JP2001114904A - アンチブロッキング剤マスターバッチ - Google Patents
アンチブロッキング剤マスターバッチInfo
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Abstract
優れるポリオレフィン系樹脂フィルム用アンチブロッキ
ング剤マスターバッチ及びそのマスターバッチからなる
ポリオレフィン系樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】アンチブロッキング剤マスターバッチであ
って、ポリオレフィン系樹脂100重量部と揮発成分を
0.10〜20重量%含む高分子微粒子アンチブロッキ
ング剤2〜100重量部を含有してなることを特徴とす
る。
Description
グ剤マスターバッチに関する。さらに詳細には、ポリオ
レフィン系樹脂へのアンチブロッキング剤である高分子
微粒子の分散が良好で、フィルムにした場合、透明性、
透視感や白斑点(ボイドともいう)発生がないこと等の
外観および耐ブロッキング性等の取扱い性のバランスに
優れるオレフィン系樹脂フィルム用アンチブロッキング
剤マスターバッチに関する。
フィン系樹脂フィルムは透明性や機械的特性等の物性が
優れるために、食品包装用材料や繊維包装用材料等に使
用される。しかし、ポリオレフィン系樹脂フィルムは耐
ブロッキング性が不充分であり、フィルムを重ね合わせ
ると互いに密着し、包装時の作業性が低下する。
キング性を向上させるため、ポリオレフィン系樹脂にア
ンチブロッキング剤として微粉状もしくは微粒子状の無
機物質を用いたポリオレフィン系樹脂組成物が報告され
ている。例えば、特公昭48−14423号公報には珪
酸マグネシウムを主成分とする微粒子を、特公昭52−
16134号公報にはゼオライト粉末を用いたポリオレ
フィン系樹脂組成物及びその組成物からなるフィルムが
報告されている。
成物はアンチブロッキング剤である微粉状もしくは微粒
子状の無機物質とポリオレフィン系樹脂の親和性が不十
分であるため、その組成物を用いてフィルムを成形する
と無機物質を核としてボイドが発生し、フィルムの透明
性が悪化するという問題を有している。また、無機物質
が硬いため、フィルム同士を擦りあわせた時に傷が発生
する、即ち、フィルムの耐傷つき性も悪いという問題を
有している。
質に替えて、アンチブロッキング剤として高分子微粒子
を用いたポリオレフィン系樹脂組成物が報告されてい
る。例えば、特開昭57−64522号公報には粒径3
〜40μmの架橋構造を有し、かつ融点を有しない高分
子微粉体を、特開平5−214120号公報には平均粒
径が0.5〜7μmである不活性有機高分子架橋粒子
を、また、特開平6−107868号公報には平均粒径
0.4〜7μmのアクリル系単量体とスチレン系単量体
とを主成分として共重合している重合体の架橋粒子を用
いたポリオレフィン系樹脂組成物及びその組成物からな
るフィルムが報告されている。しかし、これらの高分子
微粒子には、その微粒子とポリプロピレン系樹脂との界
面の親和性が不十分であるため、フィルムにボイドが発
生し透明性を悪化させるという問題点がある。
必要量のアンチブロッキング剤をポリオレフィン系樹脂
に予め添加した原料樹脂を用いる方法が用いられる。し
かし、この方法ではフィルムの種類に応じて多数の原料
樹脂を用意する必要があり、また、アンチブロッキング
剤が低濃度であるため原料樹脂が大容量になり、フィル
ムの生産効率が低下する。
アンチブロッキング剤が高濃度である原料樹脂、即ちマ
スターバッチを予め用意しておき、そのマスターバッチ
をポリオレフィン系樹脂で希釈してフィルムを製造し、
適宜アンチブロッキング剤の濃度を調整する方法が用い
られるようになってきた。
子微粒子はポリオレフィン系樹脂に分散し難いものであ
り、マスターバッチはアンチブロッキング剤である高分
子微粒子の凝集物を含むものであった。マスターバッチ
をポリオレフィン系樹脂で希釈してフィルムを製造する
際に、凝集物が分散せず、その凝集物に起因する白斑点
が発生し、フィルムの外観が悪化し、また、フィルムへ
の印刷時にインク飛びが発生する等の問題があった。
は、ポリオレフィン系樹脂へのアンチブロッキング剤で
ある高分子微粒子の分散が良好で、フィルムにした場
合、透明性、透視感や白斑点発生がないこと等の外観お
よび耐ブロッキング性等の取扱い性のバランスに優れる
ポリオレフィン系樹脂フィルム用アンチブロッキング剤
マスターバッチ及びそのマスターバッチからなるポリオ
レフィン系樹脂フィルムを提供することにある。
に鑑み、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂及び
