JP2001090750A - 一方向クラッチ - Google Patents

一方向クラッチ

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JP2001090750A
JP2001090750A JP27050499A JP27050499A JP2001090750A JP 2001090750 A JP2001090750 A JP 2001090750A JP 27050499 A JP27050499 A JP 27050499A JP 27050499 A JP27050499 A JP 27050499A JP 2001090750 A JP2001090750 A JP 2001090750A
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roller
way clutch
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rollers
pocket
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JP27050499A
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Keisuke Mori
敬祐 森
Tadahiro Terada
忠弘 寺田
Hajime Tazumi
一 田積
Yoshitaka Nakagawa
義崇 中川
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】早期にころの姿勢をスキュー状態から正規の状
態に矯正して、ロック状態とフリー状態との切り換え動
作を安定にする。 【解決手段】内輪1と外輪2とを同期回転させるロック
状態と相対回転させるフリー状態とに切り換えられる一
方向クラッチであって、前記両輪対向空間に配設される
保持器3と、保持器のポケット3aに前記両輪の回転数
差に応じて周方向転動可能に収納されたころ4と、前記
ポケット内でころと周方向隣り合わせに収納されてころ
をロック側へ弾発付勢するコイルバネ5とを含み、ポケ
ット内のコイルバネ配置領域にころがフリー側に移動し
たときにころの軸方向両端部分をストッパ7の受け面7
a,7aで受け止めて、ころの姿勢をスキュー状態から
正規の状態に矯正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、径方向内外に同心
状に配設される内輪と外輪2つの部材を同期回転させる
ロック状態と相対回転させるフリー状態とに切り換えら
れる一方向クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンに装着される各種の補機
としては例えば自動車のエアコンディショナ用コンプレ
ッサ、ウォーターポンプ、オルターネータ、冷却ファン
などが挙げられる。このような補機は、エンジンのクラ
ンクシャフトによりベルトを介して駆動されるようにな
っている。ここで、補機のうち、特にオルタネータの場
合、エンジンのクランクシャフトと同期回転するように
連結していると、クランクシャフトの回転数の低下に伴
い、オルタネータの発電能力が低下する。
【0003】そこで、オルタネータに一方向クラッチを
内蔵し、クランクシャフトの回転数が低下するときに
は、オルタネータのロータの回転をその慣性力により継
続させることで発電効率を高めるように構成したプーリ
ユニットが本願出願人により提案されている。
【0004】この場合のプーリユニットは、オルタネー
タのプーリとロータとの間に介装された一方向クラッチ
を少なくとも含み、ロータとプーリとの回転数差に応じ
て、一方向クラッチをロック状態(動力伝達状態:プー
リからロータへ動力が伝達される状態)とフリー状態
(動力伝達遮断状態:プーリからロータへの動力伝達が
遮断される状態)とに切り替え、プーリとロータとの間
で動力の伝達と遮断とを行うように構成されている。
【0005】このようなオルタネータの動力の伝達と遮
断とに用いられるプーリユニット内の一方向クラッチに
は、ロータに固定された内輪と、プーリに固定された外
輪と、内輪と外輪との対向空間に介装された保持器とを
有し、その保持器の周方向数箇所のポケットそれぞれに
1つずつ周方向に転動可能に収納されたころをバネでロ
ック状態側(ロック方向)へ付勢した構造のものがあ
る。
【0006】このような一方向クラッチでは、ポケット
内でのころの転動位置により、内輪と外輪とを同期回転
させて前記ロック状態に切り換え、相対回転させて前記
フリー状態に切り換えるように構成されたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オルタネー
