JPH1036703A - カーボンブラック及びゴム組成物 - Google Patents

カーボンブラック及びゴム組成物

Info

Publication number
JPH1036703A
JPH1036703A JP19250996A JP19250996A JPH1036703A JP H1036703 A JPH1036703 A JP H1036703A JP 19250996 A JP19250996 A JP 19250996A JP 19250996 A JP19250996 A JP 19250996A JP H1036703 A JPH1036703 A JP H1036703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon black
weight
compressions
surface area
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19250996A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Kurihara
正樹 栗原
Takaaki Kanai
孝陽 金井
Hiroyuki Yano
博之 矢野
Isao Sumimoto
勲 住本
Takashi Iijima
孝 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nippon Steel Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP19250996A priority Critical patent/JPH1036703A/ja
Publication of JPH1036703A publication Critical patent/JPH1036703A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高水準の耐摩耗性を保持しながら、非常に優
れた低燃費性をもつタイヤトレッド用ゴム組成物を提供
すること。 【解決手段】 CTABが120〜170(m2/g)、圧
縮DBP(24M4DBP)が110〜130(ml/100g)のハ
−ド系領域に属し、かつ (1)窒素吸着比表面積(N2SA);N2SA≦CTAB+40 (2)アグリゲ−ト破壊指数(Ds);Ds≦0.17 (3)比着色力(TINT);110≦TINT≦150 (4)トルエン着色透過度 ;トルエン着色透過度≧50(%) (5)V(25〜30) ;V(25〜30)≧35(ml/100g) (6)H/O ;H/O ≧0.20 の選択的特性を有するカ−ボンブラック、及び該カーボ
ンブラックをゴム100重量部に対して20〜100重
量部配合したゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム配合用カ−ボ
ンブラック及びそれを使用した高水準の耐摩耗性を保持
しながら、非常に優れた低燃費性をもつタイヤトレッド
用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム配合用のカ−ボンブラックは、AS
TM D1765に示される様にその目的に応じ様々な
種類があり、それらは通常、比表面積、ストラクチャ−
など各種特性により分類されている。これらのうち、タ
イヤトレッド用カ−ボンブラックについては、ゴム組成
物として高度の耐摩耗性、低燃費性を実現することが要
求されている。これらの要求性能を満たすためのカ−ボ
ンブラックとしては、例えば、耐摩耗性を向上させるた
めには、窒素吸着比表面積(N2SA)が大きく、圧縮
DBP(24M4DBP)が大きいものが有効であり、また低
燃費性を改善するためには、窒素吸着比表面積(N2
A)が小さく、圧縮DBP(24M4DBP)が大きいものが
有効であると一般に考えられている。
【0003】さらに近年においては、耐摩耗性または低
燃費性を一層向上させるべく、あるいは両特性の両立を
図るべく種々の検討がなされている。たとえば、本願発
明者らは特開平7−233332号公報において、耐摩耗性を
より向上させる手段として、カ−ボンブラックのストラ
クチャ−の機械的強度に着目して、アグリゲ−ト破壊指
数(Ds)を一定値以下に制御することを提案してい
る。アグリゲ−ト破壊指数(Ds)の定義については後
述するが、圧力を加えてストラクチャ−の一部を破壊し
た後に圧縮DBP吸油量を測定する常法において、圧縮
によるアグリゲ−トの破壊状況に着目するものである。
