JP6452969B2 - アルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法に関する。
従来より、パワーモジュ−ルにおけるヒートシンク材として、銅が使用されてきた。しかし、銅をヒートシンク材として使用した場合、その高い熱膨張係数(17ppm/K)のため、ヒートシンク材の上に搭載されたセラミックス回路基板或いは両者を接合する半田にクラックが発生する等、信頼性に問題があった。そのため、低熱膨張、高熱伝導性を有するヒートシンク材が要望されていた。
上記の状況下において、炭化珪素質複合体は、該複合体中の炭化珪素の含有量を上げることにより、その熱膨張係数を10ppm/K以下に抑えられること、また、高熱伝導性を発現できること、さらには低比重であること等から、近年、ヒートシンク材として注目されている(特許文献1、2及び3)。
しかし、従来の炭化珪素質複合体の熱伝導率は、いずれも室温下でたかだか200W/mK程度であり、銅のそれ(400W/mK)には及ばず、さらなる高熱伝導率を有する炭化珪素質複合体が望まれていた。
本発明者らは、従来のヒートシンク材が有する課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、炭化珪素質複合体の熱伝導率が該複合体を構成する炭化珪素粒子の粒径と炭化珪素の含有量に大きく依存していること、また特定範囲の粒径及び炭化珪素含有量を有する複合体が230W/mK以上の高熱伝導率を示すこと、更に粒径の大きな炭化珪素粉末を使用しただけでは複合体中の炭化珪素含有量が増加できず、230W/mK以上の高熱伝導率は達成できないこと、加えて、炭化珪素含有量を増加させる目的で炭化珪素の微粉を添加する際に、230W/mK以上の高熱伝導率を達成するためには、使用される炭化珪素粒子の粒径及びその量を特定するべきことを見出し、本発明に至ったものである。
特開2000−154080号公報 特開2000−141022号公報 特開2000−169267号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、高熱伝導、低熱膨張並びに低比重であるアルミニウム−炭化珪素質複合体を得ることを目的になされたものである。
本発明に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体は、多孔質炭化珪素成形体にアルミニウム合金を含浸してなるアルミニウム−炭化珪素質複合体であって、該複合体中の炭化珪素の割合が60体積%以上であり、粒径が80μm以上800μm以下である炭化珪素を60質量%以上75質量%以下含有し、粒径が8μm以上粒径80μm未満である炭化珪素を20質量%以上30質量%以下含有し、粒径が8μm未満である炭化珪素を5質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、上記のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、25℃での熱伝導率が230W/mK以上であることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、上記のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、25℃ないし150℃における熱膨張係数が7.0ppm/K以下であることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、上記のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、前記アルミニウム合金が、10〜14質量%の珪素と、0.5〜2.5質量%のマグネシウムを含有してなることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、上記のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、異なる粒度分布を有する3種以上の炭化珪素粉末を配合した原料粉末に、無機バインダーを添加し、成形工程及び焼成工程を経ることを特徴とする。
本発明に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体又は本発明に係る製造方法により提供されるアルミニウム−炭化珪素質複合体は、高熱伝導、低熱膨張並びに低比重である。
以下に、本発明に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法について一実施形態を説明する。しかし本発明は以下の実施形態に限定されるものでないことは自明である。
本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体は、多孔質炭化珪素成形体にアルミニウム合金を含浸してなるアルミニウム−炭化珪素質複合体であって、該複合体中の炭化珪素の割合が60体積%以上であり、粒径が80μm以上800μm以下である炭化珪素を60質量%以上75質量%以下含有し、粒径が8μm以上粒径80μm未満である炭化珪素を20質量%以上30質量%以下含有し、粒径が8μm未満である炭化珪素を5質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする。
[炭化珪素質複合体]
本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体では、全炭化珪素粒子に対する80μm以上800μm以下の粒径を有する粒子の量を60質量%以上75質量%未満とすることにより、230W/mK以上の熱伝導率を発現させることができる。
前記の粒径が80μm以上であることにより、目的とする230W/mK以上の熱伝導率を得ることが容易となる。また、55質量%未満であると、たとえ複合体中の炭化珪素含有量自体を大きくできても、本発明の目的を達成できない。
