JP2004322255A - 直線位置計測器付き工作機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工手段の移動の原点座標を正確に求め、加工手段の送り精度、加工精度を向上させることのできる直線位置計測器付き工作機械を提供する。
【解決手段】ワークWを支持して回転させるワーク支持手段3と、ワーク支持手段3に対して相対移動可能に設置された加工手段4と、直線位置計測器25とを備える。直線位置計測器25は、ワーク支持手段3および加工手段4のいずれか一方および他方にそれぞれ取付けられたスケール25aおよびセンサ25bを有する。加工手段4の移動を制御する移動制御主端27は、ワーク支持手段3の回転中心OW を原点座標X00として制御するものとする。この原点座標X00を設定する原点座標設定手段25として、ワーク支持手段3に把持されたマスタワークや治具等の所定の被検出部Mを上記直線位置計測器25で実測し、その実測結果により設定するものを設ける。この実測は、タッチプローブ19が被検出部Mに接してオンしたときの直線位置計測器25の値を読み込むものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】ワークWを支持して回転させるワーク支持手段3と、ワーク支持手段3に対して相対移動可能に設置された加工手段4と、直線位置計測器25とを備える。直線位置計測器25は、ワーク支持手段3および加工手段4のいずれか一方および他方にそれぞれ取付けられたスケール25aおよびセンサ25bを有する。加工手段4の移動を制御する移動制御主端27は、ワーク支持手段3の回転中心OW を原点座標X00として制御するものとする。この原点座標X00を設定する原点座標設定手段25として、ワーク支持手段3に把持されたマスタワークや治具等の所定の被検出部Mを上記直線位置計測器25で実測し、その実測結果により設定するものを設ける。この実測は、タッチプローブ19が被検出部Mに接してオンしたときの直線位置計測器25の値を読み込むものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、旋盤等の工作機械において、クローズドループ方式で制御するための直線位置計測器を備えた直線位置計測器付き工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋盤等の工作機械のフィードバック制御形式として、一般的には、サーボモータに付属のパルスコーダを利用したセミクローズドループ方式が採用される。高精度加工のために、刃物台の位置をリニアエンコーダ等の直線位置計測器で直接に読み取って制御するクローズドループ方式が採られることがある。上記のいずれの場合も、原点位置は、刃物台が主軸から最も離れた位置とすることが一般的である。この他に、クローズドループ方式と、サーボモータの回転検出によるセミクローズドループ方式とを併用し、主軸中心を原点とすることも提案されている(例えば特許文献1)。また、旋盤の熱変位補正機能を備えた制御装置や、加工済みのワークの計測を行う機内計測装置において、ワークの実測による校正を行うことも提案されている(例えば特許文献2,3)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−144191号
【特許文献2】
実用新案登録第2574288号公報
【特許文献3】
特公平7−83976号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記各従来例のうち、特許文献1に示すものは、主軸中心を原点としてクローズドループ方式による加工が行われるため、フィードバック制御方法として、最も精度の高い制御が可能である。しかし、機械組付け時に、直線位置計測器の原点位置に微小な誤差があったり、また長年使用の間に直線位置計測器の原点位置に狂いが生じた場合に、初期の加工精度が得られなくなることがある。
また、特許文献2や特許文献3によるものは、加工済みワークの機内計測や、機械の熱変位補正のために校正動作を適宜行うようにしているが、計測器の原点位置に狂いが生じた場合の加工を考慮したものではなく、原点位置の誤差に対して加工精度の向上が望めない場合がある。
【0005】
この発明の目的は、加工手段の移動の原点座標を正確に求め、加工手段の送り精度、加工精度を向上させることのできる直線位置計測器付き工作機械を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の構成を実施形態に対応する図1と共に説明する。この直線位置計測器付き工作機械は、ワーク(W)を支持して回転させるワーク支持手段(3)と、ワーク(W)に加工を行うために上記ワーク支持手段(3)に対して相対移動可能に設置された加工手段(4)と、上記ワーク支持手段(3)および加工手段(4)のいずれか一方および他方にそれぞれ取付けられたスケール(25a)およびセンサ(25b)を有し上記加工手段(4)の上記ワーク支持手段(3)に対する相対移動の位置を検出する直線位置計測器(25)と、上記加工手段(4)の刃先が上記ワーク支持手段(7)の回転中心(OW )に一致する位置が原点座標として定められて、上記直線位置計測器(25)の計測値に従い上記加工手段(4)の上記相対移動を制御する移動制御手段(27)とを備える。この工作機械において、上記ワーク支持手段(3)の所定の被検出部(M)を上記直線位置計測器(25)で実測してその実測結果により上記移動制御手段(27)の上記原点座標を設定する原点座標設定手段(25)とを備えたものである。
