JP2001114924A - 発泡性樹脂粒子及び発泡成形品 - Google Patents
発泡性樹脂粒子及び発泡成形品Info
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Abstract
越える高分子量樹脂粒子でも良好な発泡性を示し、易揮
発性発泡剤の保持性もよく、また、得られる成形品の強
度も強い発泡性樹脂粒子が提供される。 【解決手段】 メタクリル酸メチル85〜97重量%及
びアクリロニトリル3〜15重量%の割合で懸濁重合に
よって共重合され、易揮発性発泡剤を含む発泡性樹脂粒
子であって、ポリスチレン換算分子量から求まる多分散
度(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量,Mn:数平均
分子量)を3.0以上7.0以下とした発泡性樹脂粒子
及びこれを用いて得られる発泡成形品。
Description
びその発泡成形品に関する。更に詳しくは、易揮発性発
泡剤の保持性がよく、また樹脂粒子を用いた成形品の強
度も強い発泡性樹脂粒子及びこれを用いて得られる発泡
成形品に関する。
らゆる分野で用いられているが、木材資源の保護の観点
や、生産コスト、重量、断熱性等の特性との兼ね合いに
よって制約を受けることから、需要が減少している。こ
の代替材料として各種のプラスチック容器が用いられて
いるが、その廃棄処分は焼却に頼っているのが現状であ
る。また、プラスチックの箱は燃焼熱量が約10,00
0cal/gと高く、焼却炉を傷める問題があった。ま
た更に、ポリスチレン系の樹脂では、自然燃焼時に黒煙
が発生し、環境上の問題があった。
たポリプロピレン系樹脂が提案されているが、これは単
位重量あたりの燃焼熱は下げられるものの、同じ機能を
もつ成形体としては燃焼効率の低下の傾向があり、また
灰分が増加することによる環境上の問題があった。そこ
で、成形品の焼却処分に関して、黒煙、樹脂の溶融残
査、灰分等の発生がなく、しかも燃焼カロリーが低く、
木材類似の燃焼形態を示す発泡性樹脂粒子として、メタ
クリル酸メチルを主成分とする熱可塑性樹脂粒子が種々
提案されている。
性樹脂粒子を製造する方法として、従来よりメタクリル
酸メチル単量体とその他に発泡性向上のため、ホモポリ
マーのガラス転移温度が低くまた共重合可能なビニル系
単量体を、有機系あるいは無機系分散剤を添加した水性
媒体中で懸濁重合する方法が採られている。また、この
時の分子量調整剤は、通常メタクリル酸メチル単量体お
よび共重合可能なビニル系単量体とともに、重合率が、
0%以上25%未満の時点で1回のみ添加されている。
懸濁重合方法で単独で重合させた場合、ポリスチレン換
算分子量から求まる多分散度(Mw/Mn Mw:重量
平均分子量、Mn:数平均分子量)は2.0前後とな
り、樹脂流動性の低下が起こり、良好な発泡性を有する
樹脂粒子とするには、重量平均分子量を10万程度まで
下げる必要がある。また、こうして得られた重合体粒子
に易揮発性発泡剤を含浸せしめて、発泡性のメタクリル
酸メチルを主成分とする熱可塑性樹脂粒子とすることも
既に公知である。しかし、このようにして得られた成形
品は、非常にもろい発泡成形体となってしまう問題があ
る。
上のため、ホモポリマーのガラス転移温度が低くまた共
重合可能なビニル系単量体を共重合させているが、これ
らのビニル系単量体としては、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル等のメタアクリル酸エステルが挙げられる。
これらメタアクリル酸エステルを共重合させてできたメ
タクリル酸メチルを主成分とする熱可塑性樹脂粒子は、
発泡性が向上し、良好な成形品を得ることができるもの
もある。
は向上するものの易揮発性発泡剤の保持性が悪く、短時
間で発泡力が低下してしまう欠点を有している。また更
に、成形品にしたときの成形品曲げ強度が、汎用のポリ
スチレン系樹脂粒子を用いた成形品よりもかなり劣ると
いう欠点も有している。
題を鋭意検討した結果、ポリスチレン換算重量平均分子
量が15万を越える高分子量樹脂粒子でも良好な発泡性
を示し、易揮発性発泡剤の保持性もよく、また、前記樹
脂粒子を用いた成形品の強度も強い発泡性樹脂粒子及び
これを用いた発泡成形品を提供するものである。
酸メチル85〜97重量%及びアクリロニトリル3〜1
5重量%の割合で懸濁重合によって共重合され、易揮発
性発泡剤を含む発泡性樹脂粒子であって、ポリスチレン
換算分子量から求まる多分散度(Mw/Mn Mw:重
量平均分子量、Mn:数平均分子量)を3.0以上7.
