JPH08169983A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物

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JPH08169983A
JPH08169983A JP6334152A JP33415294A JPH08169983A JP H08169983 A JPH08169983 A JP H08169983A JP 6334152 A JP6334152 A JP 6334152A JP 33415294 A JP33415294 A JP 33415294A JP H08169983 A JPH08169983 A JP H08169983A
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carbon black
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dst
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗用車や軽トラックを対象とする低燃費タイ
ヤのトレッド用として高水準の耐摩耗性を維持しながら
高い反発弾性を有する低発熱性のゴム組成物を提供す
る。 【構成】 窒素吸着比表面積(N2SA)が75〜100m2/g 、圧
縮DBPが 105〜120ml/100gのハード系領域に属し、か
つアグリゲートのストークスモード径(Dst)が下記関
係式による選択的特性を有するファーネスカーボンブラ
ックを、ゴム成分100 重量部に対し35〜100 重量部の割
合で配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物。 Dst≧0.62×De +28.0 但し、上式においてDstはディスクセントリフュージュ
装置(DCF) により測定されるカーボンブラックアグリゲ
ートのストークスモード径を、De は透過型電子顕微鏡
による2次元投影像を画像解析して得られるカーボンブ
ラックアグリゲートの投影面積の円換算平均径を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗用車や軽トラック用
のタイヤトレッド部材として好適なゴム組成物、詳しく
は低燃費タイヤに有効な優れた耐摩耗性能を維持しなが
ら高い反発弾性を有する低発熱性のゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ゴム補強用のカーボンブラックには、具
備特性に応じた多様の品種があり、これらの品種特性が
ゴムに配合した組成物の諸性能を決定付けるための主要
な因子となる。このため、通常ゴムへの配合に当たって
は、部材用途に適合する品種特性のカーボンブラックを
選定使用する手段が慣用されている。
【0003】例えば、ここ数年来、省資源、省エネルギ
ーの社会的要求に対応するため低燃費タイヤの開発が盛
んにおこなわれてきたが、このような低燃費タイヤに対
しては比較的粒子径が大きな品種のカーボンブラックを
相対的に少ない量でゴム成分に配合した低発熱性で高反
発弾性を備えるゴム組成物が有効である。ところが、粒
子径が大きく比表面積の小さなカーボンブラックのゴム
配合は、低燃費性能を改善する目的には有効であるが、
湿潤路面での制動性および耐摩耗性といった面の特性低
下が避けられない。したがって、粒子径が小さく、比表
面積の大きいカーボンブラックを用いて配合ゴムに高耐
摩耗性と高反発弾性を与える低発熱性とを同時に付与す
ることができれば、低燃費化を対象とするタイヤトレッ
ド用ゴム部材として理想的なものとなる。
【0004】本出願人は、上記のような背反的ゴム性能
を、配合するカーボンブラックの特性面、とくに粒子
径、比表面積、ストラクチャー等の基本特性に加えてよ
りミクロな選択的特性を付加することによって両立させ
る研究を系統的に継続しており、既に以下のような開発
提案をおこなっている。 (1) 窒素吸着比表面積(N2SA) が60m2/g以上、圧縮D
BPが112ml/100g 以上のカーボンブラックに凝集体
のストークスモード径および同分布を一定値以上に維持
させた配合ゴムに高補強性能と高反発弾性を同時に付与
することのできるカーボンブラック(特公平1−53978
号公報)。 (2) N2 SAが60m2/g以上、DBPが108ml/100g
以上であり、一定比表面積当たりの真比重値を公知カー
ボンブラックのそれより著しく低い特定範囲に設定する
とともに着色力ならびに凝集体モード径当たりの分布幅
を一定値以上に維持するカーボンブラックを配合した高
