JP2006086013A - 二珪化モリブデン系セラミックス発熱体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 煩雑な工程を経ることなく、耐酸化性・強度特性に優れた二珪化モリブデン系セラミックス発熱体を提供する。
【解決手段】 本発明に係る二珪化モリブデン系セラミックス発熱体は、高周波誘導加熱を利用して高温加工された加工部を備えたことを特徴とする。また、本発明に係る二珪化モリブデン系セラミックス発熱体は、高周波誘導加熱を利用して高温接合された接合部を備えたことを特徴とする。高周波誘導加熱を利用することで、好ましくは、発熱体の発熱部、及び端部電極部を除く端子部の表面全域がシリコン(Si)系酸化物に被覆されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明に係る二珪化モリブデン系セラミックス発熱体は、高周波誘導加熱を利用して高温加工された加工部を備えたことを特徴とする。また、本発明に係る二珪化モリブデン系セラミックス発熱体は、高周波誘導加熱を利用して高温接合された接合部を備えたことを特徴とする。高周波誘導加熱を利用することで、好ましくは、発熱体の発熱部、及び端部電極部を除く端子部の表面全域がシリコン(Si)系酸化物に被覆されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、二珪化モリブデン系セラミックス発熱体及びその製造方法に関する。
二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の製造工程を概略すると、原料紛末に所定量のバインダーと水を加えて混練して作製した粘土を押出成形して所定の線径・長さのグリーンを作製する。それを所定の条件で乾燥・焼結することで発熱体素材を得ることができる。バインダーに有機系の材料を多量に使用する場合には、焼結前に水素雰囲気中などで脱脂を行うのが一般的である。発熱体素材は高温で優れた可塑性を有するため、その後、高温で直線度の校正を行う。
具体的には、発熱体素材に電流を印加して自己発熱させ、その状態で発熱体素材両端に所定の張力を負荷することで発熱体の直線度の校正を行う。この操作は大気中で行うため、発熱体素材が可塑性を有する温度域では二珪化モリブデン系セラミックス中のシリコン(Si)が選択酸化し、或いは、通常添加剤として含まれるガラス成分により、発熱体表面にガラス質の緻密な酸化被膜が生成される。発熱体表面に酸化被膜が生成されると、発熱体素材の強度特性や耐酸化特性が著しく改善される。このように、一般に二珪化モリブデン系セラミックス発熱体表面には酸化被膜が予め形成されている。また、上述の処理を行うことで発熱体素材の焼結も進行する(通電焼結)。
その後、直線度の校正と同じように発熱体素材の高温での優れた可塑性を利用して、曲げ加工したり、固相拡散の可能な温度域まで過熱して、発熱体を加圧接合して目的とする形状に製造する。この際、加熱方式は、発熱体に電流を印加して、その自己発熱を利用する自己通電加熱が一般的である。
自己通電加熱による曲げ加工方法の概略を図4に示す。図4(a)に示すように、発熱体400の曲げ加工を行うために加熱が必要な範囲を設定し、その両端の所定領域402の表面に形成されている酸化被膜を除去し、図4(b)に示すように、電極404を形成する。この状態で発熱体400が可塑性を有する温度域まで電流を印加して局部加熱を行う。そして、図4(c)に示すように、発熱体400の片端あるいは両端から外力を加えることで所定の形状に曲げ加工することができる。
電極404を設けるためには、前述したように絶縁層である表面の酸化被膜を除去しなければならない。酸化被膜を除去した部分で接触抵抗を低くして導通を得るには、その部分にAlやCuなどの金属箔などを電極として取付ける。
自己通電加熱では、このような工程により発熱体の曲げ加工を行うため、多大な工数とコストが費やされる。発熱体の接合も同様の原理が用いられる。自己通電加熱による接合方法の概略工程を図5に示す。図5(a)に示すように、発熱体510、520を接合するために加熱が必要な範囲を設定し、その両端の所定領域512、522の表面から酸化被膜を除去し、図5(b)に示すように、発熱体510、520にそれぞれ電極514、524を形成する。その状態で発熱体510、520が固相拡散の可能な温度域まで局部加熱を行い、発熱体510、520の端部同士が加圧されるように外圧を与えることで発熱体510、520が接合される。
