JPH10296930A - 積層ポリオレフィンフィルム - Google Patents

積層ポリオレフィンフィルム

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JPH10296930A
JPH10296930A JP10475897A JP10475897A JPH10296930A JP H10296930 A JPH10296930 A JP H10296930A JP 10475897 A JP10475897 A JP 10475897A JP 10475897 A JP10475897 A JP 10475897A JP H10296930 A JPH10296930 A JP H10296930A
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JP
Japan
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polyolefin
film
particles
laminated
composition
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JP10475897A
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English (en)
Inventor
Yukio Mizutani
幸雄 水谷
Kuniya Nago
訓也 名郷
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、滑り性に優れ、かつフィルムを積層し
た場合にブロッキングしにくいポリオレフィンフィルム
を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン基材層の少なくとも片面
に、平均粒子径が0.01〜0.1μmの微細ポリシロ
キサン粒子や微細ビニル重合体粒子等の微細粒子が実質
的に凝集粒を形成することなく分散され、延伸されてな
るポリオレフィン組成物層が積層されてなる積層ポリオ
レフィンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、滑り性に
優れ、かつフィルムどうしを重ね合わせた場合にブロッ
キングしにくい積層ポリオレフィンフィルムを提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、実用されるポリオレフィンフィ
ルム中には、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤などの添加
剤が含まれている。そのためにポリオレフィンフィルム
は、重ね合わされた状態で、比較的高温下に置かれると
か、長時間放置されると、各種添加物のフィルム表面へ
の拡散により、ブロッキングなどの障害を惹起したり、
スリット、印刷、製袋等の二次加工適性が低下する。
【0003】このような問題を解決するために、フィル
ム表面を適当に粗にすることが求められ、微小なシリ
カ、ゼオライト、粒状の熱硬化性樹脂粉末等を適量添加
する方法が取られてきた(特公昭52−16134号公
報、特開昭62−39219号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
微粉体はいずれも凝集しやすく、表面改質に必要な量を
を添加すると分散不良を起こし、フィルムの透明性や外
観が不良となる。
【0005】本発明の目的は、透明性、滑り性に優れ、
かつフィルムどうしを積層させた場合にブロッキングし
にくいポリオレフィンフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のポリオ
レフィン組成物層を積層した積層ポリオレフィンフィル
ムが満足できる性能を有することを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、ポリオレフィン基材層
の少なくとも片面に、平均粒子径が0.01〜0.1μ
mの微細粒子が実質的に凝集粒を形成することなく分散
され、延伸されてなるポリオレフィン組成物層が積層さ
れてなる積層ポリオレフィンフィルムである。
【0008】本発明者らは、すでに溶融ポリオレフィン
中で平均粒子径が0.01〜0.1μmの微細粒子を合
成し、得られた微細粒子が実質的に凝集粒を形成するこ
となく一様に分散したポリオレフィン組成物が得られる