タのプーリやロータの回転動作に伴い振動が継続して発
生するような状況では、上述した従来の一方向クラッチ
ではポケット内のころが正規の自転軸に対して傾斜した
姿勢つまりスキューしやすい。ころがスキューすると前
記ロック状態とフリー状態との切り換え動作が不安定に
なりやすい。
【0008】また、このようなころのスキューは、ころ
をロック状態側に付勢するバネの取り付け位置やバネの
ころに対する付勢作用位置などに片寄りがあると、より
助長され、ますます、前記切り換え動作を不安定にして
しまう結果となり得る。
【0009】したがって、本発明は、一方向クラッチに
おいて、ころがスキューした場合に、早期にころを正規
の姿勢に矯正し、ロック状態とフリー状態との切り換え
動作の安定化を図れるようにすることを解決すべき課題
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)本発明第1の一方
向クラッチは、径方向内外に同心状に配設される内輪と
外輪2つの部材を同期回転させるロック状態と相対回転
させるフリー状態とに切り換えられる一方向クラッチで
あって、前記両部材の対向空間に配設されて、ころを1
つだけ収納するポケットを周方向数箇所に有した保持器
を備え、前記ポケット内をころがフリー側に移動したと
きにころの軸方向両端部分を受け止めるストッパが設け
られていることを特徴としている。
【0011】(2)本発明第2の一方向クラッチは、径
方向内外に同心状に配設される内輪と外輪2つの部材を
同期回転させるロック状態と相対回転させるフリー状態
とに切り換えられる一方向クラッチであって、前記両部
材の対向空間に配設されて、ころを1つだけ収納するポ
ケットを周方向数箇所に有した保持器と、保持器の各ポ
ケットそれぞれに前記両部材の回転数差に応じて周方向
転動可能に収納された複数のころと、前記保持器の各ポ
ケット内でころと周方向隣り合わせに収納されてころを
ロック側へ弾発付勢する複数の弾性体とを含み、前記ポ
ケットの軸方向に対向する2面における弾性体配置領域
に、互いに近接する形態で張り出し、かつころがフリー
側に移動したときにころの軸方向両端部分を受け止める
ストッパが設けられていることを特徴としている。
【0012】好ましくは、前記弾性体配置領域に配置さ
れている弾性体の外周面が、前記ストッパの周方向内周
面に周方向に沿わされている。
【0013】(3)本発明第3の一方向クラッチは、径
方向内外に同心状に配設される内輪と外輪2つの部材を
同期回転させるロック状態と相対回転させるフリー状態
とに切り換えられる一方向クラッチであって、両部材の
対向空間に配設されて、ころを1つだけ収納するポケッ
トを周方向数箇所に有した保持器と、保持器の各ポケッ
トそれぞれに前記両部材の回転数差に応じて周方向転動
可能に収納された複数のころと、保持器の各ポケットそ
れぞれにころと周方向隣り合わせに圧縮状態で収納され
てころをロック側へ弾発付勢しかつころの周方向転動に
応じて伸縮するよう伸縮復元力を有する複数のコイルバ
ネと、前記各ころと各コイルバネとの間にそれぞれ介装
されかつコイルバネの弾発付勢力をころの軸方向にほぼ
均等に分散して付与させる複数の押さえ部材とを含み、
前記押さえ部材は、前記コイルバネを内包してポケット
の周方向内壁でガイドされることを特徴としている。
【0014】好ましくは、前記押さえ部材が、ころの軸
方向に沿って幅広く当接する当接部と、前記コイルバネ
を内包する凹入部と、ポケットの周方向内壁でガイドさ
れるガイド部とを有する。
【0015】好ましくは、前記押さえ部材が、前記コイ
ルバネを内包する筐体構造とされ、その前面部が軸方向
に平行に沿ってころと幅広く当接する当接部とされ、ま
た、その側面部がポケットの周方向内壁でガイドされる
ガイド部とされて、ポケット内を周方向に平行スライド
可能となっている。
【0016】好ましくは、前記両部材の径方向で対向す
る面の一方に、両部材間の対向空間の円周数箇所に周方
向一方へ向けて漸次広くしてくさび状空間を形成するカ
ム面が設けられており、前記保持器は各ポケットが各カ
ム面それぞれに対応するよう両部材間に配置され、か
つ、前記押さえ部材の当接部が、ころがカム面側から乗
り上げが可能な曲面形状を有している。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。
【0018】図1ないし図5は本発明の実施形態1にか
かり、図1は、一方向クラッチの上半分を断面にした側
面図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視図、
図3は、保持器のポケット部分の平面展開図、図4は、
図3の(4)−(4)線断面の矢視図、図5は図3の
