JPH1094566A - 介護用リフト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 介護用として多用途に使用でき、構成が簡易
で、取扱い器具として提供する。 【解決手段】 移動用のキャスタ１２が取り付けられた
一対のパイプ状部材を平行に配置した脚部１０ａ、１０
ｂと、パイプ状部材を用いてアーチ状に形成され、開放
側の端部を前記一対の脚部１０ａ、１０ｂの各々の一端
に固定して起立させて設けた支持部２０と、該支持部２
０にガイド支持されて上下動自在に装着された昇降部３
０と、前記脚部１０ａ、１０ｂの延出方向と同じ向きに
端部を延出させて前記昇降部に脱着可能に装着した一対
の脱着アーム４０ａ、４０ｂと、前記昇降部３０を昇降
駆動する昇降駆動部５０とから成ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は介護作業で好適に用
いられる介護用リフト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び解決しようとする課題】病人等の介護
器具には、介護用ベッド、車椅子、歩行介助器具、入浴
装置等々のきわめて多種類の製品が従来から提供されて
いる。これらの介護器具は病人を起き上がらせたり、移
動させたりすることを容易にする補助用具として使用さ
れる。ところで、実際の介護ではいろいろな場面があ
り、それらの介護作業に好適に使用でき、用途の広い製
品が求められている。

【０００３】本発明者は、このような介護において、取
扱いが容易で、かつ使いやすく、いろいろな用途への利
用が可能な装置について研究を行い、本発明に思到した
ものである。すなわち、本発明に係る介護用リフト装置
は、簡易な構造によるものであり、かついろいろな用途
への適用が可能な装置として提案するもので、これによ
って、使いやすくかつ製造コストを低く抑えて提供する
ことを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、移動用のキャス
タが取り付けられた一対のパイプ状部材を平行に配置し
た脚部と、パイプ状部材を用いてアーチ状に形成され、
開放側の端部を前記一対の脚部の各々の一端に固定して
起立させて設けた支持部と、該支持部にガイド支持され
て上下動自在に装着された昇降部と、前記脚部の延出方
向と同じ向きに端部を延出させて前記昇降部に脱着可能
に装着した一対の脱着アームと、前記昇降部を昇降駆動
する昇降駆動部とから成ることを特徴とする。また、前
記支持部は、２つのアーチ状に形成した支持パイプを平
行に立設し、一方の支持パイプに前記昇降部をガイドし
て支持し、他方の支持パイプに前記昇降部に連繋する昇
降駆動部を取り付けたことを特徴とする。また、前記脱
着アームは前記昇降部に幅方向に可動に装着されたこと
を特徴とする。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。図１は本発明に係る介護用リフト装置
の全体構成を示す斜視図である。本実施形態の介護装置
は平行に配置した一対の丸パイプから成る脚部１０ａ、
１０ｂと、脚部１０ａ、１０ｂの一端部で起立させて脚
部１０ａ、１０ｂを連結して支持するアーチ状に形成し
た支持部２０と、支持部２０に上下動自在に装着した昇
降部３０と、前記脚部１０ａ、１０ｂの延出方向と同じ
向きに端部を延出させて昇降部３０に装着する一対の脱
着アーム４０ａ、４０ｂと、昇降部３０を昇降駆動する
昇降駆動部５０とから成る。昇降駆動部５０、支持部２
０、昇降部３０がリフト機構を構成する。

【０００６】脚部１０ａ、１０ｂの両端部の下面には自
在キャスタ１２を各々装着し、介護用リフト装置が床面
等の上で移動自在としている。実施形態では脚部１０
ａ、１０ｂを組み立て可能とするため支持部２０の下部
に丸パイプの接続パイプ１４を固定し、接続パイプ１４
に脚部１０ａ、１０ｂとなる丸パイプの端部を挿入し、
締め付けねじ１６で脚部１０ａ、１０ｂを固定するよう
にした。締め付けねじ１６は手動で簡単に締め付け固定
できるもので、介護リフト装置を自動車等で運搬するよ
うな場合は支持部２０と脚部１０ａ、１０ｂとを分離し
て容易に持ち運びできるようにしている。

