JP2013082776A - カーボンブラックの製造方法及びカーボンブラック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼ガス生成帯域と反応帯域及び反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用いたカーボンブラックの製造方法であって、原料導入装置の少なくとも一つの原料噴霧角度(A)を、360°/3n≦(A)≦360°/n(n:原料炭化水素噴霧平面での原料噴霧装置の本数)の範囲とし、原料噴霧角度(B)を15°以下とすると共に、滞留時間t1(秒)、反応温度T1(℃)、滞留時間t2(秒)、反応温度T2が、下記(1)式及び(2)式を満たすように制御するカーボンブラックの製造方法。
(1)3.50≦α≦10.00
(2)−0.5×α+45.0≦β≦50.0
(式中、α=t1×T1、β=t2×T2)
【選択図】なし
Description
ゴム配合用カーボンブラックは、その物理化学的特性、即ちカーボンブラックを構成する単位粒子径、単位重量当たりの表面積(比表面積)、粒子のつながり度合(ストラクチャー)、表面性状などにより、配合ゴム組成物の特性・性能に大きな影響を与えるので、要求されるゴム製品の性能、使用される環境等によって各種特性の異なるカーボンブラックが選択的に使用されている。
例えばタイヤトレッド配合用カーボンブラックを用いてゴム組成物の耐摩耗性を向上させるため、より大きな比表面積、あるいは高いストラクチャーを有するカーボンブラックを採用した場合、耐摩耗性は向上するが、発熱特性と切断時伸び特性は低下する。
更に、シャープな凝集体分布のカーボンブラックの安定生産を目的として、特許文献2の発明の問題点である反応炉の短命化改善の為、反応炉内壁に冷却手段を設けて耐熱性を向上させる発明(特許文献3)も提案されている。しかし、この発明は特許文献2の技術よりも更に特殊な構成の反応装置を要するものであり、コスト面、製造管理面から一般的な装置構成として広く用いることが出来るものとは言えない。
先願発明は、燃焼ガス生成帯域と反応帯域及び反応停止帯域を同軸上に連設したカーボンブラック反応装置を用い、燃焼ガス生成帯域内で燃料炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させ、引き続き反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼又は熱分解反応により前記原料炭化水素から転化されたカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において前記反応ガス流を急冷して反応を終結させることからなるカーボンブラック製造方法において、前記原料炭化水素が前記高温ガス流中に導入されてから急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt1(秒)、この空間での平均反応温度をT1(℃)とし、さらに急冷媒体が導入されてから前記反応停止域通過までのカーボンブラックを含む反応ガス流の滞留時間をt2(秒)、この空間内での平均反応温度をT2(℃)として、下記(1)式及び(2)式を満たす条件下で制御することを特徴とするカーボンブラックの製造方法(請求項1)に関するものである。
(1)2.00≦α≦9.00
(2)−2.5α+85.0≦β≦90.0
(式中、α=t1×T1、β=t2×T2を表す)
しかし、耐摩耗性と低発熱性に加えて切断時伸び特性も同時に満足させることはできていない。
1) 燃焼ガス生成帯域と反応帯域及び反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用い、燃焼ガス生成帯域で燃料炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させ、続いて反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に複数の原料導入装置から原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼又は熱分解反応により前記原料炭化水素から転化したカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において急冷媒体の導入により前記反応ガス流を反応停止温度まで冷却して反応を終結させるカーボンブラックの製造方法であって、
