JP2001096789A - サーマルラインプリンタ - Google Patents

サーマルラインプリンタ

Info

Publication number
JP2001096789A
JP2001096789A JP28294299A JP28294299A JP2001096789A JP 2001096789 A JP2001096789 A JP 2001096789A JP 28294299 A JP28294299 A JP 28294299A JP 28294299 A JP28294299 A JP 28294299A JP 2001096789 A JP2001096789 A JP 2001096789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
heating element
thermal
line head
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28294299A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuharu Endo
光治 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba TEC Corp filed Critical Toshiba TEC Corp
Priority to JP28294299A priority Critical patent/JP2001096789A/ja
Publication of JP2001096789A publication Critical patent/JP2001096789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的少ない熱エネルギーで複数枚の重ね記録
を可能にし、しかも、高品質印刷を行い、また、高速化
を図る。 【解決手段】複数の発熱素子2をライン状に配列したサ
ーマルラインヘッド1及びこのラインヘッドの各発熱素
子を駆動する発熱体駆動回路を設け、ラインヘッドとゴ
ムローラ3との間を、例えば2枚重ねの感熱紙6a,6
bを搬送し、ラインヘッドの各発熱素子を発熱体駆動回
路で発熱駆動して各感熱紙に対して記録を行う場合に、
感熱紙の記録部位が各発熱素子による記録位置に到達す
る前のA領域にて発熱素子の発熱を開始し、記録位置と
なるB領域に到達した時点で発熱素子を発色可能な記録
温度に到達させ、このB領域で記録温度を保持させるこ
とにより各感熱紙に対して高品質な記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルラインヘ
ッドを使用したサーマルラインプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタは発熱抵抗体からなる
発熱素子を設けたサーマルヘッドを備え、発熱素子に電
圧を印加して熱を発生させ、この熱により、例えば感熱
紙を発色させて記録を行うようになっている。このよう
なサーマルプリンタでは、発熱素子が発生する熱エネル
ギーの強弱に応じて感熱紙の発色濃度や発色ドット径を
変化させ、それにより記録濃度を変化させている。
【0003】また、インクリボンを使用した溶融転写方
式のサーマルプリンタや昇華型、熱拡散型と呼ばれるサ
ーマルプリンタは、発熱素子が発生する熱エネルギーの
強弱に応じて記録用紙へのインクや色材の転写浸透濃度
やドット径を変化させ、それにより記録濃度を変化させ
ている。
【0004】図10は、サーマルラインヘッドを使用し
たサーマルラインプリンタの概略構成図で、サーマルラ
インヘッド1には発熱体としてライン状に複数の発熱素
子2を配列している。各発熱素子2は発熱抵抗体からな
り、ラインヘッド1には、通常、数百から数千個の発熱
素子2が配列されている。
【0005】ラインヘッド1に対抗してプラテン及び搬
送部を構成するゴムローラ3が各発熱素子2と圧接する
ように回転軸が各発熱素子2の配列方向と平行に配置さ
れ、このゴムローラ3にモータ4の回転力を伝達機構5
を介して伝達することでこのゴムローラ3を図中矢印方
向に回転させるようになっている。そして、このゴムロ
ーラ3の回転により、このゴムローラ3とラインヘッド
1との間に記録用紙である感熱紙6を挟むようにして図
中矢印方向に搬送している。ラインヘッド1の各発熱素
子2は発熱体駆動回路7によりデータに基づいて選択的
