JP2010144011A - タイヤトレッドゴム配合用カーボンブラック、それを用いたタイヤ用ゴム組成物および自動車用タイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)DBP吸収量(DBP)が40〜250ml/100g (2)24M4DBP(圧縮後のDBP吸収量)が35〜220ml/100g (3)CTAB吸着比表面積(CTAB)が70〜200m2/g (4)水素含有率(%)>0.350−0.000625×(CTAB) (5)トルエン着色透過度が90%以上の特性を有するタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラック、それを用いたタイヤ用ゴム組成物および自動車用タイヤ。
【選択図】図1
Description
さらに、カーボンブラックに含まれる炭素以外の構成元素や表面活性に着目し、カーボンブラック表面の水素量を特定した発明(特許文献1および2など)、あるいは水素量と酸素量の和、また比を特定した発明(特許文献3および4など)も提案されている。
また、発生水素量をカーボンブラック表面積との関係式により提案した発明(特許文献6)があるが、後述のとおり、従来技術と本発明ではカーボンブラックに含まれる水素に対する考え方が根本的に異なっているだけでなく、特許文献6では耐摩耗性の向上という点は達成できても、併せて優れたヒステリシス特性(低発熱性)を満足させることはできない。
特許文献7における請求項1の発明は、燃焼帯域と反応帯域および反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用い、燃焼帯域内で燃料用炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させ、引き続き反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼または熱分解反応により前記原料炭化水素から転化されたカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において前記反応ガス流を反応停止温度まで冷却して反応を終結させることからなるカーボンブラック製造方法において、前記原料炭化水素が前記高温ガス流中に導入されてから急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt1(秒)、この空間での平均反応温度をT1(℃)とし、さらに急冷媒体が導入されてから前記反応停止域通過までのカーボンブラックを含む反応ガス流の滞留時間をt2(秒)、この空間内での平均反応温度をT2(℃)として、下記(1)式および(2)式を満たす条件下で制御することを構成上の特徴とするものである。
(1)2.00≦α≦9.00
(2)−2.5α+85.0≦β≦90.0
(式中、α=t1×T1、β=t2×T2を表す)
先願請求項2の発明は、上記αおよびβが(1)3.00≦α≦8.00(2)−2.5×α+85.0≦β≦86.0の範囲を満たすことが更に好ましいとするものである。
先願請求項3の発明は、原料炭化水素導入位置から冷却媒体導入位置までの空間内および/または冷却媒体導入位置から反応停止帯域通過までの空間内に空気または酸素と炭化水素の混合物あるいはこれらの燃焼反応による燃焼ガスを含むガス体を導入添加する、先願請求項1または2記載のカーボンブラックの製造方法に関するものである。
先願2における請求項1の発明は、
(1)DBP吸収量(DBP)が40〜250ml/100g
(2)24M4DBP(圧縮後のDBP吸収量)が35〜220ml/100g
(3)CTAB吸着比表面積(CTAB)が70〜200m2/g
(4)水素放出率(%)>0.260−0.000625×(CTAB)
(5)トルエン着色透過度が90%以上
の特性を有するタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックとするものである。
先願2の請求項2の発明は、前記DBPが95〜220ml/100gであり、前記24M4DBPが90〜200ml/100gである請求項1記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックである。
先願2の請求項3の発明は、(6)モノクロロベンゼン抽出量が0.15%以下である請求項1または2いずれか記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックとするものである。
