JP2001123001A - 発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子及び発泡成形品 - Google Patents

発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子及び発泡成形品

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JP2001123001A
JP2001123001A JP30340799A JP30340799A JP2001123001A JP 2001123001 A JP2001123001 A JP 2001123001A JP 30340799 A JP30340799 A JP 30340799A JP 30340799 A JP30340799 A JP 30340799A JP 2001123001 A JP2001123001 A JP 2001123001A
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Makoto Saito
誠 斉藤
Tetsuya Kato
哲也 加藤
Shigeru Namieno
滋 波江野
Ryusuke Tanaka
龍介 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリスチレン換算重量平均分子量が15万を
越える高分子量樹脂粒子でも良好な発泡性を示し、易揮
発性発泡剤の保持性もよく、また、得られる成形品の強
度も強い発泡性樹脂粒子が提供される。 【解決手段】 メタクリル酸メチル系単量体の懸濁重合
によって得られ、易揮発性発泡剤を含む発泡性樹脂粒子
であって、ポリスチレン換算分子量から求まる多分散度
(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量,Mn:数平均分
子量)を3.0以上7.0以下とした発泡性メタクリル
酸メチル系樹脂粒子及びこれを用いて得られる発泡成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性メタクリル
酸メチル系樹脂粒子及びその発泡成形品に関する。更に
詳しくは、易揮発性発泡剤の保持性がよく、また樹脂粒
子を用いた成形品の強度も強い発泡性メタクリル酸メチ
ル系樹脂粒子及びこれを用いて得られる発泡成形品に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、容器用途としての木箱は産業のあ
らゆる分野で用いられているが、木材資源の保護の観点
や、生産コスト、重量、断熱性等の特性との兼ね合いに
よって制約を受けることから、需要が減少している。こ
の代替材料として各種のプラスチック容器が用いられて
いるが、その廃棄処分は焼却に頼っているのが現状であ
る。また、プラスチックの箱は燃焼熱量が約10,00
0cal/gと高く、焼却炉を傷める問題があった。ま
た更に、ポリスチレン系の樹脂では、自然燃焼時に黒煙
が発生し、環境上の問題があった。
【0003】この解決策として、無機物を配合、充填し
たポリプロピレン系樹脂が提案されているが、これは単
位重量あたりの燃焼熱は下げられるものの、同じ機能を
もつ成形体としては燃焼効率の低下の傾向があり、また
灰分が増加することによる環境上の問題があった。そこ
で、成形品の焼却処分に関して、黒煙、樹脂の溶融残
査、灰分等の発生がなく、しかも燃焼カロリーが低く、
木材類似の燃焼形態を示す発泡性樹脂粒子として、メタ
クリル酸メチルを主成分とする熱可塑性樹脂粒子が種々
提案されている。
【0004】メタクリル酸メチルを主成分とする熱可塑
性樹脂粒子を製造する方法として、従来よりメタクリル
酸メチル単量体とその他に発泡性の向上のため、ホモポ
リマーのガラス転移温度が低くまた共重合可能なビニル
系単量体を、有機系あるいは無機系分散剤を添加した水
性媒体中で懸濁重合する方法が採られている。また、こ
の時の分子量調整剤は、通常メタクリル酸メチル単量体
および共重合可能なビニル系単量体とともに、重合率
が、0%以上25%未満の時点で1回のみ添加されてい
る。
【0005】また、メタクリル酸メチル単量体を前記の
懸濁重合方法で単独で重合させた場合、ポリスチレン換
算分子量から求まる多分散度(Mw/Mn Mw:重量
平均分子量、Mn:数平均分子量)は2.0前後とな
り、樹脂流動性の低下が起こり、良好な発泡性を有する
樹脂粒子とするには、重量平均分子量を10万程度まで
下げる必要がある。また、こうして得られた重合体粒子
に易揮発性発泡剤を含浸せしめて、発泡性のメタクリル
酸メチルを主成分とする熱可塑性樹脂粒子とすることも
既に公知である。しかし、このようにして得られた成形
品は、非常にもろい発泡成形体となってしまう問題があ
る。
【0006】前述の懸濁重合法においては、発泡性の向
上のため、ホモポリマーのガラス転移温度が低くまた共
重合可能なビニル系単量体を共重合させているが、これ
らのビニル系単量体としては、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル等のメタアクリル酸エステルが挙げられる。
これらメタアクリル酸エステルを共重合させてできたメ
