JP2001112823A - 介護用走行リフト及び外部レール - Google Patents

介護用走行リフト及び外部レール

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JP2001112823A
JP2001112823A JP2000239599A JP2000239599A JP2001112823A JP 2001112823 A JP2001112823 A JP 2001112823A JP 2000239599 A JP2000239599 A JP 2000239599A JP 2000239599 A JP2000239599 A JP 2000239599A JP 2001112823 A JP2001112823 A JP 2001112823A
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Japan
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rail
nursing care
lift
hoisting device
power supply
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JP2000239599A
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English (en)
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Hoshifumi Takayanagi
星文 高柳
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DOUUMANZU KK
Original Assignee
DOUUMANZU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建物の大がかりな改修などを必要とすることな
く、介護の労力を大幅に軽減できる介護用走行リフトを
提供する。 【解決手段】車輪5,6,11,12の付いた垂直フレ
ーム1,2と、垂直フレーム1,2の上部に取り付けら
れたレール41と、レール41に沿って移動自在となっ
ており、被介護人Pを昇降させるための巻き上げ装置5
0とが設けられ、巻き上げ装置50は、レール41が延
長レール42を介して外部のレール44に接続されたと
き、外部のレール44へと移動可能となっているので、
例えばベッドBから被介護人Pを巻き上げ装置50によ
り持ち上げて、かかる介護用リフトに載せたまま、浴室
や洗面所に搬送することができ、それにより建物に設置
するレールを最小原意でき、導入費用を抑えながら介護
の労力を大幅に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、介護の労力を大幅
に軽減できる介護用走行リフト及びこれを用いたシステ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】自らの力で身体を起こすことが困難な高
齢者や身体障害者(以下、高齢者等とする)などの介護
において、高齢者等の身体を、どのような手段でベッド
から浴室や洗面所へと搬送するかが大きな問題となって
いる。例えば、車椅子を用いて高齢者等の身体を運搬し
ようとする場合、3〜4人の介護人によって、高齢者等
を持ち上げて車椅子に移動させなくてはならず、介護人
は過酷な労働を強いられるという問題がある。
【0003】このような問題に対し、高齢者等が寝てい
るベッドの天井から、浴室又は洗面所へとレールを這わ
せ、かかるレールに沿って移動自在な電動巻き上げ装置
により、高齢者等の身体をつり上げて搬送するという搬
送システムが開発されている。
【0004】かかる搬送システムによれば、介護人が一
人であっても、電動巻き上げ装置によって、大きな力を
必要とすることなく高齢者等の身体をベッドから持ち上
げることができ、そのまま浴室又は洗面所へと搬送でき
るため、介護の労力を相当に軽減できると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た搬送システムによれば、まず成人の体重を支持できる
程度に十分に強度を確保した上で、レールを天井に取り
付けなくてはならないから、建物によっては天井の補強
が必要となる。又、建物内には鴨居の部分があるが、レ
ールとの干渉を避けるために、鴨居の一部を切り取るな
どの処置も必要となる。従って、搬送システムの設置に
当たっては、大がかりな建物の改修工事が必要となり、
設置のための費用も膨大なものとなってしまう。