前記複数の原料導入装置の少なくとも一つについて、反応装置内での燃焼ガスの流れに垂直な面における原料噴霧角度(A)を、360°/3n≦(A)≦360°/n(n:原料炭化水素噴霧平面での原料噴霧装置の本数)の範囲とし、かつ反応装置内での燃焼ガス流れ方向の原料噴霧角度(B)を15°以下とすると共に、
前記原料炭化水素が前記高温燃焼ガス流中に導入されてから急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt1(秒)、急冷媒体が導入される直前の反応温度をT1(℃)、急冷媒体が導入されてから前記反応停止帯域通過までの反応ガス流の滞留時間をt2(秒)、反応停止帯域で反応ガス流を急冷して反応を終結する直前の反応温度(反応継続兼冷却室の下流端空間での温度)をT2(℃)として、下記(1)式、及び(2)式を満たすように制御することを特徴とするカーボンブラックの製造方法。
(1)3.50≦α≦10.00
(2)−0.5×α+45.0≦β≦50.0
(式中、α=t1×T1、β=t2×T2)
2) 1)記載の製造方法により得られるカーボンブラック。
また、本発明では従来技術のような特殊な構造の反応装置を用いる必要もない。
本出願人は、前記先願発明により得られたカーボンブラックに対して、耐摩耗性と低発熱性を好ましいレベルに維持しながら、ゴム組成物の切断時伸び特性を向上させることの出来るカーボンブラックについて検討し、カーボンブラック表面からの水素放出率を低下させることにより切断時伸び特性が改良できることを見出した。なお、切断時伸び特性は耐ティアー性(繰返し変形負荷時におけるゴム組成物中の亀裂発生に対する耐性)の指標となる特性である。
そして、先願発明においてカーボンブラック表面からの水素放出率を低下させるには、カーボンブラック生成反応後の熱履歴量(β)を高く制御する方法が考えられ、この方法はカーボンブラックが含有する未反応の溶媒抽出成分(多環芳香族炭化水素。多くは発がん性を有し、ゴムへの補強性は無い)の低減にも寄与すると推測された。しかしながら、βを大きくすると、生成反応が完了したカーボンブラックに対して反応装置後半部分で強く且つ長い熱履歴を与えることになり、場合によっては接触成長反応が過剰に進行するため非常に大きな凝集体が生成し、配合ゴム組成物の耐摩耗性に悪影響を与えることが予想され、このために水素放出率の制御によるゴム組成物への作用、効果が十分に発揮されない怖れも懸念された。
そして、上記構成により、適度な多環芳香族炭化水素の除去及び水素放出率の制御を行って、トルエン着色透過度を向上させ、水素放出率を低下させると共に、凝集体の過度の成長反応を阻害して、従来よりも凝集体分布(ΔD50/Dst及びDw/Dn)がシャープ化された均一なカーボンブラックとすることができ、タイヤトレッドゴム配合用カーボンブラックとして好適な、耐摩耗性と低発熱性と切断時伸び特性を同時に満足するカーボンブラックが得られる。
このカーボンブラック反応装置1は、酸素含有ガス導入管3と、可燃性流体導入室2の内部に反応装置頭部外周から導入された酸素含有ガスを整流するための整流板5を有する酸素含有ガス導入用円筒4と、その中心軸に燃料炭化水素噴霧装置導入管6を有し、前記円筒の下流側は次第に収れんする収れん室7とし、収れん室7の下流側には図2に一例を示したような原料炭化水素噴霧装置〔図2の(イ)は8B平面に4つの原料炭化水素噴霧装置(8B−1〜4)を均等角度で設けた場合、図2の(ロ)は8B平面に8つの原料炭化水素噴霧装置(8B−1〜8)を均等角度で設けた場合である〕を同一平面上に設置した4つの別個の平面を形成する原料炭化水素噴霧平面(8A〜8D)を含む原料炭化水素導入室9を有し、この下流側は反応停止のための急冷媒体圧入噴霧手段(a〜y)を備えた反応継続兼冷却室10からなり、全体が耐火物で覆われた装置である。