【０００７】本実施形態では支持部２０は、丸パイプを
アーチ状（コの字状）に形成した２つの支持パイプ２０
ａ、２０ｂによって構成し、支持パイプ２０ａ、２０ｂ
の開放端部を脚部１０ａ、１０ｂを装着する接続パイプ
１４に溶接して固設した。支持パイプ２０ａ、２０ｂは
所定間隔離間させ脚部１０ａ、１０ｂに対し垂直に起立
させる。２２は支持パイプ２０ａ、２０ｂを平行に固定
支持する固定板である。締め付けねじ１６は支持パイプ
２０ａ、２０ｂの離間間隔内に配置し、手を差し入れて
回すことができる。

【０００８】図２に介護リフト装置の側面図を示す。支
持パイプ２０ａ、２０ｂは図のように高さ寸法が異なっ
ており、支持パイプ２０ｂの方が支持パイプ２０ａより
も高く設定している。これは、支持パイプ２０ｂを昇降
部３０を昇降させるガイド部として使用するためで、昇
降部３０の昇降範囲として所要範囲を確保できるように
するためである。支持パイプ２０ｂの高さ寸法は昇降部
３０の可動範囲に応じて適宜設定可能であり、人間の身
長もしくは身長以上程度の高さに設計することも可能で
ある。２４、２５は支持パイプ２０ａ、２０ｂの横棒部
分（アーチ部分）を被覆する保護パッドである。保護パ
ッド２４、２５はウレタンフォーム、ゴムといった一定
の弾性を有する素材で形成し、介護リフト装置を操作し
やすくする目的で設けている。

【０００９】昇降駆動部５０は低位に形成した支持パイ
プ２０ａの横棒部分に設置する。図３は支持パイプ２０
ａに昇降駆動部５０を設置した状態を背面側から示す。
本実施形態では昇降駆動部５０として手動によって昇降
部３０を昇降駆動するウインチを使用した。５２は手動
用のハンドルである。５４は昇降部３０を吊持する吊持
用テープ５６を卷回するリールである。ハンドル５２の
回動操作によりリール５６が回動し、これによって吊持
用テープ５６が繰り出され、あるいは巻き上げられて昇
降部３０が昇降する。

【００１０】なお、昇降駆動部５０は手動操作によるも
のに限らず、電動等によって駆動する装置を用いること
もできる。電動による場合は電動モータの駆動力を利用
してリール５４を回動操作すればよい。電動による場合
は、スイッチ操作によって昇降操作が可能であるから、
病人等が自分で昇降部３０を昇降操作するといった場合
に簡単に使える点で有用である。

【００１１】昇降部３０は上記の高位に形成した支持パ
イプ２０ｂにガイドされて昇降する。昇降部３０は支持
パイプ２０ｂの縦棒部分にガイドして支持される一対の
スライド部３２と、スライド部３２、３２の間に掛け渡
して支持される２本の支持アーム３４ａ、３４ｂとを有
する。支持アーム３４ａ、３４ｂは上下に所定間隔をあ
けて平行にスライド部３２、３２に固定する。３６はス
ライド部３２を支持パイプ２０ｂにガイド支持するため
のガイドローラである。ガイドローラ３６は支持パイプ
２０ｂを両側から挟んで、上下に所定間隔離間させて配
置する。ガイドローラ３６は支持パイプ２０ｂの外面に
当接する面を湾曲面に形成することにより、支持パイプ
２０ｂから外れずにガイドすることが可能である。もち
ろん、スライド部３２の構成はこの実施形態に限られる
ものではなく、支持パイプ２０ｂをガイドとしてスライ
ド可能に支持する公知の方法が適用可能である。

【００１２】３８、３９は支持アーム３４ａ、３４ｂを
保護する保護パッドである。前記昇降駆動部５０の吊持
用テープ５６はテープの端部を支持アーム３４ａ、３４
ｂのうち上側の支持アーム３４ａに巻きつけて固定す
る。昇降駆動部５０により吊持用テープ５６の繰り出し
長さを変えることにより、昇降部３０は自重により支持
パイプ２０ｂにガイドされて昇降する。吊持用テープ５
６の繰り出し量を調節することにより、任意の高さ位置
で昇降部３０を止めてセットすることっができる。昇降
部３０の高さ位置を調節する操作はハンドル５２の回動
操作できわめて簡単にできる。