アンチブロッキング剤である特定量の揮発成分を含有す
る高分子微粒子からなるアンチブロッキング剤マスター
バッチを用いることにより、上記課題を解決できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
(成分A)100重量部と揮発成分を0.10〜20重
量%含む高分子微粒子アンチブロッキング剤(成分B)
2〜100重量部を含有してなるアンチブロッキング剤
マスターバッチに係るものである。また、本発明は、上
記アンチブロッキング剤マスターバッチからなるフィル
ムに係るものである。
する。本発明で使用するポリオレフィン系樹脂(成分
A)とは、オレフィン系単量体の単独重合体または共重
合体もしくはこれらの混合物であり、オレフィン系単量
体とはエチレン及びα−オレフィンであり、α−オレフ
ィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等が挙
げられる。
レン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂とは、プ
ロピレン単量体の単独重合体または共重合体もしくはこ
れらの混合物であり、例えば、プロピレン単独重合体、
プロピレンと他のオレフィンとの共重合体もしくはこれ
らの混合物が挙げられる。プロピレンと他のオレフィン
との共重合体としては、例えばプロピレン−エチレン共
重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン
−エチレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。
ロピレン単独重合体及び/又は結晶性プロピレン共重合
体を含むポリプロピレン系樹脂が好ましい。結晶性と
は、結晶性プロピレン単独重合体または結晶性プロピレ
ン共重合体に含まれる冷キシレン(20℃キシレン)可
溶部(CXS)の量により決めることができる。冷キシ
レン可溶部(CXS)が多いとアモルファス部分が多
く、結晶性が低いことを示し、冷キシレン可溶部(CX
S)が少ないとアモルファス部分が少なく、結晶性が高
いことを示す。冷キシレン可溶部(CXS)は30重量
%以下が好ましく、より好ましくは20重量%以下であ
り、特に好ましくは15重量%以下である。
は、結晶性プロピレン単独重合体、及び、エチレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オ
クテン−1の中から選ばれた少なくとも1種類以上の単
量体の含有量が2重量%以下である結晶性プロピレン共
重合体である。
メルトフローメート(MFR)は、0.1〜20g/1
0分のものが加工性及びフィルム物性の点で好ましく、
0.5〜10g/10分のものがより好ましい。
樹脂には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲にお
いて、必要に応じてポリエチレン、ポリブテン−1、ス
チレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム等のポリオレ
フィン系重合体を添加しても良い。
ッキング剤(成分B)は、特に限定はないが、芳香族モ
ノビニル化合物、アクリル酸エステル化合物、メタアク
リル酸エステル化合物、モノまたはジカルボン酸および
ジカルボン酸無水物、シアン化ビニル化合物、アクリル
アミド化合物、イオン性モノマー等の単量体を少なくと
も1種類以上、付加重合させたものが挙げられる。
てはスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ、アク
リル酸エステル化合物としてはメチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、メタアク
リル酸エステル化合物としてはメチルメタアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタアクリレート等が挙げら
れ、モノまたはジカルボン酸およびジカルボン酸無水物
としてはアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸等が挙げられ、シアン化ビニル化合物とし
てはアクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げ
られ、アクリルアミド化合物としてはアクリルアミド、
メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−メチロールメタアクリルアミド等が挙げられ、イオ