この構成によると、移動制御手段(27)による加工手段(4)の移動制御がワーク支持手段(3)の回転中心(OW )を原点座標として行われる。また、スケール(25a)およびセンサ(25b)を有する直線位置計測器(25)により、加工手段(4)の移動位置が直接に検出される。そのため、機械部(1)自体に熱変位や外乱等による多少の変位が生じても、ワーク支持手段(3)の回転中心(OW )となるワーク中心からワーク(W)の加工部位までの半径寸法に対応する機械変位分だけとなる。そのため、機械自体の精度が多少変化しても、加工精度が低下しない。この場合に、原点座標に誤差があると、その誤差の影響が生じるが、この発明では、原点座標設定手段(25)により、ワーク支持手段(4)の所定の被検出部(M)を上記直線位置計測器(25)で実測してその実測結果により上記移動制御手段(27)の上記原点座標を設定するため、精度良く原点位置が設定できる。例えば、機械部(1)の組立時に直線位置計測器(25)の機械部(1)に対する設置位置の誤差が生じていたり、長年使用の間に直線位置計測器(25)の設置位置に微妙な狂いが生じたような場合であっても、実測結果により原点位置を正しく設定することができる。したがって、ワーク支持手段(3)の回転中心(OW )を原点座標としたこと、加工手段(4)の位置を直接に検出する直線位置計測器(25)を用いたこと、および原点座標を実測結果に応じて設定することとが相まって、加工手段(4)の送り精度およびワーク(W)の加工精度の向上が得られる。
【0007】
この発明において、原点座標設定手段(25)が、上記加工手段(4)に設けられて上記ワーク支持手段(3)の所定の被検出部(M)に接触したことを検出するタッチプローブ(19)と、このタッチプローブ(19)により検出されたときの上記直線位置計測器(25)の検出値に基づき上記原点座標を設定する原点設定処理部(24)とを有するものであっても良い。
この構成の場合、加工手段(4)に設けられたタッチプローブ(19)と直線位置計測器(25)とで被検出部(M)の位置を検出し、それに基づき原点位置を設定するため、加工手段(4)と直線位置計測器(25)の関係のずれが生じず、より一層精度が向上する。
【0008】
上記被検出部(M)は、上記ワーク支持手段(3)の回転中心(OW )に対して上記相対移動方向の両側に被検出面(A),(B)を有するものであることが好ましい。上記原点座標設定手段(25)は上記被検出部(M)の上記両側の被検出面(A),(B)を実測した値の平均値を原点位置とする。
回転中心(OW )に対する両側の被検出面を検出して平均するため、原点位置をより一層精度良く求めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。この直線位置計測器付き工作機械は、機械部1と、この機械部1を制御する制御装置2とを備え、機械部1に直線位置計測器25が設けられている。機械部1は、ワークWを支持して回転させるワーク支持手段3と、ワークWに加工を行うためにワーク支持手段3に対して相対移動可能に設置された加工手段4とを備える。この実施形態は、タレット式の旋盤に適用したものであり、ワーク支持手段3は主軸8からなる。主軸8は、ベッド5上に設置された主軸台7に支持されており、ワークWを把持する主軸チャック8aを有している。主軸8は、ベッド5または主軸台7に設置された主軸モータ(図示せず)により回転駆動される。
【0010】
加工手段4は、ベッド5上に進退自在に設置された送り台9と、この送り台9に設置された刃物台10と、刃物台10に取付けられた工具16と、送り台9の進退駆動手段11とで構成される。送り台9は、ベッド5上に設けられた案内12上を、主軸8の軸方向(Z軸方向)に対する直交方向(X軸方向)に進退自在に設置されている。進退駆動手段11は、サーボモータ13の回転により、ボールねじ機構14を介して送り台9を進退させるものである。サーボモータ13は、パルスコーダまたはパルスジェネレータ等の回転検出器15を有している。刃物台10はタレットからなり、外周の複数箇所に設けられた各工具ステーションに工具16が取付けられる。工具16は、バイト等の固定工具であっても、ドリル等の回転工具であっても良い。刃物台10の一部の工具ステーションに、工具16の代わりにタッチプローブ19が設けられている。タッチプローブ19は、先端が物体に接触することで検出信号を出力するセンサである。このタレット刃物台10は、タレット軸17を介して送り台9にその進退方向(X軸方向)と直交する方向(Z軸方向)に出入り自在で、かつ回転自在に設置されている。送り台9には、刃物台10の出入り駆動手段と割出回転駆動手段(いずれも図示せず)が搭載されている。なお、送り台9は、図示は省略するが、例えば上下2段積みの構成とし、その下側送り台部分に対して上側送り台部分を前後(Z軸方向)移動自在とし、その上側送り台部分にタレット刃物台10を回転自在に設置したものであっても良い。また、加工手段4は、タレット式のものに限らず、刃物台10を省略し、送り台9に工具16を取付けたものであっても良い。換言すれば、送り台9が刃物台となるものであっても良い。
