JP3517756B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤトレッド用ゴム組成物Info
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Description
のタイヤトレッド部材として好適なゴム組成物、詳しく
は優れた耐摩耗性を維持しながら低い発熱特性を具備す
るタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】ゴム補強用のカーボンブラックには、具
備特性に応じた多様の品種があり、これらの品種特性が
ゴムに配合した組成物の諸性能を決定付けるための主要
な因子となる。このため、通常ゴムへの配合に当たって
は、部材用途に適合する品種特性のカーボンブラックを
選定使用する手段が慣用されている。 【0003】例えば、ここ数年来、省資源、省エネルギ
ーの社会的要求に対応するため低燃費タイヤの開発が盛
んにおこなわれてきたが、このような低燃費タイヤに対
しては比較的粒子径が大きい品種のカーボンブラックを
相対的に少ない量でゴム成分に配合した低発熱性で高反
発弾性を備えるゴム組成物が有効である。ところが、粒
子径が大きく比表面積の小さなカーボンブラックのゴム
配合は、低燃費性能を改善する目的には有効であるが、
湿潤路面での制動性および耐摩耗性といった面の特性低
下が避けられない。したがって、粒子径が小さく、比表
面積の大きいカーボンブラックを用いて配合ゴムに高耐
摩耗性、高反発弾性、低発熱性とを同時に付与すること
ができれば、タイヤトレッド用ゴム部材として理想的な
ものとなる。 【0004】本出願人は、上述した背反的ゴム性能を配
合するカーボンブラックの特性面、とくに粒子径、比表
面積、ストラクチャー等の基本特性に加え、より一層ミ
クロな選択的特性を付加することによって両立させる研
究を系統的に継続しており、既に下記のような開発提案
をおこなっている。 (1) 窒素吸着比表面積(N2SA)が60m2/g以上、圧縮DB
Pが112ml/100g 以上のカーボンブラックに凝集体の
ストークスモード径および同分布を一定値以上に維持さ
せた、配合ゴムに高補強性能と高反発弾性を同時に付与
することができるカーボンブラック(特公平1−53978
号公報) 。 (2) N2 SA60m2/g以上、DBP108ml/100g 以
上、一定比表面積当たりの真比重値を公知のカーボンブ
ラックのそれより著しく低い特定範囲に設定するととも
に着色力ならびに凝集体モード径当たりの分布幅を一定
値以上に維持する特性のカーボンブラックを配合した高
耐摩耗性と高反発弾性を兼備するゴム組成物(特開昭59
−140241号公報) 。 (3) N2 SAが65〜84m2/g、N2 SA/ヨウ素吸着
量(IA)の比が1.10〜1.35の範囲にあり、圧縮D
BP、ブラックネス、ヨウ素吸着量および凝集体モード
径を変数とする関係式値を一定値以上に設定した、配合
ゴムに高耐摩耗性と高反発弾性を同時に付与することが
できるカーボンブラック(特開昭62−58792 号公報) 。 (4) N2 SAが75〜105m2/g、圧縮DBP110ml
/100g 以上で、一定比表面積当たりの真比重値を公知の
カーボンブララックのそれより低い特定範囲に設定する
と共に、粒子凝集体空隙直径ならびに凝集体モード径当
たりの分布幅を一定値以上に維持させた、配合ゴムに高
耐摩耗性と高反発弾性を併有させることができるカーボ
ンブラック(特開平1−201367号公報) 。 (5) 窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜100m2/gのハー
ド系領域に属し、かつアグリゲート粒間ポアのモード径
(Dp)がDp ≦ 1.543×(Dstモード径)−55.0〕の関
係式を満たすフアーネスカーボンブラックを配合した、
高水準の反発弾性を保持しながら優れた耐摩耗性を有す
る低発熱性ゴム組成物(特開平4−209640号公報)。 【0005】このほか、米国特許第4360627号明
細書にはタイヤトレッドラバー用として、N2 SA85
〜95m2/g、24M4 DBP100〜104ml/100g 、T
int95〜105%で、凝集体ストークスモード径の分
布(ΔD50)を180nm以上とした高耐摩耗性と高反発
弾性を達成するカーボンブラックが開示され、また米国
特許第4548980号明細書には、省エネルギー用タ
イヤに必要な低ころがり抵抗と高度のウエットグリップ
性能を得るためのカーボンブラック特性として、N2 S
A75〜105m2/g、N2 SA−IA≧15、N2 SA
−CTABSA≦5、24M4 DBP≦110、Tint 9
0〜110、ΔTint ≦−3が示されている。 【0006】しかしながら、低燃費タイヤに対する品質
要求はますます高度化しており、より高水準の耐摩耗性
と発熱特性を両立させたゴム組成物の開発が引き続き求
められているのが現状である。このような要請に対処す
るため、本出願人は更に75≦N2 SA(m2/g)≦12
5、70≦CTAB(m2/g)≦120、90≦Tint(%)≦
125、105≦24M4DBP(ml/100g) ≦130、0.