なお、反応継続兼冷却室10という名称を用いたのは、原料導入時点から前記急冷媒体圧入噴霧手段の作動時点までが反応帯域、その下流側で急冷媒体圧入噴霧手段の作動時点以降が反応停止帯域であり、この急冷媒体圧入噴霧手段の作動時点が、要求されるカーボンブラック性能により移動することがあるためである。
また、通常、急冷媒体としては水を用いる。
また、急冷媒体圧入噴霧手段設置位置のすぐ上流側空間には、反応空間温度測定装置が設置されている〔例えば、上記8B〜fが反応帯域の場合にはeに設置され、ここの温度がT1(℃)となる〕。図3に、図1のbに温度測定装置を設けた場合のB−B矢視断面を示す。Tcは反応空間温度測定用熱電対装置である。
なお、zは急冷媒体圧入噴霧手段設置用空間(a〜z)の下流端という意味合いだけで、設置空間の数又は長さを限定するものではない。また、zは反応停止帯域の最後の反応停止位置であるが、前述のように急冷媒体圧入噴霧手段(a〜y)は本願発明で特定した温度及び滞留時間を満足させる条件で適宜選択されるから、これに伴い、反応停止位置も変化する。
原料噴霧角度(A)が関係式下限よりも小さいと、原料導入部の反応装置の断面において原料噴霧によって被覆される領域に間隙が生じ、凝集体分布が幅広になることに加えて収率も低下する。また、関係式上限よりも大きいと、噴霧された原料同士が重なり合う領域が生じ、原料が衝突して不均一な反応場となるため、凝集体の生成に悪影響を及ぼす。
更に原料噴霧角度(B)が15°よりも大きいと、反応装置の流れ方向において原料噴霧液滴と高温ガス流の接触時間が異なる領域が発生し、カーボンブラック生成反応の初期状態に差異が発生し易くなる為、均一化された凝集体の生成にとって好ましくない。また、原料噴霧角度(B)の下限は、噴霧装置の製造技術上の問題(実現性)から5°程度であり、これを下回ると炉内にコークスができやすく、生産性が悪くなる懸念がある為、好ましくない。
αは3.50以上、好ましくは3.90以上である。αが3.50未満では、トルエン着色透過度が90%未満となり、カーボンブラック中に含まれる多環芳香族炭化水素成分が多くなるが、多環芳香族炭化水素はゴムに対して十分な補強性を与えない成分であり、カーボンブラックの切断時伸び特性が低下するため好ましくない。
また、αが10.00を超える熱暴露の大きい製造条件では、カーボンブラック中に含まれる多環芳香族炭化水素成分は少なくなるが、水素放出率も過度に低下し、ゴム組成物の耐摩耗性が低下すると共に、反発弾性により示されるゴム組成物の硬さが必要以上に失われる為に発熱性が高くなり、タイヤトレッド用途として好ましくない。
図1〜図5に示すカーボンブラック反応装置1を用いて、実施例及び比較例のカーボンブラックを下記の要領で製造した。
可燃性流体導入室2(内径450mmφ、長さ400mm)の内部に整流板5を有する酸素含有ガス導入用円筒4(内径250mmφ、長さ300mm)と燃料炭化水素噴霧装置導入管6を備え、円筒の下流側が収れん室7(上流端内径370mmφ、下流端内径80mmφ、収れん角度5.3°)となり、かつ収れん室7の下流側には図2に8B平面で例示した4つ又は8つの原料炭化水素噴霧装置(8B−1〜4又は8B−1〜8)を同一平面上に設置した4つの別個の平面を形成する原料炭化水素噴霧平面(8A〜8D)を含む原料炭化水素導入室9を有し、この下流側は急冷媒体圧入噴霧手段を200mm間隔で25ヶ所備えた反応継続兼冷却室10(内径140mmφ、長さ6500mm)からなる、全体が耐火物で覆われたカーボンブラック反応装置1を用いた。急冷媒体圧入噴霧手段としては、図5に示す急冷媒体圧入噴霧ノズルを用いた。
なお、実施例1〜4及び比較例1〜8では、前記図2(ロ)に示す原料炭化水素噴霧装置が8つの装置を用い、実施例5〜6及び比較例9〜10では、前記図2(イ)に示す原料炭化水素噴霧装置が4つの装置を用いた。
また、本実施例では、最も好ましい態様として、4つ又は8つの原料炭化水素噴霧装置の全てを制御した例を示したが、これらの複数の原料炭化水素噴霧装置の少なくとも一つを制御すれば、場の均一性が上がるので、本発明の効果は得られる。
なお、0.8622(15℃/4℃)は、15℃のときのA重油の質量と、4℃の水の質量との比が0.8622となることを意味しており、原料炭化水素の場合も同様である。
