JPH0867021A - 書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド - Google Patents

書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド

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JPH0867021A
JPH0867021A JP6206387A JP20638794A JPH0867021A JP H0867021 A JPH0867021 A JP H0867021A JP 6206387 A JP6206387 A JP 6206387A JP 20638794 A JP20638794 A JP 20638794A JP H0867021 A JPH0867021 A JP H0867021A
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JP
Japan
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recording
thermal paper
color erasing
heat
recording head
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JP6206387A
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English (en)
Inventor
Seiji Hibino
清司 日比野
Etsuji Shimizu
悦司 清水
Koji Mabuchi
宏司 馬▲淵▼
Satoshi Kuwabara
聡史 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、色消去用熱源をサーマルヘッド
と一体化した書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッドを提
供して感熱記録装置の小型化と低コスト化を図ることを
目的とする。 【構成】 熱の加え方により発色と色消去が任意に行え
る書き換え可能な感熱紙2に対して色消去を行うための
色消去用発熱部6を、発色のための記録用発熱部5が形
成されている記録ヘッド基板13と同一基板上に設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、書き換え可能な感熱
紙を使用したファクシミリ、プリンタ、ワープロ等の感
熱記録装置に用いられる記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な感熱紙は、熱の加え方に
より発色と色消去が任意に行えるものであり、保存を必
要としない情報に対してはこれを消去して感熱紙の再利
用が行える点で省資源化に極めて有効である。書き換え
可能な感熱紙としては、例えば、加熱急冷により発色
し、加熱徐冷によって消色したり、或いは、加熱急冷に
より透明となり、加熱徐冷によって白濁するものがあ
る。
【0003】従来、このような書き換え可能な感熱紙を
用いて記録を行う場合、記録装置とは別の装置、例え
ば、専用の色消去装置やアイロン等によって事前に消色
した感熱紙を用いるか、或いは、感熱記録装置の中に記
録ヘッドとは別個に色消去用熱源を配置し、この熱源に
よって色消去を行った後に連続的に記録を行うようにし
ていた。
【0004】図19は、後者の構造、即ち、感熱記録装
置の中に記録ヘッドとは別個に色消去用熱源を配置した
構造の感熱記録装置の要部側面図である。
【0005】書き換え可能な感熱紙401は色消去用ヘ
ッド402とプラテンローラ403の間に送り込まれ、
色消去用ヘッド402によって加熱を受けながら搬送さ
れる。この行程で感熱紙401は加熱徐冷され、感熱紙
401の特性により、既に印字がされている場合には、
その印字が消去される。まだ印字がなされていない場合
には、発色は起こらない。
【0006】更に、感熱紙401は記録用のサーマルヘ
ッド404とプラテンローラ403との間に送り込ま
れ、感熱紙401は搬送されながら、記録信号に応じて
短時間の熱パルスをサーマルヘッド404から受ける。
この行程で、該感熱紙401は加熱急冷され、感熱紙4
01の特性により発色し、書き換え印字が行われること
になる。
【0007】なお、書き換え可能な感熱紙としては、例
えば、三菱製紙製の「発色型可逆感熱記録材料サーモ・
リライト」を使用することができる。
【0008】次に、前記の色消去用ヘッド402の構成
を、その下面図である図20及びこの図20のA−A断
面図である図21に基づいて説明する。
【0009】サーマルヘッド基板の一般的な材科である
アルミナを用いた消去用へッド基板405上には、表面
の平滑化と発熱抵抗体406の保温のために、グレーズ
層407が形成されている。この上に薄膜技術或いは厚
膜技術を用いて発熱抵抗体406及び一対の電極408
a,408bが形成されている。そして、最上面(感熱
紙との接触面)には、発熱抵抗体406及び電極408
a,408bの保護のための保護層409が設けられて
いる。なお、支持基板410は、消去用へッド基板40
5を支持するものである。
【0010】そして、色消去用へッド402における発
熱抵抗体406の発熱温度及び紙搬送方向の長さ(幅)
は、所定の記録速度で搬送される感熱紙に対して色消去
が行えるように定められる。
【0011】色消去用ヘッド402の発熱抵抗体406
を設定温度に保つために、制御回路(図示せず)が設け
られており、この制御回路により短い周期でON/OF
Fを繰り返す分散パルスが前記発熱抵抗体406に通電
される。更に、外気温や色消去用ヘッド402の蓄熱と
いった環境の変動をサーミスタ(図示せず)等の温度検
出手段によって検出し、この検出値に基づいて分散パル
スのデューティーを変化させ、発熱抵抗体406を設定
