JP2000249169A - 一方向クラッチ - Google Patents

一方向クラッチ

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JP2000249169A
JP2000249169A JP11052884A JP5288499A JP2000249169A JP 2000249169 A JP2000249169 A JP 2000249169A JP 11052884 A JP11052884 A JP 11052884A JP 5288499 A JP5288499 A JP 5288499A JP 2000249169 A JP2000249169 A JP 2000249169A
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JP
Japan
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way clutch
coil spring
sprags
sprag
cylinder
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JP11052884A
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Hideki Fujiwara
英樹 藤原
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一方向クラッチにおいて、ロック、フリーの動
作タイミングを安定にできるようにすること。 【解決手段】スプラグ14を用いる一方向クラッチ10
において、スプラグ14を一方筒体12に対して支軸1
3を介して傾動可能に支持させるとともに、スプラグ1
4をロック側にコイルバネ15で弾発付勢させる構成。
これにより、スプラグ14が傾動するときにスプラグ1
4が物理的に周方向にずれ動かなくなるので、従来例の
ようなスプラグの周方向位置ずれに関連する滑りが避け
られるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプラグを用いる
一方向クラッチに関する。一方向クラッチは、種々な機
能装置の送り機構の他、自動車などのエンジンのクラン
クシャフトからベルトを介して駆動される補機に装備す
るプーリなどに内蔵される。前述の補機としては、例え
ば自動車のエアコンディショナ用コンプレッサ、ウォー
ターポンプ、オルターネータ、冷却ファン、クランクプ
ーリなどが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】一方向クラッチは、径方向内外に同心状
に配設される2つの筒体を同期回転させるロック状態
と、相対回転させるフリー状態とに切り換えるものであ
り、ころを用いるタイプや、スプラグを用いるタイプな
どが知られている。
【0003】例えば、ころを用いるタイプの一方向クラ
ッチでは、外筒と内筒または軸体との間の対向環状空間
の円周数カ所にくさび状空間が設けられ、このくさび状
空間にころが配置される。このくさび状空間は、例えば
外筒の内周面の円周数カ所に設けられる径方向外向きに
凹む凹曲面からなるカム面と、内筒または軸体の円形外
周面とで形成される。
【0004】一方、スプラグを用いるタイプの一方向ク
ラッチでは、外筒と内筒または軸体との間の対向環状空
間の円周数カ所に、保持器で保持されたスプラグが配置
される。
【0005】いずれの一方向クラッチも、駆動側筒体の
回転速度が従動側筒体よりも速くなったときにころまた
はスプラグがロック状態となり、駆動側筒体の回転速度
が従動側筒体よりも遅くなったときにころまたはスプラ
グがフリー状態となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな一方向クラッチでは、ロック状態において、ころや
スプラグの摩擦力により2つの筒体を一体化させるよう
にしているが、プーリの回転変動により角加速度が大き
くなる状況や、低温時など内部潤滑剤が高粘度で油膜大
となるときのように摩擦係数が低下する状況において、
ころやスプラグが周方向にずれ動くとともに滑ってかみ
合い性が弱まる傾向となることが指摘される。このよう
な現象が発生すると、ロック、フリーの動作タイミング
