JPH08143784A - 機能部品ゴム配合用カーボンブラック - Google Patents

機能部品ゴム配合用カーボンブラック

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JPH08143784A
JPH08143784A JP31257194A JP31257194A JPH08143784A JP H08143784 A JPH08143784 A JP H08143784A JP 31257194 A JP31257194 A JP 31257194A JP 31257194 A JP31257194 A JP 31257194A JP H08143784 A JPH08143784 A JP H08143784A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 力学的ゴム特性を後退させることなく、黒色
艶が抑制された低位の光沢度を有し、かつ加硫効率が改
善されて生産性の向上に寄与する機能部品ゴム配合用カ
ーボンブラックを提供する。 【構成】 窒素吸着比表面積(N2SA)が45〜65m2/g、DB
P吸油量(D0)と圧縮DBP吸油量(D1)の比(D0/D1) が
1.10 〜1.20の範囲にあり、前記DBP吸油量(D0)が60
〜80ml/100g の特性要件を満たす機能部品ゴム配合用カ
ーボンブラック(請求項1)。ΔDst/Dst比が0.80未
満(請求項2)にあり、着色力/黒色度の比が1.10以上
(請求項3)にある請求項1のカーボンブラック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばウエザーストリ
ップ、ラジエータホース、ドアパッキング、窓枠シール
ガラスラン、プロテクションモール、プーリーベルト等
の自動車内外装部品、ケーブルカバー、ベルトホースケ
ーブル、ロープ、マット等の工業用ゴム部品など、タイ
ヤ以外のゴム成分に配合して、他のゴム性能を低下させ
ることなく優れた生産性により艶のない製品肌を付与す
ることができる機能部品ゴム配合用カーボンブラックに
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内外装部品などに用いられる機能
部品ゴムには、長期間に亘り安定した使用性能が要求さ
れるため、従来からへたり性(圧縮永久歪み)や疲労性
を改善する研究が盛んに試みられている。この種のゴム
性能を改善する技術のうち、配合するカーボンブラック
のコロイダル特性の面から解決する手段として、凝集体
の遠心沈降法(DCF法) により測定されるモード径(Dst)
が150nm以上、前記モード径(Dst) とその半値巾 (Δ
Dst)の比 (ΔDst/Dst)が1.05以上、着色力(T) とブ
ラックネス(B) との比(B/T) が1.2以上の特性を備え
る機能部品ゴム配合用カーボンブラック(特開平3−14
848 号公報) 、天然ゴムまたはジエン系合成ゴム100
重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)≦60m2/g、D
BP吸油量≦100ml/100g 、130nm≦Dst≦220
nm、ΔDst/Dst≦0.95の選択的特性を有するカー
ボンブラックを20〜100重量部配合したゴム組成物
(特開平4−18438 号公報) 、クロロプレンゴム100
重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)≦60m2/g、D
st≧130nm、ΔDst/Dst≦0.95の選択的特性を
有するカーボンブラックを20〜100重量部配合した
ゴム組成物(特開平4−18439 号公報) 等が本出願人に
より開発され、既に提案されている。
【0003】ところで、近時、自動車ボディの塗色が多
様化するに伴い、自動車内外装部品ゴム等に対してもボ
ディ色彩にマッチした製品肌(黒色艶)が要求されるよ
うになってきており、低圧縮永久歪や耐老化性などのゴ
ム性能と併せ、意匠性の面から艶のない黒色ゴムの需要
が高まっている。一般に、黒色艶のある製品肌を得るた
めには、ゴム成分に高ストラクチャー特性のカーボンブ
ラックを配合することが有効とされており、逆に艶のな
い製品肌を得るためには低ストラクチャー特性のカーボ
ンブラックを配合するか、炭酸カルシウムのような白色