温度に保つように制御している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の書き換え可能な感熱紙用の記録装置では、色消去用
熱源をサーマルヘッドと別個に設けているために、割高
となり、また、装置が大型化するという問題点がある。
また、色消去用ヘッド402の温度制御を行うためのハ
ードウェア及びソフトウェアが必要になるとい欠点もあ
る。
【0013】本発明は、上記の事情に鑑み、色消去用熱
源をサーマルヘッドと一体化した書き換え可能な感熱紙
用の記録ヘッドを提供して感熱記録装置の小型化と低コ
スト化を図ることを目的とする。
【0014】
【問題点を解決するための手段】本発明の書き換え可能
な感熱紙用の記録ヘッドは、上記の課題を解決するため
に、温度の加え方により発色と色消去が任意に行える書
き換え可能な感熱紙に対して色消去を行うための色消去
用熱源を、発色のための記録用熱源が形成されている基
板と同一基板上に設けたことを特徴とする。
【0015】少なくとも色消去用熱源を、自己温度制御
機能を有するPTC材料にて形成してもよい。
【0016】色消去用熱源を構成しているPTC材料部
分を薄肉に形成してもよい。
【0017】色消去用熱源を構成しているPTC材料部
分に電流を供給する電極を、当該色消去用熱源を構成し
ているPTC材料部分の長手方向に長く形成してもよ
い。
【0018】色消去用熱源上の温度が記録用発熱部に至
る方向に向けて徐々に低下する温度勾配を持つように、
放熱部を有していてもよい。
【0019】色消去用熱源上の温度が記録用発熱部に至
る方向に向けて徐々に低下する温度勾配を持つように、
色消去用熱源に電流を供給する一対の電極のうち、記録
用発熱部側に位置する電極を、広幅に形成してもよい。
【0020】色消去用熱源に電流を供給する一対の電極
のうち、記録用発熱部側に位置する電極が、記録用熱源
の下方にまで延設されていてもよい。
【0021】プラテンローラ圧接時のニップ幅内に色消
去用熱源と記録用熱源を配置してもよい。
【0022】色消去用熱源が感熱紙搬送方向若しくはヘ
ッド進行方向に複数個形成され、そのうちの任意の数の
色消去用熱源が発熱し得るように構成されていてもよ
い。
【0023】記録用熱源の感熱紙搬送方向の下流側若し
くはヘッド進行方向の後方側に、感熱紙がヘッド表面か
ら離間するときの離間距離を大きくするための傾斜部を
形成してもよい。
【0024】
【作用】上記の構成によれば、色消去のための色消去用
熱源が、発色のための記録用熱源が形成されている基板
と同一基板上に形成されているので、色消去用熱源を記
録用熱源と別個に設ける構成に比べて低コスト化および
装置の小型化を図ることができる。
【0025】また、PTC材料は、それに電圧が印加さ
れて電流が流れると温度上昇し、温度上昇すると抵抗値
が高くなって電流が流れにくくなり、温度上昇がとま
り、温度が下がる。温度が下がると、抵抗値が小さくな
り、電流が流れやすくなり、温度が上昇する。これを繰
り返すことである一定温度を保持する。従って、従来の
ように、色消去用ヘッドの温度制御を行うためのハード
ウェア及びソフトウェアが不要になり、低コスト化等が
図れる。
【0026】色消去用熱源を構成しているPTC材料部
分を薄肉に形成した構成では、当該薄肉のPTC材料部
分で一定温度保持がなされるので、PTC材料部分を厚
肉とする場合よりも一定温度保持が確実に行える。
【0027】色消去用熱源を構成しているPTC材料部
分に電流を供給する電極を、当該色消去用熱源を構成し
ているPTC材料部分の長手方向に長く形成した構成で
は、当該色消去用熱源の長手方向に均一な温度分布を形
成することができ、均一な色消去が可能となる。
【0028】色消去用熱源上の温度が記録用発熱部に至
る方向に向けて徐々に低下する温度勾配を持つように、
放熱部を有した構成では、加熱徐冷で色消去を行う感熱
紙に対して確実に色消去を行わせることができる。
【0029】色消去用熱源上の温度が記録用発熱部に至
る方向に向けて徐々に低下する温度勾配を持つように、
色消去用熱源に電流を供給する一対の電極のうち、記録
用発熱部側に位置する電極を広幅に形成した構成では、
上記と同様、加熱徐冷で色消去を行う感熱紙に対して確
実に色消去を行わせることができる。
【0030】色消去用熱源に電流を供給する一対の電極
のうち、記録用発熱部側に位置する電極を記録用熱源の
下方にまで延設した構成では、電極の放熱作用によって
記録用発熱部における通電停止後の急冷が促進されるの
で、加熱急冷で発色する感熱紙に対して記録を確実に行
わせることができる。
【0031】プラテンローラ圧接時のニップ幅内に色消
去用熱源と記録用熱源を配置した構成では、一つのプラ
テンローラを備えるだけでよいため、記録装置の一層の
小型化を図ることができる。
【0032】色消去用熱源を感熱紙搬送方向若しくはヘ
ッド進行方向に複数個形成し、そのうちの任意の数の色
消去用熱源を発熱させ得る構成では、感熱紙の搬送速度
或いは記録ヘッドの移動速度に合わせて任意個数の色消
去用熱源を発熱させて加熱時間の調整が行えるので、感
熱紙の搬送速度又は記録ヘッドの移動速度に影響されず
に確実に色消去が行える。
【0033】記録用熱源の感熱紙搬送方向の下流側若し
くはヘッド進行方向の後方側に、感熱紙がヘッド表面か
ら離間するときの離間距離を大きくするための傾斜部を
形成した構成では、感熱紙がヘッド表面から離れたとき
に、当該感熱紙の急冷が促進されるため、加熱急冷で発
色する感熱紙に対して記録を確実に行わせることができ
る。
【0034】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明をその実施例を示す図に基づ
いて説明する。
【0035】図1は、本実施例の書き換え可能な感熱紙
用の記録ヘッドを示す側面断面図である。
【0036】本実施例の記録ヘッド1はライン型に構成
されたものであり、また、その記録ヘッド基板13はア
ルミナ等のセラミックスからなる。当該基板13の一方
の面には、放熱板14が形成され、他方の面(ヘッド表
面となる面)には、記録用発熱部5と色消去用発熱部6
