JP4632205B2 - 二珪化モリブデン系セラミック発熱体 - Google Patents

二珪化モリブデン系セラミック発熱体 Download PDF

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    • H05B2203/018Heaters using heating elements comprising mosi2

Description

本発明は、二珪化モリブデン系セラミック発熱体に関する。
二珪化モリブデン系セラミック発熱体(以下「MoSi系発熱体」という)は、シリカ(SiO)の酸化保護被膜の生成により高温で優れた耐酸化性を示すため、酸化性雰囲気で使用される高温加熱炉用発熱体として用いられている。一般にMoSi系発熱体は、MoSi粉末に膨潤ベントナイトを含有する粘土鉱物を加えて製造され、発熱体中にはシリカ系酸化物相が10〜20vol%程度含まれている。粘度鉱物は成形助剤、焼結助剤、シリカ保護被膜生成促進剤及び抵抗調整剤等として機能する。
MoSi系発熱体の製造工程を概略すると、原料紛末に所定量のバインダーと水を加えて混練して作製した粘土を押出成形して、所定の線径・長さのグリーンを作製する。このグリーンを所定の条件で乾燥・焼結することで発熱体素材を得ることができる。バインダーとして有機系の材料を多量に使用する場合には、焼結前に水素雰囲気中などで脱脂を行うのが一般的である。発熱体素材は高温で優れた可塑性を有するため、その後、高温で直線度の校正を行う。
具体的には、発熱体素材に電流を印加して自己発熱させ、その状態で発熱体素材両端に所定の張力を負荷することで発熱体の直線度の校正を行う。この操作は大気中で行うため、発熱体素材が可塑性を有する温度域では二珪化モリブデン系セラミック中のシリコン(Si)が選択酸化され、或いは、通常添加剤中に含まれるガラス成分により、発熱体表面にガラス質の緻密な酸化被膜が生成する。発熱体表面に酸化被膜が生成すると、発熱体素材の強度特性や耐酸化特性が著しく改善される。このように、一般にMoSi系発熱体表面には酸化被膜が予め形成されている。また、上述の処理を行うことで発熱体素材の焼結も進行する(通電焼結)。
このようにして得られた素線を曲げ加工及び接合することで目的とする形状の発熱体が完成する。代表的なU字形状のMoSi系発熱体では、端子部の径を発熱部の径の約2倍とすることで、端子部の抵抗を下げ、通電加熱時に発熱部のみが高温になるような構造を有している。発熱部と端子部の接合法としては、両者を加圧しながら電気抵抗突合せによって加熱し固相拡散接合させる方法が一般的である。
MoSi系材料では、400℃〜600℃において、バルク体が酸化によって粉化するペストと呼ばれる特有の現象が生じるため、MoSi系発熱体は低温での使用には適さないとされている。ペスト現象は、高温加熱炉用発熱体においても低温度域に曝される端子部で発生しやすく、導通不良や破断といった不具合を引き起こすことがある。
非特許文献1には、MoSi系セラミックの欠陥部あるいは粒界におけるMoOの生成に伴う体積膨張と高い蒸気圧がペスト現象の原因であると報告されている。そのため、ペストの防止には十分緻密な材料を作製し、クラックやポア等の欠陥を無くすことが有効と考えられる。
また、特許文献1では、粒界におけるMoOの形成による粒界剥離(分離)がペストの主原因であると考え、MoSi結晶粒子の粒界ができるだけ少なくなるようなMoSi系セラミックの材料設計を行っている。即ち、発熱体中のシリカ系酸化物の含有量が従来に比べ多くなるように膨潤ベントナイトを含有する粘土鉱物を加えている。MoSi結晶粒子の粒界にシリカ系酸化物相が存在する組織とすることにより、ペスト現象が抑制できる。また、ペスト現象が起こり易い端子部に、このような組織の材料を使用することで、発熱体の耐久性を向上させることができる。
しかしながら、上記特許文献1に開示される発熱体は、1200℃以下の低温加熱炉用としては充分な耐熱性を発揮し得るが、より高温域で使用される加熱炉用とした場合には耐熱性が問題となる。即ち、発熱部でも、シリカ系酸化物の含有量が多いため融点が低下し、高温に曝されたとき、変形、気泡等が発生して発熱体として機能し得ないことがある。
特開平11−317282号公報 黒川、第22回コロージョン・セミナー、腐食防食協会、1995、63―81頁
