JP5027989B2 - タイヤトレッド用カーボンブラックの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム成分配合時にタイヤトレッド用ゴム組成物として好ましい高い耐摩耗性と優れた低発熱性を付与することができるカーボンブラックの製造方法に関する。
カーボンブラックは、厳密に制御された条件下においてファーネス炉内で発生させたおよび/または外部で発生されて炉内に導入された高温燃焼ガス中へ原料炭化水素を噴霧導入し、この原料炭化水素の熱分解または不完全燃焼により生産される産業上有用な原材料であり、ゴム配合時の組成物に対して機械的性質、特に引張り強さ、耐摩耗性などの特性を飛躍的に向上させることができるという特異な性質を有することから、タイヤをはじめとする各種ゴム製品の充填補強剤として広く、かつ約100年もの長い期間にわたって用いられるとともに、その色彩的特徴である黒色度を利用して各種塗料、インキ用原材料などとしても利用されている。
ゴム配合用カーボンブラックは、その物理化学的特性、すなわちカーボンブラックを構成する単位粒子径、単位重量当たりの表面積(比表面積)、粒子のつながり度合(ストラクチャー)、表面性状などにより配合ゴム組成物の性能に大きな影響を与えるので、要求されるゴム性能、使用される環境等によって各種特性の異なるカーボンブラックが選択的に使用されている。
タイヤの接地面(トレッド部)に用いられるゴム組成物では、高速度回転で道路面との接触による摩損に対する耐性(耐摩耗性)に優れていると同時に、路面との接触で生じる繰り返し変形によるゴム組成物の発熱特性に大きな影響を与えるヒステリシス特性も重要な要素であるが、これら2つの特性は互いに相反する背反事項、すなわち一方の特性を向上させると他の特性が低下することが知られており、この解消が大きな課題となっている。
タイヤトレッド配合用カーボンブラックを用いてゴム組成物の耐摩耗性を向上させる手段、例えばより大きな比表面積、あるいはストラクチャーを有するカーボンブラックを採用した場合、前記のように耐摩耗性と発熱特性は互いに相反する特性の背反事項であり、この課題を解決するために種々の特性を有するカーボンブラックが提案されている。
例えば、カーボンブラックに含まれる炭素以外の構成元素や表面活性に着目し、カーボンブラック表面の水素量と酸素量の和、あるいは比を特定した発明(特許文献1および2など)が提案されている。
また、カーボンブラックに含有されるピリジンまたはトルエンによる溶媒抽出成分(重質タール成分:多環芳香族炭化水素成分他)を低減させることで、ゴム中での分散改良等により配合ゴム組成物の補強性、耐摩耗性を改良する発明(特許文献2および3など)が提案されている。
高温ガス流中に導入された原料炭化水素の熱分解または不完全燃焼によってカーボンブラックが生成する反応過程は極めて複雑であって未だ詳細に解明されていないが、一般に、カーボンブラック生成条件が一定であれば、カーボンブラック形成反応を停止させる急冷媒体導入位置を絞り位置から遠ざけること/および反応停止水量を下げることなどにより、UV吸光度が0.15以下という低芳香族炭化水素量含有カーボンブラックを得ることが開示されている(特許文献4)。しかしながら、この発明は着色用カーボンブラックを製造する方法に関するものであり、一般に形成されたカーボンブラックの高温雰囲気中への長時間の暴露は表面活性を低下させることになるので、ゴム配合時での耐摩耗性あるいは低発熱性などの特性は全く考慮されていない製造方法である。
高温ガス流中への原料油導入から急冷媒体導入までの反応滞留時間を特定した発明は特許文献5で開示されており、原料油導入して0.002秒以内で反応停止に至らない第1の急冷を行い、次に下流でさらに温度低下させて反応停止させるカーボンブラックの製造プロセスが記載されている。
しかしながら、この発明中の表において示されるトルエン変色(本発明ではトルエン着色透過度)の値が41〜78%といずれも低い値を示し、これはカーボンブラック中に含まれる多環芳香族炭化水素量が多いことを意味しており、この成分はゴムとの相互作用は小さいか、またはほとんどないのでゴム配合時での耐摩耗性あるいは低発熱性などの特性の改良は期待できない。