【0011】
直線位置計測器25は、直線状に延びるスケール25a、およびこのスケール25aを読み取るセンサ25bを有するものである。このような直線位置計測器25として、磁気スケール、光学スケール、インダクトシン等が使用できる。直線位置計測器25は、スケール25aおよびセンサ25bを有する形式のものであれば良く、リニアエンコーダ、あるいは一般にリニアセンサまたはリニアスケール等と呼ばれるものが使用される。
直線位置計測器25は、ワーク支持手段3と加工手段4との間に、両手段3,4の相対移動方向(X軸方向)に沿って設けられる。その場合に、スケール25aおよびセンサ25bのいずれか一方がワーク支持手段3に取付けられ、他方が加工手段4に取付けられる。また、スケール25aが加工手段4の進退方向(X軸方向)に延びて設置される。図示の例では、スケール25aの端部がワーク支持手段3の主軸台7の上面に取付けられて加工手段4の上方に延び、加工手段4の送り台9の上面にセンサ25bが取付けられている。センサ25bの出力は、センサアンプ(図示せず)を有するセンサインタフェース26を介して取り出される。
【0012】
制御装置2は、コンピュータ式の数値制御装置からなり、加工プログラム21を演算制御部22で解読して機械部1の各部を制御する手段である。制御装置2は、プログラマブルコントローラの機能を有している。演算制御部22は中央処理装置(図示せず)および制御プログラムからなる。演算制御部22のうち、加工手段4の移動制御を行う部分が移動制御部27aである。この移動制御部27aとサーボコントローラ23とで、移動制御手段27が構成される。移動制御部27aは、加工プログラム21の移動命令Rに従い、その命令の指令値に対応するパルス列等により移動指令をサーボコントーラ23に出力する。サーボコントーラ23は、上記移動指令に従って、加工手段4の進退駆動手段11のサーボモータ13に駆動電流を出力する。サーボコントローラ23は、位置フィードバック制御機能を有するものとされ、直線位置計測器25の検出信号がセンサインタフェース26を介してサーボコントローラ23に入力される。直線位置計測器25は加工手段4の位置を直接に検出するものであるため、サーボコントローラ23は位置制御につきクローズドループ形式のフィードバック制御を行うことになる。また、サーボコントローラ23は、サーボモータ13の回転検出器15の回転検出信号を用いて速度フィードバック制御を行う。
【0013】
移動制御手段27は、加工手段4の標準工具等の所定の工具16の刃先がワーク支持手段3の回転中心OW に一致する位置が、この移動制御手段27により制御を行う原点座標として定められ、直線位置計測器25の計測値に従い、加工手段4の上記相対移動を制御する。直線位置計測器25自体の原点位置は、そのスケール25aの端部であり、この例では主軸台7上にあるが、上記のように工具刃先が回転中心OW に一致するときの直線位置計測器25の読取り値となるべき値が、原点基準値X0 として、移動制御手段27における原点座標記憶手段28に記憶される。この原点基準値X0 は、工作機械の設計上で分かる値である。原点基準値X0 は、移動制御手段27における移動制御部27aに設定され、制御に用いられる。
【0014】
移動制御手段27は、上記原点基準値X0 に対するオフセット値αの設定が可能とされ、オフセット値αが設定されている場合は、原点基準値X0 にオフセット値αを加えた値であるX0 +αを、制御の際の原点座標X00 として用いる。オフセット値αは、上記原点座標記憶手段28に、原点基準値X0 と共に設定可能である。なお原点座標記憶手段28は、原点基準値X0 を記憶するエリアとオフセット値αを記憶するエリアとを総称したものであり、両エリアは物理的に異なる記憶手段に設けられていても良い。オフセット値αは、次のように原点座標設定手段25により、実測値に基づいて設定される。また、原点座標記憶手段28は、オフセット値αを記憶せずに、実測により求められた原点座標X00を記憶するものとしても良い。
【0015】
原点座標設定手段25は、ワーク支持手段3の所定の被検出部Mを直線位置計測器25で実測してその実測結果により移動制御手段27の原点座標X00を設定する手段である。原点座標設定手段25は、上記タッチプローブ19と、このタッチプローブ19により接触が検出されたときの直線位置計測器25の検出値に基づき上記原点座標X00を設定する原点設定処理部24とを有する。原点設定処理部24で行う原点座標X00の設定は、この例では具体的にはオフセット値αの設定である。
被検出部Mは、例えば主軸チャック8aに把持されるマスタワークまたは治具である。被検出部Mは、主軸8の軸部または主軸チャック8aであっても良い。この例では、被検出部Mはマスターワークとしている。この被検出部Mは、主軸回転中心OW に対して、加工手段4の相対移動方向(X軸方向)の両側に被検出面A,Bを有するものである。上記原点座標設定手段25は上記被検出部Mの上記両側の被検出面A,Bを実測した値XA ,X Bの平均値(XA ,X B)/2を原点座標X00とするものとしている。具体的には、上記平均値(XA ,X B)/2と原点基準値X0 とのオフセット値αを求め、この原点基準値X0 をオフセット値αで補正した値を原点座標X00としている。
【0016】