【0006】更に、かかる搬送システムによれば、単一
のレールを複数の巻き上げ装置が共有することになるた
め、ある利用者の利用が完了するまで、他の利用者は利
用できないということも起こりうる。
【0007】かかる問題に鑑み、本発明は、建物の大が
かりな改修などを必要とすることなく、介護の労力を大
幅に軽減できる介護用走行リフトを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明の介護用走行リフトは、車輪の付いたフレー
ムと、前記フレームの上部に取り付けられたレールと、
前記レールに沿って移動自在となっており、被介護人を
昇降させるための巻き上げ装置と、を有し、前記巻き上
げ装置は、前記レールが外部のレールに接続されたと
き、前記外部のレールへと移動可能となっていることを
特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の介護用リフトによれば、車輪の付いた
フレームと、前記フレームの上部に取り付けられたレー
ルと、前記レールに沿って移動自在となっており、被介
護人を昇降させるための巻き上げ装置と、を有し、前記
巻き上げ装置は、前記レールが外部のレールに接続され
たとき、前記外部のレールへと移動可能となっているの
で、例えばベッドから被介護人を前記巻き上げ装置によ
り持ち上げて、かかる介護用リフトに載せたまま、浴室
や洗面所に搬送することができ、それにより建物に設置
されるレールを最小限にでき、あるいはレールを設置す
る必要がなくなり、導入費用を低く抑えながらも介護の
労力を大幅に低減できる。尚、前記巻き上げ装置は、介
護人の力に頼らず被介護人を昇降できるような、例えば
電動式であると好ましい。
【0010】更に、前記フレームに、折り畳み自在の椅
子を設けるようにすれば、必要に応じて、前記巻き上げ
装置で持ち上げた被介護人をかかる椅子に座らせること
ができ、楽な姿勢を維持したまま浴室や洗面所に搬送で
きるため便利である。
【0011】又、前記レールが、収納可能な延長レール
を含んでいれば、走行中などは延長レールを折り畳んで
おくことにより、狭い場所での介護用走行リフトの操作
性が高まる。
【0012】更に、前記レールが前記外部のレールと接
続されないときには、前記巻き上げ装置の移動を制限す
る制限部材を有すれば、前記巻き上げ装置が被介護人を
持ち上げたとき、前記巻き上げ装置の位置が不適切なた
め介護用走行リフトが倒れるようなことを防止できる。
【0013】ただし、前記レールが前記外部のレールに
接続されれば、もはや介護用走行リフトが倒れる恐れが
なくなるため、それに応じて、前記制限部材が前記巻き
上げ装置の移動を許容するようになっていればより好ま
しい。
【0014】更に、前記レールの垂直方向位置を変更す
る変更手段を有すれば、浴室や洗面所の高さが異なって
いるような場合でも、それに合わせて前記レールの高さ
を変えることができるため便利である。
【0015】又、前記レールの急激な下向きの移動を阻
止する阻止手段を有すれば、前記巻き上げ装置で被介護
人をつり上げている最中に、不慮のトラブルで落下する
などということを抑制できる。
【0016】更に、前記レールは、電源に電気的に接続
されたレール部を有し、前記巻き上げ装置は、前記レー
ル部上を転動自在な導電性の車輪及び前記レール部を介
して、前記電源から電力供給を受けるようになってお
り、更に前記レール部が取り付けられたレールと、前記
レール部とが絶縁されていれば、前記巻き上げ装置に電
源を設ける必要がなく、その構成を簡略化できる。
【0017】一方、前記レールは、電源に電気的に接続
されたレール部を有し、前記巻き上げ装置は巻き上げ用
の電源を有し、前記レール部上を転動自在な導電性の車
輪及び前記レール部を介して、前記電源から外部に電力
供給を行うようになっており、更に前記レール部が取り
付けられたレールと、前記レール部とは絶縁されていれ
ば、前記巻き上げ用の電源を他の装置の駆動用として用
いることができるため、便利である。
【0018】かかる場合、前記電源は、前記レールの垂
直位置を変更するための電源と兼用されると、別個に電
源を設ける必要がなくなり、コスト的、スペース的に有
利である。
【0019】更に、前記レール部は、前記外部レールの
外部レール部に対して導電可能に接続されていれば、前
記外部レール側に前記巻き上げ装置を移動させた場合で
も、前記外部レール部を介して、前記巻き上げ装置に駆
動用電力を供給できる。
【0020】又、接続時における前記レールと前記外部
レールとのズレを吸収する吸収手段が設けられていれ
ば、接続をより容易にできるため好ましい。
【0021】尚、本発明の介護用走行リフトの前記レー