が不安定になる。
【0007】このような事情に鑑み、本発明は、一方向
クラッチにおいて、ロック、フリーの動作タイミングを
安定にできるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
一方向クラッチは、径方向内外に同心状に配設される2
つの筒体の対向環状空間の円周数カ所に配設される複数
のスプラグと、前記2つの筒体のいずれかの周面上の円
周数カ所に前記両筒体の回転軸心とほぼ平行に取り付け
られて前記スプラグの個々を傾動可能に支持する支軸
と、前記スプラグの個々を前記両筒体間に突っ張る状態
に起き上がらせるよう弾発付勢する弾発付勢部材とを備
え、前記一方筒体の回転状況に応じて前記スプラグが支
軸周りに傾動させられて前記他方筒体を同期回転させた
り相対回転させたりする。
【0009】請求項2の発明にかかる一方向クラッチ
は、上記請求項1において、前記弾発付勢部材が、両端
が径方向外向きに突出したコイルバネからなり、このコ
イルバネの円筒部分が、前記支軸の外周に縮径状態で巻
回されるとともに、このコイルバネの一端側突出部分が
スプラグに、また、コイルバネの他端側突出部分が支軸
を固定した一方筒体の周面に対してそれぞれ当接され
る。
【0010】要するに、本発明では、スプラグを片方の
筒体に対して固定の支軸に傾動可能に支持させることに
より、スプラグが傾動するときに物理的に周方向にずれ
動かないようにしている。これにより、従来例のような
スプラグの周方向位置ずれに関連する滑りが避けられる
ようになる。
【0011】ここで、一方向クラッチについて、仮にい
ずれか一方の筒体を一方向のみに回転駆動して残りの筒
体を従動させる形態で使用する場合だと、駆動側筒体の
回転速度が従動側筒体よりも速くなるとき、スプラグが
起き上がる方向に傾いて駆動側筒体と従動側筒体との間
で突っ張るので、従動側筒体が駆動側筒体に一体化して
同期回転するロック状態になる。但し、駆動側筒体の回
転速度が下がるなどして従動側筒体の回転速度が駆動側
筒体よりも速くなると、スプラグが弾発付勢部材の力に
抗して倒れる方向に傾いて従動側筒体が駆動側筒体に対
して相対回転するフリー状態になる。
【0012】また、請求項2のように、弾発付勢部材を
コイルバネのように一般的に流通するものとすれば、特
殊な専用部品を作成せずに済む。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。
【0014】図1ないし図3に本発明の一実施形態を示
している。図1は、一方向クラッチの構成を示す縦断面
図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視図、図
3は、一方向クラッチの要部の分解斜視図である。
【0015】図中、10は一方向クラッチの全体を示し
ている。この一方向クラッチ10は外筒11と、内筒1
2と、複数の支軸13と、複数のスプラグ14と、複数
のコイルバネ15とを備えている。
【0016】外筒11と内筒12は、径方向内外に同心
状に配設される。このうち、内筒12の外周面の円周数
カ所には、図3に示すように、軸方向一端から軸方向他
端側の途中までに至る長さの切欠き12aが設けられて
いる。
【0017】複数の支軸13は、内筒12において各切
欠き12aの位置に形成される径方向に沿う壁部12b
に、外筒11および内筒12の回転軸心とほぼ平行に片
持ち梁状態にそれぞれ植設されている。
【0018】複数のスプラグ14は、各支軸13にそれ
ぞれ傾動可能に支持されて、外筒11と内筒12との対
向環状空間の円周数カ所に配設される。このスプラグ1
4の凹曲面側には、下記するコイルバネ15の円筒形本
体部分15aの一部と一端側突出部分15bとがあてが
われる凹部14aが設けられている。
【0019】複数のコイルバネ15は、スプラグ14を
外筒11と内筒12とに対して突っ張る状態に起き上が
らせるよう弾発付勢するものである。これら各コイルバ
ネ15は、円筒形で両端が径方向外向きに突出した形状
になっており、その円筒形本体部分15aが各支軸13
の外周に縮径状態で巻回されるとともに、その一端側突
出部分15bが各スプラグ14の凹部14a内面に、ま
た、その他端側突出部分15cが内筒12の切欠き12
aの内面に対してそれぞれ当接されている。
【0020】次に、上記一方向クラッチ10の動作を説
