JP2001105279A - 工作機械における計測補正方法 - Google Patents

工作機械における計測補正方法

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JP2001105279A
JP2001105279A JP28496499A JP28496499A JP2001105279A JP 2001105279 A JP2001105279 A JP 2001105279A JP 28496499 A JP28496499 A JP 28496499A JP 28496499 A JP28496499 A JP 28496499A JP 2001105279 A JP2001105279 A JP 2001105279A
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Akimitsu Kamiya
昭充 神谷
Taiichi Yamaguchi
泰一 山口
Yoichi Yamakawa
陽一 山川
Hiromitsu Ota
浩充 太田
Kazuhiro Oonishi
主洋 大西
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークテーブルに対する工具の取り付け誤
差、工作機械の熱変形による誤差、及び工具寸法誤差を
排除して、数値制御工作機械により加工される工作物の
加工精度を向上すること。 【解決手段】 主軸とワークテーブルを相対移動する1
つの制御軸に沿って基準となるA位置を設定し、接触式
検出器の接触子をワークテーブル上のワークの基準とな
るC位置に接触してこのA位置又はこのA位置と同一ま
たは近傍のB位置から観たC位置を求めて主に工作物の
取り付け誤差である第1誤差を求め、また主軸に装着し
た工具の先端が前記A位置に位置されて非接触式検出器
がオンとなる時の主に工具寸法誤差である第2誤差を求
め、工作物の加工の際には、前記主軸とワークテーブル
との前記制御軸に沿う相対送り量を第1誤差及び第2誤
差により補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主軸に取り付けた
工具とワークテーブル上の工作物との実際の相対位置と
両者のプログラム上の相対位置との誤差を求め、この誤
差に基づいて加工動作のためにプログラムされた主軸と
ワークテーブルとの相対送り量を補正するようにした工
作機械の計測補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来におけるこの種の第1の計測補正方
法としては、加工に先立って数値制御工作機械の回転主
軸に接触式の検出器を装着してこの検出器の接触子をワ
ークテーブルの基準面及びこのワークテーブル上に取り
付け固定した工作物の基準面に順次接触させ、両者の実
際の相対位置とプログラムされた両者の理論位置との誤
差を求め、検出器に代えて工具を主軸に装着して加工す
る際には、主軸とワークテーブルとのプログラムされた
送り量を前記誤差分だけ補正し、ワークテーブルに対す
る工作物の取り付け誤差が加工精度に影響しないように
している。
【0003】また、この種の別の第2の計測補正方法と
して、所定位置に非接触式の検出器を設置しておき、主
軸に工具を装着する毎に、前記検出器が工具の先端を検
出してオンとなる位置へ主軸と共に工具を位置決めし、
この時の実際の工具先端位置とプログラムされた理論位
置との誤差を求め、その後の加工動作においてプログラ
ムされた主軸とワークテーブルとの送り量を前記誤差に
より補正し、数値制御装置に指定した理論工具寸法と実
際の工具寸法との誤差や、工作機械の熱変形が工作物の
加工精度に波及しないようにしている。この場合、理論
工具寸法と実際の工具寸法との誤差は、主軸の軸線方向
の寸法であれば工具長誤差であり、主軸の径方向寸法で
あれば工具径誤差である。
【0004】このような非接触式の検出器は、典型的に
は、主軸軸線を横断する方向の一方からレーザビームを
発し他方側でこのレーザビームを受光する形式のものが
使用され、このレーザビームの一部を工具の軸方向の先
端が遮断することにより工具の軸方向の先端位置を検出
し、また工具をレーザビームを横断する一方及び他方か
らレーザビームにアプローチすることにより工具径を計
測するのに使用できる。特に、この非接触式検出器を使
用する場合では、このような工具軸方向先端位置の検出
動作及び工具径の検出動作を、工具をその後の加工動作
において回転させる速度で主軸を回転させた状態におい
て行うことにより、加工動作における実効工具長や実効
工具径を求めることができる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
数値制御工作機械は、上述した従来の第1の計測補正方
法と第2の計測補正方法との一方のみを行うようになっ
ており、第1の計測補正方法を行うようにされた工作機
械では、工具寸法との誤差や工作機械の熱変形に対する
補正を行うことができず、逆に第2の計測補正方法を行
うようにされた工作機械では、ワークテーブルに対する
工作物の取り付け誤差の補正を行うことができないと云
う問題がある。
【0006】また、従来の第2の計測補正方法では、工
具を回転させながら加工動作における実効工具長や実効
工具径を求めるので、工具に振れが生じていても、この
実効工具長や実効工具径と工具に振れが生じないものと
して数値制御装置に設定したプログラム上の工具長や工
具径との差を補正値としてワークテーブルに対する主軸
の送り量が補正される。このようにすると工作物の加工