フィラーを多量配合する手段が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低スト
ラクチャー特性のカーボンブラックの配合や白色フィラ
ーの多量配合は、ゴム成分と混練する際に分散不良を生
じて材質強度の減退を招くため艶消しに対する工業的手
段としては好ましくない。このため、高ストラクチャー
と低ストラクチャーのカーボンブラックをブレンドする
方法も知られているが、配合比率を一定にすることが困
難となるうえ、均質混合するのに特別な設備と煩雑な工
程が必要となる欠点がある。
【0005】また、機能部品ゴム製品の製造は、カーボ
ンブラックを配合したゴム混練物を押出し成形したの
ち、連続的に加硫しながら製品化するケースが多く、こ
の一連の工程における生産性を向上させるためには、押
出ラインと同時に加硫ラインの速度を上げる必要があ
る。しかし、加硫速度は配合するカーボンブラックの特
性に影響を受け、特に粒子径の大きいカーボンブラック
を配合した場合には加硫ラインの速度を上げても加硫不
足を生じて材質強度の減退を招く。
【0006】本発明者は、単一のカーボンブラックを用
いて他の機械的ゴム性能を損ねずに黒色艶のない製品肌
の機能部品ゴムを得るために必要なカーボンブラック特
性について多角的に研究を進めたところ、ソフト系水準
の比表面積においてストラクチャー指数(DBP吸油量
と圧縮DBP吸油量との比)が一定範囲にある特性のカ
ーボンブラックは前記の要求ゴム性能を満足し、同時に
高周波加硫段階における加硫効率の向上がもたらされる
事実を確認した。
【0007】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、機械的強度や低へたり性等の力学
的ゴム特性を後退させることなしに、黒色艶が抑制され
た低位の光沢度を有し、かつ加硫効率が改善されて生産
性の向上に寄与することができる機能部品ゴム配合用カ
ーボンブラックを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による機能部品ゴム配合用カーボンブラック
は、窒素吸着比表面積(N2SA)が45〜65m2/g、DBP
吸油量(D0)と圧縮DBP吸油量(D1)の比(D0/D1) が1.
10〜1.20の範囲にあり、かつ前記DBP吸油量(D
0)が60〜80ml/100g の特性要件を満たすことを構成
上の特徴とするものである。
【0009】更に、これら構成要件に加えて、凝集体ス
トークス相当径分布のモード径(Dst) に対する凝集体ス
トークス相当径分布の半値巾 (ΔDst)の比 (ΔDst/Dst)
が0.80未満または/および着色力(T) と黒色度(B)
の比(T/B) が、1.10以上である特性項目を同時に満
たすと、本発明の目的に一層好適に機能する。
【0010】上記構成によるカーボンブラックの各特性
には、以下の測定方法によって得られる値が用いられ
る。 窒素吸着比表面積(N2SA);ASTM D3037−88 “St
andard Test Method for Carbon Black-SurfaceArea by
Nitrogen Absorption ”MethodBによる。この方法に
よるIRB#5基準カーボンブラックのの測定値は、8
0.3m2/gである。 DBP吸油量(D0);JIS K6221−82「ゴム用カーボ
ンブラックの試験方法」6.1.2 項、吸油量A法(機械
法)による。 圧縮DBP吸油量(D1);ASTM D3493-85a “Stan
dard Test Method for Carbon Black- DibutylPhthalat
e Absorption Number of Compressed Sample”による。
【0011】Dstモード径(Dst) と半値巾(ΔDs
t);JIS K6221(1982)5「乾燥試料の作り
方」に基づいて乾燥したカーボンブラック試料を少量の
界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合し
てカーボンブラック濃度50mg/lの分散液を作製し、こ
れを超音波で十分に分散させて試料とする。ディスク・
セントリフュージ装置(英国Joyes Lobel 社製)を80
00rpm の回転数に設定し、スピン液(2重量%グリセ
リン水溶液、25℃)を10ml加えたのち、1mlのバッフ
ァー液(20容量%エタノール水溶液、25℃)を注入す
る。ついで、温度25℃のカーボンブラック分散液0.