とが所定の間隔をおいて形成されている。即ち、記録用
発熱部5及び色消去用発熱部6は、一つの記録ヘッド基
板13上に形成されている。また、上記の記録用発熱部
5と色消去用発熱部6は感熱紙搬送方向に並んで形成さ
れ、このうち色消去用発熱部6が感熱紙搬送方向の上流
側に配置されている。
【0037】記録用発熱部5と対面する位置には、第1
のプラテンローラ3が配置されている。また、色消去用
発熱部6と対面する位置には、第2のプラテンローラ4
が配置されている。書き換え可能な感熱紙2は、色消去
用発熱部6と第2のプラテンローラ4との間、及び記録
用発熱部5と第1のプラテンローラ3との間を、圧接さ
れながら通って図中矢印A方向に搬送されるようになっ
ている。
【0038】記録用発熱部5は、記録用発熱抵抗体9お
よび記録用電極10a,10bから成る。記録用電極1
0a,10bに画信号に応じた電圧が選択的に印加され
ることにより、記録用発熱抵抗体9の電圧印加部分が発
熱し、感熱紙2に記録が行われる。この記録用発熱部5
の構成自体は、通常のサーマルヘッドと異ならない。な
お、記録用発熱部5上を覆っている膜11は、記録用発
熱部5の保護膜となるものであり、また、記録用発熱部
5と色消去用発熱部6とを絶縁する絶縁膜も兼ねる。
【0039】色消去用発熱部6は、色消去用発熱抵抗体
7および色消去用電極8a,8bから成る。色消去用発
熱抵抗体7は、感熱紙2の幅方向に細長い形状を有し、
その長手方向の長さは、感熱紙2の幅方向の長さを有す
る。また、その短手方向の長さ、即ち、感熱紙2の搬送
方向の長さは、色消去用発熱部6の設定温度及び感熱紙
2の搬送速度により、当該感熱紙2に対して色消去が行
える長さに設定される。そして、色消去用発熱部6上に
は、当該発熱部6を保護する保護膜12が形成されてい
る。
【0040】感熱紙2がプラテンローラー4によって色
消去用発熱部6に圧接されながら通過するときに、色消
去用発熱部6により感熱紙2が加熱徐冷され、感熱紙2
上の文字等が消去(消色)される。そして、感熱紙2が
プラテンローラー3によって記録用発熱部5に圧接され
ながら通過するときに、記録用発熱部5により感熱紙2
が加熱急冷され、感熱紙2上に画像信号に応じた記録が
なされる。
【0041】以上のように、本発明の書き換え可能な感
熱紙用の記録ヘッドは、一つの記録ヘッド基板13上に
記録用発熱部5および色消去用発熱部6を形成したか
ら、色消去用発熱部6を記録用発熱部5と別個に設ける
構成に比べて低コスト化および装置の小型化を図ること
ができる。
【0042】(実施例2)以下、本発明の他の実施例を
図2に基づいて説明する。
【0043】本実施例の書き換え可能な感熱紙用の記録
ヘッドは、実施例1の記録ヘッド基板13に代えて自己
温度制御機能をもつPTC(正の抵抗温度特性)基板1
5を備えたものである。PTC材料としては、例えば、
抵抗が急激に変化する温度であるキュリー点が約70
℃,厚み0.6〔mm〕,熱伝導率が2〜3〔W/md
eg〕のチタン酸バリウムが用いられる。色消去用電極
8a,8bは、PTC基板15上に直接形成される。電
極としては金,銀,銅,或いはアルミ等が用いられる。
【0044】この色消去用電極8a,8b間に電流を流
すことにより、PTC基板15の当該電極間部分が発熱
する。そして、この発熱により当該電極間部分の温度が
上昇すると、抵抗が大きくなり、電流が流れにくくなっ
て温度上昇がとまり、温度が低下し、その繰り返しによ
り一定温度が当該電極間部分において保持される。この
一定となる温度は、感熱紙2の搬送速度及び当該電極間
部分の幅との兼ね合いで、感熱紙に対する色消去に必要
な温度に設定される。
【0045】また、記録用発熱部5においても、PTC
基板15の自己温度制御機能を利用するようにしてい
る。この場合、PTC用電極16a,16bはPTC基
板15上に直接形成され、この電極16a,16b間に
電流を流すことにより当該電極間部分が一定温度を保持
して発熱する。保護膜12は、色消去用発熱部6の保護
膜を成すとともに、記録用発熱部5における抵抗体9と
上記PTC用電極16a,16bを絶縁するための絶縁
膜を兼ねている。
【0046】上記の構成によれば、従来必要であった色
消去用ヘッドの温度制御を行うための制御回路やソフト
ウェアが不要になり、低コスト化等が図れる。また、記
録用発熱部5においてもPTC基板15の自己温度制御
機能を利用するようにしているので、記録用発熱に必要
なエネルギーを少なくすることができるともとに、印字
速度の高速化並びに記録用発熱体個々の履歴制御等の温
度制御を不要にすることができる。
【0047】(実施例3)本実施例の書き換え可能な感
熱紙用の記録ヘッドは、図3に示すように、感熱紙の搬
送方向に二つの色消去用発熱部6a,6bを備える。構
造上は、上記実施例2の記録ヘッドにおいて色消去用電
極8cを追加したものに相当する。
【0048】第1の色消去用発熱部6aは、色消去用電
極8a,8bと当該電極間のPTC材料部分にて形成さ
れ、第2の色消去用発熱部6bは、色消去用電極8b,
8cと当該電極間のPTC基板部分にて形成される。
【0049】第1の色消去用発熱部6aを発熱させるに
は、色消去用電極8a,8b間に電流を流せばよく、第
2の色消去用発熱部6bを発熱させるには、色消去用電
極8b,8c間に電流を流せばよい。また、両発熱部6
a,6bを発熱させるには、色消去用電極8a,8b,
8c間に電流を流せばよい。即ち、電流を流す電極の選
び方により、任意の数の色消去用熱源を発熱させること
ができる。
【0050】このような構成であれば、感熱紙の搬送速
度に合わせて任意個数の色消去用熱源を発熱させ、感熱
紙の加熱時間の調整が行えるため、感熱紙の搬送速度に
影響されずに確実に色消去が行える。
【0051】(実施例4)本実施例の書き換え可能な感
熱紙用の記録ヘッドは、図4に示すように、PTC基板
15の背面側に設けられている放熱板14に位置的に放
熱特性が異なる部分を形成してある。具体的には、色消
去用発熱部6の略中央あたりから感熱紙2の搬送方向側
に放熱特性を高くした部分が形成されている。