耐摩耗性と高反発弾性を兼備するゴム組成物(特公平3
−70746 号公報)。 (3) N2 SAが65〜84m2/g、N2 SA/ヨウ素吸着
量(IA)の比が1.10〜1.35の範囲にあり、圧縮D
BP、ブラックネス、ヨウ素吸着量および凝集体モード
径を変数とする関係式値を一定値以上に設定した配合ゴ
ムに高耐摩耗性と高反発弾性を同時に付与することがで
きるカーボンブラック(特開昭63−225639号公報) 。 (4) N2 SAが75〜105m2/g、圧縮DBPが110
ml/100g 以上で、一定比表面積当たりの真比重値を公知
のカーボンブラックのそれより低い特定範囲に設定する
と共に、粒子凝集体空隙直径ならびに凝集体モード径当
たりの分布幅を一定値以上に維持させた配合ゴムに高耐
摩耗性と高反発弾性を併有させることができるカーボン
ブラック(特開平1−201367号公報) 。 (5) N2 SAが60〜100m2/gで、アグリゲート粒間
ポアのモード径Dp が粒子凝集体モード径(Dst) との
関係式値を一定値以下に設定したカーボンブラックを配
合した反発弾性と耐摩耗性を高水準に併有するゴム組成
物(特開平4−209640号公報)。
【0005】このほか、米国特許第 4360627号明細書に
はタイヤトレッドラバー用として、N2 SA85〜95
m2/g、24M4DBP100〜104ml/100g 、Tint 95
〜105%で、凝集体ストークスモード径の分布(△D
50)を180nm以上とした高耐摩耗性と高反発弾性を達
成するカーボンブラックが開示されており、また米国特
許第4548980 号明細書には、省エネルギー用タイヤトレ
ッドラバーに必要な低ころがり抵抗と高度のウエットグ
リップ性能を得るためのカーボンブラック特性として、
2 SA75〜105m2/g、N2 SA−IA≧15、N
2 SA−CTABSA≦5、24M4DBP≦110、Tin
t 90〜110、△Tint ≦−3が示されている。
【0006】しかしながら、低燃費タイヤに対する材質
要請はますます高度化しており、前記の先願発明による
ゴム組成物でも最近の要求性能に応えることが難しくな
っているのが現状である。本発明者は、このような背景
下に研究を進め、窒素吸着比表面積(N2SA)が75〜12
5m2/g、圧縮DBPが100〜130ml/100g のハード
系領域に属するファーネスカーボンブラックであって、
アグリゲートのストークス径の半値幅がストークスモー
ド径との関係で一定関係式値の範囲にあり、さらにアグ
リゲート粒間のポア径分布の半値幅がポア径分布のモー
ド径との関係で一定関係式値の範囲内にあるカーボンブ
ラックを配合したゴム組成物は乗用車や軽トラック用タ
イヤトレッドとして好適なゴム物性が得られる事実を解
明し、特願平5−348207号として提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の先行技術(特願
平5−348207号)によれば特定したカーボンブラックの
諸特性が総合的に作用して、ゴム組成物に優れた耐摩耗
性を維持しながら高い反発弾性を有する低発熱性を付与
することが可能となる。
【0008】本発明者は、引き続きカーボンブラックア
グリゲートの形態と配合ゴム特性との関係について研究
を進めた結果、アグリゲートの形状異方性が小さい場
合、すなわちアグリゲートのストークスモード径(Ds
t)と透過型電子顕微鏡で観察した2次元投影像の投影
面積から求めたアグリゲートの円換算平均径(De )と
の関係において、Dstの値が一定関係式値以上にあるカ
ーボンブラックを配合したゴム組成物は耐摩耗性の後退
を伴うことなく、高い反発弾性ならびに低発熱性を示す
ことを見出した。
【0009】本発明は、上記の知見に基づいて開発され
たもので、その目的は乗用車や軽トラックの低燃費タイ
ヤ用のトレッド部材として好適な高耐摩耗性と高い反発
弾性とを兼備する低発熱性のゴム組成物を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるタイヤトレッド用ゴム組成物は、窒素
吸着比表面積(N2SA)が75〜100m2/g、圧縮DBPが
105〜120ml/100g のハード系領域に属し、かつア
グリゲートのストークスモード径(Dst)が下記関係式
による選択的特性を有するファーネスカーボンブラック
を、ゴム成分100重量部に対し35〜100重量部の
割合で配合してなることを構成上の特徴とする。 Dst≧0.62×De +28.0 但し、上式においてDstはディスクセントリフュージュ
装置(DCF) により測定されるカーボンブラックアグリゲ
ートのストークスモード径を、De は透過型電子顕微鏡