こと、さらにフィルム状に成型した後2軸延伸すること
により、延伸比に応じて表面に粗面を有するフィルム、
さらには微多孔性フィルムが得られることを明らかに
し、微多孔性ポリオレフィンフィルム及びその製造方法
(特願平9−47952号)として提案している。
【0009】本発明は、上述の微多孔性フィルムの技術
を、さらに一般のフィルムに展開することにより、既述
のブロッキング防止効果を有し、かつ透明性の良いポリ
オレフィンフィルムの製造を可能とした。
【0010】本発明において、ポリオレフィン組成物の
マトリックス成分として使用されるポリオレフィンは、
公知のものが特に制限なく使用される。例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1又はポリメチ
ルペンテン等のα−オレフィンの単独重合体、α−オレ
フィンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体及びそ
れらの混合物等を挙げることができる。中でも、得られ
る微多孔フィルムの耐熱性と成形性を勘案すると、プロ
ピレンの単独重合体、プロピレンと他の共重合可能なモ
ノマーとの共重合体及びそれらの混合物が好適である。
【0011】上記のα−オレフィンと他の共重合可能な
モノマーとの共重合体は、一般にα−オレフィン、特に
プロピレンを90重量%以上含み、他の共重合可能なモ
ノマーを10重量%以下含む共重合体が好適である。ま
た、上記共重合可能なモノマーも特に限定されず、公知
のものを使用出来るが、一般には、炭素原子数2〜8の
α−オレフィン、特にエチレン、及びブテンが好適であ
る。
【0012】このうち、ポリプロピレンの単独重合体、
プロピレンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体及
びそれらの混合物を用いた場合、得られる積層ポリオレ
フィンフィルムの耐ブロッキング性や透明性が特に良好
になり好ましい。
【0013】本発明において、上記ポリオレフィンをマ
トリックス成分とするポリオレフィン組成物には、平均
粒子径が0.01〜0.1μm、好適には0.01〜
0.8μm、さらに好適には0.01〜0.5μmの微
細粒子が分散している。この分散は、実質的に凝集粒を
形成することのない状態であり、その結果、本発明のフ
ィルムでは、透明性や外観の不良が生じない。ここで、
本発明では、微細粒子の2個以上が凝集している粒子の
割合が5%以下、好適には1%以下であれば、実質的に
凝集粒が形成されていないものとして許容される。
【0014】微細粒子の種類は特に限定されないが、ポ
リオレフィンへの分散性が良く、しかも延伸時にポリオ
レフィンとの接触界面で剥離し、ポリオレフィン相が微
多孔化し易いものが好ましい。このような微細粒子とし
て、本発明では、後述するような微細ポリシロキサン粒
子や微細ビニル重合体粒子を好適に使用することができ
る。
【0015】上記微細粒子の製造方法は特に限定されな
いが、溶融状態のポリオレフィン中でアルコキシシラン
を加水分解したり、あるいは、溶融状態のポリオレフィ
ン中で架橋剤の存在下にビニルモノマーを重合する方法
が、良好な物性の積層ポリオレフィンフィルムを得るた
めには好ましい。
【0016】また、本発明で用いる微細粒子の含有量
は、ポリオレフィン組成物中に1〜20重量%、好適に
は1〜15重量%、さらに好適には3〜10%重量%が
好ましい。この含有量において特に、耐ブロッキング性
と透明性に優れるフィルムが得られる。ここで、ポリオ
レフィン組成物中の微細粒子の量は、例えば微細ポリシ
ロキサン粒子であれば、ポリオレフィン組成物を磁性ル
ツボに入れ、600℃の電気炉で1時間灰化することに
より測定される灰分や蛍光X線分析の結果をもとに求め
ることができ、また、微細ビニル重合体粒子であればポ
リオレフィン組成物の赤外線吸収スペクトル等から求め
ることができる。
【0017】次に、前記した微細ポリシロキサン粒子が
分散されたポリオレフィン組成物の製造方法について詳
述する。好適には、ポリオレフィンの溶融物中でアルコ
キシシランと水とを混合させる方法が良好である。ここ
で、アルコキシシランは、下記一般式 RxSi(OR’)y (但し、R及びR’はアルキル基であり、xは0〜3の
整数であり、yは1〜4の整数であり、xとyの合計は
4である)で示される化合物である。上記アルキル基と
しては、メチル、エチル、プロピルブチル等の炭素数1
〜4のもの、好適にはメチル、エチルの炭素数1〜2の
