JP5106450B2 - 加熱ヘッドおよびそれを用いた加熱方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱リライタブル媒体などへの記録の消去や書込み、媒体への転写や再転写、トナーの定着、加熱による接着、融着、変形加工、オーバーコート、書類のラミネート加工、シートの接着、インプリント加工(プラスティックなどの凹凸熱加工)などを行うために、媒体を加熱するための帯状の発熱抵抗体を有する加熱ヘッドおよびその加熱ヘッドを用いた加熱方法に関する。さらに詳しくは、発熱抵抗体を直接圧接しないでその表面を保護しながら加熱できると共に、媒体の種類によりその加熱する幅が異なる場合でも、均一に加熱することができる加熱ヘッドおよびそれを用いた加熱方法に関する。
近年、たとえば紙、不織布、織布、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、金属、ガラスなどからなるフィルム状、シート状、カード状などの支持体上に加熱により発色と消色を可逆的に繰り返し行える可逆性感熱記録層からなる記録部を設けた可逆性感熱記録媒体(リライタブルカード・リライタブルシート)が広く使用されるようになってきている。
このような媒体などを加熱する加熱ヘッドとしては、たとえば図8に示されるような構造のものが知られている(たとえば特許文献1参照)。図8において、アルミナなどからなるヘッド基板51の一面に図示しないガラス層(グレーズ層)が設けられ、その上に帯状の発熱抵抗体52が形成され、その両端部に電極53が設けられることにより、形成されている。この電極53は、配線などによりヘッド基板51の裏面に導出され、ヘッド基板51の裏面側に設けられる配線基板(図示せず)などに接続されて電圧を印加し得るように形成されている。その結果、発熱抵抗体52の両端部に一対の電極53を介して電圧が印加され、電流が流れることにより発熱抵抗体52が発熱し、電流量により発熱抵抗体52の温度を制御することができる。このヘッド基板51は、たとえばアルミニウムなどからなるベース54に接着剤55により接着されて保持されている。図8に示される例では、発熱抵抗体52の下側のベースの一部に凹部56が形成され、ヘッド基板51からベース54への熱の逃げを抑制する構造になっている。この発熱抵抗体52上を図示しないローラなどで押し付けながらカードなどの記録媒体を通過させることにより、前述のような消去などを行うことができる。
このような加熱ヘッドでは、たとえば図9に示されるように、発熱抵抗体52の上面に記録媒体61などの加熱する物体を搬入してゴムローラ62などにより圧接することにより加熱して、記録の書込みや消去などを行っている。
特開2004−268256号公報
前述のように、発熱抵抗体に通電しながら加熱して、その上に記録媒体などを通過させてゴムローラなどにより記録媒体などを発熱抵抗体に押し付けることにより、記録媒体に施された記録の消去などを行うことができる。この場合、発熱抵抗体52の表面には、摩耗防止や異物付着によるショート防止などを目的として、ガラスなどからなる保護層が設けられているが、直接この発熱抵抗体52上でゴムローラ62により圧接しているため、ガラスなどが破損しやすく消耗が激しいと共に、発熱抵抗体52の抵抗値も変化しやすいという問題がある。また、発熱抵抗体52の両端部には、一対の電極53が設けられているが、この発熱抵抗体52の表面で媒体を通過させるため、電極53の表面に、配線基板などと接続する配線などを、直接接続することができず、ヘッド基板51の側面を介してヘッド基板51の裏面に至る配線膜を形成し、ヘッド基板51の裏面側で配線基板と接続しなければならない。そのため、製造工程が複雑になるという問題がある。さらに、発熱抵抗体52により直接加熱するといっても、連続的に媒体が搬入されると、発熱抵抗体52自身の熱容量は小さいため、その温度が低下し、逆に、媒体の搬入が長期間に亘って無いと温度が上昇しやすくなり、均一な加熱を行いにくいという問題もある。
また、従来の加熱ヘッドは、発熱抵抗体52の長さ全体に亘っての温度の均一性を得るための工夫は、たとえば前述の特許文献1にも示されるように、種々なされているが、加熱する媒体の幅が、媒体の種類により変ると、たとえば発熱抵抗体52の長さとほぼ等しい幅の媒体を加熱する場合には媒体の幅全体に亘ってほぼ均一に加熱することができるが、発熱抵抗体の発熱部分の長さより短い幅の媒体の場合には、媒体が通らない部分の発熱抵抗体52の部分は温度の低下が生じないため、媒体の端部側の温度が上昇しやすい。その結果、媒体の端部側が過熱されて変色するという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、発熱抵抗体を直接圧接しない構造の加熱ヘッドの具体的構造およびその加熱ヘッドを用いた加熱方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、媒体の種類により、幅の狭い媒体の場合でも、媒体の端部が過熱されて変色しない構造の加熱ヘッドを提供することにある。