従って、本発明の目的は、優れた耐熱性及び耐ペスト性を有し、1200℃を超える高温域においても長期間に亘り使用できるMoSi系発熱体を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明のMoSi系発熱体は、シリカ系酸化物の含有量が5vol以上25vol%以下の発熱部と、30vol以上60vol%以下の端子部とからなることを特徴とする。ここで、発熱部と端子部の比抵抗差を20%以内とするのが好ましい。
さらに本発明では、シリカ系酸化物含有量が5vol以上15vol%未満の発熱部と、30vol%以上60vol%以下の端子部との間にシリカ系酸化物含有量が15vol%以上30vol%未満の中間部を設置することもできる。ここで、発熱部と中間部、および端子部と中間部の比抵抗差を20%以下とするのが好ましい。
本発明に係るMoSi系発熱体は、発熱部のシリカ系酸化物の含有量が5vol以上25vol%以下で、端子部のシリカ系酸化物の含有量が30vol以上60vol%以下であるため、耐熱性及び耐ペスト性に優れる。ここで、発熱部と端子部の比抵抗差を20%以内とすることにより、接合時の通電による両者の発熱温度の差を低減できるため、接合強度を向上させ、信頼性を高めることができる。これにより線径が一般市場品と互換があり、かつ耐熱性及び耐ペスト性に優れたMoSi系発熱体を製造することができる。
また、シリカ系酸化物の含有量が5vol以上15vol%未満の発熱部と30vol%以上60vol%以下の端子部との間に、シリカ系酸化物の含有量が15vol%以上30vol%未満の中間部を介在させた本発明のMoSi系発熱体でも、同様に優れた耐熱性及び耐ペスト性が得られる。ここで、各部材間の比抵抗差を20%以内とすることにより、接合強度を向上させ、発熱体の信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るMoSi系発熱体を示す図である。第1の実施形態に係るMoSi系発熱体1は、シリカ系酸化物の含有量が5vol以上25vol%以下の発熱部10と、30vol以上60vol%以下の端子部20を加圧しながら電気抵抗突合せ法によって加熱して固相拡散接合させたものである。ここで、発熱部10のシリカ系酸化物の含有量は5vol以上15vol%以下とするのがより好ましい。端子部20の一方の端面22と、U字型の発熱部10の端面が接合されている。発熱部10および端子部20の表面は、酸化物被膜によって覆われているが、端子部20の一部は酸化物被膜が除去され、そこに電極としてAl溶射膜24が形成されている。
発熱部10と端子部20のシリカ系酸化物の含有量は、粘土鉱物の添加量によって制御する。MoSi粉末と粘土鉱物を混合した後、押出成形によって所定の径を有する棒状に成形して乾燥し、得られたグリーンを焼結して発熱体素材を作製する。ここで、シリカ系酸化物の含有量は、発熱体の破断面を1μmのアルミナを用いてバフ研磨した後の光学顕微鏡写真(×1000)から画像解析により求めた。具体的には、発熱体研磨面の光学顕微鏡写真をLuzex Fリアルタイム画像処理解析装置(株式会社ニレコ製)に取り込み、画像処理して、求められたシリカ系酸化物の面積率をシリカ系酸化物の含有量とした。尚、面積率は5視野の平均値とした。
接合方法としては、通常、図4に示す電気抵抗突合せ接合が行われる。発熱部110と端子部120にそれぞれ電極130、132を取り付け、発熱部110の端面112と端子部120の端面122とを接触させた状態で交流電流を電極130、132間に印加することにより、端面112、122を加圧下で加熱して接合する。ここで、発熱部及び端子部の接合端面112、122からそれぞれの電極130、132までの距離A、Bを調整することができる。即ち、発熱部110側の距離Aをより長く、端子部120側の距離Bまたは端子勾配部の長さCをより短くする。発熱部110と端子部120ではシリカ系酸化物の含有量が異なるため、両者の比抵抗が異なり、通電時に両部材間で温度差が生じるが、上記の方法で、発熱部110及び端子部120の発熱量を同程度に調整することができる。この結果、両部材間の温度差が小さくなり、充分な固相拡散を進行させることができるため、優れた接合強度の発熱体が得られる。