に発熱駆動制御されるようになっている。
【0006】従来のサーマルラインプリンタは、モータ
4でゴムローラ3を回転させることで感熱紙6を搬送
し、感熱紙6の記録部位がラインヘッド1の発熱素子2
による記録位置に到達した時点で発熱体駆動回路7が発
熱素子2を駆動制御する。これにより、発熱素子2に接
触している部位の感熱紙6が発色し、1ドットが記録さ
れる。感熱紙6は引続き搬送され、感熱紙6の次の記録
部位がラインヘッド1の発熱素子2による記録位置に到
達するまでの間、発熱素子2は駆動されず冷却される。
そして、感熱紙6の次の記録部位がラインヘッド1の発
熱素子2による記録位置に到達すると発熱体駆動回路7
が再び発熱素子2を駆動制御し、次の1ドットが記録さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなサーマルラ
インプリンタで、複数枚重ねの感熱紙や複写式記録用紙
あるいは複数枚重ねで最上層用紙のみをインクリボンを
使用して記録するような場合、発熱素子と最下層用紙と
の間に、何枚かの感熱紙や記録用紙あるいはインクリボ
ンのベースフィルムなどが介在するため、それらの熱伝
導率と厚さの関係から単位時間当たりの熱伝導量が制限
され、最下層用紙の記録部位に記録に必要な熱エネルギ
ーが加えられず、記録がかすれるという問題があった。
このため、発熱素子の発熱量を大きくすることが考えら
れるが、しかし、このようにすると、最上層用紙に対す
る記録につぶれが生じるという問題があった。
【0008】このようなことから、例えば、複数枚重ね
の感熱紙を使用する場合には、最上層の感熱紙の感度を
落とし、また、記録速度を遅くして記録することも考え
られるが、このようにしても2枚重ねの感熱紙に対する
記録がやっとで3枚重ね以上の場合には3枚目以降に対
する記録が困難であった。
【0009】請求項1乃至3記載の発明は、比較的少な
い熱エネルギーで複数枚の重ね記録が可能であり、しか
も、高品質記録ができ、また、記録時間を短くして高速
化を図ることができるサーマルラインプリンタを提供す
る。
【0010】請求項4乃至6記載の発明は、複数枚の重
ね記録を行うものにおいて、発熱素子からの熱エネルギ
ーを少なくでき、しかも、高品質記録ができ、また、記
録時間を短くして高速化を図ることができるサーマルラ
インプリンタを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数の発熱素子をライン状に配列したサーマルラインヘ
ッド及びこのラインヘッドの各発熱素子を駆動するヘッ
ド駆動手段を設け、ラインヘッドの各発熱素子の配列方
向と直交する方向に記録用紙を搬送し、各発熱素子の発
熱動作により記録用紙への記録を行うサーマルラインプ
リンタにおいて、記録用紙の記録部位がラインヘッドの
各発熱素子による記録位置に接近した時点で各発熱素子
の発熱を開始させ、記録用紙の記録部位がラインヘッド
の各発熱素子による記録位置に到達した時点で各発熱素
子の温度が記録可能な温度に到達する制御を行うことに
ある。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載のサ
ーマルラインプリンタにおいて、サーマルラインヘッド
は、各発熱素子からの熱をそれぞれ蓄熱する蓄熱層を備
え、この蓄熱層の厚さを60μm以上に設定したことに
ある。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のサーマルラインプリンタにおいて、サーマルライン
ヘッドは、各発熱素子を熱分布が狭い範囲に集中する熱
集中型発熱素子としたことにある。
【0014】請求項4記載の発明は、複数の発熱素子を
ライン状に配列したサーマルラインヘッド及びこのライ
ンヘッドの各発熱素子を駆動するヘッド駆動手段を設
け、ラインヘッドの各発熱素子の配列方向と直交する方
向に複数枚重ねの記録用紙を搬送し、各発熱素子の発熱
動作により記録用紙への記録を行うサーマルラインプリ
ンタにおいて、記録用紙の記録部位がラインヘッドの各
発熱素子による記録位置に接近した時点で各発熱素子の
発熱を開始させ、記録用紙の記録部位がラインヘッドの
各発熱素子による記録位置に到達した時点で各発熱素子
の温度が記録可能な温度に到達する制御を行い、各発熱
素子の記録可能な温度領域が記録用紙の記録部位に接触
している時間と各発熱素子から複数枚重ねの記録用紙の
最下層用紙の表面までの距離が略比例するように設定し