本発明による加熱ヘッドは、平面形状が矩形状の板状のヘッド基板と、該ヘッド基板の一面の長手方向に沿って設けられる少なくとも1つの帯状の発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の両端部に電圧を印加できるように設けられる一対の電極と、該一対の電極と電気的に接続される配線基板と、前記ヘッド基板が取り付けられるベースとを有し、前記発熱抵抗体が設けられた部分が前記ベースと対向するように、または該ベースから外方に突出するように、前記ヘッド基板が断熱スペーサを介して前記ベースに固定されることにより、前記発熱抵抗体の部分が空間に露出するか、または熱伝導率の小さい耐熱材料に接し、かつ、前記ヘッド基板の前記発熱抵抗体が設けられる面と異なる他面側で媒体と圧接し得るように形成される構造になっている。
なお、本明細書において、媒体と圧接し得るとは、記録媒体などの加熱する媒体を接触させながら通過し得るように加熱ヘッドの外面側に表れ、空間に面していることを意味する。
具体的には、前記ヘッド基板の前記発熱抵抗体が設けられる面の外周部で、前記断熱スペーサを介して前記ベースの一面に直接、または前記配線基板を介して、前記ベースの一面に固定されることにより、前記発熱抵抗体の部分が空間を介して前記ベースと対向する構造でも良いし、前記発熱抵抗体が、前記ヘッド基板の長手方向と直角方向である幅方向の一端部側に設けられ、かつ、前記ヘッド基板が、第1の断熱スペーサを介して、または該空間に熱伝導率の小さい耐熱材料を充填して、前記ベースの一面に設けられると共に、前記ヘッド基板の幅方向の他端部側に、前記ヘッド基板の厚さと前記第1の断熱スペーサの厚さとの合計の厚さに略等しい厚さを有する第2の断熱スペーサが前記ベースの一面に設けられ、該第2の断熱スペーサおよび前記ヘッド基板の前記他端部側の上に設けられる押え板とビスとにより、前記ヘッド基板が前記ベースに固定される構造になっていてもよい
前記媒体と圧接する前記ヘッド基板の側面の表面に前記ヘッド基板の表面材料の硬度より硬い材料からなる硬質膜が形成されることにより、圧接に対しても非常に堅固で圧接面が摩耗することは無いため好ましい。なお、ヘッド基板として、アルミナ(ビッカース硬度Hv:約1000)を用いれば、従来の発熱抵抗体の表面に設けられる硬質ガラス(ビッカース硬度Hv:600)より遥かに大きい硬度を有するが、金属板に絶縁被膜を形成したものなどをヘッド基板として用いる場合には、そのヘッド基板の硬度より硬い材料、たとえばアルミナ被膜、SiC(ビッカース硬度Hv:2700)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン;作り方で硬度は種々異なる)などを用いることができる。また、圧接面は、平坦面でなくても、凸状や曲面や傾斜面など、加熱する媒体に応じて種々の形状にすることができる。
前記媒体と圧接する前記ヘッド基板の側面の最表面層が研磨面に仕上げられていることにより、摩擦係数が小さくなり、媒体をスムースに送りながら媒体の所望範囲を連続的に加熱することができるため好ましい。なお、研磨面に仕上げられるとは、ラッピングやポリッシュ仕上げされていることを意味する。この研磨面に仕上げる処理は、前述の硬質膜が設けられる場合もその表面に施されることが好ましい。
前記媒体と圧接する前記ヘッド基板の側面の表面に耐熱性の弾性体層が形成されていることにより、媒体をゴムローラなどの弾性材により圧接しない場合でも、媒体を加熱ヘッドに満遍なく接触させることができるため、均一に加熱することができる。
前記発熱抵抗体が設けられた前記ヘッド基板の前記一面と反対面に他の発熱抵抗体が設けられることが好ましい。また、前記発熱抵抗体が前記ヘッド基板の一面に並列して複数個設けられ、または前記ヘッド基板の一面と反対面に複数個の発熱抵抗体が設けられ、前記複数個の発熱抵抗体の発熱する部分の長さが異なるか、または、少なくとも1つの発熱抵抗体の温度分布が他の発熱抵抗体の温度分布と異なるように形成されることにより、複数の発熱抵抗体の一部を使用することにより、発熱する部分の長さを変えることができ、媒体の幅に応じてその発熱範囲を調整することができる。
前記発熱抵抗体の少なくとも1つの表面に部分的に耐熱材料が塗布されるか、または前記発熱抵抗体の少なくとも1つの一部が削られることにより、該発熱抵抗体の温度分布が調整される構造になり、発熱抵抗体を形成する際の塗布のムラなどによる温度分布の不均一があっても、後から修正して、全体の発熱温度を均一に調整することができる。すなわち、従来はこの発熱抵抗体の上に媒体を圧接して加熱しているため、発熱抵抗体の上面が平坦面になっていないと媒体を圧接することができず、表面に別の被膜を部分的に付着することはできなかったが、本発明によれば、圧接面が発熱抵抗体の設けられている面ではないため、発熱抵抗体の表面に凹凸ができても何ら支障が無く、表面に部分的に耐熱性材料を付着しても、また、発熱抵抗体の一部を部分的に除去しても問題がないため、温度の均一化を図りやすい。