温度T1は、空気導入量と燃料導入量を変えることにより制御し、温度T2は、急冷媒体(水)の導入量を変えることにより制御した。
(1)24M4DBP吸収量
JIS K6217−4:2008に記載の方法で測定。カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)のmLで表示される。
(2)CTAB吸着比表面積
JIS K6217−3:2001に記載の方法で測定。単位重量当たりの比表面積(m2/g)で表示される。
JIS K6217−6:2008記載の方法にしたがって遠心沈降法を用いて測定し、得られたデータから以下の物性を導出した。
(i)Dst
上記方法で得られた凝集体分布曲線において、その最多頻度を与える凝集体直径。
(ii)ΔD50
上記方法で得られた凝集体分布曲線において、その頻度が最大点の半分の高さの時の分布の幅。
(iii)ΔD50/Dst
凝集体径の分布を評価する指標。数字が小さいほど、凝集体径の分布が均一であると見做すことが出来る。
(iv)Dw/Dn
上記方法で得られた重量平均粒子(凝集体)径(Dw)と数平均粒子(凝集体)径(Dn)の比率。多分散度指数とも呼ばれ、数字が大きい程、径の分布の始点終点間が幅広い。本特性に対しては、特に大きい側の凝集体径の多寡が指数に影響を与える。
JIS K6218−4:2011記載の方法で測定した。純粋なトルエンの透過率を100%としたときの処理液の透過率(%)で表示される。数字が大きいほど、トルエン汚染度が小さい、即ち未分解芳香族炭化水素成分が少ないことを意味する。
次の(a)〜(c)の操作により得られる。
(a)カーボンブラック試料を105℃の恒温乾燥機中で1時間乾燥し、デシケータ中で室温まで冷却する。
(b)試料約10mgを精秤し、スズ製のチューブ状サンプル容器に入れて圧着・密栓する。
(c)水素分析装置〔堀場製作所製EMGA621W〕を用い、アルゴン気流下、2000℃で15分間加熱したときの水素ガス発生量を測定し、その質量分率(%)を求める。
なお、各ゴム特性の性能は、比較例1を対照標準(特性値100)としたときの指数で表した。
RSS♯1:Ribbed Smoked Sheet 1号
MBTS :2,2′−ジベンゾチアジルジスルフィド
IPPD :N−イソプロピル−N−フェニル−P−フェニレンジアミン
(1)ゴム配合方法
表6に示す配合割合のゴム組成物をバンバリーミキサーを用いて混練し、さらに加圧型加硫装置を用いて145℃で30分間加硫し加硫ゴムを得た。
(2)ランボーン耐摩耗指数評価
JIS K6264−2:2005に記載の方法により、ランボーン摩耗試験器を用いて摩耗損失量を測定し、次式により耐摩耗性指数を算出した。なお、数値が大きいほど、耐摩耗性に優れる。
耐摩耗指数=(S/T)×100
式中、Sは比較基準(比較例1)試験片の摩耗損失量、Tは各ゴム試験片の摩耗損失量
(3)反発弾性指数評価
JIS K6255:1996に記載の方法により反発弾性を測定した。指数値が大きい程、反発弾性が高く、低発熱性に優れる。
(4)切断時伸び(Eb)
JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載された方法により実施した。試験片はダンベル状3号形を用い、測定温度25℃、引張速度500mm/minで測定し、切断時伸びEb(%)を15.1項記載の式(3)を用いて算出した。指数値が大きい程、伸びが高く、耐疲労性、耐ティアー性に優れる。
比較例1、9は、噴霧角度(A)が関係式の下限を下回った例であり、反応場の不均一性から凝集体分布(ΔD50及びΔD50/Dst)が広くなっている。
比較例2、10は、噴霧角度(A)が関係式の上限を上回った例であり、噴霧領域の過度な重複によって原料に不均一な衝突が発生し、ΔD50/Dstに加えてDw/Dnも広くなっているため、ゴム組成物の物性全般に低下傾向が見られる。また、未分解原料が反応炉内壁に付着しやすい為にコークスが多く発生し、生産安定性に悪影響を及ぼす。
比較例3は、αが下限の3.5を下回った例であり、十分な熱履歴が与えられなかったため未分解の芳香族炭化水素が多く見られ、トルエン着色透過度が90%以下となっている。また、水素放出率も高く、その影響で伸び特性が低下している。