たことにある。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項4記載のサ
ーマルラインプリンタにおいて、予め設定したサーマル
ラインヘッドの限界温度又は記録用紙の限界温度に達す
るまでは発熱素子に直流を通電し、その後、発熱素子に
対する通電をパルス幅変調制御して温度制御を行うこと
にある。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項5記載のサ
ーマルラインプリンタにおいて、サーマルラインヘッド
の同時通電する発熱素子数に応じてパルス幅変調制御の
通電デューティを可変制御することにある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。サーマルラインプリンタの構成は図10
と同様である。図1は記録用紙として2枚重ねの感熱紙
6a,6bをゴムローラ3の回転により図中矢印方向に
搬送し、この感熱紙6a,6bに対して記録する状態を
示す部分拡大図である。ここで、感熱紙6a,6bのサ
ーマルラインヘッド1との相対位置を領域に分け、発熱
素子2による記録位置に到達する前の近傍領域をA領域
とし、発熱素子2による記録位置となるニップ領域をB
領域とし、このB領域を通過した後の領域をC領域とす
る。
【0018】前記サーマルラインヘッド1は、図2に示
すように、ヒートシンク7にセラミック基板8を積層し
てヘッド本体を形成し、このセラミック基板上の先端部
に平滑性と蓄熱機能を持たせた蓄熱層9を形成し、この
蓄熱層9の上に前記発熱素子2を固定している。
【0019】ところで、従来では、サーマルヘッド1と
ゴムローラ3とで挟まれるニップ領域の圧力中心に感熱
紙上の所望の記録部位が到達した時点で図4の(b)に示
す発熱体駆動タイミングパルスで発熱素子2を駆動する
制御を行っていた。このような制御では感熱紙が1枚の
場合は熱伝導時間による記録の遅れはほとんど生じない
が、感熱紙を2枚重ねた場合は2枚目の感熱紙の表面温
度の立上がりは図4の(a)に示すように遅れ、感熱紙が
発色する記録温度に到達するまでの時間が遅れていた。
この時間遅れのため2枚目の感熱紙に充分な熱エネルギ
ーが到達せず記録にかすれが生じるという問題があっ
た。まして、感熱紙を3枚重ねた場合はニップ部からの
通過による圧力減少による熱伝導効率の低下も相俟って
3枚目の感熱紙に対する記録はほとんどできなかった。
【0020】ここで、紙の熱伝導率と記録状態との関係
について述べる。紙の熱伝導率は約0.35W/mK前
後なので、この熱伝導率を使用し、また、感熱紙として
36μmの厚さのトリオDEサーマル(王子製紙社製)
を使用する。
【0021】感熱紙の表面から裏面に熱エネルギーがど
の程度伝導するかを、線形均質でかつ境界条件を一定に
保ち得られる定常解で計算する。加熱する単位面積を1
25μmとし、同じ面積で挟まれた厚さ36μmの感
熱紙で、温度差を400℃とすると、単位面積当たり約
61mWの熱伝導が得られ、これにより2枚目の感熱紙
が加熱発色されることになる。従って、高感度の感熱紙
を使用すれば単位面積当たり60μJで発色するので、
約1ms間この条件を保てば発色することになる。
【0022】しかし、ニップ領域であるB領域に突入し
てから発熱素子2による加熱を始めると熱伝導効率が悪
いため、B領域の滞在期間で感熱紙を発色させることは
困難になる。実際に3インチ/秒の記録速度に当たる約
1.67ms周期で記録したところ部分的にかすれが生
じる不安定な記録になった。
【0023】これに対し、この実施の形態では、図3の
(b)に示すように領域Aにて発熱素子2の発熱を開始し
放熱させずにB領域に感熱紙6a,6bの記録部位が到
達した時点で図3の(a)に示すように2枚目の感熱紙6
bの表面温度が発色する記録温度に到達するように制御
する。
【0024】発熱素子2を発熱駆動する発熱体駆動タイ
ミングは、実験的にも簡単に求まるが、ここでは最適化
のためにサーマルラインヘッド1の特性を測定し、温度
立上がり特性と限界最高温度を求め、印字品質を維持し
つつ最高速度を求めた。サーマルラインヘッド1の温度
特性は最大定格電力を投入し、発熱素子2の表面温度を
測定した。また、限界最高温度はサーマルラインヘッド
1の材料特性などで決定され、一般的には発熱素子周辺
の材料の中で最も融点の低い材料や製造上の残留内部応
力の大きい材料、例えば、熱膨張係数の異なる材料が重
なっている部分の接合部が限界最高温度を概略決定す
る。
【0025】発熱素子周辺の材料の中で最も融点の低い