本発明による媒体の加熱方法は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の加熱ヘッドを用い、前記ヘッド基板の1つの面に媒体を圧接することにより該媒体を加熱することを特徴とする。
本発明による、ヘッド基板の発熱抵抗体が設けられる面とは異なる面に媒体を圧接する構造の加熱ヘッドによれば、発熱抵抗体の表面が直接ローラにより押し付けられながら、その表面を媒体が通過することが無いため、発熱抵抗体の表面に設けられるガラスなどの保護膜の破損や、発熱抵抗体自身の破損が生じる危険性が全く無くなる。そのため、非常に安定した発熱特性を長期間に亘って維持することができるという効果がある。また、圧接部分が発熱抵抗体と関係の無い部分であるため、加熱ヘッドの圧接される部分の表面に、特別の耐摩耗材料(ヘッド基板よりも硬度が大きい材料)を設けることもでき、より一層加熱ヘッドの寿命を延ばすことができる。さらに、発熱抵抗体の熱により直接媒体を加熱する構造ではないため、加熱する部分の熱容量が大きくなり、媒体を連続的に加熱する場合でも、間歇的に加熱する場合でも、比較的安定した温度、すなわち温度ムラの少ない状態で加熱することができるし、圧接面を媒体の種類に応じて凸部、斜面、曲面などの任意の形状にすることもできる。その結果、表面にICが埋め込まれて凹凸のあるカードなどの平坦性のよくない媒体でも均一に加熱することができる。
さらに、発熱抵抗体の両端部に設けられる一対の電極の表面に直接配線をしても媒体の通過に邪魔になることは無く、加熱ヘッドの周囲に配線膜を形成して引き回す必要もないため、製造が非常に容易になる。
さらに、本発明による複数の発熱抵抗体の少なくとも1つの発熱する部分の長さを他の発熱抵抗体の発熱する部分の長さと異ならせるか、少なくとも2つの発熱抵抗体の温度分布を異ならせる加熱ヘッドによれば、媒体の種類により、媒体の幅が異なる場合でも、長さまたは長手方向に沿って発熱温度の異なる複数の帯状の発熱体のうち、その加熱する媒体の幅に適合する発熱抵抗体の加熱と合せて発熱させることにより、媒体の端部が過熱されて変色するというような問題を解消することができる。
さらに、本発明による加熱ヘッドを用いた媒体の加熱方法によれば、加熱ヘッドの発熱抵抗体の無いヘッド基板の1つの面に媒体を圧接して加熱しているため、加熱ヘッドの寿命を延ばすことができると共に、安定した加熱を長期間に亘って続けることができる。また、このような加熱方法によれば、媒体の表面側から加熱ヘッドを媒体に圧接しながら、媒体を搬送させることができるため、従来の図9に示されるように、発熱抵抗体の表面で媒体をローラにより加熱ヘッドに圧接するローラ法より、熱の逃げが少なく、低電力で、しかもオンデマンドの加熱をすることができる。さらに、加熱ヘッドの表面を媒体に直接当てつけるだけで加熱することができるため、カードなどの連続的加熱ではなく、プリント後の書類を部分的に加熱して消去したり、転写リボンなどにより転写して記録を隠蔽したりすることもでき、機密保持処理をしやすいという効果もある。
本発明の加熱ヘッドの一実施形態を示す平面説明図およびそのB−B断面説明図である。 図1の加熱ヘッドを用いて、媒体を加熱する概念説明図である。 本発明の加熱ヘッドの他の実施形態を示す平面説明図、そのB−B断面説明図およびその使用状態を示す説明図である。 図3の変形例を示す図3(c)と同様の説明図である。 本発明の加熱ヘッドの他の実施形態を示すヘッド基板の平面説明図である。 図5の変形例を示す図5と同様の説明図である。 発熱抵抗体を用いて、ヘッド基板の温度を測定する回路の説明図である。 従来の加熱ヘッドの構成例を示す説明図である。 従来の加熱ヘッドを用いて媒体を加熱する場合の説明図である。
つぎに、図面を参照しながら本発明の加熱ヘッドおよびそれを用いた加熱方法について説明をする。本発明による加熱ヘッドは、その一実施形態の平面説明図、およびそのB−B断面説明図が図1(a)〜(b)に示されるように形成されている。
すなわち、板状のヘッド基板1の一面に少なくとも1つの帯状の発熱抵抗体2が設けられ、その発熱抵抗体2の両端部に設けられる一対の電極端子3に電圧を印加できるように電気的に接続して配線基板5が設けられ、そのヘッド基板1がベース4に取り付けられている。そして、発熱抵抗体2が設けられた面がベース4と対向し、ヘッド基板1の他面1a側で媒体と圧接し得るように(加熱ヘッド10の外面に現れるように)、ヘッド基板1がベース4に固定されることにより、加熱ヘッド10が形成されている。その結果、図2に示されるように、ヘッド基板1の圧接し得る面(露出する他面)1aに媒体31を圧接して加熱し得る構造になっている。
