JP6168396B2 - 工作機械 - Google Patents

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この発明は工作機械に関し、特に機械の熱変形による加工誤差の軽減に関する。
旋盤、フライス盤、ボール盤等の工作機械では、機械の熱変形により加工誤差が生じる。この問題を解決するため出願人は、スーパーインバー合金等の実質的に熱膨張しない材料のスケールを工作機械に内蔵させ、スケールを基準とする座標をリニアセンサにより読み取ることを提案した(特許文献1 特許4351379)。
工作機械には、加工後のワークの加工径を工作機械の内部で計測したいとの要求がある。機内計測に関して出願人は、機械が所定の温度に達した際に、タッチプローブをワークに接触させて機内計測することを提案した(特許文献2 特開2004-34187)。所定の温度とは、始業時、機械の温度上昇時等の特徴的な温度を意味する。そしてサーボモータによりタッチプローブをワークの両端に接触させ、両端でのサーボモータのエンコーダ信号の差からワークの加工径を決定する。しかしながらエンコーダ信号から求めた加工径は、サーボモータ軸に結合されたボールネジ、ナット、機械のスライド、主軸又は刃物台などの機械構成ユニットなどの熱膨張分を含んでおらず、誤差を伴う。
特許4351379 特開2004-34187
この発明の課題は、工作機械の熱変形の影響を受けずにワークを加工し、ワークの加工径(加工後のサイズ)を、ワーク側のセンサにより、ツール側のタッチプローブからの信号をトリガーとして、工作機械の熱膨張の影響を受けずに、測定することにある。
この発明は、ツールによりワークを切削する工作機械であって、
低熱膨張率材料から成る基準フレームと、
基準フレームからツール側へ延び、センサにより読み取り可能なマークを備え、かつ低熱膨張率材料から成るツール側のスケールと、
基準フレームからワークの支持台側へ延び、ワークの加工径よりも大きな範囲に渡って設けられてセンサにより読み取り可能なマークを備え、かつ低熱膨張率材料から成るワーク側のスケールと、ツール側に設けられ、ツール側のスケールのマークを読み取り、基準フレームを基準とするツール側の座標を求めるツール側センサと、
ワーク側に設けられ、ワーク側のスケールのマークを読み取り、基準フレームを基準とするワーク側の座標を求めるワーク側センサと、ワーク側センサとツール側センサとの信号から、ワークに対するツールの座標を求めるための計測座標算出部と、
ワークの表面に接触すると信号を出力するタッチプローブと、タッチプローブが信号を出力した際の、ワーク側センサの読み取り値から、ワークの加工径を計測するための機内計測部、とを備え、
工作機械はサーボモータによりツールとワークとを相対移動させるように構成され、
さらに、エンコーダの信号に基づいて前記サーボモータをサーボ制御すると共に、ツールとワークとの接触前のアプローチ位置での計測座標算出部からの信号に基づいて、加工終了位置までの送り量を補正する制御部を備え、
制御部は、工作機械の起動時に、本来の加工量よりも少ない加工量でワークを加工させた後に、機内計測部にワークの加工径を測定させ、測定した加工径により残りの加工量を決定すると共に、計測座標算出部でのワークまたはツールの座標を補正するように構成されている
この発明では、熱変形が小さな基準フレームに、熱変形が小さいツール側とワーク側のスケールを設ける。そしてツール側とワーク側のセンサによりスケールのマークを読み取ることにより、ツール側の座標とワーク側の座標を、熱変形の影響を最小にしながら求めることができる。求めた座標を切削加工での送りにフィードバックすると、工作機械の熱変形によるワークの加工誤差を最小にできる。そして加工後のワークに対し、タッチプローブとツール側のスケールとを用い、機内計測を行うことができる。これらのため、工作機械の熱変形の影響を受けずにワークを加工し、かつ加工後のワークの加工径を測定できる。
