JP2003320696A - 可逆性感熱記録材料用消去ヘッド、その制御方法及び可逆性感熱記録材料の消去方法、並びに消去装置 - Google Patents

可逆性感熱記録材料用消去ヘッド、その制御方法及び可逆性感熱記録材料の消去方法、並びに消去装置

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JP2003320696A
JP2003320696A JP2002186504A JP2002186504A JP2003320696A JP 2003320696 A JP2003320696 A JP 2003320696A JP 2002186504 A JP2002186504 A JP 2002186504A JP 2002186504 A JP2002186504 A JP 2002186504A JP 2003320696 A JP2003320696 A JP 2003320696A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可逆性感熱記録層の発色/消色特性に適応し
たより最適な消去条件で可逆性感熱記録材料の消去を行
うことができるようにすることで消去をより完全に行う
ことができ、記録及び消去を繰り返した場合の可逆性感
熱記録材料の品質劣化の速度を格段に緩和し得る消去ヘ
ッド、消去ヘッドの制御方法および消去装置を提供す
る。 【解決手段】 アルミナ基板上に複数の帯状発熱層を並
列に設けた消去ヘッドを用いる。発熱層としては100
0〜3500ppm/℃の抵抗温度係数を有するものが
好ましく、複数の発熱層のそれぞれの特性を異ならせる
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可逆性感熱記録材
料用消去ヘッド、その制御方法及び可逆性感熱記録材料
の消去方法に関し、詳しくは記録済みの可逆性感熱記録
材料の記録を消去する消去ヘッド、その制御方法及び可
逆性感熱記録材料の消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば紙、不織布、織布、塩化ビ
ニール、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂、金
属、ガラス等からなるフィルム状、シート状、カード状
等の支持体上に加熱により発色と消色を可逆的に繰り返
し行える可逆性感熱記録層からなる記録部を設けた可逆
性感熱記録材料(リライタブルカード)が広く使用され
るようになってきている。
【0003】前記可逆性感熱記録層は、図15に示すよ
うに、(a)特定の温度領域である記録(発色)温度領
域(例えば170℃前後)への加熱により発色し、
(b)前記温度領域より低い温度領域である消去(消
色)温度領域(例えば140℃前後)への加熱により消
色し、それ以下の温度領域である不変温度領域では発色
状態或いは消色状態が維持されるという特性を有するも
のであり、例えばロイコ化合物及び顕色剤を含有し、比
較的高温において両者が融け合い、分子レベルで混じり
合って反応し、急冷によって混じり合ったまま固化され
て発色状態が保持され記録を行い、一方高温に加熱した
後徐々に冷却することによりロイコ化合物と顕色剤とを
別々に結晶化させたり、ロイコ化合物及び顕色剤の融点
以下の特定温度領域にある一定時間保持することにより
ロイコ化合物と顕色剤とを徐々に層分離させて結晶化さ
せたりして消色することにより消去するものや、染料前
駆体と熱によりこれを発色、消色させる顕減色剤からな
るものなど、透明/発色或いは発色/消色の熱的変化を
利用したものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述のような可
逆性感熱記録材料への記録及び消去は、ゴムローラ等の
回転搬送手段により可逆性感熱記録材料を搬送しつつサ
ーマルヘッド等の発熱手段の発熱部に可逆性感熱記録材
料の記録部を接触又は非接触にて加熱することにより行
われている。しかしながら、記録された可逆性感熱記録
材料の消去においては、十分な加熱温度制御を行わない
まま経験的に決められたラフな加熱温度等の消去条件で
行われているため、周囲の環境の変化や発熱体自体の熱
暴走等の温度上昇による過熱等によりしばしば不完全な
消去が生じてしまう。また、サーマルヘッドのように単
体(一本)の帯状発熱体により加熱して消去を行うため
に、十分な時間加熱することができず、さらに加熱温度
勾配も限られた条件でしかできず、消去前の記録画像の
残像が残るといった不具合が生じる場合がある。
【0005】本発明は、このような現状に鑑みなされた
ものであり、加熱時間及び加熱温度、さらに加熱温度勾
配の多様な制御を実現することにより、可逆性感熱記録
層の発色/消色特性に適応したより最適な消去条件で可
逆性感熱記録材料の消去を行うことができるようにする
ことで消去をより完全に行い、記録及び消去を繰り返し
た場合の可逆性感熱記録材料の品質劣化の速度を格段に
緩和し得る可逆性感熱記録材料用の消去ヘッド、消去ヘ
ッドの制御方法、可逆性感熱記録材料の消去方法および
消去装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明は、複数の帯状発熱層を並列に設け
ることを特徴とする。より具体的には、本発明は以下の
消去ヘッド、その制御方法及び消去方法に係るものであ
る。
【0007】(1)可逆性感熱記録材料用の消去ヘッド
であって、耐熱性基板及び該耐熱性基板上に並設された