【0052】これにより、色消去用発熱部6上に感熱紙
の搬送方向に徐々に温度が低くなる温度分布が形成さ
れ、当該色消去用発熱部6上を通過する感熱紙の加熱後
の徐冷が確実に行われる。
【0053】(実施例5)以下、本発明の第5の実施例
を説明する。
【0054】図5は、本実施例の書き換え可能な感熱紙
用の記録ヘッド110、及びこのヘッド表面に一つのプ
ラテンローラ111によって感熱紙112が圧接されて
いる状態を示した断面図である。
【0055】アルミナ等のセラミックスからなる記録ヘ
ッド基板101上には、色消去用発熱部99と記録用発
熱部100とが積層状に配置形成される。記録済み印字
データの消去と新たな印字データの記録を確実に行うた
めには、記録用発熱抵抗体106の通電終了後の温度降
下が急峻であることとが望ましい。このため、記録用発
熱抵抗体106は、消去用発熱抵抗体102の感熱紙搬
送方向下流側の発熱領域外に配置される。
【0056】色消去用発熱部99の消去用発熱抵抗体1
02は、感熱紙搬送方向Aと垂直な方向に長く、薄膜形
成法若しくは厚膜形成法により形成されている。消去用
発熱抵抗体102に給電を行う消去用電極103a、1
03bは、本実施例では消去用発熱抵抗体102に沿っ
てこれを挟むようにしてこれに平行に形成している。色
消去用発熱部99上には、印刷或いは焼成等の方法によ
りグレーズ層105が形成されている。
【0057】上記グレーズ層105上には、前記の記録
用発熱部100が形成されている。記録用発熱部100
は、記録用発熱抵抗体106及び記録用電極107a、
107bからなる。この記録用発熱部100上には保護
層108が形成されている。更に、記録ヘッド基板10
1には、画像データ信号に応じて記録用発熱抵抗体10
6を選択発熱させるドライバIC109が配置されてい
る。
【0058】ここで、記録用ヘッド110がプラテンロ
ーラ111に圧接されると、プラテンローラの記録用ヘ
ッド110との圧接面は圧力により弾性変形し、記録用
ヘッド110との間に、いわゆるニップ部を形成して、
プラテンローラ111は面状に記録用ヘッド110と接
触する。記録若しくは消去時には、記録用ヘッド110
とプラテンローラ111間に、感熱紙112が狭持さ
れ、感熱紙112も記録用ヘッド110と面状で接触す
る。
【0059】本実施例では、上記ニップ幅内に記録用発
熱抵抗体106と消去用発熱抵抗体102が収まるよう
に配置してあり、書き換え可能な感熱紙112は、消去
用の加熱徐冷と記録用の加熱急冷とをほぼ同時に受け
る。
【0060】感熱紙112がニップ部に到達すると、ま
ず、感熱紙112の特性により決められた消去可能温度
に図示されない温度検知手段と温度制御手段により常
時、又は必要時のみ発熱する消去用発熱抵抗体102に
より加熱される。感熱紙112は消去用発熱抵抗体10
2の発熱領域を過ぎるまで加熱され、該領域を過ぎると
感熱紙搬送方向の下流方向に分布する記録用ヘッド11
0の温度分布により感熱紙112はその移動に応じて徐
冷され、記録済み印字データがある場合はその消去が行
われる。
【0061】感熱紙112が記録用発熱抵抗体106上
に到達し、印字データに対応して記録用電極107a、
107bに選択的に通電がなされると、その通電が短時
間のパルス状であるため、感熱紙112は、短時間で加
熱され通電終了と同時に急激に温度が下がって急冷さ
れ、必要箇所が発色する。
【0062】なお、記録済み印字データの消去を確実に
するためには、書き換え可能な感熱紙の特性から決めら
れる消去可能温度で消去されるのに必要な時間をtとす
ると、その時間tの間、消去したい領域が消去可能温度
に保たれなくてはならない。そのためには、消去用発熱
抵抗体102の感熱紙搬送方向の幅は、感熱紙搬送速度
に上述の時間tを乗じて得られる距離であれば良い。
【0063】以上のように、本実施例では、上記ニップ
幅内に記録用発熱抵抗体106と消去用発熱抵抗体10
2が収まるように配置している。従って、記録用発熱部
100用のプラテンローラと色消去用発熱部99用のプ
ラテンローラの二つのローラを備える必要はなく、一つ
のプラテンローラを備えるだけでよいので、記録装置を
一層小型化することができる。
【0064】(実施例6)本実施例の書き換え可能な感
熱紙用の記録ヘッド117は、実施例5の構成において
色消去用発熱部99のみをPTC材料で構成したもので
ある。
【0065】具体的には、図6に示すように、例えばチ
タン酸バリウム等からなるPTC基板113上に、色消
去用発熱部99が感熱紙搬送方向と垂直な方向にほぼ感
熱紙幅に渡って形成される。即ち、例えば無電解Niメ
ッキ等の方法により色消去用発熱部99となるべき部分
を挟んで平行に消去用電極115a、115bが形成さ
れている。その上に、消去用電極115a、115bか
らの通電が可能となるように、消去用電極115a、1
15bの一部を露出するようにして、グレーズ層116
がスクリーン印刷等により塗布され、焼成されている。
【0066】グレーズ層116上には、記録用発熱抵抗
体106及び記録用電極107a、107bが薄膜形成
法又は厚膜形成法により形成される。記録用発熱抵抗体
106及びその周辺の記録用電極107a、107b上
には、保護層108が形成され、さらに、ドライバ用I
C109が配置、接続されて、記録ヘッド117が構成
される。
【0067】消去用電極115a、115bに通電がな
されると、消去用電極115a、115bに挟まれた部
分のPTC基板113に電流が流れ、当該部分が発熱す
るが、自己温度制御特性により、当該発熱部分から流出
する熱量と当該発熱部分に供給されるエネルギーのバラ
ンスがとられて色消去用発熱部99の温度は一定温度に
安定する。従って、PTC基板113を構成する材料の
自己温度制御特性を適切に調整することで、色消去用発
熱部99の発熱温度は、書き換え可能な感熱紙の特性か
ら決められる消去可能温度に設定でき、温度検知手段、
及び温度制御手段等は不要となる。
【0068】(実施例7)図7に示すように、本実施例
