JPWO2019189662A1 - 発泡性熱可塑性樹脂粒子、熱可塑性樹脂予備発泡粒子および熱可塑性樹脂発泡体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子は、熱可塑性樹脂粒子と発泡剤とを含む発泡性熱可塑性樹脂粒子であって、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、によって、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子表面が被覆されており、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、の付着量の合計量は、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子100重量部に対して、0.005重量部〜0.075重量部である。当該構成であれば、低帯電量の発泡性熱可塑性樹脂粒子を得ることができる。発泡性熱可塑性樹脂粒子が低帯電量であることは、発泡性熱可塑性樹脂粒子が帯電防止効果を有することを意図する。本発明の一実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子は、低帯電量である、すなわち帯電防止効果を有する、予備発泡粒子、および発泡体を提供できる。
本発明の一実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂としては、スチレン単独重合体、スチレン/エチレン系共重合体、スチレン/ブタジエン系共重合体、スチレン/アクリロニトリル系共重合体、スチレン/アクリル酸エステル系共重合体、アクリル酸エステル単独重合体、アクリル酸エステル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、1種のみを単独で、もしくは2種以上を混合して使用することができる。
前記発泡性熱可塑性樹脂を発泡するための発泡剤としては、公知のものが挙げられ、例えば、(i)プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタン等の脂肪族炭化水素類、(ii)ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン等のオゾン破壊係数がゼロであるハイドロフルオロカーボン類等の揮発性発泡剤、(iii)空気、窒素、炭酸ガス等の無機ガス、(iv)水等があげられる。これら発泡剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これら発泡剤のうちでも、ブタンが、発泡力が良好である点から、好ましい。
本発明の一実施形態における帯電防止剤は、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンのアルキル基の炭素数が8〜12であり分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有するN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)、および、アルキル基の炭素数が14であり分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有するN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)である。アルキル基の炭素数が8以上である場合、帯電防止剤と発泡性熱可塑性樹脂との接着力を維持でき、発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡および成形する間に発泡性熱可塑性樹脂粒子から帯電防止剤が流れにくく、発泡体の帯電防止性能が良好になる。アルキル基の炭素数が14以下である場合、特に帯電防止剤を水溶液にしたときに析出しないので、発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面等に均一に塗布できることから、帯電防止性能が良好になる。
本発明の一実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子において、添加可能な添加物として可塑剤、造核剤、難燃剤、難燃助剤、外添剤等を、本発明の効果を阻害しない範囲で使用してもよい。
本発明の一実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の帯電量としては、−1.0kV〜1.0kVであることが好ましく、−0.7kV〜0.7kVであることがより好ましく、−0.5kV〜0.5kVであることがさらに好ましい。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法は、公知の方法を適用できる。例えば、水性媒体中にて懸濁重合法により得られる粒子に発泡剤を含浸する方法、水性媒体中にて塊状重合等により製造されたペレットに発泡剤を含浸する方法、水性懸濁液中に分散した熱可塑性樹脂種粒子にスチレン系単量体等のモノマーを添加して該種粒子に含浸させながら重合せしめる懸濁シード重合法により得られる粒子に発泡剤を含浸する方法、押出機内で溶融混練された溶融樹脂を押出機先端に取り付けたダイスを通じて、循環水で満たされたカッターチャンバー内に押し出し、押し出し直後から、ダイスと接する回転カッターにより溶融樹脂を切断することで製造された樹脂に発泡剤を含浸する方法等、いずれの方法によっても得ることができる。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、公知の方法で発泡させて、熱可塑性樹脂発泡体を得ることが出来る。例えば、一旦予備発泡粒子を作製し、その後型に該予備発泡粒子を充填し成形する方法や、発泡性熱可塑性樹脂粒子を直接型に充填し発泡成型する方法等が挙げられる。発泡体の製造方法の例としては下記のような方法が挙げられる。本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子を回転攪拌式予備発泡装置で、水蒸気を用いて80〜110℃程度で加熱することにより、嵩倍率が30〜100ml/g程度の予備発泡粒を得、得られた予備発泡粒子を所望の形状の金型内に充填し、水蒸気などを用いて105〜145℃程度で加熱することにより熱可塑性樹脂発泡体とすることができる。
本発明の一実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法であって、熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を接触させて前記熱可塑性樹脂粒子に前記発泡剤を含浸する工程と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、を含む水溶液を、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面に塗布する工程と、を含み、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有する。
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法であって、
(i)熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を接触させて前記熱可塑性樹脂粒子に前記発泡剤を含浸する工程、並びに、