ルに接続可能な外部レールを、適宜浴室や洗面所等の天
井に配置すれば、介護用走行リフトのレールから外部レ
ールへと、巻き上げ装置を適宜移動させることができて
便利である。しかしながら、外部レールは、浴室や洗面
所の天井に限らず、例えば診察室やレントゲン室などの
天井に設けても良く、あるいは高齢者等を輸送するバス
の天井などに設置しても良い。加えて、前記外部レール
と、伸縮自在な脚部とを有する構造体を浴室などに設置
すれば、浴室などの改造を最小限に抑えることができ、
かつ被介護人に対する介護をより容易にすることができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明にか
かる実施の形態による介護用リフトの斜視図であり、図
2は、その側面図であり、図3は、その正面図である。
【0023】図1乃至3において、介護用走行リフト
は、その両脇に垂直方向に延在する一対の垂直フレーム
1、2を有している。後面に取っ手1a、2aを設けた
垂直フレーム1,2の下端からは、前方に向かって水平
に脚部3,4がそれぞれ延在している。脚部3,4の先
端部の下面には、それぞれ車輪5,6が転動自在に配置
されている。
【0024】又、脚部3,4の先端部近傍においては、
互いに向き合うようにして、足載せ板7,8が配置され
ている。足載せ板7,8は、脚部3,4に対して枢支さ
れており、図3において一点鎖線で軌跡が示されている
ように、水平位置から垂直位置へと枢動可能となってい
る。
【0025】垂直フレーム1,2の下端近傍は、水平に
延在する架橋部材9により互いに連結されており、垂直
フレーム1,2の中央前面は、板状の連結部材10、1
0aを介して架橋部材13の両端に連結されている。架
橋部材9の両端近傍には、転舵自在なキャスター車輪1
1,12が取り付けられている。従って、垂直フレーム
1,2は、車輪5,6及びキャスター車輪11,12に
より支持されて、床上を移動自在となっている。
【0026】垂直フレーム1,2には、架橋部材9、1
3の間において、椅子部20が取り付けられている。椅
子部20は、垂直フレーム1,2に固定された背もたれ
21と、垂直フレーム1,2からそれぞれ水平方向に延
在する肘掛け部22,23と、同様に水平方向に延在す
る座部24とから構成されている。
【0027】肘掛け部22,23と、座部24とは、リ
ンク25,26により互いに連結されており、ホルダ2
7,28を介して垂直フレーム1,2に枢動可能に取り
付けられている。従って、図2の一点鎖線で示すよう
に、座部24を水平位置から垂直方向に枢動させると、
リンク25,26により肘掛け部22,23も水平位置
から垂直位置へと枢動するようになっている。
【0028】垂直フレーム1,2の内側に配設されたガ
イド部材1b、2bに沿って、矩形状の移動フレーム3
0が垂直方向に移動可能に配置されている。ガイド1
b、2bには、移動フレーム30の移動時の摩擦を低減
するため、ガイドローラ1c、2cが設けられている。
移動フレーム30の下端の水平フレーム部31の上面に
は、滑車37が回転自在に支承されている。
【0029】架橋部材13の背面側には、モータ32a
を含む駆動装置32が取り付けられている。モータ32
aの回転トルクは、駆動装置32内のウォーム減速器
(不図示)を介して減速された後、軸32bから出力さ
れ、更に軸32bに連結されたベルト33を介してドラ
ム34を回転駆動するようになっている。ドラム34
は、回転することによってロープ35を巻き取り可能と
なっており、ロープ35は、滑車37に係合した後、そ
の末端35aを、架橋部材13の下縁に取り付けてい
る。駆動装置32とロープ35とで変更手段を構成す
る。
【0030】モータ32aは、架橋部材13に取り付け
られたバッテリ36c(図9)を含む制御装置36によ
り制御可能となっている。すなわち図3に示すボタン3
6a、36bを押すことによって、いずれかの方向に駆
動装置32の軸32bが回転駆動されるようになってい
るので、ロープ35は巻き取られ、あるいは巻き出され
るため、それに応じて移動フレーム30が、ガイド部材
1b,2bに沿って上下に駆動されるようになってい
る。
【0031】移動フレーム30の上端には、天フレーム
40が前方に張り出すようにして取り付けられている。
天フレーム40により支持されつつ、レール41が移動
フレーム30の上端から、天フレーム40より更に前方
に延在するように取り付けられている。
【0032】図4は、外部レールと接続された状態で示
すレール41の上面図であり、図5は、レール41を図
4の矢印V方向に見た図であり、図6は、巻き上げ装置
50と共に示すレール41の側面図である。図7は、外