(5)−(5)線断面の矢視図である。
【0019】図中、Aは一方向クラッチの全体を示して
いる。この一方向クラッチAは、内輪1、外輪2、保持
器3、ころ4、コイルバネ5を備える。動作としては、
内輪1と外輪2との回転数差に応じて、ころ4が転動し
て内・外輪1,2を同期回転させて動力を伝達する状態
や、相対回転させて動力伝達を遮断する状態に切り換わ
るようになっている。
【0020】以下、各構成要素を説明する。
【0021】内輪1は、その外周面の円周数箇所に例え
ば平坦なキー状の切欠きからなるカム面6が設けられて
いる。この内輪1の一端面の180度対向する2箇所に
は、スリット状の切欠き1a,1aが設けられている。
この場合、図1では上半分のみが断面で示されているの
で、一方の切欠き1aのみが図にあらわれ、他方の切欠
き1aは図にあらわれない。
【0022】外輪2は、内外周面ともに円筒形に形成さ
れており、内輪1の外周に所要対向空間を介して同心状
に配設される。内輪1における外輪2の内周面と径方向
で対向する外周面には、内・外輪2間の前記対向空間の
円周数箇所に周方向一方へ向けて漸次広くしてくさび状
空間を形成するカム面6が設けられている。
【0023】保持器3は、内輪1のカム面6に対応する
位置に径方向内外に貫通するポケット3aを有してお
り、合成樹脂材で形成されたものである。ポケット3a
は、周方向一方側(フリー側)にコイルバネ5の配置領
域を有し、周方向他方側(ロック側)にころ4の配置領
域を有している。
【0024】また、保持器3のポケット3aの軸方向一
側面において180度対向する2箇所には、内輪1の切
欠き1a,1aに対して圧入嵌合される突片3b,3b
が設けられており、切欠き1a,1aに対する突片3
b,3bの嵌合により、保持器3が内輪1に対して周方
向ならびに軸方向に位置決めされている。
【0025】ころ4は、保持器3のポケット3aのころ
配置領域に1つずつ周方向に内輪1と外輪2との回転数
差に応じて転動可能に収納された状態で、内輪1のカム
面6と外輪2の内周面との間に形成されるくさび状空間
に配置されている。
【0026】弾性体としてのコイルバネ5は、保持器3
のポケット3aのコイルバネ配置領域に1つずつころ4
と周方向隣り合わせに圧縮状態でかつころ4をロック側
へ弾発付勢しかつころ4の周方向転動に応じて伸縮する
伸縮復元力を有した状態で収納されている。
【0027】このコイルバネ5はまた、側面視ほぼ長方
形の角筒形に巻回された角巻バネからなり、保持器3の
ポケット3a内において伸縮方向がころ4の中心軸線に
対して直交しかつ一端側がころ4の軸方向中間領域にお
いてころ4の軸方向長さ寸法の1/2以上、例えば2/
3の長さ範囲に対してあてがわれる。
【0028】次に、実施形態1の特徴について説明す
る。
【0029】保持器3のポケット3a内には、一対のス
トッパ7,7が一体に設けられている。このストッパ
7,7は、ころ4のフリー側への移動量を規制するとと
もに、コイルバネ5の座屈を防止するものである。
【0030】詳しくは、両ストッパ7,7は、ポケット
3aの軸方向に対向する2つの内径面において、コイル
バネ5の配置領域に、互いに近接する形態で突出された
ものであり、そのころ配置領域側の端面は、ころ4の外
周面を受け止めるために、部分円弧状にくぼんだ形状と
されている。
【0031】作用を説明すると、外輪2の回転速度が内
輪1のそれよりも相対的に速くなると、ころ4はくさび
状空間の狭い側(ロック方向)へ転動させられる結果、
外輪2と内輪1はころ4によりロックされた状態となる
ので、外輪2と内輪1は一体化して同期回転する。
【0032】外輪2の回転速度が内輪1のそれよりも相
対的に遅くなると、ころ4がくさび状空間の広い側(フ
リー方向)へ転動させられる結果、外輪2から内輪1へ
回転動力の伝達が遮断されることになって内輪1は回転
慣性力のみで回転を継続するようになる。
【0033】このとき、フリー方向へ向けてころ4が傾
いた状態で転動しても、ころ4は、一対のストッパ7,
7の受け面7a,7aでその中心軸線が軸方向に平行と
なるようにして受け止められる。
【0034】なお、この受け面7a,7aそれぞれの上
方は、ころ4の外周面形状に沿う曲面を有し、ころ4の
空転を円滑に受け止められるようになっている。
【0035】しかも、実施形態1では、一対のストッパ
7,7の対向内面間にコイルバネ5の外周が沿わされて
いるので、コイルバネ5は座屈が防止され、常にころ4
の軸方向中央領域を付勢、つまり、ころ4をその姿勢の
安定状態を保ったまま付勢することができ、ころ4のス
キュー発生防止に寄与することができる。
【0036】次に、本発明の実施形態2について図6な
いし図8を参照して説明する。図6は、図3対応図、図
7は図4対応図、図8は図5対応図である。
