JP5189296B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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近年、充填材としてタイヤ用ゴム組成物に広く一般的に配合されるカーボンブラックに替え、シリカを配合することによりウェットグリップ性能が向上することが知られている。高速走行主体を目的としたタイヤには、ゴム成分100質量部に対し、100質量部以上のシリカを配合したゴム組成物等が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカ粒子の分散が不十分になるため、通常は、シリカ表面のシラノール基がアルコキシシランと縮合反応することを利用して種々のアルコキシシランが、シリカ表面処理剤あるいはカップリング剤として用いられている。例えば、最近シランカップリング剤として、アシルチオアルキルトリアルコキシシランなどの保護化メルカプトシランが開発されている(例えば、特許文献2参照)。この保護化メルカプトシランは、ゴム組成物中へのシリカの分散性を良くし、作業性を向上させる作用を有している。
しかしながら、シリカの配合部数を増すことによってウェットグリップ性能は向上するが、高充填シリカ配合系において、重量平均分子量が100万以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴムを用いて、ゴム加工時の作業性を損なうことなく、耐摩耗性や耐破壊特性を向上させることは、未だ困難であるのが実状であった。
従って、シリカ高充填配合時の加工性及び耐摩耗性の低下を抑えウェットグリップ性を向上させる手段が必要である。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] (A)(A−1)重量平均分子量が100万以上である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム60質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、(B)カーボンブラック0〜50質量部(C)シリカ95〜300質量部及び(D)下記一般式(I)
mM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数]で表される無機充填材10〜80質量部を含み、かつ(E)一般式(II)
で表されるシランカップリング剤を、前記(C)成分のシリカに対して5〜30質量%の割合で含むことを特徴とするゴム組成物、
[2] 前記(A)ゴム成分として、(A−2)天然ゴム及び/又は重量平均分子量100万未満のジエン系合成ゴムを0〜40質量部未満の範囲で含む上記(1)のゴム組成物、
[3] (A)ゴム成分100質量部に対し、前記(B)カーボンブラック,(C)シリカ及び(D)無機充填材の合計である総充填材量として150〜350質量部を含む上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物、
[4] (D)前記一般式(I)で表される無機化合物粉体が下記一般式(III)で表される無機化合物粉体である上記(1)〜(3)いずれかのゴム組成物、
Al2O3・mSiO2・nH2O ………(III)
〔式中のmは1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。〕
[5] さらに、(A)ゴム成分100質量部に対し、(F)プロセスオイルを40〜200質量部配合する上記(1)〜(4)いずれかのゴム組成物、
[6] 油展ゴム中の伸展油と前記(F)プロセスオイルとの合計である総軟化剤量が、(A)ゴム成分100質量部に対して、100〜260質量部含む上記(5)のゴム組成物、
[7] (E)成分の一般式(I)で表されるシランカップリング剤が、アシルチオアルキルトリアルコキシシランである上記(1)〜(6)いずれかのゴム組成物、及び
[8] 上記(1)〜(7)いずれかのゴム組成物を、トレッドに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ、
を提供するものである。
前記(A)成分のゴム成分に含まれる(A−1)成分の溶液重合スチレン−ブタジエンゴムとしては、重量平均分子量が100万以上のものが用いられる。当該スチレン−ブタジエンゴムとの重量平均分子量が100万未満では、耐摩耗性に優れる空気入りタイヤが得られず、本発明の目的が達せられない。また、重量平均分子量が高すぎるとゴム組成物の加工性が低下する。したがって、当該スチレン−ブタジエンゴムとの好ましい重量平均分子量は100万〜200万の範囲であり、より好ましくは100万〜160万である。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定されたポリスチレン換算の値である。
当該高分子量ジエン系合成ゴムの製造方法としては、例えば有機溶媒中において、有機リチウムなどの触媒の存在下に重合して得られたスチレン−ブタジエン共重合体ゴムにカップリング剤を反応させて分子量を増大させることにより、所望の分子量をもつスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを製造する方法を採用することができる。
前記カップリング剤としては、例えば四塩化スズなどのポリハロゲン化スズ化合物、テトラクロロシランなどのポリハロゲン化ケイ素化合物、1,3,5−トリ(ブロモメチル)ベンゼンなどのポリハロゲン化置換炭化水素化合物、アジピン酸ジエチルなどのポリカルボン酸エステル類、エポキシ化液体ポリブタジエンやエポキシ化植物油などのポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイミン化合物、ポリアルデヒド類、ポリケトン類、ポリカルボン酸無水物、ジグリシジルアミノ基含有多官能化合物などが用いられる。
溶液重合法により製造することにより、重量平均分子量をコントロールできる他、ブタジエン部のミクロ構造すなわち、シス、トランス及びビニル結合量やスチレン含量を任意にコントロールすることができ、ゴム組成物の要求特性に合った、高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを得ることができる。
25〜0質量%を含有するものである。前記(A−1)成分の含有量が60質量%以上であれば、耐摩耗性が良好なタイヤを与えるゴム組成物を得ることができる。
また、(A−1)成分のスチレン含量は35〜50質量%、及びブタジエン部のビニル結合量は、10〜25%であることが好ましい。
このシリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。このシリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),が挙げられるが、中でも破壊特性の改良効果並びにウェットグリップ性及び低転がり抵抗性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。
