JP2729972B2 - ゴム組成物 - Google Patents
ゴム組成物Info
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Description
たグリップ性能を備えるタイヤトレッド用に好適なゴム
組成物に関する。
能や安定走行に対する要求が高まるなかで、タイヤトレ
ッド部分の性能向上に関する研究が活発に進められてい
るが、とくに高速安定走行にとって重要な高度の耐摩耗
性と路面把持力の大きい高グリップ性能を兼備するタイ
ヤトレッドの開発が急がれている。
は、配合するカーボンブラックの比表面積 (粒子径) や
ストラクチャーが大きいほど耐摩耗性の向上がもたらさ
れることが従来から知られている。また、グリップ性能
を高める手段としては、トレッド部に使用するゴム成分
にスチレン含有量の高いスチレンブタジエンゴム(SBR)
を用いたり、プロセスオイルを高配合率で充填する等の
方法が用いられている。ところが、これらゴム成分ある
いはプロセスオイルなどによる改善手段ではグリップ性
能を十分に向上させることが困難なうえ、耐摩耗性の著
しい減退を招く問題がある。
面積、ストラクチャー等の基本特性に加えて前記ゴム性
能に影響を与える各種特性をよりミクロに評価し、これ
らの選択的特性をもつカーボンブラックを配合すること
によりゴムに高度の耐摩耗性を維持しながらグリップ性
能を向上させる手段が提案されている。例えば、特開平
2−32137 号公報には、これらゴム性能を付与するタイ
ヤトレッド用として窒素吸着比表面積(N2SA)が 120〜16
5m2/g 、DBP吸油量が120ml/100g以上のハード領域に
属し、かつ下記 (2)式で定義されるGの値が下記 (3)式
の関係を満たす特性のカーボンブラックが開示されてい
る。 G=( Dst半値幅/ Dstモード径 )2 ×〔 (N2SA) × (24M4DBP)/(IA)×(DBP) ×(Tint)×(CTAB)〕× 107 …(2) 200 −0.555 ×(N2SA)≦ G ≦255 −0.555 ×(N2SA) …(3)
タイヤに対する材質要請はますます高度化しており、前
記の先行技術によるカーボンブラックでは最近の要求性
能に十分応えることができない。
く開発研究を重ねた結果、窒素吸着比表面積(N2SA)が12
0 m2/g以上でDBP吸油量が110ml/100g以上のカーボン
ブラックであって、アグリゲート粒間ポアのモード径が
これまで知られているカーボンブラックに比べて大きな
値を示すものを選択配合したゴム組成物は、高速安定走
行するタイヤトレッドとして好適なゴム性能を発揮する
事実を解明した。
されたもので、その目的は自動車を高速安定走行させる
タイヤトレッド用として好適な高水準の耐摩耗性ならび
にグリップ性能を兼備するゴム組成物を提供することに
ある。
めの本発明によるゴム組成物は、窒素吸着比表面積(N2S
A)が120m2/g 以上、DBP吸油量が110ml/100g以上のハ
ード系領域に属し、かつDp モード径が下記 (1)式の要
件を満たす選択的特性をもつカーボンブラックを、ゴム
成分 100重量部に対し35〜100 重量部の割合で配合して
なることを構成上の特徴とする。 Dp モード径≧ 7.13 +0.818 ×Da …(1) 但し、 (1)式においてDp モード径は示差走査熱量計(D
SC) により測定されるカーボンブラックアグリゲート粒
間のポア径分布における最大頻度のモード径を指し、D
a は〔(2540+71×DBP)/N2SA〕式による算出値とす
る。
には、以下の測定方法によって得られる値が用いられ
る。 窒素吸着比表面積(N2SA);ASTM D3037−88 “St
andard Test Method for Carbon Black-SurfaceArea by
Nitrogen Absorption ”MethodBによる。この方法に
よるIRB#6の測定値は、76m2/gである。 DBP吸油量;JIS K6221(1982)「ゴム用カーボン
ブラックの試験方法」6・1・2項、吸油量A法によ
る。この方法によるIRB#6の測定値は、99.0ml/100g
である。
「乾燥試料の作り方」に基づいて乾燥したのち、精秤採
取したカーボンブラック試料を蒸留水と混合してカーボ
