JP4320997B2 - 一方向クラッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、径方向内外に同心状に配設される内輪部材と外輪部材とを同期回転させるロック状態と相対回転させるフリー状態とに切り換えられる一方向クラッチに関する。この一方向クラッチは、例えば自動車のエンジンのクランクシャフトからベルトを回転駆動される補機のプーリに対して組み込まれる。補機とは、自動車のエアコンディショナ用コンプレッサ、ウォーターポンプ、オルタネータ、冷却ファンなどが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
上記一方向クラッチの基本構成は、実施形態で引用している図1に示すように、ロータに固定される内輪とプーリに固定される外輪との一方の対向周面の円周数ヶ所に設けられるカム面でもって内・外輪の対向環状空間の円周数ヶ所に周方向一方へ向けて漸次広がるくさび状空間を形成し、この各くさび状空間にローラと、このローラをくさび状空間の狭い側へ弾発付勢するコイルバネとを1つずつ周方向隣り合わせに配置し、これらくさび状空間に配置されるローラとコイルバネとを保持器の円周数ヶ所のポケット内に配置した構成である。
【0003】
上記保持器は、くさび状空間と同一位相の円周数ヶ所に径方向内外に貫通するポケットを設けた構成であり、内・外輪のうちカム面を形成する側の部材に嵌合固定された状態で内・外輪間に介装される。
【0004】
動作は、内・外輪の回転数差により、ローラが、くさび状空間の狭い側にかみ込むと、内・外輪を一体化するロック状態になり、また、くさび状空間の広い側に転動すると、空転して内・外輪を相対回転可能とするフリー状態になる。
【0005】
このような一方向クラッチの使用対象として、本願出願人は、例えば上記補機のうち、特にオルタネータのロータとプーリとの間に組み込むことによって、クランクシャフトの回転数が低下するときでも、オルタネータのロータの回転数を低下させずにほぼ維持させてオルタネータの発電効率を向上させることを提案している。
【0006】
この場合、クランクシャフトの回転数が上昇するときに、一方向クラッチがロックすることにより、プーリからロータへのトルク伝達が行われて、クランクシャフトと同期してロータが回転する。一方、クランクシャフトの回転数が低下するときには、一方向クラッチがフリー状態になることにより、プーリからロータへのトルク伝達が遮断されて、ロータの回転がその慣性力で継続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の一方向クラッチは、一般的に、グリースが劣化すると、ローラの姿勢が正規の自転軸心に対して傾く現象、つまりスキューが発生しやすくなる。ちなみに、スキューが発生すると、くさび状空間を形成する内・外輪の2面が摩耗しやすくなる。
【0008】
これに対し、従来では、保持器のポケットを平面視ほぼ矩形状に形成し、このポケットの周方向一側にローラを、他側にコイルバネを配置して、ポケット内においてコイルバネの軸心方向両側にグリース貯溜空間を確保するようにしている。
【0009】
しかし、上記のようなグリース貯溜空間を確保していると、コイルバネが軸心方向両側にがたつく余裕ができてしまうため、ローラがくさび状空間の広い側に転動してコイルバネを圧縮する過程で、ローラに対するコイルバネの当接位置がローラの軸心方向中間から左右にずれやすくなり、上記スキューが発生しやすくなる。
【0010】
この他、上記一方向クラッチの組み込み対象を自動車エンジンに付設されるオルタネータのプーリとする場合も、その使用環境が振動の多い場所である関係より、上記スキューが発生しやすくなる。
【0011】