【0004】また、カ−ボンブラックのアグリゲ−ト形
態を示す指標として、水銀ポロシメ−タ−により測定し
たアグリゲ−ト空隙容積のモ−ド直径(Dmp)を指標
として用いる発明が、特開平6−172587号公報などにお
いて開示されている。さらにまた、特開平7−179663号
公報においては、水銀ポロシメ−タ−により測定したア
グリゲ−ト粒間ポアのうち、6〜15nmに相当する非
常に小さい空隙や細隙(PV)が、カ−ボンブラックの
基本粒子間のくびれやアグリゲ−ト内部のミクロな空隙
に相当し、この空隙容積が相対的に多い場合はゴム成分
に配合したときにこの空隙内により多くのゴム成分を取
り込み、強固な結合層を形成する指標となりうることが
提案されている。
【0005】また、カ−ボンブラック表面特性に着目
し、単位重量当たりの酸素と水素の合計含有量を一定値
以下に低減することによりゴム組成物に高度の耐摩耗性
とともに高グリップ性能を付与する発明が、特開平4−1
08837号公報に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高水準
の耐摩耗性を保持しながら、より優れた低燃費性をもつ
ゴム組成物を提供するために、カ−ボンブラックに求め
られる品質要求はますます高度化している。かかる現状
から本発明の目的は、新規なゴム配合用カ−ボンブラッ
ク及びそれを使用した高水準の耐摩耗性を保持しなが
ら、非常に優れた低燃費性をもつタイヤトレッド用ゴム
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるカ−ボンブラックは、 CTABが1
20〜170(m2/g)、圧縮DBP(24M4DBP)が11
0〜130(ml/100g)のハ−ド系領域に属し、かつ (1)窒素吸着比表面積(N2SA);N2SA≦CTAB+40 (2)アグリゲ−ト破壊指数(Ds);Ds≦0.17 (3)比着色力(TINT);110≦TINT≦150 (4)トルエン着色透過度 ;トルエン着色透過度≧50(%) (5)V(25〜30) ;V(25〜30)≧35(ml/100g) (6)H/O ;H/O ≧0.20 の選択的特性を有することを特徴とするものである。
【0008】但し、上記のDsは圧縮DBP吸油量(単
位:ml/100g)を測定する常法において、圧縮回数の自
然対数を横軸に、その圧縮回数後におけるそれぞれのD
BP吸油量の自然対数を縦軸にとったグラフに、圧縮回
数1〜6回のDBP吸油量の各測定値の自然対数をプロ
ットし、単回帰により求めたその直線の傾きの絶対値を
示し、V(25〜30)は、水銀ポロシメ−タ−により測定
される直径25nm〜30nmの空隙の総容積を示し、
H/Oは、燃焼法により測定されるカ−ボンブラック単
位重量あたりの水素重量の酸素重量に対する割合を示す
ものとする。
【0009】また上記の目的を達成するための本発明の
ゴム組成物は、ゴム100重量部に対し、請求項1記載
のカ−ボンブラックを20〜100重量部配合したこと
を特徴とする。
【0010】ここで上記本発明のカ−ボンブラックを構
成する各選択的特性値は、以下の測定方法によるものと
する。 (a)CTAB(CTAB 吸着比表面積);ASTM D3
765に準拠する。 (b)圧縮DBP(24M4DBP);ASTM D3493に
準拠する。即ち24000psiの圧力を加えて圧縮を
4回繰り返した後のDBP吸油量である24M4DBP
を測定する。 (c)N2SA(窒素吸着比表面積);ASTM D3
037に準拠する。
【0011】(d)Ds(アグリゲ−ト破壊指数);カ
−ボンブラックに24000psiの圧力を加えてスト
ラクチャ−の一部を破壊した後に圧縮DBP吸油量(単
位:ml/100g)を測定する常法において、圧縮回数の自
然対数を横軸に、その圧縮回数後におけるそれぞれのD
BP吸油量の自然対数を縦軸にとったグラフに、圧縮回
数1〜6回のDBP吸油量の各測定値の自然対数をプロ
ットし、単回帰により求めたその直線の傾きの絶対値を
Dsと定義する。 (e)TINT(比着色力);ASTM D3265に
準拠する。 (f)トルエン着色透過度;JIS K−6221(ゴ
ム用カ−ボンブラック試験方法)に準拠する。
【0012】(g)V(25〜30)(直径25nm〜30
nmの空隙の総容積);水銀ポロシメ−タ−((株)島
津製作所製、Micromeritics Auto−Pore 9200)を用い
て、セル中に約0.15gのカ−ボンブラックを充填
し、水銀圧力を増加させながら圧入水銀量を測定する。