部レールと離隔された状態で示すレール41の上面図で
ある。レール41は、図5に示すように、断面が略コ字
状になっていて、下端(図5では右端)に一対の走行路
41aを形成している。かかる走行路41a上を巻き上
げ装置の車輪51(図6)が走行可能となっている。
【0033】巻き上げ装置50は、公知の構成であって
良く、以下に詳細は記載しないが、例えば電動式である
と、被介護人を昇降する際に介護人の力を必要としない
ため便利である。しかしながら、介護人の力を利用して
巻き上げを行う機械式のものであっても良い。
【0034】巻き上げ装置50に内蔵された回転ドラム
(不図示)に連結された吊りベルト53の下端は、図1
で明らかである水平方向に延在する天秤棒状のスリング
ベルト掛け54の中央に取り付けられている。スリング
ベルト掛け54の両端には、各2つのフック掛けアイボ
ルト55が取り付けられている。
【0035】更に、巻き上げ装置50は、レール41の
走行路41aに当接する当接位置と、走行路41aから
離隔する離隔位置との間で移動自在な制動体56を有し
ている。制動体56は、レバー57に連結されており、
レバー57を左右いずれかの方向に移動させると、制動
体56は、当接位置と離隔位置との間を移動するように
なっている。制動体56が、当接位置に移動すると、走
行路41aとの間に働く摩擦力で、巻き上げ装置50の
移動は阻止され、制動体56が、離隔位置に移動する
と、走行路41aとの間に摩擦力が働かなくなるので、
巻き上げ装置50の移動は許容されることとなる。
【0036】レール41は、その先端上面に、同様な形
状を有するが、より短い延長レール42を蝶番41bに
より取り付けている。かかる蝶番41bにより、図2の
一点鎖線で示すように、延長レール42は、レール41
の先端から上方に跳ね上がるように枢動し、レール41
の上面にその上面を合わせるようにして収納可能となっ
ている(図8参照)。延長レール42が、レール41の
前方に延びているときは、走行路も延長されるので、巻
き上げ装置50は、延長レール42側にも移動可能とな
る。
【0037】図6において、レール41の左端近傍にお
ける内部には、制限部材としての板状のストッパ43が
その上縁に枢動軸43aを有して配置され、かかる枢動
軸43aは、レール41により回転自在に支承されてい
る。枢動軸43aの端部には歯車43bが取り付けられ
ており、歯車43bは、レール41の側方に設けられた
ガイド41aに沿って図6の左右に移動自在なラック4
3cに係合している。尚、ストッパ43は、不図示の係
止部材により、垂直位置より図6の左方への枢動が阻止
されるようになっている。
【0038】例えば浴室などの天井に取り付けられる外
部レール44は、レール41と同様な形状を有してい
る。図6において、外部レール44の右端近傍における
内部には、板状のストッパ45がその上縁に枢動軸45
aを有しており、かかる枢動軸45aは、外部レール4
4により回転自在に支承されている。枢動軸45aの端
部には歯車45bが取り付けられており、歯車45b
は、外部レール44の側方に設けられたガイド44aに
沿って図6の左右に移動自在なラック45cに係合して
いる。尚、ストッパ45は、不図示の係止部材により、
垂直位置より図6の右方への枢動が阻止されるようにな
っている。
【0039】図7で明らかなように、延長レール42
は、レール41から前方に延在する状態で、先端に押し
ピン42aを有している。一方、外部レール44は、先
端に押しピン44bを有している。更に、延長レール4
2の上部には、外部レール44との連結時に不用意な離
脱を防止する掛けがね42bが設けられ、これに対向し
て外部レール44の上面には、掛け孔44cが形成され
ている。掛けがね42bの操作は、レバー42cにより
行うことができる。
【0040】図9は、巻き上げ装置の車輪の近傍で、本
実施の形態の変形例にかかるレールを切断した状態を示
す図である。図9において、アルミの押し出し材などか
ら形成される断面が略コ字状のレール41は、底壁41
a、41aの上面に、樹脂材などから形成される絶縁体
60,60を取り付けている。絶縁体60,60の上方
には、鉄などの導電性部材から形成された円筒状のレー
ル部61,61が、レール41の長手方向に沿って延在
している。
【0041】巻き上げ装置50の車輪51,51は、鉄
などの導電性部材から形成されており、レール部61,
61の上を転動自在となっている。車輪51,51は、
軸部58,58により回転自在に支承されている。軸部
58,58は、それぞれ電気的に独立した状態に維持さ
れ、巻き上げ装置50の支持フレームの59に、絶縁体
62,62を介してボルト63によって取り付けられて
いる。
【0042】軸部58,58は、不図示の配線を介し