ン性モノマーとしてはアクリル酸ナトリウム、メタアク
リル酸ナトリウム、スチレンスルフォン酸ナトリウム等
が挙げられる。好ましくは、スチレン、メチルアクリレ
ート、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレートであ
る。
懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法、分散重合
法、乳化重合法、ソープフリー重合法、シード重合法等
を用いることができる。なかでも乳化重合法、分散重合
法、ソープフリー重合法、シード重合法がフィルム物性
の点で好ましい。
量体を重合する際に少なくとも1種類以上の架橋剤を併
用して重合した架橋された高分子微粒子であっても良
い。高分子微粒子の重合の際に用いる事のできる架橋剤
としては、分子中に重合性二重結合を含む官能基を2個
以上有するものが挙げられる。このような架橋剤の具体
例としては、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タアクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアク
リレート等が挙げられる。このような架橋された高分子
微粒子は、ポリオレフィン系樹脂フィルム成形時におけ
る混練、シート形成、延伸の各工程において、その形状
をある程度保持する点において好ましい。
一般的に平均粒子径が0.5〜15μmのものが使用で
きる。好ましくは0.8〜10μm、さらに好ましくは
1.0〜8.0μmである。
る揮発成分は、特に限定はなく、例えば、通常、溶媒と
して用いられるものを挙げることができる。具体的には
水、アルコール類、飽和炭化水素類、芳香族炭化水素
類、ケトン類、アルデヒド類、有機酸エステル類及びエ
ーテル類、またはこれらの混合物が挙げられる。アルコ
ール類としてはメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベン
ジルアルコール、エチレングリコール等が挙げられ、飽
和炭化水素類としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン等が挙げられ、芳香族炭化水素類としてはベン
ゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、ケトン類とし
てはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等が挙げられ、アルデヒド類としてはアセトアル
デヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が
挙げられ、有機酸エステル類としては酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸オクチル、酪酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、安息香酸メチル、安息香酸エチル等が挙げられ、エ
ーテル類としてはイソプロピルエーテル、ブチルエーテ
ル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール
等が挙げられる。好ましくは水、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キ
シレンであり、特に好ましくは水である。
揮発成分の量は0.10〜20重量%である。好ましく
は0.10〜15重量%であり、特に好ましくは0.1
0〜10重量%である。揮発成分の量が0.10重量%
未満である場合、高分子微粒子の分散が不充分なことが
あり、20重量%を超えた場合、高分子微粒子とポリオ
レフィン系樹脂の混合物を溶融押出しする際に、混合物
が押出機スクリューへ食い込みにくくなったり、押出さ
れた樹脂が発泡したりするため、溶融押出しができなく
なることがある。
揮発成分の濃度の調整方法としては、特に限定はなく、
例えば下記のような方法が挙げられる。 高分子微粒子を重合する際に用いる溶媒または洗浄液
もしくはその溶媒を揮発成分として、高分子微粒子中に
所定の濃度で残存させる方法。 高分子微粒子を重合する際に用いる溶媒または洗浄液
もしくはその溶媒を揮発成分として、高分子微粒子中に
高濃度で残存させ、揮発成分を乾燥、除去して所定の濃
度に調整する方法。揮発成分を乾燥、除去する方法とし
ては、例えばスプレードライヤー、ナウタードライヤ
ー、オーブン乾燥器等を用いる方法が挙げられる。 高分子微粒子を重合する際に用いる溶媒または洗浄液
もしくはその溶媒を揮発成分として、高分子微粒子中に
