JP3763692B2 - 機能部品ゴム配合用カーボンブラック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のエンジンマウント等に用いられる防振ゴムをはじめシール材、パッキング材やホース、ベルト等の各種機能部品ゴム用として好適に用いられるカーボンブラックに関する。
【0002】
【従来の技術】
機能部品用の各種ゴム部材には長期間、安定に使用することが要求されるために耐へたり性や耐疲労性が高く、耐久性に優れていることが必要である。加えて防振ゴム部材には静動比の改良、すなわち動倍率の低いことが要求されている。そのため、従来からこれらの機能部品用ゴム部材に配合されるカーボンブラックには比表面積が小さい(粒子径が大きい)ソフト系のカーボンブラックが有用されている。
【0003】
例えば、特開平1ー229074号公報にはよう素吸着量(IA)8〜15mg/g、DBP吸油量35〜45ml/100g 、トルエン着色透過度60%以上のファーネスカーボンブラックにおいて、比着色力が下記算出式▲1▼で得られる値以下であり、かつ下記算出式▲2▼で得られるアグリゲートサイズ分布指数(S) が0.20以上の特性を有するサーマルタイプファーネスカーボンブラックが開示されている。
算出式▲1▼;比着色力=IA+20、算出式▲2▼;S=0.84932 ×log(D L 50/Dst)
【0004】
また、特開平7−166089号公報では、IAが8〜20mg/g、DBP吸油量が45〜95ml/100g の領域にあり、比着色力が下記算出式▲1▼で得られるAの値以下であり、かつ下記算出式▲2▼で得られるBの値が15〜60であるサーマルタイプ高ストラクチャーファーネスカーボンブラックが提案されている。
算出式▲1▼;A=20+IA、算出式▲2▼;B=(DBPA /IA)2
【0005】
更に、特開平9−48933号公報には、IAが20〜30mg/g、DBP吸油量が25〜35ml/100g という基本特性を有し、かつ窒素吸着比表面積(N2SA)とIAの比、N2 SA/IAが0.85〜1.10であり、遠心沈降法におけるカーボンブラック凝集体のΔDst/Dstが0.96〜1.02であることを特徴とするソフト系ファーネスカーボンブラックが開示されている。
【0006】
また、本出願人も、凝集体の遠心沈降法(DCF法)により測定されるモード径(Dst)が150nm以上、前記モード径(Dst)とその半値幅(ΔDst)の比(ΔDst/Dst)が1.5以上、着色力(T)とブラックネス(B)との比(B/T)が1.20以上の特性を備える機能部品ゴム配合用カーボンブラック(特開平3−14848 号公報)、天然ゴムまたはジエン系合成ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2 SA)≦60m2/g、DBP吸油量≦100ml/100g 、130nm≦Dst≦220nm、ΔDst/Dst≦0.95、の選択的特性を有するカーボンブラックを20〜100重量部配合したゴム組成物(特開平4−18438 号公報)等を開発提案した。
【0007】
これらの先行技術は、カーボンブラックの比表面積を小さくし、またストラクチャーレベルの低位化、更にアグリゲート分布におけるストークスモード径の大粒化や同分布のブロード化等により動倍率の低位化を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ストークスモード径の大粒化やアグリゲート分布のブロード化に伴って、特にアグリゲートの大粒側の分布の広がりが拡大し、大粒側のテーリングの拡大による耐疲労性等の補強性が低下する難点がある。
【0009】
そこで、本発明者はアグリゲート分布性状について更に研究を進めた結果、低比表面積化に伴うアグリゲート分布におけるストークスモード径の大粒化を抑制するとともにアグリゲート分布の大粒側分布におけるテーリング部分を小さくすることによって、ゴム成分に配合してゴム組成物とした際に、一定静的弾性率当たりの低位の動倍率を維持しつつ耐疲労性や耐へたり性の向上を図ることができることを見出した。
【0010】