て、巻き上げ装置50内のモータ(不図示)の両極に接
続されている。例えば、バッテリ36cの正極が、図9
における左方のレール部61に接続され、バッテリ36
cの負極が、図9における右方のレール部61に接続さ
れていたとすると、巻き上げ装置50のモータは、軸部
58,58と、車輪51,51と、レール部61,61
とを介してバッテリ36cから電力供給を受け、その動
作を行えるようになっている。レール部61、61とレ
ール41とは、絶縁体60,60で絶縁されているの
で、ショートする恐れはない。なお、電源としてのバッ
テリ36cを、移動フレーム30の駆動用電源と兼用す
ることで、別個に電源を設ける必要がなくなり、コスト
的、スペース的に有利となる。一方、巻き上げ装置50
にバッテリを内蔵した場合、かかるバッテリの電力を、
レール部61,61等を介して、外部の装置、例えば移
動フレーム30の制御装置36に供給することができ、
それにより制御装置側の構成を簡略化することができ
る。
【0043】図10(a)は、変形例にかかるレールの
端面図であり、図10(b)は、外部レールの側面図で
ある。本変形例においては、移動フレーム30から、レ
ール41の両脇に沿って支持フレーム70,70(右方
のみ断面を示す)が延在している。両方の支持フレーム
70と、レール41の側面との間には、取り付け座7
2,72を介してコイルばね71,71が配置されてい
る。
【0044】レール41と外部レール44とを取り付け
る場合、外部レール44に植設された一対の先のとがっ
たピン44dを、レール41の端部に形成された凹部4
0dに挿入することで、位置合わせを行っている。ここ
で、介護用走行リフトの位置によっては、ピン44dと
凹部40dの芯ズレが生じ、レール41と外部レール4
4との連結が困難となる恐れがある。そこで、本変形例
においては、支持フレーム70,70から吸収手段とし
てのコイルばね71,71により、レール41をフロー
ティング状態に支持することで、ピン44dと凹部40
dの芯ズレが生じた場合でも、それらの芯が合致するよ
うに、レール41を2次元的に変位させることができ、
それにより外部レール44との連結を容易にしている。
尚、レール41と外部レール44とを連結したときに、
レール部61は、外部レール44の外部レール部(不図
示)に対して導電可能に接続すれば、外部レール44側
に巻き上げ装置50が移動しても、電力供給を受けるこ
とができる。
【0045】図11は、本実施の形態の変形例にかかる
落下防止構成を示す図である。図11において、架橋部
材13においてモータ32aを含む駆動装置32が取り
付けられている。モータ32aの回転トルクは、駆動装
置32内のウォーム減速器(不図示)を介して減速され
た後、スプロケット32bから出力され、更にスプロケ
ット32bに噛合連結されたチェーン33を介してスプ
ロケット34を回転駆動するようになっている。スプロ
ケット34は、回転することによってロープ35を巻き
取り可能となっており、ロープ35は、2つの滑車3
7、37に係合した後、その末端35aを、架橋部材1
3の下縁に取り付けている。
【0046】滑車37,37は、枢動アーム64,64
の先端に回転自在に取り付けられており、枢動アーム6
4,64は、移動フレーム30に対して枢動可能に取り
付けられ、かつ巻きばね65,65によって、外方端部
64a、64aが上方に跳ね上がる向きに付勢されてい
る。尚、外方端部64a、64aは、垂直フレーム1,
2の側面に斜め下方を向いて当接するようにセットされ
る。
【0047】図11に示す状態では、ロープ35によっ
て、滑車37,37が引っ張られ、枢動アーム64,6
4は、巻きばね65,65の付勢力にうち勝って外方端
部64a、64aが下方に下がるように付勢されてい
る。ここで、ロープ35が切断したような場合、移動フ
レーム30は落下(下方に急激に移動)することとなる
が、このとき阻止手段としての枢動アーム64,64
は、ロープ35から受ける力が消失したことで、巻きば
ね65,65の付勢力によって、瞬時に外方端部64
a、64aが上方に跳ね上がる向きに付勢され、それに
より外方端部64a、64aが、垂直フレーム1,2の
側面に当接して摩擦力を付与し、更にくさび効果によっ
て、かかる側面により強く押しつけられることでブレー
キをかけ、それにより移動フレーム30の落下を阻止す
るようになっている。
【0048】次に、本実施の形態に動作について、更に
図8を参照して説明する。図8は、介護用走行リフトの
使用状態を示した図である。介護人(不図示)が、被介
護人Pを、浴室へと搬送しようとする場合の動作につい
て説明する。まず、介護人は、介護用走行リフトの脚部