60≦ΔDst/Dst≦0.95、18≦dn(nm)≦2
8、CTAB+5.83(dn)<225の選択的特性
を有するカーボンブラックをジエン系合成ゴムおよび/
または天然ゴム100重量部に対し30〜100重量の
割合で配合したタイヤトレッド用ゴム組成物を開発した
(特願平5−18167 号)。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記の先行技術による
タイヤトレッド用ゴム組成物は、従来技術とは異なるカ
ーボンブラックの粒子コロイダル性状と配合ゴム性能と
の技術的因果関係を解明して開発されたもので、乗用車
や軽トラック等のタイヤトレッドゴム用として好適な耐
摩耗性と反発弾性、低発熱性を兼備する。 【0008】しかしながら、引き続く開発過程で該先行
技術によるカーボンブラックの選択特性に新たにアグリ
ゲートの粒間ポアの空隙容積に関する限定項目を付加す
ると、配合ゴムの耐摩耗性と反発弾性、低発熱性のバラ
ンス化がより高水準域で達成し得ることを確認した。 【0009】本発明は前記知見に基づいて開発されたも
ので、その目的は、乗用車や軽トラックを対象としたタ
イヤのトレッドゴム用として好適な、高水準の耐摩耗性
と反発弾性および低発熱性を兼備するタイヤトレッド用
ゴム組成物を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエ
ン系合成ゴムおよび/または天然ゴムからなるゴム成分
100重量部に対し下記 (1)〜(8) の選択的特性を有す
るカーボンブラックを30〜100重量部の割合で配合
してなることを構成上の特徴とする。 (1) 75≦N2 SA(m2/g)≦150 (2) 70≦CTAB(m2/g)≦145 (3) 90≦Tint(%)≦130 (4) 105≦24M4DBP(ml/100g) ≦130 (5) 0.60≦ΔDst/Dst≦0.95 (6) 15≦dn(nm)≦28 (7) CTAB(m2/g)+5.83×dn(nm)<225 (8) 0.0333×N2 SA(m2/g)−100×PV(ml/
g)≦2.33 但し、上式において、N2 SAは窒素吸着比表面積、C
TABはCTAB比表面積、Tint は比着色力(対比試
料IRB #3)、24M4DBPは圧縮DBP吸油量、Dst
はディスクセントリフュージ装置(DCF) により測定され
るカーボンブラックアグリゲートのストークスモード
径、ΔDstは同ストークス径分布の半値幅、dnは電子
顕微鏡平均粒子直径、PVは水銀圧入法により求めた6
〜15nmの空隙容積(ml/g)を示す。 【0011】上記構成によるカーボンブラックの各特性
には、以下の測定方法によって得られる値が用いられ
る。 N2 SA(窒素吸着比表面積);ASTM D3037
−88“Standard Test Method for Carbon Black-Surf
ace Area by Nitrogen Absorption ”MethodBによる。
この方法によるIRB #6のN2 SA測定値は、76m2
/gである。 CTAB比表面積;ASTM D3765−89“Stan
dard Test Method for Carbon Black-CTAB(Cetyltrimet
hylammonium Bromide) Surface Area ”による。この方
法によるIRB #6のCTAB比表面積測定値は、77
m2/gである。 Tint (比着色力);JIS K6221−82「ゴム
用カーボンブラックの試験方法」6・1・3項により、
対比試料をIRB #3として測定する。この方法による
IRB #6の測定値は100である。 24M4DBP(圧縮DBP吸油量);ASTM D349
3−91“Standard Test Method for Carbon Black −
n-Dibutyl Phthalate Absorption Number of Compresse
d Sample”による。この方法によるIRB #6の24M4D
BP測定値は、87ml/100g である。 【0012】Dst, ΔDst;JIS K6221−82
5.「乾燥試料の作り方」に基づいて乾燥したカーボン
ブラック試料を少量の界面活性剤を含む20vol%エタノ
ール水溶液と混合してカーボンブラック濃度50mg/lの
分散液を作製し、これを超音波で十分に分散させて試料
とする。ディスク・セントリフュージ装置(英国Joyes
Lobel 社製)を8000rpm の回転数に設定し、スピン
液(温度25℃の2wt% グリセリン水溶液)を10ml加