本発明は上記の知見に基づいて完成したものであり、その目的はゴム成分に配合して、ゴム組成物に一定静的弾性率当たりの低動倍率と高耐疲労性及び高耐へたり性を付与し得る、機能部品ゴム配合用として好適なカーボンブラックを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の機能部品ゴム配合用カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2 SA)が30m2/g以下、DBP吸油量が35〜50 ml/100gの範囲にあり、下記(1) 式で算出されるアグリゲートのストークス径分布特性を示すP値が、2.7〜4.7の範囲にあることを構成上の特徴とする。
P=(D10L −Dst)/(Dst−D10S ) …(1)
但し、Dst(nm)はディスクセントリフュージ(DCF) 法により測定されるカーボンブラックアグリゲートのストークス径の重量分布曲線における最高重量分率のストークス相当径、D10L(nm) は最高重量分率の10%分率に相当する大小2点のストークス相当径のうち大きい側のストークス相当径、D10S(nm) は小さい側のスークス相当径、を示す。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の機能部品ゴム配合用カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2 SA)が30m2/g以下、DBP吸油量が35〜50 ml/100gの範囲にあることが必要である。N2 SAが30m2/gを超えると動倍率が大きくなって目標とする低位の動倍率を得ることが困難となる。また、DBPが35〜50 ml/100gの範囲は配合ゴムの静的弾性率を目標レベルに保持するための要件であり、DBPが35 ml/100g未満では静的弾性率を目標レベルに保持するためにはカーボンブラックの配合量を多くする必要があり、その結果動倍率の上昇が著しくなるためである。一方50 ml/100gを超えると静的弾性率を目標レベルとするためにはカーボンブラックの配合量が少なくなるために配合ゴムの加工性の低下を招くこととになる。
【0013】
このように、N2 SAが30m2/g以下、DBPが35〜50 ml/100gという特性要件は、本発明の機能部品ゴム配合用カーボンブラックの前提的特性要件となるもので、下記の方法によって測定される。
▲1▼窒素吸着比表面積(N2 SA);
ASTM D3027−88 " Standard Test Method for Carbon Black-Surface Area by Nitrogen Adsorption " による。この測定方法によるIRB#6のN2 SAは76m2/gである。
▲2▼DBP吸油量;
JIS K6221-82 「ゴム用カーボンブラックの試験方法」6.1.2 項A法による。この測定方法によるIRB#6のDBP吸油量は99ml/100g である。
【0014】
なお、好ましくはN2 SA及びDBPに加えて、着色力(Tint )の値を30〜40%の範囲に設定する。Tint が30%を下回ると耐疲労性が劣化傾向にあり、また40%を上回ると動倍率及びへたり性が低下傾向となるためである。なお、Tint はJIS K6221-82 「ゴム用カーボンブラックの試験方法」6.1.3 項により測定される。
【0015】
本発明の機能部品ゴム配合用カーボンブラックは上記の前提的特性要件に加えて、P=(D10L −Dst)/(Dst−D10S )式で算出されるアグリゲートのストークス径分布特性を示すP値が、2.7〜4.7の範囲にあることを必須の構成要件とする。但し、Dst(nm)はディスクセントリフュージ(DCF) 法により測定されるカーボンブラックアグリゲートのストークス径の重量分布曲線における最高重量分率のストークス相当径、また、このストークス重量分布曲線において、最高重量分率の10%分率に相当する大小2点のストークス相当径のうち、大きい側のストークス相当径をD10L(nm) 、小さい側のスークス相当径D10S(nm) とする。
【0016】
このアグリゲートのストークス相当径の重量分布曲線における最高重量分率のストークス相当径Dst、最高重量分率の10%分率に相当する大きい側のストークス相当径D10L 及び小さい側のストークス相当径D10S は下記の方法により測定した値が用いられる。