5,6を、被介護人Pが寝ているベッドBの下方に侵入
させる。かかる状態では、座部24と肘掛け部22,2
3は、垂直位置となっているので、ベッドBと干渉して
介護用走行リフトの侵入を妨げるということはない。
【0049】続いて、介護人は被介護人Pの腰を浮かせ
て、その下にネットNを敷く。更に、介護人は、かかる
ネットNを、ロープRを介して、巻き上げ装置50のフ
ック掛けアイボルト55に取り付ける。尚、被介護人P
の上方に来るように、巻き上げ装置50をレール41に
沿って適宜移動させて良い。
【0050】このようにして、被介護人Pを持ち上げる
準備が完了したら、介護人は、巻き上げ装置を動作させ
て、被介護人Pを持ち上げる。図8に示す状態まで、被
介護人Pを持ち上げたら、介護人は取っ手1a、2aを
把持して、介護用走行リフトをベッドBより離隔させ
る。その後、座部24等を水平位置に戻して、巻き上げ
装置50を逆動作させて介護人Pを椅子部20に降ろし
て座らせるか、あるいは巻き上げ装置50により持ち上
げたままで、介護人は介護用走行リフトを押して浴室へ
と搬送する。
【0051】尚、この際に巻き上げ装置50のレバー5
7を操作して、制動体56を当接位置へと移動させれ
ば、走行中に巻き上げ装置50が移動しないため好まし
い。又、延長レール42は上方に跳ね上げた状態である
と、介護用走行リフトが狭い場所でも方向転換等がしや
すくなるので好ましい。
【0052】ここで、図7に示すように、延長レール4
2が外部レール44と分離した状態では、押し棒47を
付勢するバネ49の作用により、あるいはストッパ43
の自重により、ストッパ43は垂直位置に来るように付
勢されており、すなわち、かかるストッパ43を超えて
図6の左方に向かう巻き上げ装置50の移動が制限され
るため、レール41からの巻き上げ装置50の脱落が防
止され安全を確保できるようになっている。更に、スト
ッパ43の位置まで巻き上げ装置50が到達しても、介
護用走行リフトが倒れないように重心位置が決定されて
いる。
【0053】介護用走行リフトが浴室に到達したとき、
介護人には、延長レール42をレール41から延長させ
るように枢動させる。このとき、延長レール42の高さ
と、浴室の天井に設置された外部レール44との高さが
合わなければ、制御装置36の押しボタン36a、36
bを押してモータ32aを駆動し、移動フレーム30を
上下に動かして延長レール42の位置調整を行えばよい
(図2,3参照)。
【0054】介護人は、延長レール42の高さが外部レ
ール44の高さに一致したときに、両者の連結を行う。
このとき、延長レール42のレバー42cを操作して、
掛けがね42bを外部レール44の掛け孔44cに係合
させれば、両者の不用意な分離が阻止される。連結が終
了した時点で被介護人が椅子部20に座っている場合
は、介護人は、再度巻き上げ装置50を用いて被介護人
Pを持ち上げることとなる。
【0055】一方、図4,6に示すように、延長レール
42を外部レール44に連結すると、外部レール44の
押しピン44bが、押し棒47を介してラック43cを
押すため、これに係合する歯車43bが回転して、スト
ッパ43が水平位置に移動する。それによりレール41
から延長レール42への巻き上げ装置50の移動が許容
される。
【0056】又、延長レール42を外部レール44に連
結すると、延長レール42の押しピン42aがラック4
5cを押すため、これに係合する歯車45bが回転し
て、ストッパ45が水平位置に移動する。それにより延
長レール42から外部レール44への巻き上げ装置50
の移動が許容される。それにより、介護人は被介護人P
を浴室内へと搬送でき、入浴の介護など必要な処置を行
うことができる。浴室からベッドまで戻るときには、上
述した逆の手順を行えばよい。
【0057】尚、図7に示すように、巻き上げ装置50
を外部レール44側に移動させた後、何らかの理由によ
り延長レール42を外部レール44と分離した場合に
は、押しピン42aの押圧がなくなるので、ラック45
cを付勢するバネ48の作用により、あるいはストッパ
45の自重により、ストッパ45は垂直位置に来るよう
に付勢され、それにより、かかるストッパ45を超えて
図7の右方へ向かう巻き上げ装置50の移動が制限され
るため、外部レール44からの巻き上げ装置50の脱落
が防止され安全を確保できるようになっている。
【0058】ところで、浴室の天井などに外部レールを
設置することは、大がかりな工事を必要とし、天井の強
度が不足する場合には、外部レールを設置することが困
難となる場合もある。以下に述べる別な実施の形態にお
いては、かかる問題を回避することができる。
【0059】図12,13は、別な実施の形態にかか
る、外部レールが取り付けられた構造体を示す図であ