材料としては、蓄熱層9としての機能を持たせているガ
ラスがある。ガラスは転位点が600℃〜700℃程度
であるので、測定としては発熱素子表面の温度を測るこ
とになるが、通常は表面温度では400℃程度が限界と
なる。
【0026】前記蓄熱層9の厚さとしては60μm〜2
50μm程度が好ましく、記録速度が3インチ/秒程度
の場合は通常65μm程度がよく、蓄熱効果を大きくし
熱伝導時間をかせぐためには85μm以上とするのが望
ましい。しかし、あまり蓄熱層を厚くすると温度上昇が
遅くなり冷却も遅くなる。これは重ねる感熱紙の枚数が
多い場合は良いが記録速度が低下することになる。
【0027】重ねた感熱紙の総厚に比例して発熱素子2
が感熱紙と接触している時間を長くする必要があるが、
このような場合は最上層の感熱紙の感度を落として記録
がつぶれないようにする必要がある。しかし、重ねてい
る各感熱紙の感度差を大きくするとエネルギーロスが大
きくなる。
【0028】A領域で記録温度まで到達させる温度上昇
に要する時間は、少なくともヘッド単独での温度上昇時
間以上は必要であり、発熱素子2の表面温度測定により
得た時間と理想条件での計算時間を加算して設定する。
通常、表面温度は300℃程度で設定するが、600℃
でも信頼性が確認されているので、温度差として400
℃での計算を行い、ヘッド制御は600℃以下であっ
て、感熱紙の種類に応じて400℃〜600℃の設定が
でき、具体的には、400℃〜500℃の範囲に設定し
た。
【0029】温度制御は、発熱体駆動タイミングパルス
によって行うが、この発熱体駆動タイミングパルスは、
図3の(b)に示すように、立上がり時には直流を供給す
るパルスであり、設定温度近傍で細かくオン、オフする
パルスとなる。この細かくオン、オフするパルスはパル
ス幅変調(PWM)制御により発生させ、このパルスの
周期とデューティにより設定温度を可変する。パルス幅
変調制御を、図5の(b)に示すように、より細かい周期
で行えば、より精度の高い温度制御が可能になる。
【0030】ここでは、16μs周期で通電時間を1μ
s刻みの16段階制御を行った。この結果、蓄熱層9の
厚さが35μm程度の高速用のヘッドでも充分な温度制
御が可能となり、蓄熱層9の厚さが60μm以上のヘッ
ドの場合にはもっと大きな周期でも充分な温度制御が可
能となる。
【0031】しかし、蓄熱層9の厚さが薄い場合は、発
熱素子の熱応答が速いので複数枚積層した感熱紙のよう
に紙の総厚が厚い場合には最下層の感熱紙まで熱が伝わ
らず記録が不可能になる。このような場合には感熱紙の
搬送を停止して発熱素子2をパルス幅変調制御すれば最
下層の感熱紙に対する記録も可能となるが、エネルギー
ロスが大きくという問題があるため、蓄熱層9としては
60μm以上の厚さに設定することが好ましい。
【0032】このようなことから、感熱紙を重ねる枚数
が種々変化するような場合には、感熱紙に対する記録速
度を可変し、場合によっては間欠搬送動作を行い、か
つ、ラインサーマルヘッド1として蓄熱型のヘッドを使
用する。
【0033】感熱紙を2枚重ねた場合は、領域Bのニッ
プ領域を広く設定すれば領域Bにおいて発熱素子の発熱
を開始しても複写記録が可能であるが、感熱紙を3枚以
上重ねた場合は3枚目以降の複写記録が不可能となるた
め、予め領域Aで感熱紙に対する予備加熱を行い、か
つ、感熱紙の搬送を間欠的に停止させながら加熱時間を
長くして記録を行う必要がある。
【0034】また、重ねる感熱紙の枚数が多く、紙の総
厚が厚くなった場合は、ラインサーマルヘッド1とし
て、熱集中型ヘッドを使用することが望ましい。すなわ
ち、通常の発熱体の形状は、図6の(b)に示すように、
各電極10,11間に発熱素子2をそれぞれ各電極幅と
同じ幅で直線的にかつ平行に配置した形状であり、その
熱分布は図中aに示すように隣接した発熱素子2の熱分
布とつながった分布となる。これに対し、熱集中型のヘ
ッドの形状は、図6の(a)に示すように、各電極12,
13間に平行四辺形の発熱素子21をそれぞれ各電極幅
と同じ幅で、隣接した発熱素子とは所定の間隔を隔てて
配置した形状であり、その熱分布は図中bに示すように
それぞれの発熱素子2の中心部に偏った尖った熱分布と
なる。
【0035】すなわち、熱集中型のヘッドの発熱体は、
例えば、図7に示すように、発熱素子21として電極1
2,13間に相当する長さがL、幅がWの平行四辺形
で、かつ、感熱紙6a,6bの搬送方向に対する傾きを
θに設定している。また、各発熱素子21は感熱紙の搬
