組成物の作製;これらのカーボン
ブラックを表5に示した配合割合により天然ゴムに配合
し、配合物を145℃で40分間加硫してゴム組成物を
作成した。
【0039】
【表5】 (注)*2 川口化学工業(株)製“アクセルDM”
【0040】(3)ゴム物性の測定;得られたゴム組成物
についてゴム特性を測定し、その結果を表2(実施
例)、表3(比較例)、表4(参考例)に併載した。ま
た、静的弾性率(Es)と損失正接(tanδ、15Hz) の関係を
図4に、硬さ(Hs)と損失正接(tanδ、50Hz) の関係を図
5に示した。なお、ゴム特性のうち、損失正接(tanδ)
の測定は下記の方法で行い、その他は JIS K6301「加硫
ゴム物理試験方法」により測定した。
【0041】損失正接(tanδ) ;ヴィスコ・エラスティ
ック・スペクトロメータ〔(株)岩本製作所製〕を用い
て、下記の条件で測定した。 試験片;厚さ2mm 、長さ35mm、幅5mm 周波数 15Hz、動的歪率 2.0%、温度 25℃ 周波数 50Hz、動的歪率 1.0%、温度 60℃
【0042】表2〜4及び図4〜5の結果から、本発明
で特定したCTAB比表面積、DBP吸油量、N2 SA
/IA比の前提的特性要件を具備するとともに、本発明
で創出したアグリゲートの大粒側分布のテーリングの割
合を示すパラメータP値が2.20以下のカーボンブラ
ックを配合した実施例のゴム組成物は、少なくともいず
れかの特性要件が外れる比較例、参考例のゴム組成物に
比べて、一定静的弾性率、及び、一定硬さ当たりの損失
正接(tanδ) がともに高位にあり、優れたヒステリシス
ロス特性が付与されていることが判る。
【0043】
【発明の効果】以上のとおり、本発明で特定した特性要
件を満たすカーボンブラックは、ゴム成分に配合してゴ
ム組成物とした場合に、一定静的弾性率当たり高位のヒ
ステリシスロス特性を付与することができる。したがっ
て、高減衰性を必要とする建築用、橋梁支承用などの免
震ゴム、あるいは自動車、鉄道、電化製品などの防振ゴ
ムや制振ゴム用として、更に、高グリップ性能を必要と
するハイパフォーマンスタイヤ用のトレッドゴム用とし
て極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Dstの測定時におけるカーボンブラック分散液
を加えてからの経過時間とカーボンブラックの遠心沈降
による吸光度の変化を示した分布曲線である。
【図2】Dstの測定時に得られるストークス相当径と重
量分率の関係を示す分布曲線である。
【図3】本発明のカーボンブラックを製造するために用
いられる製造炉を例示した側断面図である。
【図4】実施例と比較例、参考例による静的弾性率(Es)
と損失正接(tanδ、15Hz) の関係を示したグラフであ
る。
【図5】実施例と比較例、参考例による硬さ(Hs)と損失
正接(tanδ、50Hz) の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 燃焼用空気送入ダクト 2 ウィンドボックス 3 燃焼バーナ 4 一次燃焼域 5 一次燃料油ノズル 6 二次燃料油ノズル 7 スロート状燃焼域 8 狭径反応域 9 原料油ノズル 10 後部反応域 11 水冷クエンチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CTAB比表面積が85〜200m2/g、
    DBP吸油量が85〜135ml/100g 、窒素吸着比表面
    積(N2SA)とよう素吸着量(IA)との比N2 SA/IAが
    1.00以下の範囲にあり、下記 (1)式で算出されるア
    グリゲートのストークス径分布特性を示すP値が2.2
    0以下であることを特徴とするカーボンブラック。 P=(D10L −Dst)/(Dst−D10S ) … (1) 但し、Dst(nm)はディスクセントリフュージ(DCF) 法に
    より測定されるカーボンブラックアグリゲートのストー
    クス径の重量分布曲線における最高重量分率のストーク
    ス相当径、D10L(nm) は最高重量分率の10%分率に相
    当する大小2点のストークス相当径のうち大きい側のス
    トークス相当径、D10S(nm) は小さい側のスークス相当
    径、を示す。
  2. 【請求項2】 CTAB比表面積が85〜180m2/g、
    24M4DBP吸油量が110 ml/100g以下、着色力(T
    int )が110%以上、P値が1.75以下である、請
    求項1記載のカーボンブラック。
  3. 【請求項3】 ゴム100重量部に、請求項1または2
    記載のカーボンブラックを30〜200重量部の割合で
    配合してなる一定静的弾性率当たり高位のヒステリシス
    ロス特性を備えたゴム組成物。
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