寸法はプログラム寸法となるが、振れによる断続加工が
起因して加工面精度が低下される問題を生じていた。
【0007】従って、本発明の主たる目的は、1台の工
作機械上でワークテーブルに対する工作物の取り付け誤
差の補正と工具寸法との誤差や工作機械の熱変形に対す
る補正を行うことができるようにすることにある。本発
明の別の目的は、工具の振れによる加工面精度の低下を
防止できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の計測補正方法は、非接触により工具
先端位置を検出する第1検出器と接触子を工作物に接触
させて工作物の位置を検出する第2検出器とを併用し、
両検出器が実質的に共通の位置を検出するようにして非
接触により工具先端位置の誤差を求めると共に接触によ
り工作物の取り付け誤差を求め、これら両誤差に基づい
てプログラムに従うワークテーブルと主軸との相対送り
を補正するようにした。より具体的には、前記工具の先
端が工作機械の制御軸上のA位置に到達する時に非接触
式の第1検出器がオンとなるように設定し、第2検出器
を前記主軸と共に前記制御軸に沿って前記ワークテーブ
ルに対し相対的に移動し、この第2検出器の接触子を前
記A位置と同一又はこれと近傍のB位置および前記ワー
クテーブル上の工作物上の所定のC位置に順次接触させ
て前記B位置から観たC位置の予め設定された理論位置
と実際の位置との第1誤差を求め、前記工具を前記主軸
に取り付けて前記制御軸に沿って前記第1検出器がオン
となるように前記ワークテーブルに対し相対的に位置決
めして前記A位置における工具先端の予め定められた理
論位置と実際の位置との第2誤差を求め、前記工具によ
り工作物を加工する際には、前記主軸の前記制御軸に沿
う予めプログラムされた相対移動量を前記第1誤差およ
び第2誤差に基づいて補正する。
【0009】この場合、前記第1誤差は、制御軸上の共
通の位置、つまり前記A位置と同一又はこれと近傍のB
位置に対してワークテーブルがプログラムされた所定の
位置に位置決めされているため、ワークテーブルに対す
る工作物の取り付け誤差と前記共通のB位置とワークテ
ーブルの前記所定位置との間の熱変形誤差との合計を示
す。これに対し、前記第2誤差は、主に前記共通の位置
に工具の先端を位置決めしたときの工具寸法誤差を示
す。工作物を加工する際には、前記制御軸に沿う前記主
軸とワークテーブルとのプログラムされた相対送り量を
前記第1誤差及び第2誤差に基づいて補正することによ
り、工作物の取り付け誤差、工作機械の熱変形による誤
差、及び工具寸法誤差が全て補正され、工作物はこれら
誤差の影響を受けずに高精度に加工される。言い換えれ
ば、前記第1誤差および第2誤差は共通のB位置に対す
る誤差であるので、補正量を演算するに際してB位置の
絶対位置を用いているにも係わらず、このB位置の絶対
位置の精度は重要でない。すなわち、B位置の絶対位置
の理論値と実際の位置がずれていた場合、この影響が第
1誤差に対してプラス側に働いたとすると、逆に第2誤
差に対してはマイナス側に働くので、第1誤差と第2誤
差を加算することにより、この位置ずれは相殺されるの
である。
【0010】請求項2の計測補正方法は、前述した第1
誤差を求める際に、接触式第2検出器の接触子を非接触
式第1検出器がオンとなる工作機械の制御軸に沿うA位
置に位置決めしてこの位置を記憶すると共にワークテー
ブル上の工作物上の所定のC位置に接触させて前記A位
置から観たC位置の予め設定された理論位置と実際の位
置との誤差として前記第1誤差を求めるようにした。ま
た、前記第2誤差は、請求項1の方法と同様に、工具を
主軸に取り付けて前記制御軸に沿って前記非接触式第1
検出器がオンとなるように前記ワークテーブルに対し相
対的に位置決めして前記A位置における工具先端の予め
定められた理論位置と実際の位置との誤差として求める
ようにした。
【0011】この場合、前記第1誤差を求める際の前記
A位置と前記第2誤差を求める際の前記A位置とを前記
制御軸に沿う同一位置とすることができ、請求項1の発
明で設定を必要としていた前記B位置を不要にでき、A
位置とB位置との間の距離を設定する際に巻き込まれる
誤差を排除するようにしている。
【0012】前述した請求項1及び請求項2の発明にお
いては、第2誤差を求めるときは、主軸の回転を停止さ
せた状態で行ってもよいが、主軸を回転させた状態、よ
り好適にはその後の加工動作で回転させる回転速度で主
軸を回転させた状態で行えば、加工動作中の工具の実効
寸法に基づいた補正が可能となる。ここで、工具の実効
寸法とは、工具の先端が振れを生じる場合に数値制御装
置に設定された実際の工具長や工具径である工具寸法よ
りも大きくなる工具寸法を意味する。さらに、数値制御
装置に設定された実際の工具寸法とは、プログラム上で
指定される工具の呼び寸法を数値制御装置に入力される
工具寸法補正データにより補正した工具寸法を意味す
る。
【0013】また、前述した請求項1及び請求項2の発
明においては、第2検出器は主軸に装着する形式のもの
を使用するか、或いはこれに代えて、加工動作中は待避
され測定時のみ測定位置へ前進して前記主軸と一体的に
前記制御軸に沿って移動する形式のものを使用する。さ
らに、前述した請求項1及び請求項2の発明における数
値制御装置により制御される工作機械の1つの制御軸と
は、主軸軸線と平行な制御軸又は主軸軸線と直交する制
御軸とすることができる。
【0014】好適には、請求項3の計測補正方法のよう
に、前記請求項1又は2の計測補正方法における前記第
2誤差を求める工程は、前記主軸を回転させた状態で行
うようにした。主軸と共にこれに取り付けた工具を回転