ヘッド基板1は、加熱する媒体の大きさによって異なり、たとえば長さ約40〜230mm、幅約5〜12mm、厚さ約0.635〜1.0mm程度の略矩形状板からなり、その材質としては熱伝導性ができるだけ良いもの、すなわち熱伝導率が1(たとえばソーダガラス)〜200W/(m・K)程度のもので、使用時の発熱温度条件において耐熱性を有し、発熱抵抗体2を設ける面が絶縁性を有するもの、たとえばアルミナ(熱伝導率:21W/(m・K))などのセラミックス、窒化アルミニウム(熱伝導率:200W/(m・K))などを用いることができる。ステンレスなどの金属板の表面に絶縁膜を5〜20μm程度の厚さに、たとえば絶縁用の厚膜ペーストを印刷、焼成により形成したものでもよい。なお、本実施形態では、ヘッド基板1として、アルミナ基板を用いており、充分に硬度を有しているが、ヘッド基板1の最表面の硬度が充分でない場合には、さらに他面1aの圧接する面には、ヘッド基板1の最表面の材料の硬度よりも硬い材料、たとえばアルミナ、炭化シリコン(SiC)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などからなる硬質膜を1〜3μm厚程度形成することが好ましい。このような硬質膜が設けられることにより、後述するように、この圧接面に媒体をゴムローラなどにより圧接しながら移動させて加熱する場合でも、ヘッド基板1の損傷が少なくなるため、好ましい。
さらに、この圧接面の最表面は、たとえばラッピングやポリッシュ仕上げなどにより、摩擦係数が小さくなるように仕上げられていることが好ましい。摩擦係数が小さければ、媒体の移動がスムースであると共に、ヘッド基板1の損傷をより少なくすることができるからである。さらに、このヘッド基板1の他面(圧接面)は、平面である必要はなく、媒体の形状に合せて凸状や、曲面や、傾斜面にすることもできる。また、後述するように、ゴムローラのような弾性体により媒体を圧接しないで、加熱ヘッドを移動させながら、直接媒体に押し付ける場合には、この圧接面に耐熱性で、弾力性のある、たとえばシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性体層を設けることもできる。
ヘッド基板1の一面の両端部には、図1(a)に破線で示されるように、たとえば後述する発熱抵抗体2の材料のパラジウムの比率を小さくした銀・パラジウム合金やAg-Pt合金などの良導電体からなる一対の電極3が印刷形成されている。この1対の電極3は、配線基板5に直接接続されるように配線基板5に図示しない配線が設けられ、外部電源と接続される構造になっている。なお、図1に示される例では設けられていないが、基板温度測定用発熱体が設けられる場合には、その一対の電極も全く同様に同時に形成することができる。
発熱抵抗体2は、一対の電極3の一部にかかるように、長手方向に延びる帯状に設けられている。図1に示される例では、同じ長さ(同じ特性)の発熱抵抗体2が2本並列に形成されているが、その1本を基板温度測定用として用いることもできるし、後述するように、2本で発熱する部分の長さを異ならせて、加熱する長さ(媒体の幅)を異ならせることもできる。発熱抵抗体2は、たとえばAg+Pd+ガラスまたは銀とガラスなどのペーストを塗布して、焼成することにより形成されている。これにさらにRuO2などを加えたものを使用することもできる。焼成により形成されるAg-Pd合金からなる場合、シート抵抗として100mΩ/Sq〜500mΩ/Sqが得られ(配合、固形絶縁粉末の量、印刷する厚さ、焼成条件などによって異なる)、両者の比率により抵抗値や温度係数を変えることができる。たとえば、シート抵抗値が約200mΩ抵抗で、幅が5mm、長さが100mm、厚さが10μm程度、(全抵抗3.6Ω程度)、抵抗温度係数を約1500ppm/℃(温度が100℃変化すると抵抗値が15%変化する)に形成されている。この発熱抵抗体2は、ヘッド基板1の長手方向の両端部に設けられる一対の電極3に重なるように印刷形成されている。
この発熱抵抗体2のシート抵抗などは、加熱する媒体の大きさや、媒体の処理速度(記録を消去するスピード、すなわち加熱ヘッド上を通過する速さ)などに応じて設定される。たとえばヘッド基板1が、幅×長さ×厚さが前述の例の7mm×104mm×0.8mmの大きさで、アルミナからなる場合に、ヘッド基板1を1℃上げるのに必要な熱量は1.76Jで、150℃上昇させるためには、150×1.76=264J必要となる。たとえば発熱抵抗体2の両端間の抵抗が3.6Ωになるように形成されていると、24Vの電圧を印加することにより、160Wの熱量を発生するので、264J/160W=1.65秒で、必要な熱量を供給することができる。すなわち、起動時に基板温度が所定の温度170℃程度まで上昇するのに、1.65秒程度待つ必要があるが、その後は、高速で媒体を通過させても、ヘッド基板1の熱容量が従来の細い発熱用抵抗体2だけとは桁違いに大きいため、殆ど温度ムラなく連続的に媒体を加熱することができる。
発熱抵抗体2の幅は、たとえばヘッド基板1の端部から2mm程度の幅を除いたヘッド基板1のほぼ全面に1本または複数本並列して形成される。図1に示される例では、3mm程度の幅のものが2本並列して形成されている。なお、この発熱抵抗体2と並列に、ヘッド基板の温度測定用の抵抗体を設けることもできるし、発熱抵抗体2を用いて温度測定をすることもできる。この発熱抵抗体2は、図1に示されるように、ヘッド基板1の長手方向のほぼ全長に亘って形成されるが、一対の電極3の一方は複数本の発熱抵抗体2に共通に形成することができるし、また、中間部に電極を形成することもできる。とくに、温度測定用の発熱抵抗体の場合には、ヘッド基板1の全長に亘って設ける必要はなく、中心部などだけに設けることもできるし、ヘッド基板1の長手方向に長く形成して、その途中に複数の電極を形成し、ヘッド基板1の部分的な温度を測定することもできる。このような途中での電極は、電線、フレキシブルケーブルなどを接着、圧着、高温ハンダなどにより接続することもできる。