本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体では、全炭化珪素粒子に対する8μm以上80μm未満の粒径を有する粒子の量を20質量%以上30質量%未満とすることにより、熱伝導率の低下を抑制できるという効果を得ることができる。
また本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体では、全炭化珪素粒子に対する8μm未満の粒径を有する粒子の量を5質量%以上10質量%未満とすることにより、目的とする7.0ppm/K以下の熱膨張係数を得ることが容易となる。
本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体では、該複合体を構成する炭化珪素粒子の粒径及び炭化珪素の含有量が、熱伝導率を大きく支配する重要な因子であり、炭化珪素粒子が特定範囲の粒径を有し、しかも該複合体中の炭化珪素含有量が特定量以上であるときに、室温(25℃)での230W/mK以上の高い熱伝導率を有する炭化珪素質複合体が得られるという知見に基づいている。
また、単に粒径が大きな炭化珪素粉末を使用して得られる炭化珪素質複合体は、使用する炭化珪素粒子自体の粒径が大きいがために、原料からの酸素の混入が少ないし、複合体の製造過程を通じて酸化等の影響を受けて酸素を混入し難いことから比較的高い熱伝導率を有するものの、230W/mK以上の高熱伝導率の発現は難しいこと、その理由として、粒径が大きいために複合体中の炭化珪素含有量を向上させることが困難であること、更に、炭化珪素含有量を向上するべく添加される粒径の小さな炭化珪素粉末については、その量を特定範囲に限定しなければ、室温での230W/mK以上の高熱伝導率を発現できないという知見に基づいている。
[アルミニウム合金]
本実施形態において、アルミニウム合金としては、炭化珪素質複合体を作製する際に通常使用されている珪素含有アルミニウム合金、珪素とマグネシウムを含有するアルミニウム合金並びにマグネシウム含有アルミニウム合金が挙げられる。この中で、溶融金属の融点が低く作業性のよいことから珪素とマグネシウムを含有するアルミニウム合金が好ましく、また得られる複合体の熱伝導率向上の面からはマグネシウム含有アルミニウム合金が好ましく選択される。
熱伝導率の低下を抑制するために、珪素の含有量を18質量%以下とするのがよい。さらに好ましくは、珪素の含有量は10〜14質量%である。
また、マグネシウムの含有量については、合金の融点が低下するため作業性が良いこと、得られる複合体の熱伝導率が低下する原因となること等を考慮し、0.5質量%以上2.5質量%以下であることが好ましい。
さらに、0.5質量%以上1.6質量%以下では、25℃での熱伝導率が230W/mK以上であり、1.6質量%以上2.5質量%以下では25℃での熱伝導率が240W/mK以上であるためより好ましい。
本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体の用途は限定されるものではないが、特に半導体モジュール用放熱板のように一層低熱膨張性を要求される用途においては、該複合体中の炭化珪素含有量が多いことが望ましい。このため、該複合体中の炭化珪素含有量を60体積%以上にすることが好ましく、この場合、25℃から150℃における複合体の熱膨張係数が7.0ppm/K以下である複合体を得ることができる。
[製造方法]
本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体を作製するには、全炭化珪素粒子中の80μm以上800μm以下の粒径を有する粒子が60質量%以上75質量%以下で、8μm以上80μm未満の粒径を有する粒子が20質量%以上30質量%以下で、8μm未満の粒径を有する粒子が5質量%以上10質量%以下となるように構成された炭化珪素粉末を用いて、炭化珪素の充填度(或いは相対密度)が60体積%以上の多孔質成形体を得て、該多孔質成形体にアルミニウム合金を、従来公知の含浸方法を適用して、含浸すればよい。
前記従来公知の含浸方法としては、溶融アルミニウム合金中に炭化珪素粉末を攪拌しながら所定量投入する方法、炭化珪素粉末とアルミニウム合金粉末を混合し焼成する粉末冶金法、及び予め炭化珪素よりなるプリフォームを作製し、これに溶融アルミニウム合金を含浸する溶湯鍛造法やダイカスト法等が知られている。これらのうち、複合体中の炭化珪素含有量を多くできる点、並びに緻密な複合体が得られやすいことから、プリフォームを作製し、これに溶融アルミニウムを含浸する方法が、好ましい方法である。
より好ましい含浸方法としては溶湯鍛造法が挙げられる。この方法はプリフォームを金型内に設置し、アルミニウム合金を投入後、機械的圧力で加圧する方法であり、作業が容易で、かつ、例えばプリフォームの余熱処理を空気中で行う場合、その余熱がプリフォ−ムに大きな酸化を起こさせない温度条件で、アルミニウム合金を含浸できるからである。溶湯鍛造法にあっての一般的な条件としては、アルミニウム合金を含浸させる際の溶融アルミニウム合金温度が700〜850℃であり、含浸時の圧力としては30MPa以上である。
以下、本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体を製造する方法として、特にプリフォームにアルミニウム合金を含浸する方法を通して、本発明をより詳細に説明する。
プリフォームを作製するに際しては、その成形方法として、プレス成形法、鋳込み成形法、押し出し成形法等の公知の成形法が採用できるとともに、従来公知の乾燥、焼成等の処理を適用できる。また、成形に際してはメチルセルロ−ス、PVA等の有機バインダーやコロイダルシリカ、アルミナゾル等の無機バインダー、さらに溶媒として水や有機溶剤等を使用することに何ら問題はない。
このような種々の処理を施しても、含浸直前におけるプリフォ−ムが、全炭化珪素粒子中の80μm以上800μm以下の粒径を有する粒子が60質量%以上75質量%以下で、8μm以上80μm未満の粒径を有する粒子が20質量%以上30質量%以下で、8μm未満の粒径を有する粒子が5質量%以上10質量%以下から構成され、炭化珪素の充填度が60体積%以上である構成が保たれていれば良い。