また、粘土鉱物の添加量が異なり、シリカ系酸化物含有量が異なる発熱部10と端子部20の焼結温度を変えることにより、両部材間の比抵抗差を小さくすることができる。ここで、両部材間の比抵抗差が20%以内であれば、接合時に充分な固相拡散が進行し、信頼性の優れた発熱体が得られる。尚、シリカ系酸化物の含有量等を傾斜させた部材を用いる場合には、少なくとも接合部付近での両部材間の比抵抗差が20%以内であればよい。端子部をより高温で焼成させるほどMoSi結晶及びシリカ系酸化物の粒子が粒成長を起す。そのため、比抵抗を低くしたい端子部20は発熱部10よりもより高温で焼結し、発熱部10と端子部20の比抵抗差が20%以内になるような焼結条件を選定すればよい。このときの焼結はアルゴンなどの不活性ガス雰囲気又は水素雰囲気下で行うことが好ましい。ここで、発熱部と端子部との比抵抗差とは、発熱部の室温比抵抗に対する端子部の室温比抵抗と発熱部の室温比抵抗との差の比のことをいう。
この方法で比抵抗を調整すれば、端子部及び発熱部の接合端面と電極との距離を調整する必要がない。そのため、発熱部側の距離Aを長くすることにより生じやすい接合部以外の箇所での変形、端子部側の距離B、又は端子勾配部の長さCを短くした場合、接合時に発生した熱の電極132への伝導により生じやすい電極132の酸化によるスパーク等の弊害を防止できる。また、端子部の線径等を変えて比抵抗を調整する必要もないため、一般市場品と互換性があり、且つ接合強度の高い発熱体を提供することができる。
発熱部10と端子部20を同じ条件で焼成した後、端子部20を大気中にて再び加熱処理し、MoSi結晶とシリカ系酸化物の粒子を粗大化させることもできる。この場合、発熱部との比抵抗差が一定範囲になるように熱処理条件を選定すればよい。尚、酸化雰囲気下で熱処理を行う場合には端子部には数十μmのシリカ保護被膜が形成されるため、端子部の耐ペスト性を更に高める働きもある。
このように、シリカ系酸化物含有量が異なる発熱部10と端子部20の焼成或いは酸化処理条件を制御し、両者の比抵抗差を20%以内とすることにより、より信頼性の高い電気抵抗突合せ接合を実現することができる。この際の加熱方式は、前述した被接合体に電流を印加して加熱する通電方式(図4を参照)の他、MoSi系材料の金属導電性を利用して高周波誘導方式も適用できる。高周波誘導方式は、発熱部および端子部を加圧した状態でその周囲に誘導コイルを巻き、誘導コイルに高周波交流電流を印加して発熱体にうず電流を誘導し、うず電流と発熱体との電気抵抗によりジュール熱を発生させ、発熱部10と端子部20とを接合させるものである。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るMoSi系発熱体を示す図である。第2の実施形態に係るMoSi系発熱体2は、シリカ系酸化物の含有量が5vol以上15vol%未満の発熱部10と、30vol%以上60vol%以下の端子部20との間にシリカ系酸化物の含有量が15vol%以上30vol%未満の中間部30を備える。本実施形態では中間部30は、発熱部10と同一径を有し、中間部30の一方の端面が発熱部10に接合され、他方の端面が端子部20に接合されている。また、本構成においても、発熱部10、端子部20および中間部30のシリカ系酸化物含の有量は、粘土鉱物の添加量によって制御する。
本構成の発熱体は各部材同士を加圧しながら電気抵抗突合せ法により加熱して固相拡散接合させたものである。この構成でも、上記と同様に、通電方式の他、高周波誘導方式によって被接合体を加熱することもできる。ここでも、シリカ系酸化物含有量が異なる発熱部10、端子部20、及び中間部30の焼成温度を変えることにより、接合する部材間の比抵抗差を小さくすることができる。即ち、端子部20を中間部30及び発熱部10より、高温で焼成しMoSi結晶及びシリカ系酸化物の粒成長を進行させ、比抵抗を低くし、中間部30は端子部20と発熱部10の中間の温度で焼成し、発熱部10は粒成長が進行しないように最も低温で焼成するのが好ましい。このように調整して、接合する部材間の比抵抗差を20%以内とすることにより、充分な固相拡散が進行し、信頼性の優れた発熱体が得られる。尚、シリカ系酸化物の含有量等を傾斜させた部材を用いる場合には、少なくとも接合部付近での両部材間の比抵抗差が20%以内であればよい。ここで、発熱部と中間部との比抵抗差とは、発熱部の室温比抵抗に対する中間部の室温比抵抗と発熱部の室温比抵抗との差の比のことをいい、端子部と中間部との比抵抗差とは、中間部の室温比抵抗に対する端子部の室温比抵抗と中間部の室温比抵抗との差の比のことをいう。