複数の帯状の発熱層を有することを特徴とする可逆性感
熱記録材料用消去ヘッド。
【0008】上記(1)の消去ヘッドによれば、複数の
帯状の発熱層を並列に設けているので、可逆性感熱記録
材料の搬送速度を変化させる必要なく加熱時間を短くし
たり長くしたりできるので、各種可逆性感熱記録層の特
性に応じた最適な消去温度条件に、より近づけることが
できる。また、各々の発熱層に異なる電圧を印加するこ
とにより、異なる発熱温度とし得るので、加熱、冷却速
度の幅広い制御により予熱、徐冷などが可能となり、加
熱温度勾配を多様に設定できるのである。
【0009】さらに、複数の発熱層のうち何れか1本を
使用し、他を予備としておけば、たとえその内の1本が
故障した場合であっても他の発熱層を代替で使用できる
ので、実質的に消去ヘッドの寿命を著しく伸ばすことが
できる。
【0010】(2)複数の帯状の発熱層のうち少なくと
も2つが互いに異なる幅からなることを特徴とする上記
(1)に記載の可逆性感熱記録材料用消去ヘッド。
【0011】上記(2)の消去ヘッドによれば、幅の異
なる帯状の発熱層を設けているので、同じ印加電圧にお
いても発熱層の発熱温度を変えることができるととも
に、各々の発熱層で異なる様々な電圧を印加することに
より、より幅広い加熱温度制御を可能とし得る。また、
異なる幅の発熱層を有するので、発熱層の幅によって加
熱時間を短くしたり長くしたりでき、加熱温度との組み
合わせにより多様な加熱温度勾配の設定の制御が可能と
なる。
【0012】(3)複数の帯状の発熱層のうち少なくと
も2つが互いに異なる電気特性を有することを特徴とす
る上記(1)又は(2)に記載の可逆性感熱記録材料用
消去ヘッド。
【0013】上記(3)の消去ヘッドによれば、例えば
シート抵抗、抵抗温度係数等の電気特性の異なる発熱層
を並列に設けているので、より一層幅広い加熱温度の制
御が可能となる。
【0014】(4)複数の帯状の発熱層が1000〜3
500ppm/℃の抵抗温度係数を有する発熱層を含む
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の可逆性感熱記録
材料用消去ヘッド。
【0015】上記(4)の消去ヘッドによれば、100
0〜3500ppm/℃という正に高い抵抗温度係数の
発熱層を含むので、該発熱層は発熱させた場合ある温度
まで達するとその温度で飽和状態になり易く所望の加熱
温度に制御しやすいのである。また、発熱温度に対する
抵抗値変化が大きく、抵抗値変化の測定を容易に行え、
該抵抗値変化に基づき発熱層の発熱温度の制御を有利に
行うことができる。したがって、可逆性感熱記録材料に
対する加熱温度を精度よく行うことができる。
【0016】(5)前記複数の帯状の発熱層の少なくと
も1つは、該帯状部分の一部が非発熱部に形成されてな
る上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の可逆性感
熱記録材料用消去ヘッド。ここに非発熱部とは、比抵抗
の小さい導体部分からなり、電流は流れるが抵抗損が殆
どなく、可逆性感熱記録材料の記録を消去するほど発熱
しない部分を意味する、。
【0017】(5)の消去ヘッドによれば、可逆性感熱
記録材料(カード)を列状に消去しないで、一部の記録
を残すことができる。すなわち、一般的には可逆性感熱
記録材料に記録されているものを消去する場合、カード
の幅の長さに合せて発熱層が形成された消去ヘッド上
を、カードを移動させながら(走査しながら)行うが、
(5)の消去ヘッドによれば、発熱層の一部が非発熱部
になっているため、その非発熱部の上を通るカードの部
分は加熱されず、消去が行われず、カードの一部は列状
に消去されないで記録が残存することになる。その結
果、書き換える必要のない決まり事項は一々消去して再
度書込みをするということをしないで、そのまま残して
おくことができる。本発明の場合、発熱層が複数個ある
ため、それぞれの発熱層の非発熱部を異なる位置に形成
しておくことにより、消去の際に使用する発熱層の組合
せを選ぶことにより、カードの所望の範囲を消去しない
で書き換えることができる。
【0018】(6)並設された複数の帯状の発熱層を有
する可逆性感熱記録材料用消去ヘッドの制御方法であっ
て、前記複数の帯状の発熱層のうち少なくとも2つを異
なった作動条件で発熱させることを特徴とする可逆性感
熱記録材料用消去ヘッドの制御方法。
【0019】上記(6)の制御方法によれば、複数の帯
状の発熱層を並列に設けているので、可逆性感熱記録材
料の搬送速度を変化させる必要なく加熱時間を短くした
り長くしたりできるとともに、これらの発熱層うち異な
る作動条件(例えば電圧印加パルスのデューティ変化な
ど)で制御して発熱させる発熱層を含むので、加熱時間
及び加熱温度の多様な制御が可能となる。したがって、
各種可逆性感熱記録層の特性に応じた最適な消去条件
に、より近づけて可逆性感熱記録材料の消去を行うこと
ができる。
【0020】(7)並設された複数の帯状の発熱層を有
する可逆性感熱記録材料用消去ヘッドの制御方法であっ
て、前記複数の帯状の発熱層が1000〜3500pp
m/℃の抵抗温度係数を有する発熱層を含み、前記抵抗
温度係数を有する発熱層の抵抗値を測定し、測定された
抵抗値に基づき当該発熱層の発熱温度を推測し、推測さ
れた発熱温度を所望の発熱温度と対比し、該対比の結果
に基づき前記発熱層の発熱温度を調整することを特徴と
する可逆性感熱記録材料用消去ヘッドの制御方法。
【0021】上記(7)の消去ヘッドの制御方法によれ
ば、複数の帯状の発熱層を並列に設けているので、可逆