発熱用抵抗体2の発熱特性は、前述の例に限定されず、自由に設定することができるが、温度測定用抵抗体または温度測定をする発熱抵抗体2としては、抵抗温度係数の大きい抵抗材料を用いることが好ましく、とくに1000〜3500ppm/℃の材料を用いることが、後述する発熱抵抗体2を用いてその温度を検出して制御したり、熱暴走による過熱を防止したりするのに好ましい。しかし、本発明では、発熱抵抗体2により直接加熱する構造ではなく、ヘッド基板1の裏面1aまたは側面1b(図3参照)を用いて媒体の加熱を行うため、熱暴走の問題は生じにくく、温度係数が負の抵抗材料でも、使用することができる。温度係数の大きい材料であれば、ヘッド基板1の温度を正確に測定しやすく、温度制御をしやすい。
発熱抵抗体2または温度測定用抵抗体(加熱を目的としないため、温度により抵抗値が大きく変る細い抵抗体膜を形成すればよい)を用いて、ヘッド基板1の温度を測定するには、たとえば図7に示されるように、直流電源21の両端に発熱抵抗体22と基準抵抗23を直列に接続しておき、その基準抵抗23の両端電圧Vを測定すれば、温度検出手段24により、その電圧の変化量と、予め分っている発熱抵抗体22の温度係数(材料により定まる)とから温度を検出することができる。その検出温度に応じて、制御手段25により発熱抵抗体22の両端に印加する電圧を制御することにより、ヘッド基板1の温度を所定の温度に維持することができる。この制御手段25による発熱抵抗体22の温度制御は、直流電圧を印加してその印加電圧を変えることもできるし、デューティ駆動をして、そのデューティを変えることにより調整することもできる。なお、基準抵抗23は温度係数の小さいものが望ましい。また、温度測定用の抵抗体、または温度測定に用いる発熱抵抗体22は、好ましくはできるだけ温度係数の絶対値(%)が大きい方(正でも負でもよい)が好ましい。また、温度測定のみに用いる場合には、たとえば0.3〜0.5mm幅程度で、ヘッド基板1の適当な位置(媒体を圧接する部分の近傍で圧接に支障のない部分)に取り付けることが好ましく、基板温度測定用の抵抗体22自身は発熱しないよう印加電圧が低く抑えられて5V程度の印加が好ましい。これにより、ヘッド基板1の媒体を圧接する部分の温度を推測することができる。
一対の電極3は、ヘッド基板1の長手方向に対向する両端部に、発熱抵抗体2と接続するように、たとえば発熱抵抗体2の材料よりもパラジウムの比率を小さくした銀・パラジウム合金やAg-Pt合金などの良導体により、発熱抵抗体2と同様に印刷により形成されている。この一対の電極3は、後述する配線基板5の配線と接続されるが、本発明では、後述するように、この一対の電極3が設けられた側がベース4の側に向くように取り付けられるため、電極3からヘッド基板1の裏面側に接続用配線を設ける必要はない。この一対の電極3も、発熱抵抗体2が設けられた面を直接圧接面にする訳ではないので、表面の凹凸が問題になることはなく、中央部に纏めて外部との接続用端子を形成することもできるし、前述のように、直接接着、圧着、高温ハンダなどにより接続するような構成にすることもできる。
ベース4は、たとえばアルミニウム板(熱伝導率:221W/(m・K))、鉄板(熱伝導率:83W/(m・K))などの金属板、または窒化アルミニウムや酸化アルミニウムなどのセラミックスなどを用いることができ、ヘッド基板1を保持するために用いられている。このベース4は、前述のヘッド基板1に対応する大きさに形成され、厚さは、たとえば7mm程度に形成されている。
配線基板5は、前述のように、ヘッド基板1上の一対の電極3に電圧を印加し得るように、一対の電極3と接続して、電源に接続すると共に、前述のヘッド基板1の温度を検出するための部品などが設けられるもので、たとえばプリント基板などにより形成されるが、後述する例のように、可撓性フィルムにより形成することもできる。なお、この配線基板5には、別途ヘッド基板1に設けられたサーミスタ(図示せず)とも接続され、ヘッド基板1の過熱防止二重安全用として管理される場合もある。さらに、温度ヒューズなどを設けて、ヘッド基板1の温度が上昇しすぎた場合などに、一対の電極3への電圧印加を切断させることもできる。