5mlを注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同時に記
録計を作動させて図1に示す分布曲線(横軸:カーボン
ブラック分散液を注射器で加えてからの経過時間、縦
軸:カーボンブラックの遠心沈降に伴い変化した特定点
での吸光度)を作成する。この分散曲線より各時間Tを
読み取り、次式(数1)に代入して各時間に対応するス
トークス相当径を算出する。
【0012】
【数1】
【0013】数1において、ηはスピン液の粘度(0.935
cp) 、Nはディスク回転スピード(8000)、r1 はカーボ
ンブラック分散液注入点の半径(4.56cm)、r2 は吸光度
測定点までの半径(4.82cm)、ρCBはカーボンブラックの
密度(g/cm3) 、ρl はスピン液の密度(1.00178g/cm3)で
ある。
【0014】このようにして得られたストークス相当径
と吸光度の分布曲線(図2)における最大頻度のストー
クス相当径をDstモード径(nm)とし、最大頻度の50%
の頻度が得られる大小2点のストークス相当径の差(半
値巾)をΔDstとする。この測定方法によるASTM
D−24 Standard Reference Black C-3(N234) のDst
は80nm、ΔDstは60nmである。
【0015】着色力(T) ;ASTM D3265−88
“Standard Test Method for Carbon Black,TintStreng
th”による。 黒色度(B) ;JIS K6221(1982)5「乾燥試料の
作り方」に基づいて乾燥したカーボンブラック試料0.
500g に適量のアマニ油を加えてフーバーマラーで十
分混練したのち、0.0015インチのフィルムアプリ
ケーターで薄膜を作製し、デンシクロン(米国 Weleh社
製) で反射率を測定する。測定値の表示は、IRB#2
基準カーボンブラックの反射率を100とした際の指数
とする。
【0016】本発明に係る機能部品ゴム配合用カーボン
ブラックの特性要件のうち、窒素吸着比表面積(N2SA)が
45〜65m2/gの範囲は配合ゴムに好適な力学的特性を
付与すると共に生産性を高めるための前提的要件とな
る。窒素吸着比表面積(N2SA)が45m2/g未満になると配
合ゴムの耐圧縮永久歪は向上するものの加硫時の工程時
間が著しく遅延化して生産性を損ね、機械的強度性能も
低下する。また、窒素吸着比表面積(N2SA)が65m2/gを
越えると加硫速度は早まるもののゴムに対する分散が悪
くなり、配合ゴムの耐圧縮永久歪も大幅に劣化する。
【0017】DBP吸油量(D0)と圧縮DBP吸油量(D1)
との比(D0/D1) であるストラクチャー指数を1.10〜
1.20に限定するのは、生産性を減退させずに後述す
るDBP吸油量(D0)の範囲と併せて黒色艶のない製品肌
を付与するための重要な特性因子となるためである。す
なわち、この比(D0/D1) が1.10を下廻ると造粒され
たカーボンブラック粒子が硬くなるため分散性が低下
し、機械的強度が低下する。他方、1.20を上廻ると
分散性が向上して機械的強度は改善されるものの、光沢
度が上昇して黒色艶のない製品が得られなくなる。とく
に好ましい D0/D1比の範囲は、1.11〜1.17の範
囲である。そして、前記 D0/D1比を構成するDBP吸油
量(D0)が60〜80ml/100g の範囲にある場合に、良好
な配合ゴム物性と黒色艶が抑制された低位の光沢度を有
する製品肌が最良のバランスで得られる。
【0018】上記のカーボンブラック選択特性に加え、
さらに凝集体ストークス相当径分布のモード径(Dst) に
対する凝集体ストークス相当径分布の半値巾 (ΔDst)の
比 (ΔDst/Dst)であるアグリゲート分布指数が0.80
未満である場合には、配合ゴム中でのカーボンブラック
ネットワークが促進される結果、機械的強度の改善とと
もに誘電率が向上し、高周波加硫時における加硫速度を
向上させるために機能する。しかし、この比 (ΔDst/Ds
t)が0.80を越えると配合ゴム中におけるカーボンブ