る。図12,13において、浴室Yの内部などに設置さ
れると好適な構造体80は、垂直方向の荷重を支える4
本の柱81〜84と、かかる柱の上端を連結する梁85
〜88を有している。外部レール44は、対向する梁8
6,88を架橋するように取り付けられ、梁86,88
の長手方向に沿って移動可能となっている。尚、図から
明らかなように、柱83は浴槽Bのへりに設置されるの
で、他の柱より短くなっている。
【0060】柱81〜84は、伸縮自在な脚部81a〜
84aを有している。梁85〜88の上方に、脚部の駆
動用のシャフト81b〜84bが延在している。これら
シャフト81b〜84bは、互いにカサ歯車(不図示)
で連結されており、また各柱内を下方に延在して脚部8
1a〜84aを伸縮させるねじ軸(不図示)も、シャフ
ト81b〜84bに連結されている。尚、これらシャフ
ト81b〜84bは、制御装置89内のモータによって
回転駆動される。
【0061】例えば、被介護人を入浴させようとする場
合、図1に示す介護用走行リフトは、比較的大型である
ため、浴室Y内まで持ち込むことは困難である。そこ
で、浴室Yの入口まで、被介護人を介護用走行シフトで
運び、その後巻き上げ装置50及び被介護人を浴室Y内
に搬入することが必要となる。ところが、一般的には浴
室Yを含む部屋のドアDは、天井より低いので、ドアD
の高さで巻き上げ装置50を維持すると、被介護人が浴
そうBの縁より下がった位置となり、浴槽Bに入れるこ
とが困難となる恐れがある。
【0062】そこで、本実施の形態においては、走行用
介護リフトから被介護人ごと巻き上げ装置50を外部レ
ール44に移動させた後、制御装置89を操作して、脚
部81a〜84aを伸張させる。それにより図12に示
す状態から、図13に示す状態へと構造体80が変形
し、外部レール44が上昇することから、巻き上げ装置
50も上昇し、それにより被介護人の介護が容易とな
る。
【0063】本実施の形態の構造体は、分解した状態で
浴室などに搬入し、内部で組立が可能であり、しかも自
身で荷重を支持する構造であるので、天井の補強工事な
ど大がかりな工事を伴うことなく、既存の浴室などに容
易に組み込むことができる。又、巻き上げ装置50が、
バッテリを内蔵している場合、上述した変形例と同様な
構成を有する外部レール44のレール部44aを介し
て、制御装置89のモータにバッテリからの電力を供給
することもでき、その場合には、浴室の電気配線なども
新たに設ける必要がないという利点もある。
【0064】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。たとえば、巻き上げ装置のレールに沿
った移動は、介護人の力により行うものとしたが、巻き
上げ装置の車輪をモータで駆動するようにすれば、より
小さな力で移動が可能となる。
【0065】
【発明の効果】本発明の介護用リフトによれば、車輪の
付いたフレームと、前記フレームの上部に取り付けられ
たレールと、前記レールに沿って移動自在となってお
り、被介護人を昇降させるための巻き上げ装置と、を有
し、前記巻き上げ装置は、前記レールが外部のレールに
接続されたとき、前記外部のレールへと移動可能となっ
ているので、例えばベッドから被介護人を前記巻き上げ
装置により持ち上げて、かかる介護用リフトに載せたま
ま、浴室や洗面所に搬送することができ、それにより建
物に設置されるレールを最小限にでき、あるいはレール
を設置する必要がなくなり、導入費用を低く抑えながら
も介護の労力を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態による介護用リフト
の斜視図である。
【図2】本発明にかかる実施の形態による介護用リフト
の側面図である。
【図3】本発明にかかる実施の形態による介護用リフト
の正面図である。
【図4】外部レールと接続された状態で示すレール41
の上面図である。
【図5】レール41を図4の矢印V方向に見た図であ
る。
【図6】巻き上げ装置50と共に示すレール41の側面
図である。
【図7】外部レールと離隔された状態で示すレール41
の上面図である。
【図8】介護用走行リフトの使用状態を示した図であ
る。
【図9】巻き上げ装置の車輪の近傍で、本実施の形態の
変形例にかかるレールを切断した状態を示す図である。
【図10】図10(a)は、変形例にかかるレールの端
面図であり、図10(b)は、外部レールの側面図であ
る。
【図11】本実施の形態の変形例にかかる落下防止構成
を示す図である。
【図12】外部レールが取り付けられた構造体を示す図
である。
【図13】外部レールが取り付けられた構造体を示す図
である。
【符号の説明】