このベース4の一面側に、前述のヘッド基板1が裏向けて(発熱抵抗体2が設けられる一面(表面)をベース4側にして)取り付けられている。図1に示される例では、配線基板5がその間に介在され、ヘッド基板1は断熱スペーサ6を介して熱が逃げないようにされている。その結果、発熱抵抗体2の表面は、直接にはどことも接触せず、空間に面しており、ヘッド基板1側に殆どの熱を伝達する。しかし、この発熱抵抗体2の表面は、中空に面するようにしなくても、たとえば耐熱性接着剤(シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂)などの熱伝導率の小さい材料で埋め込むこともできる。この場合、絶縁スペーサ6と一体的に形成することができ、たとえばダム(土手)を周囲に形成して、上記樹脂をディスペンサなどにより注入して硬化させることにより、ベース4にヘッド基板1を簡単に固定することができる。すなわち、このシリコーン系樹脂の熱伝導率は、約0.15W/(m・K)で、アルミナの熱伝導率は、20W/(m・K)であり、この耐熱性接着剤の熱抵抗は約130倍になるため、殆ど熱の逃げはない。その結果、ヘッド基板1の他面(図1で上面に露出する面1a)の温度も、発熱抵抗体2の通電による発熱により温度が上昇し、この面に媒体をゴムローラなどで圧接することにより、記録の書込みや消去などをするための加熱を充分に行うことができる。なお、その間を中空にする場合の断熱スペーサ6としても、たとえばシリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂などを柱状にして用いることができる。
この加熱ヘッド10を消去ヘッドとして用いて、たとえばリライタブルカードなどの記録媒体の記録を消去するには、図2にその一例の一部拡大概念図が示されるように、加熱ヘッド10の表面に露出したヘッド基板1の他面(圧接面)1aをゴムローラ32と対向させ、発熱抵抗体2に通電してヘッド基板1の露出面1aの温度を所定の温度に上昇させ、発熱抵抗体2とゴムローラ32との間に記録媒体31を送り込むことにより、記録媒体31がゴムローラ32と加熱ヘッド10とにより圧接されて、記録媒体31の温度が上昇し、その記録された表示を消去することができる。なお、ヘッド基板1の温度は、前述のように、発熱抵抗体2または温度測定用の抵抗体を設けてヘッド基板1の一面側の温度を測定して予め他面側の温度との関連付けをしておくことにより、媒体と接触させる部分の温度を測定することもできるし、圧接する部分の近傍にサーミスタなどの温度センサ、または前述のような温度測定用の抵抗体を取り付けて測定することもできる。
本発明の加熱ヘッドによれば、図2に示されるように、ヘッド基板1の他面1a、すなわち発熱抵抗体2が設けられる一面と反対の裏面で、ゴムローラ32により媒体31を圧接しているため、媒体31を平坦面上(または媒体31の形状に合せた他の形状面)で圧接しながら移動させることができる。そのため、媒体31の移動が滑らかになると共に、加熱ヘッド1との接触が確実になりゴムローラ(プラテンローラ)32による圧接も非常に均一に行うことができ、均一な加熱を行うことができる。なお、この媒体31を圧接するヘッド基板1の面に、ラッピングまたはポリシングによる研磨仕上げが施されていることにより、より一層媒体31の移動が滑らかになる。しかも、媒体31は、平坦面など媒体31の形状に合せた面を移動するため、加熱ヘッド1の消耗も抑制されると共に、この表面に発熱抵抗体2が設けられていないため、熱伝導さえよい材料であれば、この圧接面(露出面)1aに耐摩耗性のある材料、たとえば窒化アルミニウム、硬質アルミナなどからなる被膜を形成することもでき、より一層摩耗による損傷を抑制することができる。
さらに、発熱抵抗体2により直接媒体を加熱する訳ではなく、ヘッド基板1への熱伝導によるヘッド基板1の他面で媒体と圧接するので、従来ほど発熱抵抗体2の温度分布の均一性は必要とされないが、発熱抵抗体2の表面は、従来のように媒体が通過する訳ではないため、表面が平坦である必要は無く、発熱抵抗体2による温度分布が一定になるように、発熱抵抗体2の表面に熱伝導の良い温度分散用の被膜を塗布形成したり、発熱抵抗体の一部を削ったりして温度分布を調整することもできる。
さらに、本発明によれば、発熱抵抗体2の裏面側が最も温度が上昇しやすく、ヘッド基板1の全体が均一の温度になる訳ではないが、加熱ヘッド10のヘッド基板1の全体の温度が上昇しており、ゴムローラ32により圧接されない位置でも、ヘッド基板1の露出面1a上を通過する際に、ヘッド基板1と接触しており、予熱の効果を得ることができ、高速で媒体31を通過させても、確実に温度を上昇させて媒体への記録や消去を短時間で行うことができる。
以上のように、本発明の加熱ヘッド10によれば、ヘッド基板1の発熱抵抗体2が設けられる面をベース側に対向させてベース4に取り付けた構造にしているため、ローラにより媒体を圧接する面を発熱抵抗体が設けられた面と異なる面にすることができる。その結果、媒体31を圧接する面を硬質の材料にすることができ、また、発熱抵抗体の温度分布が一定でない部分に熱分散用の材料を塗布したり、発熱抵抗体の一部を削り取ったりすることにより、表面に凸凹が形成されても構わない。なお、ヘッド基板1の厚さは、前述のように、0.8mm程度であるため、発熱抵抗体2が設けられる面と反対面であっても、アルミナ程度の熱伝導率(20W/(m・K))であれば、発熱抵抗体2に通電を始めてから1.65秒程度で使用温度に上昇させることができる。しかも、発熱抵抗体2よりは熱容量が大きいため、媒体の通過速度が速くても、急激な温度低下は起こらず、安定した加熱を連続させることができる。