そのときの水銀圧力と水銀が圧入するカ−ボンブラック
の空隙直径は、Washburn の式により算出される。空隙
直径25nm相当の圧力までに圧入した水銀の総容積
(単位:ml/100g)から空隙直径30nm相当の圧力ま
でに圧入した水銀の総容積(単位:ml/100g)を差し引
いた値(単位:ml/100g)を直径25nm〜30nmの
空隙の総容積V(25〜30) とする。
【0013】(h)H/O;ガス熱伝導検出器を備えた
元素分析装置(Carlo Erba 1106)を用いて、コンテナ
中に約2mgのカ−ボンブラックを充填し、以下の方法
でカ−ボンブラック単位重量あたりの水素重量、酸素重
量を測定し、そのときの比率をH/Oと定義する。 水素重量;Heキャリアガス中に高濃度酸素を導入し
た条件下で、約1800℃でカ−ボンブラックを瞬間燃
焼し、さらにCr23と接触させて完全燃焼ガスを得
る。燃焼ガスを分離カラムで分離し、分離されたH2
をガス熱伝導検出器で測定する。 酸素重量;Heキャリアガス中で、約1060℃でカ
−ボンブラックを熱分解する。発生ガスを特殊な活性カ
−ボンと接触させてCOに変換し、そのCOをガス熱伝
導検出器で測定する。
【0014】本発明におけるカーボンブラックは、CT
ABが120〜170(m2/g)、圧縮DBP(24M4DB
P)が110〜130(ml/100g)のハード系領域に属
し、特に以下の特性を有するものでなければならない。 ・先ずCTAB(CTAB 吸着比表面積)は、120〜1
70(m2/g)の範囲とする。この値が120より小さ
いと配合ゴム組成物の耐摩耗性が低下し、170より大
きいと耐摩耗性の低下と低燃費性の悪化をきたし、いず
れも好ましくない。 ・圧縮DBP(24M4DBP)は、110〜130
(ml/100g)の範囲とする。この値が110より小さい
と配合ゴム組成物の耐摩耗性の低下と低燃費性の悪化を
きたし、130より大きいと加工性が低下し、いずれも
好ましくない。
【0015】・N2SA(窒素吸着比表面積)は、CT
AB吸着比表面積に40を加えた値以下とする。この値
を超えると配合ゴム組成物の耐摩耗性の低下と低燃費性
の悪化をきたし好ましくない。下限値については特に限
定しないが、検討した範囲ではCTAB吸着比表面積の
値以下( N2SA≦CTAB)のものは得られていな
い。 ・アグリゲ−ト破壊指数(Ds)は0.17以下とす
る。この値を超えると配合ゴム組成物の耐摩耗性が低下
し好ましくない。下限値については特に限定はないが、
検討した範囲では0.08以下のものは得られていな
い。
【0016】・比着色力(TINT)は110〜150
の範囲とする。この値が110より小さいと配合ゴム組
成物の耐摩耗性が低下し、150より大きいと低燃費性
が悪化し、いずれも好ましくない。 ・トルエン着色透過度は50%以上とする。この値を下
回ると配合ゴム組成物の耐摩耗性が低下し、好ましくな
い。上限値については特に限定はない。
【0017】・V(25〜30)は、35(ml/100g)以上
とする。この値を下回ると配合ゴム組成物の耐摩耗性が
低下し好ましくない。上限値については特に限定はない
が、検討した範囲では55以上のものは得られていな
い。この25nm〜30nmという空隙直径はゴム分子
の平均的な大きさと同程度と見なされる。したがって、
V(25〜30)が多いほど、カ−ボンブラックのアグリゲ
−ト空隙内に入り込み相互作用して補強特性に関与する
ゴム分子が多くなることになる。すなわち、カ−ボンブ
ラックのV(25〜30)が多いほど、それを使用したゴム
組成物の補強特性が向上し耐摩耗性が向上する。
【0018】ところで特開平7−179663号公報において
は、水銀ポロシメ−タ−により測定したアグリゲ−ト粒
間ポアのうち、6〜15nmの空隙総容積(PV)が相
対的に多い場合は、耐摩耗性、低燃費性に優れたゴム組
成物を提供することができることが提案されている。し
かし、直径25nm〜30nmの空隙よりもはるかに小
さい直径6nm〜15nmの空隙の総容積では、カ−ボ
ンブラックとゴムが相互作用するカ−ボンブラック表面
付近のミクロな領域での現象に着目しているが、これは
カ−ボンブラックによるゴム補強機構の説明としては不
十分である。
【0019】なぜなら、カ−ボンブラックによるゴム補
強は、ゴム分子がカ−ボンブラック空隙内に取り込まれ
ることによって発現されるが、それにはカ−ボンブラッ
クのゴム分子を取り込み得る空隙容積が大きな因子とな
るはずである。したがって、直径25nm〜30nmの
空隙よりもはるかに小さい直径6nm〜15nmの空隙