の書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド119は、一対
の消去用電極118a,118bのうち、紙搬送方向の
下流側に位置している電極118aを、記録用発熱部1
00の発熱抵抗体106の下方にまで延設した構造を有
する。
【0069】このような構成であれば、記録用発熱抵抗
体106の下方に熱伝導性の良い放熱体が配置されたの
に等しいものとなり、記録時に記録用発熱抵抗体106
へのパルス状通電が終了した後の温度の立ち下がりが急
峻となる。従って、記録済み印字データの消去が行われ
た直後で感熱紙の温度が比較的高くなっている状態であ
っても、急冷作用が得られるため、新たな印字データの
記録が確実に行われることになる。
【0070】(実施例8)図8に示すように、本実施例
の記録ヘッド122のグレーズ層120は、台形状の突
出部121を有している。突出部121は、感熱紙搬送
方向の幅がプラテンローラ111とのニップ幅に略等し
く、感熱紙搬送方向下流側の端部が記録用発熱抵抗体1
06の感熱紙搬送方向下流側の端部まで延びる平坦な頂
部を有する。この突出部121は、スクリーン印刷の重
ね塗り若しくはエッチング等の方法により形成される。
【0071】グレーズ層120の突出部121の平坦部
分における頂部の感熱紙搬送方向下流側の端部が、記録
用発熱抵抗体106の感熱紙搬送方向下流側の端部に略
等しく、プラテンローラ111との接触も突出部121
の感熱紙搬送方向下流側の端部で終わるため、印字デー
タ記録時の記録用発熱抵抗体106への通電が終了した
感熱紙112は、記録ヘッド122による圧接から解放
されるとともにヘッド表面からの離間距離を大きくして
これから離れていくため、確実に急冷され、印字データ
の記録が確実に行われる。また、感熱紙と記録用発熱部
100及び色消去用発熱部99との接触が確実に行わ
れ、色消去と記録が確実に行われる。
【0072】なお、以上の実施例7,8はPTC基板1
13を用いた場合に適用した例であるが、これに限ら
ず、色消去用発熱部99に通常の発熱抵抗体を用いる構
造においても適用できるものである。更に、これまでの
実施例を適宜組み合わせて用いてもよいことは勿論であ
る。
【0073】(実施例9)図9において、202は本実
施例の書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド、20lは
書き換え可能な感熱紙、203aは記録用のプラテンロ
ーラ、203bは消去用のプラテンローラである。感熱
紙201は、記録へッド202の色消去用発熱部206
と消去用プラテンローラ203bとによって圧接される
とともに、記録へッド202の記録用発熱部211と記
録用プラテンローラ103aとによって圧接される。
【0074】感熱紙201は、色消去用発熱部206と
消去用プラテンローラ203bの間に送り込まれ、色消
去用発熱部206によって加熱を受けながら搬送され
る。この搬送中に感熱紙20lは加熱徐冷され、この感
熱紙201の特性により、既に印字がされている場合に
は、その印字が消去される。まだ印字がなされていない
場合には、発色は起こらない。
【0075】そして、感熱紙201は、記録用発熱部2
11と記録用プラテンローラ203aとの間に送り込ま
れ、該感熱紙20lは、搬送されながら、記録信号に応
じて短時間の熱パルスを記録用発熱部211から受け
る。この行程で、感熱紙20lは加熱急冷され、感熱紙
201の特性により、発色が起こる。
【0076】図10において、208a,208bは消
去用発熱部の電極である。金,銀,銅,アルミ等を用
い、薄膜技術あるいは厚膜技術で形成する。なお、ニッ
ケルメッキを用いても良い。また、図11に示すよう
に、色消去用発熱部206の電極208a,208b
は、感熱紙搬送方向に垂直な方向に延びる並行な2本の
ライン状を成す。ここで、感熱紙搬送方向の下流側の色
消去用発熱部206の電極208bの搬送方向の長さ、
即ち、電極208bの電極幅は、上流側の電極208a
の電極幅より広く設定されている。
【0077】207(図10参照)は、PTCへッド基
板205及び色消去用発熱部206の電極208a,2
08bを覆う絶縁性を有する保温膜である。この保温膜
207は、耐熱性があり熱伝導率が小さい例えばガラス
が用いられる。
【0078】絶縁膜207の上には、従来へッドと同様
に、抵抗体および一対の記録用電極212a,212b
から成る記録用発熱部211が形成される。一対の記録
用電極212a,212bは、薄膜技術や厚膜技術を用
いて形成されている。
【0079】最上面には、記録用発熱部211を覆う図
示しない保護層が形成されており、感熱紙201との摩
耗と酸化が防止されるようになっている。
【0080】図12は、記録ヘッド202をヘッド表面
側からみた平面図である。図において、213は記録用
発熱体の駆動IC214が載置される基板、215は電
力供給用コネクタ、216は記録信号用のコネクタであ
る。PTCへッド基板205と前記の基板213は、互
いに隣接(図10参照)してへッド支持体210に、絶
縁性接着剤218で接着されている。217はボンディ
ングワイヤである。駆動IC214、基板213上のパ
ターンおよびボンディングワイヤ217は、図示しない
絶縁体で被われている。
【0081】消去用電極208a,208bに一定電圧
(約20V)を印加すると、PTCへッド基板205の
表面において、消去用電極208a,208b間のライ
ン状の部分に発熱が起こる。PTC特性を持つ材料は、
その温度が物性値であるキュリ一点を越えると抵抗値が
急激に上昇する。そのため、PTC基板205表面の発
熱部では、温度がキュリー点を越えると電流が流れにく
くなり、温度がキュリー点を下回る。すると、また抵抗
が急激に下がり、電流が流れ発熱し始める。
【0082】ここで、消去用電極208a,208bは
平行な2本のライン状であるため、消去用電極208
a,208bとPTCへッド基板205から構成される
抵抗回路は、無限の並列回路と等価である。このため、
発熱部に温度の不均一ができた場合、温度が低い部分の
