JP2015024926A - 多孔質焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で強度の高い多孔質焼結体を提供する。【解決手段】アルミナ粉末と、シリカ粉末と、Al,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く) の粉末とを配合して焼成する。その焼成時の反応によって前記金属の酸化物及びムライトの結晶が生成される。微構造を観察すると、微小な柱状晶が不規則な方向で集合して連続気孔を形成する三次元網目構造をなす。【選択図】図1
Description
本発明は、ムライトを含んだ多孔質焼結体及びその製造方法に関する。
アルミナの多孔質焼結体は高強度で、熱特性に優れることから、例えば、炉材等の耐火物や焼成冶具等の耐熱セラミックとして使用されている。
近年、環境問題への関心が高まる中、これら耐火物材料や焼成冶具等に用いる耐熱セラミックにおいても、特に炉の省エネルギー運転のために、例えば、1000℃望ましくは1300℃以上の高温度で使用できる低熱容量、すなわち軽量薄型化できる材料が望まれている。しかしながら、アルミナの焼結体は高強度のため薄型化は可能ではあるが、素材自体の比重が3.8以上と重いため、軽量化には限界がある。しかも、アルミナ粉末を固めて焼結体とするためには1700℃以上の高温を要し、焼結体の製造においても省エネルギー化の課題を残している。
そこで、焼結温度低下と軽量化の試みとして、アルミナより焼結温度が低く、比重が3.2と低いムライトをアルミナに複合させたアルミナ・ムライト質の多孔質焼結体が提案されている。
従来、この種の多孔質焼結体は、例えば特許文献1に開示されているように、アルミナ粉末及びムライト粉末を所定の配合比率で混合、成形、焼成して製造されている。また、多孔質化させるために比較的径が大きい骨材粒子を配合したり、焼成時に消失する気孔形成材を配合したり、或いは発泡材等を配合して焼結体内に連続気孔が形成されるようにしている。
しかしながら、これらの出発原料から製造される多孔質焼結体は、その微構造においては原料であるアルミナまたはムライト等の結晶粒子や骨材粒子がそのまま表面において相互に結合した構造である。このため多孔質化すればする程、粒子相互の結合面積が少なくなるため、必然的に強度の低下を伴うという問題がある。例えば、骨材を使用したアルミナ40%、ムライト60%のアルミナ・ムライト質焼結体などは、嵩比重が2.8〜3.0となってアルミナ焼結体と比べ軽量と言えるが、気孔率が10%以下であっても、常温曲げ強度が15MP以下であり、気孔率を20〜30%(嵩比重が2.5〜2.7)とした多孔質焼結体にいたっては常温曲げ強度が5〜10MPaに低下してしまう。気孔率を大きくすることで嵩比重は小さくなるが、高気孔率(すなわち軽量性)と機械強度を両立させることは困難とされていた。
本発明は、この種の配合した原料粒子が相互に結合し合うという一般的なセラミック焼結体の微構造自体を見直し、新しい微構造を提供することで多孔質焼結体を軽量化しようとするものである。
本発明の多孔質焼結体は、アルミナ粉末と、シリカ粉末と、Al,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く)の粉末とを配合して焼成してなり、その焼成時の反応によって生成した前記金属の酸化物及びムライトの結晶を成分として含み、前記焼成時の反応によって生成した微小な結晶が不規則な方向で集合した構造をなしているところに特徴を有する。
アルミナ粉末と、シリカ粉末と、金属及び/又は金属化合物の粉末とを配合して焼成することにより、反応的な焼結過程となり、アルミナ(Al2O3)と二酸化ケイ素(SiO2)との化合物であるムライト(3Al2O3・2SiO2)が生成し、同時に、配合した金属/及び又は金属化合物は、焼成時に溶融又は分解して最終的に金属酸化物を生成する。原料として配合した結晶粒子の表面が相互に結合する一般的な焼結過程ではなく、反応的な焼結過程のために微小な結晶が不規則な方向で互いに結合して生成され、結晶粒子間の強固な結合が得られて焼結体の強度が高くなるものと推測される。特に、反応的な焼結過程によって生じた結晶が柱状晶となり、これらが連続気孔を形成する三次元の網目構造が形成される構造とした場合には、より一層の軽量化が可能になる。