先願2の請求項4の発明は、燃焼帯域と反応帯域および反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用い、燃焼帯域内で燃料用炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させ、引き続き反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼または熱分解反応により前記原料炭化水素から転化されたカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において前記反応ガス流を急冷して反応を終結させることからなるカーボンブラックの製造方法において、前記原料炭化水素が前記高温ガス流中に導入されてから急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt1(秒)、この空間での平均反応温度をT1(℃)とし、さらに急冷媒体が導入されてから前記反応停止帯域通過までのカーボンブラックを含む反応ガス流の滞留時間をt2(秒)、この空間内での平均反応温度をT2(℃)として、下記(i)式および(ii)式を満たす条件下で制御することにより下記の(1)から(3)の特性を同時に満足せしめた請求項1〜3いずれか記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックとするものである。
(i)2.00≦α≦9.00
(ii)−2.5×α+85.0≦β≦90.0
(式中、α=t1×T1、β=t2×T2を表す)
(1)DBP吸収量(DBP)が40〜250ml/100g
(2)24M4DBP(圧縮後のDBP吸収量)が35〜220ml/100g
(3)CTAB吸着比表面積(CTAB)が70〜200m2/g
かかる現状から、本発明の課題は、タイヤトレッドゴム配合用として耐摩耗性とヒステリシス特性および伸び特性をより一層高度に両立することを可能とするカーボンブラック、特にカーボンブラックの表面性状として水素含有量に着目したカーボンブラックおよびこれを用いたゴム組成物、さらにはこの組成物により構成されるタイヤを提供することにある。
(1)DBP吸収量(DBP)が40〜250ml/100g
(2)24M4DBP(圧縮後のDBP吸収量)が35〜220ml/100g
(3)CTAB吸着比表面積(CTAB)が70〜200m2/g
(4)水素放出率(%)>0.350−0.000625×(CTAB)
(5)トルエン着色透過度が90%以上
の特性を有するタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックに関する。
本発明の第2は、前記DBPが95〜220ml/100gであり、前記24M4DBPが90〜200ml/100gである請求項1記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックに関する。
本発明の第3は、(6)モノクロロベンゼン抽出量が0.15%以下である請求項1または2いずれか記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックに関する。
本発明の第4は、燃焼帯域と反応帯域および反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用い、燃焼帯域内で燃料用炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させ、引き続き反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼または熱分解反応により前記原料炭化水素から転化されたカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において前記反応ガス流を反応停止温度まで冷却して反応を終結させて得られるカーボンブラックであって、前記原料炭化水素が前記高温燃焼ガス流中に導入されてから第1の急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt1(秒)、第1の急冷媒体が導入される直前の反応温度をT1(℃)とし、第1の冷却媒体が導入されてから次の第2の急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt2(秒)、第2の急冷媒体が導入される直前の反応温度をT2(℃)とし、さらに第2の急冷媒体が導入されてから前記反応停止帯域通過までの反応ガス流の滞留時間t3(秒)、反応停止帯域で反応ガス流を急冷して反応を終結する直前の反応温度(反応継続兼冷却室の下流端空間近傍での温度)をT3(℃)として、下記(i)式、(ii)式および(iii)式を満たす条件下で制御することにより下記の(1)から(3)の特性を同時に満足せしめた請求項1〜3いずれか記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックに関する。
(i)3.00≦α1≦5.00
(ii)5.00≦α2≦8.00
(iii)−2.5×(α1+α2)+85.0≦β≦86.0
(式中、α1=t1×T1、α2=t2×T2、β=t3×T3)
(1)DBP吸収量(DBP)が40〜250ml/100g
(2)24M4DBP(圧縮後のDBP吸収量)が35〜220ml/100g
(3)CTAB吸着比表面積(CTAB)が70〜200m2/g
本発明の第5は、請求項1〜4いずれか記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックを含有することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物に関する。
本発明の第6は、請求項5記載のタイヤ用ゴム組成物を用いることを特徴とする自動車用タイヤに関する。