高濃度で残存させ、ポリオレフィン系樹脂粉と混合し、
揮発成分を乾燥、除去して所定の濃度に調整する方法。
混合および揮発成分の乾燥、除去する方法としては、例
えばヘンシェミキサー、タンブラーミキサー、ナウター
ドライヤー等を用いる方法が挙げられる。 高分子微粒子を重合する際に用いる溶媒または洗浄液
もしくはその溶媒をろ過、乾燥等により完全に除去した
後、別途、揮発成分を高分子微粒子に添加して所定の濃
度に調整する方法。
揮発成分の役割、ポリオレフィン系樹脂への分散に関す
る作用機構は明らかではないが、揮発成分は高分子微粒
子同士の隙間又は高分子微粒子内部に存在し、ポリオレ
フィン系樹脂と混合、溶融混練される際に加熱され、揮
発成分が揮発、蒸発し、高分子微粒子間に隙間ができ、
高分子微粒子同士がほぐれ凝集することなく、ポリオレ
フィン系樹脂へ分散すると考えられる。
ッチにおいて、ポリオレフィン系樹脂(成分A)と揮発
成分を0.10〜20重量%含む高分子微粒子(成分
B)の配合割合は、ポリオレフィン系樹脂(成分A)1
00重量部に対して、揮発成分を0.10〜20重量%
含む高分子微粒子(成分B)を2〜100重量部であ
り、好ましくは2〜80重量部、特に好ましくは2〜5
0重量部である。
子微粒子の配合量が2重量部未満である場合、マスター
バッチとしての生産効率が不充分なことがあり、100
重量部を超えた場合、ポリオレフィン系樹脂への高分子
微粒子の分散が不充分なことがある。
ッチの配合方法としては、ポリオレフィン系樹脂と揮発
成分を0.10〜20重量%含む高分子微粒子が均一に
混合される方法であれば良く、例えば、リボンブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等を用い
て混合する方法等が挙げられる。
ッチには、本発明の目的と効果を損なわない範囲におい
て、公知の添加剤、例えば酸化防止剤、中和剤、滑剤、
無滴剤、帯電防止剤、造核剤等を併用しても良い。これ
らの添加剤の配合は、アンチブロッキング剤マスターバ
ッチの各成分を配合、混合する時に適宜配合することが
できる。
ッチは、各成分の配合後、または各成分と添加剤の配合
後、公知の方法、例えば押出機を用いてペレット化する
こともできる。この場合、押出機の設定温度は通常18
0〜280℃であり、好ましくは200〜250℃であ
る。
ッチは、フィルムの製造に好適に用いられる。フィルム
の製造方法としては、アンチブロッキング剤マスターバ
ッチをポリオレフィン系樹脂で希釈し、フィルムを製造
する方法が用いられる。希釈後のフィルムの製造方法
は、特に限定はなく、公知の方法が用いられる。例え
ば、アンチブロッキング剤マスターバッチをポリオレフ
ィン系樹脂で希釈したものを溶融混練し、Tダイ製膜
法、チューブラー製膜法等の溶融押出し成形法が挙げら
れる。好ましくは、アンチブロッキング剤マスターバッ
チをポリオレフィン系樹脂で希釈したものを溶融混練
し、シート状に押出した後、冷却ロールで冷却し、次い
で加熱しながら少なくとも一軸方向に延伸してフィルム
にするテンター製膜法である。
ッチを使用して得られるフィルムに含まれるアンチブロ
ッキング剤である高分子微粒子の濃度は、0.01〜2
重量%であり、好ましくは0.03〜1重量%、特に好
ましくは0.05〜0.8重量%である。高分子微粒子
の含有量が0.01重量%未満である場合、フィルムの
耐ブロッキング性が不充分なことがあり、また、2重量
%を越えた場合、フィルムの透明性が悪化することがあ
る。
ーバッチを使用して得られるフィルムの厚みとしては、
特に限定はなく、通常1〜200μmであり、好ましく
は5〜100μmであり、更に好ましくは8〜50μm
である。
明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例
によって特に限定を受けるものではない。なお、本発明
の詳細な説明および実施例中の各項目の測定値は、下記
の方法で測定した。
定(単位:重量%) 試料70gをIUCHI社製 LACOM DRY O
VENを用いて、110℃で1時間乾燥し、乾燥後デシ
ケーター内で室温まで放冷し、0.01gのオーダーま
で測定可能な電子天秤を用い、下式より求めた。 揮発成分量(重量%)={(乾燥前重量−乾燥後重量)/
乾燥前重量}×100なお、本発明で使用したポリオレ
フィン系樹脂はMFRが2.3g/10分であり、CX
Sが3.0重量%であるプロピレンポリマー粉であり、
このプロピレンポリマー粉に含まれる揮発成分量は0重
量%であった。
°の散乱透過光を受光)により測定した。LSI値を透
視感の尺度とした。 (3)耐ブロッキング性(単位:MPaまたはkg/1