以上、MoSi相とシリカ系酸化物相から成る2相系材料について述べてきたが、MoSiのMoの一部をWで置換した化学式が(Mo1−x,W)Si(x=0.1〜0.45)の化合物を用いた発熱体、MoSi又は(Mo1−x,W)Si(x=0.1〜0.45)にMoB、MoB、MoB、Mo、WB、WB、W、SiC、HfB、ZrB、TiB、TiB、HfC、ZrC、TiCの群の中から選択される1種もしくは2種以上の化合物を添加したMoSi系発熱体に適用することもできる。
以下に具体的な実施例を説明する。
(実施例1及び比較例1,2)
MoSi粉末及びベントナイトの配合比を調整して、シリカ系酸化物含有量が10vol%の発熱部と35vol%の端子部を作製した(実施例1)。ここで、発熱部の線径を6mmφ、端子部の線径を12mmφとし、発熱部及び端子部ともAr雰囲気中、1400℃で2時間焼成した。発熱部を曲げ加工し、U字形状(端子長さ400mm−発熱部長さ670mm−シャンク幅60mm)とした後、端子部と電気抵抗突合せ接合することにより、図1に示す発熱体を作製した。尚、接合前に、端子部の発熱部との接合面が直径6mmφとなるようにNC加工機でテーパー形状に加工した。得られた発熱体を電気炉に装着し、昇温速度5℃/minで、目標温度(炉内温度)まで昇温させ、その温度で10時間保持した後の変形・発泡等の有無を確認した。(耐熱試験)。ここで、目標温度としては1400℃, 1450℃, 1500℃, 1550℃,1600℃,1650℃,及び1700℃の7水準で評価を行った。また、表面のシリカ保護被膜を除去した端子部材を電気炉中で500℃にて100時間加熱し、加熱処理後のペストの有無を確認した(低温酸化試験)。
発熱部及び端子部ともシリカ系酸化物含有量が10vol%の試料(比較例1)及び35vol%の試料(比較例2)を作製して、実施例1と同様に耐熱試験及び低温酸化試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1では1700℃で10時間保持した後も変形や発泡は認められず、良好な耐熱性を示したが、低温酸化試験ではペストが認められた。一方、比較例2では、低温酸化試験後にペストは認められなかったが、1450℃で10時間保持した後、発熱体に気泡が発生し、変形が生じた。これに対して、実施例1では、1700℃で10時間保持した後も変形や発泡は認められず、優れた耐熱性を示し、低温酸化試験においてもペストは認められなかった。
Figure 0004632205
(実施例2,3,4)
実施例1と同様に、MoSi粉末及びベントナイトの配合比を調整して、シリカ系酸化物含有量が10vol%の発熱部と35vol%の端子部を作製した。ここで、発熱部の線径を6mmφ、端子部の線径を12mmφとし、発熱部はAr雰囲気中、1400℃で2時間焼成した。一方、端子部としては、焼成温度を1450℃、1460℃及び1480℃と変えた3種類の試料を作製した(実施例2,3及び4)。それぞれの端子部の室温における比抵抗及び端子部と発熱部との比抵抗差(発熱部の室温比抵抗に対する端子部の室温比抵抗と発熱部の室温比抵抗との差の比)を表2に示す。尚、発熱部の室温比抵抗は0.29μΩ・mであった。発熱部を実施例1と同様に曲げ加工し、U字形状とした後、焼成温度の異なる各端子部と電気抵抗突合せ接合することにより、図1に示す発熱体を作製した。また、同様の条件で発熱部及び端子部とも線径を6mmφとして作製した発熱体を負荷点間スパン20mm、支持点間スパン40mmで固定し、オートグラフにて0.5mm/minのヘッドスピードで荷重を加え、接合部が破断する時の荷重(接合強度)を測定した。各実施例とも10試料ずつ測定を行い、接合強度の平均値を求めた結果を表2に示す。
表2より、焼成温度を高くして粒成長を促進させた試料では室温比抵抗が低下して、シリカ系酸化物含有量の低い発熱部の室温比抵抗値に近づくことがわかる。また、このように発熱部と端子部の比抵抗を近づけることにより、接合強度が向上することも確認された。特に、端子部と発熱部の室温比抵抗差が20%以内の実施例3及び4では200MPaを超える高い接合強度が得られた。