(1)DBP吸収量(DBP)が40〜250ml/100g
(2)24M4DBP(圧縮後のDBP吸収量)が35〜220ml/100g
(3)CTAB吸着比表面積(CTAB)が70〜200m2/g
(4)水素放出率(%)>0.350−0.000625×(CTAB)
(5)トルエン着色透過度が90%以上
の特性を有するタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックであることを特徴としているが、このカーボンブラックは反応帯域および反応停止帯域の各帯域において、どの程度の温度(℃)で、どのくらいの時間(秒)、熱的に暴露されているかを示すこれらの積(熱履歴の程度を示す指標)に着目し、各帯域での各積の値を特定範囲に設定して、生成中のおよび/または生成したカーボンブラックへの熱履歴を最適化することでゴム組成物での機械的特性、特に耐摩耗性での低下を回避でき、これにより耐摩耗性と低発熱性および伸びを高度に両立できることを見出したものである。
1)カーボンブラックの製造工程における原料導入位置から反応停止帯域通過までの空間の分割数が、先願発明では2つであったのに対して3つとなり、よりカーボンブラック生成中のおよび/または生成反応での熱履歴の大きさを細かく制御する。
2)先願のカーボンブラックと同じ基本的物理化学特性を有し、かつ先願カーボンブラックでの請求項1の(4)水素放出率(%)>0.260−0.000625×(CTAB)よりも水素放出率(%)が大きい側にあり、これが先願発明におけるゴム組成物の性能に大きな差異を与えていると推測することができる。
本発明のカーボンブラックにおいては、関係式〔水素放出率(%)>0.350−0.000625×(CTAB)〕で算出される、水素放出率(%)を先願発明2よりも高い側に制御し、先願発明2における数値を超える範囲にあることが大切であるが、一般にカーボンブラックは比表面積の大小により、水素放出率(%)が変化する。
これは主にカーボンブラック生成反応温度、反応時間、反応雰囲気の違いに起因すると想定されるが、本発明のカーボンブラックは、上記関係式で算出される水素放出率(%)を超えるように反応炉内での熱履歴を適宜調整を行うことで制御している。
水素放出率(%)が関係式で算出される水素放出率(%)以下では、タイヤ用ゴム組成物の耐摩耗性が低下するとともに、ヒステリシス特性が低下するため好ましくない。
すなわち、特許文献6の技術では結晶構造の規則性が乏しく、ゴムとの反応性に富んだ表面状態を有するカーボンブラックを得るために反応時間を極端に短時間化する(実施例では2.5〜6.0ミリ秒)ことにより得られる(明細書3ページ)と述べているが、単純に反応時間を短くすることはカーボンブラック中に残存する未分解成分(カーボンブラックよりもH/C比がずっと大きい)が増大することは明らかである(トルエン着色透過度は低くなり、溶媒抽出量は増加する)。
このように含有される水素(活性水素)が多いカーボンブラックがゴム分子の相互作用を増大させ、これにより配合ゴム組成物の耐摩耗性を向上させることができることは特許文献6においてすでに開示された通りであるが、特許文献6の技術での水素量の測定は1200℃で実施されており、この温度ではカーボンブラック中のすべての水素を測定することは困難である(図5:平成7年4月15日発行「カーブンブラック便覧」第三版第11頁)。
したがって、特許文献6の技術のカーボンブラックではH/C比の大きい、かつゴムマトリックスとは何らの相互作用をもたない、すなわち補強性に関与しない未分解成分を多く含み、加えて水素量の全体を測定できない1200℃の分解温度における測定値により判断しているという問題がある。
DBP吸収量が40ml/100g未満または24M4DBP吸収量が35ml/100g未満では、タイヤ用ゴム組成物として最低限必要な引張応力を発現することができないため好ましくない。
またDBP吸収量が250ml/100g超え、または24M4DBP吸収量が220ml/100gを超えると、最低限必要な伸びを確保することができないため好ましくない。
これに加えて、DBP吸収量および24M4DBP吸収量の上限である250ml/100gおよび220ml/100gの数値は、反応帯域中に他の成分の添加(例えば水蒸気など)がない場合にはこの上限を超えることはほとんどないことからもこの範囲が設定される(もし添加物が炉内に加えられた場合、一般的にカーボンブラックにより付与される耐摩耗性は低下するので好ましくない)。
70m2/g未満では、タイヤ用ゴム組成物として最低限必要な引張り強さを発現することができず、200m2/gを超えると、ゴム組成物中への分散性を十分に確保できず、逆にゴム組成物の耐摩耗性等が悪化するため好ましくない。
(i)3.00≦α1≦5.00
(ii)5.00≦α2≦8.00
(iii)−2.5×(α1+α2)+85.0≦β≦86.0
また、前記製造に当っては、原料炭化水素導入位置から急冷媒体導入位置までの帯域内および/または急冷媒体導入位置から反応停止帯域通過までの帯域内に空気または酸素と炭化水素の混合物あるいはこれらの燃焼反応による燃焼ガスを含むガス体を導入添加ことが好ましい。