0以下とした発泡性樹脂粒子及びこれを用いて得られる
発泡成形品に関する。
水系分散媒に、重合開始剤として有機過酸化物を溶解し
たビニル系単量体を分散させて行われるが、本発明にお
いても同様に、メタクリル酸メチルを85〜97重量
%、アクリロニトリルを3〜15重量%混合して懸濁重
合が行われる。本発明におけるメタクリル酸メチルと
は、メタクリル酸メチルと共重合可能なビニル系単量体
との共重合体としてもよい。共重合可能なビニル系単量
体としては、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i
−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタク
リル酸エステル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルが挙げられ
る。本発明における3.0以上7.0以下の多分散度は
重合温度、重合開始剤の種類及び量、単量体の組成、連
鎖移動剤の添加時期及びその使用量等を選択することに
よって得ることができる。
度(10時間半減期温度)が110℃以下である従来公
知の有機過酸化物が適用できる。かかる有機過酸化物と
しては、オクタノイルパーオキサイド(62℃)、ラウ
ロイルパーオキサイド(62℃)、ステアロイルパーオ
キサイド(62℃)、ベンゾイルパーオキサイド(74
℃)、t−ブチルパーオキシ−2エチルヘキサノエート
(72℃)、ビス(t−ブチルパーオキシ)トリメチル
シクロヘキサン(90℃)、ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン(91℃)、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート(105℃)、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート(97℃)等が挙げられる。これ
らの有機過酸化物は、単量体の総量に対して0.3〜
0.6重量%使用されるのが好ましい。これらの有機過
酸化物は、通常、高い重合率の共重合体粒子を得るた
め、2種類以上組み合わせて使用することもできる。
0〜110℃が好ましく、60〜95℃とすることがよ
り好ましい。重合時間は重合開始剤の種類及び量、単量
体の組成、重合温度、連鎖移動剤の添加時期及びその使
用量等によって決定され、通常4〜7時間とされる。
は、従来より分散剤として広く用いられているものを適
用することができる。これには、ポリビニルアルコー
ル、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロー
ス、カルボキシアルキルセルロース等の水溶性セルロー
ス誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロ
リドン等の水溶性高分子や、リン酸三カルシウム、リン
酸マグネシウム等の難溶性無機物質等がある。水溶性高
分子は単量体の総量に対して0.05〜1重量%添加さ
れるのが好ましく、難溶性無機物質は0.05〜0.5
重量%添加されるのが好ましい。
ルホン酸ソーダ等の陰イオン系界面活性剤を添加するこ
とができる。これは、分散剤として難溶性無機物質を使
用するときに併用することが好ましい。その使用量は、
単量体の総量に対して0.001〜0.02重量%で使
用するのが好ましい。
粒子径を調整するために、食塩、硫酸ナトリウム、亜硫
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム等の電解質を水性媒体に添加す
ることができる。電解質の使用量は、単量体の総量に対
して0.001〜1重量%が好ましい。
重量平均分子量は、15〜50万であることが好まし
い。重量平均分子量が15万未満では発泡成形体とした
ときの強度が劣る傾向があり、また、50万を越えると
十分な高い発泡性を得ることが困難となる傾向がある。
過酸化物の種類の選択によって概ね決まるが、95%以
上であることが好ましい。
程において少なくとも2回以上に分割して添加すること
が好ましい。
て重合率が0%以上25%未満の時点で少なくとも1回
以上、重合率が25%以上65%以下の時点で少なくと
も1回以上、連鎖移動剤を添加することが好ましい。
て重合率が25%以上65%以下の時点で追加する連鎖
移動剤の総量が、重合率が0%以上25%未満の時点で
添加する連鎖移動剤の量よりも重量比で5倍以上多くす
ることが好ましい。
ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等の
硫黄化合物や、アルファメチルスチレンダイマー等が適
用できる。重合初期に添加する連鎖移動剤の量として
は、単量体の総量に対して、好ましくは0.01〜0.