性感熱記録材料の搬送速度を変化させる必要なく加熱時
間を短くしたり長くしたりできるとともに、1000〜
3500ppm/℃という正に高い抵抗温度係数の発熱
層を含むので、該発熱層は発熱温度に対する抵抗値変化
が大きく、抵抗値変化の測定を容易に行え、該抵抗値変
化に基づき発熱層の発熱温度の変化を的確に推測でき、
発熱層の発熱温度の制御を精度よく行うことができる。
また、抵抗温度係数が正に高い発熱層を用いるので、該
発熱層を発熱させた場合ある温度まで達するとその温度
で飽和状態になり易く所望の加熱温度に制御しやすいの
である。したがって、各種可逆性感熱記録層の特性に応
じた最適な消去条件に、より近づけて可逆性感熱記録材
料の消去を行うことができる。
【0022】(8)並設された第1及び第2の帯状発熱
層を有する可逆性感熱記録材料用消去ヘッドを用いて可
逆性感熱記録材料の記録を消去する方法であって、前記
可逆性加熱記録材料の記録部全体を第1の帯状発熱層に
よる加熱により発色させた後、第2の帯状発熱層による
加熱により前記記録部全体を消色することを特徴とする
可逆性感熱記録材料の消去方法。
【0023】上記(8)の消去方法によれば、先ず可逆
性感熱記録材料の記録部全体を発色し、次いで前記記録
部全体を消去するので、記録済みの可逆性感熱記録材料
はその記録部にある非発色部が発色させられた上で消色
されることになるから、消去した場合に、消去前の記録
内容の残影の発生を防止でき、ムラのない消去が可能と
なる。また、一般的に可逆性感熱記録材料は、同じ用途
に繰り返し用いられるため、記録部における記録位置が
ほぼ同じ箇所となり、同一の領域ばかり発色と消色が繰
り返されがちとなるが、本発明の消去方法によれば、記
録済みの記録部を一度全部発色させた上で消色させるの
で、記録部の劣化をより均一に行うことができ、可逆性
感熱記録材料の再記録を繰り返し行っても記録画像を高
品質に維持できるのである。
【0024】(9)並設された第1及び第2の帯状発熱
層を有する可逆性感熱記録材料用消去ヘッドを用い、回
転手段により可逆性感熱記録材料を前記消去ヘッドに押
し付けながら搬送移動することにより、前記可逆性感熱
記録材料の記録を消去する方法であって、前記回転手段
の回転軸を、前記消去ヘッドの第1及び第2の帯状発熱
層の長手方向中心線と平行で、かつ、該第1及び第2の
帯状発熱層の間隙部における該帯状発熱層表面と垂直な
面内に位置するように設定し、前記記録の消去を行うこ
とを特徴とする可逆性感熱記録材料の消去方法。ここに
間隙部とは、一般的には並設される帯状発熱層の間であ
るが、発熱層の相互に隣接する側の端部近傍も含む意味
である。
【0025】上記(9)の消去方法によれば、たとえば
ゴムローラ等の回転手段により可逆性感熱記録材料を消
去ヘッドに押し付けても、可逆性感熱記録材料の回転手
段により最も押し付けられる部分は、並列する帯状発熱
層の間隙部になり、加熱部と若干ずれた部分になる。そ
のため、消去の際に感熱記録材料が反るということがな
くなり、書込み(プリント)、消去を多数回繰り返して
も、板状体である記録材料が変形して使用し難くなると
いうことがない。すなわち、従来の発熱層が1本の場合
には発熱と力との関係で、発熱層の両側では下側に反る
傾向があり、書込み、消去を何回も繰り返すと感熱記録
材料(板状体)が反ってしまい、保管し難くなると共
に、記録の精度が低下するという問題があるが、そうい
う問題を解決することができる。
【0026】(10)並設された複数の帯状の発熱層を
有する可逆性感熱記録材料用消去ヘッド、及び該消去ヘ
ッドに対向して配置され可逆性感熱記録材料を前記消去
ヘッドとの間において押圧しつつ搬送移動させる回転手
段を有する可逆性感熱記録材料の消去装置であって、前
記回転手段の回転軸に対し前記消去ヘッドの発熱層の形
成面の位置を調整するための位置調整手段を備えること
を特徴とする可逆性感熱記録材料の消去装置。
【0027】上記(10)の消去装置によれば、可逆性
感熱記録材料を、消去ヘッド上を搬送移動させ加熱し消
去する場合において、回転手段の回転軸と消去ヘッドと
の位置関係を調整できるようにしているので、消去ヘッ
ドに対する押圧点を複数の発熱層の位置に応じて様々に
設定でき、例えば可逆性感熱記録材料の記録層に消去条
件の異なる材料を混合してなる可逆性感熱記録材料であ
っても、より適切な条件で消去する制御が可能となる。
【0028】また、消去ヘッドの複数の発熱層のうち何
れかが故障した場合であっても、回転手段と消去ヘッド
との位置関係の調整により正常に作動している発熱層上
へ回転手段の配置を移動調整したり、回転手段の回転軸
に対して消去ヘッドを回転させて押圧点を設定すること
により、良好な消去が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき実施の形態の
一例を説明することにより、本発明の特徴とするところ
をより詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明の第1の実施形態に係る消
去ヘッドAを示す概略表面図であり、図2はその裏面図
である。これらの図において、消去ヘッドAは耐熱性の
板状基板1の表面上の幅方向端部に、長手方向に延びる
2本の帯状の発熱層2a、2bが略平行に形成されてい
る。
【0031】耐熱性基板1は、例えば長さ約50mm、
幅約7.5mm、厚さ約0.6mmの略矩形状板からな
り、その材質としては例えばアルミナ等のセラミックス
を用いることができ、この他使用時の発熱温度条件にお
いて耐熱性を有し、少なくとも発熱層を設ける面が絶縁