させることにより、前記第2誤差は加工動作中の工具の
工具先端の振れを含む実効寸法として求められ、この実
効寸法に基づいた補正が可能となる。
【0015】請求項4の計測補正方法は、請求項3の方
法において、前記第1検出器により前記工具の振れ量を
測定し、この振れ量が所定値を超える毎に前記工具を主
軸から一旦取り外して再度取り付ける操作を行い、この
取り付け取り外し操作が所定回数以上になるとき、工具
異常アラームを警報するか又は前記工具をこれの予備と
して予め用意されている予備工具と交換するようにした
ものである。
【0016】同一工具の前記主軸に対する取り外し取り
付け操作を所定回数以上行っても工具の振れ量が所定値
以下にならないときは、工具異常アラームを警報してこ
の工具による加工を行わないようにしたり、或いは別の
予備工具を使用するようにし、従来のように振れ量を検
出してこの振れ量分の補正を行う場合に生じていた加工
面精度の低下を排除する。
【0017】 〔発明の詳細な説明〕図1は本発明の計測補正方法が使
用される工作機械としてのマシニングセンタ1を示して
いる。マシニングセンタ1はベッド2とこのベッド2上
に立設されたコラム3を備えている。コラム3の前面に
は左右に延びる上下2本のガイドレール4が取り付けら
れており。このガイドレール4に沿ってサドル5が左右
(X軸)方向に移動可能に設けられている。さらに。こ
のサドル5の前面には上下に延びる左右2本のガイドレ
ール6が取り付けられており、このガイドレール6に沿
ってガントリ7が上下(Y軸)方向に移動可能に設けら
れている。ガントリ7には工具Tが装着される主軸8を
回転可能に支持した主軸頭9が設けられている。
【0018】また、ベッド2には前後に延びる左右2本
のガイドレール10が取り付けられており、このガイド
レール10に沿ってワークテーブル11が前後(Z軸)
方向に移動可能に設けられている。そして、図略の駆動
機構により、サドル5がX軸方向へ、ガントリ7がY軸
方向へ、ワークテーブル11がZ軸方向へそれぞれ移動
することによって、主軸8に装着された工具Tによっ
て、ワークテーブル11上に載置された工作物が加工さ
れる。
【0019】ワークテーブル11の主軸側の側面には非
接触式の第1検出器としてのレーザ検出器20が取り付
けられている。図2に示すように、このレーザ検出器2
0は、凹字上の基台21の内側に対向して設けられたレ
ーザ発振器22とフォトダイオード等の受光器23を備
えており、レーザ発振器22からのレーザ光Lを工具T
が遮ることによる受光器23の受光量の変化から工具T
の先端の位置を検出することができる。すなわち、受光
器23に接続されたアンプを介して工具Tの先端がレー
ザ光を遮ったことを数値制御装置(CNC)40に通知
することによって、CNC40はそのときの制御軸の現
在位置から工具Tの先端の位置を検出することができ
る。ここで、工具Tが全てのレーザ光Lを遮る必要はな
く、全く遮らないときの受光量に対して所定量だけ受光
量が減少したことによって検出することが可能である。
なお、基台21の側面には基準ブロック26が、その先
端面(B位置)がレーザ光L(A位置)とZ軸方向に同
一の位置となるうよう設けられている。
【0020】一方、コラム3の側方にはコラム3に隣接
して、複数の工具Tを備えた工具マガジン12が設けら
れていると共に、ベッド2上の工具マガジン12の前面
には、自動工具交換装置(ATC)13が設けられてお
り、工具マガジン12と主軸8との間で工具交換を行う
よう構成されている。
【0021】なお、工具マガジン12には第2検出器3
0としてのタッチセンサ30が収納されている。このタ
ッチセンサ30は工具Tと同様に工具マガジン12およ
び主軸8に装着可能であり、主軸8に装着した状態で主
軸8を移動させ、接触子31の先端の球が工作物Wや基
準面に接触したことを検出するものである。すなわち、
接触子31の先端の球が工作物Wや基準面に接触したこ
とを数値制御装置(CNC)40に通知することによっ
て、CNC40はそのときの制御軸の現在位置から工作
物Wや基準面の位置を検出することができる。
【0022】図3は、上記したマシニングセンタ1の制
御ブロック図である。CNC40は、演算装置であるC
PU41と、システムプログラム等を記憶したROM4
2と、NCプログラムや各種パラメータ等を記憶したR
AM43、キーボード等の入力装置44と、CRT等の
出力装置45と、インターフェイス46,47,48を
主たる構成要素としている。そして、X,Y,Z各軸へ
の移動指令がそれぞれのディジタルサーボユニット5
0,51,52に出力され、各ディジタルサーボユニッ
ト50,51,52がX軸駆動モータ53、Y駆動モー
タ54、Z軸駆動モータ55を駆動すると共に、各駆動
モータ53,54,55に接続されたエンコーダ56,
57,58によって検出される各軸の現在位置が帰還さ
れてフィードバック制御されるようになっている。
【0023】なお、図3に示す制御ブロック図において
は、上記したレーザ検出器20からの検知信号およびタ
ッチセンサ30からの検知信号はインターフェイス48
を介してCNC40に入力されるように構成されている
が、シーケンスコントローラにおけるI/O信号として
CNC40に入力されるようにしてもよい。
【0024】次に、図4から図10に示すフローチャー
トおよび図11から図13に基づいて、上記した構成に
おける計測補正方法について説明する。図4および図5
はメインプログラムであり、CNC40のRAM43に
記憶されている。
【0025】まず、S100において、工作物位置補正
サイクルを実行するか否かを判断する。この工作物位置
補正サイクルは後述する基準ブロック26の基準面(B