【0017】
JIS K6221-82 5 「乾燥試料の作り方」に基づいて乾燥したカーボンブラック試料を少量の界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合してカーボンブラック濃度50mg/lの分散液を作製し、これを超音波で充分に分散させて試料とする。ディスク・セントリフュージ装置(英国 Joyes Lobel社製)を4000rpm の回転数に設定し、スピン液(温度25℃の2重量%グリセリン水溶液)を10ml加えたのち、1mlのバッファー液(温度25℃の20容量%エタノール水溶液)を注入する。次いで温度25℃のカーボンブラック分散液0.5mlを注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同時に記録計を作動させて図1に示す分布曲線(横軸はカーボンブラック分散液を注射器で加えてからの経過時間、縦軸はカーボンブラックの遠心沈降に伴い変化した特定点での吸光度)を作成する。この分布曲線より各時間Tを読み取り、次式(数1)に代入して各時間に対応するストークス相当径を算出する。
【0018】
【数1】
Figure 0003763692
【0019】
数1において、ηはスピン液の粘度(0.935cp) 、Nはディスク回転スピード(4000rpm)、r1 はカーボンブラック分散液注入点の半径(4.56cm)、r2 吸光度測定点までの半径(4.82cm)、ρCBはカーボンブラックの密度(g/cm3) 、ρ1 はスピン液の密度(1.00178g/cm3)である。
【0020】
このようにして得られたストークス相当径と吸光度の分布曲線から、吸光度を重量分率に変換してストークス相当径の重量分布曲線(図2)を作成し、最高重量分率のストークス相当径をDst(nm)とする。そして、最高重量分率の10%分率が得られる大小2点のストークス相当径のうち、大きい側のストークス相当径をD10L(nm) 、小さい側のストークス相当径をD10S(nm) とする。この方法により測定したASTM D-24 Standard Reference Black E-5(N660)のDstは187nm、D10L は410nm、D10S は70nmであった。
【0021】
本発明の機能部品ゴム配合用カーボンブラックは、このようにして測定されたDst、D10L 及びD10S の値を基にして、アグリゲートの分布特性を示す新たなパラメータとして、(D10L −Dst)/(Dst−D10S )式で算出されるP値を創出し、このP値を2.7〜4.7の範囲に設定した点に最大の特徴がある。
【0022】
この(D10L −Dst)/(Dst−D10S )式で算出されるP値は、図2からも判るようにカーボンブラックアグリゲートのストークス径による重量分布曲線における大粒側の分布の拡がり、すなわち大粒側分布のテーリングの程度を表す指標となるものであり、P値が大きくなるほど大粒側のテーリングが大きいことを示している。
【0023】
そして、P値が2.7を下回ると動倍率が高くなり、耐へたり性及び耐疲労性との併立が難しくなる。逆に、4.7を超える場合には耐疲労性の劣化が大きくなり、動倍率及び耐へたり性との併立が困難となる。好ましくは、P値は3.0〜4.4の範囲に設定される。
【0024】
本発明は、このようにカーボンブラックの比表面積の低減化によるアグリゲートのストークス径の大粒化や分布幅の増大化に伴う、アグリゲート分布の大粒側における分布の拡がり、すなわちテーリング部分の割合を相対的に少なくすることによって、配合ゴムに低動倍率と高耐疲労性及び高耐へたり性をバランスよく付与することを可能としたものである。
【0025】
本発明のカーボンブラックは、常法に従って加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤等の必要成分とともにゴム成分に配合、混練、加硫処理して目的とする機能部品用のゴム部材が得られる。ゴム成分としては、天然ゴムやスチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、その他カーボンブラックにより補強可能な各種合成ゴム、混合ゴム等が対象となる。カーボンブラックの配合量はゴム成分100重量部に対して10〜100重量部、好ましくは20〜70重量部の範囲に設定される。