ラックのネットワーク形成が阻害されて機械的強度の低
下を招くうえ、マイクロ波加硫速度が遅延化して生産性
を損ねる原因となる。好ましいΔDst/Dst 比の下限は、
0.60である。
【0019】また、自動車内外装ゴム部品等には高い黒
色度も要求されるが、このゴム性能を効果的に付与する
ためには、上記の特性要件と併せて着色力(T) と黒色度
(B)の比(T/B) が1.10以上となるカーボンブラック
特性を選択使用することが好適となる。
【0020】上記の特性を備える本発明のカーボンブラ
ックは、図3(側断面図)、図4(図3のA−A断面
図)および図5(図3のB−B断面図)に示すような、
炉頭部に接線方向空気供給口1と炉軸方向に装着された
燃焼バーナー2および原料油噴射ノズル3を備える燃焼
室4と、同軸的に鼓状の狭径部5を介して広径反応部6
が連設され、該広径反応部6の2箇所に水冷用の前段ク
エンチ7および後段クエンチ8が2段階に設置されて炉
端部の煙道9に接続する発生炉を用い、燃料油と空気の
ような酸化剤とにより形成されて炉内を流れる高温燃焼
ガス流中に原料油を霧化状態で導入する方法により製造
することができる。
【0021】具体的には、原料油にクレオソート油、エ
チレンボトム油等の高芳香族系重質油を用い、例えば炉
頭の中心に炉軸方向に伸縮自在に装着された原料油噴射
ノズル3を使用して、周辺の燃焼バーナー2から噴射さ
れる高温燃焼ガスとの高度な均質混合を得るに十分な微
粒子気流として炉内の適宜な位置に霧化噴射する。この
際、全供給空気量と全原燃料油導入量との割合を制御す
るとともに、原料油導入位置における燃焼ガス流速を4
0m/sec 以上、燃焼燃焼率を210%以下に保持するな
ど、従来の大粒子カーボンブラックの生成条件(燃焼ガ
ス流速;40m/sec 未満、燃焼燃焼率; 210%以上) と
は異なる発生条件を設定する。
【0022】さらにカーボンブラック生成ガス流の炉内
滞留時間を一次、二次の2段階にコントロールし、一次
炉内滞留時間(τ1;狭径部5出口から前段クエンチ7ま
で)と二次炉内滞留時間(τ2;狭径部5出口から後段ク
エンチ8まで)の比(τ12)が0.70〜0.90に
なるように制御する。この制御により、未発達な結晶子
を比較的多く含む骨格のカーボンブラックが生成され、
同時により均一な熱縮重合過程で一部の反応を停止させ
る。この生成段階を経て、ストラクチャー指数(D0/D1)
の調整を含む本発明の特性要件を満たすカーボンブラッ
クの製造が可能となる。
【0023】本発明のカーボンブラックは、必要成分と
ともに所定のゴム成分に混練し、加硫処理を施してて目
的の機能部品ゴム製品を得る。ゴム成分としては、スチ
レンブタジエンゴム、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、
イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、その他
カーボンブラックにより補強可能な常用の各種合成ゴ
ム、混合ゴムなどを挙げることができる。カーボンブラ
ックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し10〜1
50重量部、好ましは20〜100重量部の割合とし、
通常用いられる加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化
剤、可塑剤等の所要成分とともに混練し、連続的に高周
波加硫処理を施して機能部品用のゴム製品を製造する。
【0024】
【作用】本発明で特定したカーボンブラック特性要件の
うち、窒素吸着比表面積(N2SA)が45〜65m2/gの範囲
はソフト系カーボンブラックに属し、分散性や加硫特性
を減退させることなく配合ゴムに実用性のある力学的特
性を付与するための前提的要件となるが、この特性だけ
では黒色艶のない製品肌を得ることはできない。これに
加えて、カーボンブラックのDBP吸油量(D0)と圧縮D
BP吸油量(D1)の比(D0/D1) であるストラクチャー指数