位置)に対する工作物Wの基準面(C位置)の位置誤差
Zdを補正するためのサイクルであり、この位置誤差Zd
の要因としては、工作物Wの取り付け誤差、基準ブロッ
ク26と工作物Wとの間の熱変位、駆動系の送り誤差等
が考えられる。そして、この工作物位置補正サイクルを
実行するか否かは、プログラマが加工プログラムを作成
する際に予めに設定しておくか、あるいは、加工に先立
って作業者が必要に応じて入力装置44から指示する等
により定められている。S100の判断がNOの場合は
S102に進み、YESの場合はS101を経てS10
2に進む。S101では図6のサブプログラムで示す工
作物位置補正サイクルが実行される。
【0026】S102では、ATC13により当該加工
に用いる工具Tが工具マガジン12から主軸8へ移送さ
れて装着される。続いて、S103にて主軸8の回転が
開始される。次に、S104にて工具長補正サイクルを
実行するか否かを判断する。この工具長補正サイクルは
工具先端の位置誤差を補正するためのサイクルであり、
この工具先端の位置誤差の要因としては、工具製造上の
工具長のばらつき、工具摩耗、主軸8の熱変位、主軸8
の遠心膨張による工具Tの引込み等が考えられる。そし
て、この工具長補正サイクルを実行するか否かも、先の
工作物位置補正サイクルと同様に予め定められている。
ただし、後述する面補償サイクルを実行する場合は工具
長補正サイクルを実行するように設定しておく必要があ
る。S104の判断がNOの場合はS106に進み、Y
ESの場合はS105を経てS106に進む。S105
では図7のサブプログラムで示す工具長補正サイクルが
実行される。
【0027】S106では工具径補正・振れ検出サイク
ルを実行するか否かを判断する。工具径補正・振れ検出
サイクルは工具径の理論値に対する誤差を補正するため
のサイクルと、工具の装着ミスによる工具の振れを防止
するためのサイクルである。このサイクルを実行するか
否かも、工作物位置補正サイクルと同様に予め定められ
ている。S106の判断がNOの場合はS108に進
み、YESの場合はS107を経てS108に進む。S
107では図8および図9のサブプログラムで示す工具
径補正・振れ検出サイクルが実行される。
【0028】次に、S108では上記工作物位置補正サ
イクル、工具長補正サイクル、工具径補正・振れ検出サ
イクルの各サイクルで演算される補正量で誤差を補正す
る。各サイクルのサブプログラムを参照して後述する工
作物位置補正量Zd(第1誤差)、工具長補正量Zt(第
2誤差)、工具径補正量Ddに基づいて補正が行われた
後、S109に進む。
【0029】ここで、本実施の形態では工作物位置補正
量ZtについてはZ軸方向の誤差についてのみ説明して
いるので、S108では工作物位置補正量Zdと工具長
補正量Ztとの加算値で工具長補正機能によりZ軸の指
令値を補正し、工具径補正量Daで工具径補正機能によ
りX軸およびY軸の指令値を補正する。工具長補正機
能、工具径補正機能は一般的にマシニングセンタに備え
られている機能であり、NCプログラムで与えられる指
令値に対して各補正量分だけオフセットして各軸を制御
する機能である。
【0030】工作物位置補正量については、本実施の形
態で説明するZ軸方向の誤差のみでなくX軸およびY軸
方向の誤差も補正可能であるので、この場合はS108
における誤差補正の方法としては、工具長補正機能を用
いる方法に換えて、NCプログラムの指令値を直接補正
することも可能であり、さらに、マシニングセンタ1の
座標系(機械原点)をオフセットすることも可能であ
る。工具長補正量についても同様に、NCプログラムの
指令値を直接補正する方法やマシニングセンタ1の座標
系(機械原点)をオフセットする方法も採用可能であ
る。
【0031】S109では加工プログラムに従って工具
Tによる工作物Wの加工が実行される。続くS110で
は、工作物Wの加工中に工具Tの使用時間の積算や主軸
8の動力の監視等により工具Tが工具寿命に至ったかを
判断する。S110の判断がNOの場合はS114に進
み、YESの場合はS111、S112あるいはS11
3を経てS114に進む。
【0032】S111では面補償サイクルを実行するか
否かを判断する。面補償サイクルは、同一面の加工中に
工具Tが寿命となり予備工具と交換する必要が生じたと
きに、工具Tの交換の前後の加工によって加工面に段差
が生じることを防止するためのサイクルである。このサ
イクルを実行するか否かも、工作物位置補正サイクルと
同様に予め定めされている。S111の判断がNOの場
合は、S112にて単に寿命となった工具である先行工
具を予備工具として工具マガジン12に貯蔵されている
後続工具に交換するだけでS114に進み、YESの場
合は、図10のサブプログラムで示す面補償サイクルを
実行してS114に進む。
【0033】S114では加工が完了したか否かを判断
し、加工が完了されるまでS109からS114の処理
を繰返し、加工が完了するとS115にて主軸8の回転
を停止させ、続くS116で次工程の有無を判断する。
S116の判断がYESの場合はS102に戻って上記
の処理を繰返し、NOの場合はプログラムエンドとな
る。
【0034】次に、各サブプログラムの詳細について説
明する。図6は図4のS101でコールされる工作物位
置補正サイクルを示すサブプログラムであり、S120
にて、まず、工具マガジン12に格納されているタッチ
センサ30をATC13により主軸8に装着する。次
に、S121にて、所定の計測プログラムによりタッチ
センサ30が装着された主軸8を基準ブロック26に向
けてZ軸方向に相対前進させる。S122にて接触子3
