JP2001110553A - 緻密質SiC発熱体およびその製造方法 - Google Patents

緻密質SiC発熱体およびその製造方法

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JP2001110553A
JP2001110553A JP29197099A JP29197099A JP2001110553A JP 2001110553 A JP2001110553 A JP 2001110553A JP 29197099 A JP29197099 A JP 29197099A JP 29197099 A JP29197099 A JP 29197099A JP 2001110553 A JP2001110553 A JP 2001110553A
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sic
heating
heating element
sintered body
gas atmosphere
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Hiroaki Kitahama
裕章 北浜
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TOKAI KONETSU KOGYO KK
Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd
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TOKAI KONETSU KOGYO KK
Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通電発熱に適した比抵抗を有し、且つ製造時
における比抵抗値の変動が少なく抵抗制御が容易であ
り、緻密でより優れた耐久性をそなえた緻密質SiC発
熱体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 一体の溶接された発熱体と非発熱体から
構成されるSiC発熱体において、発熱部が、窒素0.
1wt%以上、ホウ素0.1〜0.5wt%を含有し、
0.05〜5Ω・cmの比抵抗、15%未満の開気孔率
を有するSiC焼結体からなり、非発熱部が、Siを含
有し、0.05Ω・cm以下の比抵抗を有するSiC焼
結体からなる。発熱体を構成するSiC焼結体の製造
は、平均粒径5μm以下のSiC粉末と焼結助剤との混
合粉末を成形して成形体とし、該成形体を窒素ガス雰囲
気または窒素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で2100
〜2300℃の温度に加熱することにより行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緻密質SiC発熱
体およびその製造方法に関する。とくに、発熱体製造時
において発熱部の抵抗値の変動が少なく安定した抵抗制
御を行うことができる緻密質SiC発熱体およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SiC焼結体は、耐熱性、耐熱衝撃性、
耐食性などに優れており、発熱体に適した比抵抗特性を
有しているため、従来から1500℃程度まで加熱でき
る抵抗発熱体として広く使用されている。従来、SiC
発熱体は、一般に昇華再結晶法、すなわち、SiC粉末
に有機バインダーを混合して成形したのち焼成処理する
方法により製造されているが、この方法により製造され
たSiC焼結体は、開気孔率が15〜25%程度と大き
くなり緻密性が低く、高温における耐酸化性が劣り、過
酷な条件下で長期間安定して使用するには問題がある。
【0003】緻密なSiC焼結体を得るための手法とし
て、Prochazka によって提案されているように、焼結助
剤としてホウ素と炭素を加える常圧焼結法がある(Spec
ialCeramics、Vol.6 、British Ceramic Research Asso
ciation、1975、P171-182)。この方法により得られるS
iC焼結体は緻密ではあるが、常温から数100℃の範
囲において、電気抵抗の温度変化が大きい負特性を示す
ため、発熱体として使用し難い。
【0004】発熱体用SiC焼結体の従来の特性を改善
するために種々の試みがなされており、例えば、ホウ素
と炭素を焼結助剤として添加したSiC焼結体の電気特