ここでワークに対するツールの送りを、送り用のサーボモータのエンコーダ信号に基づいて制御すると、エンコーダ信号に基づく従来型の制御を使うことができる。そしてツールの刃先がワークへ接触する前の所定の位置まで送った時点で、機械の熱変形によるエンコーダ信号の誤差を求め、誤差を解消するように加工終了位置までの送り量を補正することが好ましい。このようにするとエンコーダ信号に基づく従来の制御を行いながら、機械の熱変形による加工誤差を最小にできる。
特に、工作機械をサーボモータによりツールとワークとを相対移動させる旋盤とし、エンコーダの信号に基づいて前記サーボモータをサーボ制御すると共に、ツールとワークとの接触前のアプローチ位置での計測座標算出部からの信号に基づいて、加工終了位置までの送り量を補正することが好ましい。アプローチ位置から加工終了位置までの送り量は僅かで、この間の送りで新たに発生する誤差も僅かである。そしてアプローチ位置では、サーボモータが一旦減速するので、送り量の補正も容易である。
加工後にワークの加工径を測定すること(機内計測)により、加工誤差が判明する。そしてワークの座標は、例えば主軸の中心位置等に対応する、ワーク側スケールの読み取り値で表される。ツールの座標は、ワーク側スケールの読み取り値で表される。これらの座標を主軸中心に対するツールの先端(刃先)の位置に換算するには、ツールの長さ、刃先の摩耗(ツールの長さが短くなること)、主軸台等が傾斜等により変形すること、等への補正要因がある。そして機内計測により、これらの補正要因の合計値が判明する。補正はワーク側の座標に施しても、ツール側の座標に施しても、ワークに対するツールの相対座標に対して施しても、あるいはワークの目標加工径を補正し、座標に陽には施さなくても良い。
この発明では、制御部は、工作機械の起動時に、
・ 本来の加工量よりも少ない加工量でワークを加工させた後に、
・ 機内計測部にワークの加工径を測定させ、
・ 測定した加工径により残りの加工量を決定すると共に、
・ 計測座標算出部でのワークまたはツールの座標を補正する。なお本来の加工量よりも少ない加工量でワークを加工することを中仕上げという。このようにすると、起動時の初品から高精度にワークを加工でき、かつツールの摩耗、ツールの熱膨張、ワークあるいはツールの送り機構の傾斜、等による誤差を補正できる。
またサイズが既知の治具にツールの刃先を接触させ、この際のツール側センサとワーク側センサとの信号から、ツールの先端位置(刃先)の座標を求めることができる。治具は例えば機内計測部によりサイズを計測済みのワーク、あるいは接触子のサイズが既知のタッチプローブ等である。この機能を機内計測に付け加えることにより、刃先位置を計測できる。刃先位置を変化させる要因は、刃先の摩耗と、ツールホルダー及びツールの熱膨張である。そして機械の熱的な状態がほぼ一定になると、刃先位置の変化は刃先の摩耗によるものに限られる。そこで熱的に安定した状態で刃先の摩耗を測定する、あるいは機械の熱的状態が一定になった際に、刃先位置を比較する等により、刃先の磨耗量が測定できる。
このようにすると、ツール側及びワーク側のスケールとセンサとを用いて、機械の熱変形の影響を最小にしながらワークを加工し、加工後のワークのサイズ(加工径)を測定できる。そしてさらにツールの先端位置(刃先位置)を測定できるので、より正確な加工を行うことができる。
実施例の旋盤の平面図 刃先がアプローチ位置に有る際の、旋盤の要部平面図 刃先の位置と速度とを示す図で、アプローチ位置で機械座標系の誤差を測定し、加工終了位置までの送り量にフィードバックすることを示す。 初品加工時の処理を示す図 機内計測を行う際の、旋盤の要部平面図 刃先位置の計測を示す要部平面図 刃先位置の計測の変形例を示す要部平面図 機内計測により測定した誤差への解析を示す図
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