ものが好ましい。また、このアルキル基は、アミノ基な
どの置換基を有していても良い。好ましく使用されるア
ルコキシシランを具体的に例示すれば、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシ
シラン類、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメト
キシシランなどのアルキル基を1個有するトリアルコキ
シシラン類、ジエトキシシランなどのアルキル基を2個
有するジアルコキシシラン類、トリメチルメトキシシラ
ンなどのアルキル基を3個有するモノアルコキシシラン
類などがあり、さらにアルキル基に官能基を有する化合
物も併用できる。また、これらを目的に応じてそれぞれ
単独にもしくは適当に混合したもの等が挙げられる。
【0018】このアルコキシシランを含有するポリオレ
フィンの溶融物に水を混合すると、該アルコキシシラン
は加水分解して−Si−O−結合の骨格を生成し、ポリ
オレフィンの溶融物中で相分離をおこし粒子が生じる。
溶融状態にあるポリオレフィン相中でのアルコキシシラ
ンの拡散速度は非常に小さい。従って、加水分解の反応
点に集まるアルコキシシランは限定され、その結果、生
成するポリシロキサン粒子の粒径は極めて微小なものに
なると同時に、凝集粒の生成もほぼ完全に抑止できる。
よって、この反応物を冷却、乾燥して得られたポリオレ
フィン組成物には平均粒子径が0.01〜0.1μmの
微細ポリシロキサン粒子が分散しており、これをシート
状に成形し延伸すると、微多孔化したポリオレフィンフ
ィルムが良好に得られる。
【0019】上記の製造方法において、ポリオレフィン
とアルコキシシランとの溶融混合はニーダーまたは押出
機を用いるのが好ましい。特に、供給した樹脂がスクリ
ューで溶融混練されながら押出れる過程において、途中
の二カ所で添加物をサイドフィード可能な押出機を用い
るのが好ましい。即ち、かかる押出機を用いポリオレフ
ィンを溶融するに際し、まず、上流のサイドフィード箇
所よりアルコキシシランを混合し、次いで、両者が良く
混合した後、下流のサイドフィード箇所より水を混合し
て、さらに良く混合させる方法により行うのが良好であ
る。また、サイドフィード箇所が1カ所の押出機を用い
て、先に、ポリオレフィンとアルコキシシランとの溶融
混合を行い、得られた組成物を再度、該押出機に供給
し、このものと水との混合を実施する方法により実施し
ても良い。ここで、溶融混合の温度は通常、160〜2
00℃が好ましい。
【0020】なお、かかる押出機を用いる方法では、通
常、一回の押出操作でポリオレフィンに均質に混合する
ことができるアルコキシシランの量があまり多くできな
い場合がある。こうした所望される微多孔化に必要な微
細ポリシロキサン粒子の含有量に一回の押出操作では至
らない場合には、押出物を再度、原料として押出機に供
給し、アルコキシシラン及び水を溶融混合する操作を繰
り返せばよい。
【0021】上記製造方法における加水分解反応をより
円滑に行うには、反応を塩基性化合物の存在下に行うの
が好ましい。その際、塩基性化合物は、加水分解反応に
対して触媒活性を有するものが何ら制限なく使用でき
る。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第4
級アンモニウム塩基類、トリメチルアミンなどの脂肪族
のアミン類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウムなどの1族、2族のカルボン酸塩及びそれら
の混合物等が挙げられ、特にステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウムなどの1族、2族のカルボ
ン酸塩を用いるのが好ましい。この塩基性化合物の配合
量は、ポリオレフィン100重量部に対して、0.01
〜100重量部、好ましくは0.05〜5重量部が適当
である。
【0022】一方、水の配合量は、加水分解反応効率を
勘案すれば、ポリオレフィン100重量部に対して、1
〜10重量部、好ましくは2〜5重量部が適当である。
【0023】以上の加水分解反応の後、冷却されたポリ
オレフィン組成物は乾燥するのが一般的である。乾燥
は、通常の乾燥器を用い100〜120℃で1〜24時
間行えばよい。
【0024】一方、微細ビニル重合体粒子が分散された
ポリオレフィン組成物は、以下に詳述する方法により得
るのが好ましい。好適には、ポリオレフィンの溶融物中
でビニルモノマー、架橋剤及びラジカル重合開始剤を混