えたのち、1mlのバッファー液(温度25℃の20vol%エ
タノール水溶液)を注入する。ついで、温度25℃のカ
ーボンブラック分散液0.5mlを注射器で加えた後遠心
沈降を開始し、同時に記録計を作動させて図1に示す分
布曲線を得る。横軸がカーボンブラック分散液を注射器
で加えてからの経過時間を示し、縦軸がカーボンブラッ
クの遠心沈降にともない変化した測定点での吸光度を表
す。この分布曲線より各時間Tを読み取り(1)式に代
入して各時間に対応するストークス相当径を算出する。 【0013】 【数1】 【0014】ただし、η:スピン液の粘度(0.935 cp) N:ディスク回転スピード(8000 rpm) r1 :カーボンブラック分散液注入点の半径(4.56 cm) r2 :吸光度測定点までの半径(4.82 cm) ρCB:カーボンブラックの密度(g/cm3) ρ1 :スピン液の密度(1.00178 g/cm3) このようにして得られたストークス相当径と吸光度の分
布曲線(図2)における最大頻度のストークス相当径を
Dstモード径(nm)とし、最大頻度の50%の頻度が得
られる大小2点のストークス相当径の差をΔDst(nm)
とする。この測定法によるIRB#6のDstは92nm、
ΔDstは68nmである。 【0015】dn(電子顕微鏡平均粒子直径);カーボ
ンブラック試料を超音波洗浄器により周波数28kHz で
30秒間クロロホルムに分散させたのち、分散試料をカ
ーボン支持膜に固定する〔詳細は例えば「粉体物性図
説」(粉体工学研究会他編)P68(C)「水面膜法」に記載
されている〕。これを電子顕微鏡で直接倍率20000
倍、総合倍率80000〜100000倍に撮影し、得
られた写真からランダムに1000個のカーボンブラッ
ク粒子の直径を計測し、3nmごとに区分して作成したヒ
ストグラムから算術平均粒子直径(dn)を求める。 【0016】PV(6〜15nmの空隙容積);水銀ポロ
シメーター(マイクロメリティクス社製、Pore Sizer
9300)の専用セル(3ml)中に、粒度0.25〜
0.50mmに調整し、JIS K6221−82 5.
「乾燥試料の作り方」に基づいて乾燥させたカーボンブ
ラックペレット0.2gを装填した後、25〜3000
0 psiの範囲で圧力を変化させて圧入する水銀量を測定
し、6nmおよび15nmの空隙容積に相当する圧力120
00、30000 psiにおける水銀圧入量より下記の式
に基づいて6〜15nmの空隙容積PVを算出する。 Aは圧力30000 psiでの装置の指示値(pF)、B
は圧力12000 psiでの装置の指示値(pF)、また
セル定数はセル固有の補正係数である。なお、pF(単
位:ピコファラド)は装置のセル内部の水銀とセル外部
の電極間の静電容量として指示される値で、この静電容
量の変化から圧入水銀量が算出される。この方法で測定
したIRB #6のPVは0.0030ml/gであった。 【0017】本発明の特性を備えるフアーネスカーボン
ブラックは、炉頭部に接線方向空気供給口と炉軸方向に
装着された燃焼バーナーを備える燃焼室と、該燃焼室と
同軸的に連設された原料油噴射ノズルを有する3段階の
狭径反応室および広径反応室により構成されるオイルフ
アーネス炉を用い、原料油の分割導入条件、燃料油およ
び空気の供給量、酸素ガスの添加条件などを調整するこ
とによって製造することができる。 【0018】上記のカーボンブラックは、常法に従って
イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、ス
チレンブタジエンゴム等のジエン系合成ゴム、天然ゴム
もしくは前記ジエン系合成ゴムと天然ゴムとの混合ゴム
に配合する。カーボンブラックの配合比率は、ゴム成分
100重量部に対し30〜100重量部に設定する。前
記のカーボンブラック配合量が30重量部を下廻ると配
合ゴムに十分な耐摩耗性が付与されず、100重量部を
越えると配合物の粘度が上昇するため混練加工性が著し
く減退する。配合に際しては、加硫剤、加硫促進剤、老
化防止剤、加硫助剤、軟化剤、可塑剤等の必要成分とと
もに混練して本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を得
る。 【0019】 【作用】本発明で特定したカーボンブラックの選択的特
性項目は、それぞれ配合ゴムに対して次のように機能す
る。すなわち、N2 SAが75〜150m2/g、CTAB
が70〜145m2/g、Tint が90〜130%、24M4D