このような事情に鑑み、本発明は、一方向クラッチにおいて、ローラがスキューすることを抑制し、クラッチ動作の安定化と耐久性向上とを図ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一方向クラッチは、請求項1に示すように、径方向内外に同心状に配設される内輪部材と外輪部材とを同期回転させるロック状態と相対回転させるフリー状態とに切り替えるもので、前記内輪部材と外輪部材との一方の対向周面の円周数ヶ所に設けられるカム面でもって両部材の対向環状空間の円周数ヶ所に周方向一方へ向けて漸次広がるくさび状空間を形成し、この各くさび状空間にローラとこのローラをくさび状空間の狭い側へ弾発付勢するコイルバネとを1つずつ周方向隣り合わせに配置し、これらくさび状空間に配置されるローラとコイルバネとを保持器の円周数ヶ所のポケット内に配置した構成であり、前記保持器のポケットが、平面視矩形状のローラ収納部と、このローラ収納部において前記フリー位置寄りの内壁面の軸心方向中間に、周方向に延びるコイルバネ収納用の凹部とを有し、前記ローラ収納部の周方向長さが、前記くさび状空間においてローラがかみ込むロック位置から空転するフリー位置までの距離より大きな寸法に設定されており、前記凹部の軸心方向幅が、ローラのロック状態においてコイルバネと非接触となる幅に設定されるとともに、前記凹部の奥壁面に、前記コイルバネの内周に入り込んで当該コイルバネの一端を係止する凸部が設けられており、前記凸部の先端位置が、前記ローラ収納部のフリー位置寄りの内壁面に対して軸心方向で面一に設定されている。
【0015】
本発明の一方向クラッチは、請求項に示すように、上記請求項において、前記コイルバネが、ローラの軸心方向中間領域においてローラの軸心方向長さ寸法の1/2以上の長さ範囲に当接させられる。
【0017】
本発明の一方向クラッチは、請求項に示すように、上記請求項1または2において、前記内輪の外周面の円周数ヶ所に前記カム面としての平坦面が設けられており、前記外輪の内周面が円形に形成されている。
【0018】
要するに、上記請求項1の発明では、ポケット内におけるローラの転動許容範囲を必要以上に大きくしないように規制したうえで、ポケット内においてコイルバネを保持器に位置決め係止させるようにしている。これにより、保持器のポケット内に位置決め保持されたコイルバネとローラとの当接位置が変化しにくくなるとともに、ローラが傾きにくくなる。しかも、仮にローラがくさび状空間の広い側に転動する過程でローラが傾きかけたとしても、ローラの軸心方向両端がポケット内壁面に対して当接するので、ローラの傾きが大きく進展することを阻止するとともに、傾きを戻すように矯正される。このようにポケット空間を可及的に小さく規制しているから、グリース貯溜空間が従来例に比べて減るものの、上述したようにローラのスキューを抑制できるから、支障ない。
【0019】
特に、ポケットにおいてコイルバネを配置する凹部の軸心方向幅を可及的に狭く規制しているから、ローラがくさび状空間の広い側へ転動してコイルバネを圧縮する過程で、コイルバネが座屈して撓もうとしても凹部の対向する2つの内側面にコイルバネの外周部分が当接して撓まないように押さえられるようになり、ローラに対するコイルバネの当接位置がほぼ不変に保たれるようになる。しかも、フリー位置でローラが適正な姿勢になっているから、当然ながら、ローラを適正な姿勢のままロック位置へ押圧できるようになる。
【0020】
さらに、凸部の先端位置をポケット内壁面と面一にしているから、ローラがくさび状空間の広い側へ転動したときに、凸部とポケット内壁面とにローラの軸心方向3ヶ所の領域が受け止められることになり、ローラの姿勢が適正に矯正されるようになる。しかも、凸部がローラの動きを妨げずに済むし、また、コイルバネが座屈して撓むことを防止できるようになる。
【0022】
また、請求項では、ローラに対するコイルバネの当接範囲を可及的に長く規定しているから、ローラを適正な姿勢でくさび状空間の狭い側へ押圧できるようになる。
【0023】
また、請求項では、カム面を内輪に設けることを特定したものであり、外輪にカム面を形成するときよりも簡単かつ高精度に加工できるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0025】
図1から図5に本発明の実施形態1を示している。図1は、一方向クラッチの上半分を断面にした側面図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視図、図3は、保持器のポケット部分の平面展開図、図4は、図3の(4)−(4)線断面の矢視図、図5は図3の(5)−(5)線断面の矢視図である。
【0026】