【0026】
本発明のカーボンブラックは、収斂、開拡する鼓状絞り部をもつ広径円筒反応炉を用い、150 〜200 ℃に余熱した燃料油と400 〜 500℃に余熱した空気または酸素を含む適宜な酸化剤を混合燃焼させた高温燃焼ガス中に原料油を10kg/cm2以上の圧力で霧化し、更に炉頭からの燃焼ガス滞留時間が350 〜450 ミリ秒の位置に酸素等の適宜な酸化剤を炉軸に垂直方向に1箇所または2〜4分割で全空気に対して5 〜10vol%の割合で導入することによって製造することができる。
【0027】
すなわち、図3に例示するような炉頭部に接線方向空気口1と水冷外套を有し、炉軸方向に進退可能な外筒燃焼バーナ2とこれに装着された伸縮自在な中軸筒原料油ノズル3からなる二重構造の燃料油及び原料油噴射ノズル4を備えた燃焼室5と、同軸的に鼓状の狭径部6を介して後拡円錐状反応室7が連接され、次いで位置変更可能な酸化剤供給口8及び下流域に水冷クエンチ10を備えた広径反応室9を経て垂直に立ち上がる煙道11に接続する円筒反応炉を用い、原料油導入位置は中軸ノズル3の伸縮により適宜変更することができる。この円筒反応炉において、例えば供給する空気量、燃料油量、原料油導入量、酸化剤供給量、炉内滞留時間等の製造条件を制御することにより製造することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例及び参考例と対比して説明する。
【0029】
実施例1〜4、比較例1〜5、参考例1〜2
(1)カーボンブラックの製造;
炉頭部に接線方向空気供給口1を備えたウインドボックスと下流出口部が緩やかに収斂する燃焼室5(内径700mm 、長さ500mm)、燃焼室と同軸的に連接する狭径部6(内径450mm 、長さ300mm)、これに引き続き開拡するテーパー状反応室7(内径450 〜800mm 、長さ700mm)、炉軸に垂直方向に開口した位置変更し得る酸化剤供給口8(上下2分割)を設けたストレート反応室9(内径800mm 、長さ3600mm)、及びストレート反応室の下流域に位置変更し得る水冷クエンチ10を設けた円筒反応炉を設置し、炉頭から炉中心軸に沿って二重筒構造の燃料油及び原料油噴射ノズル4を装着した。燃料油及び原料油噴射ノズル4は燃料油導入点(燃焼バーナの噴出孔)が収斂部入口に、原料油導入点(中軸ノズル3の噴出孔)は狭径部入口にそれぞれ位置するように調整した。なお、燃料油及び原料油には表1に示す性状のものを使用した。
【0030】
【表1】
Figure 0003763692
【0031】
上記の反応炉、原料油及び燃料油を用い、全空気供給量、燃料油供給量、全原料油供給量、二次空気導入率、クエンチまでの炉内滞留時間等を変えて特性の異なるカーボンブラックを製造した。カーボンブラックの製造条件と得られたカーボンブラックの特性を表2に示した
【0032】
【表2】
Figure 0003763692
【0033】
(2)ゴム組成物の作成;
各カーボンブラックを表3に示した配合割合により天然ゴムに配合し、配合物を145℃で40分間加硫してゴム組成物を作成した。
【0034】
【表3】
Figure 0003763692
【0035】
(3)ゴム物性の測定;
得られたゴム組成物についてゴム物性を測定し、その結果を表4に示した。なお、ゴム物性は下記の方法により測定した。
▲1▼動的剪断弾性率 (Ed100);ヴィスコ・エラスティック・スペクトロメーター〔 (株) 岩本製作所製〕を用い、以下の条件で測定した。
試験片; 厚さ 2mm、長さ35mm、幅 5mm
周波数; 100Hz 、動的歪率; 0.2%、温度; 室温
▲2▼静的剪断弾性率(Es);JIS K6386「防振ゴムのゴム材料」
▲3▼動倍率;動的剪断弾性率 (Ed100)/静的剪断弾性率(Es)から算出
▲4▼圧縮永久歪み;JIS K6301「加硫ゴム物理試験方法」により70℃×70Hrの条件で測定
▲5▼耐疲労性(伸長疲労寿命);ゴム疲労試験機〔(株)インフィニット・ニシ製〕を用いて以下の条件で測定し、切断までの平均寿命回数(MTTF, n=16) を求めた。