1重量%、さらに好ましくは、0.015〜0.05重
量%とされる。重合率が25%以上65%以下の時点で
添加する連鎖移動剤の量としては、単量体の総量に対し
て、好ましくは0.05〜0.7重量%、より好ましく
は、0.15〜0.5重量%とされる。
は、一般に発泡性スチレン系樹脂粒子で用いられる処方
がそのまま適用できる。使用しうる発泡剤は、常温常圧
下に液体または気体であり、かつ上記樹脂組成物を溶解
しない易揮発性有機化合物が使用できる。このようなも
のとしては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、
イソペンタン、ノルマルペンタン等の脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水
素、メチルクロライド、エチルクロライド、トリクロロ
トリフルオロエタン、ジクロロジフルオロエタン等のハ
ロゲン化脂肪族炭化水素などが挙げられる。
から重合体に対して4〜10重量%の範囲で用いること
が好ましい。また、重合体粒子への易揮発性発泡剤の含
浸は、重合途中若しくは重合完結後に行うことができ
る。ここで重合の途中とは、重合率が50%以上、好ま
しくは70%以上である。懸濁重合下での含浸は90〜
130℃で行うのが好ましい。
塑剤を存在させることができる。可塑剤としては、重合
体を溶解または膨潤させることができる有機溶剤が使用
でき、その沸点が、重合体の軟化点より約10℃低い温
度以上で150℃以下のものが好ましい。
ン、スチレン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水
素、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等
のハロゲン化炭化水素、ジオクチルアジペート、ジオク
チルフタレート、ジブチルセバテート、ブチルステアレ
ート、エポキシ化大豆油、植物油等が挙げられる。可塑
剤は、重合体に対して0.5〜6重量%使用されるのが
好ましい。
れ脱水乾燥の後、種々の添加剤で被覆される。本発明の
発泡工程において、一次発泡における集塊化を防止する
ために集塊化防止剤を使用することができる。集塊化防
止剤としては、シリコーン類、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等の金属石鹸、エチレンビスアミ
ド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミドが挙げら
れる。集塊化防止剤は、発泡性樹脂粒子に対して0.0
5〜0.5重量%使用されるのが好ましい。また成形工
程において、この樹脂粒子本体の融着を向上させるため
に融着促進剤を使用することもできる。融着促進剤とし
ては、ステアリン酸トリグリセライド、オレイン酸グリ
セライド等の高級脂肪酸のトリエステル、ジエステル、
モノエステル類、蔗糖エステル類、ひまし硬化油等が挙
げられる。融着促進剤は、発泡性樹脂粒子に対して0.
005〜0.2重量%使用されるのが好ましい。
に制限は無く従来公知の手段で行うことができる。例え
ば、リボブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキ
サーやレディゲミキサー等によって行うことができる。
蒸気、熱風、熱水等により行われる。その方法は、広く
工業的に行われているスチレン系樹脂の発泡方法がその
まま適用できる。
備発泡粒子を密閉金型中に送り加熱、減圧などの方法で
行う、従来のスチレン系樹脂を成型する方法で行うこと
ができる。
る発泡体は、良好な発泡性を示し、易揮発性発泡剤の保
持性もよく、またこれを用いた発泡成形品は、強度も強
い。
するが、本発明はこれらにより制限されるものではな
い。 [実施例1] <重合反応>攪拌機付属の16リットルのオートクレー
ブ中に、純水8000g、リン酸三カルシウム8.0
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.12
g、亜硫酸水素ナトリウム0.40gを200回転/分
で撹拌しながら仕込んだ。続いて、同様に撹拌しなが
ら、メタクリル酸メチル3800g、アクリロニトリル
200g、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製:
ナイパーB)26.7g、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート(日本油脂社製:パーブチルI)
2.0g、n−オクチルメルカプタン(花王社製:チオ
カルコール08)1.6gを混合溶解して入れた後、窒
素ガスでパージし、60℃まで昇温した。昇温完了2.
