JP2005149973A - 炭化珪素発熱体及び炭化珪素発熱体の製造方法 - Google Patents

炭化珪素発熱体及び炭化珪素発熱体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
発熱体の端部の強度を高温領域において向上させるとともに、発熱体の端部の比抵抗を発熱部に比して低くし、高温特性に優れエネルギー消費量が少ない炭化珪素発熱体を提供する。
【解決手段】
SiCからなり通電により発熱する発熱部材1と、SiC及びMoSiの複合材からなり、前記発熱部材1と別部材として作製されたのちに前記発熱部材1に結合され、前記発熱部材1への通電を行うためのSiC−MoSi端部部材2と、前記SiC−MoSi端部部材2のさらに端部側に接合されたSiC及びSiの複合材からなるSiC−Si端部部材3とを有し、前記SiC−MoSi端部部材2のうち前記MoSiの含有率を25重量%以上35重量%以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品・セラミックス・ガラス製品などの加熱・焼成用に用いられる炭化珪素発熱体及び該炭化珪素発熱体の製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)発熱体は、従来から約1000℃以上の高温領域用のヒーターとして使用される。このようなSiC発熱体は、金属冶金工業やセラミックス工業などの分野で広く利用されている。
SiC発熱体が焼成炉用のヒーターとして用いられる構成では、炉内の天井部または炉床部に水平に装着されたり、炉内側壁に沿って垂直装備されたりする。このとき、SiC発熱体の発熱部が炉内に位置され、炉内の被処理物が加熱処理される。
SiC発熱体の一形態としては、棒状形状のSiC材の長手方向両端側にシリコン(Si)を含浸させたものがある。Siが含浸されない長手方向中央側は比抵抗が高く、通電によって発熱が行われる発熱部となる。Siが含浸された長手方向両端側は比抵抗が低くなり、通電時に発熱が抑えられるため、通電端子としての端部となる。しかし、このように、SiC基材にSiを含浸させて端部が作製される方法では、端部の比抵抗を発熱部の10%程度以下に調整することが難しいため、端部部分ではそれだけ電力損失が発生する。
また、SiC発熱体の他の形態としては、再結晶あるいは反応焼結法を用いて焼結したSiCからなる発熱部材と、SiC−Siの複合材からなる低抵抗の端部部材とを予め別部材として作製し、発熱部材の両端部に端部部材を接合させたものがある。発熱部材と端部部材とは、その接合面に炭化珪素、炭素、有機バインダーからなる混練物を塗布して接着され、不活性雰囲気下で熱処理加熱されることで、接着部分で溶融したSiと混練物中の炭素(C)とが反応し(反応焼結方法)、両部材が接合される。このような方法によれば、端部部材が別部材として作製されるため、端部部材の比抵抗をより低く調整することができ、端部における電力損失を少なくし省エネルギー化を図ることができる。
一方、特許文献1には、再結晶質SiC焼結体に二珪化モリブデン(MoSi)粉末を介在させ鋳込み成形を行い熱処理することで、高温域において高度の耐酸化性及び材質強度を有するSiC−MoSi複合材が得られることについて開示されている。
また、特許文献2には、SiCに助剤を加えた発熱部用の粉末原料と、SiCにMoSiを配合した非発熱部用の粉末原料とを、一軸加圧プレスによって一体成形し熱処理することで、非発熱部の温度上昇が少なく長時間安定して使用できる発熱体が得られることについて開示されている。一軸加圧プレスによる成形方法は、一般的に、ガスバーナーの点火器のような小さいものに適する。
特開平7―215781号公報 特開平8−213156号公報
しかしながら、SiC発熱体の端部にSiC−Si複合材を用いる構成では、Siの融点が約1410℃であるため、端部部分や接合部分の使用温度が1400℃程度以上になると、この部分に含まれるSiが溶融又は吹き出すことがある。Siの溶融及び吹き出しが発生すると、この部分の強度が急激に低下し、さらには折損することがある。また、溶融したSiが端部から発熱部側へ移動すると発熱部が折損することもある。
