JP5531640B2 - 工作機械の送り制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、旋盤等の工作機械において、移動型の主軸台や刃物台等の移動台、あるいはボール盤における加工ヘッドとなる移動台の送りの制御を行う工作機械の送り制御装置に関する。
旋盤等の工作機械において、移動型の主軸台や刃物台等の移動台の送り制御は、一般的に、サーボモータに設けられたパルスコーダ等の位置検出器の検出値を用いてフィードバック制御される。また、工作機械では、切削熱や機械運転に伴う各部位の発熱のために、ベッドや他の各部位の熱膨張,熱変形が生じる。このような熱膨張,熱変形は、加工精度の低下に繋がる。冷却装置を装備してその対策とするものもあるが、熱膨張を十分に抑えるには、冷却装置が大掛かりとなり、また冷却だけでは加工精度を確保することができない。そのため、従来より、温度計測や、リニアスケール等を用い、熱膨張を計測して工具の切り込み量等の熱変位補正を行なうものが種々提案されている。
特開2002−144191号公報
しかし、温度計測による熱変位補正では、熱変位への変換演算の複雑さや、不確実さ、環境等に左右され、精度の良い熱変位補正を行うことが困難である。また、従来のリニアスケールを用いるものでは、可動ストローク範囲の全体を計測するため、スケールの分解能などの精度を可動ストローク範囲の全体につき得なくてはならない。また、スケール自体の温度特性も影響する。長いストローク範囲にわたって高精度が計測が行えるリニアスケールは存在せず、製造できたとしても高価なものとなる。これらのため、精度の良い熱変位補正が困難であった。
この発明の目的は、簡単な構成で精度良く熱変位補正が行えて、高精度な加工が行え、精度確保のためのコスト増を抑えられる工作機械の送り制御装置を提供することである。 この発明の他の目的は、より一層簡単な構成で精度の良い熱変位補正を可能とすることである。
この発明のさらに他の目的は、複数のワークに同じ形状の加工を繰り返し行う場合に、効率良く精度の良い熱変位補正が行えるようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、一つのワークを加工するにつき、簡単な構成で精度良く熱変位補正が行えるようにすることである。
この発明の工作機械の送り制御装置は、基台に対して進退自在に設置されてワークまたは工具を支持する移動台と、この移動台を進退させる進退駆動機構と、この進退駆動機構を制御する送り制御手段とを備えた工作機械において、前記基台および移動台のいずれか一方に、前記移動台の移動方向に沿う局部的な目盛り範囲のリニアスケールを設け、前記基台および移動台の他方に、前記リニアスケールを読み取るセンサを設けたことを特徴とする。なお、上記の「基台」は、ベッドに限らず、移動台に対して相対的に位置固定となる台であれば良く、ベッドに対して移動する台であっても良い。また、「移動台」は、直接にワークまたは工具を支持するものに限らず、この移動台に移動可能に搭載した物でワークまたは工具を支持する台であっても良い。
この構成によると、移動台の移動方向に沿う局部的な目盛り範囲のリニアスケールを用いており、目盛り範囲が短いため、高精度な計測が行えるリニアスケールが安価に得られる。このような局部的な目盛り範囲のリニアスケールであっても、その目盛り範囲の位置を適宜設計することで、適切な熱変位補正が行える。そのため、簡単な構成で精度良く熱変位補正が行えて、高精度な加工が行え、精度確保のためのコスト増を抑えられる。
記送り制御手段は、前記進退駆動機構の駆動源に設けられて前記移動台の位置を検出する位置検出器の検出値に従って前記駆動源を位置制御するものであり、この送り制御手段に、前記リニアスケールを読み取った前記センサの検出値によって前記位置検出器の検出値の補正を行う補正手段を有する。前記駆動源に設けられた位置検出器は、駆動源に一体化して設けられたパルスコーダや、駆動源に連結されたロータリエンコーダ等である。
