JP5118362B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
また、近年、環境保護のための要求が高まっており、タイヤの性能においても、タイヤの低転がり抵抗性(低燃費性)、及び耐摩耗性の向上(タイヤの長寿命化)はタイヤにとって非常に重要な性能となっている。
タイヤのウェット性能および低転がり抵抗性を高める技術として、充填材としてタイヤ用ゴム組成物に広く一般的に配合されるカーボンブラックに替え、トレッドゴムにシリカを配合する手法が知られている。高速走行主体を目的としたタイヤには、ゴム成分100質量部に対し、100質量部以上のシリカを配合したゴム組成物等が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカ粒子の分散が不十分になるため、ゴム組成物の加工性が著しく低下し、工場での生産性が悪くなってしまうという問題がある。そのため、通常は、シリカ表面のシラノール基がアルコキシシランと縮合反応することを利用して種々のアルコキシシランが、シリカ表面処理剤あるいはカップリング剤として用いられている。例えば、最近シランカップリング剤として、アシルチオアルキルトリアルコキシシランなどの保護化メルカプトシランが開発されている(例えば、特許文献2参照)。この保護化メルカプトシランは、ゴム組成物中へのシリカの分散性を良くし、作業性を向上させる作用を有し、さらに、ゴム組成物を低発熱化することが可能であるが、耐摩耗性については未だ十分ではなく、弾性率の低下によって、操縦安定性が低下するという問題がある。
このように、タイヤの転がり抵抗性、耐摩耗性、ウェット性能、及びゴム組成物の加工性を両立することは困難であった。
すなわち本発明は、
[1] (A)天然ゴム及び共役ジエン系合成ゴムの中から選ばれる少なくとも一種のゴム成分と、その100質量部に対し、(B)ケイ酸を含有する無機充填材10〜100質量部、(C)下記一般式(I)
DBP吸油量>圧縮DBP吸油量(24M4DBP)+32・・・(II)
の関係を満たす(D)カーボンブラックを前記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部含むことを特徴とするゴム組成物、
[2] (B)成分のケイ酸を含有する無機充填材がシリカである上記(1)のゴム組成物、
[3] (D)成分であるカーボンブラックの窒素吸着比表面積/ヨウ素吸着量(N2SA/IA)が0.95以上である上記(1)又は(2)のゴム組成物、及び
[4] 上記(1)〜(3)いずれかのゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明においては、(A)ゴム成分として、天然ゴムを単独で用いてもよいし、前記ジエン系合成ゴム一種以上を用いてもよく、また、天然ゴムとジエン系合成ゴム一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
この湿式シリカは、補強性、加工性、ウェットグリップ性、耐摩耗性のバランス等の面から、BET法による窒素吸着比表面積(N2SA)が140〜280m2/gであることが好ましく、170〜250m2/gであることがより好ましい。好適な湿式シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)製のAQ、VN3、LP、NA等、デグッサ社製のウルトラジルVN3(N2SA:210m2/g)等が挙げられる。
この(B)成分のシリカは、前記(A)成分であるゴム成分100質量部に対し、10〜100質量部、好ましくは40〜90質量部の範囲で配合される。当該シリカの配合量が10質量部未満では、補強性や他の物性の改良効果が不十分であるし、100質量部を超えると作業性及び転がり抵抗が悪化する。
一般式(I)において、R1はR6O−、R6C(=O)O−、R6R7C=NO−、R6R7N−又は−(OSiR6R7)m(OSiR5R6R7)(ただし、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基である。)、R2はR1、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R3はR1、R2又は−[O(R8O)a]0.5−基(ただし、R8は炭素数1〜18のアルキレン基、aは1〜4の整数である。)、R4は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R5は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。
前記一般式(I)において、炭素数1〜18の一価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基等を挙げることができる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、前記アリール基及びアラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよい。