図1〜図8に実施例の旋盤2とその作用を示し、図1は旋盤2の構造を、図2,図3は機械座標系の誤差をアプローチ位置で測定し加工終了位置を補正することを示す。図4は中仕上げにより初品から高精度に加工することを示し、図5は機内計測を示す。図6、図7は刃先位置の計測を、図8は機内計測により得られたデータの解析を示す。
各図において、旋盤2のベッド4上にX軸方向の送り台6が設けられ、主軸台8が送り台6上にZ軸方向にスライド自在に設けられている。10はチャック、Oは主軸中心である。12はX軸モータでサーボモータであり、送りネジ14を駆動し、ガイド15,15に沿って送り台6をX軸方向にスライドさせる。同様にサーボモータから成るZ軸モータ16は送りネジ17を駆動し、ガイド18,18に沿って主軸台8をZ軸方向にスライドさせる。なおこの明細書でのX軸、Z軸は図1の左下のように定める。
20はタレットで、支持台22により回転自在に支持され、図示しないモータにより回転する。タレット20には、ツールチェンジャ38あるいは人手により、ツール24を着脱自在である。26はタッチプローブで、加工済みのワークの外周と内周、先端等に接触すると信号を出力し、ワークの3次元形状を旋盤2の内部で計測するためのものである。なおタッチプローブ26の3次元形状は測定済みとする。ローダ36によりチャック10へワークをセットし、ワークを回転させてツール24の刃先により切削し、加工済みのワークをローダ36により排出する。
ベッド4上に熱膨張を最小にした基準フレーム30を取り付け、ベッド4が熱変形しても影響を受けないように、基準フレーム30は例えば一点支持でベッド4に取り付ける。31,32はスケールで、基端部を基準フレーム30により支持し、基準フレーム30以外の部材とは接触しないようにする。スケール31,32の先端部に、磁性の部分と非磁性の部分、あるいは磁化した部分と磁化していない部分とが交互に表れる磁気マークを設ける。例えばスケール31,32の材質が磁性体の場合、非磁性体の薄膜をメッキ等により所望のパターンで設け、磁気マークとする。あるいはスケール31,32の表面を規則的に等ピッチで磁化し、磁気マークとする。なお磁気マークに代えて、光学マーク等を用いても良い。基準フレーム30,スケール31,32は例えば熱膨張率が低いスーパーインバー合金製とし、熱変形を最小にする。スーパーインバー合金に代えて、インバー合金あるいは熱膨張率が小さなガラス、液晶ポリマー等でも良い。
主軸中心Oの直下の位置で主軸台8側にリニアセンサ34を設け、スケール31の磁気マークを検出し、スケール31を基準とする主軸台8のX座標を信号S1として出力する。またスケール32をタレット20の中心軸に沿って配置し、タレット20に設けたリニアセンサ35によりスケール32の磁気マークを検出し、スケール32を基準とするタレット20の基準面PのX座標を信号S2として出力する。なおタレット20の基準面Pに対する、ツール24の刃先のX座標は例えば図7のようにして測定する。またスケール31,32に光学マークを設ける場合、リニアセンサ34,35の代わりに、光学センサを設ける。
旋盤2の制御部40では、タレットコントローラ41によりタレット20の回転を制御する。X軸サーボコントローラ42は、X軸モータ12の軸の回転角をエンコーダ信号E1により監視し、X軸モータ12を制御信号C1によりサーボ制御し、送り台6をX軸方向にスライドさせる。Z軸サーボコントローラ43は、Z軸モータ16の軸の回転角をエンコーダ信号E2により監視し、Z軸モータ16を制御信号C2によりサーボ制御し、主軸台8をZ軸方向にスライドさせる。この明細書では、エンコーダ信号E1,E2から求まる座標を、機械座標系の座標と呼ぶ。またリニアセンサ34,35の信号とスーパーインバー合金で構成されたフレーム30から求まる座標を、計測座標系の座標と呼ぶ。2つの座標系の違いは、計測座標系では旋盤2の熱変形の影響が小さく、機械座標系では熱変形の影響が大きい点にある。計測座標系には2つの信号があるが、実際に用いるのは2つの信号の差を、ツール長さ等により補正したものである。補正は計測座標系での座標に対して施しても、加工の目標位置が補正されたものとして、計測座標系の座標に陽に施さなくても良い。