送方向と直交する方向にピッチPで配列している。
【0036】このような発熱体においては、電極12,
13間の距離が最短となる領域Sでエネルギーが集中
し、この領域Sの中に熱集中の中心部が存在する。この
領域Sの幅は、長さL、幅W、角度θから、W−Ltan
θとなる。ここでは、発熱体として、P=125μm、
W=70μm、L=100μm、θ=30度に設定した
発熱素子2を使用する。
【0037】なお、熱集中型のヘッドの発熱体として
は、その他、図8の(a)に示すように、電極12,13
間に中心部に向かって徐々に幅が狭くなる発熱素子22
を配置したもの、あるいは図8の(b)に示すように、電
極12,13間に電極の幅よりも狭い幅の発熱素子23
を配置したものもある。
【0038】このように熱分布が尖った状態になる熱集
中型のヘッドを使用することで、例えば、図9に示すよ
うに、サーマルラインヘッド20とゴムローラ30との
間を3枚以上の感熱紙を積層した複写用紙14を通過さ
せ、この複写用紙14に対して記録を行うと、図中1ド
ットの熱分布cを示すように、最上層の感熱紙14aか
ら最下層の感熱紙14bまで熱が到達する尖った状態の
熱分布となる。このような熱分布となることで、最上層
の感熱紙の記録がつぶれにくく、かつ、3枚目以降の感
熱紙に対する記録も可能となる。なお、熱分布は矩形と
ならないので、この場合においても積層した各感熱紙に
感度差を持たせることは必要である。なお、図中斜線で
示す部分は表面発色エリアを示している。
【0039】このようなヘッドを使用した場合にも、A
領域はできるだけ距離を短くする。また、ヘッド寿命、
信頼性を考慮した最適条件として、最下層感熱紙の表面
温度の立上がりを速くするために、図3及び図5に示す
ように、領域A内ではヘッド許容最大電力にて許容温度
まで直流通電し、その後、領域Bではパルス幅変調制御
を行う。
【0040】この場合、感熱紙が発色する記録温度を維
持する時間が領域Bの滞在時間よりも短くなれば、用紙
の搬送速度を上げて記録速度を高め高速化を図ること、
あるいは消費電力を下げて省エネルギー化を図ることの
選択が可能になる。
【0041】また、B領域においてパルス幅変調制御に
より発熱素子を発熱駆動するので、ヘッドを許容温度以
下に抑えることができてヘッドの長寿命化を図ることが
できる。また、感熱紙を3枚以上重ねても最下層の感熱
紙への記録がかすれることがない。また、高速で記録を
行っても記録のかすれが生じることがない。さらに、記
録速度を低下させても最上層の感熱紙の記録がつぶれる
ことがない。従って、記録品質を向上できる。
【0042】また、感熱紙の積層枚数が多く熱伝導が遅
い場合は、感熱紙を単に定速で搬送するときの発熱エリ
ア滞在時間では記録時間が不足する場合があるが、この
ような場合は用紙の搬送速度を落とさずに熱的効率を考
慮して搬送停止を含む用紙の間欠搬送制御を行う。特
に、感熱紙を3枚以上重ねた場合にはこの間欠搬送制御
が望ましい。
【0043】以上により、ラインサーマルヘッドとして
蓄熱型でかつ熱集中型のものを使用すれば、省エネルギ
ー化を図ることができ、しかも、複数枚重ねの感熱紙に
対する記録品質の向上を図ることができる。
【0044】なお、ここでは1ドットの記録を中心に説
明したが、ヘッド特性により記録率(単位長さ当たりの
記録ドット密度)の影響を考慮する必要があり、記録率
が高い場合は通常は通電時間を長くして印字のかすれを
防止するが、この実施の形態では、記録率が高い場合に
はパルス幅変調のデューティを変化させ、ヘッドの電圧
ドロップの程度に応じてデューティを大きくして画質劣
化を防止する。これにより、記録速度を維持しつつ記録
品質の劣化を防止できる。
【0045】なお、この実施の形態では感熱紙を複数枚
積層した用紙を使用する場合を例として述べたが必ずし
もこれに限定するものではなく、複写式記録用紙を使用
する場合や複数枚重ねで最上層用紙のみをインクリボン
を使用して記録するような用紙を使用する場合にも適用
できるものである。
【0046】
【発明の効果】請求項1乃至3記載の発明によれば、比
較的少ない熱エネルギーで複数枚の重ね記録が可能であ
り、しかも、高品質記録ができ、また、記録時間を短く
して高速化を図ることができる。また、請求項4乃至6
記載の発明によれば、複数枚の重ね記録を行うものにお
いて、発熱素子からの熱エネルギーを少なくでき、しか
も、高品質記録ができ、また、記録時間を短くして高速