原点座標設定手段25による原点座標の設定は、加工プログラム21に設けられた校正モード動作のプログラム部分21aを演算制御部22で実行することにより行われる。校正モード動作のプログラム部分21aは、加工プログラム21とは別に設けられて、加工プログラム21と同じプログラム記述形式で表現されたプログラムであっても良い。校正モード動作のプログラム部分21aは、加工部4の刃物台10をタッチプローブ19がワーク支持手段3側に向くように割り出す動作の命令と、タッチプローブ19が被検出部Mの上記各被検出面A,Bに接触するように加工手段4を動作させる命令と、タッチプローブ19が上記各被検出面A,Bに接触したことを検出する信号に応答してその検出時の直線位置計測器25の値を読み取る処理の命令とを含む。校正モードプログラム部分21aは、その読み取った2つの被検出面A,Bの値の平均値を求め、その平均値から移動制御手段27の原点座標記憶手段28におけるオフセット値αを求めて設定する処理までを行う命令を有するものであっても良い。その場合、図示した原点設定処理部24は、校正モード動作のプログラム部分21aの一部で構成されることになる。
【0017】
つぎに、原点設定の具体的動作を説明する。図3において加工手段4が、その工具刃先がワーク支持手段3の回転中心OW (主軸中心)にあるときの直線位置計測器25の示すべき値は、設計上で予め定まった値である。この値が原点基準値X0 であるとする。しかし、組立誤差や経時的な狂いにより、実際の値はX0 とは若干異なる値になる。その差であるオフセット値αを次のように求める。
すなわち、校正モードの動作プログラム部分21の命令により、加工手段4の送り台9を動作させて、タッチプローブ19を被検出部Mの上記回転中心OW の両側の被検出面A,Bに順次当接させ、タッチプローブ19がオンしたときの直線位置計測器25の値を読み取る。直線位置計測器25で検出される被検出面A,Bの座標値がそれぞれXA ,XB であるとすると、原点設定処理部24は、両被検出面A,Bの平均値(XA +XB )/2の値を取る。この値(XA +XB )/2と、先に定められた原点基準値X0 との差がオフセット値αとなる。このオフセット値αを、原点座標記憶手段28のオフセット値記憶領域に設定する。移動制御手段27は、このように設定されたオフセット値αを、原点基準値X0 に加算した座標値を原点座標X00として加工の制御を行う。
【0018】
なお、上記の例はオフセット値αを求めるようにしたが、上記のように検出した被検出面A,Bの座標値XA ,XB の平均値(XA +XB )/2の値を、そのまま原点座標記憶手段28に設定し、その値をX軸方向の原点座標X00として移動制御手段27による制御を行うようにしても良い。
【0019】
この構成の直線位置計測器付き工作機械によると、このように加工手段4の位置を直接に検出する直線位置計測器25を用い、かつワーク支持手段3の回転中心OW を原点座標X00とし、この原点座標X00を上記直線位置計測器25を用いた実測により求めるようにしたため、加工手段4の送り精度およびワークWの加工精度を向上させることができる。
【0020】
なお、上記実施形態では、タッチプローブ19を用いたが、タッチプローブ19の代わりに、被検出部Mに対し所定の距離まで近接するとオン動作する非接触変位計を用いても良い。
【0021】
【発明の効果】
この発明の直線位置計測器付き工作機械は、ワーク支持手段および加工手段のいずれか一方および他方にそれぞれ取付けられたスケールおよびセンサを有し上記加工手段の上記ワーク支持手段に対する相対移動の位置を検出する直線位置計測器と、上記加工手段の刃先が上記ワーク支持手段の回転中心に一致する位置が原点座標として定められて、上記直線位置計測器の計測値に従い上記加工手段の上記相対移動を制御する移動制御手段と、上記ワーク支持手段の所定の被検出部を上記直線位置計測器で実測してその実測結果により上記移動制御手段の上記原点座標を設定する原点座標設定手段とを備えたものであるため、加工手段の移動の原点座標を正確に求め、加工手段の送り精度、加工精度を向上させることができる。
上記原点座標設定手段が、上記加工手段に設けられて上記ワーク支持手段の所定の被検出部に接触したことを検出するタッチプローブと、このタッチプローブにより検出されたときの上記直線位置計測器の検出値に基づき上記原点座標を設定する原点設定処理部とを有する場合は、加工手段と直線位置計測器の関係のずれが生じず、より一層精度が向上する。
上記被検出部が、上記ワーク支持手段の回転中心に対して上記相対移動方向の両側に被検出面を有するものであり、上記原点座標設定手段は上記被検出部の上記両側の被検出面を実測した値の平均値を原点位置とするものである場合は、原点位置の精度がより精度良く設定でき、より一層精度の良い加工が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる直線位置計測器付き工作機械の概念構成を示すブロック図とその機械部の正面図とを組み合わせた説明図である。
【図2】同工作機械の機械部の平面図である。
【図3】同工作機械の原点設定のための計測動作の説明図である。
【符号の説明】
1…機械部
2…制御装置
3…ワーク支持手段
4…加工手段
8…主軸
9…送り台
10…刃物台
16…工具
11…進退駆動手段
16…工具
19…タッチプローブ
21…加工プログラム