(ii)(ii−a)N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、を含む水溶液を、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面に塗布する工程、または、
(ii−b)N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)を含む水溶液を前記発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面に塗布する工程およびN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)を含む水溶液を前記発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面に塗布する工程、
を含み、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有する。
本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂予備発泡粒子は、本発明の一実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子を、発泡させてなる熱可塑性樹脂予備発泡粒子であることが好ましい。本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂予備発泡粒子は、例えば、〔1.発泡性熱可塑性樹脂粒子〕の項にて説明した発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させてなる熱可塑性樹脂予備発泡粒子であるか、または〔2.発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法〕の項にて説明した製造方法により製造された発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させてなる熱可塑性樹脂予備発泡粒子であることが好ましい。
熱可塑性樹脂予備発泡粒子の製造方法であって、
(i)発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡する工程、並びに、
(ii)(ii−a)N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、を含む水溶液を、前記熱可塑性樹脂予備発泡粒子の表面に塗布する工程、または、
(ii−b)N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)を含む水溶液を前記熱可塑性樹脂予備発泡粒子の表面に塗布する工程およびN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)を含む水溶液を前記熱可塑性樹脂予備発泡粒子の表面に塗布する工程、
を含み、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有する。
本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂発泡体は、本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂予備発泡粒子を、型内成形させてなる熱可塑性樹脂発泡体であることが好ましい。本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂発泡体は、例えば、〔3.熱可塑性樹脂予備発泡粒子〕の項にて説明した熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内成形させてなる熱可塑性樹脂発泡体であることが好ましい。
熱可塑性樹脂発泡体の製造方法であって、
(i)熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形する工程、並びに、
(ii)(ii−a)N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、を含む水溶液を、前記熱可塑性樹脂発泡体の表面に塗布する工程、または、
(ii−b)N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)を含む水溶液を前記熱可塑性樹脂発泡体の表面に塗布する工程およびN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)を含む水溶液を前記熱可塑性樹脂発泡体の表面に塗布する工程、
を含み、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有する。
500mlビーカーに、(i)純水100重量部、(ii)イソプロパノール3.3重量部、(iii)アルキル基の炭素数が12であり分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有するN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A[アルキル基の炭素数C=12]という場合もある)1.7重量部、(iv)アルキル基の炭素数が14であり分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有するN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B[アルキル基の炭素数C=14]という場合もある)6.1重量部を仕込んだ。続いて、仕込んだ原料をマグネチックスターラーで撹拌しながら、2種の塩を溶解させることで、帯電防止剤を含有する水溶液を得た。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をポリエチレン製の袋(OK袋No.15、大倉工業株式会社製)に入れ口を開けた状態で、23℃、湿度50%の恒温室で一晩保管した。保管後、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子300gを別のポリエチレン製の袋(OK袋No.15)に入れ、口を縛った状態で100回振った。その後、当該ポリエチレン袋の口を開け、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面の帯電量を静電気測定器(シシド静電気製、スタチロンDX)によって3回測定し、その平均値を被覆発泡性粒子(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子)の帯電量とした。当該静電気測定器による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の帯電量測定は、測定距離30mm、電荷量測定は23℃、相対湿度50%の雰囲気下で行った。本測定方法では、帯電量の数値が−1.0kV〜1.0kVを合格とした。
帯電防止剤を被覆させた後、1時間以内の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子300gをポリエチレン製の袋(OK袋No.15、大倉工業株式会社製)に入れ、口を縛った状態で100回振った。その後、当該ポリエチレン袋の口を開け、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面の帯電量を静電気測定器(シシド静電気製、スタチロンDX)によって3回測定し、その平均値を被覆発泡性粒子(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子)の帯電量とした。当該静電気測定器による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の帯電量測定は、測定距離30mm、電荷量測定は23℃、相対湿度50%の雰囲気下で行った。本測定方法では、帯電量の数値が−1.0kV〜1.0kVを合格とした。