特許文献1に開示された構成では、発熱体全体にMoSiが含浸され、端部側の比抵抗が低い構成ではないため、端部での電力損失が大きくなり、省エネルギー化を図りにくい。また、このような構成では、発熱体全体が均一に発熱されるため、発熱体を焼成炉に使用した場合に断熱材部分に支持される端部も発熱することになり、焼成炉の寿命が短くなるという問題が生じることがある。また、MoSiは高価な原料であるため、発熱体全体に使用すると製造コストが高くなる。
また、特許文献1のように鋳込み成形によってSiC−MoSi複合材が製造される場合、石膏型にスラリーを注入して固めるので、長尺形状や内径に穴がある中空形状のものの製造が難しく、費用が掛かるという問題が生じることがある。
特許文献2に開示された構成では、発熱部と端部とが一体成形されているため、端部側の比抵抗を低く調整することが難しい。また、一軸加圧プレスによる成形方法では、焼成炉で用いられるヒーターなど長尺形状のものを製造する場合には、長尺形状の金型や、大きなプレス機が必要となるという問題がある。また、端部側では、MoSiが熱処理により溶融してSiC粉末を結合させる組織となり比較的に気孔率が高くなるため、端部は高温域での使用が難しく、強度が低く長尺品の場合では折れやすくなるなどの問題が生じることがある。
そこで、本発明の目的としては、上記した問題点を解決することであり、発熱体の端部の強度を高温領域において向上させるとともに、発熱体の端部の比抵抗を発熱部に比して低くし、高温特性に優れエネルギー消費量が少ない炭化珪素発熱体を提供することである。
本発明の第1の構成は、炭化珪素からなり通電により発熱する発熱部材と、二珪化モリブデンの含有率が25重量%以上35重量%以下である炭化珪素及び二珪化モリブデンの複合材からなり前記発熱部への通電を行うための端部部材とを有し、焼成炉の発熱体として使用されることを特徴とする炭化珪素発熱体である。
本発明の第2の構成は、炭化珪素からなり通電により発熱する発熱部材と、二珪化モリブデンの含有率が25重量%以上35重量%以下である炭化珪素及び二珪化モリブデンの複合材からなり、前記発熱部材と別部材として作製されたのちに前記発熱部材に反応焼結方法によって結合され、前記発熱部材への通電を行うための端部部材とを有することを特徴とする炭化珪素発熱体である。
本発明の第3の構成は、上記第1又は第2の構成において、前記端部部材の比抵抗ρが0.003Ωcm以上0.030Ωcm以下であることを特徴とする炭化珪素発熱体である。
本発明の第4の構成は、上記第1から第3のいずれかの構成において、前記端部部材は前記発熱部材に接合されない側に炭化珪素及び珪素の複合材からなる端部部材をさらに有することを特徴とする炭化珪素発熱体である。
本発明の第5の構成は、炭化珪素からなる発熱部材と、吸水率が6重量%以上10重量%以下である再結晶質炭化珪素に、該再結晶質炭化珪素の重量に対して含浸率が35重量%以上55重量%以下の二珪化モリブデンを不活性雰囲気下2000℃以上2100℃以下で含浸した端部部材とを仮接着したのち、不活性雰囲気下2000℃以上2050℃以下で焼成して接合させ炭化珪素発熱体を製造することを特徴とする炭化珪素発熱体の製造方法である。
本願の請求項1から4に係る発明によれば、発熱体の端部の強度を高温領域において向上させるとともに、発熱体の端部の比抵抗を発熱部に比して低くさせるため、高温特性に優れエネルギー消費量が少ない炭化珪素発熱体を提供することができる。このような本発明の炭化珪素発熱体は、従来使用が困難であった高温域において使用可能であるため、より幅広い分野に応用することができるようになる。
本願の請求項1及び2に係る発明によれば、端部部材がSiCとMoSiの複合材からなり、端部部材のうちMoSiの含有率が25重量%以上35重量%以下であることにより、端部部材の融点がSiの融点以上となるため、端部部材がSiの融点以上に加熱されてもSiの溶融や吹き出しを防止することができる。また、端部部材は、SiCとMoSiの複合材からなることにより、端部部材の発熱を抑えて省エネルギー化を図るとともに、端部部材の発熱によって炉材が損傷されないようにすることができる。