プリフォ−ムは、その強度を発現させることを目的に、コロイダルシリカやアルミナゾル等の無機バインダー添加を行うが、これらのバインダーは熱伝導率を低下させる方向に作用する。したがって、その添加に際しては、プリフォ−ム作製時に使用する炭化珪素粉末の粒径及びそれから得られるプリフォ−ムの炭化珪素充填度にあわせて、その添加量を適宜調整すべきである。前記無機バインダーの中でコロイダルシリカは焼成により、シリカとなり炭化珪素粒子を結合し、十分なプリフォ−ム強度を発現させるので好ましいものであるが、これら無機バインダーの添加により無機バインダーに由来する酸素増量が発生するので、その添加量を制限するべきである。
本実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体を作製するに当たっては、無機バインダーの添加量は、例えば固形分濃度20質量%のシリカゾルの場合、全炭化珪素粒子に対して10質量%以下が好ましい。無機バインダーの添加量が10質量%以上では25℃での熱伝導率が230W/mK以上であり、10質量%以上では、25℃での熱伝導率が245W/mK以上である。
プリフォ−ムは、前記した無機バインダーによる強度発現等を目的に焼成されるのが一般的である。この際、通常、空気中など酸素含有雰囲気で焼成することが行われるが、プリフォ−ムを構成する炭化珪素粉末は、この焼成により若干酸化され、複合体において熱伝導率低下原因になることがある。したがって、プリフォームの焼成に際しては、使用した炭化珪素粉末の粒径に応じて、なるべく酸化を受け難い条件を採用すべきである。例えば、空気中での焼成は、その保持時間にもよるが、950℃未満の温度で行い、酸化をできるだけ抑えることが好ましい。好ましい温度範囲としては、750〜900℃である。また、非酸化性の雰囲気中での焼成方法としては、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素等の非酸化性ガス中或いは真空中で焼成する方法が挙げられる。
又、プリフォ−ムにアルミニウム合金を含浸する方法としては、溶湯鍛造法、ダイカスト法並びにそれらを改良した方法等、公知の方法が使用できる。なお、含浸時には通常、その予備工程としてアルミニウム合金が浸透しやすいよう、プリフォ−ムの予熱処理が行われるのが一般的である。予熱処理に於いては、プリフォームを構成する炭化珪素粒子が酸化されて、酸素量が1.4質量%を超えないよう留意すべきであり、さらに酸素量を1.1質量%以下に抑制することが好ましい。
上記実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体は、230W/mK以上の高熱伝導率を有することから、パワ−モジュ−ル用のヒートシンク材として好適である。また、25℃から150℃における熱膨張係数が7.0ppm/K以下であることから、半導体モジュ−ル用放熱板として用いることができる。
また、上記実施形態に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体は、その比重が約3程度の低比重であり、自動車、電車等の移動装置用の搭載材料としても有用である。
[実施例1]
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末65質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末25質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末10質量%及びコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスO、固形物を20質量%含有)を8.9質量%、水を12質量%秤量し、これらを混合してスラリ−を調整した。このスラリ−を石膏型に流し込み放置した後、脱型・乾燥し成形体を得た。この成形体を空気中、1000℃で4時間焼成しプリフォ−ムとした。
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末として、大平洋ランダム社製NG‐F80を用いた。
また、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が25質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が10質量%となるように、南興セラミックス社製GC‐#500、屋久島電工製GC‐1000F及び南興セラミックス社製GC‐#4000を13.5:16.5:5.0の配合率で混合した粉末を用いた。
前記プリフォ−ムの一部について、密度を測定するために、直径50mm、厚み5mmに加工した。プリフォ−ムの炭化珪素の充填度は69.6%であった。プリフォ−ムの炭化珪素充填度については、上記加工品の密度を炭化珪素の理論密度3.21g/cmで除し、百分率で定義した。
残りのプリフォ−ムについて、空気中650℃で1時間焼成することで予熱処理を行った。予熱後、すぐにプリフォ−ムを金型内に設置した後、珪素12質量%、マグネシム1質量%を含み、850℃で溶融しているアルミニウム合金をプリフォ−ムの前面が十分隠れるように、金型内に投入した。その後、速やかにパンチにより56MPaの圧力で14分間プレスし、冷却後、金型内から炭化珪素質複合体を含むアルミニウム合金塊を取り出した。更に、この塊から炭化珪素質複合体を切り出した。
前記複合体の室温での熱伝導率を測定するため、一部を縦25mm、横25mm、厚み1mmに加工し試料とした。レ−ザ−フラッシュ法で、この試料の熱伝導率を測定した結果、その熱伝導率は252W/mKであった。熱膨張係数測定用試料については、前記複合体から所定形状の試料を切り出し、室温(25℃)から150℃までの熱膨張係数を測定した。この結果を表1に示す。
Figure 0006452969
[実施例2]