1が基準ブロック26の先端面(B位置)に接触したこ
とを検出する信号がタッチセンサ30から出力されたか
を検出し、タッチセンサ30からの信号が出力されるま
で主軸8の前進が続けられる。
【0035】タッチセンサ30から接触子31が基準ブ
ロック26に接触したことを示すON信号が出力される
と、すなわち、S122の判断がYESとなるとS12
3に進み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。本実
施の形態においては、Z軸方向の工作物位置補正につい
て説明しているので、この場合の現在位置はZ軸の現在
位置である。すなわち、エンコーダ58により検出され
るZ軸駆動モータ52の現在位置ZpがRAM43の所
定の領域に記憶される。
【0036】次に、S124にて、所定の計測プログラ
ムによりタッチセンサ30が装着された主軸8を工作物
Wの基準面(C位置)に向けてZ軸方向に相対前進させ
る。なお、工作物Wの基準面とは、工作物Wの加工の基
準となる面であり、工作物毎に予め定められている。S
125にて接触子31が工作物Wの基準面に接触したこ
とを検出する信号がタッチセンサ30から出力されたか
を検出し、タッチセンサ30からの信号が出力されるま
で主軸8の前進が続けられる。
【0037】タッチセンサ30から接触子31が工作物
Wの基準面に接触したことを示すON信号が出力される
と、すなわち、S125の判断がYESとなるとS12
6に進み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。上述
したS123と同様にこの場合の現在位置はZ軸の現在
位置であり、エンコーダ58により検出されるZ軸駆動
モータ52の現在位置ZwがRAM43の所定の領域に
記憶される。
【0038】そして、S127にて主軸8に装着された
接触子31を取外し、S128で工作物位置補正量(第
1誤差)を演算する。工作物位置補正量ZdはZd=Zow
p−(Zw−Zp)で演算される。ここで、Zowpは基準ブ
ロック26の先端面(B位置)に対する工作物Wの基準
面(C位置)の理論位置として、プログラミング時に予
め定められている値である。この理論位置Zowpから基
準ブロック26の先端面の実際の位置Zpに対する工作
物Wの基準面の実際の位置Zwを減算することにより、
工作物位置補正量Zdを得ることができる。
【0039】図11は上述の工作物位置補正サイクルの
動作を示しており、実線で記した主軸8およびタッチセ
ンサ30は、上記S121で主軸8を前進させ、S12
2で接触子31の基準ブロック26への接触が検出され
た状態であり、破線で記した主軸8およびタッチセンサ
30は、上記S124で主軸8を前進させ、S125で
接触子31の工作物Wの基準面への接触が検出された状
態である。なお、図11において、14はパレット、1
5は工作物Wをパレット14に固定する治具である。
【0040】図7は図4のS105でコールされる工具
長補正サイクルを示すサブプログラムであり、まず、S
130にて、予め定めされた計測プログラムに従って、
工具Tが装着された主軸8(S102にて工具が装着さ
れている)をレーザ検出器20のレーザ光Lに向けてZ
軸方向に相対移動させる。S131にて工具Tの先端が
レーザ光Lを遮ったことを検出する信号がレーザ検出器
20から出力されたかを検出し、レーザ検出器20から
の信号が出力されるまで主軸8の前進が続けられる。
【0041】レーザ検出器20から工具Tの先端がレー
ザ光Lを遮ったことを示すON信号が出力されると、す
なわち、S131の判断がYESとなるとS132に進
み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。上述したS
123と同様にこの場合の現在位置はZ軸の現在位置で
あり、エンコーダ58により検出されるZ軸駆動モータ
52の現在位置ZlがRAM43の所定の領域に記憶さ
れる。
【0042】そして、S133で工具長補正量(第2誤
差)を演算する。工具長補正量ZtはZt=Zol−Zlで
演算される。ここで、Zolは工具T先端がレーザ光Lを
遮るとき(A位置)のZ軸の理論位置である。この理論
位置Zolから実際に工具Tがレーザ光を遮った時のZ軸
の現在位置Zlを減算することにより、工具長補正量Zt
を得ることができる。すなわち、ここでは工具長補正値
と称しているが、実際にはA位置における工具T先端の
位置に対する補正量であり、工具製造上の工具長のばら
つきや工具摩耗のみならず、主軸8の熱変位や主軸8の
遠心膨張による工具Tの引込み等の影響をも含んだ誤差
を補正するものである。
【0043】図12は上述の工具長補正サイクルの動作
を示しており、上記S130により主軸8を前進させ、
S131で工具Tの先端がレーザ光Lを遮ったことが検
出された状態である。
【0044】図8および図9は、図4のS107でコー
ルされる工具径補正・振れ検出サイクルを示すサブプロ
グラムであり、まず、S140にて、後述する工具Tの
再装着回数を示すカウンタNを0にする。次に、S14
1で、工具Tが装着された主軸8(S102にて工具が
装着されている)をレーザ検出器20のレーザ光Lに向
けて移動させる。ここで、この場合の移動はY軸方向へ
の移動であり、S141では上方からレーザ光に向けて
主軸8を移動させる。S142にて工具Tの先端がレー
ザ光Lを遮ったことを検出する信号がレーザ検出器20
から出力されたかを検出し、レーザ検出器20からの信
号が出力されるまで主軸8の移動が続けられる。
【0045】レーザ検出器20から工具Tの先端がレー
ザ光Lを遮ったことを示すON信号が出力されると、す