【００１３】脱着アーム４０ａ、４０ｂは昇降部３０の
支持アーム３４ａ、３４ｂの各々にひっかけるようにし
て装着する。脱着アーム４０ａ、４０ｂは側面形状が長
Ｌ字形に形成されており、その基端部に支持アーム３４
ａ、３４ｂにひっかけるフック部を設けることにより、
脱着自在に支持アーム３４ａ、３４ｂに装着可能となっ
ている。図４に脱着アーム４０ａ、４０ｂを支持アーム
３４ａ、３４ｂに装着した部位を拡大して示す。４２
ａ、４２ｂが脱着アーム４０ａ、４０ｂのフック部であ
る。

【００１４】図のようにフック部４２ａ、４２ｂは支持
アーム３４ａ、３４ｂにのせて引っかけるようにするも
ので、脱着アーム４０ａ、４０ｂの延出端部分を下方に
押圧する外力によって支持アーム３４ａ、３４ｂに確実
に係止されるように構成される。また、フック部４２
ａ、４２ｂは支持アーム３４ａ、３４ｂにのせるだけで
完全に固定するものでないことから、脱着アーム４０
ａ、４０ｂの先端側を幅方向に動かすことが容易に可能
になる。介護用リフト装置を使用する場合、脱着アーム
４０ａ、４０ｂが幅方向に揺動可能とすることは、たと
えば脱着アーム４０ａ、４０ｂを支えとして、歩行する
といった際に、脱着アーム４０ａ、４０ｂを脇の下には
さむようにして支持するといった使い方が可能で、使い
勝手を向上させることができる。

【００１５】また、脱着アーム４０ａ、４０ｂとして長
さが異なるもの、あるいは異形のものなどを用意してお
き、使用者の状態に応じて、適宜交換して使用するとい
った使用方法が可能になる。脱着アーム４０ａ、４０ｂ
も成るパイプの外面に保護パッドを被覆している。これ
によって使用者の安全を図り、使用感を良好にすること
ができる。

【００１６】本実施形態の介護用リフト装置は、図１、
３に示すように、脚部１０ａ、１０ｂの前後が完全に開
放されていることが特徴である。すなわち、本実施形態
のように脚部１０ａ、１０ｂの前後が開放されている
と、床面に物が置いてあったような場合でも介護用リフ
ト装置をそのまま通過させて移動させることができる。
たとえば、便器を使用するような場合、この介護用リフ
ト装置を使用すれば、便器を中に置いて配置することが
でき、介護用リフト装置から使用者を降ろしたりするこ
となく使用することが可能である。

【００１７】介護用リフト装置の使い方はいろいろある
が、図５は別体で形成した座部６０を脱着アーム４０
ａ、４０ｂに吊持して支持した例である。本実施形態で
は木製の座部６０を吊りひも６２で脱着アーム４０ａ、
４０ｂに引っかけて支持した。座部６０は吊りひも６２
を脱着アーム４０ａ、４０ｂに通すようにして支持す
る。介護人は使用者を座部６０の上にのせ、車椅子と同
様な形態で移動させることができる。足置きが必要な場
合は、脚部１０ａ、１０ｂの先端に足置き板６４を装着
すればよい。足置き板６４は丸パイプの脚部１０ａ、１
０ｂの端部に足置き板６４に取り付けた細径のパイプを
挿入することで装着する。

【００１８】座部６０はハンドル５２の回動操作によっ
て任意の高さに設定できるから、高さ調節が必要な場合
にはきわめて取扱いが容易になるという利点がある。た
とえば、座部６０に座らせる際に、使用者がのり移りや
すいように座部６０を床面と略同じ位置まで下げてお
き、使用者が座部６０にのった後、所要の高さまで座部
６０を持ち上げて移動するといった使い方ができる。ま
た、ベッドから介護用リフト装置に移る場合でもベッド
と座部６０の高さを一致させて脱着アーム４０ａ、４０
ｂをベッドの上方にまで延出させ、座部６０にのり移ら
せた後、座部６０の高さを調整をするといった方法も可
能である。

【００１９】このように、本実施形態の介護用リフト装
置は脚部１０ａ、１０ｂと脱着アーム４０ａ、４０ｂが
同じ向きに延出する形態となるから、座部６０に人をの
せた状態で脱着アーム４０ａ、４０ｂを特定方向に向け
て進入させるような操作が可能になる。たとえば、座部
６０に人をのせて自動車にのせかえるといった場合、脱
着アーム４０ａ、４０ｂを自動車内に差しいれて車にの
せるといった使い方もできる。