5時間後にリン酸三カルシウムを4.0g追加した。つ
いで、60℃で1.3時間保温し、重合率が約50%ま
で進んだ時点でn−オクチルメルカプタン16.0gを
添加し、更に2時間保温した後、リン酸三カルシウム
4.0g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.20gを追加した。引き続き90℃で5時間保温
し、重合反応を完結せしめた。
ルシウムを6.0g追加してから110℃に昇温した。
110℃に保温した状態で、発泡剤としてブタン280
gを圧入し、更に8時間保温した後、室温まで冷却して
オートクレーブから取り出した。 <後処理>取り出したスラリーを洗浄、脱水、乾燥した
後、18メッシュと36メッシュの間の粒径を有する粒
子を採取して、樹脂粒子3630gを得た。得られた樹
脂粒子に対して、ジメチルシリコーン0.73g、ステ
アリン酸亜鉛5.45g、ひまし硬化油2.36gを順
次加えて混合し表面被覆し、発泡性樹脂粒子を得た。 <発泡成形>得られた発泡性樹脂粒子を、スチームを熱
媒とした、小型予備発泡機で嵩密度が0.03g/ml
になるよう予備発泡し、1日熟成した後、発泡スチロー
ル用成形機(ダイセン製CVS−300)でスチーム圧
0.07MPaで箱状成形品を得た。
(ポリスチレン換算重量平均分子量、多分散度)、発泡
度、成形品の曲げ強度及び外観を表1に示す。なお、物
性の測定は次の方法に従った。 分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)で測定した。 発泡度:発泡性樹脂粒子の揮発性成分量が8.0重量%
の時、3分間沸騰水中に保持したときの発泡倍数(ml
/g)で表した。 成形品曲げ強度:試験方法は、JIS−K−7221に
準じた。 成形品外観:目視による。
組成を変更した以外は、実施例1と同様に懸濁重合及び
発泡剤の含浸を実施した。試験結果を表1に示した。
ブ中に、純水8000g、リン酸三カルシウム8.0
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.12
g、亜硫酸水素ナトリウム0.40gを200回転/分
で撹拌しながら入れた。続いて、同様に撹拌しながら、
メタクリル酸メチル3800g、アクリロニトリル20
0g、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製:ナイ
パーB)26.7g、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート(日本油脂社製:パーブチルI)2.0
g、n−オクチルメルカプタン(花王社製:チオカルコ
ール08)4.0gを混合溶解して入れた後、窒素ガス
でパージし、60℃まで昇温した。昇温完了2時間後に
リン酸三カルシウムを4.0g追加した。更に2.5時
間保温した後、リン酸三カルシウム4.0g及びドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.20gを追加し
た。引き続き90℃で5時間保温し、重合反応を完結せ
しめた。発泡剤の含浸以降は、実施例1と同様に行った
結果、発泡度の低い発泡粒子しか得られなかった。
均分子量が15万を越える高分子量樹脂粒子でも良好な
発泡性を示し、易揮発性発泡剤の保持性もよく、また、
得られる成形品の強度も強い発泡性樹脂粒子が提供され
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 メタクリル酸メチル85〜97重量%及
びアクリロニトリル3〜15重量%の割合で懸濁重合に
よって共重合され、易揮発性発泡剤を含む発泡性樹脂粒
子であって、ポリスチレン換算分子量から求まる多分散
度(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量,Mn:数平均
分子量)を3.0以上7.0以下とした発泡性樹脂粒
子。 - 【請求項2】 易揮発性発泡剤が脂肪族系炭化水素であ
って、含有量が4重量%以上10重量%未満である請求
項1記載の発泡性樹脂粒子。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の発泡性樹脂粒
子を用いて得られる発泡成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29765499A JP4424634B2 (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | 発泡性樹脂粒子及び発泡成形品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006089705A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-04-06 | Sekisui Chem Co Ltd | アクリル系樹脂発泡シート及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-10-20 JP JP29765499A patent/JP4424634B2/ja not_active Expired - Fee Related
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