が1.10〜1.20の範囲にあり、かつDBP吸油量
(D0)が60〜80ml/100g の範囲にある場合に、機械的
強度や低へたり性等の力学的ゴム物性に優れると共に黒
色艶が抑制された光沢性の製品肌を同時にバランスよく
付与することが可能となる。
【0025】上記の限定特性に加え、カーボンブラック
のアグリゲート分布指数(ΔDst/Dst 比) を0.80未
満に調整すると、配合ゴム中でのカーボンブラックのネ
ットワーキング作用が促進され、力学的ゴム特性ばかり
でなく誘電率の増大がもたらされる。この誘電率の増大
化は、高周波加硫時に一定暴露時間当たりのマイクロ波
によるゴム配合物の誘電発熱を助長し、加硫速度を高め
るために有効機能して生産性の向上に寄与する。更に、
着色力(T) と黒色度(B) の比(T/B) を1.10以上とす
ることにより黒色度を増大させることができる。
【0026】上記のカーボンブラック特性に基づく各作
用が総合的に機能して、優れた引張り強さ、伸び、圧縮
永久歪み等の力学的ゴム物性を保持しながら、黒色艶の
ない製品肌を呈するゴム製品を生産性よく製造すること
ができる。したがって、機能部品ゴム、とくに自動車内
外装部品ゴムに配合するカーボンブラックとして好適な
ものとなる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0028】実施例1〜7、比較例1〜12 炉頭部に接線方向空気供給口1と炉軸中心に伸縮自在の
原料油噴射ノズル3を装着し、その周辺に4本の燃焼バ
ーナー2が設置され、下流出口側が緩やかに収斂する燃
焼室4(内径600mm 、長さ800mm)と、狭径部5(内径50
0mm 、長さ200mm)を介して開拡し、下流域に前段クエン
チ7および後段クエンチ8を2段階に設置した広径反応
部6(内径900mm 、長さ9000mm) と、下流端にバッグフ
ィルター等の補集系統に連結する垂直の煙道9が連設さ
れた図3に示す構造の発生炉を設置した。原料油噴射ノ
ズル3の原料油導入点(ノズル噴射孔)は狭径部5に位
置するように調整した。
【0029】上記の発生炉を用い表1〜3に示す発生条
件を適用してカーボンブラックを製造した。原料油に
は、比重(15/4 ℃) 1.073、粘度(エングラー40/2
0 ℃)2.10、トルエン不溶分0.03%、相関係数
(BMCI)140、初期沸点103℃の芳香族炭化水素油
を、また燃料油としては、比重(15/4 ℃) 0.903、
粘度(Cst/50 ℃) 16.1、残炭分5.4%、硫黄分
1.8%、引火点96℃の炭化水素油を用いた。表1〜
3において、燃焼ガス流速は原料油導入位置における燃
焼ガス流速を指し、、また一次滞留時間(τ1)は狭径部
5の出口から前段クエンチ7までの生成カーボンブラッ
ク含有ガス流の滞留時間、二次滞留時間(τ2)は狭径部
5の出口から後段クエンチ8までの生成カーボンブラッ
ク含有ガス流の滞留時間である。
【0030】各発生条件により製造されたカーボンブラ
ックの各種特性を、表1〜3に併載した。なお、本発明
の特性要件のうち1つでも外れるカーボンブラックは、
全て比較例として示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】次に、表1〜3の各カーボンブラック試料
を表4に示す配合比率で合成ゴムに配合した。
【0035】
【表4】 〔表注〕(1) 住友化学工業 (株) 製“エスプレン501A” (2) 出光石油化学 (株) 製“PW−380” (3) 大内新興化学工業(株) 製“ノクセラーTT”
【0036】表4の配合物を150℃の温度で40分間
高周波加硫処理して得られた各ゴム組成物につき各種ゴ
ム試験をおこない、測定された結果を表5〜7に示し
た。また、〔(TB×EB) ×104 〕値と黒色度との関係グ
ラフを図6に、〔(TB×EB) ×104 〕値と光沢度の関係
グラフを図7に、〔(TB×EB) ×104 〕値と誘電率の関
係グラフを図8にそれぞれ示した。なお、ゴム特性の測