セラミックス発熱体の加工、成形を自動化するための自動成形装置が特許文献1および特許文献2に開示されている。特許文献1の成形装置は、回動自在に指示された一対の回動曲げ機構と、回動曲げ機構を回動させる駆動機構と、回動曲げ機構間に配置された当て金とを含み、回動曲げ機構が発熱体を挟持する電極を兼ねたクランプを有し、このクランプで発熱体を通電により加熱し、当て金を支点にU字状に発熱体を屈曲成形することを可能にしている。
また、特許文献2は、特許文献1を改良するもので、当て金を使用しないで発熱体を自動成形するものである。この自動成形装置は、摺動可能に、曲げ中心以外で挟持する一対のクランプを位置決めするシリンダ装置を弾性的に成形装置に接続することで、曲げ中心の当て金を省略することを特徴とする。
発熱体を加工、接合する際に、発熱体の表面酸化被膜を除去するが、この除去した部分に酸化被膜を再生させるためには、酸化被膜が再生する温度域まで発熱体を加熱する必要がある。二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の場合、製造段階で被膜が部分的に除去された状態で出荷され、ユーザーによる発熱体の使用中に酸化被膜が再生される。
ところが、発熱体の使用中において、発熱体の発熱部の温度は高温になるが、端子部は、炉内の温度分布などの理由から発熱部よりも低温となり、酸化被膜が再生される温度域まで十分に到達しないことがある。その結果、端子部では発熱体の使用中でも酸化被膜が再生し難い部分が生じやすい。
図6(a)は、発熱体610をU字型に曲げ加工したときの状態を示す図である。発熱体610は、U字型の発熱部612と、発熱部612の両端に連結された端子部614とを有する。曲げ加工及び接合を行う際に、酸化被膜が除去された酸化被膜除去領域616、618a、618bが形成される(発熱部の曲げ加工のために酸化被膜除去領域618aが形成される)。
発熱部の酸化被膜除去領域618a、bは、使用時において酸化被膜が再生されるが、端子部614の酸化被膜除去領域616では、その使用中においても高温域に加熱されることはなく、酸化被膜が再生されにくい。二珪化モリブデン系セラミックス発熱体は、大気等の酸化雰囲気中で400〜600℃の温度域に曝され続けると、一般に低温酸化により焼結体が粉化していく二珪化モリブデン系セラミックス特有の現象(ペスト)が起こりやすくなる。曲げ加工や接合を行う際に端子部614の表面から酸化被膜が除去された部分616は、酸化被膜によって母材相が酸化雰囲気から保護されないため、粉化現象が進行し、発熱体の寿命が短くなってしまう。
図6(b)は、端子部614を45度曲げ加工した状態を示す。通常、端子先端部616cにはAl溶射等により、結線用の電極を形成するため、酸化被膜を除去する必要がある。そのため、端子部の曲げ加工においては端子先端部616cと発熱部に最も近い部分616aの2カ所で通電加熱を行うことが多い。ただし、端子部が長い場合には端子先端部616cと発熱部に最も近い部分616aとの間に皮膜除去部616bを設けて、616aと616b間で通電加熱を行うこともある。このような発熱体でも酸化被膜除去領域616a〜cについて同様の課題を有している
一方、自己通電加熱による曲げ加工を行う他にも、押出成形時に予めグリーンを所定の形状に曲げておき、それを乾燥・焼結する方法がある。しかし、この方法は、簡単ではあるが最終的な製品の形状や寸法精度のバラツキが大きいため、発熱体の品質を考えると、あまり好ましい方法ではないと言える。
そこで本発明は、煩雑な工程を経ることなく、耐酸化性・強度特性に優れた二珪化モリブデン系セラミックス発熱体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、二珪化モリブデン系セラミックス発熱体を所定の形状に曲げ加工し、または接合を行う際、その加熱方式に高周波誘導加熱方式を採用する。図1を参照して高周波誘導加熱の原理を説明する。被加熱体(例えば金属)10の周りに誘導コイル20を巻いて、誘導コイル20に高周波電源30から交流電流を印加する。高周波電流によって生じる高周波磁束40が被加熱体10を貫通し、うず電流と呼ばれる高密度の電流50を誘導し、うず電流と被加熱体の電気抵抗でジュール熱が発生し、これにより被加熱体10が表面から加熱されていく。