性を有するものであればよく、ガラスエポキシ等の樹脂
系材料、表面に絶縁膜が設けられたステンレス等からな
る金属板、ガラス系材料等を広く使用することができ
る。なお、本実施形態では、耐熱性基板1として、アル
ミナ基板を用い、その上面には図示しないがガラス層を
コートしている。
【0032】2本の発熱層2a、2bは、例えばAg+
Pdのペーストを塗布して形成したり、これにさらにR
uO2を加えたものを使用することができる。Ag-Pd
合金からなる場合、シート抵抗を100mΩ/Sq〜2
00mΩ/Sqが得られ、両者の比率により温度係数を
変えることができる。また、導体(電極)として使用す
る場合、Agが多い程抵抗を低くすることができる。大
きさは、例えば幅約1mm、厚さ約10μmの直線状
で、例えば0.3mm離間して略平行に絶縁基板1の長
手方向の長さいっぱいに印刷形成され、その抵抗値を約
20Ω、抵抗温度係数を約1500ppm/℃(温度が
100℃変化すると抵抗値が15%変化する)としてい
る。本発明において、発熱層の発熱層の幅及び間隔は、
これに限定されず、可逆性感熱記録材料の記録部材料の
特性と消去時の可逆性感熱記録材料の搬送速度との関係
により適宜適切な条件とすればよい。また、発熱層の抵
抗温度係数は正に高いほうが好ましく、特に1000〜
3500ppm/℃の材料を用いて形成するのが好まし
い。抵抗温度係数が正に高いほうが発熱させた場合、よ
り早く温度が飽和状態となり、高温時の温度安定性に優
れているからであり、熱暴走等による加熱を防止できる
からである。また、抵抗温度係数が正に高いということ
は、温度変化に対する抵抗値変化が大きいことであるか
ら、発熱させた状態における抵抗値測定により基準抵抗
値からのずれにより実際の発熱温度の推測が容易に精度
よく行え、印加電圧を調整することにより所望の発熱温
度からのずれを修正し易くなるのである。
【0033】また、耐熱性基板1の表面左端部には、2
本の発熱層2a、2bの一端を電気的に接続する、例え
ば銀・パラジウム合金等の良導電体からなる電極3aが
印刷形成され、さらに耐熱性基板1の表面右端部には、
2本の発熱層2a、2bのそれぞれの一端と電気的に接
続する一対の電極3b、3cが印刷形成されている。
【0034】なお、2本の発熱層上には、磨耗及び異物
付着によるショートの防止として、例えばガラス等から
なる保護層を設けてもよい。本実施形態では、図示しな
いがガラス層を設けている。
【0035】そして、図2に示すように、3つの電極3
a、3b、3cは、それぞれ耐熱性基板1の幅方向側端
面を介して裏面へと延設されている。しかし、裏面に延
設しなくても、各電極を表面側に形成することもでき
る。
【0036】さらに、耐熱性基板1の裏面中央部には一
対の電極3d、3eが印刷形成され、温度検出素子であ
るチップ状のサーミスタ4が搭載されている。このサー
ミスタ4は、例えば25℃における抵抗値約10Ω、B
定数約3439Kのものを用いることができる。
【0037】図3は上述の消去ヘッドAをユニット化し
た消去ユニットBの一例を示す平面図であり、図4はそ
の側面図である。消去ユニットBは、例えばアルミニウ
ム等からなる基台5上に消去ヘッドA及びその電極引き
出し用の例えばフレキシブル回路基板等からなる略矩形
状の配線基板6が設けられている。また、基台5は例え
ば約長さ50mm、約幅25mm、最大厚み約5mmか
らなる平面視略矩形状のものであり、消去ヘッドAと同
じ長さとしている。
【0038】図4に示すように、配線基板6は、基台5
の上面にその長手方向に延びるように形成された3つの
段部5a、5b、5cのうち最も低い位置の段部5a上
において、その一方側端縁を段部5aとこれに連続する
中位の段部5bとの段差壁に押し当てられるように位置
決めされ、対向する他方側端部を基台5から突出して載
置されている。段部5bと段部5aとの段差は、配線基
板6の厚みと略同等に形成されている。
【0039】また、消去ヘッドAは、段部5b上におい
て、その長さ方向の一方側端縁を段部5bとこれに連続
する最も高い位置の段部5cとの段差壁に押し当てられ
るように位置決めされ、対向する他方側端部を段部5b
から突出して配線基板6の一方側端部上に重なるように
接着剤7により貼着して固定されている。段部5cと段
部5bとの段差は、消去ヘッドAの厚みよりも小さく僅
かであり、段部5cの幅も細く形成されており、消去ヘ
ッドAはその発熱層2a、2bが形成される側の端縁が
基台5の端縁にほぼ沿うように設けられている。配線基
板6は、一方側端部を消去ヘッドAにより押圧され、他
方側端部を2つのネジ8a、8bによって基台に止めら
れている。
【0040】そして、消去ヘッドAの裏面に設けられた
電極3a〜3eは、消去ヘッドAと配線基板6との重な
る部分において配線基板6の端子と接続され、配線基板
6の突出する他方側端部の端子6a〜6eにそれぞれ引
き出される。
【0041】次に、本発明に係る消去装置について説明
する。図5は、その概略側面図である。消去ユニットB
は、端子6a〜6eが設けられ突出する配線基板6の他
方側端部を消去装置に設けられたコネクタに差し込まれ
て制御回路と接続される(図示してない)。そして、消
去ユニットBに搭載された消去ヘッドAの発熱層2a、
2bと対向するように回転手段である円形のゴムローラ
Cが配置されている。回転手段としては、ロール状のも
のであれば特に限定されることなく用いることができ、
例えばシリコンゴム等の耐熱性に優れ、摩擦係数の高い
弾性材料を金属等の芯材の表面に被覆したものを好まし