Figure 0004632205
(実施例5)
実施例1と同様にMoSi粉末及びベントナイトの配合比を調整して、シリカ系酸化物含有量が10vol%の発熱部と35vol%の端子部を作製した。ここで、発熱部及び端子部をAr雰囲気中、1400℃で2時間焼成した後、端子部については、さらに大気中において1500℃で5時間酸化処理を行った。得られた端子部の室温比抵抗は0.30μΩ・mであり、端子部と発熱部の室温比抵抗差は3.4%であった。発熱部を実施例1と同様に曲げ加工し、U字形状とした後、端子部と電気抵抗突合せ接合することにより、図1に示す発熱体を作製した。
このU字形発熱体を加熱試験炉に装着し、図3に示すように、昇温3時間→炉内温度1600℃で5時間保持→降温3時間のパターンを繰り返し通電加熱試験を行った。実施例2〜4のU字形発熱体についても同様に通電加熱試験を行った。それぞれの発熱体に脱落又は断線が発生したサイクル数を表3に示す。
実施例2では50サイクルで発熱体の接合部に脱落が発生した。一方、実施例2〜5では100サイクル経過後も接合部に脱落及び断線は認められず、焼成条件により端子部の比抵抗値を調整することにより、発熱体の信頼性が向上することが確認された。
Figure 0004632205
(実施例6)
MoSi粉末及びベントナイトの配合比を調整して、シリカ系酸化物含有量が10vol%の発熱部、15vol%の中間部、及び35vol%の端子部を作製した。Ar雰囲気中、1400℃で2時間焼成した後の各部材の室温比抵抗を表4に示す。ここで、発熱部及び中間部の線径が6mmφ、端子の線径が12mmφになるように作製し、端子部は中間部と接合させるために先端の接合面が6mmφになるようにテーパー加工した。尚、中間部の長さは10mmとした。発熱部を曲げ加工し、U字形状(端子長さ400mm−発熱部長さ670mm−シャンク幅60mm)とした後、中間部と電気抵抗突合せ接合し、さらに、中間部に端子部を電気抵抗突合せ接合することにより、図2に示す発熱体を作製した。得られたU字形発熱体を加熱試験炉に装着し、大気中で1サイクル昇温3時間→炉内温度1600℃で5時間保持→降温3時間のパターン(図3を参照)で100サイクルの通電試験を行った。
通電試験の結果、100サイクル経過後も発熱体の形態が維持され、接合部で脱落又は断線した試料はなかった。以上の結果より、発熱部と端子部の間にシリカ系酸化物含有量が両部材の中間の値である中間部を設置することにより、部材間の比抵抗の勾配が緩和され、発熱体の信頼性が向上することが確認できた。
Figure 0004632205
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るMoSi系発熱体の模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係るMoSi系発熱体の模式図である。 通電試験時のサイクルパターンを示す図である。 電気抵抗突合せ接合方法の概略を示す図である。
符号の説明
1、2:MoSi系発熱体
10:発熱部
20:端子部
22:接合端面
30:中間部

Claims (4)

  1. 発熱部および端子部からなる二珪化モリブデン系セラミック発熱体において、前記発熱部のシリカ系酸化物の含有量が5vol以上25vol%以下、前記端子部のシリカ系酸化物の含有量が30vol以上60vol%以下であることを特徴とする二珪化モリブデン系セラミック発熱体。
  2. 発熱部、端子部、および前記発熱部と前記端子部との間に備えられた中間部からなる二珪化モリブデン系セラミック発熱体において、前記発熱部、前記中間部および前記端子部のシリカ系酸化物の含有量がそれぞれ5vol以上15vol%未満、15vol%以上30vol%未満、および30vol%以上60vol%以下であることを特徴とする二珪化モリブデン系セラミック発熱体。
  3. 前記発熱部と前記端子部との比抵抗差が、20%以内であることを特徴とする請求項1に記載の二珪化モリブデン系セラミック発熱体。
  4. 前記発熱部と前記中間部、および前記端子部と前記中間部との比抵抗差が20%以内であることを特徴とする請求項2に記載の二珪化モリブデン系セラミック発熱体。
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