みに電流が流れ、温度が均一になるように作用する。こ
のように電流の制御が自動的にしかも連続的に滑らかに
行われ、電極の長手方向の温度分布は一様に一定に保た
れる。従って、環境温度や印写による蓄熱の状況に左右
されず、色消去用発熱部206の近傍を一定の温度に保
つことができるので、環境や使用条件に左右されない安
定した消去能力と、消去残りがない均一な消去を得るこ
とができる。
【0083】なお、色消去用発熱部206の感熱紙搬送
方向の温度分布は、この感熱紙搬送方向が消去用電極間
208a,208bに流れる電流の方向であるため、こ
の方向でのPTCの自己温度制御特性は働かず、発熱分
布および近傍の放熱特性によって決定される。従って、
電極208a,208b間の距離が短い方が一定温度保
持を確実に行えることになる。
【0084】そして、色消去用発熱部206の電極20
8a,208bのうち、紙搬送方向の下流側の電極20
8bの当該紙搬送方向の長さ、即ち、電極208bの幅
は、上流側の電極208aの幅より、広く設定してある
ため、色消去用発熱部206の感熱紙搬送方向の温度分
布は下流の位置になるほど温度が低くなる。この温度分
布の色消去用発熱部206を感熱紙201が通過するこ
とによって、該感熱紙201の消去に必要な作用である
徐冷状態が形成される。
【0085】色消去用発熱部206の電極208a,2
08bは、PTCへッド基板203aの外縁へ引き出す
必要がある。この場合に、色消去用発熱部206の電極
208a,208bを同一面上でコネクタ側へ引き出し
た部分が接近していると、その電極間のPTCへッド基
板205が発熱してしまうので、間隔を広くあける必要
がある。そこで、図11に示すように、PTCへッド基
板205の長手方向のそれぞれの端部に、色消去用発熱
部206の電極208a,208bを引き出している。
引き出されたPTCへッド基板205上の色消去用発熱
部206の電極208a,208bと、基板213(図
10参照)上の電極との接続には、例えばボンディング
ワイヤが使用される。
【0086】(実施例10)次に、シリアル型に構成さ
れた記録ヘッドの実施例について説明する。図13は本
実施例の書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッドをその周
辺部材(平板プラテン等)とともに示した側面図であ
り、図14は当該記録ヘッドを印字面側から見た図であ
る。
【0087】これらの図において、302はシリアル型
の記録へッド、301は書き換え可能な感熱紙、303
は平板プラテンローラである。該感熱紙301は、記録
へッド302の記録用発熱部311と平板プラテン30
3とによって圧接されると共に、記録へッド302の色
消去用発熱部306と平板プラテン303とによって圧
接される。
【0088】まず、書き換え可能な感熱紙301は記録
ヘッド302と平板プラテン303との間に挟まれ、記
録ヘッド302が図中矢印方向に移動するときに、色消
去用発熱部306によって加熱を受ける。この行程で感
熱紙30lは加熱徐冷され、感熱紙301の特性によ
り、既に印字がされている場合には、その印字が消去さ
れる。まだ印字がなされていない場合には、発色は起こ
らない。
【0089】一方、記録ヘッド302の矢印方向の移動
により、感熱紙301の消色された部分に記録用発熱部
311が圧接し、感熱紙301は記録信号に応じた短時
間の熱パルスを上記記録用発熱部311から受ける。こ
の行程で、感熱紙301は加熱急冷され、感熱紙301
の特性により、発色が起こる。
【0090】305はPTCへッド基板である。記録用
発熱体311に隣接して色消去用発熱部306側には、
溝319が設けられている。記録ヘッド302は、その
色消去用発熱部306が感熱紙301及び平板プラテン
303に対して平行となるように配置される。記録用発
熱部311が形成されるへッド基板305の表面は、消
去用発熱部306に対して感熱紙から離れる方向に傾斜
し、感熱紙が離れるときの離間距離を大きくし、感熱紙
の急冷を促進するようになっている。そして、この傾斜
と上記溝319とによって、記録部は鋭角となり記録用
発熱体311は感熱紙301に食い込むように安定して
接触することができ、色消去用発熱部306及び記録用
発熱部311が同時に感熱紙301に接触する場合でも
記録部のあたりが不安定になるといったおそれを解消で
きる。
【0091】記録へッド302の色消去用発熱部306
が平板プラテン303に当接した時、記録用発熱部31
1が色消去用発熱部306の表面の延長面よりも平板プ
ラテン303側に位置させる方が印字効率を向上させる
上で望ましい。このため、記録用発熱体311を、色消
去用発熱部306の表面より突き出させている。
【0092】また、図14に示す如く、色消去用発熱部
306の電極308a,308bは並行な2本のライン
状に形成される。上記一対の電極308a,308bの
うち、記録ヘッド302の進行方向の後側に位置する電
極308bの紙搬送方向の長さ、即ち電極幅を広くして
いる。色消去用発熱部306上の温度が記録用発熱部3
11に至る方向に向かって徐々に低下する温度勾配を持
つようにするためである。これにより、加熱徐冷で色消
去を行う感熱紙に対して確実に色消去を行わせることが
できる。
【0093】図13において、307a,307bは、
PTCへッド基板305と色消去用発熱部306の電極
308a,308bを覆う保温層である。保温層307
aの上には、一般のシリアルヘッドと同様に、抵抗体と
記録用電極対312a,312bから成る記録用発熱部
31lが形成されている。記録用発熱体311上には、
図示しない保護層が形成されている。
【0094】また、記録へッド部は、記録用発熱部31
1の駆動IC、電力供給用の導線、記録信号用の導線を
介してへッド制御部(いずれも図示せず)とつながって
いる。PTCへッド基板305は、絶縁性接着剤318
によってへッド支持体310に接着されている。
【0095】このように、シリアル型の記録ヘッドにお
いても、一つのPTCヘッド基板305上に記録用発熱