燃焼ガス生成帯域とは、燃料と空気との反応により高温ガス流が生成される領域であり、この下流端は原料油が反応装置内に導入される点、例えば図1の8Bから原料油が導入される場合はそれよりも上流側(図1では左端)から原料油が導入される8Bまでを指す。また、複数位置より原料油が導入される場合の燃焼ガス生成帯域とは、例えば図1の8A,8B,8Cから同時に原料油が導入される場合は、原料油が導入される最も上流の8C(図1では左端)までを指す。
反応帯域1とは、原料炭化水素が導入された点(複数位置での導入の場合は最も上流側)から反応継続兼冷却室10内での温度計設置または急冷水噴霧装置設置用空間(a〜z)における反応生成物の冷却のための第1の急冷水噴霧手段(b〜vで表示され、これらの手段は反応継続兼冷却室10内で抜き差し自在であり、生産する品種、特性により使用位置は選択される)の作動(水を導入する)点までを指す。すなわち、8Bで原料油を導入し、第1の冷却媒体導入位置をcで水を導入した場合、この間の領域(8B〜c)が反応帯域1となる。
反応帯域2とは、第1の冷却媒体が導入された点から反応継続兼冷却室10内での温度計設置または急冷水噴霧装置設置用空間(a〜z)における反応生成物の冷却のために第2の急冷水噴霧手段(d〜xで表示され、これらの手段は反応継続兼冷却室10内で抜き差し自在であり、生産する品種、特性により使用位置は選択される)の作動(水を導入する)点までを指す。すなわち、第1の冷却媒体導入位置をcで水を導入し、第2の冷却媒体導入位置をhで水を導入した場合、この間の領域(c〜h)が反応帯域2となる。なお、第1の冷却媒体および第2の冷却媒体の噴霧手段設置位置のすぐ上流側空間には反応空間温度測定装置が設置されている〔例えば上記の場合にはbとgに設置され、これら温度がT1(℃)とT2(℃)となる〕。
反応停止帯域とは、第2の急冷水圧入噴霧手段を作動させた点よりも下側(図では右側)の帯域を指す。
また、反応停止帯域で反応ガス流を急冷して反応を終結する直前の反応温度(反応継続兼冷却室の下流端空間での温度)は図1右端のyを指し、これは下流端のz点において反応生成物分離装置に導入する雰囲気温度を低下させる冷却水導入装置を設置するためであり、このy点での温度を終結する直前の反応温度とみなすが、前記複数アルファベットの温度計設置または急冷水噴霧装置設置用空間の表示においては単に下流端近傍という意味合いだけで、設置空間の数または長さを限定するものではなく、本発明で特定した温度および滞留時間を満足させる条件で適宜選択される。
ここで、反応継続兼冷却室10という名称を用いたのは、原料導入時点から前記反応停止用急冷水圧入噴霧手段の作動時点までが反応帯域、それ以降が反応停止帯域であり、この急冷水導入位置が要求されるカーボンブラック性能により移動することがあるためである。
例えば、図1において原料油導入位置が8Bであり、第1の急冷媒体導入位置をcとし、第2の急冷媒体導入位置をhとした場合には、8Bとcまでの間が反応帯域1であり、これ以降で第2の急冷媒体導入点hまでが反応帯域2であり、その下流側が反応停止帯域となる。
JIS K6217−4:2001に記載の方法で測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。
JIS K6217−3:2001に記載の方法により測定され、単位重量当たりの比表面積m2/gで表示される。
(a)カーボンブラック試料を105℃の恒温乾燥機中で1時間乾燥し、デシケータ中で室温まで冷却する。
(b)スズ製のチューブ状サンプル容器に試料約10mgを精秤し、圧着・密栓する。
(c)水素分析装置〔堀場製作所EMGA621W〕でアルゴン気流下、2000℃で15分間加熱したときの水素ガス発生量を測定し、試料に対する百分率で表示する。
JIS K6218:1997の第8項B法に記載の方法により測定され、純粋なトルエンの透過率を100%としたときの試料の透過率で表示される。
数字が大きいほどトルエン汚染度が小さい、すなわち未分解芳香族炭化水素成分が少ないことを意味する。
JIS K6218:1997の第9項 溶媒抽出量に準拠し、溶媒にモノクロロベンゼンを用いて30時間抽出を行い、得られた抽出量を試料に対する百分率で表示する。
表6に示す配合処方のゴム組成物をバンバリーミキサーを用いて混練し、更に加圧型加硫装置で145℃で30分間加硫して加硫ゴムを得た。
この加硫ゴムの特性を表7〜8に示した。なお、ゴム特性は次のようにして測定した。
ランボーン摩耗試験器を用い、摩耗損失量を測定し、次式より耐摩耗性指数を算出した。
なお、指数値が大きい程、耐摩耗性に優れる。
式:耐摩耗指数=(S/T)×100
S:比較基準(比較例Run No.8)試験片の摩耗損失量
T:各ゴム試験片の摩耗損失量
JIS K6255:1996に記載の方法により反発弾性を測定した。なお、比較例(Run No.8)の試験片の反発弾性を100として指数で表示した。
指数値が大きい程、反発弾性が高く、低発熱性に優れることを示す。
JIS K6251:2004「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載された方法により実施した。試験片はダンベル状3号形を用い、測定温度25℃、引張速度500mm/minで測定し、破断時の伸び(Eb)を算出した。
なお、測定値は比較例(RunNo.8)の試験片の伸び(Eb)を100として指数で表示した。