刃先補正部44は、図6あるいは図7の手順により刃先位置を計測座標系、あるいは計測座標系と機械座標系の双方で、求め、刃先位置を補正するための刃先補正値を記憶する。刃先補正値を求めると、計測座標系等の座標を刃先位置に換算できる。計測座標算出部45は、ワークの加工中に、計測座標系での刃先のX座標あるいは基準面PのX座標を、X軸サーボコントローラ42へ出力する。例えば刃先がワークへのアプローチ位置に達した時点で、より一般的には刃先がワークへ接触する前の所定の位置に達した時点で、X軸サーボコントローラ42は機械座標系のX座標を計測座標系でのX座標に従って補正する。この補正では、例えばアプローチ位置から加工終了位置までの機械座標系での送り量を、アプローチ位置での機械座標系の座標の誤差により補正する。加工プログラム処理部48は、LANインターフェース49等から入力された加工プログラムを解釈し、制御部40を介して旋盤2に実行させる。
図2,図3に切削加工時の処理を示す。ワークWの加工プログラムを機械座標系で処理し、加工プログラム処理部48は機械座標系でアプローチ位置と加工終了位置とをX軸サーボコントローラ42へ出力する。機械座標系は旋盤2の熱変形の影響を受け、始業時からの作業時間、気温の変動等により、機械座標系での座標が同じでも、刃先の位置は変化する。そこで計測座標系で求めたX座標により、機械座標系でのX座標を補正し、旋盤2の熱変形の影響を最小にする。
X軸サーボコントローラ42はエンコーダ信号E1によりX軸モータ12を制御し、アプローチ位置で図3のように一旦速度0付近まで減速する。アプローチ位置で、計測座標系でのX座標と機械座標系でのX座標との誤差を求め、この誤差を解消するように、加工終了位置の機械座標系での目標値を補正する。この処理は、加工プログラム処理部48,あるいはX軸サーボコントローラ42等で行う。アプローチ位置と加工終了位置との間で発生する計測座標系と機械座標系との間の誤差は僅かで、且つ計測座標系で仕上げ加工を行うので機械座標系での熱変形は補正により極小になる、実施例では正確に熱変形の影響を排除したワークを加工できる。
図4に初品に対する加工を示す。朝の起動時、昼食後の作業再開時等に、即ち工作機械2の起動時で温度が安定していない時に、最初に加工するワーク(初品)に対して、高精度に加工する必要がある。図4に示すように、アプローチ位置で機械座標系の誤差を計測座標系により補正する。そしてこの補正値に基づいて、本来の加工径よりも加工量が少ない加工径までの仕上げ加工(中仕上げ)を実行し、中仕上げ後に、タレット20を回転させ、図5の手順で、ワークWの加工径を機内計測する。すると計測座標系での刃先位置への誤差、例えば刃先の摩耗、ツール24等の熱膨張、主軸台8の傾斜等による誤差を、機内計測した加工径と、刃先位置から推定した加工径との誤差から、求めることができる。そこで以降のワークに対し、この誤差による計測座標系への補正を施すと共に、中仕上げしたワークに対し、目標の加工径となるように、残りの加工量(刃先の移動量)を決定する。中仕上げ後には、加工終了位置の手前で刃先が停止しているので、タレット20を回転させてツール24をワークWへ向け、目標の加工径となるように刃先を移動させることにより、加工を完了する。中仕上げ後で機内計測の前後のいずれかに、ワークに対するツールの位置を計測座標系で測定することが好ましい。加工完了後に、再度ワークWの加工径を機内計測し、この際の誤差により計測座標系の刃先位置等を補正しても良い。また図4の処理は制御部40により実行する。計測座標系での刃先位置を求める。