2cm2):120mm×30mmのフィルムを用い
て、フィルム同士を重ね合わせ、500g/40mm×
30mmの荷重下で60℃、3時間状態調整を行なっ
た。その後、23℃、湿度50%雰囲気下に30分以上
放置し、状態調整を行なった後、せん断引張試験機を用
いて200mm/分の速度で引張り試験を行い、フィル
ムの剥離に要する強度を測定した。一つの試料につき、
4回測定を行い、その平均値を算出して、フィルムの耐
ブロッキング性の値とした。
2) 目視でフィルムの任意の5cm×5cmの領域にある約
0.2〜1mmの大きさの白斑点の個数を求めた。この
操作を2回繰り返して平均値を求めた。
ール380重量部、イオン交換水20重量部、スチレン
34重量部、2−エチルヘキシルアクリレート60重量
部、55%ジビニルベンゼン11重量部、ヒドロキシプ
ロピルセルロース2.5重量部、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート2重量部を仕込み、均一に
溶解後、容器を密閉し、90℃にて10時間重合した。
次いで、メタノール200重量部、スチレン48重量
部、55%ジビニルベンゼン4重量部、2,2’−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1重量部の混
合溶液を60℃にて20分間かけて添加後、さらに60
℃で4時間重合し、高分子微粒子の有機溶媒スラリーを
得た。この有機溶媒スラリーより一部サンプリングして
微粒子の粒径を測定したところ平均粒径1.2μmであ
った。
き込み、蒸発してくるメタノール・水混合物をコンデン
サーで回収した。重合液温度が99℃に到達したところ
でスチームの吹き込みを終了し、高分子微粒子の水スラ
リーを得た。さらに定性ろ紙No.1を用いて得られた
水スラリーを吸引ろ過し、揮発成分量48重量%の高分
子微粒子のウェットケーキを得た。
の調整 メルトインデックス2.3g/10分なるプロピレンポ
リマー粉150重量部に対して、前記(a)で得られた
揮発成分量48重量%の高分子微粒子181重量部をナ
ウタードライヤーに投入し、スチームによりジャケット
温度105℃に調整し、内部を4000Pa(約30T
orr)まで減圧して均一に攪拌しながら乾燥を開始し
た。内部の試料の温度が40℃になった時点で乾燥を終
了した。得られた高分子微粒子に含まれる揮発成分量は
0.38重量%であった。
ポリマー粉100重量部に対して、成分Bである揮発成
分を0.38重量%含む高分子微粒子25重量部と、中
和剤としてステアリン酸カルシウム0.1重量部、酸化
防止剤としてBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール)0.2重量部、およびIrganox
1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.
2重量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機を
用いて220℃で造粒し、ペレット化して高分子微粒子
が20重量%のアンチブロッキング剤マスターバッチを
得た。表1にマスターバッチにおけるポリオレフィン系
樹脂(成分A)と高分子微粒子(成分B)の配合量を示
した。
レードFS2011D)99重量部に対して、上記
(c)で作製したアンチブロッキング剤マスターバッチ
のペレット1重量部を加えてペレットブレンダーで混合
した後、樹脂温度260℃で溶融押出を行い、60℃の
冷却ロールで急冷させ、厚さ0.8mmのシートを得
た。このシートを予熱後、縦延伸機のロール周速差によ
り延伸温度145℃で縦方向に5倍延伸し、さらにテン
ター式延伸機にて延伸温度157℃で横方向に8倍延伸
した。続いて、165℃で熱処理を行い、厚さ20μm
のフィルムとした後、片面コロナ処理を施した。フィル
ム物性を表2に示した。
て、実施例1と同様にして加圧スチームを吹き込み、蒸
発してくるメタノール・水混合物をコンデンサーで回収
した。重合液温度が99℃に到達したところでスチーム
の吹き込みを終了し、高分子微粒子の水スラリーを得
た。さらに定性ろ紙No.1を用いて得られた水スラリ
ーを吸引ろ過し、揮発成分量44重量%の高分子微粒子
のウェットケーキを得た。
の調整 メルトインデックス2.3g/10分なるプロピレンポ
リマー粉200重量部に対して、前記(a)で得られた
揮発成分量44重量%の高分子微粒子375重量部をナ
ウタードライヤーに投入した以外は、実施例1と同様に
乾燥を行なった。得られた高分子微粒子に含まれる揮発
成分量は1.3重量%であった。
ポリマー粉100重量部に対して、成分Bである揮発成