21a…校正モード動作のプログラム部分
25…直線位置計測器
25a…スケール
25b…センサ
27…移動制御手段
28…原点座標記憶手段
A,B…被検出面
M…被検出部
OW …回転中心
X0 …原点基準値
XOO…原点座標
W…ワーク
α…オフセット
【発明の属する技術分野】
この発明は、旋盤等の工作機械において、クローズドループ方式で制御するための直線位置計測器を備えた直線位置計測器付き工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋盤等の工作機械のフィードバック制御形式として、一般的には、サーボモータに付属のパルスコーダを利用したセミクローズドループ方式が採用される。高精度加工のために、刃物台の位置をリニアエンコーダ等の直線位置計測器で直接に読み取って制御するクローズドループ方式が採られることがある。上記のいずれの場合も、原点位置は、刃物台が主軸から最も離れた位置とすることが一般的である。この他に、クローズドループ方式と、サーボモータの回転検出によるセミクローズドループ方式とを併用し、主軸中心を原点とすることも提案されている(例えば特許文献1)。また、旋盤の熱変位補正機能を備えた制御装置や、加工済みのワークの計測を行う機内計測装置において、ワークの実測による校正を行うことも提案されている(例えば特許文献2,3)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−144191号
【特許文献2】
実用新案登録第2574288号公報
【特許文献3】
特公平7−83976号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記各従来例のうち、特許文献1に示すものは、主軸中心を原点としてクローズドループ方式による加工が行われるため、フィードバック制御方法として、最も精度の高い制御が可能である。しかし、機械組付け時に、直線位置計測器の原点位置に微小な誤差があったり、また長年使用の間に直線位置計測器の原点位置に狂いが生じた場合に、初期の加工精度が得られなくなることがある。
また、特許文献2や特許文献3によるものは、加工済みワークの機内計測や、機械の熱変位補正のために校正動作を適宜行うようにしているが、計測器の原点位置に狂いが生じた場合の加工を考慮したものではなく、原点位置の誤差に対して加工精度の向上が望めない場合がある。
【0005】
この発明の目的は、加工手段の移動の原点座標を正確に求め、加工手段の送り精度、加工精度を向上させることのできる直線位置計測器付き工作機械を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の構成を実施形態に対応する図1と共に説明する。この直線位置計測器付き工作機械は、ワーク(W)を支持して回転させるワーク支持手段(3)と、ワーク(W)に加工を行うために上記ワーク支持手段(3)に対して相対移動可能に設置された加工手段(4)と、上記ワーク支持手段(3)および加工手段(4)のいずれか一方および他方にそれぞれ取付けられたスケール(25a)およびセンサ(25b)を有し上記加工手段(4)の上記ワーク支持手段(3)に対する相対移動の位置を検出する直線位置計測器(25)と、上記加工手段(4)の刃先が上記ワーク支持手段(7)の回転中心(OW )に一致する位置が原点座標として定められて、上記直線位置計測器(25)の計測値に従い上記加工手段(4)の上記相対移動を制御する移動制御手段(27)とを備える。この工作機械において、上記ワーク支持手段(3)の所定の被検出部(M)を上記直線位置計測器(25)で実測してその実測結果により上記移動制御手段(27)の上記原点座標を設定する原点座標設定手段(25)とを備えたものである。
この構成によると、移動制御手段(27)による加工手段(4)の移動制御がワーク支持手段(3)の回転中心(OW )を原点座標として行われる。また、スケール(25a)およびセンサ(25b)を有する直線位置計測器(25)により、加工手段(4)の移動位置が直接に検出される。そのため、機械部(1)自体に熱変位や外乱等による多少の変位が生じても、ワーク支持手段(3)の回転中心(OW )となるワーク中心からワーク(W)の加工部位までの半径寸法に対応する機械変位分だけとなる。そのため、機械自体の精度が多少変化しても、加工精度が低下しない。この場合に、原点座標に誤差があると、その誤差の影響が生じるが、この発明では、原点座標設定手段(25)により、ワーク支持手段(4)の所定の被検出部(M)を上記直線位置計測器(25)で実測してその実測結果により上記移動制御手段(27)の上記原点座標を設定するため、精度良く原点位置が設定できる。例えば、機械部(1)の組立時に直線位置計測器(25)の機械部(1)に対する設置位置の誤差が生じていたり、長年使用の間に直線位置計測器(25)の設置位置に微妙な狂いが生じたような場合であっても、実測結果により原点位置を正しく設定することができる。したがって、ワーク支持手段(3)の回転中心(OW )を原点座標としたこと、加工手段(4)の位置を直接に検出する直線位置計測器(25)を用いたこと、および原点座標を実測結果に応じて設定することとが相まって、加工手段(4)の送り精度およびワーク(W)の加工精度の向上が得られる。
【0007】