タクリル酸メチルを主成分とする熱可塑性樹脂粒子は、
発泡性が向上し、良好な成形品を得ることができるもの
もある。
【0007】しかし、前記熱可塑性樹脂粒子は、発泡性
は向上するものの易揮発性発泡剤の保持性が悪く、短時
間で発泡力が低下してしまう欠点を有している。また更
に、成形品にしたときの成形品曲げ強度が、汎用のポリ
スチレン系樹脂粒子を用いた成形品よりもかなり劣ると
いう欠点も有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題を鋭意検討した結果、ポリスチレン換算重量平均分子
量が15万を越える高分子量樹脂粒子でも良好な発泡性
を示し、易揮発性発泡剤の保持性もよく、また、前記樹
脂粒子を用いた成形品の強度も強い発泡性樹脂粒子及び
これを用いた発泡成形品を提供するものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明は、メタクリル
酸メチル系単量体の懸濁重合によって得られ、易揮発性
発泡剤を含む発泡性樹脂粒子であって、ポリスチレン換
算分子量から求まる多分散度(Mw/Mn Mw:重量
平均分子量、Mn:数平均分子量)を3.0以上7.0
以下とした発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子及びこ
れを用いて得られる発泡成形品に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】一般に懸濁重合は、分散剤を含む
水系分散媒に、重合開始剤として有機過酸化物を溶解し
たビニル系単量体を分散させて行われるが、本発明にお
いても同様に、メタクリル酸メチルを主成分とし、共重
合可能なビニル系単量体を0〜10重量%混合して懸濁
重合が行われる。本発明におけるメタクリル酸メチル系
単量体とは、メタクリル酸メチルと共重合可能なビニル
系単量体との共重合体としてもよい。共重合可能なビニ
ル系単量体としては、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸i−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等
のメタクリル酸エステル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル等が
挙げられる。本発明における3.0以上7.0以下の多
分散度は重合温度、重合開始剤の種類及び量、単量体の
組成、連鎖移動剤の添加時期及びその使用量等を選択す
ることによって得ることができる。
【0011】本発明に用いられる重合開始剤は、分解温
度(10時間半減期温度)が110℃以下である従来公
知の有機過酸化物が適用できる。かかる有機過酸化物と
しては、オクタノイルパーオキサイド(62℃)、ラウ
ロイルパーオキサイド(62℃)、ステアロイルパーオ
キサイド(62℃)、ベンゾイルパーオキサイド(74
℃)、t−ブチルパーオキシ−2エチルヘキサノエート
(72℃)、ビス(t−ブチルパーオキシ)トリメチル
シクロヘキサン(90℃)、ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン(91℃)、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート(105℃)、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート(97℃)等が挙げられる。これ
らの有機過酸化物は、単量体の総量に対して0.3〜
0.6重量%使用されるのが好ましい。これらの有機過
酸化物は、通常、高い重合率の共重合体粒子を得るた
め、2種類以上組み合わせて使用することもできる。
【0012】本発明における重合温度は、重合率から5
0〜110℃が好ましく、60〜95℃とすることがよ
り好ましい。重合時間は重合開始剤の種類及び量、単量
体の組成、重合温度、連鎖移動剤の添加時期及びその使
用量等によって決定され、通常4〜7時間とされる。
【0013】懸濁重合に際し使用される分散剤として
は、従来より分散剤として広く用いられているものを適
用することができる。これには、ポリビニルアルコー
ル、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロー
ス、カルボキシアルキルセルロース等の水溶性セルロー
ス誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロ
リドン等の水溶性高分子や、リン酸三カルシウム、リン
酸マグネシウム等の難溶性無機物質等がある。水溶性高
分子は単量体の総量に対して0.05〜1重量%添加さ
れるのが好ましく、難溶性無機物質は0.05〜0.5
重量%添加されるのが好ましい。
【0014】また分散助剤として、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ等の陰イオン系界面活性剤を添加するこ
とができる。これは、分散剤として難溶性無機物質を使
用するときに併用することが好ましい。その使用量は、
単量体の総量に対して0.001〜0.02重量%で使
用するのが好ましい。
【0015】また、懸濁重合に際し、得られる重合体の