く用いることができる。
【0042】また、図示しないがゴムローラCと消去ヘ
ッドAとの位置関係を調整する位置調整手段を備えてい
る。この位置調整手段としては、特に限定されず、ゴム
ローラCの回転軸から消去ヘッドAの発熱部(発熱層2
a、2b)への垂線に対して略直角方向へ相対的に水平
移動を行える機構であれば広く用いることができ、例え
ば消去ユニットBの基台5にボールネジを螺着し、該ボ
ールネジを、減速機を介してステッピングモータに接続
しておけば、ステッピングモータの回転に伴うボールネ
ジの回転により、消去ユニットBを所定寸法水平移動可
能とできる。しかし、この消去ユニットBをゴムローラ
Cの回転軸の廻りに回転させることによっても、発熱部
とゴムローラCとの位置関係を変えることもできる。
【0043】また、本発明の消去ヘッドは、複数の帯状
の発熱層を有するため、通常1本の発熱層を使用して消
去を行うようにし、この発熱層の故障時の予備としてそ
の他の発熱層を使用することもでき、図6(c)に示す
ように、1本の発熱層2aの直上にゴムローラCの回転
軸を位置させて消去を行い、この発熱層2aが故障した
場合にもう1本の発熱層2bの直上にゴムローラCの回
転軸が位置するように位置調整して(図6(b))使用
するように、前記位置調整手段により使用する発熱層の
直上に回転手段の回転軸が位置することができる。しか
し、図6(a)に示すように、2つの発熱層2a、2b
の中心部の直上にゴムローラCの回転軸Oが位置するよ
うに設けることにより、書込み(プリント)及び消去を
多数回繰り返しても、板状の可逆性感熱記録材料Dの反
りなどによる変形を防止することができ、耐久性を向上
させることができると共に、記録の信頼性を向上させる
ことができるため、特に好ましい。
【0044】すなわち、感熱記録材料Dは塩化ビニール
などのプラスティックからなる板状のカードであり、消
去の際には、消去ヘッドにより120〜150℃程度ま
で温度が上昇するため、加熱・冷却が繰り返される。従
来の発熱層2が1本の消去ヘッドにより消去をする場合
は、ゴムローラCにより押し付けられる部分と、発熱層
2により温度を上昇させる部分とが同じところであるた
め、温度と圧力との関係で、図6(d)に示されるよう
に、感熱記録材料Dの両側が下向きに反り、消去の回数
が多くなる程この反りが大きくなったり、カール状にな
る。そのため、保管するにも保管し難くなり、また、つ
ぎの記録を正確にすることができず、記録消去の回数に
限度があり、寿命が短いという問題があった。一方、こ
の種の感熱記録材料を用いたカードは、通常500回以
上の書込み(プリント)、消去に耐えることが期待され
ている。
【0045】しかし、本発明による複数の発熱層を有す
る消去ヘッドを用い、その2つの発熱層の間隙部にゴム
ローラC等の回転体の回転軸Oを位置させることによ
り、図6(e)に示されるように、発熱層2a、2bの
中間部で感熱記録材料Dを押し下げるため、その間隙部
では発熱層2a、2b表面よりも下がり、両サイドが上
方に向く力がかかる。その結果、発熱層2a、2bによ
る加熱の力とゴムローラCによる押圧力とがマッチング
し、殆ど反りを生じさせることが無くなり、書込み及び
消去を多数回繰り返しても、カードの反りが大きくなっ
たり、カール状になるという現象は起きず、500回以
上の書込み、消去を繰り返しても、カード保管の障害に
なったり、記録の信頼性が低下するという問題は発生し
ない。
【0046】このように消去ヘッドと回転手段との位置
調整を行い、さらに各発熱層の発熱温度を調整すること
により、予熱、徐冷の効果を付与させたり、加熱時間を
長くするなど調整して可逆性感熱記録材料の消去を行う
こともできるのである。
【0047】また、可逆性感熱記録材料Dの記録層の厚
さ、感度、発熱層の故障などを検知して自動的に消去ユ
ニットBとゴムローラCとの位置関係を調整するように
してもよい。
【0048】さらに、必要に応じて消去ユニットB又は
ゴムローラCに、例えばバネ等の付勢手段を取り付ける
ことにより、これらを相対的に押圧させるようにしても
よい。このようにするときは、許容し得る可逆性感熱記
録材料の厚みの範囲を広くし得る。
【0049】このような構成からなる消去装置のカード
挿入口から挿入されたカード状の可逆性感熱記録材料D
は、ゴムローラCと消去ユニットBとの間において、矢
印9の方向へのゴムローラCの回転による摩擦により巻
き込まれるようにして矢印8の方向へ搬送移動され、消
去ヘッドAの発熱層2a、2b上で加熱された後、消去
装置から搬出されて、消去が行われる。
【0050】次に、本発明の消去方法について説明す
る。上述した消去ヘッドAを、例えば印加電圧DC24
V、印加率10〜30%のパルスで作動させて可逆性感
熱記録材料Dの記録を消去する場合について説明する。
図7は、消去ヘッドAの発熱部の温度分布を示す図であ
る。2つの発熱層2a、2bを同条件で形成し、同条件
で作動させているために、それぞれの幅t1とt2及び発
熱温度T1とT2とが等しくなっている。図8は、そのと
きの可逆性感熱記録材料Dの記録層の温度変化を示す図
である。記録層は、発熱層2aにより消去温度領域に加
熱された後、少し温度が下がり、再び発熱層2bにより
加熱され、結果として比較的長い時間消去温度領域に保
たれることになるのである。
【0051】図9は、発熱層を異なる抵抗温度係数の抵
抗材料で形成したときの発熱特性(温度(℃)−時間
(t)の関係)を示す図である。本発明の上記消去ヘッ
ドにおける発熱層2a、2bのように、抵抗温度係数が