この発明において、原点座標設定手段(25)が、上記加工手段(4)に設けられて上記ワーク支持手段(3)の所定の被検出部(M)に接触したことを検出するタッチプローブ(19)と、このタッチプローブ(19)により検出されたときの上記直線位置計測器(25)の検出値に基づき上記原点座標を設定する原点設定処理部(24)とを有するものであっても良い。
この構成の場合、加工手段(4)に設けられたタッチプローブ(19)と直線位置計測器(25)とで被検出部(M)の位置を検出し、それに基づき原点位置を設定するため、加工手段(4)と直線位置計測器(25)の関係のずれが生じず、より一層精度が向上する。
【0008】
上記被検出部(M)は、上記ワーク支持手段(3)の回転中心(OW )に対して上記相対移動方向の両側に被検出面(A),(B)を有するものであることが好ましい。上記原点座標設定手段(25)は上記被検出部(M)の上記両側の被検出面(A),(B)を実測した値の平均値を原点位置とする。
回転中心(OW )に対する両側の被検出面を検出して平均するため、原点位置をより一層精度良く求めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。この直線位置計測器付き工作機械は、機械部1と、この機械部1を制御する制御装置2とを備え、機械部1に直線位置計測器25が設けられている。機械部1は、ワークWを支持して回転させるワーク支持手段3と、ワークWに加工を行うためにワーク支持手段3に対して相対移動可能に設置された加工手段4とを備える。この実施形態は、タレット式の旋盤に適用したものであり、ワーク支持手段3は主軸8からなる。主軸8は、ベッド5上に設置された主軸台7に支持されており、ワークWを把持する主軸チャック8aを有している。主軸8は、ベッド5または主軸台7に設置された主軸モータ(図示せず)により回転駆動される。
【0010】
加工手段4は、ベッド5上に進退自在に設置された送り台9と、この送り台9に設置された刃物台10と、刃物台10に取付けられた工具16と、送り台9の進退駆動手段11とで構成される。送り台9は、ベッド5上に設けられた案内12上を、主軸8の軸方向(Z軸方向)に対する直交方向(X軸方向)に進退自在に設置されている。進退駆動手段11は、サーボモータ13の回転により、ボールねじ機構14を介して送り台9を進退させるものである。サーボモータ13は、パルスコーダまたはパルスジェネレータ等の回転検出器15を有している。刃物台10はタレットからなり、外周の複数箇所に設けられた各工具ステーションに工具16が取付けられる。工具16は、バイト等の固定工具であっても、ドリル等の回転工具であっても良い。刃物台10の一部の工具ステーションに、工具16の代わりにタッチプローブ19が設けられている。タッチプローブ19は、先端が物体に接触することで検出信号を出力するセンサである。このタレット刃物台10は、タレット軸17を介して送り台9にその進退方向(X軸方向)と直交する方向(Z軸方向)に出入り自在で、かつ回転自在に設置されている。送り台9には、刃物台10の出入り駆動手段と割出回転駆動手段(いずれも図示せず)が搭載されている。なお、送り台9は、図示は省略するが、例えば上下2段積みの構成とし、その下側送り台部分に対して上側送り台部分を前後(Z軸方向)移動自在とし、その上側送り台部分にタレット刃物台10を回転自在に設置したものであっても良い。また、加工手段4は、タレット式のものに限らず、刃物台10を省略し、送り台9に工具16を取付けたものであっても良い。換言すれば、送り台9が刃物台となるものであっても良い。
【0011】
直線位置計測器25は、直線状に延びるスケール25a、およびこのスケール25aを読み取るセンサ25bを有するものである。このような直線位置計測器25として、磁気スケール、光学スケール、インダクトシン等が使用できる。直線位置計測器25は、スケール25aおよびセンサ25bを有する形式のものであれば良く、リニアエンコーダ、あるいは一般にリニアセンサまたはリニアスケール等と呼ばれるものが使用される。
直線位置計測器25は、ワーク支持手段3と加工手段4との間に、両手段3,4の相対移動方向(X軸方向)に沿って設けられる。その場合に、スケール25aおよびセンサ25bのいずれか一方がワーク支持手段3に取付けられ、他方が加工手段4に取付けられる。また、スケール25aが加工手段4の進退方向(X軸方向)に延びて設置される。図示の例では、スケール25aの端部がワーク支持手段3の主軸台7の上面に取付けられて加工手段4の上方に延び、加工手段4の送り台9の上面にセンサ25bが取付けられている。センサ25bの出力は、センサアンプ(図示せず)を有するセンサインタフェース26を介して取り出される。
【0012】
制御装置2は、コンピュータ式の数値制御装置からなり、加工プログラム21を演算制御部22で解読して機械部1の各部を制御する手段である。制御装置2は、プログラマブルコントローラの機能を有している。演算制御部22は中央処理装置(図示せず)および制御プログラムからなる。演算制御部22のうち、加工手段4の移動制御を行う部分が移動制御部27aである。この移動制御部27aとサーボコントローラ23とで、移動制御手段27が構成される。移動制御部27aは、加工プログラム21の移動命令Rに従い、その命令の指令値に対応するパルス列等により移動指令をサーボコントーラ23に出力する。サーボコントーラ23は、上記移動指令に従って、加工手段4の進退駆動手段11のサーボモータ13に駆動電流を出力する。サーボコントローラ23は、位置フィードバック制御機能を有するものとされ、直線位置計測器25の検出信号がセンサインタフェース26を介してサーボコントローラ23に入力される。直線位置計測器25は加工手段4の位置を直接に検出するものであるため、サーボコントローラ23は位置制御につきクローズドループ形式のフィードバック制御を行うことになる。また、サーボコントローラ23は、サーボモータ13の回転検出器15の回転検出信号を用いて速度フィードバック制御を行う。