BPが105〜130ml/100g の範囲は、高度の耐摩耗
性と適度の低発熱性を保持させるための要件となる。N
2 SA、CTAB、Tint および24M4DBPが前記の下
限値を下廻ると十分な耐摩耗性を付与することができな
くなる。逆にN2 SA、CTABが前記の上限値を越え
ると発熱性が増大して反発弾性が減退する傾向を示す。
またTintが上限値を外れると発熱性が増大するほか、
ゴム成分に対するカーボンブラックの分散性が低下し、
24M4DBPが上限値を上廻ると配合ゴムの粘度が高くな
って加工性の低下を招く。 【0020】ΔDst/Dstの値はカーボンブラックのア
グリゲート分布幅を示す指標となるが、この値が0.6
未満では発熱性が増大し、0.95を越えると耐摩耗性
が減退する。dnが15nmを下廻るとカーボンブラック
のアグリゲートを構成する基本粒子が小さくなり過ぎて
発熱性の増大が促進され、他方28nmを越えるようにな
ると補強性能が後退する。 【0021】カーボンブラックのdnとCTABとの間
には、一般にdnが大きくなるに伴ってCTABは小さ
くなる関係があるが、両者が〔CTAB+5.83×d
n<225〕の関係式を満たす場合、すなわち一定dn
に対してCTABが相対的に小さくなると、アグリゲー
トを構成する1つの基本粒子直径が小さいにも拘らずそ
の表面積が小さい独特の性状を呈し、この性状に基づい
て配合ゴムに耐摩耗性と低発熱性を同時に付与させるこ
とが可能となる。前記の関係式を満たさない特性のカー
ボンブラックは、耐摩耗性または低発熱性のいずれか一
方もしくは両方共にタイヤトレッドに要求される十分な
ゴム性能を得ることができない。 【0022】カーボンブラックの基本粒子が融着結合し
た粒子凝集体構造を示すアグリゲートには、多様な空隙
や細隙が形成される。この空隙および細隙、すなわち粒
間ポアの空隙容積はカーボンブラックの粒子径、換言す
れば比表面積に関係し、一般にN2 SAが大きくなるに
つれて空隙容積は大きくなる。この空隙容積のうち、6
〜15nmに相当する空隙容積PVとN2 SAが〔0.0
333×N2 SA(m2/g)−100×PV(ml/g)≦2.3
3〕の関係にある場合、すなわち一定N2 SAに対して
6〜15nmの空隙容積が相対的に多い場合、配合ゴムの
耐摩耗性を維持または向上させ、また発熱性の抑制に機
能する。これは粒間ポアのうち6〜15nmに相当する非
常に小さい空隙や細隙は、カーボンブラックの基本粒子
間のくびれやアグリゲート内部のミクロな空隙に相当
し、この空隙容積が相対的に多い場合はゴム成分に配合
したときこの空隙内により多くのゴム成分を取り込み、
強固な結合層が形成されるためと推測される。 【0023】このような配合カーボンブラックの性状特
性ならびに機能が総合的に作用して、ゴム組成物に優れ
た耐摩耗性と低発熱性を示す高水準の反発弾性を同時に
バランスよく付与することが可能となる。 【0024】 【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 【0025】実施例1〜4、比較例1〜10、 炉頭部に接線方向空気供給口と炉軸方向に装着した燃焼
バーナーを有する燃焼室(直径900mm,長さ1000mm) 、該
燃焼室と同軸的に連結され各々炉壁を貫通する原料油噴
射ノズルを備える第1段狭径反応室(実施例は直径240m
m,長さ600mm 、比較例は直径220mm,長さ600mm)、第2段
狭径反応室(直径180mm,長さ500mm )および第3段狭径
反応室(実施例は直径240mm,長さ400mm 、比較例は直径
260mm,長さ500mm)、これに引き続く広径反応室(直径45
0mm)とから構成されたオイルファーネス炉を設置した。
原料油には、比重(15/4 ℃)1.073、粘度(エング
ラー40/20 ℃)2.10、トルエン不溶分0.03%、
相関係数(BMCI)140の芳香族炭化水素油を用い、燃料
油としては比重(15/4 ℃)0.903、粘度(cst/50
℃)16.1、残炭分5.4%、引火点96℃の炭化水
素油を用いた。 【0026】上記の反応炉、原料油および燃料油を用
い、各狭径反応室に対する原料油の分割供給量、燃料油
量、空気供給量、酸素ガス供給量等の生成条件を変えて
ファーネスカーボンブラックを製造した。なお、実施例
1〜4のカーボンブラックは燃料油の燃焼率を170%
程度と低く設定し、また第1段原料油供給量の割合を大
きくして製造した。得られたカーボンブラックの特性を
生成条件と対応させて表1(実施例1〜4,比較例1〜
3)および表2(比較例4〜10)に示した。また、表