正に高い(1000〜3500ppm/℃)抵抗材料を
用いた場合には、図9(a)に示すように、発熱温度が
比較的早くある温度で一定とし易く、消去をより完全に
行うことができ好ましい。一方、抵抗温度係数が低い材
料を用いた場合には、図9(b)に示すように、発熱温
度が飽和状態に達し難く、過熱の原因となり制御が困難
となり、また抵抗温度係数が負に高い場合は、図9
(c)に示すように熱暴走となる恐れがある。
【0052】本発明の消去ヘッドにおいて、上述の消去
ヘッドAにおける発熱層2aと2bとを異なる幅で形成
してもよい。図10は、本発明の第2の実施形態に係る
消去ヘッドA’を示す概略表面図である。消去ヘッド
A’は、2本の帯状の発熱層2a’、2b’を異なる幅
で設けており、それ以外は消去ヘッドAと同一の構成と
されている。ここで、絶縁基板1の中央寄り(図10の
下側)に位置する発熱層2a’は、例えば幅約1.5m
mで形成されており、絶縁基板1の端部側(図10の上
側)に位置するもう一方の発熱層2b’は発熱層2a’
よりも狭い幅、例えば約1mmとされており、これら発
熱層2a’、2b’は互いに例えば約0.3mm離間し
て形成されている。
【0053】前記消去ヘッドA’を前述の消去ヘッドA
の場合と同条件で作動させて可逆性感熱記録材料の記録
を消去する場合には、図11に示すように、消去ヘッド
A’の発熱部の温度分布は、発熱層2a’の幅t1が発
熱層2b’の幅t2よりも広く、発熱層2a’の発熱温
度T1が発熱層2b’の発熱温度T2よりも高くなってい
る。図12は、そのときの可逆性感熱記録材料の記録層
の温度変化を示す図である。記録層は、発熱層2a’に
より消去温度領域の比較的高い温度に比較的長い時間加
熱された後、少し温度が下がり、再び発熱層2b’によ
り消去温度領域の比較的低い温度に比較的短い時間加熱
され、結果として2段階の温度で異なる時間消去温度領
域に保たれることになるのである。前記消去ヘッドA’
では、発熱層2a’の幅を発熱層2b’の幅よりも広く
形成した例を示したが、逆に発熱層2b’の幅を発熱層
2a’の幅よりも広く形成しても構わない。
【0054】また、本発明において、前記消去ヘッドA
(A’)の発熱層2a、2b(2a’、2b’)におい
て、例えばシート抵抗、抵抗温度係数等の電気特性が異
なる発熱層を用いてもよい。
【0055】さらに、本発明の消去方法において、前記
消去ヘッドAの2本の発熱層2a、2bを異なる発熱温
度に発熱させて可逆性感熱記録材料の記録部の消去を行
ってもよい。例えば、先ず記録部を、発熱層2aによっ
て例えば記録(発色)温度領域まで加熱し、その後発熱
層2bによって消去(消色)温度領域の温度に保つよう
にすれば、一旦記録層全体を発色させた後に全体を消色
することになるので、記録層全体を均一に消去できるの
である。また、このときの消去ヘッドAの発熱部の温度
分布を図13に示すとともに、可逆性感熱記録材料の記
録層の温度変化を図14に示す。図13に示すように、
消去ヘッドAの発熱部は、発熱層2aが記録温度領域の
温度Tpに発熱し、発熱層2bが消去温度領域の温度T
eに発熱することになる。そして、図14に示すよう
に、記録層は先ず記録温度領域に加熱され記録層全体が
発色した後、消去温度領域に保たれて全体が消色されて
消去が行われるのである。このとき、発熱層2bの幅を
発熱層2aよりも広くして形成すれば、全体が発色され
た記録層をその後比較的長い時間消去温度領域に保つこ
とができるのでより確実な消去を行うことができ好まし
い。
【0056】上述の本発明における実施形態の消去ヘッ
ドでは、発熱層を2本用いた例について詳述したが、本
発明においてはこれらに限定されることなく、複数の帯
状の発熱層を並設したものを広く包含する。発熱層の数
を増やすことにより可逆性感熱記録材料を多様な態様で
予熱、本加熱、徐冷を行うことができ、材料、厚さ、感
度などの異なる各種各様の記録層を有する可逆性感熱記
録材料に適した消去条件を適用することができるのであ
る。
【0057】以下、本発明における消去ヘッドの制御方
法について説明する。上述したように本発明の消去ヘッ
ドは複数の帯状の発熱層を有することを特徴とする。ま
た、これら発熱層は、その材料を同一又は異ならせて形
成したり、その幅を同一又は異ならせて形成したりする
ことができるものである。したがって、印加電圧および
デューティを同一にするなど同一条件にて作動させた場
合においても、異なる温度で発熱させることができるの
である。また、これら複数の発熱層を異なる作動条件で
発熱させるように制御すれば、より多様な態様の加熱条
件を実現できるのである。すなわち、可逆性感熱記録材
料を予備加熱後本加熱したり、本加熱後徐冷したりする
など、他段階の加熱温度で予熱、本加熱、徐冷などをさ
まざまなパターンで取り得ることができるのである。
【0058】また、本発明の消去ヘッドにおいて発熱層
を抵抗温度係数が正に高い材料で形成した場合には、温
度変化に対する抵抗値の変化率が高いので、発熱層の抵
抗値変化を測定することにより発熱層の温度を比較的容
易に推測することができ、この推測に基づき所望の発熱
温度を維持又は所望の発熱温度へ補正する制御を行え
ば、より精度の高い条件で消去を行うことができるので
ある。
【0059】前記発熱層の抵抗値変化の測定は、次のよ
うにして行う。たとえば図16に等価回路図が示される
ように、発熱層2に外付で温度係数が小さい抵抗Rsを
電源電圧V1(たとえばDC24V)との間に直列に接
続しておく。この抵抗Rsは、たとえば温度係数が殆ど
0に近く、抵抗値が発熱体の抵抗値の20%程度のもの