このような焼結体の製造にあたっては、粒径が0.1〜20μmのアルミナ粉末と、粒径が0.1〜20μmのシリカ粉末と、粒径が10〜100μmのAl,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く)の粉末とを配合し、所定形状に成形後に1500〜1700℃の温度で焼成することができる。
なお、この明細書において粒径とはd50径(メジアン径)をいう。また、焼成は、配合した金属及び/又は金属化合物が最終的に金属又は金属化合物(金属酸化物を除く)のまま残ることなく金属酸化物として生成するような雰囲気で行うことが好ましい。1500〜1700℃で焼成するのは、ムライトの十分な生成反応のためにはその温度範囲が必要十分だからである。
なお、この明細書において粒径とはd50径(メジアン径)をいう。また、焼成は、配合した金属及び/又は金属化合物が最終的に金属又は金属化合物(金属酸化物を除く)のまま残ることなく金属酸化物として生成するような雰囲気で行うことが好ましい。1500〜1700℃で焼成するのは、ムライトの十分な生成反応のためにはその温度範囲が必要十分だからである。
ここで、多孔質焼結体とは、アルミナやムライトからなる焼結体に限らず、組織内に、金属及び/または金属の化合物として配合するAl,Si,Mg,Ca,Ti成分より構成される単種又は複合酸化物を有する焼結体を含む趣旨である。例えば、スピネル質(Mg−Al),エンステタイト質(Mg−Si),コ−デェライト質(Mg−Si−Al),アルミナチタン質(Ti−Al)などを含んでもよい。
生成したムライトを含んでシリカ/アルミナの重量割合が5/100〜15/100の範囲内とすると、多孔質焼結体の面粗度が良好になる。このため、焼成治具として使用する場合、被焼成品と焼成治具との滑りが良くなり、被焼成品の変形が少なくなるという利点が得られる。また、シリカ分が相対的に少ないため、シリカとの反応が懸念される被焼成品の焼成治具としても好適である。とりわけ、8/100〜12/100の範囲内とすることが最も好ましい。
また、生成したムライトを含んでシリカ/アルミナの重量割合が16/100〜40/100の範囲内とした場合には、シリカ分がこれより少ないものに比べて面粗度が悪くなるが、熱膨張係数が小さくなるという利点がある。従って、熱膨張が比較的小さな被焼成品(例えばセラミック積層コンデンサ等)の焼成治具として好適である。
本発明の多孔質焼結体は、気孔率が30〜60%、常温曲げ強度が30〜60MPa、嵩比重が1.8〜2.4となることができる。
高純度の焼結体を得るためには、前記アルミナ粉末及び前記シリカ粉末は純度が98%以上のものを使用することが望ましい。
原料としてのアルミナ粉末、シリカ粉末並びにAl,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く)の配合比は、反応的な焼結によって生成したムライト(3Al2O3・2SiO2)を含んで焼結体のシリカ(SiO2)/アルミナ(Al2O3)の重量割合を算出した場合において、その値が5/100〜40/100の範囲内となるように、原料を配合することが好ましい。この配合比で製造されると、原料として加える金属又は金属化合物にSi又はAlを含まない材料を使用する場合には、焼結体中のシリカ分及びアルミナ分は全て原料のシリカ粉末及びアルミナ粉末に由来しているはずであるから、焼結体におけるシリカ/アルミナの重量割合は直接的に原料としてのシリカ粉末/アルミナ粉末の重量比と等しくなる。しかし、原料として加える金属又は金属化合物(金属酸化物を除く)としてSi又はAlを含む材料を使用する場合には、その分を酸化物として考慮してシリカ/アルミナの重量割合を計算する必要がある。
シリカ/アルミナの重量割合が5/100未満であると、シリカ不足によって焼成時の反応によるムライトの生成量が少なくなるため、嵩比重が大きくなり、軽量化が達成できない。また、ムライト生成が不十分であるために、微小な柱状晶の網目構造が十分に形成されず、原料粒子が表面において結合する従来型の微構造の傾向となって気孔率が低くなるものと推測される。また、40/100を超えると過剰のシリカによってSiO2を含んだムライト以外の鉱物相やガラス相を形成し機械的強度を低下させる。
さらに、アルミナ粉末の100重量部に対して、1〜10重量部の炭素粉末等の気孔形成材を配合することにより、焼成時に気孔形成材が消失して連続気孔を効果的に形成することができる。