【0013】
移動制御手段27は、加工手段4の標準工具等の所定の工具16の刃先がワーク支持手段3の回転中心OW に一致する位置が、この移動制御手段27により制御を行う原点座標として定められ、直線位置計測器25の計測値に従い、加工手段4の上記相対移動を制御する。直線位置計測器25自体の原点位置は、そのスケール25aの端部であり、この例では主軸台7上にあるが、上記のように工具刃先が回転中心OW に一致するときの直線位置計測器25の読取り値となるべき値が、原点基準値X0 として、移動制御手段27における原点座標記憶手段28に記憶される。この原点基準値X0 は、工作機械の設計上で分かる値である。原点基準値X0 は、移動制御手段27における移動制御部27aに設定され、制御に用いられる。
【0014】
移動制御手段27は、上記原点基準値X0 に対するオフセット値αの設定が可能とされ、オフセット値αが設定されている場合は、原点基準値X0 にオフセット値αを加えた値であるX0 +αを、制御の際の原点座標X00 として用いる。オフセット値αは、上記原点座標記憶手段28に、原点基準値X0 と共に設定可能である。なお原点座標記憶手段28は、原点基準値X0 を記憶するエリアとオフセット値αを記憶するエリアとを総称したものであり、両エリアは物理的に異なる記憶手段に設けられていても良い。オフセット値αは、次のように原点座標設定手段25により、実測値に基づいて設定される。また、原点座標記憶手段28は、オフセット値αを記憶せずに、実測により求められた原点座標X00を記憶するものとしても良い。
【0015】
原点座標設定手段25は、ワーク支持手段3の所定の被検出部Mを直線位置計測器25で実測してその実測結果により移動制御手段27の原点座標X00を設定する手段である。原点座標設定手段25は、上記タッチプローブ19と、このタッチプローブ19により接触が検出されたときの直線位置計測器25の検出値に基づき上記原点座標X00を設定する原点設定処理部24とを有する。原点設定処理部24で行う原点座標X00の設定は、この例では具体的にはオフセット値αの設定である。
被検出部Mは、例えば主軸チャック8aに把持されるマスタワークまたは治具である。被検出部Mは、主軸8の軸部または主軸チャック8aであっても良い。この例では、被検出部Mはマスターワークとしている。この被検出部Mは、主軸回転中心OW に対して、加工手段4の相対移動方向(X軸方向)の両側に被検出面A,Bを有するものである。上記原点座標設定手段25は上記被検出部Mの上記両側の被検出面A,Bを実測した値XA ,X Bの平均値(XA ,X B)/2を原点座標X00とするものとしている。具体的には、上記平均値(XA ,X B)/2と原点基準値X0 とのオフセット値αを求め、この原点基準値X0 をオフセット値αで補正した値を原点座標X00としている。
【0016】
原点座標設定手段25による原点座標の設定は、加工プログラム21に設けられた校正モード動作のプログラム部分21aを演算制御部22で実行することにより行われる。校正モード動作のプログラム部分21aは、加工プログラム21とは別に設けられて、加工プログラム21と同じプログラム記述形式で表現されたプログラムであっても良い。校正モード動作のプログラム部分21aは、加工部4の刃物台10をタッチプローブ19がワーク支持手段3側に向くように割り出す動作の命令と、タッチプローブ19が被検出部Mの上記各被検出面A,Bに接触するように加工手段4を動作させる命令と、タッチプローブ19が上記各被検出面A,Bに接触したことを検出する信号に応答してその検出時の直線位置計測器25の値を読み取る処理の命令とを含む。校正モードプログラム部分21aは、その読み取った2つの被検出面A,Bの値の平均値を求め、その平均値から移動制御手段27の原点座標記憶手段28におけるオフセット値αを求めて設定する処理までを行う命令を有するものであっても良い。その場合、図示した原点設定処理部24は、校正モード動作のプログラム部分21aの一部で構成されることになる。
【0017】
つぎに、原点設定の具体的動作を説明する。図3において加工手段4が、その工具刃先がワーク支持手段3の回転中心OW (主軸中心)にあるときの直線位置計測器25の示すべき値は、設計上で予め定まった値である。この値が原点基準値X0 であるとする。しかし、組立誤差や経時的な狂いにより、実際の値はX0 とは若干異なる値になる。その差であるオフセット値αを次のように求める。