本願の請求項2に係る発明によれば、発熱部材と端部部材とが予め別部材として作製されたのちに反応焼結方法により接合されることにより、端部部材の比抵抗をより低く調整することができる。また、一軸加圧プレスなどの成形方法によって発熱部材と端部部材とを一体成形する場合に比べ、端部部材の気孔率が低くなり高温域での強度が増す。また、一体成形する場合に比べ、大きいサイズの発熱体が得られる。
本願の請求項3に係る発明によれば、端部部材の比抵抗が0.003Ωcm以上0.030Ωcm以下であることにより、端部部材の発熱を発熱部材に比して抑えるように調整することができ、発熱体全体の電力消費量を少なくするとともに端部部材の発熱によって炉材が折損しなようにすることができる。
本願の請求項4に係る発明によれば、端部部材の発熱部材に接合されない側にSiCとSiの複合材からなる端部部材をさらに有することにより、発熱部材と接合される端部部材には高温特性の優れたSiCとMoSiの複合材が用いられるためSiの溶融や吹き出しが防止されるとともに、発熱部材から離れた低温領域にはより低価格で汎用されたSiCとSiの複合材が用いられるため、炭化珪素発熱体を低コストで作製することができるようになる。
本願の請求項5に係る発明によれば、上記した請求項1から4に記載の炭化珪素発熱体と同様の効果を有する炭化珪素発熱体を製造することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。なお、本実施の形態における例示が本発明を限定することはない。
図1は、本実施の形態に係るSiC発熱体の構成を示す図である。
図1において、SiC発熱体10は棒状形状であり、長手方向中央部に位置し、SiCからなる発熱部材1と、前記発熱部材1の長手方向両端部に位置し、SiCとMoSiの複合材からなるSiC−MoSi端部部材2と、前記SiC−MoSi端部部材のさらに端部側に位置し、SiCとSiの複合材からなるSiC−Si端部部材3とから構成される。前記発熱部材1、前記SiC−MoSi端部部材2、及び前記SiC−Si端部部材3はそれぞれ別部材で構成されたのちに、反応焼結方法を用いて接合される。
前記SiC発熱体10は、焼成炉などに設置されると、前記SiC−MoSi端部部材2及び前記SiC−Si端部部材3が炉壁5によって支持され、発熱部材1が炉内に位置するようになる。ここで、SiC−MoSi端部部材2は炉内側の高温域に位置し、SiC−Si端部部材3は炉外側の低温域に位置するようになる。
このような構成では、SiC−Si端部部材3が高温にならないため、SiC−Si複合材に含まれるSiが遊離せず、Siの吹き出しや溶融などが発生しにくくなる。また、SiC−MoSi端部部材2は炉内に位置するため高温になるが、SiC−MoSi複合材はSiの融点以上になってもSiが遊離しないため、Siの吹き出しや溶融を防ぐことができる。よって、発熱体10は焼成炉にセットされた状態でSiの遊離が生じないようになる。
前記発熱部材1はSiC焼結体から構成される。このような発熱部材1は、例えば、炭化珪素粉末とバインダーとで成形したものを焼成で再結晶化させて製造される(いわゆる再結晶法)。または、前記発熱部材1は、SiC粉末に炭素(C)粉末または、C源物質(樹脂のような加熱により炭化する物質)を混合して混合物とし、この混合物を用いて成形体とし、この成形体を焼結する際に溶融Siを含浸させて、CとSiとを反応させて製造される(いわゆる反応焼結法)。または、前記発熱部材1は、SiC粉末とB粉末やC粉末からなる成形体を焼結させて製造される(いわゆる常圧焼結法)。あるいは、前記発熱部材1は加圧焼結法によって製造される。このような発熱部材1の比抵抗値は規格に応じて0.1Ωcm程度に調整される。
前記SiC−MoSi端部部材2は、基材となる再結晶質SiCにMoSiを含浸させたものが用いられる。