この湿式シリカは、補強性、加工性、ウェットグリップ性、耐摩耗性のバランス等の面から、BET法による窒素吸着比表面積(N2SA)が140〜280m2/gであることが好ましく、170〜250m2/gであることがより好ましい。好適な湿式シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)製のAQ、VN3、LP、NA等、デグッサ社製のウルトラジルVN3(N2SA:210m2/g)等が挙げられる。
充填材中に、シリカが5〜95質量%含有していればグリップ性能や低燃費性が良好となる。
mM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
で表される(C)成分以外の(D)成分の無機充填材が用いられる。
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。)
上記式で表わされる無機フィラーとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al2O3)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO3)2]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、
パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4S
iO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が使用できる。また、前記一般式(I)中のMがアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
上記式で表されるこれらの無機化合物は、単独で使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。
Al2O3・mSiO2・nH2O ・・・・・・(III)
式(III)中のmは1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。
上記一般式(III)で表される無機化合物の具体例としては、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)等が挙げられる。また、本発明で用いる水酸化アルミニウムは、アルミナ水和物も含むものである。
(D)成分の無機充填材の配合量は、(A)ゴム成分100質量部に対し、10〜80質量部であることが必要であり、好ましくは、30〜70質量部である。
前記(C)成分にさらに(D)成分を上記範囲で配合することによって、耐摩耗性を維持しウェット性能を改善することができる。
一般式(II)において、R1はR6O−、R6C(=O)O−、R6R7C=NO−、R6R7CNO−、R6R7N−又は−(OSiR6R7)m(OSiR5R6R7)(ただし、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基である。)、R2はR1、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R3はR1、R2又は−[O(R8O)aH]基(ただし、R8は炭素数1〜18のアルキレン基、aは1〜4の整数である。)、R4は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R5は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。
前記一般式(II)において、炭素数1〜18の一価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基等を挙げることができる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、前記アリール基及びアラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよい。
前記一般式(II)において、R8で表される炭素数1〜18のアルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。この直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
また、R4で表される炭素数1〜18の二価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよく、前記シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基は、環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよい。
このR4としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を好ましく挙げることができる。
本発明のゴム組成物は、(E)成分として、このようなシランカップリング剤を用いることにより、未加硫ゴムの粘度が低下することにより、混練り中におけるヤケが発生するまでの時間が長くなることによって長時間の練が可能となりゴム加工時の作業性に優れると共に、シリカのゴム成分への分散が改良され、かつシリカ、ポリマーとの反応性が改良されることによりヒステリシスロスを低減することができる。この改善分を活用してシリカなどの補強性充填材の配合量を増やすことが可能となり、その結果として加工時の作業性及び耐摩耗性を維持しウェット性能の良好な空気入りタイヤを得ることができる。
本発明においては、この(E)成分のシランカップリング剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、前記(C)成分のシリカに対して、5〜30質量%の範囲で選定される。当該シランカップリング剤の配合量が上記範囲にあれば、前記本発明の効果が充分に発揮される。好ましい配合量は5〜20質量%の範囲である。
さらに、当該シランカップリング剤とポリマーをカップリングするためにDPG(ジフェニルグアニジン)などに代表されるプロトンドナーを脱保護化剤として最終混練工程に配合することが好ましい。その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部である。
40〜200質量部の範囲で選定される。当該プロセスオイルの含有量が200質量部を超えると、得られるタイヤの耐摩耗性が低下し、本発明の目的は達せられない。
また、本発明のゴム組成物においては、耐摩耗性及び破壊特性の観点から、(A−1)成分として伸展油によって油展された高分子量の溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが用いられているが、該油展ゴム中の伸展油と後添加されたプロセスオイルの総量が、(A)ゴム成分100質量部に対して、100〜260質量部であることが好ましい。また、前記伸展油と後添加されたプロセスオイルが同じものであることが好ましい。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、0.5〜5.0質量部がより好ましい。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部である。