図例の一方向クラッチは、内輪1、外輪2、保持器3、ローラ4、コイルバネ5を備えており、内輪1と外輪2との回転数差に応じて、ローラ4が転動して内・外輪1,2を同期回転させて動力伝達を許容する状態や、相対回転させて動力伝達を遮断する状態に切り替わるようになっている。
【0027】
上記内輪1は、その外周面の円周数ヶ所に例えば平坦なカム面6…が設けられており、それにより内輪1の外周面が多角形になっている。
【0028】
上記外輪2は、内外周面ともに円筒形に形成されており、内輪1の外周に所定間隔を離して同心状に配設される。この外輪2の内周面と上記内輪1の外周面との間の対向環状空間の円周数ヶ所には、上記カム面6の存在によって周方向一方に径方向間隔が広がるくさび状空間が形成されることになる。
【0029】
上記保持器3は、ポリアミド66などの合成樹脂材で円筒形に形成されており、その円周数ヶ所、つまり内輪1のカム面6に対応する位置に径方向内外に貫通するポケット7が設けられている。この保持器3は、その内周面が内輪1の外周面と合致する形状とされており、内輪1に対して外嵌することにより周方向に一体的に固定される。
【0030】
ローラ4は、保持器3のポケット7個々に1つずつ周方向に転動可能に収納された状態で、上記くさび状空間に配置されている。
【0031】
コイルバネ5は、保持器3のポケット7個々に1つずつローラ4と周方向隣り合わせに圧縮状態で収納された状態で、上記くさび状空間に配置されており、ローラ4をくさび状空間の狭い側へ弾発付勢する。このコイルバネ5は、楕円筒形に巻回されており、保持器3のポケット7内において伸縮方向がローラ4の中心軸線に対して直交しかつ一端側がローラ4の軸方向中間領域においてローラ4の軸方向長さ寸法の1/2以上、例えば2/3の長さ範囲に対して当接される。
【0032】
この実施形態1では、ポケット7の形状を工夫することにより、ローラ4のスキューを抑制するように工夫している。
【0033】
具体的に、ポケット7は、平面視ほぼ矩形状のローラ収納部8と、このローラ収納部8において前記フリー位置寄りの内壁面8aの軸心方向中間に、周方向に延びるコイルバネ5収納用の凹部9とを有している。つまり、ポケット7は、平面視でほぼ凸形状になっている。
【0034】
そして、ローラ収納部8の周方向長さは、上記くさび状空間においてローラ4がかみ込むロック位置(図4の実線)から空転し始めるフリー位置(図4の二点鎖線)までの距離より余裕をもって若干大きな寸法に設定されている。
【0035】
また、凹部9の軸心方向幅Wは、軸心方向でのコイルバネ5の撓みを規制する寸法に設定されている。この凹部9の奥壁面には、コイルバネ5の内周に入り込んで当該コイルバネ5の一端を係止する凸部10が設けられている。この凸部10は、図5に示すように、外径側肩部が丸い曲面形状とされているとともに、付け根側の外径部分にはコイルバネ5の一端側が入り込む溝10aが設けられており、その先端位置が、ローラ収納部8においてフリー位置寄りの内壁面8aに対して軸心方向でほぼ面一に設定されている。
【0036】
上述した一方向クラッチでは、外輪2の回転速度が内輪1のそれよりも相対的に速くなると、くさび状空間の狭い側に位置するローラ4が内・外輪1,2間にかみ込んでロック状態となるので、外輪2と内輪1が一体化して同期回転する。つまり、外輪2から内輪1への動力伝達が行われる。
【0037】
一方、外輪2の回転速度が内輪1のそれよりも相対的に遅くなると、ローラ4がくさび状空間の広い側へ転動させられて、空転するフリー状態になるので、外輪2と内輪1が相対回転して外輪2から内輪1への動力伝達が遮断されることになって、内輪1が回転慣性力で回転を継続する。
【0038】
そして、ローラ4が上記フリー状態へ転動する過程で、ローラ4が傾いたとしても、このローラ4の軸心方向一端側がポケット7のローラ収納部8における内壁面8aに対して当接することになって、ローラ4の傾きが大きく進展することを阻止するとともに、傾きを戻すように矯正される。このため、ローラ4のスキューが抑制されることになるので、内・外輪1,2の摩耗を抑制できるようになるとともに、クラッチ動作の安定化を図ることができるようになる。
【0039】