部311および色消去用発熱部306を形成したから、
色消去用発熱部306を記録用発熱部311と別個に設
ける構成に比べて低コスト化および装置の小型化を図る
ことができる。
【0096】(実施例11)本実施例の書き換え可能な
感熱紙用の記録ヘッドは、実施例9のラインヘッド構成
において、図15に示すように、PTC基板205の色
消去用発熱部206を構成している部分が、薄肉に形成
された構成を有する。具体的には、当該部分のPTC基
板205の背面側に凹部205aが形成され、この凹部
205aによって色消去用発熱部206の消去用電極2
08a,208b間が薄肉とされる。凹部205aは、
基板焼成前に形成してもよいし、焼成後に形成してもよ
いが、前者の方が加工が容易である。
【0097】ここで、電極208a,208bに電圧を
印加し、これら電極間のPTC基板205に通電が開始
された時点では、電流は消去用電極208a,208b
間の最短距離である表面を流れる。表面の温度がキュリ
ー点以上に上昇すると、表面の抵抗値が急上昇して電流
の流れがとまり、温度がキュリー点以下の内部に電流が
流れるようになる。このように電流はPTC基板205
内部へ広がりを見せるが、表面の温度が再びキュリー点
以下になれば、表面を流れることになる。
【0098】色消去用発熱部206の近傍を一定温度に
保つには、電流がなるべくPTC基板205の表面だけ
を流れた方が効率的である。従って、本実施例のごと
く、消去用電極208a,208b間のPTC材料部分
が薄肉であれば、電流はPTC基板205の当該薄肉の
部分だけを流れることになり、色消去用発熱部206の
近傍を一定温度に保つ作用を効果的に得ることができ
る。
【0099】(実施例12)本実施例の書き換え可能な
感熱紙用の記録ヘッドは、実施例10のシリアルヘッド
構成において、図16に示すように、PTC基板305
の色消去用発熱部306を構成している部分が、薄肉に
形成された構成を有する。具体的には、当該部分のPT
C基板305の背面側に凹部305aが形成され、この
凹部305aによって消去用電極308a,308b間
を薄肉にした。
【0100】かかる構成により、シリアル型の記録ヘッ
ドにおいても、消去用発熱部306の近傍を一定温度に
保つ上で効率化を図ることができる。
【0101】(実施例13)本実施例の書き換え可能な
感熱紙用の記録ヘッドは、実施例11のように、PTC
基板205に凹部205aを有するのではなく、図17
に示すように、上記凹部となる部分に相当する部分がP
TC特性を持たない絶縁物質220から成る構成であ
る。
【0102】絶縁物質220としては、PTC材料と化
学反応を起こさない物質が選ばれるが、PTC物質と絶
縁物質との焼成の相性等の関係を考慮した場合、PTC
基板205を構成している材料を用いるのが望ましい。
例えば、PTC基板205がチタン酸バリウムにより形
成されるのであれば、絶縁物質220としてもチタン酸
バリウムを用いる。この場合、PTC基板として機能す
べき部分は、当該PTC特性を持たせる添加物を含有さ
せ、絶縁物質として機能すべき部分には上記添加物を含
有させずに焼成すればよい。
【0103】かかる構成により、実施例11の如く凹部
を形成した場合の基板の機械的強度低下を回避しつつ色
消去用発熱部206の近傍を一定温度に保つ作用を効果
的に得ることができる。
【0104】(実施例14)本実施例の書き換え可能な
感熱紙用の記録ヘッドは、実施例12の構成のように、
PTC基板305に凹部305aを有するのではなく、
図18に示すように、上記凹部となる部分に相当する部
分がPTC特性を持たない絶縁物質320から成る構成
である。このような構成は、実施例13と同様に実現す
ることができる。
【0105】かかる構成により、シリアルヘッド構成に
おいて、実施例13と同様の作用を得ることができる。
【0106】なお、これまでの実施例において、様々な
好適な例を挙げてきたが、これら個々の実施例の構造に
限られるものではなく、これら実施例を適宜組み合わせ
た構造の記録ヘッドとしてもよいことは当然である。
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、色消去
用熱源を記録用熱源と別個に設ける構成に比べて低コス
ト化および装置の小型化が図れる等の優れた諸効果を奏
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の記録ヘッドをプラテンローラ及び
感熱紙とともに示した縦断面図である。
【図2】第2実施例の記録ヘッドを示す縦断面図であ
る。
【図3】第3実施例の記録ヘッドを示す縦断面図であ
る。
【図4】第4実施例の記録ヘッドを示す縦断面図であ
る。
【図5】第5実施例の記録ヘッドをプラテンローラ及び
感熱紙とともに示した縦断面図である。
【図6】第6実施例の記録ヘッドをプラテンローラ及び
感熱紙とともに示した縦断面図である。
【図7】第7実施例の記録ヘッドをプラテンローラ及び
感熱紙とともに示した縦断面図である。
【図8】第8実施例の記録ヘッドをプラテンローラ及び
感熱紙とともに示した縦断面図である。
【図9】第9実施例の記録ヘッドをプラテンローラ及び
感熱紙とともに示した縦断面図である。
【図10】図9の記録ヘッドの拡大図である。
【図11】図9の記録ヘッドの色消去用発熱部の拡大平
面図である。
【図12】図9の記録ヘッドのヘッド面(主に記録用発
熱部)の拡大平面図である。
【図13】第10実施例の記録ヘッド(シリアルヘッ
ド)をプラテン板及び感熱紙とともに示した縦断面図で
ある。
【図14】図13の記録ヘッドのヘッド面の拡大平面図
である。
【図15】第11実施例の記録ヘッドを示す縦断面図で
ある。
【図16】第12実施例の記録ヘッドを示す縦断面図で
ある。
【図17】第13実施例の記録ヘッドを示す縦断面図で
ある。
【図18】第14実施例の記録ヘッドを示す縦断面図で
ある。
【図19】従来の記録ヘッドおよび色消去用ヘッドをプ
ラテンローラ及び感熱紙とともに示した縦断面図であ
る。
【図20】図19の色消去用ヘッドの平面図である。