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末65質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末26質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末9質量%及びコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスO、固形物を20質量%含有)を11.6質量%、水を9質量%秤量し、これらを混合してスラリ−を調整した。
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末として、大平洋ランダム社製NG‐F80を用いた。
また、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が26質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が9質量%となるように、南興セラミックス社製GC‐#500、屋久島電工製GC‐1000F及びGMF‐4Sを13.5:16.5:5.0の配合率で混合した粉末を用いた。
実施例1と同じ方法でプリフォーム及び複合体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例3]
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末65質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末25質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末10質量%及びコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスO、固形物を20質量%含有)を12.0質量%、水を9質量%秤量し、これらを混合してスラリ−を調整した。
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末として、大平洋ランダム社製NG‐F80を用いた。
また、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が25質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が10質量%となるように、南興セラミックス社製GC‐#500、屋久島電工製GC‐1000F及び南興セラミックス社製GC‐#4000を13.5:16.5:5.0の配合率で混合した粉末を用いた。実施例1と同じ方法でプリフォームを作製した。
アルミニウム合金は、珪素12質量%、マグネシム0.9質量%を含有するアルミニウム合金を用いて複合体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例4]
アルミニウム合金を珪素12質量%、マグネシム1.2質量%を含有するアルミニウム合金とした以外は、実施例3と同じ方法でプリフォーム及び複合体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例5]
アルミニウム合金を珪素12質量%、マグネシム1.6質量%を含有するアルミニウム合金とした以外は、実施例3と同じ方法でプリフォーム及び複合体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例6]
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末として、大平洋ランダム社製NG‐F80を用いた。
また、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が25質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が10質量%となるように、南興セラミックス社製GC‐#500、屋久島電工製GC‐1000F及び南興セラミックス社製GC‐#6000を13.5:16.5:5.0の配合率で混合した粉末を用いた。
コロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスO、固形物を20質量%含有)を6質量%秤量し、スラリ−を調整した以外実施例3と同じ方法でプリフォーム及び複合体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例7]
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末60質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末30質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末10質量%及びコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスO、固形物を20質量%含有)を12質量%、水を9質量%秤量し、これらを混合してスラリ−を調整した。
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末が60質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が30質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が10質量%となるように、大平洋ランダム社製NG-F54、大平洋ランダム社製GC-#500、大平洋ランダム社製GC−#3000を60:30:10の配合率で混合した粉末を用いた。
実施例1と同じ方法でプリフォーム及び複合体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例8]
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末75質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末25質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末5質量%及びコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスO、固形物を20質量%含有)を12質量%、水を9質量%秤量し、これらを混合してスラリ−を調整した。