明する。まず、外筒11を一方向のみに回転駆動させて
内筒12を従動させる形態で使用する場合を例に挙げ
る。
【0021】すなわち、外筒11の回転速度を上昇させ
るとき、スプラグ14が起き上がる方向に傾いて外筒1
1と内筒12との間で突っ張るので、内筒12が外筒1
1と一体化して同期回転することになる。この状態がロ
ック状態である。
【0022】但し、外筒11の回転速度が下がるなどし
て内筒12の回転速度が外筒11よりも速くなると、ス
プラグ14がコイルバネ15のばね力に抗して倒れる方
向に傾いて外筒11と内筒12とが相対回転することに
なる。この状態がフリー状態である。
【0023】そして、外筒11を両方向に任意に回転さ
せる形態で使用する場合には、外筒11が図1の反時計
方向に回転すると、上述したようなロック状態になっ
て、内筒12が外筒11と同一方向に同期回転すること
になるが、外筒11が図1の時計方向に回転すると、上
述したようなフリー状態になって、外筒11から内筒1
2に対して回転動力が伝達されなくなり、外筒11のみ
が回転し、内筒12が非回転となる。
【0024】以上説明したように、スプラグ14を内筒
12に対して支軸13を介して支持させることにより、
スプラグ14がロック状態とフリー状態とに傾くときに
周方向にずれ動かないようにしているから、従来例のよ
うなスプラグの周方向位置ずれに関連する滑りを避ける
ことができる。そのため、一方向クラッチ10のロッ
ク、フリーの動作タイミングを安定化できるなど、動作
応答性の向上に貢献できるようになる。
【0025】ところで、上述した一方向クラッチ10
は、例えば自動車などのエンジンに装着される各種の補
機のプーリに内蔵することができる。具体的に、上記一
方向クラッチ10を自動車の補機としてのオルタネータ
のプーリに組み込んだ例を、図4に示す。図4は、一方
向クラッチを内蔵したプーリユニットで、図2に対応す
る断面図である。
【0026】図中、Aはプーリユニットの全体を示して
おり、1はプーリ、2は回転軸、3,4は転がり軸受で
ある。プーリ1は、その外周面に駆動ベルト6が巻き掛
けられるベルト溝1aが設けられている。回転軸2は、
オルタネータの入力軸となるものである。転がり軸受
3,4は、プーリ1と回転軸2との対向環状空間の軸方
向両側に配設されて主としてラジアル荷重を負担するも
ので、例えば深溝玉軸受とされる。
【0027】図例のプーリユニットAでは、プーリ1と
回転軸2との対向環状空間に一方向クラッチ10を配設
している。そして、プーリ1に対して一方向クラッチ1
0の外筒11が、また、回転軸2に対して一方向クラッ
チ10の内筒12がそれぞれ圧入により嵌合される。但
し、プーリ1を一方向クラッチ10の外筒11とし、回
転軸2を一方向クラッチ10の内筒12とし、回転軸2
に対して一方向クラッチ10の支軸13、スプラグ14
ならびにコイルバネ15を取り付ける形態にしてもよ
い。
【0028】このようなプーリユニットAでは、プーリ
1を一方向のみに回転させ、その回転速度を任意に変化
させるような形態で使用される。その動作としては、上
述した一方向クラッチ10の動作説明と同様である。
【0029】つまり、ベルト6によりプーリ1および一
方向クラッチ10の外筒11が所要方向に回転される
と、その回転上昇に伴い一方向クラッチ10がロック状
態になってプーリ1から回転軸2に対して回転動力をほ
ぼ1:1の割合で伝達するようになる。
【0030】但し、仮に、プーリ1の回転上昇過程で、
プーリ1の回転速度が一時的に低下すると、回転軸2の
回転速度が回転慣性力によりプーリ1の回転速度よりも
一瞬速くなるので、一方向クラッチ10がフリー状態と
なってプーリ1から回転軸2に対する回転動力の伝達が
遮断されるようになる。
【0031】この後、再びプーリ1の回転速度が回転軸
2よりも速くなると、一方向クラッチ10が再びロック
状態となるので、プーリ1から回転軸2に対して回転動
力が伝達されることになる。
【0032】このように、プーリ1の回転速度が高低変
動(脈動)するようなことがあっても、一方向クラッチ
10がロック状態とフリー状態に適宜切り換わって、プ
ーリ1の回転速度の脈動を整流化して、回転軸2にリニ
アに伝達させるようになっている。また、プーリ1の回
転速度が高速から低速に減速するときにも、一方向クラ
ッチ10がフリー状態になって回転軸2を自身の回転慣