ンブラック濃度0.250g/cm3のペーストを作成し、超音波
で十分に分散させる。超音波分散後10分以内に示差走査
熱量計(DSC, Mettler 社製 DSC30) でアグリゲート粒間
ポアの分布測定を開始する。この場合のペースト採取量
は約3〜5mgの範囲内とし、アルミ製のサンプル容器に
入れてシールしたのち、ペーストの質量を確認して前記
DSC装置にセットする。ついで、次のステップで測定
する。 室温から−80℃まで急冷する。 −80℃から−5℃まで10℃/min. の速度で加熱する。 −5℃から−0.1 ℃まで1℃/min. の速度で加熱した
のち、−0.1 ℃ (蒸留水の凝固点より0.1 ℃低い温度)
に10分間保持する。 −0.1 ℃から−8℃まで0.1℃/min. の速度で徐々
に冷却し、補償エネルギーを記録する。 そして、の段階で得られた補償エネルギーのチャート
から各温度(0.1℃刻み) の山の高さ(y) を読み取り、下
記(4) 、(5) 式からアグリゲート粒間のポア径(Dp)およ
びポア径分布(△V/△Dp) を得る。 Dp = (135.34/ΔT)+1.14 ……(4) ΔV /ΔDp= K・(ΔT)2/(Wa×y )…(5) (4) および(5) 式において、ΔT は蒸留水の凝固点降下
幅、Waは蒸留水の凝固熱、K はDSC装置の感度やサン
プルの質量を考慮に入れたファクターである。これらの
式はBrunらによって導かれたもので、Thermochimica Ac
ta,21(1977) 59〜88“A NEW METHOD FOR THE SIMULTANE
OUS DETERMINATION OF THE SIZE AND THE SHAPE OF POR
ES : THE THERMOPOROMETRY”に詳説されている。なお、
この方法で測定したASTM D−24 Standard Refe
rence Black C−3(N234)のDpモード径は77.6nmであ
った。
は、炉頭部に接線方向空気供給口と炉軸方向に装着され
た燃焼バーナーを備える燃焼室と、同軸的に連設された
2段階の狭径反応室と、引き続く水冷クエンチを備える
後部の広径反応室とにより構成されたオイルフアーネス
炉を用い、燃料油、空気供給量および第1段と第2段の
狭径反応室に対する原料油の導入量などの各条件を制御
することによって製造することができる。
スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、ブチルゴム、その他常用のカーボンブラック
で補強可能な各種ゴム、混合ゴムなどのエラストマーに
配合する。カーボンブラックの配合比率は、ゴム成分 1
00重量部に対し35〜100 重量部とし、加硫剤、加硫促進
剤、老化防止剤、加硫助剤、軟化剤等の必要成分ととも
に混練して本発明のゴム組成物を得る。
うち、窒素吸着比表面積(N2SA)が120m2/g 以上およびD
BP吸油量が110ml/100g以上の粒子性状はハード系領域
に属し、配合ゴムに高度の耐摩耗性を保持させるための
前提条件となる。したがって、これらの基本特性要件を
満たさないと耐摩耗性の面で不十分となる。
カーボンブラックが強固に融着結合した凝集体(アグリ
ゲート)の性状を示すパラメーターであり、カーボンブ
ラック生成過程における反応温度や燃焼ガスの撹乱度な
どの条件と密接に関連している。このため、ストラクチ
ャーおよび比表面積と相関する関係にあり、発明者の検
討によると上市されている一般のカーボンブラックは次
式(6) の関係にあることが確認されている。 Dp モード径 = (0.818 ×Da −2.87) ±9.2 …(6) ただし、Da はMedalia により定義された次式(7) で算
出される値である。 Da = (2540+71×DBP)/N2SA …(7) 例えばASTM D−24 Standard Reference Black
C−3(N234)のDp モード径実測値は77.6nmであるが、
これは(7) 式より計算されるDa 計算値(92.2)を(6) 式
へ代入し求めたDp モード径の範囲(63.3〜81.7nm) に
入っている。
モード径の範囲は、Da との関係において (6)式から算
出される値よりも更に高位にあること、特に〔7.13+0.