この構成の場合、基本的には、駆動源に設けられた位置検出器の検出値に従って前記駆動源を位置制御する。この位置制御を行うにつき、前記補正手段は、前記局部的な目盛り範囲のリニアスケールで読み取った検出値で補正を行う。この補正は、前記位置検出器の原点位置のオフセット補正等とする。このように、基本的には、駆動源に通常に設けられる位置検出器を用い、その補正を局部的な目盛り範囲のリニアスケールで行うため、より一層簡単な構成で精度の良い熱変位補正が可能となる。
上記補正手段を設ける場合に、前記工作機械は、複数のワークが順次入れ替えて搬入されてこれら複数のワークに互いに同じ加工を行う繰り返しサイクルを実行するものであり、前記補正手段は、前記繰り返しサイクル中で、一つ前のワークの加工時に前記リニアスケールを読み取った前記センサの検出値によって今回のワークの加工時の前記補正を行うようにしても良い。
工作機械の温度は、急激には上下せず、数分程度の経過では殆ど変わらない。これに対し、複数のワークに互いに同じ加工を繰り返し行う場合は、一般的には1個のワークの加工時間は、例えば数秒ないし数十秒程度と短い。そのため、一つ前のワークの加工時にリニアスケールを読み取ったセンサの検出値を補正に用いることで、精度の良い補正が行える。また、一つ前のワークの加工時には、必ず、ワークに対して工具が接して加工するときの位置に可動台が位置し、リニアスケールによる計測のための専用のサイクルを加工サイクルとは別個に設ける必要がない。そのため、一つ前のワークの加工時に計測することで、効率良く精度の良い熱変位補正が行える。
上記補正手段を設ける場合に、前記工作機械が、ワークの実加工の前に、前記リニアスケールを前記センサで読み取る計測サイクルを実行するものであって、前記補正手段は、前記計測サイクルの実行時の検出値によって実加工時に前記補正を行うようにしても良い。
多品種少量加工等の場合、このように加工直前に計測サイクルを実行することで、計測サイクルの時間は必要となるが、精度の良い熱変位補正が行える。
この発明の工作機械の送り制御装置は、基台に対して進退自在に設置されてワークまたは工具を支持する移動台と、この移動台を進退させる進退駆動機構と、この進退駆動機構を制御する送り制御手段とを備えた工作機械において、前記基台および移動台のいずれか一方に、前記移動台の移動方向に沿う局部的な目盛り範囲のリニアスケールを設け、前記基台および移動台の他方に、前記リニアスケールを読み取るセンサを設け、前記送り制御手段は、前記進退駆動機構の駆動源に設けられて前記移動台の位置を検出する位置検出器の検出値に従って前記駆動源を位置制御するものであり、この送り制御手段に、前記リニアスケールを読み取った前記センサの検出値によって前記位置検出器の検出値の補正を行う補正手段を有するため、簡単な構成で精度良く熱変位補正が行えて、高精度な加工が行え、精度確保のためのコスト増を抑えすることができる。
前記送り制御手段が、前記進退駆動機構の駆動源に設けられて前記移動台の位置を検出する位置検出器の検出値に従って前記駆動源を位置制御するものであり、この送り制御手段に、前記リニアスケールを読み取った前記センサの検出値によって前記位置検出器の検出値の補正を行う補正手段を有するため、より一層簡単な構成で精度の良い熱変位補正が行える。
前記工作機械が、複数のワークが順次入れ替えて搬入されてこれら複数のワークに互いに同じ加工を行う繰り返しサイクルを実行するものであり、前記補正手段が、前記繰り返しサイクル中で、一つ前のワークの加工時に前記リニアスケールを読み取った前記センサの検出値によって今回のワークの加工時の前記補正を行う場合は、複数のワークに同じ形状の加工を繰り返し行うときに、効率良く精度の良い熱変位補正が行える。
前記工作機械が、ワークの実加工の前に、前記リニアスケールを前記センサで読み取る計測サイクルを実行するものであり、前記補正手段が、前記計測サイクルの実行時の検出値によって実加工時に前記補正を行う場合は、一つのワークを加工するにつき、簡単な構成で精度良く熱変位補正を行うことができる。