【００２０】実施形態の座部６０は前縁から中央部にか
けて開口させた形状のものであるが、これは便器の上に
座部６０をのせてそのまま便器が使用できるようにした
ものである。もちろん、座部６０の形状や寸法、座部６
０を脱着アーム４０ａ、４０ｂに装着する方法は本実施
形態の方法に限定されるものではない。たとえば、座部
６０を背当てのある座椅子と同様に形成したものを使用
し、通常は座椅子と同じように床面まで降ろしておき、
移動する必要が生じたときには座部６０を持ち上げて移
動させるといった使い方なども可能である。

【００２１】また、本実施形態の介護用リフト装置の他
の使用例としては、脱着アーム４０ａ、４０ｂを補助支
持具として使用する例がある。すなわち、脱着アーム４
０ａ、４０ｂを上位置としておき、脱着アーム４０ａ、
４０ｂをにつかまりながら歩行するといった使い方であ
る。この場合は、脱着アーム４０ａ、４０ｂを手でつか
まえて歩行することも可能であるし、脱着アーム４０
ａ、４０ｂを脇の下に入れて支持しながら歩行するとい
った使い方も可能である。脱着アーム４０ａ、４０ｂは
可動であるから使用者に合わせて動かしながら使いやす
い状態で使用することができる。

【００２２】また、脱着アーム４０ａ、４０ｂは支持パ
イプ２０ａ、２０ｂに対し、脚部１０ａ、１０ｂと同じ
側に延出しているから、脱着アーム４０ａ、４０ｂに上
から押さえつける力が作用した場合のモーメントは装置
を安定に支持する向きとなり、介護用リフト装置が倒れ
たりすることがない。また、本実施形態の介護用リフト
装置は、丸パイプを材料として曲げ成形して成るもので
あり、複雑な構成を採用していないから、製造コストを
低く抑えることができるという利点もある。

【００２３】

【発明の効果】本発明に係る介護用リフト装置は、上述
したように、昇降部が任意の高さ位置に調節して使用で
きることから、用途に応じて高さを変えて使用すること
がきわめて容易にできる。また、一対の平行に配置した
脚部をアーチ状に形成した支持部で連結した構成とした
ことにより、装置が床面と接する部位がオープンタイプ
となり、移動等がきわめて容易になるという利点があ
る。また、脱着アームを装着したことにより、使用者に
合わせて種々の用途への利用が可能になる等の著効を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る介護用リフト装置の一実施形態の
斜視図である。

【図２】介護用リフト装置の側面図である。

【図３】介護用リフト装置の背面図である。

【図４】支持アームへの脱着アームの取付状態を示す説
明図である。

【図５】座部を装着した介護用リフト装置の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０ａ、１０ｂ 脚部 １２ キャスタ ２０ 支持部 ２０ａ、２０ｂ 支持パイプ ２２ 固定板 ２４、２５ 保護パッド ３０ 昇降部 ３２ スライド部 ３４ａ、３４ｂ 支持アーム ３８、３９ 保護パッド ４０ａ、４０ｂ 脱着アーム ４２ａ、４２ｂ フック部 ５０ 昇降駆動部 ５２ ハンドル ５６ 吊持用テープ ６０ 座部 ６２ 吊りバンド ６４ 足置き板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動用のキャスタが取り付けられた一対
   のパイプ状部材を平行に配置した脚部と、 パイプ状部材を用いてアーチ状に形成され、開放側の端
   部を前記一対の脚部の各々の一端に固定して起立させて
   設けた支持部と、 該支持部にガイド支持されて上下動自在に装着された昇
   降部と、 前記脚部の延出方向と同じ向きに端部を延出させて前記
   昇降部に脱着可能に装着した一対の脱着アームと、 前記昇降部を昇降駆動する昇降駆動部とから成ることを
   特徴とする介護用リフト装置。
2. 【請求項２】 前記支持部は、２つのアーチ状に形成し
   た支持パイプを平行に立設し、一方の支持パイプに前記
   昇降部をガイドして支持し、他方の支持パイプに前記昇
   降部に連繋する昇降駆動部を取り付けたことを特徴とす
   る請求項１記載の介護用リフト装置。
3. 【請求項３】 前記脱着アームは前記昇降部に幅方向に
   可動に装着されたことを特徴とする請求項１または２記
   載の介護用リフト装置。