1,2 垂直フレーム 3,4 脚部 5,6 車輪 20 椅子部 32 駆動装置 41 レール 42 延長レール 44 外部レール 50 巻き上げ装置 61 レール部 70 支持アーム 71 コイルばね 80 構造体

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の付いたフレームと、 前記フレームの上部に取り付けられたレールと、 前記レールに沿って移動自在となっており、被介護人を
    昇降させるための巻き上げ装置と、を有し、 前記巻き上げ装置は、前記レールが外部のレールに接続
    されたとき、前記外部のレールへと移動可能となってい
    ることを特徴とする介護用走行リフト。
  2. 【請求項2】 前記フレームには、折り畳み自在の椅子
    が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の介
    護用走行リフト。
  3. 【請求項3】 前記レールは、収納可能な延長レールを
    含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の介護用走
    行リフト。
  4. 【請求項4】 前記レールが前記外部のレールと接続さ
    れないときには、前記巻き上げ装置の移動を制限する制
    限部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の介護用走行リフト。
  5. 【請求項5】 前記制限部材は、前記レールと前記外部
    レールに接続されたことに応じて、前記巻き上げ装置の
    移動を許容することを特徴とする請求項4に記載の介護
    用走行リフト。
  6. 【請求項6】 前記レールの垂直方向位置を変更する変
    更手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れかに記載の介護用走行リフト。
  7. 【請求項7】 前記レールの急激な下向きの移動を阻止
    する阻止手段を有することを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれかに記載の介護用走行リフト。
  8. 【請求項8】 前記レールは、電源に電気的に接続され
    たレール部を有し、前記巻き上げ装置は、前記レール部
    上を転動自在な導電性の車輪及び前記レール部を介し
    て、前記電源から電力供給を受けるようになっており、
    更に前記レール部が取り付けられたレールと、前記レー
    ル部とは絶縁されていることを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載の介護用走行リフト。
  9. 【請求項9】 前記レールは、電源に電気的に接続され
    たレール部を有し、前記巻き上げ装置は巻き上げ用の電
    源を有し、前記レール部上を転動自在な導電性の車輪及
    び前記レール部を介して、前記電源から外部に電力供給
    を行うようになっており、更に前記レール部が取り付け
    られたレールと、前記レール部とは絶縁されていること
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の介護用
    走行リフト。
  10. 【請求項10】 前記電源は、前記レールの垂直位置を
    変更するための電源と兼用されることを特徴とする請求
    項8又は9に記載の介護用走行リフト。
  11. 【請求項11】 前記レール部は、前記外部レールの外
    部レール部に対して導電可能に接続されることを特徴と
    する請求項8乃至10のいずれかに記載の介護用走行リ
    フト。
  12. 【請求項12】 接続時における前記レールと前記外部
    レールとのズレを吸収する吸収手段が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の介
    護用走行リフト。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至11のいずれかに記載の
    介護用走行リフトの前記レールに接続可能なことを特徴
    とする外部レール。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の外部レールと、伸
    縮自在な脚部とを有することを特徴とする構造体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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