この発明の第1の実施形態に係る工作機械の送り制御装置を備えた工作機械の概念構成を示すブロック図である。 同工作機械の工作機械本体の一例を示す斜視図である。 同工作機械のリニアスケールの正面図である。 同工作機械のリニアスケールとワークの配置関係の説明図である。 この発明の第2の実施形態に係る工作機械の送り制御装置を備えた工作機械の概念構成を示すブロック図である。 同工作機械のリニアスケールとワークの配置関係の説明図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。図1は、この工作機械の送り制御装置を備えた工作機械の全体の概念構成を示すブロック図である。この工作機械は、ワークWに加工を行う工作機械本体1と、この工作機械本体1に対してワークWの搬入搬出を行う搬送装置2と、工作機械制御装置3とで構成される。工作機械制御装置3は、工作機械本体1を制御する工作機械本体制御装置4と、搬送装置2を制御する搬送制御装置5とでなる。
図2に示すように、図示の例では、工作機械本体1は、主軸移動型の旋盤であり、基台であるベッド6上に移動台7を介して設置された主軸台8に、主軸9が回転自在に支持され、ベッド6上に刃物台10が、支持台11を介して設置されている。支持台11は、ベッド6に固定して設置されている。刃物台10はタレットからなり、支持台11に回転割出可能に支持されている。
移動台7は、ベッド6に設けられたX軸案内12上を、主軸9の軸心Oに対して直交する水平な主軸半径方向(X軸方向)に移動自在に設置され、ベッド6上に設置されたサーボモータ等の駆動源13とその回転出力を直線動作に変換する送りねじ機構14とからなるX軸の進退駆動機構15によって左右に進退駆動される。主軸台8は、移動台7上に設けられたZ軸案内16上に主軸軸心方向(Z軸方向)に移動自在に設置され、移動台7上に設置されたサーボモータ等の駆動源17(図1)とその回転出力を直線動作に変換する送りねじ機構18からなるZ軸の進退駆動機構19によって前後に進退駆動される。主軸9の回転駆動は、主軸台8に設置させれた主軸モータ20よって行われる。主軸9の前端にはチャック21が着脱可能に設けられている。チャック21は、チャック半径方向に移動する複数のチャック爪21aにより、ワークW(図1)を把持可能である。
刃物台10は、支持台11に対してX軸方向に沿う水平な回転中心T回りに回転自在であり、外周部に円周方向に並ぶ複数の工具取付部を有している。各工具取付部に、工具ホルダ22を介してバイトや回転工具等の工具23が取付けられる。図では1個の工具23のみを図示し、他の工具23は図示を省略してある。刃物台10は、割出用モータ(図示せず)により、任意の工具23が主軸9に対向する位置に旋回割出しされる。刃物台10は、その正面形状が図示のような円形とされ、または多角形状とされている。
図1において、工作機械本体制御装置4は、コンピュータ式の数値制御装置およびプログラマブルコントローラからなり、NCコード等からなる加工プログラム31を解読して実行する演算制御部32を有している。演算制御部32は、加工プログラム31の移動命令(図示せず)を処理してサーボコントーローラ等からなる各軸(X軸,Z軸,および主軸)の制御手段33,34,35に指令値を与えると共に、加工プログラム31のシーケンス制御命令をシーケンス制御手段36に転送する。シーケンス制御手段36は、工作機械本体1における、チャック21の開閉等のシーケンス動作を制御する手段である。前記各軸の制御手段33,34,35として、X軸の送り制御手段33、Z軸の送り制御手段34、および主軸制御手段35を有する。主軸制御手段35は、主軸モータ20(図2)を制御する手段である。
搬送制御装置5は、コンピュータ式の制御装置であり、搬送プログラム38を解読して実行する演算制御部39を有している。搬送制御装置5は、工作機械制御装置4と各動作の完了や開始の信号を送受し、工作機械本体1とタイミングを合わせて搬送装置2によるワークWの主軸チャック21への搬入搬出を制御する。
X軸の送り制御手段33は、演算制御部32から送られて来る指令位置に移動台7が移動するように、X軸進退駆動機構15の駆動源13に位置指令を与える手段であり、駆動源13に設けられた位置検出器13aの検出信号を用いてフィードバック制御を行う。
Z軸の送り制御手段34は、演算制御部32から送られて来る指令位置に主軸台8が移動するように、Z軸進退駆動機構19の駆動源17に位置指令を与える手段であり、駆動源17に設けられた位置検出器(図示せず)の検出信号を用いてフィードバック制御を行う。