による2次元投影像を画像解析して得られるカーボンブ
ラックアグリゲートの投影面積の円換算平均径を示す。
【0011】上記構成におけるカーボンブラックの各特
性は、以下の測定方法によって得られる値が用いられ
る。 窒素吸着比表面積(N2SA);ASTM D3037−88
“Standard Test Method for Carbon Black-SurfaceAre
a by Nitrogen Absorption ”MethodBによる。この方
法によるIRB#6の測定値は、76m2/gである。 圧縮DBP;ASTM D3493-85a “Standard Tes
t Method for Carbon Black- DibutylPhthalate Absorp
tion Number of Compressed Sample”による。この方法
によるIRB#6の測定値は,87ml/100g である。
【0012】Dst(アグリゲートのストークスモード
径);JIS K6221(1982)5「乾燥試料の作り
方」に基づいて乾燥したカーボンブラック試料を少量の
界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合し
てカーボンブラック濃度50mg/lの分散液を作製し、こ
れを超音波で十分に分散させて試料とする。ディスクセ
ントリフュージュ装置(英国Joyes Lobel 社製)を80
00rpm の回転数に設定し、スピン液(2重量%グリセ
リン水溶液、25℃)を10ml加えたのち、1mlのバッフ
ァー液(20容量%エタノール水溶液、25℃)を注入す
る。ついで、温度25℃のカーボンブラック分散液0.
5mlを注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同時に記
録計を作動させて図1に示す分布曲線(横軸:カーボン
ブラック分散液を注射器で加えてからの経過時間、縦
軸:カーボンブラックの遠心沈降に伴い変化した測定点
での吸光度)を作成する。この分布曲線より各時間Tを
読み取り、次式(数1)に代入して各時間に対応するス
トークス相当径を算出する。
【0013】
【数1】
【0014】数1において、ηはスピン液の粘度(0.93
5cp)、Nはディスク回転スピード(8000rpm) 、r1 はカ
ーボンブラック分散液注入点の半径(4.56cm)、r2 は吸
光度測定点までの半径(4.82cm)、ρCBはカーボンブラッ
クの密度(g/cm3) 、ρl はスピン液の密度(1.00178g/c
m3) である。
【0015】このようにして得られたストークス相当径
と吸光度の分布曲線(図2)における最大頻度のストー
クス相当径をDstモード径(nm)とする。この測定方法に
よるIRB#6のDstモード径は、92nmである。
【0016】De (アグリゲートの円換算平均径);
透過型電子顕微鏡によるカーボンブラックアグリゲート
の2次元投影像を画像解析して得られる投影面積を円に
換算して求めた平均径であり、以下の方法によって測定
される。JIS K6221(1982)5「乾燥試料の作り
方」に基づいて乾燥したカーボンブラック試料2mgを精
秤採取して試験管中に入れ、クロロホルム1.5mlを加
えて60秒間超音波により処理したのち、分散液0.5
mlを別の試験管に採取して、さらにクロロホルム2mlを
加えて超音波により60秒間処理して十分に分散させ
る。この分散液を直ちにカーボンブラック支持膜に固定
して透過型電子顕微鏡(直接倍率20000倍)で撮影
し、得られた100視野の2次元投影像からランダムに
1000個のカーボンブラックアグリゲートの投影面積
(A)を画像解析装置(NIRECO社製 LUZEX5000)により
測定し、De =(4A/π)1/2 式から円換算径を求め
てアグリゲート1000個の算術平均径をDe(nm)とす
る。
【0017】本発明で特定するファーネスカーボンブラ
ックの特性項目のうち、窒素吸着比表面積(N2SA)が75
〜100m2/g、圧縮DBP吸油量が105〜120ml/1
00gの粒子性状はハード系領域に属し、配合ゴムに高度
の耐摩耗性と高い反発弾性を有する低発熱性とを保持さ
せるための前提要件となる。すなわち、窒素吸着比面積
(N2SA)が75m2/g未満では十分な耐摩耗性が得られず、
一方100m2/gを越えると発熱性が増大し、また、圧縮
DBPが105ml/100g を下回ると耐摩耗性が低下し、
120ml/100g を上回るとゴム成分への配合時に粘度が
高くなり、加工性の低下を招くこととなる。
【0018】また本発明で特定するDstモード径の範囲
は本発明の重要な構成要件であり、この値が円換算平均
径(De )との関係において(0.62×De +28.