本発明の特徴は、高周波誘導加熱により発熱体が可塑性を有する温度域まで加熱して、発熱体を所定の形状に曲げ加工を行うこと、或いは高周波誘導加熱により固相拡散の可能な温度域まで加熱して、発熱体を加圧接合することである。二珪化モリブデン系セラミックス発熱体には、表面に絶縁性の酸化被膜が形成されるが、母材自体は導電性であるため、高周波誘導により加熱することが可能である。また、高周波誘導加熱では、誘導コイルと非接触で加熱することができるため、従来の通電加熱方式のように導通を確保するために発熱体の表面の酸化被膜を除去することや、AlやCuなどの金属箔を取付けることが不要となり、コスト的にも品質的にも改善がなされる。さらに、高周波誘導加熱は、局所加熱が可能であるため、曲げ加工、あるいは接合を行いたい部分だけ加熱することができる。
さらに、加熱方式を高周波誘導加熱にすることで、加熱時間の短縮が期待できる。曲げ加工及び接合装置の構造については、目的とする形状に曲げ加工及び接合できるように、必要な加熱電力を計算して誘導コイルの形状や装置の容量を設定すればよい。また、出力については放射温度計による温度モニタによって制御することもできる。
本発明に係る二珪化モリブデン系セラミックス発熱体は、高周波誘導加熱を利用することで、好ましくは、発熱体の発熱部、及び端部電極部を除く端子部の表面全域がシリコン(Si)系酸化物に被覆されている。端子部の端部には金属を溶射或いは、嵌合して結線用の電極が形成される。
さらに本発明に係る二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の製造方法は、二珪化モリブデン系セラミックス発熱体を高周波誘導加熱により所定の温度域まで加熱し、その状態で発熱体の曲げ加工を行うことを特徴とする。また、本発明に係る二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の製造方法は、複数の二珪化モリブデン系セラミックス発熱体を高周波誘導加熱により所定の温度域まで加熱し、その状態でそれぞれの発熱体の接合を行うことを特徴とする。
本発明による二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の製造において、高周波誘導加熱方式を利用して、発熱体を曲げ加工または接合することで、発熱体表面の酸化被膜の除去、AlやCuなどの金属箔の形成工程が不要となり、コスト的にも品質的にも改善がなされる。さらに、発熱体の端部電極部を除く表面全域に酸化被膜を形成させることができるので、従来の自己通電加熱による発熱体よりも長寿命化させることができる。
二珪化モリブデン系セラミックスは、一定温度域以上で可塑性を有するため、その性質を利用して所定の形状へと曲げ加工することができる。また、固相拡散の可能な温度域まで加熱して加圧することで発熱体同士を接合することもできる。この際の加熱方式には高周波誘導加熱を適用する。高周波誘導加熱を行うには被加熱物が導電性材料でなければならないが、二珪化モリブデン系セラミックスは室温で金属導電性を示すため、高周波誘導加熱によって曲げ加工を行う必要温度まで加熱することができる。
図2に、高周波誘導加熱方式を利用した曲げ加工方法の一例を示す。曲げ加工が可能であるように一面が開放された断面コ字型の誘導コイル100を用意し、その誘導コイル100の中に発熱体110をセットする。発熱体110の両端は、適当な箇所で支持部120により固定されるが、自己通電加熱を行わないため、支持部120で接触される箇所は酸化被膜が形成されている状態でチャッキングされる。発熱体110を保持した状態で、高周波電源130から誘導コイル100に交流電流を印加し、発熱体110が可塑性を有する温度域まで局部加熱される。発熱体110の表面温度は、通常1500〜1700℃程度まで加熱される。高周波誘導加熱の出力、時間等の条件は、発熱体の材質および線径を考慮して適宜選択することができる。