この再結晶質SiCは、吸水率が6重量%以上12%以下であることが好ましい。6重量%未満であると、SiCに含浸されるMoSiの量が少なく、比抵抗が高くなるため好ましくない。また、12%より大きいと、SiCに含浸されるMoSiの量が多く、基材の強度が低くなり、ハンドリング性が悪化するため好ましくない。
また、上記した再結晶質SiCからなるSiC基材に含浸されるMoSiの重量は、SiC基材の重量に対して35重量%以上55重量%以下であることが好ましい。これは、含浸後のSiC−MoSi端部部材2に対するMoSiの含有率としては25重量%以上35重量%以下である。MoSiの含有率が25重量%未満であると、含浸後のSiC−MoSi端部部材2の比抵抗が高くなり、通電時に発熱をともなうため端部部材として好ましくない。また、含浸後のSiC−MoSi端部部材2の含有率が35重量%より大きいと、含浸後のSiC−MoSi端部部材2の外表面のゴテツキ(余剰のMoSiが表面に付着したもの)がひどくなり、このゴテツキの除去が困難となるため好ましくない。
前記SiC−MoSi端部部材2は、前記SiC基材を粉末状のMoSiとともに不活性雰囲気下で2000℃以上2100℃以下で焼成することで、前記SiC基材にMoSiを含浸させて得られる。焼成温度が2000℃未満では、MoSiの融点以下であるため含浸が行われない。また、焼成温度が2100℃より高いと、溶融したMoSiが低粘度となるため均一に含浸させることが困難となる。
また、前記SiC−MoSi端部部材2は、MoSiの含有率を大きくすると比抵抗が低下し、MoSiの含有率を小さくすると比抵抗が上昇する。このようにMoSiの含有率を調整することによって、SiC−MoSi端部部材2は比抵抗を0.003Ωcm以上0.03Ωcm以下に調整される。
ところで、SiC−MoSi端部部材2の比抵抗は発熱部材1の比抵抗より10分の1程度低く調整されることで、発熱体10の端部側の発熱を抑えることができるようになり、発熱体10全体の電力消費量が低減されるとともに炉材の損傷が防止されるようになる。
前記SiC−MoSi端部部材2の比抵抗を0.03Ωcmより大きくすると、発熱部材1の比抵抗を調整が困難な0.3Ωcmより大きくする必要があるため好ましくない。
また、前記前記SiC−MoSi端部部材2の比抵抗が0.003Ωcm未満では、前記SiC−MoSi端部部材2のうちMoSiの含有率が増加して前記SiC−MoSi端部部材2の外表面にゴテツキが発生するため好ましくない。
なお、SiC−MoSi端部部材2として、比抵抗及び固有抵抗値が低いMoSiのみからなるものを使用することが考えられる。しかし、MoSiは常温で脆性を有し、高温では低強度であるため、MoSi単独で使用することは難しい。
SiC−MoSi端部部材2を押し出しプレスによる成形方法を用いて製造する場合、まず、SiCと有機バインダーとの混練物を押し出しプレスでパイプ形状品に成形し、乾燥後焼成することで再結晶質SiC焼結体を得る。このSiC焼結体を規定寸法に切断して、SiC焼結体の気孔部にMoSiを溶融含浸して、抵抗値の低い端部部材を得る。押し出しプレスによる成形方法の場合、焼成炉で用いる長尺品が容易に製造できる。また、このような製造方法によれば、再結晶したSiCの気孔部にMoSiが溶融含浸されるため、組織の気孔率が低くなって高温域で使用でき、強度が高く長尺品においても折れにくくなる。
前記SiC−Si端部部材3は、SiC−Si複合材から構成される。このSiC−Si端部部材3のうちSiの含有率は10重量%以上20重量%以下が好ましい。また、このSiC−Si端部部材3の比抵抗は0.002Ωcm以上0.005Ωcm以下が好ましい。
発熱部材1とSiC−MoSi端部部材2とを接合させるためには、接合材を用いて両者を仮接着し、不活性雰囲気下2000℃以上2100℃以下で焼成して接合させる。熱処理温度が2000℃未満では、MoSiの融点以下であり、発熱部材1とSiC−MoSi端部部材2とが十分に結合されない。また、熱処理温度が2100℃より大きいと、MoSiが溶融して発熱部材1側へ移動するため、発熱体10としての信頼性を欠くことがある。