合させる方法が挙げられる。それにより、上記ビニルモ
ノマー及び架橋剤が架橋を形成しながら重合し微細ビニ
ル重合体粒子が合成される。その際、ビニルモノマーと
架橋剤はポリオレフィンの溶融物と相溶するが、生成す
る粒子はポリオレフィンと相溶せずに相分離を生じる。
しかも架橋剤の使用が相分離を促進する。さらに、非常
に粘性であるポリオレフィンの溶融物中でのビニルモノ
マーと架橋剤の拡散速度は非常に小さく、ラジカル重合
開始剤に由来するポリマーラジカルの成長は制約され、
ポリマーラジカル自身が架橋ポリマー中にトラップされ
ることも考えられる。その結果、生成した微細ビニル重
合体粒子は、平均粒子径が0.01〜0.1μmの微小
なものとなり、実質的に凝集粒を形成することなくポリ
オレフィン組成物中に良好に分散する。なお、上記微細
ビニル重合体粒子は、ポリマー中でモノマーおよび架橋
剤をラジカル重合させたものである以上、グラフト重合
が生じていることが考えられるが、詳細は不明である。
【0025】本発明においてビニルモノマーは、ビニル
基を有する公知のものが特に制限なく使用できる。例え
ば、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノマー、
アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のア
クリル系モノマー、N−フェニルマレイミド、N−アル
キルマレイミド等のマレイミド系モノマー、無水マレイ
ン酸などが単独、もしくは混合物として使用できる。上
記モノマーのアルキル基としては、炭素数1〜5のもの
が好ましい。
【0026】架橋剤としては、公知のものが制限なく使
用できる。ジビニルベンゼンがもっとも一般的である
が、1,1´スチリルエタン、トリビニルベンゼン、エ
チレングリコールジメタアクリレートなどのエチレン性
不飽和基を2個以上有するものが好適に使用できる。使
用するポリオレフィンやビニルモノマーとの組み合わせ
は、その相溶性および溶融混練に必要な温度に対する耐
熱性を考慮して、実験的に確認の上、選択すればよい。
なお、これら架橋剤に、前記ビニルモノマーの役割も兼
ねさせて用いても良い。
【0027】ラジカル重合開始剤としては、通常のラジ
カル重合開始剤が使用できるが、重合温度すなわちポリ
マーの溶融混練温度を考慮して選択すればよい。例え
ば、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルオキサイド、
ジ−t−ブチルオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0028】上記方法において、ビニルモノマーの配合
量は、ポリオレフィン100重量部に対し1〜10重量
部とするのが好ましい。
【0029】ビニルモノマーと架橋剤の配合量は、特に
制限されるものではないが、ポリオレフィン100重量
部に対し0.03〜2重量部、さらに好ましくは0.0
3〜1.5重量部が好適である。
【0030】また、ラジカル重合開始剤の混合量は、ポ
リオレフィン100重量部に対し0.01〜0.5重量
部、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部が好適で
ある。
【0031】上記ポリオレフィンとビニルモノマー、架
橋剤、ラジカル重合開始剤との溶融混練は、ニーダーま
たは押出機を用いるのが好ましい。特に、供給したポリ
マーがスクリューで溶融混練されながら押出される過程
の温度は、通常、160〜250℃が好ましい。
【0032】本発明において、以上のような方法で得ら
れた平均粒子径が0.01〜0.1μmの微細粒子が実
質的に凝集粒を形成することなく分散したポリオレフィ
ン組成物は、ポリオレフィン基材層の少なくとも片面
に、延伸された状態で表面相として積層されている。そ
の際、上記延伸により、該表面層では、分散される微細
粒子とポリオレフィンからなるマトリックス相との接触
界面で良好に剥離が生じ、該層は微多孔化する。そし
て、このように微多孔化した層の表面は、微細にフィブ
リル化した粗面を形成しているため、該層を表面層とし
て有する本発明の積層ポリオレフィンフイルムは、フィ
ルム同士を重ねてもブロッキングし難い。
【0033】本発明において、ポリオレフィン基材層を
形成するポリオレフィンは、前記したポリオレフィン組
成物で使用できるポリオレフィンと同様なものが良好に
使用できる。好適には、前記したポリオレフィンの中で
も機械的性能に優れたポリプロピレン、プロピレン−エ
チレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ブタジエン共重合体およびこれらを主成分と
するブレンド物が好ましい。なお、これらのポリオレフ
ィンからなるポリオレフィン基材層は、種類の異なるポ
リオレフィンからなる層が積層された2層以上の多層構
造であっても良い。さらに、これらのポリオレフィン基
材層には、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤等が配合さ
れていても良い。
【0034】これらのポリオレフィンからなるポリオレ
フィン基材層の厚みは、特に制限されるものではない
が、通常、5〜500μm、好ましくは10〜100μ
mが好適である。また、前記したポリオレフィン組成物
からなる表面層の厚みは、通常、1〜20μm,好まし
くは1〜10μmが好適である。
【0035】上記ポリオレフィン基材層とポリオレフィ
ン組成物を用いて、本発明の積層ポリオレフィンフィル
ムを製造する方法は、特に制限されるものではないが、
通常、それぞれの層を構成する樹脂原料を二層もしくは
三層に溶融同時押出しし、次いで延伸する方法や、あら
かじめ作成された該ポリオレフィン組成物からなるポリ
オレィンフィルムをポリオレフィン基材層に熱融着さ
せ、次いで延伸する方法等が採用される。延伸後、必要
に応じてフィルム表面にコロナ放電処理等を施しても良
い。
【0036】延伸は、ロール延伸法による一軸延伸、ま
たは一軸延伸後、引続きテンター延伸機、マンドレル延
伸機などにより横方向に二軸延伸するか、あるいは同時
に縦および横方向に延伸する方法が採用される。本発明
におけるフィルムの延伸倍率は特に限定されるものでは
ないが、少なくとも一軸方向に一般に1.5〜7倍、特
に面積延伸倍率が1.5〜30倍となるように縦および
横方向に延伸することが好ましい。かかる条件の時に、
特に、耐ブロッキング性が大きく、また、延伸時のフィ
ルム切断等のトラブルの少ないものとなり好ましい。
【0037】延伸温度は、一般に常温以上ポリオレフィ
ンの融点以下、特に融点より10〜100℃低い温度が
好ましい。延伸温度がポリオレフィンの融点より10℃
低い温度以上では、延伸は容易にできるが微多孔化が十
分でなかったり、あるいは生成した表面のフィブリル状
粗面が熱で潰れたりし、本発明の効果が十分でなくなる
傾向がある。逆に、ポリオレフィンの融点より100℃
以上低い延伸温度では前記した延伸倍率が達成できず、
切断する頻度が増す傾向がある。
【0038】延伸によってポリオレフィン相は微細粒子
との接触界面で剥離、もしくは開裂を起こして微多孔化
する。そして、分散する微細粒子の粒径が小さく、凝集
粒も形成されていないために、フィルムの透明性を失う
こともない。
【0039】
【発明の効果】以上の説明の如く本発明の積層ポリオレ
フィンフィルムは、表面層が微多孔化しているため、フ
ィルムどうしの密着を防ぎ、滑り性を改善することがで
きる。また、表面層に分散される微細粒子の平均粒子径
が0.01〜0.1μmと非常に小さく、且つ凝集粒も
実質的に形成されていないため、フィルムの透明性が極
めて優れている。
【0040】従って、このような性状を有する本発明の
積層ポリオレフィンフィルムは、自動包装機による包装
に適し、その場合、透明性が優れているため、包装品の
商品価値を高めることができる。よって、食品、繊維、
雑貨、タバコ、カセットテープ等の各種の包装材料とし
て好適に使用することができる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明を具体的に説明するために実
施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0042】以下の実施例及び比較例におけるフィルム
物性の測定は下記の方法により行った。
【0043】なお、滑り性およびブロッキング性の測定
における、2枚のフィルムの重ね合わせの組み合せは、
表面層と表面層とが接触する組合せ、表面層と基材層と
が接触する組合せ、基材層と基材層とが接触する組合せ
があり、本発明では、これらを順に(表面/表面)、
(表面/基材)、(基材/基材)として表記した。
【0044】(1)微細粒子の平均粒子径の測定方法 日本電子(株)製高分解能走査型電子顕微鏡を用いて撮
影した積層ポリオレフィンフィルムの表面の写真5×5
μmの視野に見られる全粒子の直径を計り、平均粒子径
を求めた。