818×Da 〕式からの算出値と同等以上の水準に位置し
ている。これは比表面積およびストラクチャーの大きさ
に比較してアグリゲート粒間ポアが相対的に大きいこと
に特徴付けられ、この独特の性状が配合ゴムの耐摩耗性
を損ねずにグリップ性能の向上に寄与するものと推測さ
れる。
ゴム組成物に対して高度の耐摩耗性能と優れたグリップ
性を兼備させ、高速安定走行が要求されるタイヤトレッ
ド用として好適なゴム性能が付与される。
明する。
バーナーを有する燃焼室(直径900mm 、長さ900mm)、該
燃焼室と同軸的に連結してそれぞれ炉壁を貫通する原料
油噴射ノズルを備える第1段狭径反応室(直径180mm 、
長さ400mm)および第2段狭径反応室(直径160mm 、長さ
700mm)、これに引き続く広径反応室(直径400mm)とから
構成されたオイルファーネス炉を設置した。原料油に
は、比重(15/4 ℃)1.073、粘度(エングラー40/20 ℃)
2.10 、トルエン不溶分0.03%、相関係数(BMCI) 140の
芳香族炭化水素油を、また燃料油としては、比重(15/4
℃)0.903、粘度(Cst/50 ℃)16.1 、残炭分 5.4%、引火
点96℃の炭化水素油を用いた。
い、各狭径反応室に対する第1段および第2段の原料供
給量、燃料油量、空気供給量等の発生条件を変動させて
3種類のファーネスカーボンブラックを製造した。表1
にカーボンブラックの発生条件と得られたカーボンブラ
ックの特性を対比して示した。また、表1には比較例1
〜3として本発明の特定要件を外れる特性のカーボンブ
ラックを併せて示した。
示す配合比により油展スチレンブタジエンゴム〔日本合
成ゴム(株)製、JSR1712〕に配合した。
られた各ゴム組成物につき各種ゴム試験をおこない、測
定された結果を表3に示した。なお、ゴム特性の測定は
下記によった。 摩耗量 ランボーン摩耗試験機(機械式スリップ機構)を用い、
次の条件で測定した。なお、表3の摩耗量は比較例1を
100 とした場合の指数として示した。 試験片:厚さ 10mm 、外径 44mm エメリーホイール:GCタイプ、粒度80、硬度H 添加カーボランダム粉:粒度80メッシュ、添加量 約9
g/min. エメリーホイール面と試験片の相対スリップ率:24%、
60% 試験片回転数:535rpm 試験荷重:4kg
の条件で測定した。 試験片:厚さ2mm、長さ35mm、幅5mm 周波数:50Hz 動的歪率:1% 温度:60℃ その他の特性 JIS K6301「一般ゴム試験法」によった。
おける耐摩耗性とtanδ(損失係数)の関係を示した
グラフである。実施例1は比較例1と比表面積レベルが
同等でありながら、耐摩耗性およびtanδ共に向上し
ている。また実施例2については、比較例2に比べて比
表面積が小さいにも拘らず優れた耐摩耗性と高ヒステリ
シスロス(高tanδ=高グリップ性能)を有してい
る。実施例3と比較例3についても、実施例2と比較例
2と同様の関係が認められる。
とは異なるカーボンブラックのミクロな特性を選択規制
することにより高度の耐摩耗性能と優れたグリップ性能
を兼備するゴム組成物を提供することが可能となる。し
たがって、高速安定走行が要求される自動車のタイヤト
レッド部材として好適に使用することができる。
(24%スリップ時)とtanδ(損失係数)の関係を示
したグラフである。
(60%スリップ時)とtanδ(損失係数)の関係を示
したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が120m2/g 以
上、DBP吸油量が110ml/100g以上のハード系領域に属
し、かつDp モード径が下記 (1)式の要件を満たす選択
的特性をもつカーボンブラックを、ゴム成分 100重量部
に対し35〜100重量部の割合で配合してなるゴム組成
物。 Dp モード径≧ 7.13 +0.818 ×Da …(1) 但し、 (1)式においてDp モード径は示差走査熱量計(D
SC) により測定されるカーボンブラックアグリゲート粒
間のポア径分布における最大頻度のモード径を指し、D
a は〔(2540+71×DBP)/N2SA〕式による算出値とす
る。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4089668A JP2729972B2 (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4089668A JP2729972B2 (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | ゴム組成物 |
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JPH05255542A JPH05255542A (ja) | 1993-10-05 |
JP2729972B2 true JP2729972B2 (ja) | 1998-03-18 |
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1992
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