の総容積では耐摩耗性、低燃費性に優れたゴム組成物を
提供するための指標としては不十分である。
【0020】・H/Oは、0.20以上とする。この値
を下回ると配合ゴム組成物の耐摩耗性の低下と低燃費性
の悪化をきたし好ましくない。上限値については特に限
定はないが、検討した範囲では0.50以上のものは得
られていない。 ・水素含有量は、耐摩耗性に寄与する活性水素の量を反
映し、酸素含有量は発熱性に悪影響を及ぼす含酸素官能
基の量を反映する。すなわち、カ−ボンブラックのH/
Oの値が大きいほど、それを使用したゴム組成物は高水
準の耐摩耗性を保持したうえで、低燃費性が向上する。
【0021】ところで特開平4−108837号公報において
は、カ−ボンブラック単位重量当たりの酸素と水素の合
計含有量を一定値以下に低減することにより、ゴム組成
物に高度の耐摩耗性とともに高グリップ性能を付与する
発明が提案されている。しかし、水素含有量を低下させ
ると耐摩耗性に寄与する活性水素の量が減少するため、
耐摩耗性、低燃費性に優れたゴム組成物を提供するため
の指標としては不十分である。
【0022】上記した本発明の各特性を備えるカ−ボン
ブラックは、炉頭部に接線方向空気供給口と炉軸方向に
装着された燃焼バーナーを備える燃焼室と、該燃焼室と
同軸的に連設された原料油噴射ノズルを有する2〜3段
階の狭径反応室及び広径反応室により構成されるオイル
ファーネス炉を用い、原料油の供給量及び原料油の供給
箇所、燃料油及び空気、酸素ガスまたはその混合物から
なる燃焼用ガスの供給量等を調整することによって製造
することができる。また特に本発明の重要特性であるV
(25〜30)及びH/Oを所定の範囲に制御する方法とし
ては、前述の製造方法において原料油量及び原料供給箇
所などの変更が有効である。
【0023】上記の特性と成分組成を備えたカーボンブ
ラックは、常法に従ってポリブタジエンゴム、スチレン
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム等のジエ
ン系合成ゴム、天然ゴムもしくは前記ジエン系合成ゴム
と天然ゴムの1種もしくは2種以上に配合する。カーボ
ンブラックの配合比率は、ゴム成分100重量部に対し
20〜100重量部に設定する。カーボンブラックの配
合比率が20重量部を下廻ると配合ゴムに十分な耐摩耗
性が付与されず、100重量部を越えると配合物の粘度
が上昇するため混練加工性が著しく減退する。配合に際
しては、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化(老
化)防止剤、軟化剤、可塑剤等の必要成分とともに混練
し加硫処理することによって、高水準の耐摩耗性を保持
しながら、非常に優れた低燃費性を持った所望のタイヤ
トレッド用ゴム組成物を得ることができる。
【0024】また一方で、タイヤトレッド用ゴム組成物
としては、優れた耐摩耗性とグリップ特性が要求される
場合がある。その場合は、カ−ボンブラックの一般特性
を、所定範囲に制御したうえで、製造工程内での表面賦
活により含酸素官能基を除去し、除去された箇所に、グ
リップ特性を向上させることに寄与する特定の官能基が
生成することにより、優れた耐摩耗性とグリップ特性を
発現できることを、われわれは別途知見として得てい
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を実施例
とともに説明する。本発明の特性を備えるカ−ボンブラ
ックの製造方法に使用されるオイルファーネス炉の一例
としては、炉の軸方向に装着した燃料バーナーの周囲か
ら接線方向に空気を供給する空気供給口を有する燃焼室
(内径 350mm、長さ 200mm)に引き続き、半角 15
°のテーパ角を有する縮小テーパ部、円筒直管部(内径
150mm,長さ 250mm)、各々炉軸に対して直角方向
に原料が供給できる原料供給口を備えた第 1 反応室
(内径 105mm,長さ 1720mm)、第 2 反応室(内径
75mm,長さ 600mm)、拡大テーパ部(テーパ角
度:半角 3°)、および、冷却水スプレー装置を備えた
反応停止部(内径 170mm)から構成されるオイルファ
ーネス炉を用いて、第1反応室、第2反応室、拡大テーパ
部のうち任意に1箇所以上でかつ炉断面に対して原料が
均一に供給される様に、原料供給口を選択し、原料に石
炭系重質油(比重 1.05(100/4℃)、BMCI 150)を
用いるとともに、製造条件を適宜変更することにより、
本発明の特性を備えるカ−ボンブラックを得る。
【0026】
【実施例】以下、本発明をさらに理解しやすくするため