2に示した比較例7〜10は下記の市販ハード系カーボ
ンブラック品種である。 比較例 7:N351〔東海カーボン(株)製、シース
トNH〕 比較例 8:N339〔東海カーボン(株)製、シース
トKH〕 比較例 9:N220〔東海カーボン(株)製、シース
ト6〕 比較例10:N110〔東海カーボン(株)製、シース
ト9〕 【0027】 【表1】 【0028】 【表2】【0029】次に、表1および表2の各カーボンブラッ
ク試料を表3に示す配合比により油展スチレンブタジエ
ンゴム〔日本合成ゴム(株)製、JSR1712 〕に配合し
た。 【0030】 【表3】 【0031】表3の配合物を145℃の温度で50分間
加硫して得られた各ゴム組成物につき各種ゴム試験をお
こない、その測定結果を表1および表2に併せて示し
た。なお、ゴム特性の測定は下記によった。 【0032】摩耗量;ランボーン摩耗試験機(機械式ス
リップ機構)を用い、次の条件で測定した。結果は、比
較例7のカーボンブラックを100とした場合の相対指
数で示した。 試験片:厚さ10mm、外径44mm エメリーホイール:GCタイプ、粒度 #80、硬度H 添加カーボランダム粉:粒度 #80、添加量 約9g/mi
n. エメリーホイール面と試験片の相対スリップ率:24
%、60% 試験片回転数:535rpm 試験荷重:4kg 【0033】tanδ(損失係数);Visco Elastic Spe
ctrometer(岩本製作所製)を用い、次の条件で測定し
た。なお、tanδ(損失係数)は発熱性の指標となる
もので、測定値が小さくなるほど発熱度が低いことを示
す。 試験片:厚さ2mm、長さ30mm、幅5mm 周波数:50Hz 動的歪率:1.2 % 温 度:60℃ 【0034】その他の特性;JIS K6301「加硫
ゴム物理試験法」によった。 【0035】表1および表2から、実施例のゴム組成物
は同水準の粒子性状を有しながら本発明の選択的特性要
件を外れる比較例に比べ、耐摩耗性が同等で発熱性の指
標となるtanδ(損失係数)が有意に低下しており、
耐摩耗性と反発弾性が高水準下でバランスよく両立して
いることがが認められる。また、その他の補強特性も高
水準に維持されており、総合的なゴム物性は乗用車や軽
トラックのタイヤトレッド用として極めて好適である。 【0036】 【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば従来技術
とは異なるカーボンブラックのミクロなコロイダル性状
を選択規制することにより、優れた耐摩耗性を維持しな
がら低発熱性で高い反発弾性を示すタイヤトレッド用ゴ
ム組成物を提供することができる。したがって、乗用車
や軽トラック用のタイヤトレッド部材に適用して効果的
な低燃費化を図ることが可能となる。
間とカーボンブラックの遠心沈降による吸光度の変化を
示した分布曲線である。 【図2】ストークス相当径 (Dst) と吸光度の関係を示
す分布曲線、およびDstモード径とΔDstの説明図であ
る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ジエン系合成ゴムおよび/または天然ゴ
ムからなるゴム成分100重量部に対し下記 (1)〜(10)
の選択的特性を有するカーボンブラックを30〜100
重量部の割合で配合してなることを特徴とするタイヤト
レッド用ゴム組成物。 (1) 75≦N2 SA(m2/g)≦150 (2) 70≦CTAB(m2/g)≦145 (3) 90≦Tint(%)≦130 (4) 105≦24M4DBP(ml/100g) ≦130 (5) 0.60≦ΔDst/Dst≦0.95 (6) 15≦dn(nm)≦28 (7) CTAB(m2/g)+5.83×dn(nm)<225 (8) 0.0333×N2 SA(m2/g)−100×PV(ml/
g)≦2.33(9) 67≦D st(nm) ≦109 (10) 53≦ΔD st(nm) ≦95 但し、上式において、N2 SAは窒素吸着比表面積、C
TABはCTAB比表面積、Tint は比着色力(対比試
料IRB#3)、24M4DBPは圧縮DBP吸油量、Dst
はディスクセントリフュージ装置(DCF) により測定され
るカーボンブラックアグリゲートのストークスモード
径、ΔDstは同ストークス径分布の半値幅、dnは電子
顕微鏡平均粒子直径、PVは水銀圧入法により求めた6
〜15nmの空隙容積(ml/g)を示す。
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