本発明によれば、焼成時の反応によって生成した微小な結晶が不規則な方向で集合した構造を有するので、強度の割には嵩比重の低い多孔質焼結体を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態を説明する。
本発明に用いるアルミナ粉末には、市販されている汎用の微粉末を使用することができる。反応性を良好にするために、粒径が0.1〜20μm、好ましくは10μm以下であるものを使用することが望ましい。また、純度は焼成された多孔質焼結体の不純物をできるだけ少なくするために98%以上が良く、望ましくは99%以上を使用するのが良い。
シリカ粉末には、市販されている汎用の微粉末を使用することができる。アルミナ粉末との反応性を良好にするために、粒径が0.1〜20μm、好ましくは10μm以下であるものを使用するのが望ましい。また、純度は多孔質焼結体の不純物をできるだけ少なくするために98%以上が良く、望ましくは99%以上を使用するのが良い。
なお、Al,Si,Mg,Ca,Tiの金属化合物としては、それらの炭化物、窒化物、塩化物、炭酸塩、硝酸塩などの金属非酸化物など、加熱により還元作用を発現する金属の化合物を用いることができる。なかでも、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミが好ましい。金属及び/または金属化合物の純度は、多孔質焼結体の不純物を少なくするために95%以上であることが好ましい。また、それらの粒径は10μm〜100μmであることが反応性を高める面から好ましい。
これらの金属又は金属化合物は、焼成時に溶融或いは分解し、その還元作用によって配合されている原料シリカを活性化し、シリカとアルミナとを反応させてムライトを生成させると共に、金属酸化物を生成する。 原料であるアルミナ粉末、シリカ粉末、並びに、Al,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く)の配合比率は、適宜設定することができるが、焼結によって生成したムライト(3Al2O3・2SiO2)を含んで焼結体中のシリカ(SiO2)/アルミナ(Al2O3)の重量割合を算出した場合において、その値が5/100〜40/100の範囲内となるように、原料を配合することが好ましい。
焼成時に消失する炭素材料等の気孔形成材は、焼結体内に気孔を生成させる機能を有する。同時に、比較的低温度域で酸化消失する際に還元作用をもたらすはずであるから、原料配合物中の金属や金属化合物が高温域に達したときに最終的には金属酸化物になるとはいえ、その途中段階において溶融あるいは分解する際の無用な酸化が抑制されるものと考えられる。
焼成時に消失する炭素材料等の気孔形成材は、焼結体内に気孔を生成させる機能を有する。同時に、比較的低温度域で酸化消失する際に還元作用をもたらすはずであるから、原料配合物中の金属や金属化合物が高温域に達したときに最終的には金属酸化物になるとはいえ、その途中段階において溶融あるいは分解する際の無用な酸化が抑制されるものと考えられる。
気孔形成材としては、多孔質焼結体の不純物を少なくするために灰分や不純物が少なく、1500℃以下の温度でCOまたはCO2として酸化飛散する炭素含有材料が好ましく、黒鉛、コ−クス、石炭、活性炭、有機物質粉末などを使用することが出来る。気孔形成材の粒度は気孔設計に応じて決定されるが、アルミナ粉末、シリカ粉末等より微粉末であることが好ましく、粒径0.1〜10μm、望ましくは5μm以下が好適である。気孔形成材は1〜10重量部の範囲で配合することが好ましく、炭素材料の場合、粒径にもよるが望ましくは2〜5重量部の範囲で配合することが成形体の成形を阻害することがないために望ましい。
これらの原料には水及び成形バインダ−を添加して混練し、所定の形状に成形し、乾燥して成形体とする。次いで、成形体を最高温度が1500℃〜1700℃のいずれかの温度となる焼成温度で所定時間加熱処理することで目的とする多孔質焼結体が得られる。
次に、本発明の実施例を含んだ、いくつかの試験例を表1、表2及び表3を参照して説明する。試験例1〜14において、配合原料は全て市販の工業原料である。そのうち、アルミナ粉末は粒径が4μm、シリカ粉末は粒径が10μmであった。
各試験例において、表1,表2及び表3に示した原料配合に応じて原料を配合し、これに少量の水と10%PVA水溶液(ポリビニルアルコ−ル)を加え混練した。次いで、かかる混合物を金型に充填し、油圧式プレスにて30MPaの圧力で加圧成形し180×320×厚み5mmの各種の板状の成形体を得た。