前記一般式(I)において、R8で表される炭素数1〜18のアルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。この直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
また、R4で表され る炭素数1〜18の二価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよく、前記シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基は、環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよい。
このR4としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を好ましく挙げることができる。
本発明のゴム組成物は、(C)成分として、このようなシランカップリング剤を用いることにより、未加硫ゴムの粘度が低下し、ヤケが発生するまでの時間が長くなることによって長時間の混練が可能となり、その結果としてゴム加工時の作業性に優れると共に、ケイ酸を含有する無機充填材であるシリカのゴム成分への分散が改良され、かつシリカとポリマーとの反応性が改良されることによりヒステリシスロスを低減することができる。この改善分、特に未加硫ゴムの粘度が低下を活用して、後述するCTAB比表面積が90〜160m2/g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)が100〜140ml/100g及び下記式(II)
DBP吸油量>圧縮DBP吸油量(24M4DBP)+32・・・(II)
の関係を満たし、さらに好ましくは窒素吸着比表面積/ヨウ素吸着量(N2SA/IA)が0.95以上の微粒径であり低発熱及び耐摩耗性の優れる(D)成分のカーボンブラックをゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部含むことが可能となり、その結果として、耐摩耗性、低転がり性に優れ、ウェット性能及び操縦安定性の良好な空気入りタイヤを得ることができる。
本発明においては、この(C)成分のシランカップリング剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、前記(B)成分のケイ酸を含有する無機充填材、特にシリカ対して、1〜20質量%の範囲で選定される。当該シランカップリング剤の配合量が上記範囲にあれば、前記本発明の効果が充分に発揮される。好ましい配合量は5〜15質量%の範囲である。
さらに、当該シランカップリング剤とポリマーをカップリングするためにDPG(ジフェニルグアニジン)などに代表されるプロトンドナーを脱保護化剤として最終混練工程に配合することが好ましい。その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部である。
前記CTAB比表面積を上記範囲にすることによって未加硫時のゴム粘度の上昇を抑え、カーボンブラックのゴム組成物中への優れた分散性が得られ、該組成物をタイヤトレッドゴムに用いた場合優れた耐摩耗性を得ることができる。
ここで、CTAB比表面積とは、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積であり、JIS K 6217−3:2001「比表面積の求め方−CTAB吸着法」に記載の方法により測定され、カーボンブラック単位質量当りの比表面積m2/gで表示される。
また、(D)成分の圧縮DBP吸油量(24M4DBP)が100〜140ml/100gであることが必要であり、好ましくは105〜130ml/100gである。
前記CTAB比表面積同様、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)を上記範囲にすることによって未加硫時のゴム粘度の上昇を抑え、タイヤトレッドゴムに用いた場合には優れた耐摩耗性を得ることができる。
さらに、(D)成分のDBP吸油量についても、下記式(II)
DBP吸油量>圧縮DBP吸油量(24M4DBP)+32・・・(II)
の関係を満たす必要があり、好ましくは、下記式(III)
DBP吸油量>圧縮DBP吸油量(24M4DBP)+36・・・(III)
関係を満たすことが望ましい。上記関係を満たすことによってカーボンブラックの分散性に優れ、高い補強性を得ることができる。
DBP吸油量と圧縮DBP吸油量の差(DBP吸油量−圧縮DBP吸油量)の上限については特に制限はないが、通常、50程度である。