X軸送り制御手段33は、リニアスケール40とセンサ41とからなる特定位置検出器42の検出信号によって補正を行う補正手段37を有している。
リニアスケール40は、目盛り範囲40aが移動台7の移動方向(X軸方向)に沿う局部的な範囲のものであり、基台であるベッド6に設置されている。より詳しくは、ベッド6のX軸案内12に設けられている。リニアスケール40を読み取るセンサ41は、移動台7に設置されている。リニアスケール40およびセンサ41からなる特定位置検出器42は、磁気式に検出するものであっても、光学的に検出するものであっても良いが、この例では磁気式に検出するものを用いている。
リニアスケール40の局部的な範囲とされる目盛り範囲40aは、例えば、1〜10mmの範囲とされ、図示の例では5mmの範囲とされている。リニアスケール40は、目盛り範囲40aの両側へ延びる取付部40bを有しており、取付部40bに設けられ取付孔40baに挿通したビス等の固着具により取付けられる。リニアスケール40の材質は、インバーや石英ガラス等の線膨張係数の小さな材質が好ましい。
センサ41の設置位置は、例えば、主軸9の軸心Oと同じX軸方向位置とされる。リニアスケール40の設置位置は、任意の位置で良いが、例えば、工具23の刃先から特定径のワークWの外径寸法の半径分だけ離れた位置に読み取り範囲40aの中心が来るように、リニアスケール40をベッド6に取付ける。すなわち、工具23の刃先が正しい外径のワークWの外周面に当たったときに、読み取り範囲40aの中心が来るようにリニアスケール40をベッド6に取付ける。上記特定径のワークWは、例えば、この工作機械に対して順次入れ替えて搬入されて互いに同じ加工が繰り返し行われるワークのうちの任意のワークとする。
X軸送り制御手段33の補正手段37は、センサ41がリニアスケール40の目盛り範囲40aを通過するときにリニアスケール40を読み取り、この読み取り時のX軸の位置検出器13aの読み取り値との誤差分だけ、X軸送り制御手段33の出力する位置指令値をオフセットさせる補正を行う。なお、このとき補正手段37は、センサ41の読み取り値から特定の1点(例えば読み取り範囲40aの中心点)の値を求める。例えば、目盛り範囲40aの全体を読み取った値の平均値を求めて特定の1点の値としても良く、また目盛り範囲40aの中の特定の1点だけを検出しても良く、さらにフィルタ処理等によって設定範囲外の値を無視し、設定範囲内の値だけから、平均値や中央値を求める等の統計学的処理を行って特定の1点の位置を求めるようにしても良い。
上記の誤差分は、例えば次の値である。センサ41が前述のように主軸軸心Oと同じX軸方向位置に設置されていて、熱変位がない場合は、リニアスケール40の特定の1点の位置を検出したときの位置検出器13aの読み取り値が、その特定の1点(例えば読み取り範囲40aの中心点)と主軸中心Oとが同じ位置、すなわち「ゼロ」となるように、補正手段37において定められるが、「ゼロ」ではなくて誤差を生じている場合、その誤差を、リニアスケール40の読み取り時の位置検出器13aの読み取り値との誤差とする。前記補正手段37は、このように求めた誤差分だけ、またはこの誤差分に対して任意に定められ係数を乗じた値だけ、位置検出器13aの読み取り値をオフセットさせる補正を行う。
補正手段37は、リニアスケール40の何時の読み取り値を用いるかは、ワークWの加工や搬送の形態等によって異なる。例えば、工作機械1が、複数のワークWが順次入れ替えて搬入されてこれら複数のワークWに互いに同じ加工を行う繰り返しサイクルを実行するものである場合を説明する。この場合、補正手段37は、前記繰り返しサイクル中で、一つ前のワークWの加工時にリニアスケール40を読み取ったセンサ41の検出値によって今回のワークWの加工時の前記補正を行う。
工作機械1が、ワークWの実加工の前に、リニアスケール40をセンサ41で読み取る計測サイクルを実行する場合がある。この場合、補正手段37は、前記計測サイクルの実行時の検出値によって実加工時に前記補正を行う。補正手段37において、工作機械1が上記のいずれの形態に対応したリニアスケール40の何時の読み取り値を用いるかは、起動よりも前にオペレータ等が設定しておいても良く、また搬送制御装置5から出力される何らかの信号を検出して選択するようにしても良い。