特開平4−108837号公報 特開平10−36703号公報 特開平9−40883号公報 特開平8−269360号公報 特公平7−49541号公報
かかる現状から、本発明の課題は、タイヤトレッドゴム配合用として耐摩耗性と低発熱性を高度に両立することに適したカーボンブラック、特にカーボンブラックの表面性状に着目したカーボンブラックの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、本発明のカーボンブラック製造方法としては、燃焼帯域と反応帯域および反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用い、燃焼帯域内で燃料用炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させる、引き続き反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼または熱分解反応により前記原料炭化水素から転化されたカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において前記反応ガス流を急冷して反応を終結させることからなるカーボンブラック製造方法において、前記原料炭化水素が前記高温ガス流中に導入されてから急冷媒体の導入されるまでの滞留時間をt(秒)、この空間での平均反応温度をT(℃)とし、さらに急冷媒体が導入されてから前記反応停止域通過までのカーボンブラックを含む反応ガス流の滞留時間をt(秒)、この空間内での平均反応温度をT(℃)として、下記(1)式および(2)式を満たすことを構成上の特徴とするものである。
(1)6.00≦α≦8.00
(2)−2.5×α+85.0≦β≦80.0
但し、β≧68.8
(式中、α=t×T、β=t×Tを表す)
ここで、本発明における各帯域について説明する。
前記燃焼帯域とは、燃料と空気との反応により高温ガス流が生成される領域であり、この下流端は原料油が反応装置内に導入される点(複数位置で導入される場合は最も上流側)、例えば8Cから原料油が導入される場合はそれよりも上流側(図では左側)を指す。
前記反応帯域とは、原料炭化水素が導入された点(複数位置の場合は最も上流側)から反応継続兼冷却室10内の急冷水噴霧手段a〜y(これらの手段は反応継続兼冷却室10内で抜き差し自在であり、生産する品種、特性により使用位置は選択される)の作動(水を導入する)点までを指す。すなわち、8Cで原料油を導入し、hで水を導入した場合、この間の領域が反応帯域となる。
前記反応停止帯域とは、急冷水圧入噴霧手段を作動させた点よりも下側(図では右側)の帯域を指す。
本発明のカーボンブラック製造方法においては、反応帯域および反応停止帯域におけるカーボンブラックの熱への暴露、換言すれば熱履歴の大きさを表すαおよびβ値が上記範囲を満たすことが必要条件であり、平均反応温度調整のために、原料炭化水素導入位置から急冷媒体導入位置までの範囲および/または急冷媒体導入位置から最終反応工程までの範囲に空気および酸素又は炭化水素燃焼ガス等のガス体を導入添加することができる。また、それぞれの工程における平均温度TおよびTを算出するために、各工程で少なくとも2ヶ所、望ましくは3〜4ヶ所の温度を測定することが好ましい。
また、滞留時間の算出は燃焼帯域中に導入された燃料および空気による燃焼反応生成物を用いた公知の熱力学的計算方法により燃焼ガス流体の容積を算出し、次いで次式により求められる。
Figure 0005027989
なお、原料油の分解反応および急冷媒体による体積増加は無視するものとする。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のカーボンブラックの製造方法は、原料炭化水素導入位置から急冷媒体導入位置までの高温燃焼ガスと原料炭化水素が初期接触以降に経過した滞留時間をt(秒)、この空間内での平均反応温度をT(℃)とし、さらに急冷媒体導入されてから反応停止帯域通過までの反応ガス流の滞留時間をt(秒)、この空間での平均反応温度T(℃)としたとき、各工程においてどの様な温度でどのくらいの間熱を受けているかを示すこれらの積(熱履歴の程度を示す指標)を新規に定義し、かつこれらの値が6.00≦α≦8.00、−2.5×α+85.0≦β≦80.0