攪拌機付き予備発泡機に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を投入し、水蒸気で加熱することにより発泡させ、見掛け倍率5〜80倍のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子という)を得た。予備発泡粒子を予備発泡機から払出すとき、破砕機を停止し、目開き1cmの網を通して、ブロッキングしていない予備発泡粒子を送粒し、予備発泡粒子を得た。網を通過しなかった予備発泡粒子をブロッキングした予備発泡粒子として回収し、重量測定した。そして、投入した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の重量に対し回収した予備発泡粒子(ブロッキングした予備発泡粒子)の重量の割合を重量部で、以下の基準にて、評価した。
○(良好):ブロッキングの割合が0.15%以下である。
×(不良):ブロッキングの割合が0.15%超である。
ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子をポリエチレン製の袋(OK袋No.15、大倉工業株式会社製)に入れ口を開けた状態で、23℃、湿度50%の恒温室で一晩保管した。保管後、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子20gを別のポリエチレン製の袋(OK袋No.15)に入れ、口を縛った状態で100回振った。その後、当該ポリエチレン袋の口を開け、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子表面の帯電量を静電気測定器(シシド静電気製、スタチロンDX)によって3回測定し、その平均値を被覆予備発泡粒子(ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子)の帯電量とした。当該静電気測定器によるポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の帯電量測定は、測定距離30mm、電荷量測定は23℃、相対湿度50%の雰囲気下で行った。本測定方法では、帯電量の数値が−1.0kV〜1.0kVを合格とした。
帯電防止剤を被覆させた後、1時間以内のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子20gをポリエチレン製の袋(OK袋No.15、大倉工業株式会社製)に入れ、口を縛った状態で100回振った。その後、当該ポリエチレン袋の口を開け、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子表面の帯電量を静電気測定器(シシド静電気製、スタチロンDX)によって3回測定し、その平均値を被覆予備発泡粒子(ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子)の帯電量とした。当該静電気測定器によるポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の帯電量測定は、測定距離30mm、電荷量測定は23℃、相対湿度50%の雰囲気下で行った)。本測定方法では、帯電量の数値が−1.0kV〜1.0kVを合格とした。
発泡体を100mm(長さ)×100mm(幅)×10mm(厚さ)の大きさのサンプルに切り出した。得られたサンプルの表面スキン層のある面(すなわち、切断していない面)について、帯電量を測定した。35℃の乾燥室でサンプルを12時間乾燥させた後、恒温恒湿槽からサンプルを取り出した後、直ちにポリエチレン製の袋(OK袋No.15、大倉工業株式会社製)を用いて発泡体(サンプル)表面全体を素早く5往復擦り、直後1秒以内の発泡体表面の表面電荷量を測定した。測定はシシド静電気製、スタチロンDXを使用した。当該静電気測定器による発泡体表面の帯電量測定は、測定距離30mm、電荷量測定は23℃、相対湿度50%の雰囲気下で行った。本測定方法では、帯電量の数値が−1.0kV〜1.0kVを合格とした。
発泡体を100mm(長さ)×100mm(幅)×10mm(厚さ)の大きさのサンプルに切り出した。得られたサンプルの表面スキン層のある面(すなわち、切断していない面)について、帯電量を測定した。帯電防止剤を被覆させた後、1時間以内の発泡体(サンプル)を直ちにポリエチレン製の袋(OK袋No.15、大倉工業株式会社製)を用いて発泡体表面全体を素早く5往復擦り、直後1秒以内の発泡体表面の表面電荷量を測定した。測定はシシド静電気製、スタチロンDXを使用した。当該静電気測定器による発泡体表面の帯電量測定は、測定距離30mm、電荷量測定は23℃、相対湿度50%の雰囲気下で行った。本測定方法では、帯電量の数値が−1.0kV〜1.0kVを合格とした。
<発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造>
撹拌機付属の6Lのオートクレーブに、純水100重量部、リン酸三カルシウム0.16重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量部および、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.25重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.15重量部を仕込んだ。続いて、250回転/分で仕込んだ原料を撹拌しながら、スチレン単量体95重量部、アクリル酸ブチル単量体5重量部をオートクレーブ内に仕込んだ後、オートクレーブ内の温度を98℃まで昇温させた。引き続き、オートクレーブ内の温度を98℃にて4時間保持して、ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用い、加圧式予備発泡機[大開工業製、CH−100]を用いて、吹き込み蒸気圧0.1MPaの条件にて嵩倍率65倍に予備発泡を実施した。その後、得られた予備発泡粒子を常温下で1日放置して、養生乾燥を行った。予備発泡粒子の製造において、上述の方法によりブロッキング量を測定し、ブロッキングを評価した。結果を表1に示す。
得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を、成形機[ダイセン製、KR−57]を用いて、厚み25mmで長さ450mm×幅300mmサイズの板形状の金型内に充填し、吹き込み蒸気圧0.03〜0.09MPaの成型条件にて型内成形を行い、箱型の発泡体を得た。得られた発泡体の帯電量を、上述の方法に則り測定した。結果を表1に示す。
N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンA(A)とN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンB(B)との帯電防止剤の合計添加部数を0.050重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