0)からの算出値を下回ると耐摩耗性を後退させずに高
い反発弾性および発熱性を有意に低下させることができ
なくなる。すなわち、窒素吸着比面積(N2SA)が75〜1
00m2/g、圧縮DBPが105〜120ml/100g の範囲
にあり、かつDst≧0.62×De +28.0の関係式
を満たす場合にゴム組成物に相対的に優れた耐摩耗性と
高反発弾性ならびに低発熱性とを同時に付与することが
可能となる。
【0019】本発明の特性を備えるファーネスカーボン
ブラックは、炉頭部に接線方向空気供給口と炉軸方向に
装着された燃焼バーナーを有する燃焼室、該燃焼室と同
軸的に連設された第一段狭径反応室、および第一段狭径
反応室より小さい内径の第二段狭径反応室の2段階の狭
径反応室を備え、引き続く広径反応室から構成されるオ
イルファーネス炉を用い、第一段狭径反応室および第二
段狭径反応室の各狭径反応室に原料油を同時に噴射導入
して各狭径反応室に導入する原料油量ならびに燃料油、
燃焼用空気などの供給量の調整、更に酸素ガス添加等の
条件を適宜設定変更することによって製造することがで
きる。
【0020】上記のファーネスカーボンブラックは、常
法に従って天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、その他常
用のカーボンブラックで補強可能な各種ゴム、混合ゴム
などのエラストマーに配合する。カーボンブラックの配
合比率は、ゴム成分100重量部に対し35〜100重
量部に設定する。カーボンブラック配合比率が35重量
部を下回ると配合ゴムに十分な耐摩耗性が付与されず、
100重量部を越えると配合物の粘度が上昇するために
混練加工性の減退を招くためである。配合に際しては、
加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、加硫助剤、軟化剤、
可塑剤等の必要成分とともに混練して本発明のタイヤト
レッド用ゴム組成物を得る。
【0021】
【作用】本発明で特定するカーボンブラックは、窒素吸
着比表面積(N2SA)が75〜100m2/g、圧縮DBPが1
05〜120ml/100g の特性を備えるカーボンブラック
を対象として、アグリゲートストークスモード径(Ds
t)の値がアグリゲートの円換算平均径(De)に対し
て、〔0.62×De +28.0〕の関係式値以上であ
ることを特徴としている。
【0022】カーボンブラックアグリゲートは、カーボ
ンブラックの生成過程においてカーボンブラックの一次
粒子が融着結合して3次元的に連繋した複雑な形態を有
する粒子凝集体であり、アグリゲートのストークスモー
ド径(Dst)は遠心沈降法により測定されるストークス
相当径の分布曲線における最大頻度のストークス相当径
で、アグリゲートの大きさを示す指標となるものであ
る。また、アグリゲートの円換算平均径(De)は100
0個のアグリゲートについて求めた2次元投影像の投影
面積を円に換算して測定される算術平均径であり、定D
e 平均径当たりのDst値はアグリゲートの形状異方性を
示す指標となるものである。すなわち、アグリゲートを
遠心沈降させた場合アグリゲートの大きさ(質量)が同
じでも、その形態が異なれば流体抵抗が異なるために沈
降速度に差が生じ、ストークスモード径(Dst)の測定
値が変化する。例えば粒子凝集体の3次元的連繋の拡が
りが小さいアグリゲートは流体抵抗も小さくなり、見か
け上のストークスモード径は大きな値となる。一方、ア
グリゲートの2次元投影像の投影面積はアグリゲートの
大きさ(質量)が同じであれば、その形態が異なっても
ほぼ一定の値となるため、投影面積から求めた円換算平
均径(De)を一定とした場合におけるDst値の大小はア
グリゲートの形状異方性と関係することとなる。
【0023】このようにアグリゲートのストークスモー
ド径(Dst)と円換算平均径(De)とは一定の相関を示
し、発明者の検討によると上市されているハード系カー
ボンブラックでは概ね、〔Dst=(0.62×De +1
8.0)±9.5〕の関係にあることが確認されてい
る。すなわち、Dst値は〔0.62×De +8.5〕と
〔0.62×De +27.5〕の間の値となる。
【0024】本発明で特定するDstはDe との関係にお