に具体的な実施例について説明する。かかる実施例は本
発明の一態様を示すものであり、本発明はこれによって
限定されるものではなく本発明の範囲で任意に変更でき
る。
【0027】実施例1〜3及び比較例1〜3 実施例におけるカ−ボンブラックは、上記のオイルファ
ーネス炉を用いて、表1に示す通り、原料油量、燃料油
量及び空気供給量、原料供給箇所等の条件を変更して製
造した。このようにして得られたカ−ボンブラックの特
性値を表3上部欄にまとめて示す。
【0028】
【表1】
【0029】製造した各実施例、比較例でのカ−ボンブ
ラックのゴム組成物としての性能評価は、表2に示すA
STM D3192に準拠して行った。即ちカ−ボンブ
ラックは天然ゴムとともに配合混練し、加硫条件145
℃、30分で加硫を行ってゴム組成物とした。
【0030】
【表2】
【0031】ゴム組成物の耐摩耗性と燃費特性の評価を
下記の条件で行い、その結果を表3下部欄にまとめて示
した。 (1)摩耗特性の評価 表3の耐摩耗性の評価は、岩本製作所社製ランボ−ン摩
耗試験機を用いてスリップ率25%、60%の2条件で
下記の通りで行った。 装置 ; 岩本製作所社製 単連ランボ−ン摩耗試験機 砥石 ; 外径305mm、粒GC、粒度80、結合度K サンプル; 外径49mm、内径23mm、幅5mm 砂 ; カ−ボランダム90メッシュ 条件 ; サンプル速度 50.8m/分(330rpm) 落砂量 15g/分
【0032】(2)燃費特性の評価 また表3の燃費特性の評価は、東洋精機社製粘弾性スペ
クトロメ−タ−を用いて60℃の損失正接(以下tan
δ(60℃)で示す)を測定した。 装置 ; 東洋精機社製 粘弾性スペクトロメ−タ− サンプル ; 長さ20mm、幅5mm、厚さ2mm 測定温度 ; 60℃ 周波数 ; 20Hz 初期ひずみ; 10% 振幅 ; 2%
【0033】ただし耐摩耗性、燃費特性の値は、汎用グ
レードN−220標準品(新日鐵化学製;ニテロン#3
00)を100としたときの対比で示した。なおタイヤ
トレッド用カーボンブラックとしては、一般にN−11
0、N−220等の汎用グレードが多く用いられてい
る。そこでここでは、汎用グレードからの改良度合いを
性能の指標とする意味で、汎用グレードN−220標準
品をリファレンス(標準値100)とした。実施例、比
較例の耐摩耗性、燃費特性の評価はN−220標準品
(ニテロン#300)の標準配合とゴム硬度を等しくし
て行った。すなわち実施例、比較例についてはカ−ボン
ブラックの配合変量を行い、N−220標準品(ニテロ
ン#300)の標準配合とゴム硬度の等しい点での耐摩
耗性、燃費特性の値を採用して比較した。耐摩耗性は値
の高いものほど摩耗が少なく耐摩耗性が優れていること
を示す。燃費特性は値の低いものほど発熱が小さく燃費
特性が優れていることを示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3に示したとおり、本発明で規定した条
件を満たす実施例1〜3はすべて、比較例1〜3よりも
高水準の耐摩耗性を保持しながら、非常に優れた低燃費
性をもつことがわかる。一方本発明で規定した条件を満
たしていない比較例1〜3の場合は、標準品より改善さ
れてはいるが、実施例ほど両特性が同時に改善されてい
ない。即ち比較例1では、カーボンブラックの特性値で
あるV(25〜30)については本発明の範囲内にあるため
高水準の耐摩耗性を保持しているが、H/Oについては
本発明の範囲外にあるため実施例1〜3よりも低燃費性
が悪化している。比較例2ではH/Oについては本発明
の範囲内にあるため良好な燃費特性を有しているが、V
(25〜30)については本発明の範囲外にあるため実施例
1〜3よりも耐摩耗性が低下している。比較例3ではV
(25〜30)、H/Oのいずれも本発明の範囲外にあるた
め実施例1〜3よりも耐摩耗性の低下と低燃費性の悪化
の両方を招いている。
【0036】
【発明の効果】本発明のカ−ボンブラック及びそれを使
用したゴム組成物を、トラック、バス及び乗用車のタイ
ヤトレッド用として用いた場合、高水準の耐摩耗性を保
持しながら、非常に優れた低燃費性をもつタイヤトレッ
ド用ゴム組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 博之 福岡県北九州市小倉北区中井4丁目10−3 (72)発明者 住本 勲 福岡県行橋市西泉7丁目17−13 (72)発明者 飯島 孝 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CTABが120〜170(m2/g)、