しかも、ポケット7の凹部9の対向する2つの内側面とコイルバネ5の周面との間の隙間が微小に設定されているから、ローラ4がくさび状空間の広い側へ転動してコイルバネ5を圧縮させる過程において、コイルバネ5が座屈して撓もうとしても凹部9の対向する2つの内側面にコイルバネ5の外周部分が当接して撓まないように押さえられるようになる。そのため、常にコイルバネ5がローラ4の軸方向中央領域に当接した状態が保持され、左右にずれなくなるから、ローラ4に対してコイルバネ5の弾発付勢力をバランスよく付与できるようになり、ローラ4のスキュー抑制効果が向上する。しかも、フリー位置でローラ4が適正な姿勢になっているから、当然ながら、ローラ4を適正な姿勢のままロック位置へ押圧できるようになるなど、全てのローラのロックタイミングを同期させるうえで有利となる。
【0040】
この他、コイルバネ5を楕円形にして、ローラ4の幅広い面積に当接させているので、コイルバネ5の弾発付勢力を、ローラ4の軸方向ほぼ全域に対して均等に分散して付与でき、ローラ4をバランスよく弾発付勢できるようになる。
【0041】
図6および図7に本発明の実施形態2を示している。図6は、図3に対応する図、図7は図4に対応する図である。
【0042】
この実施形態2の一方向クラッチは、上記実施形態1に示す一方向クラッチと基本的に同じ構成要素を有しているが、ポケット7の形状が相違するので、相違点のみを詳細に説明する。
【0043】
具体的に、保持器3のポケット7は、平面視ほぼ矩形状に形成されており、ローラ4とコイルバネ5とが配置される。このポケット7においてコイルバネ5が配置される側の内壁面7aの軸心方向中間に、コイルバネ5を外装して当該コイルバネ5の一端を係止する凸部10が設けられている。また、上記内壁面7aにおいて軸心方向両端側には、ポケット7の内方へ張り出す張り出し部11,12が設けられている。
【0044】
この張り出し部11,12は、その径方向厚みを付け根側から先端側へ向けて漸次薄肉とすることにより、くさび状空間の広い側へローラ4が転動する過程でカム面6側から乗り上げさせる傾斜面11a,12aを有している。
【0045】
このような構成では、ローラ4がくさび状空間の広い側へ転動する過程において、ローラ4をカム面6から乗り上げさせるようにしているから、ローラ4の傾きが矯正されるとともに、ローラ4の径方向がたつきを小さく抑えることが可能になる。しかも、フリー位置でローラ4が適正な姿勢になっているから、当然ながら、ローラ4を適正な姿勢のままロック位置へ押圧できるようになるとともに、フリー位置からローラがくさび状空間の狭い側へ転動しやすくなるなど、応答性の向上に貢献できる。全てのローラのロックタイミングを同期させるうえで有利となる。
【0046】
ところで、上述した実施形態1,2の一方向クラッチは、自動車などのエンジンに付設される各種の補機の駆動プーリに組み込むことができる。例えば、一方向クラッチの組み込み対象を、オルタネータとする場合について説明する。
【0047】
この例では、オルタネータのプーリとロータとの間に、実施形態1に示した一方向クラッチを介装し、さらに一方向クラッチの軸方向両側に例えば深溝玉軸受を配設する。この場合、プーリとロータとの回転速度差に応じて、一方向クラッチがフリー状態とロック状態とに切り換わり、プーリからロータへの回転動力を伝達させたり遮断させたりするようになる。
【0048】
なお、オルタネータでは、プーリが、エンジンのクランクシャフトによりベルトを介して回転駆動されるので、従来では、例えばクランクシャフトの回転数が低下すると、オルタネータの発電効率が低下するが、一方向クラッチを内蔵していれば、プーリの回転数が低下するとき、ロータを自身の慣性力によって回転数を高域に維持させるように一方向クラッチを維持させることができるので、発電効率の向上に貢献できるようになる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1に係る発明では、保持器のポケット内に位置決め保持されたコイルバネとローラとの当接位置が変化しにくくなるとともに、ローラが傾きにくくなるうえ、仮にローラがくさび状空間の広い側に転動する過程でローラが傾きかけたとしても、ローラの傾きが大きく進展することを阻止するとともに、傾きを戻すように矯正することにより、ローラをスキューさせにくくしているから、内・外輪部材の摩耗を抑制できるとともに、クラッチ動作の安定化を図ることができ、信頼性向上に貢献できる。
【0050】