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すヘッド部、感熱紙、
ゴムローラを含む部分拡大図。
【図2】同実施の形態におけるヘッドの部分拡大図。
【図3】同実施の形態における感熱紙の最下層表面温度
変化と発熱体駆動タイミングパルスと関係を示す図。
【図4】従来における感熱紙の最下層表面温度変化と発
熱体駆動タイミングパルスとの関係を示す図。
【図5】同実施の形態における感熱紙の最下層表面温度
変化と発熱体駆動タイミングパルスとの関係の他の例を
示す図。
【図6】熱集中型の発熱体の形状とその熱分布及び通常
の発熱体の形状とその熱分布を示す図。
【図7】熱集中型の発熱体の形状と熱集中部との関係を
示す図。
【図8】他の熱集中型の発熱体の形状を示す図。
【図9】同実施の形態においてヘッドに熱集中型の発熱
体を使用した場合の感熱紙に対する1ドットの積層方向
の熱分布を示す図。
【図10】サーマルラインプリンタの概略構成図。
【符号の説明】
1,20…サーマルラインヘッド 2,21,22,23…発熱素子 3…ゴムローラ 4…モータ 6,6a,6b…感熱紙 7…発熱体駆動回路 9…蓄熱層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発熱素子をライン状に配列したサ
    ーマルラインヘッド及びこのラインヘッドの各発熱素子
    を駆動するヘッド駆動手段を設け、前記ラインヘッドの
    各発熱素子の配列方向と直交する方向に記録用紙を搬送
    し、前記各発熱素子の発熱動作により前記記録用紙への
    記録を行うサーマルラインプリンタにおいて、 前記記録用紙の記録部位が前記ラインヘッドの各発熱素
    子による記録位置に接近した時点で前記各発熱素子の発
    熱を開始させ、前記記録用紙の記録部位が前記ラインヘ
    ッドの各発熱素子による記録位置に到達した時点で前記
    各発熱素子の温度が記録可能な温度に到達する制御を行
    うことを特徴とするサーマルラインプリンタ。
  2. 【請求項2】 サーマルラインヘッドは、各発熱素子か
    らの熱をそれぞれ蓄熱する蓄熱層を備え、この蓄熱層の
    厚さを60μm以上に設定したことを特徴とする請求項
    1記載のサーマルラインプリンタ。
  3. 【請求項3】 サーマルラインヘッドは、各発熱素子を
    熱分布が狭い範囲に集中する熱集中型発熱素子としたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のサーマルラインプ
    リンタ。
  4. 【請求項4】 複数の発熱素子をライン状に配列したサ
    ーマルラインヘッド及びこのラインヘッドの各発熱素子
    を駆動するヘッド駆動手段を設け、前記ラインヘッドの
    各発熱素子の配列方向と直交する方向に複数枚重ねの記
    録用紙を搬送し、前記各発熱素子の発熱動作により前記
    記録用紙への記録を行うサーマルラインプリンタにおい
    て、 前記記録用紙の記録部位が前記ラインヘッドの各発熱素
    子による記録位置に接近した時点で前記各発熱素子の発
    熱を開始させ、前記記録用紙の記録部位が前記ラインヘ
    ッドの各発熱素子による記録位置に到達した時点で前記
    各発熱素子の温度が記録可能な温度に到達する制御を行
    い、前記各発熱素子の記録可能な温度領域が前記記録用
    紙の記録部位に接触している時間と前記各発熱素子から
    複数枚重ねの記録用紙の最下層用紙の表面までの距離が
    略比例するように設定したことを特徴とするサーマルラ
    インプリンタ。
  5. 【請求項5】 予め設定したサーマルラインヘッドの限
    界温度又は記録用紙の限界温度に達するまでは発熱素子
    に直流を通電し、その後、前記発熱素子に対する通電を
    パルス幅変調制御して温度制御を行うことを特徴とする
    請求項4記載のサーマルラインプリンタ。
  6. 【請求項6】 サーマルラインヘッドの同時通電する発
    熱素子数に応じてパルス幅変調制御の通電デューティを
    可変制御することを特徴とする請求項5記載のサーマル
    ラインプリンタ。