を使用することが好ましい。まず、スイッチをONにし
た直後(発熱体2の温度が室温の状態)の発熱層にかか
る電圧を測定し(V1−抵抗Rsの両端電圧V2)、そ
の電圧を電流(V2/Rs)で割ることにより発熱体2
の抵抗値を求める。電圧の印加により発熱体2の温度が
上昇すると、発熱体2の抵抗値が増大し、電流が小さく
なるため、V2が小さくなり、やがて発熱体2の温度が
一定になる。そのときのV2を測定することにより前述
と同様に発熱体2の両端の電圧が求まり、また、そのと
きの電流も前述と同様にV2/Rsにより求まるため、
発熱体2の抵抗値を知ることができる。この結果、発熱
体2の温度が安定したときの抵抗値および室温時の抵抗
値が分るため、その差を発熱体2の温度係数で割ること
により、発熱体2の温度を知ることができる。
【0060】また、連続的に使用する場合、発熱体を取
り付けた基板自体の温度が上昇するため、同じ電力(同
じデューティサイクル)を印加しても、発熱体の温度が
変る。このような場合、基板温度を測定することにより
その制御をすることができる。この基板温度を測定する
場合でも、発熱体が複数あるため、たとえば消去のため
に使用しない発熱体に3V程度の低い電圧(V1)を印
加し、前述の図16に示される回路で発熱体2の抵抗値
を測定すれば、動作し始めた状態での抵抗値(室温での
抵抗値)との差から、発熱体2の温度を測定することが
できる。この場合、発熱体に印加される電圧(V1)は
3V程度と非常に低いため、その印加電圧によっては、
発熱体は殆ど発熱しないため、その温度が基板温度とし
て測定される。
【0061】上記各例では、複数個ある発熱層のそれぞ
れは、その長さ全体に亘って同じ材料(同じ比抵抗)に
形成されていたが、部分的に異なる材料で形成すること
によりその比抵抗を変えることもできる。たとえば前述
のAg+Pdペーストを帯状発熱層の帯部分全体に塗布
しないで、このような所望の比抵抗を有する発熱層用の
ペーストと、Pdの含有率を変えて殆ど発熱しない非発
熱層用のペーストとの塗布を所望のパターンで行うこと
により、発熱層の所望のパターンを形成することがで
き、カードの消去を所望のパターンで行うことができ
る。たとえば、図17(a)に示されるように、たとえ
ば2本の発熱層のうち、一方にはカード幅の中心部に相
当する部分に発熱層2aを形成し、その両端部には電流
は流すが殆ど発熱しない非発熱層21aを形成し、他方
には、カード幅の両端部側に発熱層2bを形成し、中心
部に非発熱層21bを形成することができる。なお、図
17(a)において、図1と同じ部分には同じ符号を付
してその説明を省略する。
【0062】このような発熱層を有する消去ヘッドAを
用いて、たとえば発熱層2aのみを発熱させて(発熱層
2b側には電流を流さない)、図5に示されるように、
可逆性感熱記録材料であるカードDを一方からゴムロー
ラCにより押し付けながら移送すると、図17(b)に
示されるように、全面にプリント(記録)されたカード
Dの中心部分が消去される(斜線部分がプリントされた
部分を示し、白い部分が消去された部分を示す、以下同
じ)。
【0063】また、カードDを移送しながら、発熱層2
aの発熱と非発熱(電流を0又は小さくする)を時間的
に変化させることにより、図17(c)に示されるよう
に、中心部も部分的に消去することができる。また、発
熱層2aを発熱させないで、他方の発熱層2bのみを発
熱させながら、カードDを移送すると、図17(d)に
示されるように、両端部のみを縦方向に消去することが
できる。さらに、この発熱層2bを時間的に発熱と非発
熱に変化させることにより、図17(e)に示されるよ
うに、両端部側を部分的に消去することができる。
【0064】さらに、両方の発熱層2a、2bを発熱さ
せながら、カードDを移送すると、図17(f)に示さ
れるように、全面の消去をすることができ、これらの発
熱層を時間的に発熱と非発熱に切り替えてカードDを移
送させることにより、図17(g)に示されるように、
中心部および両端部をそれぞれ部分的に消去することが
でき、所望のパターンで消去を行うことができる。
【0065】このように、複数本の発熱層を有している
ため、それらの発熱層のパターンを変えることにより、
所望の消去パターンを形成することができる。このよう
にすることにより、ある文字列のみを消去したり、日付
部分など、特定の場所のみを消去することができる。
【0066】
【発明の効果】本発明の消去ヘッドによれば、多様な条
件において可逆性感熱記録材料の消去を行うことができ
るので、リライタブルカード等の可逆性感熱記録材料の
記録/消去を繰り返し行った場合に、消去の完全さの劣
化の程度を一層少なくすることができ、結果として記録
の品質を維持して可逆性感熱記録材料の寿命を延ばすこ
とができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る消去ヘッドを示
す概略表面図である。
【図2】図1の消去ヘッドの概略裏面図である。
【図3】本発明の消去ヘッドをユニット化した消去ユニ
ットの一例を示す平面図である。
【図4】図3の消去ユニットの側面図である。
【図5】本発明に係る消去装置の一例を示す概略側面図
である。
【図6】本発明の消去装置における回転手段と消去ヘッ
ドとの位置関係の説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る消去ヘッドの2
本の発熱層を同条件で作動させた場合の発熱部の温度分
布を示す図である。
【図8】消去ヘッドの発熱部を図7のように発熱させて