性を改善する方法として、平均粒径が1.0μm以下の
SiC粉末に0.3wt%のホウ素に相当する量のホウ
素またはホウ素化合物と0.1〜0.6wt%の炭素に
相当する量の炭素または炭素化合物を添加した原料系を
成形し、一次焼結により理論密度の70〜95%の密度
を有する焼結体を得た後、加圧下で窒素を固溶させる二
次焼結を経て低抵抗のSiC発熱体を得る方法が提案さ
れている(特公昭61−56187号公報)。
【0005】上記の方法において、加圧された窒素ガス
雰囲気中での二次焼結は、一次焼結後の粒成長の進んだ
組織中に窒素を固溶させ適切な導電性を有するSiC焼
結体を得るために行われるものであるが、加圧された窒
素ガス雰囲気中で焼結することにより得られたSiC発
熱部は、該発熱部に非発熱部を溶接一体としてSiC発
熱体を製造する工程において、常圧の窒素ガス雰囲気ま
たはアルゴンガス雰囲気、または真空雰囲気中で150
0〜2000℃に加熱した場合、比抵抗値が顕著に増加
して抵抗値の制御が困難となるという問題点がある。ま
た、一次焼結時の到達温度が二次焼結後に得られる焼結
体の比抵抗値に大きく影響し、所定の範囲の密度となっ
た時点で焼結を止めて得た一次焼結後の焼結体の密度の
ばらつきも大きく、抵抗制御をさらに困難とする原因と
なっている。
【0006】SiC発熱体は、SiC焼結体からなる発
熱部と、該発熱部に対して十分に比抵抗値が小さく、通
電してもジュール熱をほとんど発生しない非発熱部から
構成されており、発熱部と非発熱部とは溶接により接合
一体化されている。発明者らは、常圧焼結法をベースと
するSiC焼結体の組成、組織性状と比抵抗特性、溶接
工程での比抵抗値の変動の関連、所望の組成、組織性状
を得るための製造条件、通電発熱に適した比抵抗をそな
え、且つ発熱部の抵抗値の変動が少なく安定した抵抗制
御を行うことができるSiC発熱体を得るための発熱部
と非発熱部を構成するSiC焼結体の相互作用などにつ
いて種々の角度から広範囲な試験、検討を行った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の試
験、検討の結果としてなされたものであり、その目的
は、通電発熱に適した比抵抗を有し、且つ製造時におけ
る比抵抗値の変動が少なく抵抗制御が容易であり、緻密
でより優れた耐久性をそなえた緻密質SiC発熱体およ
びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1による緻密質SiC発熱体は、溶
接一体とされた発熱部と非発熱部より構成されるSiC
発熱体において、発熱部が、窒素0.1wt%以上、ホ
ウ素0.1〜0.5wt%を含有し、0.05〜5Ω・
cmの比抵抗、15%未満の開気孔率を有するSiC焼
結体からなり、非発熱部が、Siを含有し、0.05Ω
・cm以下の比抵抗を有するSiC焼結体からなること
を特徴とする。
【0009】また、請求項2による緻密質SiC発熱体
は、請求項1のSiC発熱体において、前記非発熱部の
Si含有量が5〜30wt%であることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項3による緻密質SiC発熱
体の製造方法は、平均粒径5μm以下のSiC粉末と焼
結助剤との混合粉末を成形して成形体とし、該成形体を
窒素ガス雰囲気または窒素ガスを含む不活性ガス雰囲気
中で2100〜2300℃の温度に加熱することにより
発熱部を構成するSiC焼結体を得る工程を包含するこ
とを特徴とし、請求項4による緻密質SiC発熱体の製
造方法は、前記成形体を真空雰囲気中で2000℃以下
の温度まで加熱した後、窒素ガス雰囲気または窒素ガス
を含む不活性ガス雰囲気中で2100〜2300℃の温
度に加熱することにより発熱部を構成するSiC焼結体
を得ることを特徴とする。
【0011】請求項6による緻密質SiC発熱体の製造
方法は、発熱部を構成するSiC焼結体と非発熱部を構
成するSiC焼結体を不活性ガス雰囲気または真空雰囲
気中において、1500〜2100℃の温度で溶接し、
両者を一体化する工程を包含することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、溶接一体とされ
た発熱部と非発熱部から構成される緻密質SiC発熱体
の発熱部(溶接後)は、前記のように、窒素0.1wt
%以上、ホウ素0.1〜0.5wt%を含有し、0.0
5〜5Ω・cmの比抵抗、15%未満の開気孔率を有す
るSiC焼結体からなる。
【0013】窒素を0.1wt%以上含有することによ