粒子径を調整するために、食塩、硫酸ナトリウム、亜硫
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム等の電解質を水性媒体に添加す
ることができる。電解質の使用量は、単量体の総量に対
して0.001〜1重量%が好ましい。
【0016】本発明になる樹脂粒子のポリスチレン換算
重量平均分子量は、15〜50万であることが好まし
い。重量平均分子量が15万未満では発泡成形体とした
ときの強度が劣る傾向があり、また、50万を越えると
十分な高い発泡性を得ることが困難となる傾向がある。
【0017】本発明における重合率は、重合温度と有機
過酸化物の種類の選択によって概ね決まるが、95%以
上であることが好ましい。
【0018】また、本発明は、連鎖移動剤を懸濁重合工
程において少なくとも2回以上に分割して添加すること
が好ましい。
【0019】また、本発明においては、重合工程におい
て重合率が0%以上25%未満の時点で少なくとも1回
以上、重合率が25%以上65%以下の時点で少なくと
も1回以上、連鎖移動剤を添加することが好ましい。
【0020】また、本発明においては、重合工程におい
て重合率が25%以上65%以下の時点で追加する連鎖
移動剤の総量が、重合率が0%以上25%未満の時点で
添加する連鎖移動剤の量よりも重量比で5倍以上多くす
ることが好ましい。
【0021】本発明に用いる連鎖移動剤としては、t−
ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等の
硫黄化合物や、アルファメチルスチレンダイマー等が適
用できる。重合初期に添加する連鎖移動剤の量として
は、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体の総量に
対して、重合速度の制御及び分子量から好ましくは0.
01〜0.1重量%、より好ましくは、0.015〜
0.05重量%とされる。重合率が25%以上65%以
下の時点で添加する連鎖移動剤の量としては、メタクリ
ル酸メチルを主成分とする単量体の総量に対して、上記
の多分散度の範囲とするために好ましくは0.05〜
0.7重量%、より好ましくは、0.15〜0.5重量
%とされる。
【0022】本発明における樹脂粒子への発泡剤の含浸
は、一般に発泡性スチレン系樹脂粒子で用いられる処方
がそのまま適用できる。使用しうる発泡剤は、常温常圧
下に液体または気体であり、かつ上記樹脂組成物を溶解
しない易揮発性有機化合物が使用できる。このようなも
のとしては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、
イソペンタン、ノルマルペンタン等の脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水
素、メチルクロライド、エチルクロライド、トリクロロ
トリフルオロエタン、ジクロロジフルオロエタン等のハ
ロゲン化脂肪族炭化水素などが挙げられる。
【0023】これら易揮発性発泡剤の使用量は、発泡性
から重合体に対して4〜10重量%の範囲で用いること
が好ましい。また、重合体粒子への易揮発性発泡剤の含
浸は、重合途中若しくは重合完結後に行うことができ
る。ここで重合の途中とは、重合率が50%以上、好ま
しくは70%以上である。懸濁重合下での含浸は90〜
130℃で行うのが好ましい。
【0024】重合体への易揮発性発泡剤の含浸時に、可
塑剤を存在させることができる。可塑剤としては、重合
体を溶解または膨潤させることができる有機溶剤が使用
でき、その沸点が、重合体の軟化点より約10℃低い温
度以上で150℃以下のものが好ましい。
【0025】可塑剤としては、エチルベンゼン、トルエ
ン、スチレン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水
素、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等
のハロゲン化炭化水素、ジオクチルアジペート、ジオク
チルフタレート、ジブチルセバテート、ブチルステアレ
ート、エポキシ化大豆油、植物油等が挙げられる。可塑
剤は、重合体に対して0.5〜6重量%使用されるのが
好ましい。
【0026】本発明になる樹脂粒子は、発泡剤が含浸さ
れ脱水乾燥の後、種々の添加剤で被覆される。本発明の
発泡工程において、一次発泡における集塊化を防止する
ために集塊化防止剤を使用することができる。集塊化防
止剤としては、シリコーン類、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等の金属石鹸、エチレンビスアミ
ド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミドが挙げら
れる。集塊化防止剤は、発泡性樹脂粒子に対して0.0
5〜0.5重量%使用されるのが好ましい。また成形工
程において、この樹脂粒子本体の融着を向上させるため
に融着促進剤を使用することもできる。融着促進剤とし
ては、ステアリン酸トリグリセライド、オレイン酸グリ
セライド等の高級脂肪酸のトリエステル、ジエステル、
モノエステル類、蔗糖エステル類、ひまし硬化油等が挙
げられる。融着促進剤は、発泡性樹脂粒子に対して0.