【0037】なお、この実施形態2に係る一方向クラッ
チは、図1および図2に示される実施形態1の一方向ク
ラッチと内輪1、外輪2、ころ4、コイルバネ5といっ
た基本構造ならびに内輪1と外輪2との回転数差に応じ
て、ころ4が転動して内・外輪1,2を同期回転させて
動力を伝達する状態や、相対回転させて動力伝達を遮断
する状態に切り換わるといった基本動作は同様であるの
で、その説明は省略する。
【0038】図6ないし図8で示される実施形態2の保
持器3も、その基本構造は、実施形態1と同様に、外輪
2と内輪1との対向空間に配設されて、内輪1と外輪2
との回転数差に応じて周方向転動可能にころ4を1つだ
け収納するポケット3aを周方向数箇所に有し、かつ、
ころ4と周方向隣り合わせにコイルバネ5を圧縮状態で
収納し、このコイルバネ5でころ4をロック側へ弾発付
勢するようになっている。
【0039】実施形態2の保持器3においては、そのポ
ケット3a内にころ4とコイルバネ5との間に押さえ部
材としてのスライダー8と、このスライダー8をカム面
6方向に押さえてスライダー8に対する抜け出し防止/
ガイド部材9,9とが収納されている。これらは共に合
成樹脂製であるが、特に、スライダー8は、ポリアミド
樹脂等の自己潤滑性を有している合成樹脂製が、ころ4
との接触による摩耗低減の上では好ましい。
【0040】スライダー8は、側面部がポケット3aの
周方向内壁に沿ってガイドされる一対の段付きガイド部
8aとなり、前面部がころ4の外周面に対応した曲面形
状を有しかつころ4の軸方向に沿って幅広く当接する当
接部8bとなり、底面部がカム面6上をスライドするス
ライド部8cとなる筐体構造となっていて、その内部は
前記各部8a〜8cおよび天面部8dとによりコイルバ
ネ5を内包する凹入部8eが構成されるようになってい
る。
【0041】抜け出し防止/ガイド部材9は、ポケット
3aの対向内面に沿って周方向に延びるようにして該内
面に取り付けられスライダー8のガイド部8a,8aの
各段部に係止されてスライダー8のスライド部8cがカ
ム面6から浮き上がるのを防止可能にしている。
【0042】スライダー8の当接部8bは、ころ4とコ
イルバネ5との間に介装されることでころ4に対してコ
イルバネ5を直接接触させずに、コイルバネ5の弾発付
勢力を当接部8bを介して間接的にころ4に付与させて
おり、かつ、ころ4の軸線方向と平行になった状態でロ
ック側とフリー側の2方向にスライドする。
【0043】したがって、ころ4が外輪2と内輪1との
回転数差に応じてロック側に転動するに際して、スライ
ダー8の当接部8bでころ4はその軸線が軸方向に平行
となるようにして付勢されるから、ころ4はスキューす
ることなく、外輪2と内輪1とをロックする。
【0044】また、ころ4が外輪2と内輪1との回転数
差に応じてフリー側に転動するに際して、ころ4はスラ
イダー8の当接部8bと当接するので、ころ4はスキュ
ーすることなくその軸線が軸方向に平行状態でフリー側
に転動する。
【0045】この場合、コイルバネ5の弾発付勢力は、
その当接部8bを介してころ4に付与されるのである
が、この当接部8bはころ4に対して軸線方向に幅広く
かつ大きい接触面積で当接するので、コイルバネ5の形
状に無関係にコイルバネ5の弾発付勢力を、ころ4の軸
方向ほぼ全域に対して均等に分散して付与できる結果、
ころ4にスキュー力を与えずに済むものとなる。
【0046】また、コイルバネ5は角巻きバネであるか
ら、コイルバネ5の弾発付勢力をころ4の軸方向ほぼ全
域に対して分散して付与させやすくなる。
【0047】これらのことから、ころ4にコイルバネ5
の弾発付勢力を常にバランスよく付与できるので、ころ
4が適正な姿勢を保ちながら円滑に転動しやすくなるな
ど、ころ4のスキューを防止できて、ころ4によるロッ
ク、フリー動作の安定化に寄与できるようになる。
【0048】なお、スライダー8の当接部8bの形状
は、ころ4の外周面に沿う形状であったが、さらに、実
施形態3に係る図9で示すように、ころ4がカム面6側
から乗り上げが可能な曲面(R)形状つまり、ころ4の
円周のほぼ1/3程度の円弧面形状でかつ内輪1側円弧
端部8b1が、外輪2側円弧端部8b2よりもロック側
に位置し、その端部8b2がころ4とカム面6との間に
入り込む格好となるようにしても構わない。
【0049】こうすれば、ころ4はフリー状態で回転し
ているときにカム面6との接触面積が小さくなるから、
カム面6におけるころ4の空転による摩耗を防止でき
る。
【0050】上記一方向クラッチAは、自動車などのエ
ンジンに装着される各種の補機のプーリに内蔵すること
ができる。具体的に、補機としてオルタネータとする場
合について、図10に示して説明する。
【0051】この場合、オルタネータのプーリ20とロ