    圧縮DBP(24M4DBP)が110〜130(ml/100g)の
    ハ−ド系領域に属し、かつ (1)窒素吸着比表面積(N2SA);N2SA≦CTAB+40 (2)アグリゲ−ト破壊指数(Ds);Ds≦0.17 (3)比着色力(TINT);110≦TINT≦150 (4)トルエン着色透過度 ;トルエン着色透過度≧50(%) (5)V(25〜30) ;V(25〜30)≧35(ml/100g) (6)H/O ;H/O ≧0.20 の選択的特性を有するカ−ボンブラック。(但し、Ds
    は圧縮DBP吸油量(単位:ml/100g)を測定する常法
    において、圧縮回数の自然対数を横軸に、その圧縮回数
    後におけるそれぞれのDBP吸油量の自然対数を縦軸に
    とったグラフに、圧縮回数1〜6回のDBP吸油量の各
    測定値の自然対数をプロットし、単回帰により求めたそ
    の直線の傾きの絶対値を示し、V(25〜30)は水銀ポロ
    シメ−タ−により測定される直径25nm〜30nmの
    空隙の総容積を示し、H/Oは燃焼法により測定される
    カ−ボンブラック単位重量あたりの水素重量の酸素重量
    に対する割合を示す。)
  2. 【請求項2】 ゴム100重量部に対し、請求項1記載
    のカ−ボンブラックを20〜100重量部配合したこと
    を特徴とするゴム組成物。
JP19250996A 1996-07-22 1996-07-22 カーボンブラック及びゴム組成物 Pending JPH1036703A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19250996A JPH1036703A (ja) 1996-07-22 1996-07-22 カーボンブラック及びゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19250996A JPH1036703A (ja) 1996-07-22 1996-07-22 カーボンブラック及びゴム組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1036703A true JPH1036703A (ja) 1998-02-10

Family

ID=16292476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19250996A Pending JPH1036703A (ja) 1996-07-22 1996-07-22 カーボンブラック及びゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1036703A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005344063A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 重荷重用タイヤトレッドゴム組成物
CN100436549C (zh) * 2003-08-05 2008-11-26 三菱化学株式会社 炭黑
US7585913B2 (en) 2003-04-22 2009-09-08 Bridgestone Corporation Rubber composition and tire using the same
US8242199B2 (en) 2004-03-25 2012-08-14 Bridgestone Company Rubber composition for tire tread and pneumatic tire using the same
JP2014098620A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Sumitomo Rubber Ind Ltd カーボンブラックの定量方法、該定量方法によりカーボンブラックの含有量を規定したゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ
WO2020209082A1 (ja) * 2019-04-12 2020-10-15 東海カーボン株式会社 カーボンブラック、カーボンブラックの製造方法およびゴム組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7585913B2 (en) 2003-04-22 2009-09-08 Bridgestone Corporation Rubber composition and tire using the same