なわち、S142の判断がYESとなるとS143に進
み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。この場合の
現在位置はY軸の現在位置であり、エンコーダ57によ
り検出されるY軸駆動モータ51の現在位置DuがRA
M43の所定の領域に記憶される。
【0046】S144からS146では、上記S141
からS143と同様な処理が行われるが、S144での
主軸8の移動方向はレーザ光に向けて下方からであり、
S146でY軸モータ51の現在位置DdがRAM43
の所定の領域に記憶される。そして、S147にて、工
具径補正量を演算する。工具径補正量DaはDa=Do−
(Du−Dd−Dl)で演算される。ここで、Doは理論上
の工具径として予め定められている値であり、Dlはレ
ーザ光の光径である。この理論上の工具径Doから検出
された実際の工具径(Du−Dd−Dl)を減算すること
により、工具径補正量Daを得ることができる。
【0047】図13は上述の工作物径補正サイクルの動
作を示しており、実線で記した主軸8および工具Tは、
上記S141により主軸8を移動させ、S142で工具
Tがレーザ光Lを遮ったことが検出された状態であり、
破線で記した主軸8および工具Tは、上記S144によ
り主軸8を移動させ、S145で工具Tがレーザ光Lを
遮ったことが検出された状態である。
【0048】図9に移ってS148では、S147にて
演算された工具径補正量Daが予め設定された許容値以
下であるかを判断する。この許容値は工具径のばらつき
を考慮して決定されており、許容値以下であれば工具径
のばらつきと判断し、許容値以上であれば、この工具径
補正値Daは工具径のばらつきのみならず工具Tの振れ
を含んでいると判断するものである。S148の判断が
YESの場合はサブプログラムを終了し、NOの場合は
S149に進んで、工具Tの再装着を行う。すなわち。
工具TをATC13にて一旦取外し、再び装着し直すこ
とにより、工具の装着ミスによる工具の振れを解消する
ものである。
【0049】S150ではS149における工具再装着
の回数を計測するカウンタを加算し、S151ではこの
カウンタ値Nが予め設定された回数No以下であるかが
判断される。予め定められた回数以下である場合はS1
41に戻って処理を繰返し、予め定められた回数を超え
てもなお工具径補正量Daが許容値内にならない場合
は、工具Tあるいは主軸8の工具クランプ機構に異常が
あると判断し、S152に進んで警報を出力する等の異
常処置を行う。なお、工具マガジン12に予備工具が格
納されている場合は、S152の異常処置に代えて予備
工具との交換を行うことにより処理を継続することが可
能である。
【0050】図10は、図5のS113でコールされる
面補償サイクルを示すサブプログラムであり、図5のS
110で工具寿命と判断された工具T、すなわち先行工
具を主軸8に装着したままの状態で図7のS130と同
様に、主軸8をレーザ光Lに向けてZ軸方向に相対移動
させ、S161にて工具Tの先端がレーザ光Lを遮った
ことを検出する信号がレーザ検出器20から出力された
かを検出し、レーザ検出器20からの信号が出力される
まで主軸8の前進が続けられる。
【0051】レーザ検出器20から工具Tの先端がレー
ザ光Lを遮ったことを示すON信号が出力されると、す
なわち、S161の判断がYESとなるとS162に進
み、その時の主軸8の現在位置を記憶する。上述したS
123と同様にこの場合の現在位置はZ軸の現在位置で
あり、エンコーダ58により検出されるZ軸駆動モータ
52の現在位置Zl’がRAM43の所定の領域に記憶
される。
【0052】次にS163では工具摩耗量ZmをZm=Z
l−Zl’にて演算する。すなわち、この先行工具の加工
前である図7のS132で検出した工具先端の位置Zl
と、加工後であるS162で検出した工具先端の位置Z
l’とから工具摩耗量Zmが求められる。続いてS164
で主軸8の回転を停止し、S165で工具寿命となった
先行工具とこれに代わる予備工具として工具マガジン1
2に貯蔵されている後続工具とをATC13にて交換
し、S166で主軸8の回転を起動する。
【0053】その後、S167からS169では上記S
160からS162と同様にして後続工具の工具先端の
位置を計測し、S169で後続工具の先端がレーザ光L
を遮ったときのZ軸の現在位置Zl’’がRAM43の
所定の領域に記憶される。
【0054】そして、S170で後続工具に対する工具
長補正量Zt’’を演算する。工具長補正量Zt’’はZ
t’’=Zol’’−Zl’’−Zmで演算される。ここ
で、Zol’’は上述のZolと同様に後続工具の先端がレ
ーザ光Lを遮るとき(A位置)のZ軸の理論位置であ
り、この理論位置Zol’’から実際に工具Tがレーザ光
を遮った時のZ軸の位置Zl’’を減算し、さらに、S
163で演算された工具摩耗量Zmを減算することによ
って工具長補正量Zt’’が求められる。詳述すると、
上記の図7における工具長補正サイクルにて演算された
工具長補正量の考え方に従えば、ここでの工具長補正量
Zt’’はZt’’=Zol’’−Zl’’で良い。しか
し、先行工具は工具長補正量を求めるための計測を行っ
たときに対して摩耗しているので、先行工具の交換直前
に加工していた面は理論値に対して工具摩耗量だけ削り
残しを生じている。したがって、この値で工具長補正を
行って加工を継続すると、先行工具にて加工された面と
後続工具で加工された面との間に段差を生じるのであ
る。よって、この段差を解消すべく、後続工具の工具長
補正量に先行工具の工具摩耗量を加味させるのである。