また、SiC−MoSi端部部材2とSiC−Si端部部材3との接合も、発熱部材1とSiC−MoSi端部部材2との接合と同様に接合される。この場合、発熱部材1、SiC−MoSi端部部材2、及びSiC−Si端部部材3がそれぞれ仮接着されたのち、同時に熱処理される。
このように、本実施の形態によれば、発熱体10のうち端部側のSiC−MoSi端部部材2が高融点材料であることにより、発熱部材1が高温になっても端部側からSiが遊離することがなくなるため、端部側の高温強度が著しく低下しないようになる。このため、炉内温度をSiの融点より高い温度にして発熱体10を使用することができる。
また、SiC−MoSi系の複合材では、高温酸化により表面がシリカガラス膜で覆われるため優れた耐酸化性を示す。これによって、酸性雰囲気の炉内で本SiC発熱体を使用することができる。
また、MoSiは高価な材料であるため、発熱体10の端部側であって、SiC−MoSi端部部材2のさらに端部側の低温領域に、比較的安価なSiC−Si複合材からなるSiC−Si端部部材3を用いて、発熱体10全体のコストを低減させることができる。なお、発熱体10の端部側全体をSiC−MoSi複合材からなるSiC−MoSi端部部材2とする構成にしてもよい。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1では、SiC発熱体は図1に示す構成を有する。発熱部材1はSiCからなり、比抵抗が0.1Ωcmである。SiC−MoSi端部部材2は、吸水率9%の再結晶質SiC基材に、含浸率がSiC基材の重量の50重量%のMoSiを不活性雰囲気下2050℃で含浸させたものであり、MoSi含有率33%、嵩密度3.66g/cm3、比抵抗ρ=0.01Ωcmである。SiC−Si端部部材3は、SiC−Siからなり、比抵抗が0.003Ωcmである。そして、発熱部材1の両端部にSiC−MoSi端部部材2を接着し、さらにその両端部にSiC−Si端部部材3を接着させ、不活性雰囲気下2000℃で熱処理を行い、それぞれの部材を接合させた。
この実施例1のSiC発熱体は、図1に示すように焼成炉に装着され、炉内温度1600℃大気中で1000時間連続稼動して熱処理され、熱処理後に取り出され状態を調べた。その結果を表1に示す。
(実施例2、3)
実施例2、3では、SiC−MoSi端部部材2のMoSiの含浸率を変更した以外は、上記した実施例1と同様にしてSiC発熱体を得た。実施例2のSiC−MoSi端部部材2は、吸水率9%の再結晶質SiC基材に、含浸率がその重量の55重量%のMoSiを不活性雰囲気下2050℃で含浸させ製造したものであり、MoSi含有率35重量%、嵩密度3.67g/cm3、比抵抗ρ=0.0073Ωcmである。実施例3のSiC−MoSi端部部材2は、吸水率9%の再結晶質SiC基材に、含浸率がその重量の35重量%のMoSiを不活性雰囲気下2050℃で含浸させ製造したものであり、MoSi含有率25重量%、嵩密度3.63g/cm3、比抵抗ρ=0.0015Ωcmである。また、上記した実施例1と同様に熱処理した後に状態を調べた(表1)。
(比較例1、2)
比較例1、2では、SiC−MoSi端部部材2のMoSiの含浸率を変更した以外は、上記した実施例1と同様にしてSiC発熱体を得た。比較例1のSiC−MoSi端部部材2は、吸水率9%の再結晶質SiC基材に、含浸率がその重量の60重量%のMoSiを不活性雰囲気下2050℃で含浸させ製造したものであり、MoSi含有率38重量%、嵩密度3.82g/cm3、比抵抗ρ=0.0010Ωcmである。比較例2のSiC−MoSi端部部材2は、吸水率9%の再結晶質SiC基材に、含浸率がその重量の30重量%のMoSiを不活性雰囲気下2050℃で含浸させ製造したものであり、MoSi含有率23重量%、嵩密度3.48g/cm3、比抵抗ρ=0.080Ωcmである。また、上記した実施例1と同様に熱処理した後に状態を調べた(表1)。
(比較例3)