り、ドナーとして作用する窒素から熱励起された伝導電
子により、常圧焼結されたSiCに導電性が付与され
る。窒素の含有量が0.1wt%未満ではその効果が十
分でない。ホウ素は、焼結助剤として添加される。好ま
しい含有量は0.1〜0.5wt%の範囲であり、この
範囲のホウ素を含有することにより、緻密性が高く比抵
抗の低い焼結体が得られる。ホウ素の含有量が0.1w
t%未満では焼結が不十分となり易く、開気孔率15%
未満の焼結体を得難くなり、0.5wt%を越えて含有
されると所定の範囲の比抵抗が得難くなる。
【0014】電気比抵抗は0.05〜5Ω・cmの範囲
が好ましく、0.05Ω・cm未満では非発熱部との抵
抗差が小さくなって非発熱部の温度がジュール熱により
上昇し金属電極部が劣化し易くなる。また、電流容量が
高くなってトランスなどの周辺設備の費用が大きくな
る。抵抗値が5Ω・cmを越えると、高電圧をかけるこ
とが必要となり、装置の絶縁や安全性の問題が生じ、既
存のSiC発熱体用周辺装置との互換性も持てなくな
る。
【0015】発熱部となるSiC焼結体の開気孔率は1
5%未満が好ましく、10%以下がさらに好ましい。開
気孔率をこのように低くして緻密性を高めることによ
り、大気中で使用した場合には安定した酸化保護膜が生
成して耐酸化性が向上し、耐久性の優れたものとなる。
【0016】非発熱部はSiを含有し、0.05Ω・c
m以下の比抵抗を有するSiC焼結体からなる。比抵抗
値が小さいほど通電による熱損失が少なくなる。0.0
1Ω・cm以下とするのがさらに好ましい。非発熱部と
なるSiC焼結体にSiを含有させることにより、発熱
部と非発熱部を溶接する工程において、非発熱部に含ま
れるSiが溶融し、発熱部と非発熱部との界面で発熱部
と反応し良好な接合部が形成される。
【0017】発熱部を構成するSiC発熱体の製造方法
について説明すると、SiC原料としては平均粒径5μ
m以下のSiC粉末を使用する。平均粒径が5μmを越
えると、焼結の駆動力が十分に得られず、開気孔率の小
さい焼結体が得難くなる。好ましくは、平均粒径2μm
以下のSiC粉末を原料とするのがよい。
【0018】上記のSiC粉末を焼結助剤と混合し、得
られた混合粉末を成形して成形体とする。焼結助剤とし
ては、例えば、B、B4 C、BNなどのB化合物および
カーボンブラックなどの炭素源を使用することができ
る。焼結性を向上させるためにAl、Al4 3 、Al
2 3 などのAl化合物を微量添加してもよい。
【0019】ついで、成形体を窒素ガス雰囲気または窒
素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で2100〜2300
℃の温度に加熱、焼成する。加熱により緻密化と窒素の
固溶が同時に進行し、気孔率が小さく良好な導電性をそ
なえたSiC焼結体が得られる。また、SiC結晶粒が
大きく成長する前の焼成の初期段階から窒素ガスとSi
C結晶粒を接触させることにより、常圧下での窒素ガス
雰囲気、また、例えばアルゴンガスと窒素ガスとの混合
ガス雰囲気、ヘリウムガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲
気においても効率よく窒素を固溶させることができ、S
iC焼結体の比抵抗を低く制御することが可能となる。
【0020】加熱、焼成雰囲気中の窒素ガスと、アルゴ
ンガス、ヘリウムガスなど不活性ガスの混合比率を調整
することにより、SiC焼結体の比抵抗値、焼結密度を
制御することができる。上記不活性ガスの混合比率は、
焼成時において常に一定である必要はなく、焼成温度域
に応じて調整することもでき、このように不活性ガスの
混合比率を調整することによってもSiC焼結体の比抵
抗値、焼結密度の制御は可能である。
【0021】ホウ素と炭素を焼結助剤として加える常圧
焼結法においては、一般に、1950℃前後に焼結収縮
のピークがあるが、焼成時の加熱雰囲気中に窒素ガスが
存在すると、SiCの焼結性が低下して焼結収縮のピー
クが高温側に移行するため、15%未満の開気孔率を有
するSiC焼結体を得るためには2100℃以上の温度
で焼成を行わなければならない。加熱温度が2300℃
を越えるとSiCの昇華が始まり、また極端な抵抗増加
が生じ易くなる。
【0022】焼結性を向上させるには、常温から200
0℃以下、例えば1500℃までを真空雰囲気中で昇温
するのが好ましい。真空中で加熱することにより、Si
C粒子表面のSiO2 が炭素との反応により効果的に除
去され、焼結性が向上する。
【0023】非発熱部を構成するSiC焼結体の製造