すなわち、校正モードの動作プログラム部分21の命令により、加工手段4の送り台9を動作させて、タッチプローブ19を被検出部Mの上記回転中心OW の両側の被検出面A,Bに順次当接させ、タッチプローブ19がオンしたときの直線位置計測器25の値を読み取る。直線位置計測器25で検出される被検出面A,Bの座標値がそれぞれXA ,XB であるとすると、原点設定処理部24は、両被検出面A,Bの平均値(XA +XB )/2の値を取る。この値(XA +XB )/2と、先に定められた原点基準値X0 との差がオフセット値αとなる。このオフセット値αを、原点座標記憶手段28のオフセット値記憶領域に設定する。移動制御手段27は、このように設定されたオフセット値αを、原点基準値X0 に加算した座標値を原点座標X00として加工の制御を行う。
【0018】
なお、上記の例はオフセット値αを求めるようにしたが、上記のように検出した被検出面A,Bの座標値XA ,XB の平均値(XA +XB )/2の値を、そのまま原点座標記憶手段28に設定し、その値をX軸方向の原点座標X00として移動制御手段27による制御を行うようにしても良い。
【0019】
この構成の直線位置計測器付き工作機械によると、このように加工手段4の位置を直接に検出する直線位置計測器25を用い、かつワーク支持手段3の回転中心OW を原点座標X00とし、この原点座標X00を上記直線位置計測器25を用いた実測により求めるようにしたため、加工手段4の送り精度およびワークWの加工精度を向上させることができる。
【0020】
なお、上記実施形態では、タッチプローブ19を用いたが、タッチプローブ19の代わりに、被検出部Mに対し所定の距離まで近接するとオン動作する非接触変位計を用いても良い。
【0021】
【発明の効果】
この発明の直線位置計測器付き工作機械は、ワーク支持手段および加工手段のいずれか一方および他方にそれぞれ取付けられたスケールおよびセンサを有し上記加工手段の上記ワーク支持手段に対する相対移動の位置を検出する直線位置計測器と、上記加工手段の刃先が上記ワーク支持手段の回転中心に一致する位置が原点座標として定められて、上記直線位置計測器の計測値に従い上記加工手段の上記相対移動を制御する移動制御手段と、上記ワーク支持手段の所定の被検出部を上記直線位置計測器で実測してその実測結果により上記移動制御手段の上記原点座標を設定する原点座標設定手段とを備えたものであるため、加工手段の移動の原点座標を正確に求め、加工手段の送り精度、加工精度を向上させることができる。
上記原点座標設定手段が、上記加工手段に設けられて上記ワーク支持手段の所定の被検出部に接触したことを検出するタッチプローブと、このタッチプローブにより検出されたときの上記直線位置計測器の検出値に基づき上記原点座標を設定する原点設定処理部とを有する場合は、加工手段と直線位置計測器の関係のずれが生じず、より一層精度が向上する。
上記被検出部が、上記ワーク支持手段の回転中心に対して上記相対移動方向の両側に被検出面を有するものであり、上記原点座標設定手段は上記被検出部の上記両側の被検出面を実測した値の平均値を原点位置とするものである場合は、原点位置の精度がより精度良く設定でき、より一層精度の良い加工が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる直線位置計測器付き工作機械の概念構成を示すブロック図とその機械部の正面図とを組み合わせた説明図である。
【図2】同工作機械の機械部の平面図である。
【図3】同工作機械の原点設定のための計測動作の説明図である。
【符号の説明】
1…機械部
2…制御装置
3…ワーク支持手段
4…加工手段
8…主軸
9…送り台
10…刃物台
16…工具
11…進退駆動手段
16…工具
19…タッチプローブ
21…加工プログラム
21a…校正モード動作のプログラム部分
25…直線位置計測器
25a…スケール
25b…センサ
27…移動制御手段
28…原点座標記憶手段
A,B…被検出面
M…被検出部
OW …回転中心
X0 …原点基準値
XOO…原点座標
W…ワーク
α…オフセット
Claims (3)
- ワークを支持して回転させるワーク支持手段と、ワークに加工を行うために上記ワーク支持手段に対して相対移動可能に設置された加工手段と、上記ワーク支持手段および加工手段のいずれか一方および他方にそれぞれ取付けられたスケールおよびセンサを有し上記加工手段の上記ワーク支持手段に対する相対移動の位置を検出する直線位置計測器と、上記加工手段の刃先が上記ワーク支持手段の回転中心に一致する位置が原点座標として定められて、上記直線位置計測器の計測値に従い上記加工手段の上記相対移動を制御する移動制御手段と、上記ワーク支持手段の所定の被検出部を上記直線位置計測器で実測してその実測結果により上記移動制御手段の上記原点座標を設定する原点座標設定手段とを備えた直線位置計測器付き工作機械。
- 上記原点座標設定手段が、上記加工手段に設けられて上記ワーク支持手段の所定の被検出部に接触したことを検出するタッチプローブと、このタッチプローブにより検出されたときの上記直線位置計測器の検出値に基づき上記原点座標を設定する原点設定処理部とを有する請求項1記載の直線位置計測器付き工作機械。
- 上記被検出部が、上記ワーク支持手段の回転中心に対して上記相対移動方向の両側に被検出面を有するものであり、上記原点座標設定手段は上記被検出部の上記両側の被検出面を実測した値の平均値を原点位置とするものとした請求項1または請求項2記載の直線位置計測器付き工作機械。
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