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末が75質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が20質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が5質量%となるように、大平洋ランダム社製NG-F30、大平洋ランダム社製NG‐F220、大平洋ランダム社製GC−#2000を60:30:10の配合率で混合した粉末を用いた。
実施例1と同じ方法でプリフォーム及び複合体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例9]
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末70質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末20質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末10質量%及びコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスO、固形物を20質量%含有)を12質量%、水を9質量%秤量し、これらを混合してスラリ−を調整した。
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末として、大平洋ランダム社製NG‐F80を用いた。
また、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が20質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が10質量%となるように、大平洋ランダム社製GC‐#800、大平洋ランダム社製GC‐#6000を20:10の配合率で混合した。
実施例1と同じ方法でプリフォームを作製した。アルミニウム合金は、珪素12質量%、マグネシム1.6質量%である。
[実施例10]
アルミニウム合金を珪素12質量%、マグネシム2.1質量%含有するアルミニウム合金とした以外は、実施例8と同じ方法でプリフォーム及び複合体を作製した。
[比較例]
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末55質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末40質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末5質量%及びコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスO、固形物を20質量%含有)を12質量%、水を12質量%秤量し、これらを混合してスラリ−を調整した。このスラリ−を石膏型に流し込み放置した後、脱型・乾燥し成形体を得た。この成形体を空気中、1000℃で4時間焼成しプリフォ−ムとした。
80μm以上800μm以下の粒径を有する炭化珪素粉末が55質量%、8μm以上80μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が40質量%、8μm未満の粒径を有する炭化珪素粉末が5質量%となるように、大平洋ランダム社製NG‐F150、屋久島電工製GC‐1000Fを2:1の配合率で混合した粉末を用いた。
表1からわかるように、本発明に係る実施例1ないし10のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、高い熱伝導を有し、かつ低い熱膨張係数を有する。またこれらのアルミニウム−炭化珪素質複合体は、低比重であることがわかる。
このように、本発明に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体は、高熱伝導率を有することから、パワ−モジュ−ル用のヒートシンク材として好適であり、低い熱膨張係数を有することから、半導体モジュ−ル用放熱板として用いることができる。また、その比重が低いため、自動車、電車等の移動装置用の搭載材料としても有用である。

Claims (4)

  1. 多孔質炭化珪素成形体にアルミニウム合金を含浸してなるアルミニウム−炭化珪素質複合体であって、
    該複合体中の炭化珪素の割合が60体積%以上69.6体積%以下であり、
    粒径が80μm以上800μm以下である炭化珪素を60質量%以上75質量%以下含有し、
    粒径が8μm以上粒径80μm未満である炭化珪素を20質量%以上30質量%以下含有し、
    粒径が8μm未満である炭化珪素を5質量%以上10質量%以下含有し、前記アルミニウム合金が、10〜14質量%の珪素と、0.5〜2.5質量%のマグネシウムを含有してなることを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体。
  2. 25℃での熱伝導率が230W/mK以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム−炭化珪素質複合体。
  3. 25℃ないし150℃における熱膨張係数が7.0ppm/K以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム−炭化珪素質複合体。
  4. 異なる粒度分布を有する3種以上の炭化珪素粉末を配合した原料粉末に、無機バインダーを添加し、成形工程及び焼成工程を経ることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法。
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