この工作機械の送り制御装置によると、このように、移動台7の移動方向に沿う局部的な目盛り範囲40aのリニアスケール40を用いており、目盛り範囲40aが短いため、高精度な計測が行えるリニアスケール40が安価に得られる。このような局部的な目盛り範囲40aのリニアスケール40であっても、その目盛り範囲40aの位置を適宜設計することで、適切な熱変位補正が行える。そのため、簡単な構成で精度良く熱変位補正が行えて、高精度な加工が行え、精度確保のためのコスト増を抑えられる。
特に、上記のようにセンサ41の設置位置を主軸軸心Oと同じX軸方向位置とし、リニアスケール40の設置位置を、工具23の刃先から特定径のワークWの外径寸法の半径分だけ離れた位置に読み取り範囲40aの中心が来るようにした場合は、より高精度な加工が実現可能となる。これは、移動台7の位置が加工精度に影響するのは、ワークWに対して工具23が接して加工するときの前記移動台23の位置であるためである。
また、上記の補正手段37を設けたため、基本的には、駆動源13に通常に設けられる位置検出器13aを用い、その補正を局部的な目盛り範囲40aのリニアスケール40で行うことになるため、より一層簡単な構成で精度の良い熱変位補正が可能となる。
上記補正手段37が、複数個の同じ加工を行う繰り返しサイクル中で、一つ前のワークWの加工時にリニアスケール40を読み取った検出値によって今回のワークWの加工時の補正を行う場合は、効率良く精度の良い熱変位補正が行える。工作機械1の温度は、急激には上下せず、数分程度の経過では殆ど変わらない。これに対し、複数のワークWに互いに同じ加工を繰り返し行う場合は、一般的には1個のワークWの加工時間は、例えば数秒ないし数十秒程度と短い。そのため、一つ前のワークWの加工時にリニアスケール40を読み取ったセンサ41の検出値を補正に用いることで、精度の良い補正が行える。また、一つ前のワークWの加工時には、必ず、ワークWに対して工具23が接して加工するときの位置に可動台7が位置し、リニアスケール40による計測のための専用のサイクルを加工サイクルとは別個に設ける必要がない。そのため、一つ前のワークWの加工時に計測することで、効率良く精度の良い熱変位補正が行える。
なお、複数個の同じ加工を行う繰り返しサイクル中で、一つ前のワークWの加工時にセンサ41によりリニアスケール40を読み取るようにするには、例えば各回のワークWの加工サイクルで、センサ41がリニアスケール40を通過する過程を加えても良い。
補正手段37が、加工前のワークWを直前に計測する計測サイクルの実行時の検出値によって実加工時に前記補正を行うようにした場合は、計測サイクルの時間は必要となるが、多品種少量加工等の場合などに、精度の良い熱変位補正が行える。
加工前のワークWを直前に計測する計測サイクルは、工具23がワークWに接するまでにセンサ41がリニアスケール40を通過するような、ワークWの径が比較的小さい場合(図1においてWで示す)は、工具23がワークWに接するまでのアプローチ過程で計測が行え、特に計測サイクル用に可動台7を移動させる必要がない。一方、ワークWの径が比較的大きい場合(Wで示す)は、工具23がワークWに接するまでにセンサ41がリニアスケール40を到着、通過できないので、計測サイクルとして、ワークWが工具23と干渉しないZ軸方向となるように、主軸台8を移動させてから、可動台7のX軸方向の移動によりセンサ41がリニアスケール40を通過する計測サイクルを設ける。
なお、上記第1の実施形態では、センサ41を主軸軸心Oに配置したが、例えば図5に示す第2の実施形態のように、リニアスケール40の設置位置は、ワークWに対して工具23が接して加工する位置に移動台7がある状態で、リニアスケール40の目盛りがセンサ41で読み取り可能となる位置としてもよい。この実施形態では、主軸移動型であって、工具23が位置固定であるため、その工具23の刃先位置Qが目盛り範囲40aの中心に位置するように、リニアスケール40が取付けられる。また、この実施形態では、工作機械1は、特定の外径寸法の円柱状ワークWの外径切削を行うものとされ、主軸軸心Oから前記外径寸法の半径分だけ工具23側に偏った位置にセンサ41の検出面の中心が位置するように、センサ41が移動台7に取付けられている。したがって、ワークWに対して工具23が接して加工する位置に移動台7がある状態で、リニアスケール40の目盛りがセンサ41で読み取り可能となる。