ータ21との間に、実施形態1の一方向クラッチAを介
装し、さらに一方向クラッチAの軸方向両側に深溝玉型
などの転がり軸受22,22を配設している。この場
合、プーリ20とロータ21との回転速度差に応じて、
一方向クラッチがフリー状態とロック状態とに切り換わ
り、プーリ20からロータ21への回転動力を伝達させ
たり遮断させたりするようになる。
【0052】なお、オルタネータでは、プーリ20が、
エンジンのクランクシャフトによりベルト23を介して
回転駆動されるので、従来では、例えばクランクシャフ
トの回転数が低下すると、オルタネータの発電効率が低
下するが、一方向クラッチAを内蔵していれば、プーリ
20の回転数が低下するとき、ロータ21を自身の慣性
力によって回転数を高域に維持させるように一方向クラ
ッチAを維持させることができるので、発電効率の向上
に貢献できるようになる。
【0053】
【発明の効果】本発明第1および第2の一方向クラッチ
によれば、保持器のポケット内のストッパによりころが
スキューした状態でフリー側に転動しても、そのストッ
パで軸方向両端部分が受け止められて早期にころの傾き
姿勢を正規の状態に矯正してロック側に転動させること
ができるから、ロック状態とフリー状態との切り換え動
作が安定した一方向クラッチを得られる。
【0054】なお、本発明第2の場合、弾性体配置領域
に配置されている弾性体の外周面が、前記ストッパの周
方向内周面に沿わされていると、弾性体はそのストッパ
で軸方向への片寄りが規制され座屈を防止される結果、
弾性体はころを正規の状態で長期にわたり安定して弾発
付勢でき、ころはスキュー状態の助長が防止される結果
となり好ましい。
【0055】本発明第3の一方向クラッチによれば、保
持器のポケット内のころとコイルバネとの間に介装され
た押さえ部材でそのコイルバネの弾発付勢力をころの軸
方向にほぼ均等に分散して付与させるから、ころをポケ
ット内でスキューの発生無く適正な姿勢を保ちながら円
滑に転動させることができて、ころによるロック、フリ
ー動作の安定化に貢献することができるようになる。
【0056】また、押さえ部材は、ポケットの周方向内
壁でガイドされるので、押さえ部材自身はころが傾いて
いても、ポケット内で自身の姿勢を適正に保ちつつころ
を押さえられるから、ころのスキュー発生を防止でき
る。
【0057】この押さえ部材が、ころの軸方向に沿って
幅広く当接する当接部と、前記コイルバネを内包する凹
入部と、ポケットの周方向内壁でガイドされるガイド部
とを有する場合、コイルバネの形状に無関係にコイルバ
ネの弾発付勢力を、ころの軸方向ほぼ全域に対して均等
に分散して付与できる結果、ころにスキュー力を与えず
に済むものとなる。
【0058】この押さえ部材が、コイルバネを内包する
筐体構造とされ、その前面部が軸方向に平行に沿ってこ
ろと幅広く当接する当接部とされ、また、その側面部が
ポケットの周方向内壁でガイドされるガイド部とされ
て、ポケット内を周方向に平行スライド可能となってい
ると、当接部でコイルバネの形状に無関係にコイルバネ
の弾発付勢力を、ころの軸方向ほぼ全域に対して均等に
分散して付与できる結果、ころにスキュー力を与えずに
済むとともに、余分な力が加えられても、筐体自体はガ
イド部がポケットの周方向内壁で規定されているため
に、ポケット内で傾いたりすることがなく、したがっ
て、当接部は、ころの軸方向に対して平行度を維持する
ことができ、よりスキューの防止に寄与することができ
る。
【0059】また、この押さえ部材の当接部がころがカ
ム面側から乗り上げが可能な曲面形状を有している場
合、ころはフリー状態で回転しているときにカム面との
接触面積が小さくなるから、カム面におけるころの空転
による摩耗を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の一方向クラッチの上半分
を断面にした側面図
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】保持器のポケット部分の平面展開図
【図4】図3の(4)−(4)線断面の矢視図
【図5】図3の(5)−(5)線断面の矢視図
【図6】本発明の実施形態2で図3対応図
【図7】図6の(7)−(7)線断面の矢視図
【図8】図6の(8)−(8)線断面の矢視図
【図9】本発明の実施形態3で図4対応図
【図10】図1の一方向クラッチを組み込んだプーリユ
ニットの上半分を示す断面図
【符号の説明】
A 一方向クラッチ 1 内輪 2 外輪 3 保持器 3a ポケット 4 ころ 5 コイルバネ 7 ストッパ 8 スライダー(押さえ部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田積 一 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 中川 義崇 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】径方向内外に同心状に配設される内輪と外