CN100436549C (zh) * 2003-08-05 2008-11-26 三菱化学株式会社 炭黑
US8242199B2 (en) 2004-03-25 2012-08-14 Bridgestone Company Rubber composition for tire tread and pneumatic tire using the same
JP2005344063A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 重荷重用タイヤトレッドゴム組成物
JP2014098620A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Sumitomo Rubber Ind Ltd カーボンブラックの定量方法、該定量方法によりカーボンブラックの含有量を規定したゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ
WO2020209082A1 (ja) * 2019-04-12 2020-10-15 東海カーボン株式会社 カーボンブラック、カーボンブラックの製造方法およびゴム組成物
JP2020172602A (ja) * 2019-04-12 2020-10-22 東海カーボン株式会社 カーボンブラック、カーボンブラックの製造方法およびゴム組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI824156B (zh) 輪胎面
WO2011018887A1 (ja) ハードカーボンブラック及びゴム組成物
JP2593113B2 (ja) ゴム組成物
JPH0649802B2 (ja) ゴム組成物
JP3809230B2 (ja) カーボンブラック及びゴム組成物
JP5291902B2 (ja) イオウオキソ酸の水溶液により処理されたゴム配合用改質カーボンブラックを製造する方法およびそれにより得られたゴム配合用改質カーボンブラック
JPH1036703A (ja) カーボンブラック及びゴム組成物
NL2020868A (en) Carbon black and rubber compounds incorporating same
JP3461396B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
US8278385B2 (en) Rubber composite and tire using the same
JP4112802B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JPH07292157A (ja) ゴム組成物
US5225475A (en) Rubber composition
JP3316249B2 (ja) ゴム組成物
JP2003096332A (ja) ハード系カーボンブラック
JP5467738B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP3929838B2 (ja) カーボンブラック及びそのゴム組成物
JP2729975B2 (ja) ゴム組成物
JP3316267B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2593115B2 (ja) ゴム組成物
JP2002327134A (ja) タイヤトレッドゴム用カーボンブラック
JPH07331108A (ja) ファーネスカーボンブラック
JPH0641540B2 (ja) タイヤトレッドゴム用カーボンブラック
JP2729973B2 (ja) ゴム組成物
JPH0232136A (ja) タイヤトレッドゴム用カーボンブラック

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20060131

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060509

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20060411

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060926

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02