005〜0.2重量%使用されるのが好ましい。
【0027】これらの添加剤の樹脂粒子への被覆は、特
に制限は無く従来公知の手段で行うことができる。例え
ば、リボブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキ
サーやレディゲミキサー等によって行うことができる。
【0028】本発明になる発泡性メタクリル酸メチル系
樹脂粒子の発泡は、水蒸気、熱風、熱水等により行われ
る。その方法は、広く工業的に行われているスチレン系
樹脂の発泡方法がそのまま適用できる。
【0029】本発明になる発泡性メタクリル酸メチル系
樹脂粒子の成型は、予備発泡粒子を密閉金型中に送り加
熱、減圧などの方法で行う、従来のスチレン系樹脂を成
型する方法で行うことができる。
【0030】本発明に係わる発泡性メタクリル酸メチル
系樹脂粒子から得られる発泡体は、良好な発泡性を示
し、易揮発性発泡剤の保持性もよく、またこれを用いた
発泡成形品は、強度も強い。
【0031】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらにより制限されるものではな
い。 [実施例1] <重合反応>攪拌機付属の16リットルのオートクレー
ブ中に、純水8000g、リン酸三カルシウム12g、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4g、硫酸
ナトリウム4.0gを入れ、200回転/分で撹拌しな
がら仕込んだ。つづいて、同様に撹拌しながら、メタク
リル酸メチル4000g、ベンゾイルパーオキサイド
(日本油脂社製:ナイパーB)26.7g、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート(日本油脂社製:
パーブチルI)2.0g、n−オクチルメルカプタン
(花王社製:チオカルコール08)1.6gを混合溶解
し仕込んだ後、窒素ガスでパージした。仕込み終了後、
60℃まで昇温した。昇温完了1時間後にリン酸三カル
シウムを0.8g追加した。ついで、60℃で1.5時
間保温し、重合率が約60%まで進んだ時点で、n−オ
クチルメルカプタン20.0gを添加し、更に1.5時
間保温した後、リン酸三カルシウムを8.0g追加し
た。引き続き90℃で3時間保温し、重合率が約90%
まで進んだ時点で、リン酸三カルシウムを6.0g追加
した後110℃に昇温した。そして更に4時間保温し、
重合反応を完結せしめた。
【0032】<発泡剤の含浸>重合完結後、110℃に
保温した状態で、発泡剤としてブタン400gを圧入
し、更に8時間保温した後、室温まで冷却してオートク
レーブから取り出した。 <後処理>取り出したスラリーを洗浄、脱水、乾燥した
後、16メッシュと30メッシュの間の粒径を有する粒
子を採取して、更に樹脂粒子に対して、ジンクステアレ
ート3.2g、ひまし硬化油2.0g、ジメチルシリコ
ーン0.80gを順次加えて表面被覆し、発泡性メタク
リル酸メチル系樹脂粒子を得た。 <発泡成形>得られた発泡性メタクリル酸メチル系樹脂
粒子を、スチームを熱媒とした、小型予備発泡機で嵩密
度が0.03g/mlになるよう予備発泡し、1日熟成
した後、発泡スチロール用成形機(ダイセン製CVS−
300)でスチーム圧0.1MPaで箱状成形品を得
た。
【0033】<評価>得られた発泡性メタクリル酸メチ
ル系樹脂粒子の分子量(ポリスチレン換算重量平均分子
量、多分散度)、発泡度、発泡剤保持性、成形品の曲げ
強度を表1に示す。なお、物性の測定は次の方法に従っ
た。 分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)にて測定した。 発泡度:発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の揮発性
成分量が8.0重量%の時、3分間沸騰水中に保持した
ときの発泡倍数(ml/g)で表した。 発泡剤保持性:発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子
を、30℃雰囲気下で7日間密閉保持したときの揮発性
成分量の低下率(%)で表した。 曲げ強度:試験方法は、JIS−K−7221に準じ
た。
【0034】[実施例2]表1のように、単量体の組成
を変更した以外は、実施例1と同様に懸濁重合及び発泡
剤の含浸を実施した。試験結果を表1に示した。
【0035】[比較例1] <重合反応>攪拌機付属の16リットルのオートクレー
ブ中に、純水8000g、リン酸三カルシウム12g、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4g、硫酸
ナトリウム4.0gを入れ、200回転/分で撹拌しな
がら仕込んだ。つづいて、同様に撹拌しながら、メタク
リル酸メチル4000g、ベンゾイルパーオキサイド