【0055】なお、図10では説明上S163にて工具
摩耗量Zmを演算しているが、S170でのZ軸補正量
の演算では、Zt’’=Zol’’−Zl+Zl’−Zl’’
にて演算することができる。すなわち、先行工具の加工
前の計測時(S130からS132)のZ軸の現在位
置、加工後の計測時(S160からS162)のZ軸の
現在位置および後続工具の計測時(S167からS16
9)のZ軸の現在位置に基づいて演算することができる
ので、摩耗量Zmは必ずしも演算する必要はない。
【0056】そして、このようにして得られた工具長補
正量Zt’’に基づいて、S171にて、先の図4のS
108での誤差補正と同様にして工具長補正量Zt’’
により補正が行われる。すなわち、S108で工作物位
置補正量Zdと工具長補正量Ztとの加算値でZ軸の指令
値を補正していたものを、S171で工作物位置補正量
Zdと工具長補正量Zt’’との加算値で補正するように
更新する。
【0057】なお。上述の実施の形態において、基準ブ
ロック26は必ずしもレーザ検出器20に固定されてい
る必要はない。すなわち、図14に示すように、ワーク
テーブル11に固定することもできる。この場合、図4
のS108で工作物位置補正量Zdと工具長補正量Ztと
の加算値でZ軸の指令値を補正したのに代えて、工作物
位置補正量Zd、工具長補正量Zt、A位置とB位置との
間の距離Zabの加算値でZ軸の指令値を補正する必要が
ある。ただし、基準ブロック26とレーザ検出器20と
の間での熱変位を排除するために、あるいは熱変位が生
じても加工精度に悪影響を及ぼさない程度の少量となる
ようにレーザ検出器20の近傍のワークテーブル11に
設けることが好ましい。
【0058】また、レーザ検出器20はワークテーブル
11に設けられていさえすれば、その位置は特に限定さ
れないが、工作物Wの加工の妨げにならない位置に配置
する必要があり、図15に示すように、ブラケット24
をワークテーブル11の側面に固定し、旋回シリンダ2
5により計測時と加工時とでレーザ検出器20をリトラ
クト可能に取り付けることができる。
【0059】さらに、タッチセンサ30は主軸8に装着
する形式のもので説明したが、主軸8の工具装着穴の近
傍に固定され、タッチセンサの使用時と加工時とのでリ
トラクトする形式のタッチセンサを用いることも可能で
ある。工作機械としても、上述の実施の形態におけるマ
シニングセンタ1のみならず、他の構成のマシニングセ
ンタ、例えば、主軸8側がZ軸方向に移動する形式等、
種々の工作機械に適用できる。なお、主軸8側がZ軸方
向に移動するクイルタイプの工作機械の場合、このクイ
ルが主軸サポートに相当する。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、非接触により工具先端位置を検出する第1検出
器と接触子を工作物に接触させて工作物の位置を検出す
る第2検出器とを併用し、両検出器が実質的に共通の位
置を検出するようにして非接触により工具先端位置の誤
差を求めると共に接触により工作物の取り付け誤差を求
め、これら両誤差に基づいてプログラムに従うワークテ
ーブルと主軸との相対送りを補正するようにしたので、
工作物の取り付け誤差、工作機械の熱変形による誤差、
及び工具寸法誤差が全て補正され、工作物をこれら誤差
の影響を受けずに高精度に加工できる効果が奏せられ
る。
【0061】好ましくは、請求項2の発明のように、主
にワークテーブルに対する工作物の取り付け誤差である
第1誤差を求める際に接触式第2検出器の接触子を接触
させる工作機械の制御軸に沿うA位置と、主に工具寸法
誤差である第2誤差を求める際に主軸に取り付けた工具
を非接触式第1検出器がオンとなるように位置決めする
前記制御軸に沿うA位置とを同一の位置としたので、請
求項1の発明が奏する効果に加えて、請求項1の発明で
設定を必要としていた前記B位置の設定を不要にでき、
このB位置を設定する際に巻き込まれる誤差を排除でき
るといった付加的な効果が奏せられる。
【0062】請求項3の発明によれば、主軸と共に工具
を回転させた状態で工具の先端を非接触式の第1検出器
がオンとなる位置に位置決めすることにより、主に工具
寸法である第2誤差を求めるようにしたので、前記第2
誤差は加工動作中の工具の工具先端の振れを含む実効寸
法に基づいた誤差として検出でき、この工具の実効寸法
に基づいた送り量の補正を行って、工作物の加工精度を
一層向上できる。
【0063】さらに、請求項4の発明によれば、同一工
具の前記主軸に対する取り外し取り付け操作を所定回数
以上行っても工具の振れ量が所定値以下にならないとき
は、工具異常アラームを警報してこの工具による加工を
行わないようにしたり、或いは別の予備工具を使用する
ようにしたので、従来のように振れ量を検出してこの振
れ量分の補正を行う場合に生じていた加工面精度の低下
を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるマシニングセンタ
の全体図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるレーザ検出器の平
面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる数値制御装置のブ
ロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わるフローチャートの
一部である。
【図5】本発明の実施の形態に係わるフローチャートの
一部である。
【図6】図4および図5のフローチャートにおける工作
物位置補正サイクルのサブプログラムのフローチャート
である。