【0045】(2)透明性 JIS−K−6714に準じ、フィルムのヘイズ値を測
定した。
【0046】(3)滑り性 フィルム製造後、40℃で3日間養生後にASTM−D
−1894に準じて動摩擦係数を測定した。
【0047】(4)ブロッキング性 2枚のフィルム(12×12cm)を重ね合わせ、10
kgの荷重をかけて温度40℃湿度90%RHの雰囲気
に24時間放置後、4×4cmにサンプルを切り出し、
引張り試験機(速度:100mm/min)で剪断剥離
強度を測定した。
【0048】実施例1,2 メルトインデックス1.5g/10分のポリプロピレン
(融点159℃)5kgにステアリン酸マグネシウム7
5gを添加・混合し、テトラエトキシシランを190℃
で溶融混練し、さらに190℃で水を圧入して加水分解
を行った。得られたポリプロピレン組成物を磁性ルツボ
に入れ、600℃の電気炉で1時間灰化したところ、灰
分は3.4%であった。上記ポリプロピレン組成物を表
面層用の樹脂組成物として用いた。
【0049】一方、メルトインデックス1.5g/10
分のポリプロピレン(融点159℃)に、帯電防止剤と
してグリセリルモノステアレートとN−ヒドロキシエチ
ル−N′−(2−ステアリルエチル)オクタデシルアミ
ンを各々0.5重量%、エルカ酸アミド0.03重量
%、ステアリン酸カルシウム0.04重量%を加えて溶
融混練し、基材層用の樹脂組成物を得た。
【0050】上記表面層用の樹脂組成物と基材層用の樹
脂組成物とを、共押出用T−ダイより両層がほぼ等しい
厚さになるように調整しながら押出し、テンター法二軸
延伸機により表1に示す延伸倍率で延伸し、厚さ20μ
mの延伸フィルムを得た。表面層を電子顕微鏡で観察し
たところ、微細ポリシロキサン粒子は一様に分散してお
り凝集粒子は認められなかった。
【0051】なお、表面には常法に従い30W・min
/m2のコロナ放電処理をした。
【0052】このフィルムについて、透明性、滑り性お
よび耐フアロッキング性を測定し、結果を表1に示し
た。
【0053】比較例1,2 実施例1の基材層用の樹脂組成物を用いて、表1に示す
延伸倍率でテンター法二軸延伸機により延伸し、厚さ2
0μmの延伸フィルムを得た。
【0054】なお、表面には常法に従い30W・min
/m2のコロナ放電処理をした。
【0055】このフィルムについて、透明性、滑り性お
よび耐フアロッキング性を測定し、結果を表1に示し
た。
【0056】実施例3 実施例1のテトラエトキシシランの代わりにジエチルジ
エトキシシランを、また、ステアリン酸マグネシウムの
代わりにステアリン酸カルシウムを用いた以外は実施例
1と同様な操作をおこない表面層用のポリプロピレン組
成物を得た。なお、該組成物の灰分を測定したところ
5.4%であった。さらに、実施例1と同様にして延伸
フィルムを得た。表面層を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、微細ポリシロキサン粒子は一様に分散しており凝集
粒子は認められなかった。
【0057】なお、表面には常法に従い30W・min
/m2のコロナ放電処理をした。
【0058】このフィルムについて、透明性、滑り性お
よび耐ブロッキング性を測定し、結果を表1に示した。
【0059】実施例4 ポリプロピレン(MFI,1.2)10kg、スチレン
モノマー400g、ジビニルベンゼン架橋剤33g、ラ
ジカル重合開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロヘキサン6.6gをスーパーミキサーで
撹拌混合し、2軸押出機を用いて230℃で重合すると
同時に造粒ペレット化した。得られた乾燥ペレット中の
微細ビニル重合体超微粒子は、該組成物の赤外線吸収ス
ペクトルから求められ、3.0%であった。この樹脂組
成物を表面層用の樹脂組成物として用いた。
【0060】一方、比較例1で用いた樹脂組成物と同様
のものを基材層用の樹脂組成物として用いた。
【0061】上記基材層及び表面層用樹脂組成物を用
い、実施例1と同様にして厚さ20μmの延伸フィルム
を得た。表面層を電子顕微鏡で観察したところ、微細ビ
ニル重合体粒子は一様に分散しており凝集粒子は認めら
れなかった。
【0062】なお、表面には常法に従い30W・min
/m2のコロナ放電処理をした。
【0063】このフィルムについて、透明性、滑り性及
び耐ブロッキング性を測定し、結果を表1に示した。
【0064】実施例5 ポリプロピレン(MFI,1.2)10kg、グリシジ
ルメタアクリレート460g、ジビニルベンゼン架橋剤