(日本油脂社製:ナイパーB)26.7g、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート(日本油脂社製:
パーブチルI)2.0g、n−オクチルメルカプタン
(花王社製:チオカルコール08)1.6gを混合溶解
し仕込んだのち、窒素ガスでパージした。仕込み終了
後、60℃まで昇温した。昇温完了2時間後にリン酸三
カルシウムを8.0g追加した。2時間保温した後、リ
ン酸三カルシウムを8.0g追加した。引き続き90℃
で3時間保温し、重合率が約90%まで進んだ時点で、
リン酸三カルシウムを6.0g追加した後110℃に昇
温した。そして更に4時間保温し、重合反応を完結せし
めた。発泡剤の含浸以降は、実施例1と同様に行った結
果、低い発泡度の発泡性粒子しか得られなかった。
【0036】[比較例2,3]表1のように、単量体の
組成を変更した以外は、比較例1と同様に懸濁重合、発
泡剤の含浸を実施した。試験結果を表1に示した。
【0037】[比較例4]表1のように、連鎖移動剤の
添加量を変更した以外は、実施例1と同様に懸濁重合、
発泡剤の含浸を実施した結果、ポリスチレン換算重量平
均分子量が低く、多分散度の低い発泡性樹脂粒子しか得
られなかった。
【0038】[比較例5]表1のように、連鎖移動剤の
添加重合率を変更した以外は、実施例1と同様に懸濁重
合、発泡剤含浸を実施した結果、ポリスチレン換算重量
平均分子量が低く、多分散度の低い発泡性樹脂粒子しか
得られなかった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明により、ポリスチレン換算重量平
均分子量が15万を越える高分子量樹脂粒子でも良好な
発泡性を示し、易揮発性発泡剤の保持性もよく、また、
得られる成形品の強度も強い発泡性樹脂粒子が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波江野 滋 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井事業所内 (72)発明者 田中 龍介 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井事業所内 Fターム(参考) 4F074 AA48 AB01 AD01 AE08 BA35 BA36 BA37 BA44 BA45 BA55 BA58 CA24 CA30 CA34 CA35 CA49 DA02 DA34 4F212 AA21 AB02 AB20 AG20 AH55 AH56 AH58 UA01 4J002 BG041 BG051 BG061 EA016 EA026 EB026 EB066 FA081 FD336

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチル系単量体の懸濁重合
    によって得られ、易揮発性発泡剤を含む発泡性樹脂粒子
    であって、ポリスチレン換算分子量から求まる多分散度
    (Mw/Mn、Mw:重量平均分子量,Mn:数平均分
    子量)を3.0以上7.0以下とした発泡性メタクリル
    酸メチル系樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 易揮発性発泡剤が脂肪族系炭化水素であ
    って、含有量が4重量%以上10重量%未満である請求
    項1記載の発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の発泡性メタク
    リル酸メチル系樹脂粒子を用いて得られる発泡成形品。
JP30340799A 1999-10-26 1999-10-26 発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子及び発泡成形品 Pending JP2001123001A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016047490A1 (ja) * 2014-09-22 2016-03-31 株式会社カネカ 発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体、及び消失模型
JP2018135408A (ja) * 2017-02-20 2018-08-30 株式会社カネカ 発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法
WO2022004692A1 (ja) * 2020-06-30 2022-01-06 株式会社カネカ 発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子、メタクリル酸メチル系樹脂発泡粒子、メタクリル酸メチル系樹脂発泡成形体および消失模型

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