【図7】図4および図5のフローチャートにおける工具
長補正サイクルのサブプログラムのフローチャートであ
る。
【図8】図4および図5のフローチャートにおける工具
径補正・振れ検出サイクルのサブプログラムのフローチ
ャートの一部である。
【図9】図4および図5のフローチャートにおける工具
径補正・振れ検出サイクルのサブプログラムのフローチ
ャートの一部である。
【図10】図4および図5のフローチャートにおける面
補償サイクルのサブプログラムのフローチャートであ
る。
【図11】図6のフローチャートにおける工作物位置補
正サイクルの動作を示す平面図である。
【図12】図7のフローチャートにおける工具長補正サ
イクルの動作を示す平面図である。
【図13】図8および図9のフローチャートにおける工
具径補正・振れ検出サイクルの動作を示す図である。
【図14】基準ブロックの他の取り付け位置を示す平面
図である。
【図15】レーザ検出器の取り付け状態を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
W・・・工作物、 11・・・ワークテーブル、 T・
・・工具、 8・・・主軸、 9・・・主軸頭(主軸サ
ポート)、 40・・・数値制御装置、 20・・・レ
ーザ検出器(第1検出器)、 31・・・接触子、 ・
・・タッチセンサ(第2検出器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 浩充 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 大西 主洋 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3C001 KA01 TA02 TB02 3C029 AA01 EE02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物を取り付け固定するワークテーブ
    ルと工具を先端に装着可能な主軸を回転支持する主軸サ
    ポートとを数値制御装置により制御される1つの制御軸
    に沿って相対的に移動して前記工具により前記工作物を
    加工する工作機械において、非接触により工具先端位置
    を検出して前記工具の先端が前記制御軸上のA位置に到
    達する時にオンとなる非接触式の第1検出器を設けてお
    き、接触子を有する接触式の第2検出器を前記主軸と共
    に前記制御軸に沿って前記ワークテーブルに対し相対的
    に移動し、この第2検出器を前記A位置と同一又はこの
    A位置に近傍のB位置および前記ワークテーブル上の工
    作物上の所定のC位置に順次接触させて前記B位置から
    観たC位置の予め設定された理論位置と実際の位置との
    第1誤差を求める工程と、前記工具を前記主軸に取り付
    けて前記制御軸に沿って前記第1検出器がオンとなるよ
    うに前記ワークテーブルに対し相対的に位置決めして前
    記A位置における工具先端の予め定められた理論位置と
    実際の位置との第2誤差を求める工程と、前記工具によ
    り工作物を加工する際には、前記主軸の前記制御軸に沿
    う予めプログラムされた相対移動量を前記第1誤差およ
    び第2誤差に基づいて補正する工程と、からなることを
    特徴とする工作機械における計測補正方法。
  2. 【請求項2】 工作物を取り付け固定するワークテーブ
    ルと工具を先端に装着可能な主軸を回転支持する主軸サ
    ポートとを数値制御装置により制御される1つの制御軸
    に沿って相対的に移動して前記工具により前記工作物を
    加工する工作機械において、前記主軸と共に前記制御軸
    に沿って前記ワークテーブルに対し相対移動される接触
    式の第2検出器の接触子の先端位置を非接触により検出
    して前記接触子の先端が前記制御軸上のA位置に到達す
    る時にオンとなる非接触式の第1検出器を設けておき、
    前記第2検出器の接触子を前記第1検出器がオンとなる
    前記A位置に位置決めしてこの位置を記憶すると共に前
    記ワークテーブル上の工作物上の所定のC位置に接触さ
    せて前記A位置から観たC位置の予め設定された理論位
    置と実際の位置との第1誤差を求める工程と、前記工具
    を前記主軸に取り付けて前記制御軸に沿って前記第1検
    出器がオンとなるように前記ワークテーブルに対し相対
    的に位置決めして前記A位置における工具先端の予め定
    められた理論位置と実際の位置との第2誤差を求める工
    程と、前記工具により工作物を加工する際には、前記主
    軸の前記制御軸に沿う予めプログラムされた相対移動量
    を前記第1誤差および第2誤差に基づいて補正する工程
    と、からなることを特徴とする工作機械における計測補
    正方法。
  3. 【請求項3】 前記第2誤差を求める工程は、前記主軸
    を回転させた状態で行うことを特徴とする請求項1又は
    2記載の計測補正方法。
  4. 【請求項4】 前記第1検出器により前記工具の振れ量
    を測定し、この振れ量が所定値を超える毎に前記工具を
    主軸から一旦取り外して再度取り付ける操作を行い、こ
    の取り付け取り外し操作が所定回数以上になるとき、工
    具異常アラームを警報するか又は前記工具をこれの予備
    として予め用意されている予備工具と交換するようにし
    たことを特徴とする請求項3記載の計測補正方法。
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