消去を行ったときの可逆性感熱記録材料の記録層の温度
変化を示す図である。
【図9】本発明の消去ヘッドにおいて発熱層の抵抗温度
係数による発熱特性の違いを示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る消去ヘッドを
示す概略表面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る消去ヘッドの
2本の発熱層を同条件で作動させた場合の発熱部の温度
分布を示す図である。
【図12】消去ヘッドの発熱部を図11のように発熱さ
せて消去を行ったときの可逆性感熱記録材料の記録層の
温度変化を示す図である。
【図13】本発明の消去方法における消去ヘッドの発熱
層の発熱温度の一例の説明図である。
【図14】図13のように消去ヘッドの発熱層を発熱さ
せて消去を行ったときの可逆性感熱記録材料の記録層の
温度変化を示す図である。
【図15】可逆性感熱記録材料の記録層の特性の説明図
である。
【図16】発熱体の温度を測定する原理を説明する図で
ある。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る消去ヘッドを
示す概略表面図およびそれを用いた消去パターンの例を
示す図である。
【符号の説明】
1 耐熱性基板 2a、2b、2a’、2b’ 発熱層 5 基台 6 配線基板

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可逆性感熱記録材料用の消去ヘッドであ
    って、耐熱性基板及び該耐熱性基板上に並設された複数
    の帯状の発熱層を有することを特徴とする可逆性感熱記
    録材料用消去ヘッド。
  2. 【請求項2】 複数の帯状の発熱層のうち少なくとも2
    つが互いに異なる幅からなることを特徴とする請求項1
    に記載の可逆性感熱記録材料用消去ヘッド。
  3. 【請求項3】 複数の帯状の発熱層のうち少なくとも2
    つが互いに異なる電気特性を有することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の可逆性感熱記録材料用消去ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 複数の帯状の発熱層が1000〜350
    0ppm/℃の抵抗温度係数を有する発熱層を含む請求
    項1〜3のいずれかに記載の可逆性感熱記録材料用消去
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記複数の帯状の発熱層の少なくとも1
    つは、該帯状部分の一部が非発熱部に形成されてなる請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録材料
    用消去ヘッド。
  6. 【請求項6】 並設された複数の帯状の発熱層を有する
    可逆性感熱記録材料用消去ヘッドの制御方法であって、
    前記複数の帯状の発熱層のうち少なくとも2つを異なっ
    た作動条件で発熱させることを特徴とする可逆性感熱記
    録材料用消去ヘッドの制御方法。
  7. 【請求項7】 並設された複数の帯状の発熱層を有する
    可逆性感熱記録材料用消去ヘッドの制御方法であって、
    前記複数の帯状の発熱層が1000〜3500ppm/
    ℃の抵抗温度係数を有する発熱層を含み、前記抵抗温度
    係数を有する発熱層の抵抗値を測定し、測定された抵抗
    値に基づき当該発熱層の発熱温度を推測し、推測された
    発熱温度を所望の発熱温度と対比し、該対比の結果に基
    づき前記発熱層の発熱温度を調整することを特徴とする
    可逆性感熱記録材料用消去ヘッドの制御方法。
  8. 【請求項8】 並設された第1及び第2の帯状発熱層を
    有する可逆性感熱記録材料用消去ヘッドを用いて可逆性
    感熱記録材料の記録を消去する方法であって、前記可逆
    性加熱記録材料の記録部全体を第1の帯状発熱層による
    加熱により発色させた後、第2の帯状発熱層による加熱
    により前記記録部全体を消色することを特徴とする可逆
    性感熱記録材料の消去方法。
  9. 【請求項9】 並設された第1及び第2の帯状発熱層を
    有する可逆性感熱記録材料用消去ヘッドを用い、回転手
    段により可逆性感熱記録材料を前記消去ヘッドに押し付
    けながら搬送移動することにより、前記可逆性感熱記録
    材料の記録を消去する方法であって、前記回転手段の回
    転軸を、前記消去ヘッドの第1及び第2の帯状発熱層の
    長手方向と平行で、かつ、該第1及び第2の帯状発熱層
    の間隙部における該帯状発熱層表面と垂直な面内に位置
    するように設定し、前記記録の消去を行うことを特徴と
    する可逆性感熱記録材料の消去方法。
  10. 【請求項10】 並設された複数の帯状の発熱層を有す
    る可逆性感熱記録材料用消去ヘッド、及び該消去ヘッド
    に対向して配置され可逆性感熱記録材料を前記消去ヘッ
    ドとの間において押圧しつつ搬送移動させる回転手段を
    有する可逆性感熱記録材料の消去装置であって、前記回
    転手段の回転軸に対して前記消去ヘッドの発熱層の形成
    面の位置を調整するための位置調整手段を備えることを
    特徴とする可逆性感熱記録材料の消去装置。
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