JP28294299A 1999-10-04 1999-10-04 サーマルラインプリンタ Pending JP2001096789A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28294299A JP2001096789A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 サーマルラインプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28294299A JP2001096789A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 サーマルラインプリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001096789A true JP2001096789A (ja) 2001-04-10

Family

ID=17659119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28294299A Pending JP2001096789A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 サーマルラインプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001096789A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7168870B2 (en) * 2004-06-01 2007-01-30 Seiko Instruments Inc. Thermal activation method and processing method for heat-sensitive adhesive sheet, and thermal activation device and printer for heat-sensitive adhesive sheet

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7168870B2 (en) * 2004-06-01 2007-01-30 Seiko Instruments Inc. Thermal activation method and processing method for heat-sensitive adhesive sheet, and thermal activation device and printer for heat-sensitive adhesive sheet

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001096789A (ja) サーマルラインプリンタ
JP5157494B2 (ja) サーマルヘッド及びサーマルプリンタ
JPH1178090A (ja) 感熱発色プリント方法、サーマルヘッド及びプリンタ
JP2003320696A (ja) 可逆性感熱記録材料用消去ヘッド、その制御方法及び可逆性感熱記録材料の消去方法、並びに消去装置
JP3231069B2 (ja) サーマルヘッド
JP3029650B2 (ja) サーマルプリンタ
JP2006297665A (ja) サーマルヘッド
JP2006021339A (ja) ヘッド冷却装置及びプリンタ
JPH08197766A (ja) サーマルヘッド及び印字装置
JPS5989183A (ja) サ−マルヘツド駆動方法
JP2005343046A (ja) 記録ヘッド、およびプリンタ
JPH0867021A (ja) 書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド
JPH0740571A (ja) サーマルヘッド
JPH0416361A (ja) サーマルヘッド
JP2003326753A (ja) サーマルプリンタ、用紙搬送速度制御方法、サーマルヘッド通電制御方法
JP2002283602A (ja) サーマルヘッド
JP2004009327A (ja) サーマルプリンタ
JPH0899428A (ja) サーマルヘッド及びこれを用いる記録装置
JP2001293898A (ja) サーマルヘッド及びこのサーマルヘッドの製造方法
JP2005144704A (ja) サーマルヘッド
JPH0211347A (ja) サーマルヘッドの駆動制御方式
JPH09240026A (ja) 感熱プリンタ
JP2002248799A (ja) 熱転写プリンタ
JPH0825679A (ja) サーマルヘッドの温度制御装置
JPS61279566A (ja) 感熱ヘツド