図5に、加工済みのワークWに対する機内計測を示す。リニアセンサ34の測定レンジ、即ちスケール31に磁気マークを設ける範囲を、加工するワークWの外径よりも大きくし、より正確にはワークWの加工径よりも大きくし、測定レンジ内にワークWの径を測定する位置の両端が含まれるようにする。タレット20を回転させて、タッチプローブ26をワークWへ向け、主軸台8をX軸方向に沿ってスライドさせ、ワークWの外周あるいは内周の両端、ワークWの先端等に、タッチプローブ26の接触子29を接触させる。タッチプローブ26の接触子29がワークWに接触するとタッチプローブ信号S3を発し、この時点でのリニアセンサ34の信号S1を計測座標系でのX座標として記憶する。そしてワークWの外周両端での計測座標系の座標の差はワークWの外周の直径であり、内周両端での座標の差は内周の直径である。機内計測では、例えば抜き取りにより計測するワークWをランダムに選択し、また図5の左下のタッチプローブ27のように、接触子29の数は1個〜3個等、任意である。
図6に、接触子29の半径が既知のタッチプローブ28を用いた、刃先位置の計測を示す。ツール24の刃先51をタッチプローブ28に接触させると、この時の信号S1,S2から刃先51の位置が判明する。またこの時のエンコーダ信号から、機械座標系での刃先補正値が判明する。ここに刃先補正値は、計測座標系あるいは機械座標系でのX座標を、刃先の位置に換算するためのパラメータである。これによってツール24の刃先摩耗量等、機械座標系での刃先補正値等が判明し、ツール24を適切な時期に交換でき、早めにツール24を交換する無駄を除くと共に、刃先51の摩耗による計測座標系の誤差を解消できる。
図7に、刃先位置の計測への変形例を示し、機内計測済みで主軸中心Oから外周までの半径rが既知の治具50を用いる。52はタッチ検出部で、例えば超音波パルスを周期的に出力し、治具50からの反射パルスの有無を検出する。あるいは直流の電圧パルスを周期的に出力し、治具50と刃先51との接触によるインピーダンスの変化を検出する。そしてタッチ検出部52は、刃先51と治具50の接触を検出すると、信号S4を出力する。信号S4が出力された時点での、リニアセンサ34,35の信号の差(S1-S2=a)から、計測座標系での刃先補正値が判明し、エンコーダ信号E1=bから、機械座標系での刃先補正値が判明する。
図8に、機内計測により得られた加工誤差へのデータ解析を示す。ワークWの加工誤差が許容範囲を上回る場合、ロットの全数検査等を行うものとし、図8では許容範囲内の誤差から加工誤差の要因を解析する。60は解析装置で、加工誤差と、誤差要因と考えられる説明パラメータが入力される。説明パラメータには、旋盤2の温度、ワークWの温度、気温、始業時からの稼動時間、同じツールでの加工回数、前回のメンテナンスからの稼動時間、等考えられる適宜の要因を入力する。
解析装置60は、加工誤差と説明パラメータとの相関の有無等を解析し、また加工誤差を複数のクラスターに分類できるか等を解析し、各説明パラメータと加工誤差との相関係数、説明パラメータ毎の加工誤差の分布、加工誤差のクラスターの有無等を出力する。旋盤2が適切にメンテナンスされ、かつ制御が理想的であれば、相関係数はほぼ0で、加工誤差は説明パラメータに対して正規分布となるはずである。これに対して加工誤差と説明パラメータとの間に相関がある場合、説明パラメータを特定することにより、旋盤2をメンテナンスし、あるいは環境の管理を最適化し、加工誤差を最小化できる。
実施例では以下の効果が得られる。
1) X軸サーボコントローラ42をエンコーダの信号E1に基づいて動作させるので、従来の制御方式を踏襲できる。
2) アプローチ位置から加工終了位置までの送りの間に発生する誤差は僅かなので、旋盤2の熱変形による加工誤差を最小にできる。
3) 計測座標系を構成するためのスケール31とリニアセンサ34とを用い、機内計測ができる。
4) ツール24の刃先補正ができ、刃先の摩耗量が分かる。そして刃先磨耗量の累積値と許容値との差分等により、刃先の交換指示を出力する事ができる。従来は一定の加工回数等で刃先交換を行なっていたことに対して、真の磨耗量を計測して最適な刃先交換指示が出来るので、刃物コストを削減できる。