尚、DBP(ジブチルフタレート)吸油量は、JIS K 6217−4:2001「DBP吸収量の求め方」に記載の方法により測定され、カーボンブラック100g当りに吸収されるジブチルフタレート(DBP)の体積mlで表示される。また圧縮DBP吸油量(24M4DBP)とは、24,000psiの圧力で4回繰返し圧縮を加えた後に求めたDBP吸油量であり、ISO 6894に準拠して測定される値である。
上記特性値を有する(D)カーボンブラックは前記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部含むことを要し、好ましくは、20〜70質量部である。
(D)カーボンブラックの配合量を上記範囲にすることによって、加工性を損なうことなく耐摩耗性の優れたタイヤを得ることができる。
(D)成分の窒素吸着比表面積/ヨウ素吸着量(N2SA/IA)の値が0.95未満ではカーボンブラックの表面活性度が十分でなく、この結果ゴム成分とカーボンブラックの相互作用が弱くなるために、補強性が低下し、低発熱性を十分確保できない可能性がある。ヨウ素吸着量はカーボンブラックの表面積に関連し、一般に窒素吸着比表面積に合致している。しかしながら、揮発分又は溶剤で抽出可能な物質等を多く含む場合には、この値はかなり低下する。
尚、窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217−2:2001「比表面積の求め方−窒素吸着法」に記載の方法により測定し、ヨウ素吸着量(IA)は、JIS K 6217−2:2001「ヨウ素吸着量の求め方−滴定法」により測定した。
尚、原料油のBMCIとはBureau of Mine Correlation Index(米国鉱山局指数)を示す。
本発明のゴム組成物に含まれる充填材である(B)成分と(D)成分を合計した配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し、30〜130質量部、好ましくは50〜90質量部の範囲で選定される。充填材量が30質量部未満では、補強性や他の物性の改良効果が不十分であるし、130質量部を超えると作業性が悪化する。
尚,(B)成分としては主にシリカが用いられる。充填材中に、シリカが5〜95質量%含有していればウェットグリップ性能や低燃費性が良好となる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、0.5〜5.0質量部がより好ましい。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部である。
また、本発明のゴム組成物で使用できるプロセス油としては、例えばパラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、100質量部以下であれば加硫ゴムの引張強度、低発熱性が良好となる。
本発明の空気入りタイヤは、前述の本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階でタイヤトレッドに加工され、タイヤ成型機上で通常の方法により貼り付け成型され、生タイヤが成型される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、耐摩耗性、低転がり性に優れ、ウェット性能及び操縦安定性の良好な空気入りタイヤが得られる。
なお、未加硫ゴム物性として、ムーニー粘度、加硫ゴム物性として弾性率、タイヤ性能として、タイヤサイズ185/70R14の空気入りタイヤを用いて耐摩耗性、転がり抵抗性、ウェット性能、操縦安定性は、下記の方法に従って評価した。
<未加硫ゴム物性>
(1)ムーニー粘度の測定
JIS K 6300に準拠し、試料を試験機にセットし、1分間予熱後、ローターの回転を開始し130℃にて4分後のムーニー粘度[ML1+4/130℃]を測定した。比較例1のゴム組成物の測定値100として指数表示した。指数が小さいほど粘度が低いこと、すなわち、加工性が良好であることを示す。
(1)弾性率の測定
第3表に示す配合組成の6種類のゴム組成物を145℃で30分間加硫し、測定用試料を作成し、東洋精機社製スペクトロメーターを用い温度25℃、歪1%、周波数25Hzにて動的貯蔵弾性率(E’)を測定した。比較例1を100として指数表示した。指数が大きい程弾性率が高いことを示す。
後述する各ゴム組成物をトレットに用い、タイヤサイズ185/70R14の空気入りタイヤを試作しタイヤ性能評価をおこなった。
(1)耐摩耗性
上記、乗用車用タイヤを車両に装着し、1万km走行した時点でのタイヤ溝深さを測定し、比較例1のタイヤの溝深さの逆数を100として指数で表示した。数値の大きい方が耐摩耗性が良いことを示す。
(2)転がり抵抗性
各タイヤに1.7kg/cm2の内圧を充填した後、395kgの荷重を作用させながら、大型ドラム試験機を時速80km/hで所定時間走行させ、次に、前記ドラムの駆動力を遮断して、各タイヤを慣性走行させ、このときのタイヤ減速度から転がり抵抗性を求め、比較例1のタイヤの評価値を100として指数で表示した。数値が大きいほど、転がり抵抗性は低いことを示す。