次いで、発熱体110の片端あるいは両端から外力を加えることで所定の形状に曲げ加工を行う。発熱体の接合についても上記曲げ加工方法と同じ原理で加熱すればよいが、曲げ加工のように平面の動きは必要でないため、誘導コイルの形状は一般的な円筒状を用いることができる。
本発明は純粋な二珪化モリブデン(MoSi2)相からなるセラミックス発熱体のみならず、天然あるいは人工的に合成された粘土鉱物の焼成物であるシリカ相やMoB、Mo2B、MoB2、Mo2B5、WB、 W2B、W2B5、SiC、HfB2、ZrB2、TiB、TiB2、HfC、ZrC、TiCの群の中から選択される1種もしくは2種以上の化合物からなる相を有する二珪化モリブデン系セラミック発熱体においても適用できる。粘土鉱物が添加された場合の方が高温で軟化するシリカ相を含み、発熱体材料の融点が低下するため、加工温度、加工時間及び加工時の負荷等曲げ加工の容易さという観点において有利となる。また、MoB等の化合物を添加することにより、発熱体材料の強度を向上させることができる。
さらに、本発明は、MoSi2のMoの一部をWで置換した一般式が(Mo1−x,Wx)Si2で表され、xの値が0.1〜0.45であるセラミックス発熱体にも適用できる。この場合にも、天然あるいは人工的に合成された粘土鉱物の焼成物であるシリカ相や、MoB、Mo2B、MoB2、Mo2B5、WB、W2B、W2B5、SiC、HfB2、ZrB2、TiB、TiB2、HfC、ZrC、TiCの群の中から選択される1種もしくは2種以上の化合物からなる相を添加することにより同様の効果が得られる。
図3は、高周波誘導加熱方式を利用して加工された発熱体の形状例を示す図である。図3(a)に示す発熱体200は、端子部202と、発熱部204を含み、端子部204がU字型形状に曲げ加工されている。図3(b)に示す発熱体210は、端子部212と発熱部214とを有し、端子部212が45度曲げ加工されている。図3(c)に示す発熱体220は、端子部222と発熱部224とを有し、発熱部224が90度に曲げ加工されている。
以下の具体的実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1及び比較例1)
平均粒径1〜2μmのMoSi2原料紛末85重量%にMoB粉末を15重量%配合した混合紛にメチルセルロース系有機バインダーを7重量%加え、乾式で10分間混合した後に、イオン交換水を8.5重量%加えてニーダにて10分間混練した。得られた混練物を60時間養生した後に、押出成形機により線径6mmφの棒状に成形した。その後2日間の乾燥を行い、有機バインダーを除去するために水素中で400℃−48時間の脱脂を行った。脱脂後に真空下で1700℃、2時間焼結を行った。得られた焼結体を大気中で1500〜1600℃、30秒間通電加熱を行い、線材の直線度の校正をし、焼結体表面に酸化被膜を形成させた。その線材を200mmに切断して高周波誘導加熱と自己通電加熱にてそれぞれ90°のベンド形状になるように曲げ加工を行った(図3(c)を参照)。いずれの加熱方式のサンプルとも曲げ加工部の外観・形状は良好であった(表1を参照)。
(実施例1及び比較例1)
平均粒径1〜2μmのMoSi2原料紛末85重量%にMoB粉末を15重量%配合した混合紛にメチルセルロース系有機バインダーを7重量%加え、乾式で10分間混合した後に、イオン交換水を8.5重量%加えてニーダにて10分間混練した。得られた混練物を60時間養生した後に、押出成形機により線径6mmφの棒状に成形した。その後2日間の乾燥を行い、有機バインダーを除去するために水素中で400℃−48時間の脱脂を行った。脱脂後に真空下で1700℃、2時間焼結を行った。得られた焼結体を大気中で1500〜1600℃、30秒間通電加熱を行い、線材の直線度の校正をし、焼結体表面に酸化被膜を形成させた。その線材を200mmに切断して高周波誘導加熱と自己通電加熱にてそれぞれ90°のベンド形状になるように曲げ加工を行った(図3(c)を参照)。いずれの加熱方式のサンプルとも曲げ加工部の外観・形状は良好であった(表1を参照)。