比較例4、5は、βが下限の「−0.5×α+45.0」を充たしていない例であり、比較例3と同様に、十分な熱履歴が与えられなかった例であるが、βは反応後期の熱履歴であることからトルエン着色透過度が85%以下となっており、伸び特性だけでなく補強性にも悪影響を及ぼし、耐摩耗、反発弾性においても低下が見られる。
比較例6は、αが上限の10を上回った例であり、十分に熱履歴が与えられているので未分解芳香族炭化水素量が減少し、トルエン着色透過度も高い値であるが、半面、水素放出率の低下を招き、反発弾性が大きく低下している。また、過剰な熱暴露の為に凝集体成長反応の不均一化も招き、Dw/Dn(1.451)から分かるように極めて大きな径の凝集体生成制御が成されておらず、耐摩耗性においても極端な低下が見られる。
比較例7は、βが上限の50.0を上回った例であるが、これも比較例6と同様に過剰な熱暴露の影響で低位な水素放出率、及び高めのDw/Dnを示しており、比較例6よりも高い値ではあるが、同様に反発弾性及び耐摩耗性の低下が見られる。
比較例8は、Bが上限の15°を上回った例であるが、反応炉流れ方向の均一性が失われるため、24M4DBPが若干低めになり、かつ凝集体分布(ΔD50及びΔD50/Dst)も広くなっている。
また、本発明は上記のように凝集体径分布の制御に際して反応装置径に依存しない。その為、反応装置への負荷低減による長寿命化、生産量の増大化等の効果が得られ、コスト的に非常に優位である他、敢えて反応装置狭小化を行うことにより更なる改良の余地を含ませる等、多用途への展開を可能とする技術である。
2 可燃性流体導入室
3 酸素含有ガス導入管
4 酸素含有ガス導入用円筒
5 整流板
6 燃料炭化水素噴霧装置導入管
7 燃料導入手段を備えた収れん室
8A 原料炭化水素噴霧平面
8B 原料炭化水素噴霧平面
8C 原料炭化水素噴霧平面
8D 原料炭化水素噴霧平面
8B−1 原料炭化水素噴霧装置
8B−2 原料炭化水素噴霧装置
8B−3 原料炭化水素噴霧装置
8B−4 原料炭化水素噴霧装置
8B−5 原料炭化水素噴霧装置
8B−6 原料炭化水素噴霧装置
8B−7 原料炭化水素噴霧装置
8B−8 原料炭化水素噴霧装置
9 原料炭化水素導入室
10 反応継続兼冷却室
a〜z 急冷媒体圧入噴霧手段設置用空間
a〜y 急冷媒体圧入噴霧手段、又は反応空間温度測定装置設置用空間
z 反応停止位置
Tc 反応空間温度測定用熱電対装置
Qa1 急冷媒体圧入噴霧ノズル
Qa2 急冷媒体圧入噴霧ノズル
Claims (2)
- 燃焼ガス生成帯域と反応帯域及び反応停止帯域を同軸上に連設した反応装置を用い、燃焼ガス生成帯域で燃料炭化水素の燃焼により高温燃焼ガスを生成させ、続いて反応帯域で前記高温燃焼ガス流中に複数の原料導入装置から原料炭化水素を噴霧導入し、不完全燃焼又は熱分解反応により前記原料炭化水素から転化したカーボンブラックを含む反応ガス流となし、次いで反応停止帯域において急冷媒体の導入により前記反応ガス流を反応停止温度まで冷却して反応を終結させるカーボンブラックの製造方法であって、
前記複数の原料導入装置の少なくとも一つについて、反応装置内での燃焼ガスの流れに垂直な面における原料噴霧角度(A)を、360°/3n≦(A)≦360°/n(n:原料炭化水素噴霧平面での原料噴霧装置の本数)の範囲とし、かつ反応装置内での燃焼ガス流れ方向の原料噴霧角度(B)を15°以下とすると共に、
前記原料炭化水素が前記高温燃焼ガス流中に導入されてから急冷媒体が導入されるまでの滞留時間をt1(秒)、急冷媒体が導入される直前の反応温度をT1(℃)、急冷媒体が導入されてから前記反応停止帯域通過までの反応ガス流の滞留時間をt2(秒)、反応停止帯域で反応ガス流を急冷して反応を終結する直前の反応温度(反応継続兼冷却室の下流端空間での温度)をT2(℃)として、下記(1)式及び(2)式を満たすように制御することを特徴とするカーボンブラックの製造方法。
(1)3.50≦α≦10.00
(2)−0.5×α+45.0≦β≦50.0
(式中、α=t1×T1、β=t2×T2) - 請求項1記載の製造方法により得られるカーボンブラック。
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