40g、ラジカル重合開始剤として1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン11.5gをスーパ
ーミキサーで撹拌混合し、2軸押出機を用いて230℃
で重合すると同時に造粒ペレット化した。得られた乾燥
ペレット中の微細ビニル重合体超微粒子は、該組成物の
赤外線吸収スペクトルから求められ、5.0%であっ
た。この樹脂組成物を表面層用の樹脂組成物として用い
た。
【0065】一方、比較例1で用いた樹脂組成物と同様
のものを基材層用の樹脂組成物として用いた。
【0066】上記基材層及び表面層用樹脂組成物を用
い、実施例1と同様にして厚さ20μmの延伸フィルム
を得た。表面層を電子顕微鏡で観察したところ、微細ビ
ニル重合体粒子は一様に分散しており凝集粒子は認めら
れなかった。
【0067】なお、表面には常法に従い30W・min
/m2のコロナ放電処理をした。
【0068】このフィルムについて、透明性、滑り性及
び耐ブロッキング性を測定し、結果を表1に示した。
【0069】比較例3 ポリプロピレン(MFI,1.2)10kg、平均粒子
径0.08μmの炭酸カルシウム500g、可塑分散剤
として末端水酸化ポリブタジエン25gをスーパーミキ
サーで撹拌混合し、2軸押出機を用いて230℃でペレ
ット化した。このペレットを表面層用の樹脂組成物とし
て用いた。
【0070】一方、比較例1で用いた樹脂組成物と同様
のものを基材層用の樹脂組成物として用い、実施例1と
同様の操作を行って、厚さ20μmの延伸フィルムを得
た。表面層を電子顕微鏡で観察したところ、凝集粒子が
多数認められた。
【0071】なお、表面には常法に従い30W・min
/m2のコロナ放電処理をした。
【0072】このフィルムについて、透明性、滑り性及
び耐ブロッキング性を測定し、結果を表1に示した。
【0073】比較例4 ポリプロピレン(MFI,1.2)に、平均粒子径0.
3μmの球状メラミン樹脂を1重量%加え、スーパーミ
キサーで撹拌混合し、2軸押出機を用いて230℃でペ
レット化した。このペレットを表面層用の樹脂組成物と
して用いた。
【0074】一方、比較例1で用いた樹脂組成物と同様
のものを基材層用の樹脂組成物として用い、実施例1と
同様の操作を行って、厚さ20μmの延伸フィルムを得
た。表面層を電子顕微鏡で観察したところ、約10%程
度の粒子が凝集粒子を形成していた。
【0075】なお、表面には常法に従い30W・min
/m2のコロナ放電処理をした。
【0076】このフィルムについて、透明性、滑り性及
び耐ブロッキング性を測定し、結果を表1に示した。
【0077】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン基材層の少なくとも片面
    に、平均粒子径が0.01〜0.1μmの微細粒子が実
    質的に凝集粒を形成することなく分散され、延伸されて
    なるポリオレフィン組成物層が積層されてなる積層ポリ
    オレフィンフィルム。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン組成物が、ポリオレフィン
    の溶融物中でアルコキシシランと水とを混合させること
    により、平均粒子径が0.01〜0.1μmの微細ポリ
    シロキサン粒子を合成させて得たポリオレフィン組成物
    である請求項1記載の積層ポリオレフィンフィルム。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン組成物が、ポリオレフィン
    の溶融物中でビニルモノマー、架橋剤及びラジカル重合
    開始剤を混合させることにより、平均粒子径が0.01
    〜0.1μmの微細ビニル重合体粒子を合成させて得た
    ポリオレフィン組成物である請求項1記載の積層ポリオ
    レフィンフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102321216A (zh) * 2011-08-05 2012-01-18 中山市点石塑胶有限公司 一种甲基丙烯酸缩水甘油酯与聚丙烯的共聚物及其制备方法
WO2012046753A1 (ja) * 2010-10-06 2012-04-12 三菱樹脂株式会社 ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム

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