次いで、成形体を乾燥し、発熱体が二珪化モリブデンの電気炉にて、大気雰囲気中で各表に示す最高温度で4時間焼成して焼結体を得た。得られた各焼結体をX線粉末回折(XRD)により、結晶組織を測定したところ、主要な構成鉱物相はアルミナとムライトであった。試験例5のXRDチャートを図3に示す。
次いで、成形体を乾燥し、発熱体が二珪化モリブデンの電気炉にて、大気雰囲気中で各表に示す最高温度で4時間焼成して焼結体を得た。得られた各焼結体をX線粉末回折(XRD)により、結晶組織を測定したところ、主要な構成鉱物相はアルミナとムライトであった。試験例5のXRDチャートを図3に示す。
各焼結体の特性の測定方法・算出方法は次の通りである。
(1)気孔率
JIS R2205に準拠し、焼結体を20×70×厚さmmに加工し、乾燥重量(W1)、水中重量(W2)、飽水重量(W3)を測定し、下記の式より算出した。
気孔率(%)=(W3−W1)/(W3−W2)/100
(2)嵩比重
気孔率と同様に測定し、嵩比重=W1/(W3−W2)として求めた。
(3)常温曲げ強度
JIS R1601に準拠し、焼結体を20×70×厚さmmに加工し、室温で測定した。表記単位はMPaである。
(4)高温曲げ強度
JIS R1601に準拠し、焼結体を3×40×厚さmmに加工し、1300℃の温度で測定した。表記単位はMPaである。
(5)比強度
この明細書では、比強度=常温曲げ強度/嵩比重と定義して計算してある。従って、体積あたりの重量が少なく、かつ常温曲げ強度が大きいものほど、大きな値になる。表記単位はMPaである。
試験例1〜14は本発明の実施例に相当する。例えば特許文献1に記載のようなアルミナ粉末とムライト粉末との焼結によって製造した従来のアルミナ・ムライト質焼結体では、上記と同様に測定した常温曲げ強度及び嵩比重から比強度を求めると3〜10であるところ、本願発明の実施品である試験例1〜14では最低でも20.5MPaであるから、従来品に比べて軽量でありながら高強度の焼結体となっていることが判る。
また、試験例1〜14の各焼結体にエア−管を密着させ、加圧エア−を送る簡易測定をしたところ、焼結体を通し反対面よりエア−の流通が確認されたから、これらの気孔は連通気孔を形成した多孔質焼結体であることがわかる。
試験例5の焼結体の電子顕微鏡写真を図1及び図2に示す。図1は2500倍の写真、図2は図1中の四角枠で囲った部分の5000倍率写真である。
微小な無数の柱状晶が不規則な方向で互いに結合して生成され、これにより連続気孔を形成する三次元網目構造となっていることが判る。
(1)気孔率
JIS R2205に準拠し、焼結体を20×70×厚さmmに加工し、乾燥重量(W1)、水中重量(W2)、飽水重量(W3)を測定し、下記の式より算出した。
気孔率(%)=(W3−W1)/(W3−W2)/100
(2)嵩比重
気孔率と同様に測定し、嵩比重=W1/(W3−W2)として求めた。
(3)常温曲げ強度
JIS R1601に準拠し、焼結体を20×70×厚さmmに加工し、室温で測定した。表記単位はMPaである。
(4)高温曲げ強度
JIS R1601に準拠し、焼結体を3×40×厚さmmに加工し、1300℃の温度で測定した。表記単位はMPaである。
(5)比強度
この明細書では、比強度=常温曲げ強度/嵩比重と定義して計算してある。従って、体積あたりの重量が少なく、かつ常温曲げ強度が大きいものほど、大きな値になる。表記単位はMPaである。
試験例1〜14は本発明の実施例に相当する。例えば特許文献1に記載のようなアルミナ粉末とムライト粉末との焼結によって製造した従来のアルミナ・ムライト質焼結体では、上記と同様に測定した常温曲げ強度及び嵩比重から比強度を求めると3〜10であるところ、本願発明の実施品である試験例1〜14では最低でも20.5MPaであるから、従来品に比べて軽量でありながら高強度の焼結体となっていることが判る。
また、試験例1〜14の各焼結体にエア−管を密着させ、加圧エア−を送る簡易測定をしたところ、焼結体を通し反対面よりエア−の流通が確認されたから、これらの気孔は連通気孔を形成した多孔質焼結体であることがわかる。
試験例5の焼結体の電子顕微鏡写真を図1及び図2に示す。図1は2500倍の写真、図2は図1中の四角枠で囲った部分の5000倍率写真である。
微小な無数の柱状晶が不規則な方向で互いに結合して生成され、これにより連続気孔を形成する三次元網目構造となっていることが判る。