但し、β≧68.8、(式中、α=t×T、β=t×Tを表す)という特定の範囲の値に設定し、生成中のおよび/または生成したカーボンブラックへの熱履歴を最適化することでゴム組成物での機械的特性、特に耐摩耗性での低下を回避でき、これによりタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックとして耐摩耗性と低発熱性を高度に両立できることを見いだして、本発明を完成させたものである。
本発明のカーボンブラックの製造方法は、原料炭化水素導入位置から急冷媒体導入位置までの滞留時間をt(秒)、その空間内の平均反応温度をT(℃)、それらの積をα、急冷媒体導入から反応停止帯域通過までの滞留時間をt(秒)、その空間内の平均反応温度をT(℃)、それらの積をβとするとき、6.00≦α≦8.00、であり、かつ−2.5×α+85.0≦β≦80.0であり、β≧68.8であることが目的のカーボンブラックを得るための必要条件である。tとTの積αが2.00未満の製造条件で得られるカーボンブラックは、トルエン着色透過度が90%未満、またはモノクロロベンゼン抽出量が0.15%を超え、カーボンブラック中に含有される多環芳香族炭化水素成分が多く存在し、この成分はゴムに対して十分な補強性を与えないために耐摩耗性が低下するので好ましくない。より好ましいα値は、6.00以上である。これとは逆にαが8.00を超えた製造条件、すなわちカーボンブラック反応帯域中において過度の熱履歴を受けた条件で得られるカーボンブラックは水素放出率が関係式値〔0.260−0.000625×(CTAB)〕以下となり、ゴム組成物の耐摩耗性が低下するとともに、ゴム組成物の発熱が大きくなるため好ましくない。
また、α値が前述の範囲を満たしてたとしても、tとTの積βが〔−2.5×α+85.0〕の関係式値未満の製造条件、すなわち急冷媒体導入後から反応停止帯域までの熱履歴が小さい場合に得られるカーボンブラックは、トルエン着色透過度が90%未満、またはモノクロロベンゼン抽出量が0.15%を超え、逆にβ値が90.0を超える過剰な熱履歴を受ける製造条件下で得られるカーボンブラックは、水素放出率が関係式値〔0.260−0.000625×(CTAB)〕以下となり、上記と同様な理由で好ましくない。より好ましいβ値は、86.0以下である。
また、本発明のカーボンブラックの製造方法は、反応帯域または反応停止帯域での平均反応温度TまたはTを調整するために、原料炭化水素導入位置から急冷媒体導入位置までの範囲および/または急冷媒体導入位置から反応停止帯域下流端までの範囲の空間内に空気又は酸素と炭化水素の混合物あるいはこれらの燃焼反応による燃焼ガス等のガス体を導入添加してもよく、平均反応温度Tの調整のために、急冷媒体導入位置での急冷媒体、例えば水の導入量等を適宜制御してもよい。
本発明によれば、カーボンブラックの製造方法おいて、特定な範囲の反応条件で製造することにより、タイヤトレッドゴム配合用として耐摩耗性と低発熱性を高度に両立しうる、高位な水素放出率と低位な含有多環芳香族炭化水素量の両立を特徴とした、産業上有用なカーボンブラックを提供することができる。
以下に本発明の実施例を比較例と対比しながら詳しく説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
実施例および比較例
図1〜2に示すカーボンブラック反応装置(図1)を用いてRunNo.1〜9のカーボンブラックを製造した。
可燃性流体導入室(内径450mmφ、長さ400mm)2の内部に反応装置頭部外周から導入された酸素含有ガスを整流するための整流板5を有する酸素含有ガス導入用円筒(内径250mmφ、長さ300mm)4とその中心軸に燃料導入手段を備え、前記円筒の下流側は次第に収れんする収れん室(上流端内径370mmφ、下流端内径80mmφ、収れん角度5.3°)7となり、かつ収れん室7の下流側には図2に8B平面で例示したような4つの原料油噴霧口(8B−1、8B−2、8B−3、8B−4)を同一平面上に設置した4つの別個の平面を形成する原料油噴霧口(8A〜8D)を含む原料油導入室9を有し、この下流側は反応停止用急冷水圧入噴霧手段(a〜y)を25ヶ所備えた反応継続兼冷却室(内径160mmφ、長さ7500mm)10からなる、全体が耐火物で覆われた反応装置を用いた。