試験片; 3号ダンベル
歪み条件; 20mmの標線間の歪み率 0〜100%
加振周波数; 5Hz
雰囲気温度; 室温
【0036】
【表4】
Figure 0003763692
【0037】
また、静的弾性率(Es)と動倍率の関係を図4に、静的弾性率(Es)と平均伸長疲労寿命(MTTF)の関係を図5に、静的弾性率(Es)と圧縮永久歪み(Cs)の関係を図6に、平均伸長疲労寿命(MTTF)と動倍率の関係を図7に、圧縮永久歪み(Cs)と動倍率の関係を図8に、圧縮永久歪み(Cs)と平均伸長疲労寿命(MTTF)の関係を図9に示した。
【0038】
表4及び図4〜図9の結果から、本発明の特性要件を具備したカーボンブラックを配合した実施例のゴム組成物は、比較例、参考例のゴム組成物と比べて、一定静的剪断弾性率当たり動倍率、圧縮永久歪みが低く、更に伸長疲労寿命が長い傾向が認められ、また動倍率と伸長疲労寿命の関係、動倍率と圧縮永久歪みの関係、伸長疲労寿命と圧縮永久歪みの関係から、いずれも改良方向にあり、これらのゴム物性がバランスよく付与されていることが判る。
【0039】
【発明の効果】
本発明の特性要件を満たすカーボンブラックを天然ゴムや合成ゴムまたはそれらのブレンドゴムに配合したゴム組成物は、一定静的弾性率当たりの動倍率が低く、更に高耐へたり性及び高耐疲労性のゴム特性をバランスよく付与することができる。したがって、例えば自動車のエンジンマウント用等の防振ゴムやシール材、パッキング材やホース、ベルト等の一般工業用の機能部品ゴム部材に配合されるカーボンブラックとして極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Dstの測定時におけるカーボンブラック分散液を加えてからの経過時間とカーボンブラックの遠心沈降による吸光度の変化を示した分布曲線である。
【図2】Dstの測定時に得られるストークス相当径と重量分率の関係を示す分布曲線である。
【図3】本発明のカーボンブラックを製造するために用いられる反応炉を例示した側断面図である。
【図4】実施例と比較例、参考例による静的弾性率(Es)と動倍率の関係を示したグラフである。
【図5】実施例と比較例、参考例による静的弾性率(Es)と平均伸長疲労寿命(MTTF)の関係を示したグラフである。
【図6】実施例と比較例、参考例による静的弾性率(Es)と圧縮永久歪み(Cs)の関係を示したグラフである。
【図7】実施例と比較例、参考例による平均伸長疲労寿命(MTTF)と動倍率の関係を示したグラフである。
【図8】実施例と比較例、参考例による圧縮永久歪み(Cs)と動倍率の関係を示したグラフである。
【図9】実施例と比較例、参考例による平均伸長疲労寿命(MTTF)と圧縮永久歪み(Cs)の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 接線方向空気供給口
2 外筒燃焼バーナ
3 中軸筒原料油ノズル
4 燃料油及び原料油噴射ノズル
5 燃焼室
6 狭径部
7 後拡円錐状反応室
8 酸化剤供給口
9 広径反応室
10 水冷クエンチ
11 煙道

Claims (3)

  1. 窒素吸着比表面積(N2 SA)が30m2/g以下、DBP吸油量が35〜50 ml/100gの範囲にあり、下記(1) 式で算出されるアグリゲートのストークス径分布特性を示すP値が、2.7〜4.7の範囲にあることを特徴とする機能部品ゴム配合用カーボンブラック。
    P=(D10L −Dst)/(Dst−D10S ) …(1)
    但し、Dst(nm)はディスクセントリフュージ(DCF) 法により測定されるカーボンブラックアグリゲートのストークス径の重量分布曲線における最高重量分率のストークス相当径、D10L(nm) は最高重量分率の10%分率に相当する大小2点のストークス相当径のうち大きい側のストークス相当径、D10S(nm) は小さい側のスークス相当径、を示す。
  2. 着色力(Tint )が30〜40%である、請求項1記載の機能部品ゴム配合用カーボンブラック。
  3. P値の範囲が3.0〜4.4である、請求項1記載の機能部品ゴム配合用カーボンブラック。
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