前述のように、ゴムローラ32などの弾力性のあるローラで媒体32を圧接すれば、媒体32などに凹凸があり、ヘッド基板1の圧接面が硬質材量により硬く形成されていても媒体をしっかりと接触させることができるが、加熱ヘッド10の圧接面に耐熱性のゴムシートなどの弾性被膜を形成しておいて、その弾性被膜に圧接するように媒体32を押し付け、または媒体32と図示しない間接転写フィルムなどを押し付けて(転写または再転写の場合)、加熱ヘッド10と媒体32などを相対移動させることもできる。この場合、加熱ヘッド10の圧接面を凸面形状または接触面の端部を曲面に形成いておくことにより、相対移動をよりスムースに行うことができる。この場合は、図1に示される他面1aと後述する図3に示される側面1bとの境界であるコーナ部を曲面形状にして用いることもできる。なお、弾性被膜としては、耐熱性のあるシリコーンゴムやフッ素系ゴムなどの層を用いることができる。このような構成にすれば、加熱ヘッド10を堅固に保持する必要がないため、熱の逃げも少なく、転写、再転写、全面加熱などを行う場合でも、小形化でき、低電力で行うことができる。
前述の例では、ヘッド基板の発熱抵抗体2が設けられた面をベース側にしてベース4に固定したが、必ずしも、発熱抵抗体2が設けられた面をベース4側にしてヘッド基板1をベースに固定しなくても、たとえば図3に示されるように、ヘッド基板1の発熱抵抗体2が設けられた部分をベース4と反対側にして取り付けられても、その発熱抵抗体2が設けられた部分に隣接する側面1bを露出させることにより、図3(c)に示されるように、その側面1b部分でゴムローラ32により媒体61を圧接させることができる。
すなわち、図3に示される実施の形態は、発熱抵抗体2が設けられた加熱ヘッド1が第2断熱スペーサ6aを介してベース4上に設けられ、押え板7aとビス7bとにより第2断熱スペーサ6bを挟んでベース4に取り付けられている。この加熱ヘッド10は、図3(c)に示されるように、ヘッド基板1の側面1b上を媒体31が通過しながらゴムローラ32により圧接するよう用いることにより、動揺に媒体を加熱することができる。なお、図1と同じ部分には同じ符合を付してその説明を省略する。なお、この図3に示される例では、配線基板5が可撓性フィルムにより形成されており、押え板7aの下に設けられている。しかし、前述の図1に示される構造にすることもできる。
このヘッド基板1の側面1bを圧接面とする構造では、発熱抵抗体2をヘッド基板1の一面のみに設けなくても、図4に示されるように、両面に設けることもできる。このような構造にすることにより、1本の発熱抵抗体2の発熱量を減らしてもヘッド基板1の温度を上昇させることができ、安定した加熱をすることができる。発熱抵抗体2がヘッド基板1の両面に設けられている以外は、図3に示される例と同じで、同じ部分には同じ符合を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の他の実施形態を示す加熱ヘッドの上面を示す(ヘッド基板1の表面に発熱抵抗体が設けられた状態)の説明図である。この例は、主たる発熱用の第1発熱抵抗体2aの両側に従となる発熱用で、長さが異なる第2および第3の発熱抵抗体2b、2cが設けられたもので、この3本の発熱抵抗体2a、2b、2cの一端部には、共通の第1電極3aが設けられ、それぞれの発熱抵抗体1a、2b、2cの他端部にそれぞれ第2電極3b、3c、3dが独立して設けられている。この構成にすることにより、たとえば第1発熱抵抗体2aのみに通電して温度上昇させれば(通電する電流によりヘッド基板の温度を所望の温度にすることができる)、第1発熱抵抗体2aの長さに応じた幅の媒体を加熱することができる。また、媒体の幅が小さい場合には、第2発熱抵抗体2bまたは第3発熱抵抗体2cを用いることにより、媒体の幅に合せた部分の温度を上昇させることができる。この場合、主たる発熱用の第1発熱抵抗体2aの加熱温度を若干下げて第2または第3の発熱抵抗体2b、2cの温度を所望の発熱温度になるように電流またはデューティサイクルを調整することにより、第2または第3の発熱抵抗体2b、2cの長さに応じた幅の媒体を加熱することができる。
このように、媒体の幅に応じて、発熱抵抗体2の長さを調整するのは、媒体の幅よりも発熱抵抗体2の長さが長すぎると、媒体が通過する部分の幅より外側では、媒体による温度低下が生じにくいため、ヘッド基板1の長手方向の両端部画の温度が高くなり、媒体を加熱するため、この加熱ヘッド上を通過させると、媒体の幅の端部側の温度が所定の温度より高くなり、変色するからである。この図5に示される構造にすることにより、加熱する媒体に応じて使用する発熱抵抗体2を選ぶことにより、ちょうど媒体の幅に対応した部分のヘッド基板1を所望の加熱温度に加熱することができ、媒体の端部での変色を防止することができる。
このヘッド基板1は、前述の図1や図3に示される例と同様にベース4に取り付けることができるが、従来の図8に示されるように、発熱抵抗体2の部分が露出するようにベース4に取り付け、発熱抵抗体2の表面で媒体を圧接する構造にすることもできる。動作に関しては、前述の各例と同じである。