いて上記の関係式から算出される値よりも更に高位にあ
ること、換言すればアグリゲートの円換算平均径(De)
を一定とした際にストークスモード径(Dst)の値が相
対的に大きく、アグリゲートの形状異方性が小さいこと
により特徴付けられる。特にDstの値が〔0.62×D
e +28.0〕値と同等以上であると、配合ゴムに耐摩
耗性の後退を伴うことなしに高い反発弾性を有する低発
熱性を付与することができる。
【0025】本発明は、特定した上記カーボンブラック
の諸特性が総合的に機能して、窒素吸着比表面積(N2SA)
を一定として比較した場合に配合ゴム組成物に乗用車や
軽トラックのタイヤトレッド用部材として好適な耐摩耗
性、反発弾性および発熱性をバランス良く兼備させるこ
とが可能となる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0027】実施例1〜5、比較例1〜5 炉頭部に接線方向空気供給口と炉軸方向に装着した燃焼
バーナーを有する燃焼室(直径800mm、長さ800m
m) 、該燃焼室と同軸的に連設し炉壁を貫通する原料噴
射ノズルを備える第一段狭径反応室(直径250mm、長
さ500mm) および第二段狭径反応室(直径200mm、
長さ450mm) 、これに引き続く広径反応室(直径40
0mm) とから構成されたオイルファーネス炉を設置し
た。原料油には、比重(15/4 ℃) 1.073、粘度(エ
ングラー40/20 ℃) 2.10、トルエン不溶分0.03
%、相関係数(BMCI)140の芳香族炭化水素油を、また
燃料油としては、比重(15/4 ℃) 0.903、粘度(Cst
/50 ℃) 16.1、残炭分5.4%、引火点96℃の炭
化水素油を用いた。
【0028】上記の反応炉、原料油および燃料油を用
い、第一段狭径反応室および第二段狭径反応室の原料油
供給量、燃料油量、空気供給量、酸素ガスの添加有無等
の生成条件を変えて10種類(実施例1〜5、比較例1
〜5)のファーネスカーボンブラックを製造した。表1
および表2にカーボンブラックの生成条件と得られたカ
ーボンブラックの特性を対応させて示した。また、表3
には参考例1〜4として市販のハード系カーボンブラッ
ク品種の特性を示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】 〔表注〕参考例1;N351〔東海カーボン(株)製、シーストNH〕 参考例2;N347〔東海カーボン(株)製、シースト3H〕 参考例3;N339〔東海カーボン(株)製、シーストKH〕 参考例4;N220〔東海カーボン(株)製、シースト6〕
【0032】次に、これらのカーボンブラック試料を表
4に示す配合比によりスチレンブタジエンゴム〔日本合
成ゴム(株)製、JSR1712 〕に配合した。
【0033】
【表4】
【0034】表4の配合物を145℃の温度で50分間
加硫して得られた各ゴム組成物について下記の方法によ
り各種ゴム試験をおこない、測定された結果を表5(実
施例)表6(比較例)および表7(参考例)に示した。
また、N2 SAと耐摩耗性(24%スリップ)との関係を
図3に、N2 SAとtanδとの関係を図4に、tan
δと耐摩耗性(24%スリップ)の関係を図5に、tan
δと耐摩耗性(60%スリップ)との関係を図6に、それ
ぞれ示した。なお、耐摩耗性は各試料の摩耗量を参考例
1の摩耗量を100として、その比率の逆数で示した。
したがって耐摩耗性の数値が大きい程摩耗量が少なく、
耐摩耗性が優れていることを示す。また、tanδ(損
失係数)は発熱性の指標となるもので、この値が小さく
なる程発熱性が低いことを示す。 摩耗量 ランボーン摩耗試験機(機械式スリップ機構)を用い、
次の条件で測定した。 試験片:厚さ10mm、外径44mm エメリーホイール:GCタイプ、粒度#80、硬度H 添加カーボランダム粉:粒度#80、添加量約9g/min. エメリーホイール面と試験片の相対スリップ率:24
%、60% 試験片回転数:535rpm 試験荷重:4kg tanδ(損失係数) 岩本製作所製のVisco Elastic Spectrometerを用い、次
の条件で測定した。 試験片:厚さ2mm、長さ30mm、幅5mm 周波数:50Hz 動的歪率:1.2% 温 度:60℃ その他の特性 JIS K6301(1975)「加硫ゴム物理試験法」によ