水を撒いてウェットとした、テストコースにて、各新品タイヤについて実車走行を行い、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を比較例1のタイヤをそれぞれのコントロールタイヤとして、テストドライバーが以下の評価基準に基づいて総合評価をおこなった。
+1:コントロールタイヤに比べてプロテストドライバーが微妙に分かる程度に良いと感じる場 合。
+2:コントロールタイヤに比べてプロテストドライバーが明確に分かる程度に良いと感じる場 合。
+3:コントロールタイヤに比べて一般のドライバーのうち熟練したドライバーが分かる程度に 良いと感じる場合。
+4:コントロールタイヤに比べて一般のドライバーが明確に分かる程度に良いと感じる場合。
ドライ路面にて、各新品タイヤについて実車走行を行い、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を、比較例1のタイヤをそれぞれのコントロールタイヤとして、テストドライバーが以下の評価基準に基づいて総合評価をおこなった。
+1:コントロールタイヤに比べてプロテストドライバーが微妙に分かる程度に良いと感じる場 合。
+2:コントロールタイヤに比べてプロテストドライバーが明確に分かる程度に良いと感じる場 合。
+3:コントロールタイヤに比べて一般のドライバーのうち熟練したドライバーが分かる程度に 良いと感じる場合。
+4:コントロールタイヤに比べて一般のドライバーが明確に分かる程度に良いと感じる場合。
第3表に示す配合組成の6種類のゴム組成物を調製した。各ゴム組成物について、未加硫物性としてムーニー粘度、加硫物性として弾性率(E’)を評価すると共に、各ゴム組成物をトレッドゴムとして用い、前記タイヤサイズ185/70R14の空気入りタイヤを常法に従って試作した。各試作タイヤを用いて耐摩耗性、転がり抵抗性、ウェット性能、操縦安定性の評価をおこなった。それぞれの評価結果を第3表に示す。
尚、第3表に示すカーボンブラックは下記の第1表に示すものを用いた。
*1.カーボンブラックA:N234、東海カーボン社製「シーストHM」
*2.カーボンブラックB:N134、キャボット社製「Vuulcan10H」
*3.カーボンブラックC:製造条件下記第2表参照
*4.カーボンブラックD:製造条件下記第2表参照
*5.乳化重合SBR:JSR社製「SBR#1500」
*6.シリカ:東ソー・シリカ社製「ニプシールAQ」
*7.老化防止剤6PPD:大内新興化学工業社「ノクセラー6C」
*8.加硫促進剤DPG:大内新興化学工業社「ノクセラーD」
*9.加硫促進剤MBTS:大内新興化学工業社「ノクセラーDM」
*10.シランカップリング剤:デグッサ社製「Si75」
*11.シランカップリング剤:ゼネラル エレクトリック社製「NXTシラン」
比較例2は、カーボンブラックをN234、シランカップリング剤を本発明の組成物に用いられる「NXT」シランに変更することによって、加工性は改良され、転がり抵抗は低くなるものの弾性率(E’)の低下により操縦安定性が低下する。
比較例3は、従来のシランカップリング剤と本発明の組成物に用いられるカーボンブラックCとの組み合わせによるものであり弾性率(E’)向上により操縦安定性が向上し、耐摩耗性は改良されるが、ムーニー粘度上昇により加工性は悪化し、転がり抵抗が高くなってしまう。
比較例4は、カーボンブラックをN134、シランカップリング剤を前記「NXT」シランに変更することによって耐摩耗性は向上するが、その効果はカーボンブラックCに比べ小さく、加工性の改良の程度が少ない。
それに比べて「NXT」シランとカーボンブラックCとの組み合わせである実施例1は加工性に優れ、耐摩耗性、ウェット性能及び操縦安定性を同時に改良することができる。また、カーボンブラックをDに変えた実施例2についても実施例1と同様な改良効果あることが分かる。
Claims (4)
- (A)天然ゴム及び共役ジエン系合成ゴムの中から選ばれる少なくとも一種のゴム成分と、その100質量部に対し、(B)ケイ酸を含有する無機充填材10〜100質量部、(C)下記一般式(I)
DBP吸油量>圧縮DBP吸油量(24M4DBP)+32・・・(II)
の関係を満たす(D)カーボンブラックを前記ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部含むことを特徴とするゴム組成物。 - (B)成分のケイ酸を含有する無機充填材がシリカである請求項1に記載のゴム組成物。
- (D)成分であるカーボンブラックの窒素吸着比表面積/ヨウ素吸着量(N2SA/IA)が0.95以上である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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