ここで、反応継続兼冷却室10という名称を用いたのは、原料導入時点から前記反応停止用急冷水圧入噴霧手段の作動時点までが反応帯域、それ以降が反応停止帯域であり、この急冷水導入位置が要求されるカーボンブラック性能により移動することがあるためである。
例えば、図1において原料油導入位置が8Cであり、冷却水導入位置をfとした場合には、8Cとfまでの間が反応帯域である。
また、反応装置内の温度をモニターするため、反応帯域および反応停止帯域のそれぞれに少なくとも2ヵ所以上に熱電対を挿入できる構造を備えている装置を用いた。
燃料には比重0.8622(15℃/4℃)のA重油を用い、原料油としては表1に示した性状の重質油を使用した。なお、0.8622(15℃/4℃)は15℃のときのA重油の質量と4℃の水の質量との比が0.8622となることを表示している。
Figure 0005027989
前記のカーボンブラック反応装置を用い、表2〜表3に示した発明の要件を満たす操作条件および外された操作条件によりカーボンブラックを製造した。
表2〜表3に記載のカーボンブラック製造条件は、前述の反応装置を用いて実施例カーボンブラックおよび比較例カーボンブラックを導入総空気量、原料油導入量および温度、燃料導入量、また、原料炭化水素導入位置から急冷媒体導入位置までの滞留時間、その空間内の平均反応温度、さらに急冷媒体導入されてから反応停止帯域通過までの滞留時間、その空間内の平均反応温度などの条件を調整して製造したものである。
前記表2〜表3の操作条件により製造された各カーボンブラックの物理化学的特性等を表4〜表5に示した。
Figure 0005027989
Figure 0005027989
Figure 0005027989
Figure 0005027989
本発明に記載のカーボンブラックの各特性は、下記の方法により測定されたものである。
(1)DBP吸収量、24M4DBP吸収量
JIS K6217−4:2001に記載の方法で測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。
(2)CTAB吸着比表面積
JIS K6217−3:2001に記載の方法により測定され、単位重量当たりの比表面積m/gで表示される。
(3)トルエン着色透過度
JIS K6218:1997の第8項B法に記載の方法により測定され、純粋なトルエンの透過率を100%としたときの処理液の透過率(%)で表示される。数字が大きいほどトルエン汚染度が小さい、すなわち未分解芳香族炭化水素成分が少ないことを意味する。
(4)水素放出率
(a)カーボンブラック試料を105℃の恒温乾燥機中で1時間乾燥し、デシケータ中
で室温まで冷却する。
(b)スズ製のチューブ状サンプル容器に約10mgを精秤し、圧着・密栓する。
(c)水素分析装置〔堀場製作所EMGA621W〕でアルゴン気流下、2000℃で
15分間加熱したときの水素ガス発生量を測定し、その質量分率を求める。
(5)モノクロロベンゼン抽出量
JIS K6218:1997の第9項溶媒抽出量に準拠し、溶媒としてモノクロロベンゼン、抽出時間として30時間行い抽出量を測定した。
表4および5に示した、物理化学特性を有するRun No.1〜9のカーボンブラックの性能を評価するために、表6に示した配合割合でゴム組成物を調整し、その特性試験を行った。その結果を表7〜8に示す。
Figure 0005027989
Figure 0005027989
Figure 0005027989
ゴム特性は次のようにして測定した。
(1)ゴム配合方法
表6に示す配合割合のゴム組成物をバンバリーミキサーを用いて混練し、さらに加圧型加硫装置で145℃で30分間加硫して加硫ゴムを得た。
(2)加硫ゴムの耐摩耗性評価
ランボーン摩耗試験器を用いて摩耗損失量を測定し、次式より耐摩耗性指数を算出した。なお、数値が大きい程、耐摩耗性に優れる。
耐摩耗指数 = (S/T)×100
ここで、S:比較基準(比較例RunNo.8)試験片の摩耗損失量
T:各ゴム試験片の摩耗損失量
(3)加硫ゴムの発熱性評価