連通気孔は、焼成過程で成形体中の炭素材料が酸化飛散した際に形成した気孔に、加熱により溶融又は分解した金属及び/または金属の化合物が浸透し、さらに分解する際の蒸気圧により成形体に連通孔を形成しながら酸化物化が進行し結合組織を形成することによって多孔質焼結体の気孔が連続形成されたものと推測される。また、焼結体の組織中には、炭素材料由来による気孔と金属及び/または金属の化合物を加熱し、溶融及び/または分解させたことに由来する気孔が存在し多孔質体を形成し、焼結体の軽量化を実現している。
本発明の実施例に相当する試験例1〜14の多孔質焼結体によれば、比強度が20.0以上となって、従来のアルミナ・ムライト質の多孔質焼結体の10以下と比べて改善することができる。
本発明の実施例に相当する試験例1〜14の多孔質焼結体によれば、比強度が20.0以上となって、従来のアルミナ・ムライト質の多孔質焼結体の10以下と比べて改善することができる。
Claims (9)
- アルミナ粉末と、シリカ粉末と、Al,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く)の粉末とを配合して焼成してなり、その焼成時の反応によって生成した前記金属の酸化物及びムライトの結晶を成分として含み、前記焼成時の反応によって生成した微小な結晶が不規則な方向で集合した構造をなしていることを特徴とする多孔質焼結体。
- 生成したムライトを含んでシリカ/アルミナの重量割合が5/100〜15/100の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の多孔質焼結体。
- 生成したムライトを含んでシリカ/アルミナの重量割合が16/100〜40/100の範囲内 であることを特徴とする請求項1記載の多孔質焼結体。
- 気孔率が30〜60%、常温曲げ強度が30〜60MPa、嵩比重が1.8〜2.4である請求項1又は請求項2記載の多孔質焼結体。
- 粒径が0.1〜20μmのアルミナ粉末と、粒径が0.1〜20μmのシリカ粉末と、粒径が10〜100μmのAl,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く)の粉末とを配合し、所定形状に成形後に1500〜1700℃の温度で焼成することで、前記金属の酸化物及びムライトを生成させ、それらの微小な結晶が不規則な方向で集合した構造を形成させることを特徴とする多孔質焼結体の製造方法。
- 前記アルミナ粉末及び前記シリカ粉末は純度が98%以上のものを使用することを特徴とする請求項5記載の多孔質焼結体の製造方法。
- 前記アルミナ粉末、前記シリカ粉末並びにAl,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の前記金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く)の配合比は、生成したムライトを含んでシリカ/アルミナの重量割合が5/100〜15/100の範囲内となるように配合することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の多孔質焼結体の製造方法。
- 前記アルミナ粉末、前記シリカ粉末並びにAl,Si,Mg,Ca,Tiより選ばれた1種または複数種の前記金属及び/又はそれらの金属化合物(金属酸化物を除く)の配合比は、生成したムライトを含んでシリカ/アルミナの重量割合が16/100〜40/100の範囲内となるように配合することを特徴とする請求項5記載ないし請求項7のいずれか一項に記載の多孔質焼結体の製造方法。
- 前記アルミナ粉末の100重量部に対して、焼成時に消失する気孔形成材を1〜10重量部配合することを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の多孔質焼結体の製造方法。
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Cited By (1)
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CN111019605A (zh) * | 2019-12-05 | 2020-04-17 | 青岛瑞克尔新材料科技有限公司 | 较低堆积密度的陶瓷微晶磨料及其磨具制品的制备方法 |
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