に、ポケットにおいてコイルバネを配置する凹部の軸心方向幅を可及的に狭く規制しているから、ローラがくさび状空間の広い側へ転動してコイルバネを圧縮する過程で、コイルバネが座屈して撓もうとしても凹部の対向する2つの内側面にコイルバネの外周部分が当接して撓まないように押さえられるようになり、ローラに対するコイルバネの当接位置がほぼ不変に保たれるようになり、ローラのスキュー抑制効果が向上する。しかも、フリー位置でローラが適正な姿勢になっているから、当然ながら、ローラを適正な姿勢のままロック位置へ押圧できるようになるなど、全てのローラのロックタイミングを同期させるうえで有利となる。
【0051】
さらに、凸部の先端位置をポケット内壁面と面一にしているから、ローラがくさび状空間の広い側へ転動したときに、凸部とポケット内壁面とにローラの軸心方向3ヶ所の領域が受け止められることになって、ローラの姿勢が適正に矯正されやすくなる。
【0053】
また、請求項に係る発明では、ローラに対するコイルバネの当接範囲を可及的に長く規定しているから、ローラを適正な姿勢でくさび状空間の狭い側へ押圧できるようになり、ローラの噛み合い性が良好となる。
【0054】
また、請求項に係る発明では、カム面を内輪に設けることを特定したものであり、外輪にカム面を形成するときよりも簡単かつ高精度に加工できるようになり、生産性向上ならびにローコスト化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る一方向クラッチの上半分を断面にした側面図
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】保持器のポケット部分の平面展開図
【図4】図3の(4)−(4)線断面の矢視図
【図5】図3の(5)−(5)線断面の矢視図
【図6】本発明の実施形態2で、図3に対応する図
【図7】図6の(7)−(7)線断面の矢視図
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 保持器
4 ローラ
5 コイルバネ
6 カム面
7 保持器のポケット
8 ポケットのローラ収納部
8a ローラ収納部の内壁面
9 ポケットの凹部
10 ポケットの凸部

Claims (3)

  1. 径方向内外に同心状に配設される内輪部材と外輪部材とを同期回転させるロック状態と相対回転させるフリー状態とに切り替える一方向クラッチであって、
    前記内輪部材と外輪部材との一方の対向周面の円周数ヶ所に設けられるカム面でもって両部材の対向環状空間の円周数ヶ所に周方向一方へ向けて漸次広がるくさび状空間を形成し、この各くさび状空間にローラとこのローラをくさび状空間の狭い側へ弾発付勢するコイルバネとを1つずつ周方向隣り合わせに配置し、これらくさび状空間に配置されるローラとコイルバネとを保持器の円周数ヶ所のポケット内に配置した構成であり、
    前記保持器のポケットが、平面視矩形状のローラ収納部と、このローラ収納部において前記フリー位置寄りの内壁面の軸心方向中間に、周方向に延びるコイルバネ収納用の凹部とを有し、
    前記ローラ収納部の周方向長さが、前記くさび状空間においてローラがかみ込むロック位置から空転するフリー位置までの距離より大きな寸法に設定されており、前記凹部の軸心方向幅が、ローラのロック状態においてコイルバネと非接触となる幅に設定されるとともに、前記凹部の奥壁面に、前記コイルバネの内周に入り込んで当該コイルバネの一端を係止する凸部が設けられており、前記凸部の先端位置が、前記ローラ収納部のフリー位置寄りの内壁面に対して軸心方向で面一に設定されていることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 請求項の一方向クラッチにおいて、
    前記コイルバネが、ローラの軸心方向中間領域においてローラの軸心方向長さ寸法の1/2以上の長さ範囲に当接させられることを特徴とする一方向クラッチ。
  3. 請求項1または2の一方向クラッチにおいて、
    前記内輪の外周面の円周数ヶ所に、前記カム面としての平坦面が設けられており、前記外輪の内周面が円形に形成されていることを特徴とする一方向クラッチ。
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