JIS K6255:1996に記載の方法により反発弾性を測定した。なお、測定値は比較例(RunNo.8)の試験片の反発弾性を100として指数で表示した。指数値が大きい程、反発弾性が高く、低発熱性に優れることを示す。
表4、5に示した物理化学特性および表7、8に示したゴム特性の結果から、本発明によるカーボンブラック製造プロセスの効果を説明する。RunNo.1〜4のカーボンブラックは本発明製造プロセスにかかるものであり、RunNo.5〜9のカーボンブラックは本発明の特定要件の1つまたはそれ以上の要件を外れた比較例である。
RunNo.5は本発明製造条件の必須要件の1つであるβの値が上限の90.0を上回った例であり、反発弾性はほぼRunNo.1と近似するがランボーン耐摩耗性については劣り、RunNo.6はβが逆に算出値の下限を下回った例であり、反発弾性はほぼRunNo.2と近似するがランボーン耐摩耗性については劣る。また、RunNo.7は本発明製造条件の必須要件の1つであるαおよびβの値がいずれも本発明範囲の下限を下回った例であり、反発弾性はほぼRunNo.2と近似するがランボーン耐摩耗性については劣り、RunNo.8は本発明製造条件の必須要件の1つであるαの値が本発明範囲の上限を上回った例であり、反発弾性はほぼRunNo.1と近似するがランボーン耐摩耗性については劣る。さらに、RunNo.9は、本発明製造条件の必須要件の1つであるαおよびβの値がいずれも本発明範囲の上限を上回った例であり、反発弾性はほぼRunNo.3と近似するがランボーン耐摩耗性については劣る。
表7および8に示したゴム配合特性から、実施例で開示された製造条件を満たすカーボンブラックは、それぞれ対応する比較例と比べていずれも非常に良好な耐摩耗性とともに低発熱性(反発弾性で評価され、高いほど良好)の点においてもかなりのレベルを維持していることが判る。特に、αとβの両特性がはずれたRunNo.7、9では耐摩耗性の低下が著しい。
本発明の一例の装置の縦断正面説明図である。 図1のA−A矢視における断面図である。
符号の説明
1 カーボンブラック反応装置
2 可燃性流体導入室
3 酸素含有ガス導入管
4 酸素含有ガス導入用円筒
5 整流板
6 燃料油噴霧装置導入管
7 収れん室
8A 原料油噴霧口
8B 原料油噴霧口
8C 原料油噴霧口
8D 原料油噴霧口
9 原料油導入室
10 反応継続兼急冷室
a〜y 急冷水圧入噴霧手段

Claims (2)

  1. 燃焼帯域と反応帯域および反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用い、燃焼帯域内で燃料用炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させ、引き続き反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼または熱分解反応により前記原料炭化水素から転化されたカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において前記反応ガス流を急冷して反応を終結させることからなるカーボンブラックの製造方法において、前記原料炭化水素が前記高温ガス流中に導入されてから急冷媒体の導入されるまでの滞留時間をt(秒)、この空間での平均反応温度をT(℃)とし、さらに急冷媒体が導入されてから前記反応停止帯域通過までのカーボンブラックを含む反応ガス流の滞留時間をt(秒)、この空間内での平均反応温度をT(℃)として、下記(1)式および(2)式を満たす条件下で制御することを特徴とするカーボンブラックの製造方法。
    (1)6.00≦α≦8.00
    (2)−2.5×α+85.0≦β≦80.0
    但し、β≧68.8
    (式中、α=t×T、β=t×Tを表す)
  2. 原料炭化水素導入位置から冷却媒体導入位置までの空間内および/または冷却媒体導入位置から反応停止帯域通過までの空間内に空気または酸素と炭化水素の混合物あるいはこれらの燃焼反応による燃焼ガスを含むガス体を導入添加する、請求項1記載のカーボンブラックの製造方法。
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