比較例3では、図2に示すように、従来例と同様に端部部材6をSiC−Siのみで構成した。発熱部材1の両端部にSiC−Siからなる端部部材6を接着した以外は、上記した実施例1と同様にしてSiC発熱体を得た。比較例3の端部部材6は、嵩密度2.98g/cm3、比抵抗ρ=0.0032Ωcmである。また、上記した実施例1と同様に熱処理した後に状態を調べた(表1)。
Figure 2005149973
表1に示すように、上記した実施例1から3のSiC発熱体は、1600℃大気中1000時間連続稼動後に、発熱部材1、SiC−MoSi端部部材2、及びSiC−Si端部部材3の折損が無く、SiC−MoSi端部部材2の抵抗増加率がそれぞれ10%、8%、13%であった。よって、実施例1から3のSiC発熱体はいずれも、端部部材からSiが溶融することがなく端部部材の寿命が向上されるため、1400℃以上の高温においての使用に耐えうる。
一方、比較例1では、MoSi含浸後の端部外表面のゴテツキがひどく、このゴテツキの除去が困難であり、SiC発熱体として使用することが不可能であった。
比較例2では、SiC−MoSi端部部材2の比抵抗が0.08Ωcmであり、実施例1から3の比抵抗より大きい。よって、通電時にSiC−MoSi端部部材2の発熱を抑えることができないため、端部部材として使用することは難しい。
比較例3では、1600℃大気中で熱処理している間に98時間経過した時点で発熱部材1が折損した。これは、端部部材6が高温域側にあることでSiの融点以上に加熱され、SiC−Si複合材からSiが遊離して発熱部材1側に移動したためである。また、SiC−Si端部部材6からのSiの吹き出しも多かった。よって、このようなSiC発熱体1はSiの融点である1410℃以上で使用することは難しい。
このように、SiCからなる発熱部材1と、SiC−MoSiからなる端部部材2とを予め別部材として作製しその後に接合したSiC発熱体10において、端部部材2のMoSiの含有率を25重量%以上35重量%以下とすることで、Siの融点以上の高温域である1600℃までの使用に耐えうる高温特性に優れたSiC発熱体を得ることができる。
本発明の実施の形態に係るSiC発熱体の構成を示す図である。 比較例のSiC発熱体の構成を示す図である。
符号の説明
1 SiC発熱部材
2 SiC−MoSi端部部材
3 SiC−Si端部部材
4 接合部
5 炉壁レンガ
6 比較例のSiC−Si端部部材
10 SiC発熱体

Claims (5)

  1. 炭化珪素からなり通電により発熱する発熱部材と、二珪化モリブデンの含有率が25重量%以上35重量%以下である炭化珪素及び二珪化モリブデンの複合材からなり前記発熱部への通電を行うための端部部材とを有し、焼成炉の発熱体として使用されることを特徴とする炭化珪素発熱体。
  2. 炭化珪素からなり通電により発熱する発熱部材と、二珪化モリブデンの含有率が25重量%以上35重量%以下である炭化珪素及び二珪化モリブデンの複合材からなり、前記発熱部材と別部材として作製されたのちに前記発熱部材に反応焼結方法によって結合され、前記発熱部材への通電を行うための端部部材とを有することを特徴とする炭化珪素発熱体。
  3. 前記端部部材の比抵抗ρが0.003Ωcm以上0.030Ωcm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪素発熱体。
  4. 前記端部部材は前記発熱部材に接合されない側に炭化珪素及び珪素の複合材からなる端部部材をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の炭化珪素発熱体。
  5. 炭化珪素からなる発熱部材と、吸水率が6重量%以上10重量%以下である再結晶質炭化珪素に、該再結晶質炭化珪素の重量に対して含浸率が35重量%以上55重量%以下の二珪化モリブデンを不活性雰囲気下2000℃以上2100℃以下で含浸した端部部材とを仮接着したのち、不活性雰囲気下2000℃以上2050℃以下で焼成して接合させ炭化珪素発熱体を製造することを特徴とする炭化珪素発熱体の製造方法。
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