分を1.3重量%含む高分子微粒子26重量部とした以
外は、実施例1と同様にして高分子微粒子が20重量%
であるアンチブロッキング剤マスターバッチを得た。表
1にマスターバッチにおけるポリオレフィン系樹脂(成
分A)と高分子微粒子(成分B)の配合量を示した。
性を表2に示した。
て、実施例1と同様にして加圧スチームを吹き込み、蒸
発してくるメタノール・水混合物をコンデンサーで回収
した。重合液温度が99℃に到達したところでスチーム
の吹き込みを終了し、高分子微粒子の水スラリーを得
た。さらに定性ろ紙No.1を用いて得られた水スラリ
ーを吸引ろ過し、揮発成分量44重量%の高分子微粒子
のウェットケーキを得た。
の調整 メルトインデックス2.3g/10分なるプロピレンポ
リマー粉200重量部に対して、前記(a)で得られた
揮発成分量44重量%の高分子微粒子346重量部をナ
ウタードライヤーに投入した以外は、実施例1と同様に
乾燥を行なった。得られた高分子微粒子に含まれる揮発
成分量は5.1重量%であった。
ポリマー粉100重量部に対して、成分Bである揮発成
分を5.1重量%含む高分子微粒子26重量部とした以
外は、実施例1と同様にして高分子微粒子が20重量%
であるアンチブロッキング剤マスターバッチを得た。表
1にマスターバッチにおけるポリオレフィン系樹脂(成
分A)と高分子微粒子(成分B)の配合量を示した。
性を表2に示した。
て、実施例1と同様にして加圧スチームを吹き込み、蒸
発してくるメタノール・水混合物をコンデンサーで回収
した。重合液温度が99℃に到達したところでスチーム
の吹き込みを終了し、高分子微粒子の水スラリーを得
た。さらに定性ろ紙No.1を用いて得られた水スラリ
ーを吸引ろ過し、揮発成分量48重量%の高分子微粒子
のウェットケーキを得た。
の調整 メルトインデックス2.3g/10分なるプロピレンポ
リマー粉100重量部に対して、前記(a)で得られた
揮発成分量48重量%の高分子微粒子194重量部をナ
ウタードライヤーに投入し、スチームによりジャケット
温度134℃に調整し、内部を667Pa(約5Tor
r)まで減圧して均一に攪拌しながら乾燥した。内部の
試料の温度が120℃になった時点で乾燥を終了した。
得られた高分子微粒子に含まれる揮発成分量は0.05
重量%であった。
ポリマー粉100重量部に対して、成分Bである揮発成
分を0.05重量%含む高分子微粒子25重量部とした
以外は、実施例1と同様にして高分子微粒子が20重量
%であるアンチブロッキング剤マスターバッチを得た。
表1にマスターバッチにおけるポリオレフィン系樹脂
(成分A)と高分子微粒子(成分B)の配合量を示し
た。
性を表2に示した。
3は白斑点発生が少なく、外観が優れたフィルムを与え
たのに対して、本発明の要件である高分子微粒子に含ま
れる揮発成分量を満足しなかった比較例1は白斑点発生
が多く、外観が好ましくないフィルムを与えた。また、
実施例1〜3は、透明性(Haze)、透視感(LS
I)及び耐ブロッキング性においても問題はなかった。
ターバッチは、ポリオレフィン系樹脂へのアンチブロッ
キング剤である高分子微粒子の分散が良好であり、ま
た、そのアンチブロッキング剤マスターバッチからなる
フィルムは物性が優れるため食品包装用、繊維包装用
等、広範囲な用途のフィルムに好適に使用できる。
(成分A)と高分子微粒子(成分B)の配合量
Claims (4)
- 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂100重量部と揮発
成分を0.10〜20重量%含む高分子微粒子アンチブ
ロッキング剤2〜100重量部を含有してなることを特
徴とするアンチブロッキング剤マスターバッチ。 - 【請求項2】高分子微粒子アンチブロッキング剤に含ま
れる揮発成分が0.10〜15重量%であり、その平均
粒子径が0.5〜15μmであることを特徴とする請求
項1記載のアンチブロッキング剤マスターバッチ。 - 【請求項3】ポリオレフィン系樹脂と請求項1又は2記
載のアンチブロッキング剤マスターバッチからなり、高
分子微粒子アンチブロッキング剤の濃度が0.01〜2
重量%であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂フ
ィルム。 - 【請求項4】請求項1又は2記載のアンチブロッキング
剤マスターバッチを高分子微粒子アンチブロッキング剤
の濃度が0.01〜2重量%になるようにポリオレフィ
ン系樹脂で希釈することを特徴とするポリオレフィン系
樹脂フィルムの製造方法。
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