    輪2つの部材を同期回転させるロック状態と相対回転さ
    せるフリー状態とに切り換えられる一方向クラッチであ
    って、 前記両部材の対向空間に配設されて、ころを1つだけ収
    納するポケットを周方向数箇所に有した保持器を備え、 前記ポケット内をころがフリー側に移動したときにころ
    の軸方向両端部分を受け止めるストッパが設けられてい
    る、 ことを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 【請求項2】径方向内外に同心状に配設される内輪と外
    輪2つの部材を同期回転させるロック状態と相対回転さ
    せるフリー状態とに切り換えられる一方向クラッチであ
    って、 前記両部材の対向空間に配設されて、ころを1つだけ収
    納するポケットを周方向数箇所に有した保持器と、 保持器の各ポケットそれぞれに前記両部材の回転数差に
    応じて周方向転動可能に収納された複数のころと、 前記保持器の各ポケット内でころと周方向隣り合わせに
    収納されてころをロック側へ弾発付勢する複数の弾性体
    とを含み、 前記ポケットの軸方向に対向する2面における弾性体配
    置領域に、互いに近接する形態で張り出し、かつころが
    フリー側に移動したときにころの軸方向両端部分を受け
    止めるストッパが設けられている、ことを特徴とする一
    方向クラッチ。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の一方向クラッチにおい
    て、 前記弾性体配置領域に配置されている弾性体の外周面
    が、前記ストッパの周方向内周面に周方向に沿わされて
    いる、ことを特徴とする一方向クラッチ。
  4. 【請求項4】径方向内外に同心状に配設される内輪と外
    輪2つの部材を同期回転させるロック状態と相対回転さ
    せるフリー状態とに切り換えられる一方向クラッチであ
    って、 両部材の対向空間に配設されて、ころを1つだけ収納す
    るポケットを周方向数箇所に有した保持器と、 保持器の各ポケットそれぞれに前記両部材の回転数差に
    応じて周方向転動可能に収納された複数のころと、 保持器の各ポケットそれぞれにころと周方向隣り合わせ
    に圧縮状態で収納されてころをロック側へ弾発付勢しか
    つころの周方向転動に応じて伸縮する伸縮復元力を有す
    る複数のコイルバネと、 前記各ころと各コイルバネとの間にそれぞれ介装されか
    つコイルバネの弾発付勢力をころの軸方向にほぼ均等に
    分散して付与させる複数の押さえ部材と、 を含み、 前記押さえ部材は、前記コイルバネを内包してポケット
    の周方向内壁でガイドされる、ことを特徴とする一方向
    クラッチ。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の一方向クラッチにおい
    て、 前記押さえ部材が、ころの軸方向に沿って幅広く当接す
    る当接部と、前記コイルバネを内包する凹入部と、ポケ
    ットの周方向内壁でガイドされるガイド部とを有する、 ことを特徴とする一方向クラッチ。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の一方向クラッチにおい
    て、 前記押さえ部材が、前記コイルバネを内包する筐体構造
    とされ、その前面部が軸方向に平行に沿ってころと幅広
    く当接する当接部とされ、また、その側面部がポケット
    の周方向内壁でガイドされるガイド部とされて、ポケッ
    ト内を周方向に平行スライド可能となっている、 ことを特徴とする一方向クラッチ。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載の一方向クラッチ
    において、 前記両部材の径方向で対向する面の一方に、両部材間の
    対向空間の円周数箇所に周方向一方へ向けて漸次広くし
    てくさび状空間を形成するカム面が設けられており、 前記保持器は、各ポケットが各カム面それぞれに対応す
    るよう両部材間に配置され、かつ、前記押さえ部材の当
    接部が、ころがカム面側から乗り上げが可能な曲面形状
    を有している、ことを特徴とする一方向クラッチ。
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