アルキル基の炭素数C=12のN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンA(A)を、アルキル基の炭素数C=8のN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンA(A)に変更し、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンA(A)とN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンB(B)の帯電防止剤の合計添加部数を0.015重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
スチレン単量体の添加部数を100重量部、アクリル酸ブチル単量体の添加部数を0重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
スチレン単量体をメタクリル酸メチル単量体に変更し、アクリル酸ブチル単量体をアクリル酸メチル単量体に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
<発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造>
撹拌機付属の6Lのオートクレーブに、純水100重量部、リン酸三カルシウム0.16重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量部および、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.25重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.15重量部を仕込んだ。続いて、250回転/分で仕込んだ原料を撹拌しながら、スチレン単量体95重量部、アクリル酸ブチル単量体5重量部をオートクレーブ内に仕込んだ後、オートクレーブ内の温度を98℃まで昇温させた。引き続き、オートクレーブ内の温度を98℃にて4時間保持して、ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用い、加圧式予備発泡機[大開工業製、CH−100]を用いて、吹き込み蒸気圧0.1MPaの条件にて嵩倍率65倍に予備発泡を実施した。その後、得られた予備発泡粒子を常温下で1日放置して、養生乾燥を行った。
撹拌機付属の6Lのオートクレーブに、純水100重量部、リン酸三カルシウム0.16重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量部および、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.25重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.15重量部を仕込んだ。続いて、250回転/分で仕込んだ原料を撹拌しながら、スチレン単量体95重量部、アクリル酸ブチル単量体5重量部をオートクレーブ内に仕込んだ後、オートクレーブ内の温度を98℃まで昇温させた。引き続き、オートクレーブ内の温度を98℃にて4時間保持して、ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用い、加圧式予備発泡機[大開工業製、CH−100]を用いて、吹き込み蒸気圧0.1MPaの条件にて嵩倍率65倍に予備発泡を実施した。その後、得られた予備発泡粒子を常温下で1日放置して、養生乾燥を行った。
得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を、成形機[ダイセン製、KR−57]を用いて、厚み25mmで長さ450mm×幅300mmサイズの板形状の金型内に充填し、吹き込み蒸気圧0.03〜0.09MPaの成型条件にて型内成形を行い、箱型の発泡体を得た。
使用する帯電防止剤をN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンB(B)[アルキル基の炭素数C=14]のみとし、粉体の状態で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面に被覆するよう、紛体の(B)と発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とを混合し、かつ帯電防止剤の添加部数を0.015重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
使用する帯電防止剤をN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンB(B)[アルキル基の炭素数C=14]のみとし、粉体の状態で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面に被覆するよう、紛体の(B)と発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とを混合し、かつ帯電防止剤の添加部数を0.050重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
使用する帯電防止剤をN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンA(A)[アルキル基の炭素数C=12]、およびN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンB(B)[アルキル基の炭素数C=14]とし、粉体の状態で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面に被覆するよう、紛体の(B)と発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とを混合し、かつ帯電防止剤の添加部数を0.100重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
使用する帯電防止剤をN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンB(B)[アルキル基の炭素数C=16]のみとし、粉体の状態で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面に被覆するよう、紛体の(B)と発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とを混合し、かつ帯電防止剤の添加部数を0.015重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
使用する帯電防止剤をN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンA(A)[アルキル基の炭素数C=12]のみとし、粉体の状態で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面に被覆するよう、紛体の(A)と発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とを混合し、かつ帯電防止剤の添加部数を0.015重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
帯電防止剤を添加しないこと以外は、実施例6と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表2に示す。
帯電防止剤を添加しないこと以外は、実施例7と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表2に示す。