また、高周波誘導加熱と自己通電加熱にて90°のベンド形状に曲げ加工を行ったサンプルをそれぞれ電気炉にて大気中で500℃、100時間間接加熱を行った。その結果、高周波誘導加熱で曲げ加工を行ったサンプルは、酸化被膜に覆われていない切断端面にわずかにペストが確認されたが、その他の部分ではペストは認められなかった。一方、自己通電加熱で曲げ加工を行ったサンプルは、端面のみならず、曲げ加工及び接合を行う際に導通を得るために酸化被膜を除去した部分(電極形成部)にペストが確認された。両サンプルの低温酸化による重量増加速度を表1に示す。自己通電加熱で曲げ加工を行ったサンプルは、ペスト発生箇所が多いため、低温酸化による重量増加速度は、高周波誘導加熱で曲げ加工を行ったサンプルに比べて大きかった。
(実施例2及び比較例2)
平均粒径3μmのMoSi2原料紛末100重量%に対して無機系バインダーとして粘土鉱物(ベントナイト)を15vol%加え、乾式で10分間混合した後に、イオン交換水を9wt%加えてニーダにて10分間混練した。得られた混練物を12時間養生した後に、押出成形機により線径3mmφの棒状に成形した。その後、2日間乾燥を行った後に、アルゴン雰囲気下で1600℃−2時間の焼結を行った。得られた焼結体を大気中で1550℃−60秒間の通電加熱を行い、線材の直線度の校正及び酸化被膜の形成を行った。その後、線材を50mmに切断後、端面が平行になるように研削し、線材同士をそれぞれ高周波誘導加熱と自己通電加熱にて接合した。各サンプルの接合部を中心にして、室温での4点曲げ試験を行った。両者の平均破壊強度及びワイブル係数等の破壊強度特性はほぼ同等であったが、高周波誘導加熱方式の方が若干高かった。これは、高周波誘導加熱方式では、酸化被膜除去工程での微細な傷やクラック等が発生しないためと考えられる。
平均粒径3μmのMoSi2原料紛末100重量%に対して無機系バインダーとして粘土鉱物(ベントナイト)を15vol%加え、乾式で10分間混合した後に、イオン交換水を9wt%加えてニーダにて10分間混練した。得られた混練物を12時間養生した後に、押出成形機により線径3mmφの棒状に成形した。その後、2日間乾燥を行った後に、アルゴン雰囲気下で1600℃−2時間の焼結を行った。得られた焼結体を大気中で1550℃−60秒間の通電加熱を行い、線材の直線度の校正及び酸化被膜の形成を行った。その後、線材を50mmに切断後、端面が平行になるように研削し、線材同士をそれぞれ高周波誘導加熱と自己通電加熱にて接合した。各サンプルの接合部を中心にして、室温での4点曲げ試験を行った。両者の平均破壊強度及びワイブル係数等の破壊強度特性はほぼ同等であったが、高周波誘導加熱方式の方が若干高かった。これは、高周波誘導加熱方式では、酸化被膜除去工程での微細な傷やクラック等が発生しないためと考えられる。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本発明に係る二珪化モリブデン系セラミックス発熱体は、抵抗加熱用のヒータに利用される。
100:誘導コイル
110、200、210、220:発熱体
202、212、222:端子部
104、214、224:発熱部
120:支持部
110、200、210、220:発熱体
202、212、222:端子部
104、214、224:発熱部
120:支持部
Claims (3)
- 二珪化モリブデン系セラミックス発熱体であって、発熱体の発熱部、及び端部電極部を除く端子部の表面全域がシリコン(Si)系酸化物に被覆されていることを特徴とする発熱体。
- 二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の製造方法であって、
二珪化モリブデン系セラミックス発熱体を高周波誘導加熱により所定の温度域まで加熱し、その状態で発熱体の曲げ加工を行うことを特徴とする二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の製造方法。 - 二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の製造方法であって、
複数の二珪化モリブデン系セラミックス発熱体を高周波誘導加熱により所定の温度域まで加熱し、その状態で接合を行うことを特徴とする二珪化モリブデン系セラミックス発熱体の製造方法。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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