った。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】表5〜7および図3〜6から下記のことが
判明する。 一般的にN2 SAが増大すると耐摩耗性は向上する
が、図3のN2 SAと耐摩耗性(24%スリップ)の関係
グラフから本願発明の特性要件を充足する実施例のゴム
組成物はいずれも比較例、参考例のゴム組成物に比べて
定N2 SA当たりの耐摩耗性が高位にある。すなわち、
耐摩耗性が優れている。 また、N2 SAの増加に伴いtanδは大きくなる
が、図4のN2 SAとtanδとの関係グラフから実施
例のゴム組成物は比較例、参考例のゴム組成物に比較し
て定N2 SA当たりのtanδは低位にあり、発熱性が
低い。 このように耐摩耗性が向上するとtanδが大きくな
る、すなわち発熱性が高くなるが、tanδと耐摩耗性
との関係を示した図5および図6のグラフから、実施例
のゴム組成物は比較例および参考例のゴム組成物に比べ
てtanδが同一レベルの場合には耐摩耗性が高位にあ
り、逆に耐摩耗性が同一レベルであればtanδが低位
にあり発熱性が低い。 更に、反発弾性も実施例のゴム組成物は比較例および
参考例のゴム組成物に比較して大きく、高い反発弾性を
示すことが認められる。
【0039】以上の結果から、本発明で特定した特性要
件を充足する実施例のゴム組成物は比較例のゴム組成物
と比較して、同等レベルの粒子性状(窒素吸着比表面
積、圧縮DBP)を有しながら高い耐摩耗性を維持する
と伴に発熱性の指標となるtanδ(損失係数)の低下
と反発弾性の向上が認められ、これらの特性がバランス
良く両立していることが判明する。また、参考例と比較
すると大幅に特性が向上しており、その他の補強特性も
高水準に維持されていることが明らかである。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば従来技術とは異なるカー
ボンブラックのミクロな特性を選択規制することにより
優れた耐摩耗性能と高い反発弾性を兼備する低発熱性の
ゴム組成物を提供することが可能になる。したがって、
乗用車や軽トラック用のタイヤトレッド部材に適用して
効果的な低燃費化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーボンブラック分散液を加えてからの経過時
間とカーボンブラックの遠心沈降による吸光度の変化を
示した分布曲線である。
【図2】ストークス相当径(Dst)と吸光度の関係を示
す分布曲線、およびDstモード系の説明図である。
【図3】実施例および比較例、参考例のゴム組成物につ
いてN2 SAと耐摩耗性(24%スリップ)との関係を示
したグラフである。
【図4】実施例および比較例、参考例のゴム組成物につ
いてN2 SAとtanδとの関係を示したグラフであ
る。
【図5】実施例および比較例、参考例のゴム組成物につ
いてtanδと耐摩耗性(24%スリップ)との関係を示
したグラフである。
【図6】実施例および比較例、参考例のゴム組成物につ
いてtanδと耐摩耗性(60%スリップ)との関係を示
したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が75〜100
    m2/g、圧縮DBPが105〜120ml/100g のハード系
    領域に属し、かつアグリゲートのストークスモード径
    (Dst)が下記関係式による選択的特性を有するファー
    ネスカーボンブラックを、ゴム成分100重量部に対し
    35〜100重量部の割合で配合してなることを特徴と
    するタイヤトレッド用ゴム組成物。 Dst≧0.62×De +28.0 但し、上式においてDstはディスクセントリフュージュ
    装置(DCF) により測定されるカーボンブラックアグリゲ
    ートのストークスモード径を、De は透過型電子顕微鏡
    による2次元投影像を画像解析して得られるカーボンブ
    ラックアグリゲートの投影面積の円換算平均径を示す。
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