【図21】図20のA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
1,110,117,119,122,202,302
記録ヘッド 2,112,201 書き換え可能な感熱紙 5,100,211,311 記録用発熱部 6,99,206,306 色消去用発熱部 15,116,120,205,305 PTC基板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の書き換え可能な感熱紙用の記録装置では、色消去用
熱源をサーマルヘッドと別個に設けているために、割高
となり、また、装置が大型化するという問題点がある。
また、色消去用ヘッド402の温度制御を行うためのハ
ードウェア及びソフトウェアが必要になるという欠点も
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】上記の構成によれば、従来必要であった色
消去用ヘッドの温度制御を行うための制御回路やソフト
ウェアが不要になり、低コスト化等が図れる。また、記
録用発熱部5においてもPTC基板15の自己温度制御
機能を利用するようにしているので、記録用発熱に必要
なエネルギーを少なくすることができると共に、印字速
度の高速化並びに記録用発熱体個々の履歴制御等の温度
制御を不要にすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 聡史 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱の加え方により発色と色消去が任意に
    行える書き換え可能な感熱紙に対して色消去を行うため
    の色消去用熱源を、発色のための記録用熱源が形成され
    ている基板と同一基板上に設けたことを特徴とする書き
    換え可能な感熱紙用の記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 少なくとも色消去用熱源が、自己温度制
    御機能を有するPTC材料からなることを特徴とする請
    求項1に記載の書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 色消去用熱源を構成しているPTC材料
    部分が薄肉に形成されていることを特徴とする請求項2
    に記載の書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 色消去用熱源を構成しているPTC材料
    部分に電流を供給する電極が、当該色消去用熱源を構成
    しているPTC材料部分の長手方向に長く形成されてい
    ることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の書き
    換え可能な感熱紙用の記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 色消去用熱源上の温度が記録用発熱部に
    至る方向に向けて徐々に低下する温度勾配を持つよう
    に、放熱部を有していることを特徴とする請求項1乃至
    請求項4のいずれかに記載の書き換え可能な感熱紙用の
    記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 色消去用熱源上の温度が記録用発熱部に
    至る方向に向けて徐々に低下する温度勾配を持つよう
    に、色消去用熱源に電流を供給する一対の電極のうち、
    記録用発熱部側に位置する電極が、広幅に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載の書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 色消去用熱源に電流を供給する一対の電
    極のうち、記録用発熱部側に位置する電極が、記録用熱
    源の下方にまで延設されていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項6のいずれかに記載の書き換え可能な感熱
    紙用の記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 プラテンローラ圧接時のニップ幅内に色
    消去用熱源と記録用熱源が配置されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の書き換え
    可能な感熱紙用の記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 色消去用熱源が、感熱紙搬送方向若しく
    はヘッド進行方向に複数個形成され、そのうちの任意の
    数の色消去用熱源が発熱し得るように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    の書き換え可能な感熱紙用の記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 記録用熱源の感熱紙搬送方向の下流側
    若しくはヘッド進行方向の後方側には、感熱紙がヘッド
    表面から離間するときの離間距離を大きくするための傾
    斜部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項9のいずれかに記載の書き換え可能な感熱紙用の記
    録ヘッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007268718A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルヘッド
JP2007276325A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリンタ
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