は、SiC粉末に焼結助剤として炭素を加え、さらに常
法に従って、バイイダー、可塑剤、溶剤などを加えて混
練したのち成形し、例えば、Si粉末中に包埋して窒素
ガス雰囲気中で加熱し、反応焼結することにより行われ
る。
【0024】発熱部を構成するSiC焼結体と非発熱部
を構成するSiC焼結体との溶接は、不活性ガス雰囲気
または真空雰囲気中において、1500〜2100℃の
温度に加熱することにより行われる。この加熱により、
接合界面において非発熱部を構成するSiC焼結体に含
まれるSiが溶融して発熱部と反応し、両者を接合一体
化する。溶接雰囲気を窒素ガス雰囲気とした場合には1
900〜2100℃の温度に加熱し、アルゴンガス雰囲
気とした場合には1500〜1800℃の温度に加熱す
るのが好ましい。溶接に先立って、SiC−C系または
SiC−Si−C系のフェノール樹脂などを含む熱硬化
性接着剤を用いて発熱部と非発熱部を仮接合してから、
加熱溶接するのが好ましい。
【0025】本発明による発熱部を構成するSiC焼結
体においては、非発熱部を構成するSiC焼結体との溶
接工程における比抵抗の増加率が15%以下、好ましい
態様では10%以下に抑えられ、従来のような顕著に抵
抗増加する現象が生じないため抵抗値の制御が容易にな
る。従来のように、加圧された窒素ガス雰囲気において
窒素固溶を行ったSiC焼結体を不活性ガス雰囲気また
は真空雰囲気において加熱処理した場合に抵抗値が増大
する原因については明確ではないが、気孔率が小さく粒
成長の進んだ一次焼結後のSiC焼結体に、加圧下で強
制的に窒素固溶を行うと、結晶格子や粒界などに歪みが
生じ、窒素の結合状態に影響を与えるためではないかと
推定される。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明するが、これらの実施例は本発明の一実施態様を示す
ものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】実施例1 (発熱部を構成するSiC焼結体の製造)平均粒径0.
7μmのSiC粉末100重量%に対して、焼結助剤と
して0.3重量%のホウ素粉末と2.0重量%のカーボ
ンブラックの混合粉末を加え、さらに有機バインダー、
可塑剤、溶剤を加えてニーダにより十分に混練した後、
外径15mm、内径9mmの金型を取付けた押出機によ
ってパイプ状に成形した。
【0028】この成形体を、窒素ガス雰囲気中におい
て、600℃の温度で3時間加熱することにより脱バイ
ンダー処理した後、黒鉛ヒータ炉内で焼成を行った。焼
成条件は、真空中で1500℃の温度に1時間加熱した
後、窒素ガス、またはアルゴンガスと窒素ガスの混合ガ
スを炉内に導入し、表1に示す温度に昇温、焼成した。
【0029】焼成により得られた発熱部を構成するSi
C焼結体の特性値を表1に示す。表1にみられるよう
に、本発明に従うSiC焼結体(実施例1〜4)はいず
れも、気孔率が小さく、窒素が固溶して適正な比抵抗値
を有している。なお、焼結体の窒素含有量は、Leco製酸
素窒素同時分析装置TC−436を用いて測定し、ホウ
素含有量は、アルカリ融解・メチレンブルー法により測
定した。
【0030】
【表1】
【0031】(非発熱部を構成するSiC焼結体の製
造)平均粒径100μmのSiC粉末と平均粒径100
μmの黒鉛粉末を混合し、さらに有機バインダー、可塑
剤、溶剤を加えて十分に混練した後、外径15mm、内
径8mmの金型を取付けた押出機によってパイプ状に成
形した。
【0032】この成形体を、脱脂処理した後、Si粉末
により包埋し、窒素ガス雰囲気中において、2000℃
の温度に加熱することにより反応焼結させた。焼成によ
り得られた非発熱部を構成するSiC焼結体の特性値
は、Si含有量が17重量%、開気孔率4%、嵩密度
2.85g/cm3 、比抵抗0.002Ω.cmであ
り、所定の特性をそなえていた。
【0033】比較例1 (発熱部を構成するSiC焼結体の製造)実施例1と同
じ方法でパイプ状の押出成形体を作製し、この成形体
を、実施例1と同様、窒素ガス雰囲気中において、60
0℃の温度で3時間加熱することにより脱バインダー処
理した後、黒鉛ヒータ炉内で焼成を行った。焼成条件
は、真空中で1500℃の温度に1時間加熱した後、ア
ルゴンスと窒素ガスの混合ガス(Ar:N2 =5:5)
を炉内に導入し、2050℃の温度に昇温、焼成した。
【0034】焼成により得られた発熱部を構成するSi
C焼結体の特性値は、窒素含有量0.32wt%、ホウ
素含有量0.22wt%、開気孔率19%、嵩密度2.