本発明の空気入りタイヤは、前述の本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階でタイヤトレッドに加工され、タイヤ成型機上で通常の方法により貼り付け成型され、生タイヤが成型される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、耐摩耗性がよくウェット性能が優れたタイヤである。
なお、ゴム組成物の加工性、及び加硫ゴムの耐摩耗性は、下記の方法に従って評価した。
(1)ゴム組成物の加工性
JIS K 6300に準拠し、130℃にてムーニー粘度[ML1+4/130℃]を測定し、比較例1の逆数を100として指数表示した。指数が大きいほど粘度が低いこと、すなわち、加工性が良好であることを示す。
(2)加硫ゴムの耐摩耗性
JIS K 6264−1:2005に準拠し、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温にてスリップ率60%の摩耗量を測定した。結果は、各例の摩耗量の逆数を、比較例1において得られた摩耗量の逆数の値を100として指数化した。数値が大きい程、耐摩耗性が優れることを示す。
(3)ウェットグリップ性
ブリティシュ・ポータブル・スキッドテスターを用いて、湿潤コンクリート路面に対する加硫ゴム試験片の抵抗値を測定した。比較例1を100とした指数表示で、数値が大きいものほど抵抗値が大きくウェットグリップ性がよいことを示す。
第1表に示す配合組成の9種類のゴム組成物をバンバリーミキサーを用いて調製した。各ゴム組成物について、加工性(未加硫ゴムのムーニー粘度)を評価すると共に、加硫温度145℃、加硫時間45分間の条件で加硫ゴムサンプルを作製し、耐摩耗性を評価した。その結果を第1表に示す。
40Lのオートクレーブにシクロヘキサン16L、1,3−ブタジエン2.9kg、スチレン1.1kgを仕込み、テトラヒドロフラン200g添加後、重合温度を70℃に調節し、テトラメチレン−1,4−ジリチウム24mmolを添加して重合を行なった。重合終了後、ジメチルジクロロシラン24mmolでカップリングしてポリマーを得、その後ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100質量部に対して0.5質量部、伸展油(アロマオイル)をポリマー100質量部に対して60.0質量部加え、乾燥して溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを得た。
得られた溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの重量平均分子量は、東ソー株式会社製HLC8020(カラムGMHX×2)を用いてGPC分析により測定し、1、500、000であった。
*1.製造例1にて得られた高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム
*2.富士興産(株)製 アロマオイル
*3.旭カーボン(株)製 N110
*4.東ソー・シリカ(株)製 「VN3」
*5.住友化学(株)製 「C−310」
*6.デグサ社製、商品名「Si69」
*7.General Electric社製、商品名「NXTシラン」
*8.N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
*9.ジフェニルグアニジン:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
*10.N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド:大内新興化学工業社製「ノクセラーCZ」
実施例1は本発明に係わる「NXT」シランカップリング剤含むために、比較例1(コントロール)の従来のカップリング剤対比ウェットグリップ性が優れ、耐摩耗性及び加工性についても問題はない。
実施例2は比較例1対比シリカ100質量部と半減しているが、「NXT」シランカップリング剤の効果よりウェットグリップ性の低下を補完することができる。
実施例3は「NXT」シランカップリング剤が本発明の範囲を満足していれば、他のシランカップリングと併用してもウェットグリップ性を含め効果が得られている。
これに対し、比較例2は比較例1対比シリカの量が少ないため「NXT」シランカップリング剤に劣る。比較例3については、シリカの増量効果によってウェットグリップ性能は向上するも耐摩耗性、加工性の面で劣る。また、本発明の範囲を満足していないシリカの配合量が少ない比較例4は、「NXT」シランカップリング剤を用いてもウェットグリップ性能にたいする効果が得られていない。「NXT」シランカップリング剤の量が本発明の範囲を満足しない場合、例えば、配合量の少ない比較例5はグリップ性の向上は確認できず、配合量の多い比較例6についてはウェットグリップ性能は向上するも、加工性及び耐摩耗性の面で劣る。
Claims (8)
- (A)(A−1)重量平均分子量が100万以上である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム60質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、(B)カーボンブラック0〜50質量部(C)シリカ95〜300質量部及び(D)下記一般式(I)
mM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数]で表される無機充填材10〜80質量部を含み、かつ(E)一般式(II)
で表されるシランカップリング剤を、前記(C)成分のシリカに対して5〜30質量%の割合で含むことを特徴とするゴム組成物。 - 前記(A)ゴム成分として、(A−2)天然ゴム及び/又は重量平均分子量が100万未満のジエン系合成ゴムを0〜40質量部未満の範囲で含む請求項1に記載のゴム組成物。
- (A)ゴム成分100質量部に対し、前記(B)カーボンブラック,(C)シリカ及び(D)無機充填材の合計である総充填材量として150〜350質量部を含む請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- (D)前記一般式(I)で表される無機化合物粉体が下記一般式(III)で表される無機化合物粉体である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
Al2O3・mSiO2・nH2O ………(III)
〔式中のmは1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。〕 - さらに、(A)ゴム成分100質量部に対し、(F)プロセスオイルを40〜200質量部配合する請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 油展ゴム中の伸展油と前記(F)プロセスオイルとの合計である総軟化剤量が、(A)ゴム成分100質量部に対して、100〜260質量部含む請求項5に記載のゴム組成物。
- (E)成分の一般式(I)で表されるシランカップリング剤が、アシルチオアルキルトリアルコキシシランである請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を、トレッドに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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