この場合、上記の誤差分は、例えば次の値である。熱変位がない場合は、リニアスケール40の特定の1点の位置を検出したときの位置検出器13aの読み取り値は、その特定の1点(例えば読み取り範囲40aの中心点)が主軸中心Oから偏っている距離の値となるはずであるが、この偏り距離に対して誤差を生じている場合、その誤差を、リニアスケール40の読み取り時の位置検出器13aの読み取り値との誤差とする。前記補正手段37は、このように求めた誤差分だけ、またはこの誤差分に対して任意に定められ係数を乗じた値だけ、位置検出器13aの読み取り値をオフセットさせる補正を行う。
特に、上記のようにワークWに対して工具23が接して加工するときの移動台7の位置で、リニアスケール40の目盛りがセンサ41で読み取り可能となる位置に、リニアスケール40を設置した場合は、より高精度な加工が実現可能となる。これは、移動台7の位置が加工精度に影響するのは、ワークWに対して工具23が接して加工するときの前記移動台23の位置であるためである。
なお、上記実施形態では、リニアスケール40を基台であるベッド6に取付け、センサ41を移動台7に取付けたが、これとは逆に、リニアスケール40を移動台7に取付け、センサ41をベッド6に取付けて良い。また、上記実施形態では、主軸9が直交2軸方向に移動する主軸移動型旋盤に適用した場合につき説明したが、主軸台8がX軸方向に移動し、刃物台10がZ軸方向に移動する主軸移動型旋盤に適用することもできる。その場合は、請求項で言う「移動台」は、その移動する主軸台8が該当し、主軸台8とベッド6とのいずれか一方にリニアスケール40を、他方にセンサ41を取付ける。また、この発明は、主軸移動型旋盤に限らず、刃物台移動型の旋盤にも適用することができる。その場合、刃物台または刃物台を搭載して移動する台が、請求項で言う「移動台」となる。さらにこの発明は、旋盤に限らず、フライス盤やボール盤等の工作機械においても、旋盤の場合と同様に適用することができる。
1…工作機械本体
4…工作機械本体制御装置
5…搬送制御装置
6…ベッド(基台)
7…移動台
8…主軸台
9…主軸
10…刃物台
12…X軸案内
13…駆動源
13a…位置検出器
15…X軸の進退駆動機構
21…チャック
23…工具
31…加工プログラム
32…演算制御部
33…X軸の送り制御手段
37…補正手段
40…リニアスケール
40a…目盛り範囲
40b…取付部
41…センサ
O…主軸の軸心
Q…刃先位置
W…ワーク

Claims (3)

  1. 基台に対して進退自在に設置されてワークまたは工具を支持する移動台と、この移動台を進退させる進退駆動機構と、この進退駆動機構を制御する送り制御手段とを備えた工作機械において、前記基台および移動台のいずれか一方に、前記移動台の移動方向に沿う局部的な目盛り範囲のリニアスケールを設け、前記基台および移動台の他方に、前記リニアスケールを読み取るセンサを設け、前記送り制御手段は、前記進退駆動機構の駆動源に設けられて前記移動台の位置を検出する位置検出器の検出値に従って前記駆動源を位置制御するものであり、この送り制御手段に、前記リニアスケールを読み取った前記センサの検出値によって前記位置検出器の検出値の補正を行う補正手段を有することを特徴とする工作機械の送り制御装置。
  2. 前記工作機械は、複数のワークが順次入れ替えて搬入されてこれら複数のワークに互いに同じ加工を行う繰り返しサイクルを実行するものであり、前記補正手段は、前記繰り返しサイクル中で、一つ前のワークの加工時に前記リニアスケールを読み取った前記センサの検出値によって今回のワークの加工時の前記補正を行う請求項記載の工作機械の送り制御装置。
  3. 前記工作機械は、ワークの実加工の前に、前記リニアスケールを前記センサで読み取る計測サイクルを実行するものであり、前記補正手段は、前記計測サイクルの実行時の検出値によって実加工時に前記補正を行う請求項記載の工作機械の送り制御装置。
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