定は、表面肌についてはASTM D2230 B法に
準拠して行い、その他のゴム試験は全てJISK630
1「加硫ゴム物理試験方法」によった。このうち、黒色
度(L* ) の測定にはミノルタカメラ (株) 製の色彩色
差計(CR-200)を用い、光沢度の測定にはスガ試験機
(株) 製の光沢計を用いた。加硫特性の指標となる誘電
率および損失係数は、横河ヒューレットパッカード
(株) 製、Qメーターの用い、室温下、周波数20MHz
の条件で測定した。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】表5〜7の結果および図6〜8の対応グラ
フを考察して明らかなとおり、実施例のカーボンブラッ
クは本発明のいずれかの特性要件を外れる比較例のカー
ボンブラックに比べ、配合ゴムに対して同等以上の優れ
た引張り強さ、伸びおよび圧縮永久歪と、相対的に低い
黒色度ならびに光沢度を呈する良好な表面肌を与え、か
つ高水準の誘電率がバランスよく付与されていることが
認められる。
【0041】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば配合ゴム
に対して力学的物性を後退させることなしに黒色艶や光
沢度の低い製品肌を与え、かつ高周波加硫時の加硫効率
を効果的に向上させ得るカーボンブラックを提供するこ
とが可能となる。したがって、例えばウエザーストリッ
プ、ラジエータホース、ドアパッキング、窓枠シールガ
ラスラン、プロテクションモール、プーリーベルト等の
自動車内外装部品、ケーブルカバー、ベルトホースケー
ブル、ロープ、マット等の工業用ゴム部品など各種の機
能部品ゴム配合用カーボンブラックとして極めて有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】Dstの測定時におけるカーボンブラック分散液
を加えてからの経過時間とカーボンブラックの遠心沈降
による吸光度の変化を示した分布曲線である。
【図2】Dstの測定時に得られるDstと吸光度の関係を
示した分布曲線である。
【図3】本発明のカーボンブラックを製造するために用
いられる発生炉を例示した側断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図6】実施例と比較例による〔(TB/EB)×10
-4〕値と黒色度の関係グラフである。
【図7】実施例と比較例による〔(TB/EB)×10
-4〕値と光沢度の関係グラフである。
【図8】実施例と比較例による〔(TB/EB)×10
-4〕値と誘電率の関係グラフである。
【符号の説明】
1 接線方向空気供給口 2 燃焼バーナー 3 原料油噴射ノズル 4 燃焼室 5 狭径部 6 広径反応部 7 前段クエンチ 8 後段クエンチ 9 煙道

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が45〜65m2
    /g、DBP吸油量(D0)と圧縮DBP吸油量(D1)の比(D0/
    D1) が1.10〜1.20の範囲にあり、かつ前記DB
    P吸油量(D0)が60〜80ml/100g の特性要件を満たす
    ことを特徴とする機能部品ゴム配合用カーボンブラッ
    ク。
  2. 【請求項2】 凝集体ストークス相当径分布のモード径
    (Dst) に対する凝集体ストークス相当径分布の半値巾
    (ΔDst)の比 (ΔDst/Dst)が、0.80未満である請求
    項1記載の機能部品ゴム配合用カーボンブラック。
  3. 【請求項3】 着色力(T) と黒色度(B) の比(T/B) が、
    1.10以上である請求項1又は2記載の機能部品ゴム
    配合用カーボンブラック。
JP6312571A 1994-11-22 1994-11-22 機能部品ゴム配合用カーボンブラック Expired - Lifetime JP3020193B2 (ja)

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