5) 初品に対し中仕上げ後に加工径を機内計測すると、初品から高精度に加工でき、かつ以降の加工に対して、計測座標系の精度を低下させる様々な要因を補正できる。
6) ワークの加工径を機内計測することにより、加工精度を保証できる。なお機内計測は、全数ではなく、少数のワークを選択して実行すればよい。
7) 1日に複数回刃先補正を行うと、刃先の摩耗とツールの熱膨張の影響を補正できる。
8) 加工誤差のデータを説明パラメータに対して相関解析すると、加工誤差の原因を抽出できる。
実施例では旋盤2への応用を示したが、フライス盤など、工作機械の種類は任意である。
2 旋盤
4 ベッド
6 送り台
8 主軸台
10 チャック
12 X軸モータ
14 送りネジ
15 ガイド
16 Z軸モータ
17 送りネジ
18 ガイド
20 タレット
22 支持台
24 ツール
26〜28 タッチプローブ
29 接触子
30 基準フレーム
31,32 スケール
34,35 リニアセンサ
36 ローダ
38 ツールチェンジャ
40 制御部
41 タレットコントローラ
42 X軸サーボコントローラ
43 Z軸サーボコントローラ
44 刃先補正部
45 計測座標算出部
46 機内計測部
48 加工プログラム処理部
49 LANインターフェース
50 治具
51 刃先
52 タッチ検出部
60 解析装置

O 主軸中心
C1,C2 制御信号
E1,E2 エンコーダ信号
S1,S2 リニアセンサ信号
S3 プローブ信号
P タレットの基準面
W ワーク

Claims (3)

  1. ツールによりワークを切削する工作機械であって、
    低熱膨張率材料から成る基準フレームと、
    基準フレームからツール側へ延び、センサにより読み取り可能なマークを備え、かつ低熱膨張率材料から成るツール側のスケールと、
    基準フレームからワークの支持台側へ延び、ワークの加工径よりも大きな範囲に渡って設けられてセンサにより読み取り可能なマークを備え、かつ低熱膨張率材料から成るワーク側のスケールと、
    ツール側に設けられ、ツール側のスケールのマークを読み取り、基準フレームを基準とするツール側の座標を求めるツール側センサと、
    ワーク側に設けられ、ワーク側のスケールのマークを読み取り、基準フレームを基準とするワーク側の座標を求めるワーク側センサと、
    ワーク側センサとツール側センサとの信号から、ワークに対するツールの座標を求めるための計測座標算出部と、
    ワークの表面に接触すると信号を出力するタッチプローブと、
    タッチプローブが信号を出力した際の、ワーク側センサの信号から、ワークの加工径を計測するための機内計測部、とを備え
    前記工作機械はサーボモータによりツールとワークとを相対移動させるように構成され、
    さらに、エンコーダの信号に基づいて前記サーボモータをサーボ制御すると共に、ツールとワークとの接触前のアプローチ位置での計測座標算出部からの信号に基づいて、加工終了位置までの送り量を補正する制御部を備え、
    前記制御部は、工作機械の起動時に、本来の加工量よりも少ない加工量でワークを加工させた後に、前記機内計測部にワークの加工径を測定させ、測定した加工径により残りの加工量を決定すると共に、前記計測座標算出部でのワークまたはツールの座標を補正するように構成されていることを特徴とする工作機械。
  2. サイズが既知の治具にツールの刃先を接触させた際の、ツール側センサとワーク側センサとの信号から、ツールのサイズを補正する刃先補正部を備えていることを特徴とする、請求項1の工作機械。
  3. 前記工作機械は旋盤であることを特徴とする、請求項1または2の工作機械
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