使用する帯電防止剤をN−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンA(A)[アルキル基の炭素数C=12]のみとし、水溶液の状態で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面に被覆するよう、(A)の水溶液と発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とを混合した以外は、実施例3と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡体を得た。評価結果を、表1に示す。
Claims (12)
- 熱可塑性樹脂粒子と発泡剤とを含む発泡性熱可塑性樹脂粒子であって、
N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、によって、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子表面が被覆されており、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、の付着量の合計量は、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子100重量部に対して、0.005重量部〜0.075重量部であることを特徴とする、発泡性熱可塑性樹脂粒子。 - 前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、の配合割合が、(A):(B)=1:99〜50:50であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
- 請求項1または2のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を、発泡させてなることを特徴とする、熱可塑性樹脂予備発泡粒子。
- 請求項3に記載の熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内成形させてなることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体。
- 熱可塑性樹脂粒子と発泡剤とを含む発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させてなる熱可塑性樹脂予備発泡粒子であって、
N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、によって、前記熱可塑性樹脂予備発泡粒子表面が被覆されており、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有する、ことを特徴とする、熱可塑性樹脂予備発泡粒子。 - 熱可塑性樹脂粒子と発泡剤とを含む発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させて成形してなる熱可塑性樹脂発泡体であって、
N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、によって、前記熱可塑性樹脂発泡体表面が被覆されており、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有することを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体。 - 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法であって、
熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を接触させて前記熱可塑性樹脂粒子に前記発泡剤を含浸する工程と、
N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、を含む水溶液を、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面に塗布する工程と、を含み、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有することを特徴とする、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。 - 前記水溶液中の、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)および前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)の濃度が、3重量%〜25重量%であることを特徴とする、請求項7に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 熱可塑性樹脂予備発泡粒子の製造方法であって、
発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡する工程と、
N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、を含む水溶液を、前記熱可塑性樹脂予備発泡粒子の表面に塗布する工程と、を含み、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有することを特徴とする、熱可塑性樹脂予備発泡粒子の製造方法。 - 前記水溶液中の、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)および前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)の濃度が、3重量%〜25重量%であることを特徴とする、請求項9に記載の熱可塑性樹脂予備発泡粒子の製造方法。
- 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法であって、
熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形する工程と、
N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)と、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)と、を含む水溶液を、前記熱可塑性樹脂発泡体の表面に塗布する工程と、を含み、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)は、アルキル基の炭素数が8〜12であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有し、
前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)は、アルキル基の炭素数が14であり、分子中に一つのアミノ基、および二つのヒドロキシル基を有することを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。 - 前記水溶液中の、前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩A(A)および前記N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミンの塩B(B)の濃度が、3重量%〜25重量%であることを特徴とする、請求項11に記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
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