図6に示される例は、図5に示される例と同じ考えであるが、第2および第3の発熱抵抗体2b、2cの長さを変えるのに、電極を延ばすのではなく、帯状の発熱抵抗体2の幅を異ならせたものである。すなわち、同じ材料でも、その幅がたとえば倍になれば抵抗値は半分になり、発熱に余り寄与しなくなる。要するに、幅の広い部分はたとえ発熱しても非常に僅かであり、細い部分と温度分布が異なり、電極を延ばしたのと同様に機能する。一方、幅を異ならせるには、前述のように発熱抵抗体2は、通常印刷法により形成されるため、印刷の際のマスクの幅を異ならせておくだけで、簡単に形成することができる。その結果、電極3は、従来と同様に形成しながら、第2および第3の発熱抵抗体2b、2cの長さを簡単に変更することができる。
本発明の加熱ヘッドは、感熱リライタブル媒体の加熱による記録、消去、転写フィルムの加熱転写、再転写、トナーの定着、加熱による接着、融着、変形加工、書類、画像などの表面を用材、ガス、光などから保護するため、または画像表面などを鏡面にして鮮明画像にするためのオーバーコート、書類のラミネート加工、加熱硬化形接着剤シートの部分接着などのシートの接着、プラスティックなどの表面に凹凸を熱加工により形成するインプリント加工などに利用することができる。
1 ヘッド基板
2 発熱抵抗体
3 電極
4 ベース
5 配線基板
6 断熱スペーサ
10 加熱ヘッド
61 媒体
62 ゴムローラ

Claims (10)

  1. 平面形状が矩形状の板状のヘッド基板と、該ヘッド基板の一面の長手方向に沿って設けられる少なくとも1つの帯状の発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の両端部に電圧を印加できるように設けられる一対の電極と、該一対の電極と電気的に接続される配線基板と、前記ヘッド基板が取り付けられるベースとを有し、前記発熱抵抗体が設けられた部分が前記ベースと対向するように、または該ベースから外方に突出するように、前記ヘッド基板が断熱スペーサを介して前記ベースに固定されることにより、前記発熱抵抗体の部分が空間に露出するか、または熱伝導率の小さい耐熱材料に接し、かつ、前記ヘッド基板の前記発熱抵抗体が設けられる面と異なる他面側で媒体と圧接し得るように形成されてなる加熱ヘッド。
  2. 前記ヘッド基板の前記発熱抵抗体が設けられる面の外周部で、前記断熱スペーサを介して前記ベースの一面に直接、または前記配線基板を介して、前記ベースの一面に固定されることにより、前記発熱抵抗体の部分が空間を介して、または該空間に熱伝導率の小さい耐熱材料を充填して、前記ベースと対向する構造である請求項1記載の加熱ヘッド。
  3. 前記発熱抵抗体が、前記ヘッド基板の長手方向と直角方向である幅方向の一端部側に設けられ、かつ、前記ヘッド基板が、第1の断熱スペーサを介して前記ベースの一面に設けられると共に、前記ヘッド基板の幅方向の他端部側に、前記ヘッド基板の厚さと前記第1の断熱スペーサの厚さとの合計の厚さに略等しい厚さを有する第2の断熱スペーサが前記ベースの一面に設けられ、該第2の断熱スペーサおよび前記ヘッド基板の前記他端部側の上に設けられる押え板とビスとにより、前記ヘッド基板が前記ベースに固定されてなる請求項1記載の加熱ヘッド。
  4. 前記発熱抵抗体が設けられた前記ヘッド基板の前記一面と反対面に他の発熱抵抗体が設けられてなる請求項3記載の加熱ヘッド。
  5. 前記発熱抵抗体が前記ヘッド基板の一面に並列して複数個設けられ、または前記ヘッド基板の一面と反対面に複数個の発熱抵抗体が設けられ、該複数個の発熱抵抗体の発熱する部分の長さが異なるか、または、少なくとも1つの発熱抵抗体の温度分布が他の発熱抵抗体の温度分布と異なるように形成されてなる請求項1ないしのいずれか1項に記載の加熱ヘッド。
  6. 前記発熱抵抗体の少なくとも1つの表面に部分的に耐熱材料が塗布されるか、または前記発熱抵抗体の少なくとも1つの一部が削られることにより該発熱抵抗体の温度分布が調整されてなる請求項1ないしのいずれか1項に記載の加熱ヘッド。
  7. 前記媒体と圧接する前記ヘッド基板の前記他面または前記側面の表面に前記ヘッド基板の表面材料の硬度より硬い材料からなる硬質膜が形成されてなる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の加熱ヘッド。
  8. 前記媒体と圧接する前記ヘッド基板の前記他面または前記側面の最表面層が研磨面に仕上げられてなる請求項1ないしのいずれか1項に記載の加熱ヘッド。
  9. 前記媒体と圧接する前記ヘッド基板の前記他面または前記側面の表面に耐熱性の弾性体層が形成されてなる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の加熱ヘッド。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の加熱ヘッドを用い、前記ヘッド基板の前記側面に媒体を圧接することにより該媒体を加熱することを特徴とする媒体の加熱方法。
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