指数値が大きい程、伸びが高く、耐疲労性、耐カット性に優れることを示す。
Run No.1〜4のカーボンブラックは本発明にかかるものであり、Run No.5〜10のカーボンブラックは本発明の特定要件の1つまたはそれ以上の要件を外れた比較例である。
例えば、ゴム特性への影響が比較的大きいカーボンブラック基本特性CTAB吸着比表面積およびDBP吸収量(24M4DBP吸収量)がほぼ同じ比較例Run No.5と実施例Run No.1、比較例Run No.6と実施例Run No.2のゴム特性を比較すると、反発弾性および伸び特性は近似するがランボーン耐摩耗性については実施例に比べ比較例が劣っていることが分かる。
このカーボンブラックから得られたゴム組成物の性能は、CTAB吸着比表面積およびDBP吸油量(24M4DBP吸油量)がほぼ同じであるRun No.3に比べ、ランボーン耐摩耗性について劣っていることが分かる。
2 可燃性流体導入室
3 酸素含有ガス導入管
4 酸素含有ガス導入用円筒
5 整流板
6 燃料油噴霧装置導入管
7 収れん室
8A 原料油噴霧平面
8B 原料油噴霧平面
8C 原料油噴霧平面
8D 原料油噴霧平面
9 原料油導入室
10 反応継続兼急冷室
a〜y 温度計設置または急冷水噴霧装置設置用空間
z 下流側雰囲気温度調整用冷却水噴霧空間
Tc 炉温測定用熱電対装置
Qa1,Qa2 10空間内の急冷水圧入噴霧手段設置空間に設置された急冷水圧入噴霧ノズル
Claims (6)
- (1)DBP吸収量(DBP)が40〜250ml/100g
(2)24M4DBP(圧縮後のDBP吸収量)が35〜220ml/100g
(3)CTAB吸着比表面積(CTAB)が70〜200m2/g
(4)水素放出率(%)>0.350−0.000625×(CTAB)
(5)トルエン着色透過度が90%以上
の特性を有するタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラック。 - 前記DBPが95〜220ml/100gであり、前記24M4DBPが90〜200ml/100gである請求項1記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラック。
- (6)モノクロロベンゼン抽出量が0.15%以下である請求項1または2いずれか記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラック。
- 燃焼ガス生成帯域と反応帯域および反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用い、燃焼ガス生成帯域内で燃料用炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させ、引き続き反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼または熱分解反応により前記原料炭化水素から転化されたカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において前記反応ガス流を反応停止温度まで冷却して反応を終結させて得られるカーボンブラックであって、前記原料炭化水素が前記高温燃焼ガス流中に導入されてから第1の急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt1(秒)、第1の急冷媒体の導入される直前の反応温度をT1(℃)とし、第1の冷却媒体が導入されてから次の第2の急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt2(秒)、第2の急冷媒体が導入される直前の反応温度をT2(℃)とし、さらに第2の急冷媒体が導入されてから前記反応停止帯域通過までの反応ガス流の滞留時間t3(秒)、反応停止帯域で反応ガス流を急冷して反応を終結する直前の反応温度(反応継続兼冷却室の下流端空間近傍での温度)をT3(℃)として、下記(i)式、(ii)式および(iii)式を満たす条件下で制御することにより下記の(1)から(3)の特性を同時に満足せしめた請求項1〜3いずれか記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラック。
(i)3.00≦α1≦5.00
(ii)5.00≦α2≦8.00
(iii)−2.5×(α1+α2)+85.0≦β≦86.0
(式中、α1=t1×T1、α2=t2×T2、β=t3×T3)
(1)DBP吸収量(DBP)が40〜250ml/100g
(2)24M4DBP(圧縮後のDBP吸収量)が35〜220ml/100g
(3)CTAB吸着比表面積(CTAB)が70〜200m2/g - 請求項1〜4いずれか記載のタイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックを含有することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項5記載のタイヤ用ゴム組成物を用いることを特徴とする自動車用タイヤ。
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