性力でもって高速回転させることができるので、オルタ
ネータの発電効率を高めることができる。
【0033】なお、本発明は上記実施形態のみに限定さ
れるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0034】(1)上記実施形態では、一方向クラッチ
10の使用例として自動車のオルタネータのプーリを挙
げたが、その他の自動車の補機のプーリや、種々な機能
装置の送り機構に対して組み込む形態とすることができ
る。
【0035】(2)上記実施形態では、一方向クラッチ
10の外筒11を駆動部材、内筒12を従動部材とする
場合を例に挙げているが、外筒11を従動部材、内筒1
2を駆動部材とすることができる。
【0036】(3)上記実施形態では、一方向クラッチ
10の内筒12にスプラグ14を支持させているが、図
5ないし図7に示すように、保持器16を用い、この保
持器16に対してスプラグ14を支持させるようにして
もよい。この保持器16は、内筒12の軸方向一端側に
対して取り付けられることにより一体化されている。こ
の保持器16には、スプラグ14を支持するための支軸
部16aが一体に形成されている。なお、スプラグ14
の取り付け形態については上記実施形態と同様である。
【0037】
【発明の効果】請求項1および2の発明にかかる一方向
クラッチでは、スプラグが傾動するときにスプラグが物
理的に周方向にずれ動かないように工夫しているから、
従来例のようなスプラグの周方向位置ずれに関連する滑
りが避けられるようになって、ロック、フリーの動作タ
イミングを安定にできるなど、動作応答性の向上に貢献
できるようになる。
【0038】したがって、本発明では、安定でしかも信
頼性の高いクラッチ機能を発揮する一方向クラッチを提
供できるようになる。
【0039】特に、請求項2のように、弾発付勢部材を
コイルバネのように一般的に流通するものとすれば、特
殊な専用部品を作成せずに済むなど、低コスト化に貢献
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる一方向クラッチの
構成を示す縦断面図
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】図1の一方向クラッチの要部の分解斜視図
【図4】図1の一方向クラッチを内蔵したプーリユニッ
トで、図2に対応する図
【図5】本発明の他の実施形態にかかる一方向クラッチ
の構成を示す縦断面図
【図6】図5の(6)−(6)線断面の矢視図
【図7】図5の一方向クラッチの保持器の分解斜視図
【符号の説明】
10 一方向クラッチ 11 外筒 12 内筒 12a 内筒の切欠き 13 支軸 14 スプラグ 15 コイルバネ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】径方向内外に同心状に配設される2つの筒
    体の対向環状空間の円周数カ所に配設されるスプラグ
    と、 前記2つの筒体のいずれかの周面上の円周数カ所に前記
    両筒体の回転軸心とほぼ平行に取り付けられて前記スプ
    ラグの個々を傾動可能に支持する支軸と、 前記スプラグの個々を前記両筒体間に突っ張る状態に起
    き上がらせるよう弾発付勢する弾発付勢部材とを備え、 前記一方筒体の回転状況に応じて前記スプラグが支軸周
    りに傾動させられて前記他方筒体を同期回転させたり相
    対回転させたりする、ことを特徴とする一方向クラッ
    チ。
  2. 【請求項2】請求項1の一方向クラッチにおいて、 前記弾発付勢部材が、両端が径方向外向きに突出したコ
    イルバネからなり、 このコイルバネの円筒部分が、前記支軸の外周に縮径状
    態で巻回されるとともに、このコイルバネの一端側突出
    部分がスプラグに、また、コイルバネの他端側突出部分
    が支軸を固定した一方筒体の周面に対してそれぞれ当接
    される、ことを特徴とする一方向クラッチ。
JP11052884A 1999-03-01 1999-03-01 一方向クラッチ Pending JP2000249169A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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