76g/cm3 、比抵抗0.24Ω・cmであり、開気
孔率が大きく、緻密性に欠ける焼結体となった。
【0035】実施例2 (発熱部を構成するSiC焼結体の製造、発熱部と非発
熱部との溶接)実施例1で作製された発熱部を構成する
SiC焼結体の両端に、実施例1で得られた非発熱部を
構成するSi−SiC焼結体を、SiC−C系の熱硬化
性接着剤を用いて接着、乾燥後、窒素ガス雰囲気中で2
000℃の温度まで昇温して溶接を行い、発熱部と非発
熱部とを一体としてなるSiC発熱体とし、発熱部を構
成するSiC焼結体について、溶接前後の抵抗変化率を
測定した。結果を表2に示す。表2に示すように、いず
れも溶接工程での抵抗変化は小さく、抵抗値の安定した
SiC発熱体を得ることができ、発熱体製造時における
抵抗管理も容易であることが立証される。
【0036】
【表2】
【0037】比較例2 (発熱部を構成するSiC焼結体の製造、発熱部と非発
熱部との溶接)実施例1と同じ方法でパイプ状の押出成
形体を作製し、この成形体を、アルゴンガス雰囲気中に
おいて2050℃の温度で一次焼結させた後、5kgf
/cm 3 の加圧窒素ガス雰囲気中において2200℃の
温度に加熱、焼成した。焼成により得られた発熱部を構
成するSiC焼結体は、開気孔率5%、比抵抗0.34
Ω・cmであった。
【0038】このSiC焼結体の両端に、実施例1で得
られた非発熱部を構成するSi−SiC焼結体を、Si
C−C系の熱硬化性接着剤を用いて接着、乾燥後、窒素
ガス雰囲気中で2000℃の温度まで昇温して溶接を行
い、発熱部と非発熱部とを一体としてなるSiC発熱体
とし、溶接前後の発熱部の抵抗変化率を測定したとこ
ろ、+20〜+40%の大きな変化率を示し、発熱体製
造時の抵抗制御が難しいことが認められた。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、通電発熱に適した比抵
抗を有し、且つ製造時における比抵抗値の変動が少なく
抵抗制御が容易であり、緻密でより優れた耐久性をそな
えた緻密質SiC発熱体およびその製造方法が提供され
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月15日(2000.3.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K092 QB09 QC13 QC51 TT24 UB01 VV19 4G001 BA22 BA60 BA62 BA68 BB22 BB23 BB62 BB67 BB68 BC13 BC32 BC46 BC47 BC52 BC54 BC57 BD22 BE33 4G026 BA14 BB14 BE02 BF09 BG02 BG27 BH13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接一体とされた発熱部と非発熱部より
    構成されるSiC発熱体において、発熱部が、窒素0.
    1wt%以上、ホウ素0.1〜0.5wt%を含有し、
    0.05〜5Ω・cmの比抵抗、15%未満の開気孔率
    を有するSiC焼結体からなり、非発熱部が、Siを含
    有し、0.05Ω・cm以下の比抵抗を有するSiC焼
    結体からなることを特徴とする緻密質SiC発熱体。
  2. 【請求項2】 前記非発熱部のSi含有量が5〜30w
    t%であることを特徴とする請求項1記載の緻密質Si
    C発熱体。
  3. 【請求項3】 平均粒径5μm以下のSiC粉末と焼結
    助剤との混合粉末を成形して成形体とし、該成形体を窒
    素ガス雰囲気または窒素ガスを含む不活性ガス雰囲気中
    で2100〜2300℃の温度に加熱することにより発
    熱部を構成するSiC焼結体を得る工程を包含すること
    を特徴とする請求項1に記載される緻密質SiC発熱体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記成形体を真空雰囲気中で2000℃
    以下の温度まで加熱した後、窒素ガス雰囲気または窒素
    ガスを含む不活性ガス雰囲気中で2100〜2300℃
    の温度に加熱することにより発熱部を構成するSiC焼
    結体を得ることを特徴とする請求項3記載の緻密質Si
    C発熱体の製造方法。
  5. 【請求項5】 発熱部を構成するSiC焼結体と非発熱
    部を構成するSiC発熱体を、不活性ガス雰囲気または
    真空雰囲気中において、1500〜2100℃の温度で
    溶接し、両者を一体化する工程を包含することを特徴と
    する請求項1に記載される緻密質SiC発熱体の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1717216A1 (en) * 2003-12-26 2006-11-02 Bridgestone Corporation Method for producing silicon carbide sintered body for heater
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